JPS5822437Y2 - ２輪車用動力伝達装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は横置きエンジン背後の右側にエンジンから動力
を受ける流体式トルクコンバーターを、又左側にトルク
コンバーターから動力を受ける歯車変速機を配置した２
輪車用動力伝達装置に関する。

この種の動力伝達装置に於ては、トルクコンバーターの
右先端の軸受と、トルクコンバーター用油通路の確保に
は、クランクケースに締着したライトカバーの外壁を利
用するのが普通である。

この２ツの機能を持たせるため、従来は第１図の如く、
（１）トルクコンバーターＴ右端部の軸受のため、ライ
トカバーａの中央部が外側（右方）に出っ張る。

（２）油孔す、Ｃを設けるためのボスｄが、油孔す、Ｃ
に沿って外側に出っ張る。

（３）固定筒軸ｅの右端に設けた７ランジｆをボルトｇ
でライトカバーａに締着し、軸受りを固定し、又油孔す
、Ｃに連続する油通路ｉ、ｊを形成しているが、ボルト
ｇの頭が外側に出る。

（４）上記ボスｄ及びポルｔ−ｇの頭を隠すためのカバ
ーｋが外側に出っ張る。

このため、（イ）２輪車のデザイン上重要な右側側面の
美観を著しく損なう。

（ロ）右側への出っ張りが増すため乗車姿勢が不安定に
なり、ドヤイブフィーリングが悪化するばかりでなく、
安全性が低下する・・・・・・等の欠点があった。

本考案は上記従来の欠点を回避したもので、第２図、第
３図に実施例を示す。

第３図中Ｅは横置きエンジン、ＴはエンジンＥから動力
を受ける流体式トルクコンバーター、Ｍはトルクコンバ
ーターＴから動力を受ける歯車式変速機で、矢印は動力
伝達経路を示す。

第２図に於て、エンジンのクランクケース１３に複数個
のボルトにより締着されたライトカバー１４は、その内
面に環状ボス１とそこから半径方向側方への延びるリブ
２を一体に備え、ボス１及びすブ２内に設けた供給用油
孔１５と排出用油孔１６の一端は、クランクケース１３
の肉厚内に設けた対応する油孔をへてポンプ吐出口と油
溜（共に図示せず）へ接続する。

中央に油通路１１を有する固定筒軸４は、右端の外向き
フランジ４ａと、その外周縁から左方へ延びる筒状ボス
４ｂと、その左端から外方へ延びる外周フランジ４Ｃを
一体に備え、筒状ボス４ｂは環状ボス１の内周面にいん
ろう状に噛み合い、外周フランジ４Ｃはベアリング押え
１７と共に複数個のボルト６により環状ボス１の先端面
に締着される。

従って固定筒軸４はライトカバー１４の内面から左方へ
片持梁状に突出した形になり、その左端部外周に一方向
クラッチ１８を介してステータ１９を、又ベアリング２
０を介してインペラー２１を支持する。

筒状ボス４ｂとベアリング押え１７によりアウターレー
スが挾持されているベアリング５は、そのインナーレー
ス内にインペラー２１と一体の筒状のインペラーボス７
が嵌合している。

ベアリング押えニアの中央の孔に対しインペラーボス７
はある隙間を持って嵌合し、両者はシールリング２２に
よりシールされる。

インペラーボス７と固定筒軸４の間の環状断面の油通路
８は、筒状ボス４ｂに設けた油孔１０をへて供給用油孔
１５に接続し、外向きフランジ４ａとライトカバー１４
の間の油溜２３は、外向きフランジ４ａに設けた切欠９
を介して排出用油路１６に接続する。

なお第２図中インペラーボス７に固定したスプロケット
２５はチェーン２６をへてクランク軸上のスプロケット
（図示せず）に接続する。

２７はタービン、２８は出力軸、２９はハウジングで゛
ある。

運転中エンジンの回転力はチェーン２６、スプロケット
２５を介してインペラー２１へ伝達され、引続きインペ
ラー２１により駆動される油を介してタービン２７が回
転力を受け、出力軸２８から歯車変速機へ達する。

トルクコンバーターＴ内の油はインペラー２１とタービ
ン２７の回転に起因するポンプ作用により油通路１１か
ら排出され、同時に油通路８から補給される。

油通路１１内へ排出された油は油溜２３、切欠９、排出
用油孔１６をへて油溜へ達しく必要に応じクーラーで冷
却され）、補給油はオイルポンプ吐出口より供給用油孔
１５，１０、油通路８をへてトルクコンバーターＴ内へ
供給される。

以上説明したように本考案に於ては、ライトカバー１４
の中央部内側に、油孔１５，１６を有するリブ２を設け
、リブ２をライトカバー１４の内側に張り出し、固定筒
軸４を従来のものとは逆にライトカバー１４の内側から
左方へ片持梁状に突出延長し、固定筒軸４の右端部を筒
状ボス４ｂの部分で環状ボス１の内面に嵌合し、筒状ボ
ス４ｂ内にベアリング５を内蔵し、外周フランジ４Ｃと
ベアリング押え１７をボルト６により環状ボス１に共線
めしている。

又インペラーボス７をライトカバー１４側へ延長し、ベ
アリング５のインナーレース内に挿入し、油通路８を確
保すると共に、ベアリング５によりトルクコンバーター
先端部を支持している。

又固定筒軸４に切欠９及び油孔１０を設け、トルクコン
バーター用油通路８及び１１と接続している。

このように固定筒軸４をライトカバー１４の内側にボル
ト締めし、かつライトカバー１４のリブ２に油孔１５，
１６を設けることにより、右方への出っ張りをなくする
ことができ、外観を従来の手動変速機程度まで改善する
ことができた。

部品点数も減少し、構造も簡素化する利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の構造を示す水平断面図、第２図は本考案
による装置の水平断面図、第３図はレイアウトを示す平
面略図である。 １・・・・・・環状ボス、２・・・・・・ノブ、４・・
・・・・固定筒軸、４ａ・・・・・・外向きフランジ、
４ｂ・・・・・・筒状ボス、４Ｃ・・・・・・外周フラ
ンジ、５・・・・・・ベアリング、７・・・・・・イン
ペラーボス、８・・・・・・油通路、１３・・・・・・
クランクケース、１４・・・・・・ライ）〜カバー、１
５゜１６・・・・・・油孔、２３・・・・・・油溜、２
５・・・・・・スプロケツｌ−、Ｅ・・・・・・横置き
エンジン、Ｍ・・・・・・歯車変速機、Ｔ・・・・・・
トルクコンバーター

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横置きエンジン背後の右側にエンジンから動力を受ける
   流体式トルクコンバーターを、又左側にトルクコンバー
   ターから動力を受ける歯車変速機を配置した２輪車用動
   力伝達装置に於て、上記エンジンのクランクケースにト
   ルクコンバーターを覆うライトカバーを締着してその内
   面に環状ボスとそこから半径方向外方へ延びるリブを一
   体に設け、リブ内に供給用と排出用の油孔を形成し、ト
   ルクコンバーターの固定筒軸右端に外向きフランジと、
   その外周縁から左方へ延びる筒状ボスと、その左端から
   外向きに延びる外周フランジを一体に設け、筒状ボスを
   環状ボス内に嵌め、外周フランジを環状ボス先端面にボ
   ルトで締着して環状ボス内に排出用油孔に接続した油溜
   を形成し、筒状ボス内に固定したベアリング内にトルク
   コンバーターのインペラーボスを嵌め、筒軸とインペラ
   ーボスの間の油通路を供給用油孔に接続したことを特徴
   とする２輪車用動力伝達装置。