JPS5818483B2 - 誘導反撥式車両磁気浮上方式における曲線軌道部の磁気浮上装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は誘導反撥式車両磁気浮上方式における曲線軌道
部の磁気浮上装置に関するものである。

誘導反撥式磁気浮上車両はよく知られている。

本発明の理解に必要な範囲内においてその１例の概要を
第１図ａ〜第２図に従って説明する。

第１図ａにおいて、２，２′は導電体をループ状に形成
した公知の超電導磁石でζ車両の車体下面に、列車進行
方向に沿って所定間隔をへだてて２並列列に配置されて
いる。

この場合、通常は長手方向において相隣る超電導磁石は
互に逆極性である。

１方軌道には通常の導電性ループコイル又は導電性シー
ト等の導電体３および３物対応する列の超電導磁石２お
よび２′との間で電磁誘導可能な位置に２列、並列に敷
設されている。

このように構成しても車両が停止している限り、車上の
超電導磁石２および２′と地上の導電体３および３′と
の間には何等の電磁的作用は発生しない。

しかし、車上に装着された、例えば公知のりニアモータ
を利用した車両駆動機構を駆動せしめて車両を走行せし
めることによって超電導磁石２および２′が、軌道の車
両進行方向に沿って所定間隔をへだで５連続的に配置さ
れている対向導電体３および３′上を走行することとな
り、超電導磁石２，２′と、その車両進行方向前方の同
一列の超電導磁石とが同時に同一の導電体３，３′と対
向しないように設定する限り導電体３，３′に電流が誘
起される。

しかしてこの誘起電流は車両の走行速度に伴って増大し
、ある走行速度、たとえば２００ｋｍ／ｈ程度になると
はジ飽和し、その速度もしくはそれ以上の速度で走行す
る限り、同一レベルを保持する。

すなわち第１図ａに示す導電体３，３には、それと位置
的に対応して描かれた第１図すに示したような磁束φが
鎖交し、それに伴って、同じく位置的に対応して描かれ
た第１図Ｃに示す浮上のための電圧ｅが誘起され第１図
ｄに示すごとき電流ｉが流れること＼なる。

周知のごとく、第１のループ状導電体に流れる電流によ
って、それに対向する第２のループ状導電体に誘起され
る電流の方向は第１の導電体と逆方同番と流れる。

従って、超電導磁石２，２′の電流の流れが第１図ｅに
示すごとく矢印ａ方向へ流れるとすると、その電流によ
って導電体３に誘起きれる電流はｂ方向へ流れることと
なる。

それにより、フレミングの左手の法則によって浮上刃Ｆ
＝ＢＸｉが得られる。

こＮにＢは超電導磁石２，２′の創る磁束密度、ｉは導
電体３゜３′の創る電流である。

すなわち、車両は超電導磁石２，２′により導電体３，
３′に誘起される電流との間に働く反撥力によって浮上
される。

この方式においては車両のカ行、惰行、制動および停止
等、車両の駆動、停止は車両に設けられた公知のりニア
モータ等の車両駆動装置によって行なう。

しかして、上記車両駆動装置の駆動によって車両が走行
しはじめると、第２図に示すごとく、上述した超電導磁
石２，２′と導電体３，３′による車両の浮上刃が発生
し、ある速度に至った時以後、その速度以上では浮上刃
ははマ一定に保持され、一定の浮上刃を保持したま＼駆
動される。

走行速度が上記「ある速度」以下となると浮上刃は低下
し、車両駆動装置により、車両に制動をかけることによ
って、その減速度に伴って浮上刃は序々に低下し、車両
は車輪等の補助支持装置を介し、地上の走行路面に着地
する。

しかして、上述した誘導反撥式磁気浮上方式においては
、車上の超電導磁石と地上の導電体間２−３および２Ｌ
３′の間隔は同一であり、又地上の導電体３および３′
としては時定数が同一のものを用いている。

こ＼に時定数はＬ／Ｒで表わされ、Ｌは尚該導電体３，
３′のインダクタンス、Ｒは抵抗を示す。

従って、車両が平坦な直線軌道を走行する場合には、互
に、車上進行方向に沿って並列配置されている地上の導
電体とそれと対向する車上の超電導磁石２−３および２
’−３’、！：の間に発生する浮上刃は同一であるので
、きわめて有効であるが、曲線軌道部を通過する場合は
曲線半径、車両の重量および車両の速度によって定まる
遠心力を受け、このため曲線部では軌道面を予め内側に
傾斜させておかないと、脱線、転ぷくの恐れがある。

そのため、従来から当該軌道にカントをつけて、それを
防止している。

カントは曲線半径および車両の曲線通過速度によって定
まり、曲線通過時、車両に働く重力と遠心力の合力が軌
道面に垂直になるようにするのが理想である。

しかしカントは車両の種々の速度に対応できるようにす
る必要があるとともに、又例えば、車両が曲線上に停止
した時、内側へ転覆することがあってはならないので過
大にはできない。

このため、車両が高速で曲線部を通過する場合、遠心力
が上廻って、いわゆるカント不足の状態となり、車両は
左右の遠心力を受けて、軌道の中心をずれて走行するこ
と５なり、特に高速、浮上駆動方式では非常な危険が伴
う恐れがある。

本発明は誘導反撥式磁気浮上・車両の曲線軌道部の走行
に存する上述のような問題点を解決するためになされた
ものである。

本発明を第３図に示した実施例に従って説明する。

第３図において、第１図ａ〜第２図に示すのと同一記号
のものは同一構成要素を示す。

しかして、本発明においては、曲線部に位置する地上の
浮上用導電体のうち、曲線に対し外側に設けられる地上
浮上用導電体３１の時定数を、それと並列に内側に設け
られる地上の浮上用導電体３の時定数より犬に設定する
ことによってカント不足の場合に車両に加わる遠心力が
横方向の不安定な力となることを防止する。

地上の浮上用導電体の時定数を犬にするには当該導電体
の断面積を所望なだけ犬とするか、又はもし並列配置し
た浮上用導電体の断面積が同一であれば、外側の浮上用
導電体３１に所望の形状。

寸法からなる導電性シート等を附加してインダクタンス
を増大する等の方法をとることができる。

本発明によれば、曲線軌道部に並列配置されている浮上
用導電体のうち、曲線に対し外側に位置する浮上用導電
体３１の時定数は内側の浮上用導電体３のそれより犬に
設定しであるので、車上の超電導磁石２隻地上の浮上用
導電体３１との間に働く浮上のための電磁力は、車上の
超電導磁石２と浮上用導電体３との間に働く浮上のため
の電磁力より犬となり、それにより、第３図に点線で示
すごとく、車両を曲線の内側に傾けることとなるので、
浮上用導電体３１の時定数を具体的場合に即して増大す
ればカント不足を補って曲線区間における高速の安定走
行を実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ ”−ｅおよび第２図は誘導反撥式磁気浮上・
車両の動作原理を説明するための図で、第１図ａは車上
の超電導磁石と地上の導電性コイルとの関係を示す斜視
図、第１図すは第１図ａの導電性コイルに誘起される磁
束を示す線図、第１図Ｃは第１図すの磁束によって発生
する電圧を示す線図、第１図ｄは第１図Ｃに示す電圧に
よって発生する電流を示す線図、第１図ｅは車上の案内
用超電導磁石と地上の案内用コイルとの間の電流の誘起
方向を説明するための断面図、第２図は誘導反撥式磁気
浮上、車両における走行速度と浮上との関係を示す線図
、第３図は本発明の実施例を示す側面図である。 ３・・・・・・曲線軌道部の曲線に対し内側に位置する
浮上用地上導電体、３′−・・・・・曲線軌道部の曲線
に対し外側に位置する浮上用地上導電体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車両の進行方向に沿って所定間隔をへたてた地上に
   並列配置された２列の浮上用導電体と、それらの浮上用
   導電体と電磁結合可能なように、車上に装着された浮上
   用超電導磁石との間に発生する電磁力により車両を浮上
   させるようにした誘導反撥式車両磁気浮上方式において
   、曲線軌道部の２列の浮上用地上導電体のうち、曲線に
   対し外側に位置する浮上用地上導電体の時定数を、内側
   に位置する地上導電体のそれより犬に設定したことから
   なる誘導反撥式車両磁気浮上方式における曲線軌道部の
   磁気浮上装置。