JPS5818525Y2 - 引違い戸の施錠装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は引違い戸の召合せ部において用いる施錠装置
に関するものである。

引違い戸の召合せ部において用いる従来の施錠装置は、
例としてクレセント錠によって代表されるように、框の
外側面に突出して取付けられるから、その所在が外部か
ら一目瞭然にわかるため、防犯上も、また召合せ部の外
観体裁上も好ましくない。

また、従来品は外観のみでは施錠状態にあるか、解錠状
態にあるかが容易にわからないため、外出時に施錠芯れ
をし易く、また、子供のいたずらなどにより錠が施錠位
置におかれているのを知らずに引戸を勢いよく閉めたた
めに、錠の取付は具合ががたついたり、破損されたりす
る問題があった。

この考案は上述された欠点をすべて排除された施錠装置
を提供することを目的とする。

次に、この考案の実施例を図面に基いて説明する。

ｄｌは外障子、ｄ２は内障子であり、外障子の召合せ框
１は室内側面の右側（召合せ框１，４間の隙間において
室外側）に従来の召合せ框と同様に煙返し２を有すると
ともに、左側（同、室内側）にＬ字状の受は縁３を一体
に有する。

受は縁３の室内側端部は煙返し２の室内側端部よりも室
外側に位置する。

また、内障子ｄ２の召合せ框４はその室外側面の右側（
同、室外側）には前記煙返し２と内障子の完全閉時にお
いて嵌合する煙返し５を、左側（同、室内側）には水平
断面円弧状又は円状の軸部６を一体に有し、室内側面の
右側に係止縁７を有する。

ｌは錠板であり、前記軸部６の外周に嵌合され、その軸
部を中心に垂直線まわりに回転自在に保持される水平断
面円弧状のナックル部８と、このナックル部８の外側面
に突設されたＬ字状の錠片９と、前記ナックル部８から
概略逆Ｊ字状に延びる手掛は部１０とを一体に有し、手
掛は部１０の先端部内側と、その先端部に対向する中間
部内側に、係止縁１１，１２が一体に設けられている。

錠板ｌは上記構成要素により断面形状が一定の長尺形材
で作られており、前記ナックル部８に前記召合せ框４の
軸部６を合致させ、錠板と召合せ框とを長手方向に互い
に反対方向に移動させることにより、前記軸部６をナッ
クル部８内に嵌合してあり、ナツクル部８の円弧の切欠
部分の範囲内において、錠板ｌは軸部６を中心に垂直線
まわりに回動自在である。

前記錠板ｌは前記召合せ框４とほぼ等しい長さを有する
。

引違い障子においては内障子の召合せ框４はその上端部
が図外の上梓の案内溝に嵌合され、また、下端部が図外
の下枠に嵌合されるがら、錠板ｌはこれを装着した内障
子の窓枠への建付けの邪魔にならず、かつ、内障子を建
付けた状態で錠板自体の軸部６まわりの回動が可能なよ
うに、第２図及び第３図に示されているように、召合せ
框４の上、下端が錠板ｌの上、下端より突出する程度に
、わずかに召合せ框よりも短かくされている。

上記のほぼ等しい長さにはこのような意味が含められて
いる。

そして、錠板ｌを召合せ框４に対して高さ方向の所定位
置に固定するため、第３図に示されているように、前記
軸部６の上、下端部を切除して、軸部の上、下端面とナ
ックル部８の上、下端面を揃え、その軸部の上、下端に
ナックル部の外径と等しいか、それよりもわずかに大き
い径の頭を有するねじ１３をねじ込んでいる。

このようにして、各障子ｄ１．ｄ２を閉めた状態で錠板
ｌの手掛は部１０に手をかけてこれを第１図において矢
印Ａの方向、すなわち、内障子ｄ２を閉める方向に力を
加えると、ナックル部８と軸部６との作用により、錠板
ｌは軸部６を中心に回転し、従って、錠片９が外障子の
召合せ框１の前記受は縁３に嵌合係止するとともに、手
掛は部１０の先端係止縁１１が内障子召合せ框４の係止
縁７と強く噛合係止するため、両召合せ框１，４が錠片
９と受は縁３とで施錠され、かつ、二つの係止縁７，１
１の噛合係止により施錠状態がロックされる。

施錠状態において錠板ｌを内召合せ框４に係止保持する
手段は、任意であり係止縁７，１１に限らない。

図示のように錠板ｌの中間内側面に係止縁１２を突設し
、錠板をＡ方向に回転したときに係止縁１２が召合せ框
４の肩部１４に係止させるようにして、係止縁７，１１
を無くすることもでき、又は係止縁７，１１の係止力を
補助させることもできる。

また、係止縁１２は召合せ框４の肩部１４に係止して手
掛は部１０と召合せ框４とを角筒状に連結するため、召
合せ部を補強し、とくに、強風による召合せ框１，４の
たわみを減少させる。

そして、施錠した状態においで、前記錠板ｌは外観上は
従来の手掛は部を一体に備えた召合せ框と全く同然であ
って、施錠装置を構成するものには見えない。

従って、従来のクレセントの周辺部のみガラス板を切欠
して能率的に不正解錠しようとする意思も生起しない。

また、施錠状態で、屋外側から障子を開けようとして障
子に力を加えても、錠板のナックル部８から錠片９まで
の長さに比し、ナックル部８がら手掛は部１０の召合せ
框との保合部すなわち、係止縁７．１１及び１２．１４
までの長さが格段に長く、がっ、手掛は部が召合せ框に
係合されているので、相当大きな力によっても錠板ｌの
保合が外れて回転解錠することはない。

すなわち、錠板ｌの召合せ框への保合のみで、屋外側か
らの不正な解錠が充分に防止できる。

窓を開ける場合は、前記手掛は部１０に矢印Ａとは反対
方向に力を加えて係止縁７，１１の噛合を外し、錠板ｌ
を回転させると、錠片９が受は縁３がら離脱し、第４図
に示すように、前記錠片９か沼合せ框４の室外側面に当
ってそれ以上の回転ができなくなり、錠片９も手掛は部
１０も両障子ｄ、、ｄ２の開閉移動を妨げない位置に維
持される。

従って、従来の障子と同様に開閉することができる。

続いて、窓は完全に閉められていても、施錠されないと
きは、第４図に示すように、前記錠板ｌが戸面と平行に
、召合せ框４と並置した状態におかれ、召合せ部の遮光
面積が幅広くなっているので、遠方から召合せ部を見た
だけでも解錠状態にあることが即座にわかる。

従って、外出時、又は就寝時に錯誤による施錠忘れをす
ることがない。

従来のクレセント錠では施錠状態においてクレセントの
手掛は部が上向きのものと下向きのものとがあるため、
手掛は部の向きを見ただけでは施錠、解錠のいずれかが
わからなくなる場合があるが、この考案の施錠装置では
このようなことがない。

図中、１５は上框、ｇ１９ｇ２はガラス板である。

なお、前記軸部６の上下端部、ナックル部８の上下端部
、及び係止縁１１の上下端部は上梓、下枠に障子の上下
端部を嵌入する際の障害物にならないように、第３図に
一部を示すように適宜切欠されている。

以上のように、この考案による施錠装置は施錠状態にお
いて召合せ框と一体のもののように構成されているから
、施錠装置の存在、所在がわからないため、不正に解錠
されず、防犯効果が大きいとともに、召合せ部の外観体
裁もよい。

また、解錠状態においては錠板が回転展開され、解錠状
態にあることが容易にわかるため、施錠忘れ、錯誤が防
止される。

さらに、錠板は長尺であって、施錠状態において召合せ
框に嵌合係止されるから、召合せ部の耐風圧強度が補強
される。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は施錠
状態を示す引違い障子宿合せ部の横断面図、第２図は取
付は態様の例を示す内障子の正面図、第３図は内障子宿
合せ部の上端部を示す斜視図、第４図は解錠状態を示す
第１図に対応する断面図である。 ｄｌ・・・・・・外障子、ｄ２・・・・・・内障子、１
・・・・・・召合せ框、２・・・・・・煙返し、３・・
・・・・受は縁、４・・・・・・召合せ框、５・・・・
・・煙返し、６・・・・・・軸部、７・・・・・・係止
縁、８・・・・・・ナックル部、９・・・・・・錠片、
１０・・・・・・手掛は部、１１・・・・・・係止縁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （イ）内障子の召合せ框の室外側部分にその召合せ框の
   長手方向に延びる軸部を設けるとともに、（ロ）一端部
   に設けられたナックル部と、そのナックル部の外側面に
   突設された錠片と、前記ナックル部から前記錠片の反対
   方向に延出し、前記内障子の召合せ框の室内側部分に係
   脱可能な手掛は部とを一体に有し、かつ、前記召合せ框
   とほぼ等しい長さを有する錠板を、前記ナックル部にお
   いて前記軸部にその軸部を中心として回転可能に嵌合し
   て、前記召合せ框に装着し、 （ハ）外障子の召合せ框の室内側部分に、内外障子の閉
   時における前記錠板の回転により前記錠片が係脱可能な
   受は縁を設けてなる、 （ニ）引違い戸の施錠装置。