JPS5818407B2 - 連続焼鈍法による軟質表面処理鋼板用原板の製造法 - Google Patents

連続焼鈍法による軟質表面処理鋼板用原板の製造法

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JPS5818407B2
JPS5818407B2 JP9312076A JP9312076A JPS5818407B2 JP S5818407 B2 JPS5818407 B2 JP S5818407B2 JP 9312076 A JP9312076 A JP 9312076A JP 9312076 A JP9312076 A JP 9312076A JP S5818407 B2 JPS5818407 B2 JP S5818407B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は連続焼鈍法による軟質表面処理鋼板用原板の
製造法に係り、従来困難とされていたメッキ後の調質度
がT3以下のブリキとなる軟質の原板を連続焼鈍法によ
って製造する方法に関する。
一般に、食缶や一般缶あ4いは王冠などの場合、鋼板に
錫メッキを施したブリキ、またはクロムメッキを施こし
たティン・フリー・ステイールのような表面処理鋼板が
使われているが、それぞれ使用目的に応じて異なる強度
の材質のものが選択使用されている。
かかるブリキ板ならびにめっき前のブリキ原板に関して
の機械的性質については、JISでも調質度(テンパ一
度)としてJISG3303−1969に定めている。
それは記号のT−]〜T−6にわたるもので、ロックウ
ェルかたさくHR30Tもしくはト(□15T)で表示
される次の第2表のようなものである。
この第2表からも判るように、従来はT−3よりもやわ
らかいブリキ板の原板については連続焼鈍法による製造
は行なわれず、長時間をかけて加熱・均熱・冷却するバ
ッチ式の箱焼鈍法により製造されている。
その理由は、箱焼鈍法によるものに対し同じ組成の鋼を
連続焼鈍をする場合は、短時間で加熱、均熱・冷却を完
了させるために再結晶粒が十分成長せず微細になりがち
で、また固溶炭素の析出が十分でなく固溶体硬化を生じ
てかたくなることから、連続焼鈍法による製造が困難と
されていたのである。
このことは電気メツキブリキの場合には鋼板が焼鈍後ス
キンパスされたのち、錫メッキされ、そしてその最終工
程でのりフロー処理工程で原板に施されたスキンパス圧
延の効果と相俟って歪時効硬化を引起すし、また熱浸漬
ブリキの場合であっても、溶融錫中へ原板を浸漬するこ
とにより該鋼板が200℃以上に加熱されることになり
、前記電気ブリキメッキのりフロー処理と同じ影響を受
け、成品の軟質化が妨げられるのである。
なお、前記調質度(テンパ一度ともいう)は、ブリキ等
の機械的性質の評価基準を示すもので、加工における応
力とひずみの関係として表わされ、結晶粒度、引張強さ
、降伏点、伸び、かたさ、スチフネス、ひずみ硬化等の
鋼の内部因子を集成した概念である。
また、かたさのHR30Tの表示は、予備荷重3に9、
不荷重3 ’OK9のもとて直径1/16in、の鋼球
を使うロックウェル表面かたさの値である。
上述したような実情に鑑み、現在軟質表面処理用鋼板を
連続焼鈍法により製造する方法が、既に幾つか提案され
ている。
その1つは特開昭50−72816号に示すもので、母
板を熱間圧延するに際し、その仕上げ温度をAr3変態
点以下にし、カーバイドおよび結晶粒の粗大化を行なわ
せる。
そして、この母板を冷延後連続焼鈍した後、過時効処理
を施すことにより、連続焼鈍時の固溶体硬化やりフロー
処理などをしたときの歪時効硬化を低減させる方法であ
る。
しかし、このような低温。で熱間圧延を行なうと鋼帯の
温度分布が不均一になり歪が発生しやすいので安定な操
業を行なうことが難しく実際的ではない。
また特開昭50−139013号によれば、使用する鋼
に含まれるS i 、 A lおよびNの量を適。
当に制御することにより、これらの共存効果で連続焼鈍
時鋼中の固溶炭素、固溶窒素の析出を促進させて固溶体
硬化やりフロー処理などをしたときの歪時効硬化を低減
し、さらに必要に応じて過時効処理を施すことにより、
所望の目的を達する方法である。
しかし、この方法の場合はSiを0015〜0.10%
、Alを0.01〜0.10係およびNを0.002〜
O,Ol、0%含有させることにしているがこれではリ
ムド鋼に対して適用できないし、Si含有量が高いため
に熱延時のスケール疵や冷延板焼鈍時のテンパーカラー
などが生じやすく、そのため表面性が劣化し、SnやC
rなとのメッキ性が悪くなるという難点がある。
・ 以上のように、連続焼鈍で十分軟質な表面処理用鋼
板を製造することに関しては、現在のところ熱延条件を
規制するか、焼鈍後退時効処理(300−500°C)
を行なうか、またはAlかSiキルドタイプの組成の鋼
板を用いるかのいずれか、あるいはこれらの方法を組合
わせるという技術があるにすぎず、いずれも上述したよ
うな欠点をもっている。
そこで本発明は、鋼板の組成と焼鈍後の冷却速度のみを
制御することにより母板の熱延条件を特別に規制するこ
となく、また冷延板を連続焼鈍するに際し急冷や過時効
処理など特別な処理を施すことなく、従来T4以上のブ
リキ原板を焼鈍していたと同程度に単純な構造の連続炉
を用いて、メッキ後T3以下の硬度となる軟質表面処理
鋼板用原板の製造技術を提供せんとするものであり、次
のような新しい知見にもとづき開発した。
すなわち、この発明はます鋼塊の組成が次式のように示
されるとき、 Z=2C−2M、n+2S+30e+0.6(ただし、
C、M、n 、 S 、 Oeはそれぞれ鋼中の重量係
であり、Oeは鋼中未固溶の溶存酸素量のことで特にキ
ルド鋼についてAlやSiにも固定されていないで残存
している溶存酸素量を示すものである。
)このZ値と炭素含有量、及び焼鈍後500℃から10
0°Cまでの平均冷却速度β(°G /sec )の関
係が次式を満足するように、 C1β≦1.25 +0.77 Z−LTi耳〒i鋼の
組成並びに冷却速度を制御することにより、連続焼鈍法
によってメッキ後調質度T3〜TIの範囲の軟質ブリキ
となる原板が得られることがわかった。
以下、上述した本発明の具体的内容について、以下に示
す実験の結果をとおして説明する。
なお、上記した第1表に示すものは各種の化学成分を有
する鋼塊を分塊圧延してスラブとし、このスラブを通常
の方法によってAr3変態点以上の熱延終了湿度で熱間
圧延をしたのち、540℃以上の巻取温度で巻取ったの
ち、普通の方法で冷延鋼板とした。
つぎに、連続焼鈍をするにあたり、第1図に示すような
もつとも単純な焼鈍サイクルを採用したすなわち、その
均熱湿度T’Cは680〜760℃の範囲、そして均熱
時間tsecは5〜80secの範囲とした。
さらに、均熱湿度から室温までの冷却速度は、均熱湿度
から500’Cまでと500’Cから100°Cまでの
2区間に分割して制御したが、それぞれを上部冷却速度
α(°C/5ec)、および下部冷却速度β(℃/5e
c)と称することとし、αは4〜b 変えて実験を行った。
そして、連続焼鈍後1〜3係のスキンパス圧延を行ない
、ついで錫メッキを施した後、250°Cで’+−os
ecのりフロー処理を施した。
まず、ブリキ板の硬度におよぼす焼鈍条件の影響につい
て検討する。
第2図は室温からの昇温速度を約35°C/secとし
たときの焼鈍均熱温度および時間の影響を示す図である
この図から焼鈍均熱温度が680〜760℃の範囲内で
変化してもかつ均熱時間が5〜80 secの範囲で変
化しても、組成および冷却速度が同じである場合には、
いずれもブリキ板の硬度におよぼす影響については非常
に少ないことがわかる。
そこで、以下に述べる場合には720℃で20 sec
の焼鈍をしたものを示す。
第3図は下部冷却速度βが2℃/secのときのブリキ
板硬度と上部冷却速度αの関係を示す図であり、この図
からαが4〜b しても硬度はほとんど変化していないことがわかる。
このことは、すなわち、焼鈍後500°C以下で過時効
処理を行なう場合、 F的にはその前に過飽和固溶炭素
量を増加させて、過飽和度を高くしておくことが炭素の
析出:すなわち軟化をより効果的なものとするため、5
00℃までの冷却速度は速いはどよいとされているので
あるが、500℃以下での過時効処理をせず、本実験の
ように単純に冷却する場合には、αが変化しても最終製
品の軟質化には効果がないしたがって500℃までは通
常の空冷程度の冷却速度で十分である。
そこで以下に述べる場合には上部冷却速度α−35°C
7々Cで焼鈍したものを示すこととする。
以上述べた焼鈍条件のうち、昇温速度、焼鈍均熱湿度お
よび時間、そして500°Cまでの冷却速度はいずれも
本実験の範囲内ではブリキ板の硬度におよぼす影響は少
なかった。
しかし、以下に述べる下部冷却速度β、ならびに鋼板の
組成はブリキ板の硬度に著しい影響をおよぼすことがわ
かつ;た。
まず、第4図に各種組成のブリキ板についてβとブリキ
板硬度H□との関係を示す。
いずれの場合も硬度はβが小さいほど小さくなる傾向に
あることがわかる。
すなわち、500’C以下の冷却速度は遅いほど軟質の
ものとなることになるので、T3以下の軟質ブリキを製
造するには、500°C以下の冷却速度を十分に遅くす
ればよいことになる。
しかしながら、たとえばβを1,5°G/sec以下に
すると、焼鈍波鋼板を100℃まで冷却するのに571
1/、に以上を必要とすることになる。
もちろん、・βを1.5℃/secより小さくすること
はラインスピードを落とせば実現可能ではあるが、その
ためには炉の全長が長くなり、しかも生産能率が−にら
ないためあまりメリットが得られない。
そこで、β≧1.5°C/secの冷却速度T3以下の
軟質ブリキを製造する方法について種々研究を繰返した
結果、鋼板の組成をβとめ関係においてコントロールす
ることがもつとも有効な手段であることがわかった。
以下にその詳細を述べる。C,1M、n、SおよびO含
有量(ここで、Oは溶存酸素量を示す)を系統的に変化
させた鋼を用い、それぞれの元素の含有量と硬度の関係
を詳細(こ調べた。
まず、Mnを除き他の成分をほぼ一定にした幾種かのリ
ムド鋼について、C量と硬度との関係を第5図に示す。
この図に明らかなようにブリキ板の硬度はC量が減少す
るにしたがって全般に低下する傾向にあるが、Mn量が
0.5%以上とかなり多ぐなる場合には、C量が減少し
ても軟化せず、また冷却速度1βあるいはMn量の違い
によっても硬度とC量の関係は微妙に変化することが・
わかる。
つぎに、C量を除き他の成分がほぼ同程度の幾種かのリ
ムド鋼について、Mn量と硬度との関係を第6図に示す
この図に明らかなように、どの鋼でも硬度は特定のMn
量のところで極小値をとる傾向にある。
このことは、C2SあるいはOとの関係において、ある
特定のMn量を有する鋼板を連続焼鈍後ブリキ板とする
とき、もつともやわらかくなることを示している。
ところが一般には。鋼中のMnは鋼を硬化する元素とし
て知られており、単純に少ないほうが鋼がやわらかくな
るとされている。
しかし本発明者らは、第6図に示したように、かかる常
識に反しC,S、Oなどの含有量との兼ね合いによって
は、連続焼鈍後のブリキ板がもつともやわらかくなる最
適Mn量というものが存在するという新たな知見を得た
このことに関して第1表に示した試験材の中から、リム
ド鋼9コイルを選び、720℃/sec 、α−35℃
/sec 、β−4°C7埴Cの同一条件で焼鈍したあ
と、10係引張り歪を与えそのときの引張応力を、その
後100℃x3ogj時効後再引張りしたときの降伏応
力から差引いた値、すなわち時効指数、A 、 I 、
(K97mm2)を測定し、コレと鋼の固溶Mn量、
すなわち全Mn量からMnSやMnOとして存在してい
ると考えられるMn量を差引いた量の関係を調べた。
その結果は第7図に示すように、該リムド鋼については
固溶Mn量が増加す′るにつれて前記A、1.が低下す
るが、該試験材中のC量の変化に対しては相関的な関係
はないことがわかる。
このことは普通時効硬化を促進する効果があると思われ
ている固溶C量が多くなっているにもかかわらす固溶M
、 n量が多くなればそれとは無関係に前記A、1.が
低下する傾向を示唆しているのである。
したがって、固溶MnがCの析出を促進する作用をもつ
ことが考えられる。
もしこれが正しいとすると、固溶Cをより多く析出させ
るには固溶Mn量は多いほうが望ましいことになる。
しかし一般には固溶Cが析出すればするほどいくらでも
軟化するとは限らず、たとえば水焼入れ後時効処理をし
た場合のように析出が微細に起こればかえって硬くなる
場合もあり、また固溶Mn自体過剰になるとそれによる
固溶硬化が顕著になる。
以上述べたことから、第6図に示したように軟質化には
最適Mn量が存在することが理解できる。
さらに、この第6図からはC量が低下するほどそのC量
での極小硬度をとるMn量も低下していくという関係が
読みとれる。
すなわちC量が少ないときには最適Mn量も少なくなる
のである。
つぎにSおよびO量が硬度におよぼす影響を調べるため
、C,Mn量がほぼ一定の幾種かのリムド鋼について、
S量と硬度との関係を第8図に、そしてO量と硬度との
関係を第9図に示す。
いずれの場合も第6図で極小硬度をとるC 、Mn組成
を選んだ場合は、Sあるいは0を不実験の範囲内で増減
させても硬度はほとんど変化しないが、極小硬度をとる
組成からかなりはずれたC、Mn量を有する組成を選ん
だ場合はS、0量の変化により硬度はかなり大きく影響
を受ける。
すなわち、この図からMnが少ない場合にはS、0は多
いほうが、またMnが多い場合にはS、0は少ないほう
がそれぞれ硬化することがわかる。
このことは、前述の固溶MnがCの析出を促進させて材
質の軟質化に効果的である組成範囲では、S、0の存在
によって固溶M、 nが減少することになり、そのため
軟質化が抑制されているのに対し、これと反対に過剰な
固溶Mnが材質の硬化に作用している組成範囲ではS、
bの存在により過剰な固溶Mnが減少し、かえって軟質
化に寄与していることを暗示している。
以上説明したように連続焼鈍後のブリキ板の硬度は、焼
鈍後の500〜100℃間の平均冷却速度β、と鋼板の
組成(とくにC,Mn、S、O)との関係において複雑
に変化することがわかる。
そこで不発明者らは、上述の実験により得られた種々の
関係を統一的に表現しうる方法を詳細に検討した。
まず、C量が一定のとき極小硬度をとる組成に特定の法
則があるかどうかを調べた。
その指標となるべき数値を今仮りにY値とし、この値を
C,Mn、Sおよび0量の1次結合式で表現し、硬度極
小値をとる各種組成について、Y値が一定となるよう1
次結合式の関係を決めたところ、本実験に用いたリムド
鋼の組成範囲内ではY値はほぼ(a)式で表現できるこ
とがわかった。
Y=2C−2Mn+28+30 、、、(a)(C
,Mn、S、0はそれぞれ炭素、マンガン。
イオウ、酸素の鋼中重量%) そこでこのY値により硬度を整理すると、第6図に示し
た関係は第10図に示すようになり、βとは無関係にY
値が約−〇、56のとき硬度は常に極小値をとることが
見出される。
リムド鋼におけるこのY値を以下溝〃と呼ぶ。
さて以上はリムド鋼についての解析結果であるが、つぎ
にSiあるいはAlを含有する鋼の場合について調べた
結果を述べる。
SiあるいはAl含有鋼について、Y値と硬度の関係を
C,Mn量がほぼ同程度のりへド鋼と比較して第11図
に示す。
これによると、Si、Al含有鋼を用いた場合のブリキ
板では、リムド鋼によるブリキ板と比較して、上記した
Yinよりも大きい範囲で、いずれもリムド鋼よりやわ
らかくなる傾向があることがわかる。
このことはリムド鋼と比較してSi。Al含有鋼は0量
が少ないうえに、含有している0もA 1203あるい
は5i02′として固定化されMnOとなっている0は
ほとんどなくなっているためである。
したがって、固溶Mnが過少気味のY>Yymgの範囲
では固溶Mnが増加することによりCの析出が促進され
て軟化し、逆に固溶Mnが過多気味にあるy<y=の範
囲では、固溶Mnがさらに増加する傾向となるため軟化
しないものと理解される。
しかじAlキルド鋼の場合、上記の原因以外に固溶Nが
klNとして固定され、そのAlNを核として固溶Cの
析出が促進されるため、Si含有鋼と比較してよりやわ
らかくなる傾向にある。
以上の理由によりSiあるいはAl含有鋼の場合でも(
a)式におけるY値として心の係数を零とすることによ
りYvirtはリムド鋼の場合と同様に約−0,56と
なることがわかる。
したがってY値としてはリムド鋼、SiあるいはAl含
有鋼すべてを含め<h)式の6のかわりに有効6量すな
わち75eを用いることにより(a)式で表現できるこ
きになる。
ここでOeは次の(b)式に示す値として定義でき、ま
たOe<O(零)のときはOeは常に零とする。
−88 0e =O−−8i −−A 1. 、 、(b)9 したがって、上記した(a)式のY値は、つぎのように
書き換えられる。
Y=2C−2Mn+28+30e 、、、(、/)
つぎにこのY値を横軸にとり、冷却速度βを縦軸ニとっ
た¥−β平面上に、C量がほぼ一定の鋼ごとにブリキ板
の硬度を等硬度線で示したものが第12図、第13図、
第14図である。
不発明者らはこれらの図からHR30T<6.’Oとな
る範囲を示す曲線は(c)式で表現できることを知見し
た。
(ここでC;炭素含有量、w t %、βは500〜1
00℃間の平均冷却速度、 ’C/Sec ”。
(c)式において、Y+0.6をZ値とするき、上記し
た(a)”Fsよび(c)式は次のように簡素化できる
Z=2C−2Mn+28+30e+0.6 、、、(
d)C0β≦1.25+0.77Z−#口肩了13.
、 、(e)したがって以下このZ値を鋼板の組成を表
わす指標とする。
次に、組成の影響をさらに詳しく検討するため、各主要
元素について考察する。
まずCについては(e)式から明らかなように、冷却速
度βとの関係が重要である。
冷却速度に関しては、過時効帯を装備しない通常の連続
焼鈍炉でもラインスピードを1落すきともに加熱、均熱
および冷却帯の温度を制御するこきにより、β=15℃
/secまで遅くすることは可能であるが、調質度T3
3量の軟質ブリキを製造するのに鋼の組成を厳密に調整
したうえになおラインスピードを落したのでは連続焼鈍
法で行なうメリットはなくなる。
したがって組成を十分調整した鋼(たとえばZ=0.0
4)を用いる場合は、少なくとも現在T4以上のブリキ
板を製造している連続焼鈍条件によりT3並の軟質ブリ
キが製造できなければメリットは少ない。
すなわちβはいくら遅くとも9℃7々CでH,30T<
60が得られることが望ましい。
そのためには(d)式よりC量は0.10−S以下であ
ることが必要である。
さてC< 0.10 %でT3以下の軟質ブリキを通常
の連続焼鈍法により作るためには、鋼板の組成およびβ
を(e)式により制御しなければならないが、(e)式
の左辺はつねに正なのでZ値は常に一〇、34くZ≦0
62の範囲にしなければならない。
しかしZ値がこの範囲にありさえすれば、C,Mn。
S、Oeはどのように配分されてもよいというわけでは
ない。
まず通常不純物として鋼中に混入しているSおよび0量
は第8図、第9図かられかるように固溶Mnが過多気味
の場合には多いほうがむしろ軟くなる傾向にあるが、多
すぎるとMnSやMnOとして存在する介在物が焼鈍の
際の粒成長を妨げたり、また表面性状の劣化をもたらす
ため、Sについては0.03%以下すについては0.0
6%以下とし、ともに通常の不純物の範囲におさえてお
かなければならない。
つぎにMn量についてであるが、これはC<0.1係、
S<0.03%、O<0.06係の条件のもとてはこ
れらの1次結合値であるZ値に上述のようた規制がある
ので、Mn量はβとの関係で(e)式より自動的に決ま
ることになる。
すなわち、Mn量C最太0.69%まで含有させること
ができ、かつ化の成分、C,S、O冷却速度ならびにβ
に応じて決めればよい。
たとえばC,S、Oが前述の規俄の範囲内にありさえす
れば、とくに組成を十分び整しなくてもβ=4℃/se
cでT3以下の軟質ブリキができる条件として、(d)
式よりMn量は0.096係≦Mn≦0.627%と規
制される。
SiおよびAlは鋼中のC量を低減させるたヅ固溶M、
n量が増加しCの析出が助長されるので、鋼中の全M
n量が比較的少ない通常のキルト鋼C成分範囲(Z′″
>0.04.)でブリキ板の調質度を1げろのに有効な
元素である。
しかしSi、Alともに0.1%を越えるとそれら自身
により固溶硬イトを起すため、ともに0.1%以下でな
ければならムい。
NについてはCと同様に固溶状態にあると硬什をもたら
すので低いことが望ましいが、通常のリムド鋼では約3
0. ppm以下であり、この範囲であればとくに規制
する必要はない。
またAlキルト鋼を用いればAlNとしてNが析出する
ので問題はない。
以上を総括すると、本発明の対象となる鋼の組成に関し
ては、C<0−1係、S<0.03係、b≦0.06%
、 S i <0.1係、Al<0.1係でしかも冷却
速度βとのかねあいで(e)式を満たすようMn量が規
制されるべきであるといえる。
実施例 上述した本発明にかかる条件式を使って、従妹連続焼鈍
法によって製造していたT4キツプド(リムド)鋼に適
用すると、(C:009%。
Mn :0.38%、S:0.02%、0:0.04%
β:12℃//5eC) 左辺=C1β=0.09x1.2二1.08したがって
、従来のT4のブリキ及びその原板の場合、(e)式の
不等式において右辺より左辺の方が小さい数値となるべ
きところが逆の関係を示している。
このことは、上記T4に代表されるように従来の連続焼
鈍法による表面処理鋼板およびその原板の場合、本発明
に係る方法の条件を満足する範囲内では製造されていな
いことを示しているのであり、T3以下の軟質の鋼板を
製造できないとしてもそれは当然のことである。
以上説明したように、従来調質度の目標値HR30Tが
く61±3の軟質ブリキ原板は、箱型焼鈍により焼鈍さ
れていることから、昇温には著しく長時間を要するうえ
に、コイルの内外で熱履歴が異なるため材質にむらが生
じやすいなどの欠点を有していたが、この発明によれば
冷却過程で生ずる固溶Cは、まず鋼の組成を制御するこ
とにより通常の冷却速度でも十分に低くすることができ
、よって従来のT4以上のブリキ原板を製造していたの
と同じ連続焼鈍炉により1゛3以下の軟質表面処理鋼板
用原板の製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
図面の第1図は不発明において実1験した焼鈍サイクル
の模式図、第2図は硬度に及ぼす均熱保持時間ならびに
温度の影響を示す図、第3図は硬度と上部冷却速度(α
)の関係を示す図、第4図は硬度に及ぼす下部冷却速度
の影響を示す図、第5図は全Mn量が異なるブリキ板の
硬度に及ぼすCの影響を示す図、第6図はC量が異なる
ブリキ板の硬度に及ぼす全M、 n量の影響を示す図、
第7図は時効指数に及ぼす固溶Mn量の影響を示す図、
第8図はC量、全Mn量が異なるブリキ板の硬度に及ぼ
すSiの影響を示す図、第9図C量、全Mn量が異なる
ブリキ板の硬度に及ぼすC量の影響を示す図、第10図
はブリキ板の硬度とY値(2C−2Mn+28+30)
の関係を示す図、第11図はブリキ板の硬度とY値との
関係に及ぼすSi。 Al添加の影響を示す図、第12図はC量が約0.03
%のブリキ板の硬度とY値との関係を示す図、第13図
はC量が約0.06%のブリキ板硬度とY値との関係を
示す図、第14図はC量が約0.1%のブリキ板の硬度
とY値との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量係で、C:01%以下、Mn:0.69%以下
    、S:0.03%以下、O:’O,0,6%以下、Si
    :0.1%以下、Al:0.1係以下で含有し、残部が
    不可避的に混入する不純物およびFeからなる鋼を溶製
    し、これら諸成分の鋼中重量係の関係が次式: %式% 〔ただし、0e=O−8/7S i−8/9Alでこの
    値が負のときはoe値は常に零とし、0eは有効酸素量
    を示す。 〕で与えられるとき、そのZ値が−0,34〜+0.6
    2の範囲に入るような鋼塊あるt)は連鋳スラグとしつ
    づいて常法に従って熱間圧延および冷間圧延をし、その
    後に行う連続焼鈍に際して焼鈍後の冷却過程における5
    00℃から100℃までの平均冷却速度をβとするとき
    、このβと鋼板のC含有量および前記Z値との関係か次
    式: %式% を満足するように制御することを特徴とする連続焼鈍法
    による軟質表面処理鋼板用原板の製造法。
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