JPS582212B2 - トランス↓−ザビネンハイドレ−トの製造方法 - Google Patents

トランス↓−ザビネンハイドレ−トの製造方法

Info

Publication number
JPS582212B2
JPS582212B2 JP10319578A JP10319578A JPS582212B2 JP S582212 B2 JPS582212 B2 JP S582212B2 JP 10319578 A JP10319578 A JP 10319578A JP 10319578 A JP10319578 A JP 10319578A JP S582212 B2 JPS582212 B2 JP S582212B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trans
tzene
hydrate
zabinene
hydroperoxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP10319578A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5528965A (en
Inventor
戸田晴彦
嵯峨均
新保正府
西田安邦
鈴木国友
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP10319578A priority Critical patent/JPS582212B2/ja
Publication of JPS5528965A publication Critical patent/JPS5528965A/ja
Publication of JPS582212B2 publication Critical patent/JPS582212B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、歯磨、飲食物等の香料成分、特にペパーミン
ト系、スペアミント系ハッカの強調剤として有用なトラ
ンス−ザビネンハイドレートの製造方法に関する。
従来、ザビネンハイドレートを合成する方法としては、
下記反応(a)に示すように、化学構造式(1)で示さ
れる5−イソプロピルビシクロ〔3・1・0〕ヘキサン
−2−オンにメチルマグネシウムブロマイド等のメチル
グリニヤール試薬もしくはメチルリチウム等のメチル金
属化物を加えて反応させる方法が知られている(米国特
許第 3591643号)。
しかし、この方法では主にシス−ザビネンハイドレート
〔化学構造式(2)〕が生成し、トランス−ザビネンハ
イドレート〔化学構造式(3)〕は非常にわずかしか生
成しない(シス体とトランス体との生成比率は通常8.
5:1である)。
このため、トランス−ザビネンハイドレートを合成する
場合には、(b)式に示すように、化学構造式(4)で
示されるα−ツエンを光酸素化して、化学構造式(5)
で示される過酸化物(トランス−4−ヒドロペルオキシ
−β−ツエン)を合成した後、これに亜硫酸ナトリウム
を加えて化学構造式(6)で示サレルトランス−4−ヒ
ドロキシ−β−ツエンに還元し、更にこれに金属触媒に
よる水素添加反応を行って、トランス−ザビネンハイド
レートを得る方法が提案されている〔Erieh Kl
ein andWilli Rojahn、 Chem
.Ber.、98(9)、3045 〜9(1965)
;G,Ohloff et al.、Tetrahe
dron、22、309(1966)〕しかるに、この
方法による場合には、(5)式の過酸化物と亜硫酸ナト
リウムとを反応させる場合、多量の亜硫酸ナトリウムを
必要し、これを長時間かけて添加しなければならない上
、反応を低温下で行わなければならず、更に、得られた
生成物(トランス−4−ヒドロキシ−β−ツエン)を溶
媒抽出し、溶媒留去、精製を行わなければならない等、
多くの非常に繁雑な操作を要し、しかもこのように中間
生成物であるトランス−4−ヒドロキシ−β−ツエンを
精製しなければならない等のため、全体の収率がかなり
低下する問題がある。
また、前記過酸化物を合成した後、その溶媒を留去しな
くてはならず、かつその操作は、過酸化物が危険性を有
するため、低温、低圧で行わなければならず、面倒であ
る上、大量合成に適さない問題もあり、従って簡単にか
つ収率よくトランス−ザビネンハイドレートを合成する
方法が求められていた。
本発明者らは、上記要望に応えるため鋭意研究を行った
結果、α−ツエンを光酸素化して得られる過酸化物(ト
ランス−4−ヒドロペルオキシ−β−ツエン)を直接接
触還元することにより、1ステップで収率よくトランス
−ザビネンハイドレートを合成でき、このように前記過
酸化物を単に接触還元すればよいので操作が非常に簡単
になり、またα−ツエンより前記過酸化物を経由してト
ランス−ザビネンハイドレートを合成する場合、過酸化
物合成後に溶媒を留去せず、そのまま接触還元すること
により、簡単にトランス−ザビネンハイドレートを得る
ことができることを見い出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明はトランス−4−ヒドロペルオキシ−β−
ツエンを接触還元することを特徴とするトランス−ザビ
ネンハイドレートの製造方法を提供するものである。
以下、本発明につき詳しく説明する。
本発明は、トランス−4−ヒドロペルオキシ−β−ツエ
ンを接触還元してトランス−ザビネンハイドレートを得
るものであるが、例えばトランス−4−ヒドロペルオキ
シ−β−ツエンは、式(c)に示すように、α−ツエン
を光酸素化することによって得られる。
この場合、α−ツエンの光酸素化は無溶媒のまま行って
もよいが、溶媒を用いることもできる。
溶媒としては、メタノール、エタノール、イングロパノ
ール、ブタノール、n−ペンタン、n−へキサン、シク
ロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、エチレングリ
コール、酢酸エチル等、或いはこれらと水との混合物、
又はこれらの2種もしくはそれ以上の混合物が使用でき
るが、このうち特に安価、低沸点、取扱い易さ等の点か
らメタノールが優れている。
また、光酸素化に使用する光源としては、低圧、高圧の
水銀燈、タングステンハロゲン燈など、一般に光酸素化
に用いられているものはいずれも使用でき、また照射方
法は外部、内部照射法のいずれの方法をも採用できる。
更に、α−ツエンの光酸素化に際しては通常増感剤が使
用されるが、増感剤としては光増感酸素化に用いられる
ものはいずれのものでも使用でき、例えば、フタレイン
染料のローズベルガル、エリスロシン、エオシン、テア
ジン染料のメチレンブルー、ポルフイリン染料のクロロ
フィルa,b,ヘマトポルフィン、アクリジン染料のア
クリジンオレンジ、その他アントラキノン、ペンゾキノ
ン、ローダミンB1フルオレセイン、アントラセン、ビ
レンとその誘導体、テトラフエニルポルフイリン亜鉛等
が使用され、これら増感剤は通常α−ツエン重量の約0
.01%〜100%、好ましくは1〜10%の範囲で添
加される。
本発明は上述した如き方法で得られるトランス−4−ヒ
ドロペルオキシ−β−ツエンヲ用いルモのであり、α一
ツエンよりこのトランス−4−ヒドロペルオキシ−β−
ツエンを合成した場合は、それに用いた溶媒を留去し、
乃至は生成したトランス−4−ヒドロベルオキシ−β−
ツエンを単離する操作を行った後、接触還元することも
できる。
しかし、トランス−4−ヒドロペルオキシ−β−ツエン
を接触還元する場合に使用する溶媒としては、前記α−
ツエンの光酸素化に用いた溶媒と同一のものが使用でき
、また、α−ツエンの光酸素化後、溶媒を留去せず、ト
ランス−4−ヒドロペルオキシ−β−ツエンを含む反応
液を直接接触還元しても、高収率でトランス−ザビネン
ハイドレートを得ることができる。
従って、α−ツエンを光酸素化してトランス−4−ヒド
ロペルオキシ−β−ツエンを合成した場合は、溶媒を留
去したり、トランス−4−ヒドロペルオキシ−β−ツエ
ンを単離することなく、光酸素化後の反応液に直接接触
還元操作を施すことが好ましい。
なおα−ツエンの光酸素化を無溶媒のまま行った場合は
、反応液に前記溶媒を加えて接触還元することもできる
が、溶媒を加えずに無溶媒のまま接触還元することもで
きる。
このトランス−4−ヒドロペルオキシ−β−ツエンの接
触還元に際して用いられる触媒としては、ラネーニッケ
ル、漆原ニッケル、コロイドパラジウム、白金黒、酸化
白金、硫化ニッケル等が使用できるが、特に反応性が良
く、かつ安価なことからラネーニッケル、漆原ニッケル
が優れており、またこれら触媒は通常トランス−4−ヒ
ドロペルオキシ−β−ツエン重量の約5%〜200%、
好ましくは5〜10%の範囲で添加される。
また、この接触還元において、水素は常圧で使用しても
、加圧して使用しても良く、水素圧が高い程、また触媒
量が多い程、反応は速く終了する。
なお、反応は通常0〜40℃で行われる。
接触還元反応終了後においては、常法に従い、触媒をろ
別し、溶媒を留去し、残留物を減圧分留し、更に必要に
より精製操作を行って、トランス−ザビネンハイドレー
トを得る。
なお、トランス−ザビネンハイドレートは、前記残留物
を減圧分留することにより得られたもの、もしくは更に
これを精製したものを必要な用途に使用する。
而して、トランス−4−ヒドロペルオキシ−β−ツエン
を直接接触還元するという本発明方法によれば、トラン
ス−ザビネンハイドレートを従来法に比べて高収率で合
成することができると共に、従来法のようにトランス−
4−ヒドロペルオキシ−β−ツエンに多量の亜硫酸ナト
リウムを長時間かけて加え、トランス−4−ヒドロキシ
−β−ツエンを合成し、かつその溶媒を留去し、トラン
ス−4−ヒドロキシ−β−ツエンを単離するなどの繁雑
な操作を必要とせず、トランス−4−ヒドロペルオキシ
−β−ツエンからわずか1ステップで、かつ非常に簡単
な操作で能率的にまた経済的にトランス−ザビネンハイ
ドレートを得ることができる。
しかも、トランス−4−ヒドロペルオキシ−β−ツエン
をα−ツエンの光酸素化により合成する場合、溶媒を留
去し乃至は4−ヒドロペルオキシ−β−ツエンを単離す
ることなしに、α−ツエンの光酸素化によって得られた
4−ヒドロベルオキシ−β−ツエンを含む反応液を直接
接触還元することができ、従って溶媒留去等の手間が省
け、安全である上、トランス−ザビネンハイドレートの
大量合成上非常に好都合である。
以下実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例 1 α−ツエン100gをメタノール1lに溶解し、ローズ
ベンガル5gを加えて1KWの高圧水銀燈で9時間内部
照射した。
次に、そのままそのトランス−4−ヒドロペルオキシ−
β−ツエンを含む反応液にラネ−ニッケル約20gを加
え、常圧、室温にて8時間水素添加した。
反応終了後、触媒をろ別し、メタノールを減圧下に留去
し、残留物を2. 0mmHgで減圧分留し、沸点42
〜50℃/2mmHgの留分69.1gを得た。
これをガスクロマトグラフィーで定量した結果、トラン
ス−ザビネンハイドレートが85%含まれており、トラ
ンス−ザビネンハイドレートを収率51.9%で得た。
なお、これを分取ガスクロマトグラフィーで単離し、マ
ススペクトル、NMRスペクトルで同定した結果、得ら
れたものが標品(天然のトランスザビネンハイドレート
)と一致していることを確認した。
実施例 2〜10 実施例1と同様にして第1表に示す反応条件においてト
ランス−ザビネンハイドレートを得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 トランス−4−ヒドロペルオキシ−β−ツエンを接
    触還元することを特徴とするトランス−ザビネンハイド
    レートの製造方法。 2 トランス−4−ヒドロペルオキシ−β−ツエンとし
    てα−ツエンを光酸素化することにより得られたトラン
    ス−4−ヒドロペルオキシ−β−ツエンを含む反応液を
    用いた特許請求の範囲第1項記載のトランス−ザビネン
    ハイドレートの製造方法。
JP10319578A 1978-08-23 1978-08-23 トランス↓−ザビネンハイドレ−トの製造方法 Expired JPS582212B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10319578A JPS582212B2 (ja) 1978-08-23 1978-08-23 トランス↓−ザビネンハイドレ−トの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10319578A JPS582212B2 (ja) 1978-08-23 1978-08-23 トランス↓−ザビネンハイドレ−トの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5528965A JPS5528965A (en) 1980-02-29
JPS582212B2 true JPS582212B2 (ja) 1983-01-14

Family

ID=14347726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10319578A Expired JPS582212B2 (ja) 1978-08-23 1978-08-23 トランス↓−ザビネンハイドレ−トの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS582212B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4344163A1 (de) * 1993-12-23 1995-06-29 Haarmann & Reimer Gmbh Verfahren zur Photooxidation von Terpenolefinen
WO2017067975A1 (en) * 2015-10-19 2017-04-27 Firmenich Sa Peroxyhemiacetal profragrant and proflavor compounds

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5528965A (en) 1980-02-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Dalton et al. Molecular photochemistry. XLVIII. Type I and type II photochemical reactions of some five-and six-membered cycloalkanones
JPH06263677A (ja) エーテルアルコール類の製造方法
Grushin et al. Synthesis of ruthenium and iridium polyhydride complexes under conditions of phase transfer catalysis
Allred et al. Tricyclo [3.1. 0.02, 4] hexane
Farina et al. Stereochemistry of perhydrotriphenylene—I: Some remarks on structure and reactivity
Buechi et al. Photochemical reactions. XIV. Additions to ethyl propiolate
JPS582212B2 (ja) トランス↓−ザビネンハイドレ−トの製造方法
Hardegger et al. Relative Configurations of the Two 1-Keto-6-hydroxyspiro [4.4] nonanes and the Three 1, 6-Dihydroxyspiro [4.4] nonanes1
JP3571376B2 (ja) 2,6−ジ−tert−アルキルシクロヘキサノール類の製造方法
Hixson et al. Arylcyclopropane photochemistry. The role of orbital overlap control in the photochemical cis-trans isomerization of arylcyclopropanes
US3911027A (en) Bicyclo{8 4,3,0{9 nonenols
JPS6042775B2 (ja) 1,7−オクタジエン−3−オン及びその製造方法
JPS61227545A (ja) トランス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル−エチルエ−テルを製造するための改良法
JPS585176B2 (ja) 2− ハロゲン −1− シクロペンタデセン −1− カルボンサンエステルノ セイゾウホウ
EP0069010B1 (fr) Procédé de préparation de composés carbonyles delta-éthyléniques
US4374292A (en) Process for preparing α-thujene
JP2008280303A (ja) エーテルを製造する方法
JPH10204022A (ja) 3−シクロヘキシルプロピオン酸の製造法
JPS6322036A (ja) パ−ヒドロアセナフテントランス体の選択的製造方法
JPH0222052B2 (ja)
CN113845413A (zh) 一种利用mto催化制备罗汉柏木烷酮的方法
JPS6033371B2 (ja) トランス−p−メンタン−2,3−ジオ−ルの製造方法
JPS5965031A (ja) 2−シス−t−ブチルシクロヘキサノ−ルの製法
Garbers et al. Stereospecific formation of a vinyl sulphide via a sulphonium ylide–salt coupling reaction
JPS5842174B2 (ja) 6,10−ジメチル−6,9−ウンデカジエン−2−オン