JPS5819896B2 - 最適変速位置表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は手動変速機付きの自動車において、変速機の最
適変速位置をテジタル的に表示する装置に関する。

手動変速機付きの自動車を運転する場合、運転者はアク
セルペダル従ってエンジンのスロットル開度と変速機の
変速位置とを車両負荷及び車速に応じて適切に操作する
必要がある。

従来これらの操作が運転者の経験等に基づく独自の判断
によって行われていたため常に適切な操作を行うことは
難しく、このためエンジンの燃料消費量の増大化。

排気ガス浄化効果の悪化、駆動力の低下化を招く恐れが
あった。

従来技術の上述の問題を解決するため、自動車の車速と
実際の燃料流量とを計測し７て燃費を算出し、この燃費
及び車速を基準量と比較することにより変速機の最適燃
費となる変速位置を指示する装置が既に提案されている
（特開昭５ｌ−１３２５３８）。

しかしながらこの種装置は燃料消費量を実際に検出する
構成となっており、このために車両に設けられる燃料流
量計が複雑な構造であること、高価であること、さらに
周囲温度変化等による誤差を発生しやすいものであるこ
と等の問題点を有している。

従って本発明は従来の技術の以上の問題点を除去するも
のであり、本発明の目的は燃費が良好となる最適変速位
置を指示することができ、かつ構成が簡単な、特にエン
ジンの動作状態を表わす各種情報の検出部を簡単な構成
でかつ誤差の少ないものとすることができる自動車用手
動変速機の最適変速位置表示装置を提供することにある
。

上述の目的を達成する本発明の特徴は、自動車の手動変
速機の最適変速段位置を表示する装置において、車速に
対応する信号を発生するスピードセンサと、エンジンの
スロットル開度に応じてステップ的に変化する信号を発
生するスロットル開度センサと、前記車速信号を互いに
異なる増幅率でそれぞれ増幅する二つの直流増幅器から
成る二つの関数発生器と、各関数発生器の出力信号と前
記スロットル開度センサからの信号との大小をそれぞれ
比較判別し二値信号を出力する二つの比較器と、該二つ
の比較器からの二値信号を論理判断して最適変速段位置
に対応する一つの出力線にのみ表示信号を出力する論理
回路と、該表示信号から最適変速段位置を選択的にデジ
タル表示する表示器とを備えたことにある。

以下図面を用いて本発明の詳細な説明する。

第１図は本発明の一実施例装置のブロック図である。

この実施例は車速とエンジンのスロットル開度とを検出
して３段の変速機の最適変速位置を指示するものである
。

第１図において、１は車速を検出するスピードセンサで
ある。

このスピードセンサ１は例えば第２図に示す如き構造の
ものであり、通常は変速機の出力軸側に取り付けられて
いる。

第２図において、２０はハウジング、２１はスピードメ
ータ駆動ギアに噛合するギア、２２は永久磁石によるロ
ータ、２３はステータコイル、２４はスピードメータケ
ーブル取り付は部である。

即ちこのスピードセンサは車速に応じた回転数でロータ
２２が回転駆動されると、その周囲に設けられたステー
タコイル２３に車速に比例する交流電圧が誘起されるよ
うに構成されている。

スピードセンサ１の出力端子は整流器２を経由して第１
の関数発生器３及び第２の関数発生器４の入力端子に接
続されている。

これらの関数発生器３，４は本実施例では増幅率の互い
に異なる直流増幅器で構成されている。

関数発生器３，４の出力端子はそれぞれ第１、第２の比
較器５，６の一方の入力端子に接続されて℃・る。

この比較器５及び６は演算増幅器等で容易に構成できる
周知のものである。

比較器５，６それぞれの他方の入力端子は第３の関数発
生器８を介してスロットル開度センサ７の出力端子に接
続されている。

第３図Ａ及びＢはスロットル開度センサーの一例の構造
及び回路構成を表わしている。

このスロットル開度センサは第１図に示したスロットル
開度センサ７と第３の関数発生器８とを兼ねた機能を有
するものである。

即ち、図示しなし・スロットル弁のスロットル軸に連結
された軸３０がスロットル弁の開度に応じて回動するこ
とによりこの軸３０に固定されたアーム３１上の摺動接
点３２は固定抵抗Ｒ，，Ｒ２，Ｒ３，Ｒ４，Ｒ５，Ｒ６
を取り付けた固定接点θ。

、θ１．θ２．θ３．θＫＤに順次接触していく。

各回定抵抗Ｒ１乃至Ｒ６が直列に接続されているため、
摺動接点３２が各固定接点θ０乃至θＫＤに順次接触し
ていくと出力端子からみた抵抗即ちＡＩ、Ａ３間の抵抗
の値は段階的に変化する。

従って、スロットル弁の開度に対して段階的に変化する
出力電圧を得ることができる。

比較器５，６の出力端子はそれぞれ論理回路９０入力端
子に接続されており、この論理回路９の出力端子９ ａ
、９ ｂ 、９ ｃは変速位置表示器１００入力端子
１０ ａ 、１０ ｂ 、１０ ｃにそれぞれ接続され
ている。

なお、論理回路９は比較器５及び６の出力レベルの高（
Ｈ）、低（Ｌ）に応じて次に示す真理値表に基づく論理
判断を行うものであり、例えば第１図に示す如く３つの
アンド回路と２つのノット回路から構成される。

変速位置表示器１０は′運転者が容易に視認できるよう
な場所例えば運転室のインスソルメントパネル上に設け
られていて、その各入力端子１０ａ。

１０ｂ、１０ｃそれぞれに高レベル信号が印加されると
１速、２速、３速の変速位置のデジタル表示を例えば光
学的に行い、その時点での最適の変速位置を運転者に指
示するものである。

次に本実施例装置の動作を説明する。

スピードセンサ、１によって検出され出力される車速に
比例した交流電圧は整流器２で直流に変換され第１及び
第２の関数発生器３及び４に印加される。

関数発生器３，４それぞれの応答特性は第４図のＬｊｆ
２の如く設定してあり、印加された電圧はこれらの応答
特性に従って関数変換された比較器５゜６のそれぞれの
一方の入力端子に印加′される。

一方、スロットル開度センサ７によって検出されたスロ
ットル開度に比例した直流電圧は関数発生器８において
第４図のｆ２の応答特性で関数変換され比較器５，６の
他方の入力端子に印加される。

なお、スロットル開度センサが第３図の如き構成である
場合は、このスロットル開度センサの出力が直接比較器
に印加される。

比較器５及び６では入力電圧の比較が行われ、関数発生
器８からの入力電圧、即ちスロットル開度に基づく電圧
、の方が大きい場合に高レベルの電圧、逆の場合に低レ
ベルの電圧がそれぞれ出力される。

これらの出力電圧が論理回路９において前述の真理値表
に基づいて論理判断され、その結果が表示器１０に印加
されることにより、燃費が最も良好となる変速位置がデ
ジタル的に表示される。

今、スロットル開度がθ。

で車速がＶｌ とすると、第４図に示す如く、スロット
ル開度に基づく関数変換電圧はＤθ。

となり、車速に基づ（ｆｌ。ｆ２の関数変換電圧はＤ３
．Ｄ４となる。

従って比較器５，６の出力は共に高レベルとなり、その
結果論理回路９は出力端子９ａのみが高レベルとなり他
の出力端子９ｂ、９ｃは低レベルとなる。

斯くしてこの場合の表示器１０は変速機の１速の位置が
最適であることを表示する。

また、スロットル開度、車速がθ２．Ｖ２である場合、
それぞれの関数変換電圧はＤθ２．Ｄｌ、Ｄ２となる。

従って比較器５，６の出力は共に低レベルとなり、論理
回路９の出力端子９ｃのみが高レベルとなる。

その結果、表示器１０は３速の位置が最適であることを
表示する。

即ち、本実施例の如き構成によれば、スロットル開度と
車速との値に応じて第５図の如き変速位置表示が行われ
ることになる。

この図において、Ａ、Ｂ、Ｃはそれぞれ１速、２速、３
速の最適変速位置表示が行われる領域を示しており、Ｓ
ＡＢは１速−２速の変速時期、ＳＢＣは２速−３速の変
速時期を示している。

換言すれば、本実施例ではこのような変速時期特性によ
る変速位置が表示できるように関数発生器３，４，８、
比較器５゜６、論理回路９、及び表示器１０が構成され
ている。

なお、この第５図の変速時期特性は第６図に示す理想的
変速時期特性を近似したものであり、この理想的変速時
期特性はエンジン及び変速機をベンチ等を用いて実際に
運転し実験的に求めたものである。

即ち、車両負荷をパラメータとして各変速位置で運転を
行い燃費が最も良好となる各変速時期におけるスロット
ル開度と車速との関係を求めたものである。

具体的には、（１）変速段を１速、２速にそれぞれ固定
して走行し、車速及びスロットル開度対燃費特性カーブ
をそれぞれ求め、これらの特性カーブの交点から燃費が
最も良くなる１速−２速の変速点を得、その時の車速及
びスロットル開度を求める。

（２）走行路の勾配を変化させることによって車両負荷
を変え、同様に変速点を順次求める。

（３）求めた変速点をつなげて変速線図を作成する。

（４）２速−３速についても全く同様にして変速線図を
作成する。

このようにして燃費が最良となる各変速時期におけるス
ロットル開度及び車速が求められるのである。

この場合、最も燃費が良好となる各変速時期におけるエ
ンジンのインテークマニホールド部の負圧と車速との関
係を求めて変速時期特性を表わしても良い。

ただしこの場合、スロットル開度センサの代りに負圧セ
ンサを用いて前述の如く最適変速位置表示を行うように
する必要がある。

以上実施例により本発明を説明したが、本発明装置の変
速機の変速段数は３段に限定されるものではなく、４段
以上であっても良い。

ただしその場合、関数発生器、比較器、等の数及び論理
回路、表示器の構成が異なってくる。

また、スピードセンサが直流電圧を直接出力するもので
あれば整流器を省くことができることは明らかである。

さらに前述の実施例では車速とスロットル開度（あるい
はインテークマニホールド負圧）との両方を関数変換し
て比較を行っているが、そのどちらか一方を第６図の変
速時期特性に基づいて関数変換し、他方と比較しても良
い。

以上詳細に説明したように本発明の装置は、車速と、ス
ロットル開度もしくはインテークマニホールド負圧とを
検出し、これらの信号を所定の関数変換して比較及び論
理判断しその結果を表示器に表示するように構成されて
いるため、燃料の流量等を検出する必要がなく、特にエ
ンジンの動作状態を表わす各種情報の検出部を簡単な構
成でかつ誤差の少ない構成とすることができる。

即ち、本発明によれば、簡単かつ安価で信頼性の高℃・
構成であって、燃費が最も良好となる最適変速位置の表
示が行える装置を提供することができる。

また、変換する関数を換えることにより、排気カス浄化
効果が良好となるかあるいは駆動力が良好となる最適変
速位置の表示が行える装置をもそれぞれ提供することが
でき本発明の利点は非常に犬なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のブロック図、第２図はスピ
ードセンサの一例の構造図、第３図Ａ。 Ｂはスロットル開度センサの一例の構造図、回路図、第
４図は上記実施例の動作説明図、第５図は上記実施例に
おける変速時期特性図、第６図は理想的変速時期特性図
である。 １・・・・・・スピードセンサ、３，４，８・・・・・
・関数発生器、５，６・・・・・・比較器、７・・・・
・・スロットル開度センサ、９・・・・・・論理回路、
１０・・・・・・表示器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 自動車の手動変速機の最適変速段位置を表示する装
   置において、車速に対応する信号を発生するスピードセ
   ンサと、エンジンのスロットル開度に応じてステップ的
   に変化する信号を発生するスロットル開度センサと、前
   記車速信号を互いに異なる増幅率でそれぞれ増幅する二
   つの直流増幅器から成る二つの関数発生器と、各関数発
   生器の出力信号と前記スロットル開度センサからの信号
   との大小をそれぞれ比較判別し二値信号を出力する二つ
   の比較器と、該二つの比較器からの二値信号を論理判断
   して最適変速段位置に対応する一つの出力線にのみ表示
   信号を出力する論理回路と、該表示信号から最適変速段
   位置を選択的にデジタル表示する表示器とを備えたこと
   を特徴とする最適変速位置表示装置。