JPS5818275B2 - 昇降式クレ−ン走行路をもつ船 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、橋形クレーンを船上に設置した船舶に関する
ものである。

従来、船舶搭載型の橋形クレーンは、上甲板上に敷設し
た走行レールに案内されて船尾方向に走行する構造であ
ったがためにクレーンの全高を減少させることはできず
、一定であった。

しだがって、船舶の航路中に運河、河川などがある場合
、これらに架設されている橋、その他の構造物による桁
下制限に橋形クレーンが引掛かり、該船舶の航行に支障
を及ぼすことがある。

このような場合には、船舶の航行が可能な他の航路を通
行せねばならず、その航路は制限されることになる。

さもなくば該船舶に搭載されている橋形クレーンを一旦
分解し、構造物設置箇所を通過後に再び組立てを必要が
ある。

このようなことは、橋形クレーンの各構造部材が大型の
大重量物であるために非常に犬がかり彦作業となるのみ
ならず、航行中の船舶上でかかる大がかりな作業をする
ことは安全上も好ましくない。

また橋形クレーンの全高が高い場合には、船舶の安全航
行上、好ましくない。

本発明は、橋形クレーン全体を昇降可能ならしめること
により、クレーン全高を縮少可能となし、もって航行の
障害とならないようにすると同時に、航行を安全ならし
め得る昇降式クレーン走行路をもつ船を提供するもので
、以下その一実施例を図面に基づいて説明する。

１は航舶で、その上甲板２上には船首尾方向に走行可能
な橋形クレーン３が設けられる。

この橋形クレーン３は、走行路を形成する走行レール４
に案内される一対の脚部５と、これら脚部５の上端間を
連結するガーダ部６と、とのガーダ部６上において船中
方向に走行可能なトロリ７とからなる。

前記走行レール４の一部は分割され、これを昇降レール
部４Ａとしている。

すなわち昇降レール部４Ａは昇降体３上に敷設され、こ
の昇降体８は、上甲板２に形成した穴とこの下方に設け
たガイド９とにより船体内部に形成された昇降路１０内
において昇降可能となる。

１１は昇降駆動装置の一例である油圧シリンダを示し、
これは螺軸機構など他の例も採用し得る。

なお昇降路１０の長さや巾は、脚部５下部の昇降を許す
ものでなくてはならない。

第１図は油圧シリンダ１１を伸展させ、昇降体８を介し
て昇降レール部４Ａを上昇させ、上甲板２上に固設した
残シの走行レール４に接続させている。

これにより橋形クレーン３は上甲板２からの高さＬが充
分に取れ、且つ船首尾方向に走行可能であることがら該
橋形クレーン３を利用しての所期の作業を行なえる。

またこの姿勢は、昇降体８の上昇限を規制し且つ油圧シ
リンダ１１の加圧を続けることにより維持されるが、例
えばガイド９彦ど船体側の部材と昇降体８との間にロッ
ク装置を設けてもよい。

第３図に示すように橋形クレーン３が昇降レール部４Ａ
上にある状態で油圧シリンダ１１を収縮させ、昇降体８
を介して昇降レール部４Ａを下降させる。

これにより第２図に示すように、脚部５の下部が昇降路
１０内に設し、以って橋形クレーン３は上甲板２からの
高さＬを低くし得る。

船舶１の航行時には第２図に示すように橋形クレーン３
を降下させた安定姿勢を取るが、このとき昇降路１０内
への雨などの侵入防止構造や、侵入した雨などの排水構
造などが考慮される。

また上記実施例では一部を昇降レール部４Ａとしたがこ
れは全部であってもよい。

以上、実施例で述べた本発明によれば、クレーン走行路
の昇降可能部に橋形クレーンを位置させた状態で該昇降
可能部を下降させることによシ、橋形クレーンの上甲板
からの突出量を任意の高さに設定することができる。

したがって桁下制限のある構造物がその航路上に架設さ
れていても、この下を通過し得るために航路範囲を拡大
でき、また長期に亘って航行する場合にも上甲板上に低
くし得ることから安定し、安全上極めて好ましい。

なお昇降空間をサイドタンク部に形成することにより載
荷量の減少は招かない。

さらに橋形クレーンは分解などしないことからその強度
は維持される。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は走行路を上昇
させた状態での船体断面図、第２図は走行路を下降させ
た状態での船体断面図、第３図は平面図である。 １・・・船舶、２・・・上甲板、３・・・橋形クレーン
、４・・・走行レール、４Ａ・・・昇降レール部、５・
・・脚部、６・・・ガーダ部、７・・・トロリ、８・・
・昇降体、９・・・ガイド、１０・・・昇降路、１１・
・・油圧シリンダ（昇降駆動装置）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 橋形クレーンを船上に設置した船舶においてクレー
   ン走行路の一部または全部を上甲板上と船体内部とに亘
   って昇降可能に構成すると共に昇降駆動装置を設けたこ
   とを特徴とする昇降式クレーン走行路をもつ船。