JPS5820278Y2 - 避難装置における安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、２台のゴンドラを緩降機を用いて交互に昇
降できるようにした避難装置における第１降下順位のゴ
ンドラを規制する安全装置に関するものである。

従来、例えば油圧式等の緩降機を用いて、２台のゴンド
ラが交互に定速で昇降できるようにした避難装置が各種
の設置に設置されているが、このような構成の避難装置
のゴンドラは、不使用時には２台のゴンドラ共、装置上
部の保管屋内に収容する為、使用開始時には、第１回目
に降下するゴンドラ（第１降下順位のゴンドラ）が正し
く選定されなければ、思わぬ事故となる安全上の問題が
あった。

然るにこの考案はゴンドラの昇降路上部にゴンドラに対
する吊下装装置を設置すると共に、各ゴンドラの上部に
は前記吊下装置と掛止する掛止部材を設置し、２台のゴ
ンドラが夫々吊下装置に吊下された状態では、安全に降
下できるゴンドラ、即ち第１降下順位のゴンドラ側の吊
下装置のみの掛止が解除できるようにしたので、安全上
の問題を解決して極めて安全な避難装置を提供すること
に成功したのである。

即ちこの考案を実施例について説明すれば、油圧式緩降
機１とホイール２，２に順次装着したロープ３の両端部
に夫々、ゴンドラ４，４ａを連結して、ゴンドラ４，４
ａが交互に定速で昇降できるようにした避難装置におい
て、前記ゴンドラ４，４ａの昇降路上部に吊下装置５，
５ａを設置すると共に、各ゴンドラ４，４ａの上部には
、最上昇位置で、前記吊下装置５，５ａと掛止する掛止
部材６，６を設置する。

前記吊下装置５，５ａは、軸受７，７で前後方向で平行
に軸支された回動軸８，８に固着した扇形ギヤ９．９を
互いに係合させると共に、扇形ギヤ９，９には前記回動
軸８と平行に掛止部１０，１０を取付けて、扇形ギヤ９
，９の回動に従って掛止部１０，１０が離接するように
構成してあり、前記掛止部材６はその上側鉤部１１がこ
の掛止部１０，１０に掛脱するようになっている。

即ち扇形ギヤ９，９間にはコイルスプリング３１が張設
してあり、ゴンドラが上昇して来ると、掛止部材６が掛
止部１０，１０を一担離隔させた後、掛止部材６の鉤部
が掛止部１０，１０の上側まで上昇すると掛止部１０，
１０がコイルスプリング３１の弾力で近接方向に移動し
て、前記鉤部と掛止する。

一方扇形ギヤをコイルスプリングの弾力に抗して回動さ
せて掛止部１０，１０を離隔させると掛止部１０，１０
と掛止部材６の鉤部の掛止が解除される。

上記のように、各ゴンドラ４，４ａの昇降路上部に設置
した吊下装置５，５ａは、互いに水平回動レバー１２を
介して連繋されている。

即ち、両吊下装置５，５ａ間に設置した水平軸１３で沖
央部が支承されている水平回動レバー１２の一端部（ゴ
ンドラ４側）にピン１４を介して小角回動自在に連結し
た連結棒１５を、扇形ギヤ９の回動軸８に固着して設け
た駆動レバー１６の先端平板部１７に貫通させ、連結棒
１５の、平板部１７の両側には固定子１８．１８を固着
して、連結棒１５と駆動レバー１６を摺動不能に連結す
る。

一方、前記水平回動レバー１２の他端部（ゴンドラ４ａ
側）にピン１４ａを介して小角回動自在に連結した連結
棒１５ ａは、前記と同様、他方の吊下装置５ａの扇形
ギヤ９の回動輪に設けた駆動レバー１６ ａの平板部１
７ Ｈに貫通させて、連結棒１５ ａの先端側に固定子
１８を固着すると共に、その反対側は、間隔をあけて固
定子１８を固着し、連結棒１５ ａと駆動レバー１６
ａを摺動可能に連結する。

図中１９，１９ ａは水平回動レバー１２の端部より吊
下した操作ハンドルで、ゴンドラ４，４ａが上昇した際
には、下部がゴンドラ内上部に位置するようになってい
る。

以上のような避難装置のゴンドラ４，４ａは、不使用時
には通常、両ゴンドラ４，４ａとも最上昇位置に上昇さ
せ、保管屋２０内に収容される。

従ってこのような保管状態では、一方のゴンドラ（実施
例ではゴンドラ４ａ側）のロープ３がたるんだ状態とな
り、第１回目の降下に、このゴンドラ４ａを使用すると
油圧式緩降機１による調速は受けられず、危険な状態と
なる。

然して第１回目の降下は必ずロープ３のたるんでいない
側のゴンドラ（実施例ではゴンドラ４側）を使用しなけ
ればならない。

そこで、この考案の実施例の安全装置の作用を説明する
と以下の通りである。

ゴンドラ４，４ａの降下開始には前記操作ハンドル１９
，１９１を引き下げる。

今、両吊下装置５，５ａにゴンドラ４，４ａが吊下され
た状態で第１回目の降下にゴンドラ４ａに乗り込み、操
作ハンドル１９ ａを引き下げたと仮定する。

この場合には水平回動レバー１２の図中左側が上昇し、
吊下装置５の扇形ギヤ９，９が矢示２１の方向に回動し
ようとするが、掛止部材６が掛止している為、扇形ギヤ
９，９の回動が阻止されて、ゴンドラ４ａによる降下（
落下）を回避する。

上記と逆に、第１回目の降下に際してゴンドラ４に乗り
込み、操作ハンドル１９を引き下げた場合には、水平回
動レバー１２の図中右側が上昇すると共に、鉄部に連結
した連結棒１５ ａは、駆動レバー１６ ａの平板部１
７ ａ内で摺動する結果、水平回動レバー１２の左側は
降下し、これに従って駆動レバー１６を介して扇動ギヤ
９，９は矢示２２の方向に回動し、掛止部１０，１０と
掛止部材６の掛止が解除されて、ゴンドラ４は降下を開
始する。

ゴンドラ４即ち第１降下順位のゴンドラによる降下を行
なった後は、もはやこの種の安全装置の必要性は無く第
２回目の降下以後は、上位にあるゴンドラを使用して交
互に降下を繰り返せばよい。

両吊下装置５，５ａにゴンドラ４，４ａが吊下されてい
ない状態では、操作レバー１９ ａを引き下げた場合、
全ての扇形ギヤ９，９が回動して吊下装置５ａとゴンド
ラ４ａの掛止部材６の掛止を解除することができる。

次に、第２図および゛第３図中において示した−ように
、前記実施例には第２の安全装置が付設しである。

即ちゴンドラ４，４ａの乗込口に設置した旋回層２３．
２３ ａ中、第２降下順位のゴンドラ４ａに対接した旋
回層２３ ａに設けた連結棒２４の垂下部が、降下順位
を第１としたゴンドラ４の一側にほぼ垂直に設置した筒
体２５内に嵌入可能にしである。

従って、この第２の安全装置によっても、ゴンドラ４が
上昇位置にある限り、ゴンドラ４ａ側の旋回層２３ ａ
を開けることが不可能で、第１回目の降下に際して、第
２降下順位のゴンドラ４ａに乗り込むのを防止すること
ができる。

第４図および第５図は、初めに説明したこの考案の実施
例の安全装置を設置した避難装置で、ゴンドラ４，４ａ
はガイドレール２６．２６に沿って昇降する。

又、油圧式緩降機１、ホイール２、吊下装置５゜５ａ等
は、支承部材２７に設置してあり、水平回動レバー１２
を固着した水平軸１３は、乗込口外側まで延長してあり
、鉄部に固着した操作アーム２８によっても水平回動レ
バー１２の回動が行なえるようになっている。

前記ロープ３の一端部とゴンドラ４の掛止部材６とはピ
ンなどによって固定しである一方、ロープ３の他端部と
ゴンドラ４ａの掛止部材６とは排脱自在になっており、
ゴンドラ４ａを引き挙げた場合（不使用時に保管屋に収
容する為、ウィンチ等で引き挙げる）には、ロープ３の
他端部は案内ローラー２９よりロープ収納ドラム３０へ
と導かれ、収納ドラム３０に巻き込むようになっている
。

即ちこの考案によれば、ゴンドラの昇降路上部に設置し
た吊下装置に、つるべ式に交互に昇降できるようにした
２台のゴンドラの両方か゛吊下した状態では、第１降下
順位と定めた、安全に降下ができるゴンドラに対する吊
下装置のみの掛止解除を可能に安全装置を構成したので
、極めて安全な避難装置を提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の要部拡大正面図、第２図は
この考案の実施例の概念図、第３図はこの考案の実施例
の一部斜視図、第４図はこの考案の実施例を用いた避難
装置の一部を破切した正面図、第５図は同じく避難装置
の一部拡大正面図である。 １・・・・・・油圧式緩降機、２・・・・・・ホイール
、３・・・・・・ロープ、４，４ａ・・・・・・ゴンド
ラ、５，５ ａ・・・・・・吊下装置、６・・・・・・
掛止部材、７・・・・・・軸受、８・・・・・・回動軸
、９・・・・・・扇形ギヤ、１０・・・・・・掛止部、
１１・・・・・・鉤部、１２・・・・・・水平回動レバ
ー、１３・・・・・・水平軸、１４，１４ ａ・・・・
・・ピン、１５，１５ａ・・・・・・連結棒、１６，１
６ ａ・・・・・・駆動レバー、１７，１７ ａ・・・
・・・平板部、１８・・・・・・固定子、１９，１９
ａ・・・・・・操作ノ＼ンドル、２０・・・・・・保管
屋、２１．２２・・・・・・矢示、２３，２３ ａ・・
・・・・旋回扉、２４・・・・・・連結棒、２５・・・
・・・筒体、２６・・・・・・ガイドレール、２７・・
・・・・支承部材、２８・・・・・・操作アーム、２９
・・・・・・案内ローラー、３０・・・・・・ロープ収
納ドラム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 緩降機を用いて２台のゴンドラが交互に昇降できるよう
   にした避難装置における第１降下順位のゴンドラを規制
   する安全装置において、各ゴンドラの昇降路上部には互
   いに係合した扇形ギヤを介して互いに平行な２本の掛止
   部を離接させる構成の吊下装置が設置してあり、各ゴン
   ドラの上部には前記吊下装置の掛止部の内側に掛止する
   掛止部材が設置してあり、前記吊下装置間に設置された
   水平回動レバーの一端部の連結棒が一方の吊下装置にお
   ける扇形ギヤの回動輪に固着した駆動レバ一端と摺動不
   能に連結されており、前記水平回動レバーの他端部の連
   結棒が他方の吊下装置における扇形ギヤの回動軸に固着
   した駆動レバ一端と摺動可能に連結されており、前記水
   平回動レバーには、これを回動させる為の操作部材が取
   付けであることを特徴とした避難装置における安全装置
   。