JPS5822393Y2 - 振動板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スピーカに利用される振動板の改良に係り、
特に新規な素材と構造とを有し、新規な製造工程で作成
することの出来る振動板を提供せんとするものである。

従来のスピーカ用の振動板は、叩解された紙繊維を抄き
上げて作成した硬質紙を振動板素材として用いていた。

前記硬質紙は軽量である為、振動板素材として多用され
ているが、剛性が低いという欠点を有する為、完全な振
動板と言うわけには行かなかった。

又、剛性面の改善を行った振動板としては、軽金属箔、
金属多孔体、ハニカム構造等の金属振動板が存在する。

これらは、軽量でかつ剛性が高い為に、振動板素材とし
ては優れているが、構造が複雑となったり単価が高くな
ったりするという実用上の問題を有している。

一方、振動板の構造としては、従来からフリーエツジ型
と固定エツジ型とが存在する。

前記固定エツジ型の振動板は、振動板の端部をそのまま
エツジとして用いるものであるが、振動板の自由なピス
トン振動が阻害される等の欠点を有していた。

又、フリーエツジ型の振動板は、別体のゴム等から戒る
エツジ部材を振動板に接着したり、振動板の端部を加工
してコリュゲーションを付けたりして作成している。

前記フリーエツジ型の振動板は、固定エツジ型に比べ、
動きが自由であり特性の向上が、計れる等の理由から、
現在多用されている。

しかしながら、振動板素材として金属を用いた場合には
、振動板の端部の加工が行い得ないので、別体のエツジ
部材を接着してフリーエツジ型としなければならず、そ
の為、接着むらによる特性上のバラツキや接着剤のはみ
出しによる外観不良等の欠点を有するものであった。

本考案は、上述の点に鑑み威されたもので、以下実施例
に基き図面を参照しながら説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す正面図で、１は振動板
の本体部、及び２はエツジ部である。

しかして、第１図に示される振動板は、第２図イに示さ
れる如きポリウレタンシート３を素材として作成される
。

前記ポリウレタンシート３は、その気泡の存在の故に非
常に軽量である。

しかしながら剛性が非常に弱いので、そのままでは振動
板として利用出来ない。

更に、前記ポリウレタンシート３には、通気性の無い独
立気泡のものと、通気性の有る連続気泡のものとが存在
するが、前記連続気泡のものは、その通気性を阻止する
為の目止めを行う必要がある。

従って、ポリウレタンシート３を振動板に利用する為に
は、所定の加工を行なわなければならない。

実際の振動板を作成する場合は、まずプレス加工により
第２図イに示されるポリウレタンシート３から、第２図
口に示す如く、振動板本体部１とエツジ部２とを作成す
る。

その後、前記エツジ部２をマスクした状態で、前記振動
板本体部１に金属メッキを施こす。

前記ポリウレタンシート３として連続気泡のものを用い
る場合には、前記金属メッキがポリウレタンシート３の
内部迄侵透するので、十分に剛性を高めることが出来る
。

又、ポリウレタンシート３として独立気泡のものを用い
る場合には、通気性が無い為、第２図へに示す如く、振
動板本体部１の両面にメッキ層４が形成され、ポリウレ
タンとメッキ層の三層構造となるので剛性は十分に高め
られる。

金属メッキを行うと、その分だけ重量が増加するが、ポ
リウレタンシート自体が元々軽量であるからさしたる影
響はない。

しかして、メッキ層の厚みは、重量と剛性との兼ね合い
により、設計に応じて自在に選択出来る。

ポリウレタンシート３として連続気泡のものを用いた場
合、その通気孔は金属メッキによっては閉塞されない。

その為、第２図二に示す如く、金属メッキが行なわれた
ポリウレタンシートの片面もしくは両面に、アルミニウ
ム箔等の軽量金属箔５を貼着することによって、前記通
気孔を閉塞する必要がある。

前記金属箔５は目止めの効果とともに、剛性を高めると
いう効果も有する。

その為、独立気泡のポリウレタンシートを用いた場合で
も、剛性を高める目的で前記金属箔５を貼着してもよい
。

上述の如くして作成された振動板は、ポリウレタンシー
ト３の形状をそのまま利用出来、かつポリウレタン自体
の軽量であるという特性を十分に生かすことが出来る。

従って、理想的なピストン運動を達成出来る平面振動板
を容易に作成することが出来る。

又、金属メッキ及び金属箔の貼着により、剛性を十分に
大とすることが出来るので、軽量かつ剛性が高いという
振動板自体の特性改善が達成出来音響特性の改善が行な
えるという利点を有する。

更に、本願に係る振動板は、製造が簡単であり、エツジ
を一体に加工成型出来るので、製造工程の簡略化及びコ
ストの低減が達成出来る実用的なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、及び第２図は
その製造工程を示す断面図である。 主な図番の説明 １・・・・・・振動板本体、２・・・
・・・エツジ部、４・・・・・・メッキ層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エツジが一体に成型加工された発泡ポリウレタンシート
   から成る振動板素材と、該振動板素材の表面に設けられ
   た金属メッキ層と、該金属メッキ層の少くとも一面に貼
   着された金属箔とから成る振動板。