JPS5821716Y2 - フクゴウナイソウザイリヨウ

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【考案の詳細な説明】本考案は自動車等の内装に使用するもので、ＦＲＰを基
層とし表面に塩化ビニールレザーを積層し接着一体化し
た複合材料に関する。

従来のＦＲＰ製品は表面処理にあたり、成形特にゲルコ
ート層を一体に形成するか、成形後に塗装する等してい
た。

したがってこれらは冷たく硬い感触を有し、自在でシャ
ープな表面模様等の成形も難しく、ＦＲＰ本来の削性と
柔らかな感触の表面とを兼備し、かつ表面に優れた意匠
効果のある内装材料は期待すべくもなかった。

また表面処理工程における失敗による製品ロスが大きい
等の欠点があり、内装材料には不向であった。

さらに表面に変化を与えるためにＦＲＰ基層を成形する
とき表面にアクリル等の熱可塑性樹脂フィルムを接着一
体化することが検討されたが、ＦＲＰ樹脂が熱硬化性樹
脂のため、両者は単純に接着することはなく、そのため
には特殊な添加物を要する等の問題があった。

本考案はこれらの欠点を解消するものであり以下図面に
基づいて説明する。

第１図は本考案によるホイールハウスＡの斜視図である
。

これを構成する内装材１はＦＲＰ基層２と塩化ビニール
レザー３よりなり、塩化ビニールレザー３は軟質の塩化
ビニールフィルム４とこれに接着された基布５よりなる
。

またＦＲＰ基層２の表面部は基布５の繊維間に含浸・固
化して接着一体化している。

ＦＲＰ基層２はガラスファイバーを強化材とし、不飽和
ポリエステル樹脂をマトリックスとする通常の組成であ
り、接着性能向上に要する特殊な成分等は何ら要しない
。

塩化ビニールレザー３も通常のものであるが、軟質の塩
化ビニールフィルム４は厚さを変えたり、材質を発泡性
のものにしたりして自由に選択できる。

例えば模様や色彩の鮮やかなプリント地を使用すること
もできる。

基布５も目的に応じて種々の材質を使用できるが、ナイ
ロン製のものが成形性および接着性の点で特に優れてい
る。

このような複合材料の製品を得るには、まず第２図に示
すように、所定形状を有する真空型６の上に適宜に選択
されたレザー３を置き、従来法により真空成形し、表面
相当部分を形成する。

次に第３図に示すように真空吸引したまま、スプレー７
によってガラスファイバーと不飽和ポリエステル樹脂を
主成分とする組成既知の混合物を塗布し脱泡する。

このときマトリックスである不飽和ポリエステル樹脂は
基布５に含浸し固化するので、結果としてＦＲＰ基層は
基布と接着一体化した状態で硬化する。

ＦＲＰ基層が硬化したら、真空吸引を止め、離型、仕上
げの各工程を経て所望の製品を得る。

なお実施例では真空成形法とスプレーアップ法を併用し
ているが、他にも公知のＦＲＰ成形方法、例えばハンド
レイアップ法やプレス法等を代用することもできる。

本考案に係る複合内装材料はＦＲＰ製品の表面処理とい
うＦＲＰ固有の問題解決に大きな意義がある。

すなわち、表面が軟質の塩化ビニールフィルムのために
・柔らかな感触を有し、かつフィルム厚および材料を変
えれば感触を好みに調整できること、および著るしく豊
富な色彩や模様を自在に選択できる。

また表面部のレザーは真空成形によるためシャープな模
様や形状の成形が可能であり、基布の素材を選択すれば
成形性・接着性を向上することができる。

さらに基布を介して結果的に熱可塑性樹脂と熱硬化性樹
脂とが強固に接着一体化しているので、従来のＦＲＰ戊
形成形けるように何らの特殊な成分や加工を要すること
なく、極めて容易な方法である。

また表面がレザーであるから引裂抵抗が大きく、ＦＲＰ
基層は周知のとうり比強度大の特性を有すので両者が共
奏して剛性と柔らかな表面感触とを兼備した耐用性の良
い、好適な内装材料を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の内装材を用いた製品の斜視図、第２図
は表面相当部分を真空成形する装置の縦断面図、第３図
はスプレーアップ時の縦断面図。１：複合内装材、２：ＦＲＰ基層、３：塩化ビニー
ルレザー、４：軟質塩化ビニールフィルム、５：基布。

【実用新案登録請求の範囲】

ＦＲＰ基層２と塩化ビニールレザー３よりなり、塩化ビ
ニールレザー３は軟質の塩化ビニールフィルム４とこれ
に接着された基布５からなり、かつＦＲＰ基層２の表面
部は基布５の繊維間に含浸・固化して接着一体化してい
ることを特徴とする複合内装材料。