JPS582066B2 - 反応射出成形用成形型 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は反応射出成形用成形型に係り、ことに成形品の
表面のボイド発生を抑制することができる成形型に関す
る。

反応射出成形、すなわちＲｅａｃｔｉｏｎ Ｉｎｊｅｃ
ｔｉｏｎＭｏｌｄｉｎｇ （以下、「ＲＩＭ」という）
による成形品の表面のポイドの発生は、成形型の構造、
特にゲート，ランナの形状、大きさ、取付け位置、なら
びにガス抜きのためのパーテイング面の位置に起因する
とことが大である。

第１図は従来のＲＩＭ用成形型の一般的な構成を示す縦
断面図である。

同図において１は上型、２はこの上型１に対設される下
型で、成形型はこの上型１と下型２とによって構成され
ている。

３は上型１と下型２とを締結する固定治具である。

５は上型１と下型２とによって形成されるキャビテイ、
４はこのキャビテイ５に連通するゲート、６はゲート４
の端部を構成する穴である。

上記の穴６はＲＩＭ装置に備えられ、原料を噴射混合す
る部品であるミキシングヘッド７の先端部が挿入可能な
形状寸法に形成されている。

そして原料、例えば液状の２成分が混合されてなる混合
体が、ミキシングヘッド７からゲート４に注入され、さ
らにキャビテイ５内に充填されるようになっている。

キャピテイ５に充填された原料は、数秒から数十秒の間
に反応固化し、成形品となる。

この成形品はＲＩＭの場合、一般にはポリオールとイソ
シアネートの２液が反応して成るポリウレタンフォーム
で、第２図に示すように、表面部分を形成するスキン層
８と、内部の中央部分を形成するコア層９とによって構
成される。

そしてこの成形品には、そのスキン層８にボイドが生じ
てはならないとされる。

上記したようにとのボイドの発生因子は多く、原料を注
入する際の空気の巻込み、キャビテイ５に混入した空気
の逃がし方等結局、成形型の良否に起因するものが多い
。

しかし、未だボイドの発生を完全に防止する技術は確立
されていない。

従来、ボイドの発生を防止するために、第３図に示すよ
うに成形型を所定のベース１５から角度θだけ傾け、空
気，ガスをパーテイング面１０から逃がす方法が実施さ
れている。

またゲート部４′の形状が、例えば第４図，第５図に示
すような形状となるような成形型を数種類試作し、試行
錯誤的に選択し、かつ必要に応じてその都度成形型を修
正することが行なわれている。

なお５′はキャビテイ部を示す。

しかしこの従来の成形型にあっては、ゲート４は上型１
と下型２とにじか彫うされるようになっており、そのた
めにゲート４の形状の修正に際して多大の手間がかかり
、その結果、製作費の増加および納期の遅延を招きやす
い不具合がある。

本発明はこのような従来技術における実情に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、成形品のスキン層に発生する
ボイドを極力抑制することができるＲＩＭ用成形型を提
供することにある。

この目的を達成するために本発明は、キャビテイを有す
るキャビテイ用型と、このキャビテイ用型に着脱可能に
別体に設けられ、キャビテイ用型のキャビテイに連通可
能なゲートを有する少なくとも１つのゲート用型とから
成る構成にしてある。

以下、本発明のＲＩＭ用成形型を図に基づいて説明する
。

第６図は本発明のＲＩＭ用成形型の一実施例を示す縦断
面図、第７図は第６図に示すＲＩＭ用成形型に備えられ
るゲート用型の一例を示す縦断面図である。

なおこれらの図において、上記した部材と同じ部材は同
一の符号で示してある。

この実施例に示すＲＩＭ用成形型は、キャビテイ用型２
０と、このキャビテイ用型２０とはそれぞれ別体に設け
た２個のゲート用型２４，３０とによって構成してある
。

第６図に示すように、キャビテイ用型２０は上型２１と
下型２２とから成っており、上型２１と下型２２との間
にはキャビテイ２３が形成されている。

上型２１と下型２２とは固定治具３によって締結されて
いる。

ゲート用型２４はキャビテイ用型２０に着脱可能に構成
されている。

このゲート用型２４は第７図に示すように、両端部にそ
れぞれフランジ２９を有する上型２５と下型２６とから
成っている。

２７は上型２５と下型２６とによって形成されるゲート
で、このゲート２７はゲート用型２４のフランジ２９を
キャビテイ用型２０にねじ等を用いて締結した際に、キ
ャビテイ２３に連通可能な形状寸法に設定してある。

また他の１つのゲート用型３０は、ゲート用型２４に対
し着脱可能になっている。

このゲート用型３０も両端部にそれぞれフランジ３１を
有する上型と下型とから成っており、この上型と下型と
によって形成され、ゲート用型２４のゲート２７に連通
するゲート３２を備えている。

またこのゲート用型３０のゲート用型２４に締結されな
い側のゲート３２の端部には、ミキシングヘッド７の先
端部が挿入可能な穴を設けてある。

次にこのように構成してあるＲＩＭ用成形型によって成
形品を得る過程について述べる。

第６図に示すようにＲＩＭ装置から搬送された２種類の
液体、例えばポリオールとイソシアネートは、ミキシン
グヘツド７に送られ、ここで当該２液は例えば１５０〜
２００Ｋｇ／ｃｍ２の高圧で噴射混合される。

混合液は流速約１．５ｍ／ｓで、ゲート用型３０の数個
所の異なる断面積部分から成るゲート３２を通過し、さ
らにゲート用型２４の数個所の異なる断面積部分から成
る断面積２７を通過するが、その間に効果的な混合が行
なわれる。

そしてゲート２７を通過した混合液は、キャビテイ用型
２０のキャピテイ２３に、例えば２〜５Ｋｇ／ｃｍ２程
度の低圧で充填される。

このキャビテイ２３において混合液は例えば１５０℃程
度の発熱反応を起こし、その結果ポリウレタンフォーム
の成形品となる。

この成形品は上記した第２図に示すものと同様に、成形
型の表面ではスキン層を、中央部ではコア層を形成し、
一種のサンドインチ構造体となる。

その後、固定治具３を取外す作業が行なわれ成形品が取
出される。

このように構成してある本発明のＲＩＭ用成形型にあっ
ては、例えばゲート用型を複数個用意しておき、適切な
ゲート型を選択し、必要に応じてこれらのゲート用型を
交互に組合せてキャビテイ用型２０に装置することによ
り、ボイドの発生の少ない成形型とすることができる。

なお今、複数種のゲート用型を用意すると述べたが、キ
ャビテイ用型２０に装着する個数は複数個に限らず、単
に１個装着するようにしてもよい。

またボイド発生の防止を一層効果的にするためには、上
記した第３図に示すように、本発明の成形型を適正な角
度に傾斜させるようにしてもよいのはもちろんである。

以上述べたように本発明のＲＩＭ用成形型は、キャビテ
イのみを有するキャビテイ用型と、このキャビテイ用型
に着脱可能な少なくとも１つのゲート用型とから構成し
てあることから、ゲート用型に最適なものを選択するこ
とにより、成形品のポイド発生を極力抑制することがで
き、成形品の品質向上を図ることができ、またボイドが
発生する場合にあっては、従来のように成形型全体に影
響を及ぼすような修正は必要でなく、ゲート用型の取替
え、あるいはゲート用型の製作を行なうだけで良く、そ
れ故成形型の製作費の低減を納期の短縮を図ることがで
き、さらに複数種のゲート用型さえ用意しておけば、ゲ
ートの形状を変える作業はゲート用型の着脱作業だけで
済み、その結果従来に比べて成形作業が迅速になり、作
業能率が向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の反応射出成形用成形型の一搬的な構成を
示す縦断面図、第２図は反応射出成形による成形品の構
成を例示する縦断面図、第３図は従来から行なわれてい
るボイドの発生防止法を例示する説明図、第４図，第５
図はそれぞれゲート部の形状を例示する説明図、第６図
は本発明の反応射出成形用成形型の一実施例を示す縦断
面図、第７図は第６図に示す成形型に備えられるゲート
用型の一例を示す縦断面図である。 ２０・・・キャビテイ用型、２３・・・キャビテイ、２
４，３０・・・ゲート用型、２７，３２・・・ゲート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上型と下型とから成り、この上型と下型とによって
   形成されるキャビテイ、およびこのキャビテイに連通す
   るゲートを有し、所定の原料がゲートを経てキャビテイ
   に注入され、このキャビテイで反応射出成型が行なわれ
   るようになっている反応射出成型用成形型において、上
   記キャビテイを有するキャビテイ用型と、上記ゲートを
   有するゲート用型とをそれぞれ別体に設け、かつゲート
   用型の少なくとも１つがキャビテイ用型に対し着脱可能
   になっていることを特徴とする反応射出成形用成形型。