JP7197118B2 - クレーンを備えた作業台船及びそのクレーン運用方法 - Google Patents

クレーンを備えた作業台船及びそのクレーン運用方法 Download PDF

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Description

本発明は、浅海域での洋上工事、特に着床型の洋上風力発電装置の設置やそのメンテナンス工事に使用するクレーンを備えた作業台船及びそのクレーン運用方法に関する。
浅海域における洋上風力発電装置の設置やメンテナンスには、従来では、一般的には、先端にシーブ(滑車)が付いたラチスブームを備えたジブクレーンなどのクレーンを搭載した作業用台船等が用いられている。そして、作業時のクレーン作業の安定性を確保するために、クレーン作業時に船体を昇降脚(レグ、スパッド)で持ち上げる甲板昇降式脚柱システムを備えたジャッキアップ式の作業台船にクレーンを搭載することが行われている。
例えば、複数本のジャッキアップ脚を備えたジャッキアップ式作業台船において、甲板上に走行レールを設けて、ブームを旋回可能に設けた移動作業台車を走行自在に設けた甲板昇降式作業台船(例えば、特許文献1参照)や、ジャッキアップレグと大小の第1クレーンと第2クレーンを設けた特殊作業船(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
また、セミサブマージブルな船体に甲板昇降式脚柱システムを備えると共に、船体の両舷側の側壁部の上のレールシステムに沿って移動可能な門型クレーンやガントリークレーンを備えて、この門型クレーンで海洋構造物を側壁の後方突起部の間から下ろす作業の間は、甲板昇降式脚柱を海底に下して船体を固定した状態とする、海洋構造物の運搬および設置用船舶が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、複数本のジャッキアップ脚を備えたジャッキアップ船にジブクレーン等の船上クレーンを搭載すると共に、デッキ上のスペースを有効利用しているために、船上クレーンの旋回中心部に、昇降するジャッキアップ脚のうちの少なくとも一本を貫通させて配置している洋上風車設置用船舶も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
更に、海底に固定される上下動可能なレグ(脚部)によって洋上に支持されるジャッキアップ式洋上構造物において、このレグを通すガイドタワー(筒状のサポート構造)の上にクレーンを回転可能に設置し、ガイドタワーをクレーンのサポート構造として利用する技術が示されている(例えば、特許文献5参照)。
一方、陸上の山間部等では、輸送や設置のためのクレーン装置の容量などにより、風車の大きさに制約が発生するが、それに比較して、洋上の風力発電装置の場合は、この風車の大きさの制約が少ない。また、洋上風力発電装置の場合は、設置工事の占めるコストの割合で、設置台数にほぼ比例するコストが大きいことから、コスト削減のために設置台数を少なくする必要があり、風車1台当たりの大容量化が望まれている。例えば、現状で、最先端のクラスでは、風車1台の発電量は、7MWクラスであるが、数年内に10MWクラスになると予想される。この10MWクラスの風車の吊り高さは200mに達するものと考えられている。
しかしながら、上記の特許文献等で提案されているクレーンでは、その設置高さを調整できず、また、クレーンの吊り高さを変更できない。そのため、風車の大容量化に伴って、必要な吊り高さが高くなると、吊り荷重はそれほど大きくなくても、高い吊り高さを確保するために、必要なブーム長が長くなる。
その結果、作業船の甲板面積や積載重量の制約が大きいにもかかわらず、クレーンの容量を大きくする必要が生じる。例えば、100t以内の吊り荷重に対しても、1000t級以上のジブクレーンが使用されている例がある。この大容量のジブクレーンの設置には大きな設置場所が必要となってくる。
これらのクレーンの大容量化は、クレーンの重量の増加をもたらす。これらのクレーンでは、クレーンの荷重と吊り荷の荷重は、直接、又は、ガイドタワー等を介して、洋上構造物が受ける構成となっているため、クレーンの重量の増加に対応してクレーンの支持構造が大規模になってしまうという問題がある。
一方、クレーンの種類には、設置面積が小さく、吊り能力が高さにほとんど依存しないタワークレーンがある。このタワークレーンは、クライミング式ジブクレーンとも呼ばれ、高層ビルや大型建造物の建設、あるいは、ダムのコンクリト打設等に用いられている(例えば、特許文献6、7参照)。
このタワークレーンは、工事現場において、ベース架台をセットしてその上に複数のマストブロック(クレーンマスト:ポスト)で組み立てられたタワーを立てて、その上に、旋回架構を有するクレーン本体をセットして組み立てられる。このマストブロックは、工事の進行状況に応じて継ぎ足されて、それに伴いクレーン本体がせり上げられて、吊り高さが高くなる。そして、工事終了後には、タワーもクレーン本体も解体されて、他の工事現場に移送され、再度組み立てられて、繰り返し使用される。
特開2011-183835号公報 特開2004-1750号公報 特開2012-76738号公報 特開2013-170493号公報 米国特許第4652177号明細書 特開2009-280367号公報 特開平5-178566号公報
この状況に際して、発明者は次の知見を得た。このタワークレーンを、大容量化で大型化して吊り高さが増しつつある最新型風車の洋上設置で使用できれば、大型の起重機船を使用せずにこの風車を設置することができ、設置時のコストを大幅に削減できる。また、設置時のコストだけでなく、洋上に設置済みの着床型洋上風車のメンテナンスの際にも高価な起重機船を必要としないので、風車のライフタイムでの経済性を大きく向上できる。さらに、港湾で洋上風車を組み立ててから船尾がフォーク形状をした運搬船などで積出する場合でも、この組み立てや積出に使えるクレーンとして、タワークレーンを港湾内で組み立てることで容易に利用することができる。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、浅海域での洋上工事、特に着床型の洋上風力発電装置の設置やそのメンテナンス工事に使用するクレーンを備えた作業台船において、作業対象物の高さに対応してクレーンの吊り高さを容易に変更できるとともに、クレーン作業をせずに航行するときは、クレーンの高さを低くして、エアドラフトを低くすることができ、しかも、クレーンの基部に作用する転倒モーメントが小さくて、クレーンの基部構造の規模が小さくて済み、作業台船の船体の大型化を抑制できる、クレーンを備えた作業台船とそのクレーン運用方法を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明のクレーンを備えた作業台船は、洋上構造物の設置にクレーンを使用するクレーンを備えた作業台船において、前記クレーンとして、複数個のマストブロックを積み上げてタワーを形成し、前記タワーの最上部にクレーン本体を載置して構成され、前記マストブロックの積み上げる個数により前記タワーの高さを調整するタワークレーンを備えており、前記タワークレーンが、前記マストブロックを組み立てて形成される前記タワーの下部に、脚部ブロックを組み立てて形成される脚部を備えて構成されると共に、前記脚部を水中に降下させるタワー昇降システムを備えて構成されていることを特徴とする。
このタワークレーンは、その形状から、タワーに加わる荷重に関しては、転倒モーメントを極力小さくして、鉛直方向の荷重が主体となるように構成されている。そのため、他の種類のクレーンにおける支持構造(基礎構造)よりも強度的に楽になる。その結果、クレーンの支持構造に必要な部材重量やデッキ面積が、他の種類のクレーンを備えた従来技術の作業台船よりも少なくて済む。従って、クレーン搭載のために必要な作業台船のデッキ面積や重量が大きくなるのを抑制でき、作業台船が大型化するのを抑制できる。
また、タワークレーンでは、マストブロックを積み上げてタワーを形成して、その上にクレーン本体を設置する。このタワーは、クレーン作業をするときには、マストブロックの積み上げ個数が増加することにより「クレーン高さ」を容易に高くすることができる。そのため、予め設定された吊り荷重の吊り荷を吊り上げることができる「吊り荷高さ」を高くすることが容易にできる。
また、クレーン作業をしないで航行するときは、マストブロックの積み上げ個数を減少させることにより、「クレーン高さ」を低くすることができるので、水面から船体構造物の一番高い所まで(最先端まで)の高さである「エアドラフト」を低くすることが容易にできる。
また、クレーン作業しないときには、タワーを形成するマストブロックを取り外してその個数を減少させて、タワーの高さを低くするので、取り外したマストブロックを作業台船の上に平面的に分散配置できる。このマストブロックを船体の姿勢(トリム(縦傾斜)、ヒール(横傾斜))の調整の錘として利用できる。そのため、作業台船において、クレーン搭載のために必要な船体の姿勢の調整機構(バラストタンクの容量等)が大きくなるのを抑制でき、作業台船が大型化するのを抑制できる。
上記のクレーンを備えた作業台船において、前記タワークレーンが、前記タワーに順次前記マストブロックを継足しながら、前記クレーン本体を上昇させ、かつ、前記タワーから順次前記マストブロックを取り外しながら、前記クレーン本体を下降させる自己昇降タイプのマストクライミング装置を備えて構成されていると、補助クレーンなどを使用せずに、タワークレーンを所定の高さまで、迅速に組み上げることができるようになる。
上記のクレーンを備えた作業台船において、当該作業台船が、排水量型の作業台船、クレーン作業するときに船体が水面に浮いている状態であるハーフSEP、クレーン作業するときに船体が水面より上にある状態であるフルSEPのいずれか一つの作業台船であると、次のような効果を奏することができる。
作業台船が排水量型の作業台船である場合は、クレーン作業時に係留索等による係留システムや自動船位保持(DPS)システム等により、自船の位置保持をする必要があるが、SEP(自己昇降式作業台船)のようなジャッキアップで昇降する昇降脚(レグ、スパッド)の構成が不要になる。
作業台船が、ハーフSEPである場合は、クレーン作業をするときに、昇降脚の支持力と船体の浮力を併用して、作業台船を上昇させるが、昇降脚のジャッキアップが完了した状態でも船体の全部を水面より上には上昇させずに、船体を水面に浮かせた状態とする。
作業台船がフルSEPである場合は、クレーン作業するときに、作業台船の全体を昇降脚で水面より上の波浪の届かない高さまで上昇させて、水面の波浪の影響や潮流の影響が作業台船の船体に及ばない状態とする。
なお、これらのハーフSEPの作業台船やフルSEPの作業台船では、タワークレーンの作業を停止して航行するときには、昇降脚を水底から離底させて、昇降脚の最下位の部位が水面付近になるまで昇降脚を上昇させて、昇降脚を作業台船のデッキに固定させた状態で航行する。
上記のクレーンを備えた作業台船において、クレーン作業するときに、前記タワーを支持するベース架台が当該作業台船に固定支持されていると、比較的簡単な構造でタワークレーンを固定支持できる。なお、「クレーン作業をするときに」とは、その前後では移動したり、分解及び組立したりしてもよい。例えば、ベース架台を作業台船のデッキ上に敷設されたレールの上を移動可能に設けたような場合でも、クレーン作業をするときに、レール上を移動できないように固定していればよい。
上記のクレーンを備えた作業台船において、前記タワークレーンが、前記マストブロックを組み立てて形成される前記タワーの下部に、脚部ブロックを組み立てて形成される脚部を備えて構成されると共に、前記脚部を水中に降下させるタワー昇降システムを備えて構成されていると、次の効果を奏することができる。
この構成によれば、クレーン作業するときには、タワー昇降システムにより、脚部を水底に着底させて、タワークレーンの荷重と吊り荷の荷重の一部または全部を、マストブロックと脚部を介して水底に伝えて、水底に支持させることができる。従って、作業台船の船体側ではタワークレーンの荷重と吊り荷の荷重の一部を負担するかまたは全く負担しなくてもよいので、タワークレーンを支持する支持構造が強度的に楽になる。
つまり、タワークレーンを風車の洋上設置に使用することで、このタワークレーン以外のクレーンを使用する際には、作業台船のデッキにおけるタワークレーンの支持構造として強固な船体構造が必要であり、クレーン荷重を分散させるための構造を設けるために、結局、大きな甲板面積を占有してしまうという問題を解決できる。
上記のクレーンを備えた作業台船において、クレーン作業するときに、当該作業台船の船体に対して前記タワークレーンの相対変位を許容した状態で支持する支持構造を備えて構成されていると、タワークレーンの荷重とタワークレーンに加わる荷重の殆んど全部を水底に負担させることができ、作業台船で受ける荷重を著しく減少できると共に、作業台船(プラットフォーム)側の動きがタワークレーンに伝搬されてクレーン作業に影響が出るという干渉の問題を解決できる。
つまり、クレーンが作業台船に固定されて、タワークレーンの荷重と吊り荷の荷重の一部または全部を作業台船側で負担している場合では、クレーンの吊り荷の荷重の変化とブーム位置の変化等により、クレーンを固定している作業台船の船体姿勢(トリム、ヒール)が変化する。そのため、クレーン作業の進捗に応じて、バラスト操作とジャッキアップ操作による喫水調整を計画的あるいは定期的に行う必要がある。この喫水調整による船体姿勢の変化や喫水の変化がタワークレーンのクレーン作業に影響を及ぼすため、クレーン作業の中断が生じたりして、クレーンの作業効率が著しく低下するという問題がある
この干渉の問題は、ハーフSEP型(セミSEP形)の作業台船では、クレーン作業中においては、潮の干満差や吊り荷の重量等により浮力が変化したり、波浪や風により作業台船が動揺したりするので、より重要な問題となる。
また、昇降脚のジャックアップにより、船体を完全に水面上に持ち上げた状態にして、クレーン作業するフルSEP型の作業台船では、風の影響等によって発生する船体の動揺や船上機器の作動による振動等が、タワークレーンに伝搬して増幅することで、クレーン作業の作業効率が低下するという問題がある。このフルSEP型の作業台船は、一般的に、ハーフSEPよりも厳しい海象・気象条件下で作業することが多いので、この問題の解決は重要である。
この干渉の問題に関して、クレーン作業をするときに、タワークレーンと作業台船との間の構造的な結合を外したり、柔軟な連結に変更したりすることで、これらの作業台船側の動きが、タワークレーン側に伝達されるのを抑制できる。その結果、クレーン作業時特に吊り作業時における、クレーン作業の作業効率と安全性を向上させることができる。
なお、クレーン作業をしないで航行するときには、昇降脚と同様に、タワークレーンの脚部を水底から離底させて、脚部の最下位の部位が水面付近になるまで脚部を分解又は上昇させる。その後、タワークレーンのタワー又は脚部のどちらか一方又は両方を作業台船のデッキに固定することで、タワークレーンを作業台船に固定した状態で航行する。
なお、脚部を着底させるタワークレーンを備えた作業台船において、クレーン作業するときにおいても、タワークレーンの相対運動を許さずに船体に堅固に固定可能に構成した場合は、タワークレーンの脚部を昇降脚の代用とすることができるので、その分、昇降脚の1本を省略でき、デッキ面積を節減し、昇降脚の1本分のコストを削減できる。また、現場海域での船体の昇降のための作業時間とタワークレーンの脚部の下降のための作業時間を削減することができる。しかし、この構成では、タワークレーンを船体に固定するための堅固な支持構造が必要となる。
また、脚部を着底させるタワークレーンを備えた作業台船において、クレーン作業するときにおいて、相対運動可能な柔軟な支持と、相対運動をさせない堅固な支持とを選択できる構成とすることにより、昇降脚だけの支持では作業台船を安全に支持できないような水底の状態に対して、脚部の支持で補強することができるようになるので、より広範な水底の状態で、クレーン作業することができるようになる。
上記のクレーンを備えた作業台船において、前記マストブロックの横断面の外形形状と前記脚部ブロックの横断面の外形形状が、同じ形状であると、水中部と空中部の部材を共用とすることができ、クレーンの運用を簡略化できる。また、作業水域の水深が変化しても、マストブロックと脚部ブロックを置き換える必要が無くなる。
上記のクレーンを備えた作業台船において、前記マストブロックの横断面の外形形状と前記昇降脚の横断面の外形形状が、同じ形状であると、マストブロックとの昇降脚の部材を共用することができ、作業台船の運用を簡略化できる。また、必要に応じてタワークレーンを設置する場所を、昇降脚の場所と交換して、タワークレーンを船首側に設置したり船尾側に設置したりするなどすることで、容易に、タワークレーンの位置を変更することができる。
上記のクレーンを備えた作業台船において、当該作業台船が、当該作業台船の船体から降下させて着底させることで前記船体を持ち上げる昇降脚と前記昇降脚を昇降する昇降脚昇降システムを備えたハーフSEPまたはフルSEPであり、かつ、前記タワークレーンの脚部を水中に降下させる前記タワー昇降システムを、前記昇降脚昇降システムと互換性があるように構成にしていると、次のような効果を奏することができる。
この構成によると、タワークレーンの設置場所を、昇降脚の設置場所と交換することが容易にできるようになるので、必要に応じてタワークレーンの設置場所を変更して、船首に移動したり、船尾に移動したりして設置したりすることが容易にできるようになる。また、タワークレーンの脚部と昇降脚の両方の昇降システムを共通のジャッキシステムとすることにより、装備時のみならず、部品調達や保守点検等における運用を簡略化することができる。
上記のクレーンを備えた作業台船において、当該作業台船が、当該作業台船の船体から降下させて着底させることで前記船体を持ち上げる昇降脚と前記昇降脚を昇降する昇降脚昇降システムを備えたハーフSEPまたはフルSEPであり、かつ、クレーン作業時において、前記タワークレーンが前記昇降脚の一つの上に載置されると、次のような効果を奏することができる。
この構成によれば、作業台船の船体側では、タワークレーンを載置する昇降脚を補強し、その昇降脚の昇降脚昇降システムの強度を増強することで、新たに、タワークレーン用のタワー昇降システムを設けずに、タワークレーンの荷重と吊り荷の荷重の一部または全部を、昇降脚を介して水底に伝えて、水底に支持させることができる。その上、タワークレーンを昇降脚の部位に配設するので、タワークレーン設置のためのデッキスペースを節減でき、作業台船の大型化を抑制できる。
また、昇降脚とは別個に設けるタワー昇降システムを備えたタワークレーンを備えた作業台船に比べて、タワークレーンの脚部を昇降脚と兼用しているので、タワークレーンの脚部ブロックとタワー昇降システムが不要になり、コストの削減とともに、現場海域での作業台船におけるタワークレーンの脚部の着底作業を省くことができ、このための作業時間を削減できる。
そして、上記の目的を達成するためのクレーンを備えた作業台船のクレーン運用方法は、上記のクレーンを備えた作業台船のクレーン運用方法において、クレーン作業するときには、前記タワークレーンでの前記タワーを形成する前記マストブロックの積み上げる個数により吊り高さを調整し、クレーン作業を停止して航行するときには、前記マストブロックの積み上げる個数を前記タワークレーンで作業するときの個数よりも減少して、前記タワーの高さを低くすることを特徴とする方法である。
この運用方法によれば、クレーン作業をするときには、マストブロックの積み上げる個数を増加するだけで、超大型風車の高さに対しても、これに呼応して設置高さ及び吊り荷高さを容易に調整できる。また、航行時には、マストブロックの積み上げる個数を減少するだけで、タワーの高さを容易に低くできるので、航行時の作業台船のエアドラフトを低くできる。
本発明のクレーンを備えた作業台船及びそのクレーン運用方法によれば、浅海域での洋上工事、特に着床型の洋上風力発電装置の設置やそのメンテナンス工事に使用するクレーンを備えた作業台船において、作業対象物の高さに対応してクレーンの吊り高さを容易に変更できるとともに、クレーン作業をせずに航行するときは、クレーンの高さを低くして、エアドラフトを低くすることができ、しかも、クレーンの基部に作用する転倒モーメントが小さくて、クレーンの基部構造の規模が小さくて済み、作業台船の船体の大型化を抑制できる。
本発明に係る第1の実施の形態のクレーンを備えた作業台船(排水量型)の構成を模式的に示す平面図である。 図1のクレーンを備えた作業台船(排水量型)の構成を模式的に示す側面図で、デッキ設置式のタワークレーンを低くして、航行する場合の構成を示す図である。 図1のクレーンを備えた作業台船(排水量型)の構成を模式的に示す側面図で、デッキ設置式のタワークレーンを高くして、クレーン作業をする場合の構成を示す図である。 本発明に係る第2及び第3の実施の形態のクレーンを備えた作業台船(SEP)の構成を模式的に示す平面図である。 図4のクレーンを備えた作業台船(SEP)の構成を模式的に示す側面図で、デッキ設置式のタワークレーンを低くして、航行する場合の構成を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態のクレーンを備えた作業台船(ハーフSEP)の構成を模式的に示す側面図で、デッキ設置式のタワークレーンを高くして、クレーン作業をする場合の構成を示す図である。 本発明に係る第3の実施の形態のクレーンを備えた作業台船(フルSEP)の構成を模式的に示す側面図で、デッキ設置式のタワークレーンを高くして、クレーン作業をする場合の構成を示す図である。 本発明に係る第4の実施の形態のクレーンを備えた作業台船(排水量型)の構成を模式的に示す平面図である。 図8のクレーンを備えた作業台船(排水量型)の構成を模式的に示す側面図で、着底式のタワークレーンを低くして、航行する場合の構成を示す図である。 図8のクレーンを備えた作業台船(排水量型)の構成を模式的に示す側面図で、着底式のタワークレーンの脚部を着底させてタワーを高くして、クレーン作業をする場合の構成を示す図である。 本発明に係る第5及び第6の実施の形態のクレーンを備えた作業台船(SEP)の構成を模式的に示す平面図である。 図11のクレーンを備えた作業台船(SEP)の構成を模式的に示す側面図で、着底式のタワークレーンの脚部を引き上げると共にタワーを低くして、航行する場合の構成を示す図である。 本発明に係る第5の実施の形態のクレーンを備えた作業台船(ハーフSEP)の構成を模式的に示す側面図で、着底式のタワークレーンの脚部を着底させてタワーを高くして、クレーン作業をする場合の構成を示す図である。 本発明に係る第6の実施の形態のクレーンを備えた作業台船(フルSEP)の構成を模式的に示す側面図で、着底式のタワークレーンの脚部を着底させてタワーを高くして、クレーン作業をする場合の構成を示す図である。 本発明に係る第7及び第8の実施の形態のクレーンを備えた作業台船(SEP)の構成を模式的に示す平面図である。 図15のクレーンを備えた作業台船(SEP)の構成を模式的に示す側面図で、着底式のタワークレーンの脚部を引き上げると共にタワーを低くして、航行する場合の構成を示す図である。 本発明に係る第7の実施の形態のクレーンを備えた作業台船(ハーフSEP)の構成を模式的に示す側面図で、着底式のタワークレーンの脚部を着底させてタワーを高くして、クレーン作業をする場合の構成を示す図である。 本発明に係る第8の実施の形態のクレーンを備えた作業台船(フルSEP)の構成を模式的に示す側面図で、着底式のタワークレーンの脚部を着底させてタワーを高くして、クレーン作業をする場合の構成を示す図である。 タワークレーンにおけるマストブロックの組み立て個数の減少作業を説明するための図である。 クレーン本体13を作業台船のデッキ上に載置した状態を模式的に示す側面図である。 タワークレーンにおけるマストブロックの組み立て個数の増加作業を説明するための図である。 作業台船(SEP)の昇降脚の底板を例示する図で、(a)は固定式の底板を、(b)は開閉式の底板を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態のクレーンを備えた作業台船及びそのクレーン運用法について、図面を参照しながら説明する。
なお、ここで、クレーン作業の対象物となる「洋上構造物」としては、1基あたりの発電容量が、例えば、7MW~10MW程度で、クレーンの吊り高さが200m程度の、浅海域に設置される洋上風力発電装置(洋上風車)を想定している。しかし、本発明は、このような洋上風力発電装置に限定されず、洋上でクレーン作業が必要な洋上構造物であればその他の物であってもよい。なお、ここでは、クレーン作業の対象となる洋上構造物そのものは、直接本発明に関与しないので、図面とその説明を簡略化するために、洋上構造物はその図示を省略している。
最初に、本発明に係る実施の形態のクレーンを備えた作業台船(以下、作業台船という)に備えるタワークレーンについて説明する。図1~図21に示すように、このタワークレーン10A、10B、10Cは、クライミング式ジブクレーンとも呼ばれ、陸上の分野では、高層ビルや大型建造物の建設、あるいは、ダムのコンクリト打設等に用いられている周知技術のクレーンである。このタワークレーン10A、10B、10Cを、洋上構造物の設置等で使用するために作業台船1A~1Hに備える。
このタワークレーンには、吊り荷の水平移動方法に関連して、水平に固定されたブームに乗ったトロリーを水平移動させるフラットトップ型、この水平に固定されたブームを上方からワイヤーで支えるハンマーヘッド型、起伏式のジブを持つラッフィング型などがある。ラッフィング型では、現場で組み上げるタワーの高さがより低くて済み、また吊り作業の周囲に必要なスペースが少なくて済む利点がある。以下の説明では、ラッフィング型のタワークレーンを用いている。
この実施の形態の作業台船1A~1Iで使用されるタワークレーン10A、10B、10Cは、基本的に、既に陸上の建築や土木などの分野で使用されている周知技術のタワークレーンと同じである。このタワークレーン10A、10B、10Cでは、その形状や用途から、タワーに加わる荷重に関しては、タワー12に作用する転倒モーメントを極力小さくして、鉛直方向の荷重が主となるように構成されている。つまり、図3に示すように、このタワークレーン10A、10B、10Cでは、吊り荷重量Wとタワー12と吊り荷との水平距離Lhに依存する転倒モーメント(W×Lh)を、反対側の構成13c、13dでバランスさせるように、クレーン本体13が構成されている。
次に、このタワークレーン10A、10B、10Cの構造について説明する。このタワークレーン10A、10B、10Cは、ベース架台11(タワークレーン10Bでは無い)と、タワー12と、クレーン本体13とを有して構成されている。このタワークレーン10A、10B、10Cでは、複数個のマストブロック12aを積み上げてタワー12を形成し、タワー12の最上部にクレーン本体13を載置して構成され、マストブロック12aの積み上げる個数によりタワー12の高さを調整する構成となっている。このマストブロック12aは、タワー12の高さに直接関係する「吊り高さHh」をその積み立ての個数で調整するための組み立て用のタワー12の構成要素である。
このタワークレーン10A、10B、10Cは、タワー12に順次マストブロック12aを継足しながら、クレーン本体13を上昇させ、かつ、タワー12から順次マストブロック12aを取り外しながら、クレーン本体13を下降させるマストクライミング装置14を備えていることが好ましい。
つまり、このタワークレーン10A、10B、10Cには、クレーン本体13の昇降時に補助クレーンによる補助を受けてクレーン本体13を昇降させるタイプのタワークレーンを用いてもよいが、クレーン本体13の昇降時に補助クレーンによる補助を必要とせずに、マストクライミング装置14を用いてクレーン本体13を昇降させる自己昇降タイプのタワークレーンを用いることがより好ましい。
これにより、補助クレーンを使用することなく、備えた装置と機構だけでクレーン本体13を昇降できるので、昇降用の補助クレーンが不要になり、その分の重量とデッキスペースを節約できることになる。また、タワー12を所定の高さまで、迅速に組み上げることができる。
なお、自己昇降タイプのタワークレーンであっても、マストブロック12aの組み入れに補助クレーンを使用してもよいが、この補助クレーンは、クレーン本体13を昇降させるための補助クレーンに比べて小さい容量のクレーンで済む。
そして、このタワークレーン10A、10B、10Cは、作業水域(施工現場)において、ベース架台11の上に、複数個のマストブロック(クレーンマスト:ポスト)12aを積み立ててタワー12を構成し、このタワー12の上に、クレーン本体13を載置する。このクレーン本体13では、ブーム(ジブ:クレーンの腕)13bを取り付け、ブーム13bの起伏用、吊り荷の巻き上げ下げ用のワイヤー13eを通して、組み立てられる。その後、マストクライミング装置14を用いて、マストブロック12aを継ぎ足しながら、クレーン本体13をせり上げて高くするクライミングを繰り返すことで、所望の高さの吊り高さHhを得ている。
なお、これらのタワークレーン10A、10B、10Cのクレーン本体13は、旋回機構13aと、ブーム13b、フロントストラット13c、リアストラット13d、ワイヤー13eとを有する吊り機構と、運転室13fを備えている。このクレーン本体13では、吊り荷の荷重Wによってタワー12に発生する転倒モーメントが極力少なくなるように反対側のフロントストラット13c、リアストラット13dによりバランスを取る構成となっている。これらのブーム13b、フロントストラット13c、リアストラット13dは、軽量化のため、トラス構造、その中でも、接合部をピン構造にして部材を井桁形状に連続的に組んだ菱格子構造であるラティス(ラチス)構造で構成されることが好ましい。
マストクライミング装置14は、補助クレーンを用いないで、マストブロック12aを組み入れながらクレーン本体13をせり上げるための装置である。このマストクライミング装置14を用いたクライミングの方法には、油圧シリンダの伸縮を用いるものと、昇降ワイヤロープの緊張を用いるもの等がある。
このマストクライミング装置14は、例えば、上部カンヌキを有する上部昇降フレーム、下部カンヌキを有する下部昇降フレーム、及び、昇降シリンダで構成され、上下のカンヌキでクレーン本体13の全質量を交互に支えている。なお、クライミング方式には油圧シリンダ、電動シリンダ、電動チェーンブロック、ワイヤロープ(巻上装置と併用)などを用いたものがあり、このうち油圧シリンダ方式が大型クレーンでは主流である。
油圧シリンダの伸縮運動によって、クレーン本体13がタワー12を昇降することが可能となる。昇降シリンダには上部と下部に「カンヌキ(閂)」(両方の部材の孔に跨って通して係合する棒状の部材:関木(かんぎ)、貫木(かんのき))が設置されている。
先ず、下部の「カンヌキ」をセットし、油圧シリンダを伸ばして、クレーン本体13ごと持ち上げていき、規定の高さで上部の「カンヌキ」をセットする。上部の「カンヌキ」でクレーン本体13を支えたら、下部の「カンヌキ」をたたみ、伸びたシリンダを縮めていく。油圧シリンダが縮みきったら、また、下部の「カンヌキ」をセットし、上部の「カンヌキ」をたたんで、油圧シリンダを伸ばしていく。このようにして「カンヌキ」で交互にクレーン本体13を支え、油圧シリンダの伸縮を繰り返すことで、クレーン本体13を昇降させる。
このタワークレーン10Aの大きさとしては、既に、実績があるものとして、例えば、5MW以上の超大型風車の港湾での組み上げや作業水域でのメンテナンス(組み上げも可能)に対応できるクレーンとして、吊り荷重で75~125tで、ブーム長さが70m、最大自立高さが190m程度、最大フック高さ(吊り荷高さに関係する高さ)が170m程度、自重が580t程度となる。なお、比較のために、同等の能力のジブクレーンでは、1200tクラスが必要となり、その自重は3倍(1740t)以上となる
また、この例示するタワークレーン10Aのタワー12部分を構成するマストブロック12aについては、その断面の外形形状の大きさは「3.5m×3.5m」程度で、高さは「7.8m」程度となる。これらのマストブロック12aは、互いにボルトで締結される。そして、最大フック高は、タワー12が洋上風車などからのタイイン(タイバックとも呼ばれる途中高さでのサポート)なしに自立した状態で170mになる。また、タワークレーン10Aの設置に必要なデッキ面積は、タワークレーン10Aの荷重と吊り荷の荷重Wをデッキ3で受ける構造の場合には、「16m×18m」となる。
次に、本発明に係る第1の実施の形態のクレーンを備える作業台船(以下、作業台船)について説明する。図1~図3に示すように、この作業台船1Aは、排水量型の作業台船に、デッキ載置式のタワークレーン10Aを備えて構成される。この作業台船1Aは、船体2の下部分が水面下に沈むことで浮力を得る排水量型の作業台船であり、航行時もクレーン作業時も、船体の水面下の浮力により、船体の上下位置を維持する。
このデッキ載置式のタワークレーン10Aでは、作業台船1Aのデッキ3に堅固に固定されているベース架台11が設けられている。このベース架台11は、鉛直方向にマストブロック12aが積み上げられ形成されたタワー12を支持しており、タワークレーン10Aの荷重と吊り荷の荷重を負担する。
図1の構成では、作業台船1Aでは、船体2のデッキ(甲板)3において、船尾側に突出する1対の突起部4で形成される一対の腕状構造物が設けられ、フォーク状(U字形状)の作業機構を設けると共に、船首側に船橋や居住区としての上部構造物5が配設され、デッキ3の船体前後方向で中央より後側の部位にタワークレーン10Aが配設されている。なお、必要に応じて、自航用のプロペラと舵等の推進システムを搭載するが、これらの推進システムに関しては図示を省略している。
図2に示す作業台船1Aの航行時においては、タワークレーン10Aでは、マストブロック12aの数を減少して、タワークレーン10Aの高さを、マストクライミング装置14を装備でき、かつ、クレーン本体13をタワー12の上に載置できる最低限の高さとする。
なお、通常は、クレーン本体13の組み合立て作業を省くために、図2に示すような、タワークレーン10Aを組み立てた状態で、タワー12を低くして航行するが、必要に応じて、クレーン本体13をタワー12から外して、タワークレーン10Aを分解してデッキ3の上に載置して、全体の高さをより低くした状態にして航行してもよい。
そして、図3に示すように、作業水域に着いて、クレーン作業するときには、作業台船1Aを錨と錨索6aや係留索6bなどで係留する。この場合、この係留索6b等の長さや張力をウインチで調整しながら船位(作業台船1Aの位置)を保持する係留システム等により、船位を作業地点に保持する。また、サイドスラスターやアジマススラスター等を使用した自動船位保持システム(DPS)を装備して船位を作業地点に保持してもよい。
この排水量型の作業台船1Aでは、後で説明するSEP(自己昇降式作業台船)のようなジャッキアップで昇降する昇降脚(レグ、スパッド)の構成が不要になる。この排水量型の作業台船1Aは、比較的、風や波浪や潮流が小さく、作業台船が受ける外乱が少ない作業海域でクレーン作業する場合に適している。
そして、クレーン作業の開始前に、マストクライミング装置14を用いて、マストブロック12aを組み入れながらクレーン本体13を繰り返しせり上げてタワー12を高くして、所望の「吊り高さHh」を得る。このとき、図3に示すように、エアドラフトHe2は、図2に示す航行時のエアドラフトHe1より著しく高くなる。
また、クレーン作業をしているときは、作業台船1Aでは、バラスト水の注排水や係留システム等により、タワークレーン10Aの吊り荷の荷重やブーム長さの変化に対応して船体2の姿勢維持を行う。そのため、タワークレーン10Aの設置場所は、船体左右方向においては船体中央に近い方がよい。また、船体前後方向に関しては、設置対象物の洋上構造物(図示しない)の搬送時の搭載位置や船体2の前後の重量分布やバラストタンクの配置などを考慮しては、タワークレーン10Aの設置場所が設定される。
次に、本発明に係る第2及び第3の実施の形態のクレーンを備える作業台船(以下、作業台船)について説明する。この第2の実施の形態の作業台船1Bは、図4~図6に示すように、ハーフSEP型の作業台船に、デッキ載置式のタワークレーン10Aを備えて構成される。また、第3の実施の形態の作業台船1Cは、図4、5及び図7に示すように、フルSEP型の作業台船に、デッキ載置式のタワークレーン10Aを備えて構成される。この作業台船1B、1Cにおいて、第1の実施の形態の作業台船1Aと同様に、デッキ設置式のタワークレーン10Aをデッキ3の上に設置する。
このハーフSEP型の作業台船1BとフルSEP型の作業台船1Cは、SEP(Self Elevating Platform:自己昇降式作業台船)、ジャッキアップ船等と呼ばれる作業台船の一種であるが、プラットフォームと呼ばれる作業台船1B、1Cの周囲に配置した数本(この実施の形態では4隅に配置した4本)の昇降脚(レグ、スパッド)20と、この昇降脚20を降下させて、その先端(底部)を水底(海底)Bに着底させて、船体2を持ち上げる昇降脚昇降システム(ジャッキアップシステム)21を備えている。
これらの作業台船1B、1Cでは、船尾のそばに一対の固定型の船尾側の昇降脚(スパッド)20、前方に、キック式の船首側の昇降脚20を装備する。この固定型の昇降脚は、昇降脚の台船下部への突き出し量を固定したときに昇降脚と台船の相対揺動や水平方向の自由度も拘束されるものであり、キック式の昇降脚は昇降脚の台船下部への突き出し量が水平のピンによる支持により固定された状態でそのピンを軸にした相対揺動が許され、昇降脚のピンより上の部分が油圧シリンダ等により台船に対し相対的に水平方向に押し引きされることで昇降脚が振り子のように傾斜し、海底上を昇降脚で歩行するように台船を移動できるものや、昇降脚の相対揺動は許容されず鉛直のままだが同様に油圧シリンダにより台船に対して水平方向にスライドすることで台船を移動することのできるものである。
この昇降脚20の最下部には、海底地質等を考慮して必要に応じて使用する底板を装備している。この底板は、昇降脚20に加わる力を受持つ構造をしており、作業台船としては、図22に示すように、固定式の底板22a以外に、開閉式の底板22bがある。この開閉式の底板22bは、広く開いて、緩い砂や粘性土等の軟弱な地盤に対応したり、底板22bを跳ね上げて底板22bによる支持を無効にし、鋭利に形成されたタワー先端22cを固い地盤に刺したりすることができるように構成されている。
さらに、作業台船1B、1Cに、自動船位保持システムを装備すると洋上風力発電に限らず様々なプロジェクトで使えるようになるのでより好ましい。
そして、図5に示すように、作業台船1B、1Cは、タワークレーンの作業を停止して航行するときには、昇降脚20を水底Bから離底させて、昇降脚の最下位の部位が船底程度の高さになるまで引き上げて、降脚を作業台船のデッキに固定させた状態で航行する。この航行時状態では、排水量型の作業台船1Aの航行状態と同様、船体2の下部分が水面下に沈むことで浮力を得ている。
一方、クレーン作業をするときは、図6及び図7に示すように、昇降脚(レグ、スパッド)20を降下させて、水底Bに着底させて、さらにこれらの昇降脚20を伸ばすことで、作業台船1B、1Cは昇降脚20によって固定支持された状態となる。この状態で、船体2が水面Sに浮いている場合は、ハーフSEPといい、この状態で、船体2の全体が水面Sより上に持ち上げられている場合は、フルSEPという。
そして、ハーフSEP型の作業台船1Bでは、図6に示すように、この船体2の持ち上げ時に、船体2の一部が水面Sの下にある状態にする。この状態で、船体2の重量の一部をこの昇降脚20で支持することで、船体2の位置及び姿勢を保持する。この状態では、船体2の重量の一部を船体2の浮力により負担しているが、船体2の一部を昇降脚20で水面Sよりも上に持ち上げたり、バラスト水の注入量の増減などにより船体2の重量を増減したりすることにより、昇降脚20に加わる荷重を増減している。
このハーフSEPでは、昇降脚の一部に沈降が生じた際に、船体が水上に浮いているため、波浪による船体運動も発生し易いが、船体の浮力で荷重の変化に対応できるので、船体やタワーが大きく傾斜することを回避できる。そのため、このハーフSEPの作業台船は、中程度の波浪海域での稼働に適している。なお、このハーフSEPでは、昇降脚20及び昇降脚昇降システム21は、フルSEPのような自重と載貨重量を持ち上げられるような大容量の物ではなく、浚渫台船に使われるような、部分的に浮力を補い船体2を安定して支持できる程度のものでよい。
一方、フルSEP型の作業台船1Bでは、図7に示すように、この船体2の持ち上げるときに、船体2の全部が水面Sより上にある状態にする。この状態で、船体2の重量の全体をこの昇降脚20で支持することで、船体2の位置及び姿勢を保持する。この状態では、昇降脚昇降システム21により、昇降脚20の下降量を調整することにより、昇降脚20に加わる荷重と船体2の姿勢を調整している。このフルSEPでは、この状態にすることにより、高波浪海域での稼動を可能として、作業効率および施工精度を高めることができる。
そして、これらの第1~第3の実施の形態の作業台船1A、1B、1Cによれば、デッキ設置式のタワークレーン10Aをデッキ3に固定支持しているので、次のような効果を発揮することができる。なお、タワークレーン10Aの作業台船1A、1B、1Cへの固定に関しては、クレーン作業をするときの前後においては、タワークレーン10Aはデッキ3の上移動したり、分解及び組立したりしてもよい。例えば、ベース架台11を作業台船1A、1B、1Cのデッキ3の上に敷設されたレールの上を移動可能に設けたような場合でも、クレーン作業をするときに、レールの上を移動できないように固定していればよい。
これらの作業台船1A、1B、1Cによれば、タワークレーン10Aのタワー12を支持又は固定するベース架台11の構造は、主に、この鉛直方向の荷重を受けることになるので、他の転倒モーメントが大きいクレーンの支持構造(基礎構造)よりも構造的に楽になる。つまり、タワー12、及びベース架台11に作用する転倒モーメントが小さく、殆んどの荷重が垂直荷重となるため、基部となるベース架台11に必要な構造強度が他の種類のクレーンに比べて小さくなる。その結果、比較的簡単な構造でタワークレーン10Aを固定支持できるようになるので、タワークレーン10Aの支持構造に必要な部材重量やデッキ面積が、従来技術の他の種類のクレーンを備えた作業台船よりも少なくて済むことになる。従って、作業台船が大型化するのを抑制できる。
タワークレーン10Aは、その構造上、吊り能力が高さにほとんど依存せず超大型風車の高さに対応して設置高さHe1、He2と「吊り荷高さHh」を容易に調整できる。そのため、クレーン作業をするときには、マストブロック12aの積み上げ個数を増加することにより「クレーン高さ」を容易に高くすることができる。従って、予め設定された吊り荷重の吊り荷を吊り上げることができる「吊り荷高さ」(フックの最高の位置の高さである最大フック高さに関係する高さ)を高くすることが容易にできる。
一方、航行時においては、マストブロック12aの積み上げ個数を減少することにより、エアドラフトHe1を低くでき、高さ制限のある橋の下を航行できるようになる。なお、作業台船1A、1B、1C全体としてのエアドラフトは、洋上構造物を作業台船1A、1B、1Cに搭載して航行する場合は、この洋上構造物の高さにも関係するので、いつもタワー12を最低高さにする必要があるとは限らない。
また、作業台船1A、1B、1Cの復原性能に関しては、タワークレーン10Aの高さが低くなることにより、作業台船1A、1B、1Cの重心が低くなるので、良好な復原性能を容易に確保することができる。また、分解して取り外したマストブロック12aをデッキ3の上に分散配置することにより、作業台船1A、1B、1Cの船体2の航行時の姿勢(トリム、ヒール)を維持するための補助バラストとして利用することができる。これにより、復原性能を確保するために必要なバラストタンクの容量を減少でき、作業台船1A、1B、1Cが大型化するのを抑制できる。
そして、さらに、タワークレーン10Aを自己昇降式の構成とすることにより、補助クレーンなどを使用せず迅速に組み上げることができるので、タワークレーン10の組み立て作業の効率を向上できる。
次に、着底式のタワークレーン10Bを搭載する第4~第6の実施の形態の作業台船1D、1E、1Fについて説明する。第4の実施の形態の作業台船1Dは、図8~図10に示すように、第1の実施の形態の作業台船1Aと同じ排水量型の作業台船である。また、第5の実施の形態の作業台船1Eは、図12~図14に示すように、第2の実施の形態の作業台船1Bと同じハーフSEP型の作業台船である。そして、第6の実施の形態の作業台船1Fは、図12、図13、図15に示すように、第3の実施の形態の作業台船1CとフルSEP型の作業台船である。
これらの作業台船1D、1E、1Fにおいては、タワークレーン10Bが、マストブロック12aを組み立てて形成されるタワー12の下部に、脚部ブロック15aを組み立てて形成される脚部15を備えて構成されると共に、脚部15を水中に降下させるタワー昇降システム16を備えて構成されている。また、タワークレーン10Bの脚部15を降下させるタワー昇降システム16と昇降脚20を昇降する昇降脚昇降システムは別システムとする。そして、SEPの作業台船1E、1Fでは、タワークレーン10Bの脚部15に依存することなく、昇降脚20だけで船体2を安定して支持できる構成とする。
この着底型のタワークレーン10Bでは、クレーン作業をするときに、船体2より上側になる部分をマストブロック12aの組み立てで形成されるタワー12で構成し、船体2より下側になる部分を脚部ブロック15aの組み立てで形成される脚部15で構成する。また、このタワー12に連続して設けられる脚部15を、デッキ3若しくは船体2に設けた貫通孔又はデッキ3若しくは船体2の側部に設けた切欠き部や凹部を貫通させて、タワー昇降システム16によって降下させて水底Bに着底させる。この脚部15の着底により、タワークレーン10Bの荷重と吊りに荷重を水底Bで受ける構造とする。
この構成において、マストブロック12aの横断面の外形形状と脚部ブロック15aの横断面の外形形状を同じ形状とすること、つまり、デッキ3より下の水中に入る脚部ブロック15aは、デッキ3より上に配置されるマストブロック12aと同じ外寸で形成されることが好ましい。さらに、この脚部15の脚部ブロック15aとタワー12のマストブロック12aを共通使用可能とすることで、タワー12と脚部15が一続きで区別がなくなり、タワー12と脚部15の間のベース架台11が無い状態となる。この場合に、例示している吊り重量が125tの大きさのタワークレーン10Bでは、マストブロック12a又は脚部ブロック15aを貫通させるためのデッキ3と船体2の開口部の大きさは、例えば、「3.5m×3.5m」となる。
これにより、この水中部分となる部材の脚部ブロック15aと空中部となる部材のマストブロック12aを共用とすることで、運用を簡略化できる。また、クレーン作業水域における水深が多少変化しても、マストブロック12aと脚部ブロック15aをその都度置き換える必要が無くなる。なお、水中に入る脚部ブロック15aは、空中にあるマストブロック12aよりも、強度面でも耐食性の面でもより優れた材料で形成されることが好ましい。
また、SEPの作業台船1E、1Fでは、着底式のタワークレーン10Bの脚部15を、船体2を持ち上げるための昇降脚20とは別に設ける。この構成で、マストブロック12aの横断面の外形形状と昇降脚20の横断面の外形形状を同じ形状にすることがより好ましい。これにより、マストブロック12aとの昇降脚20の部材を共用することで、作業台船1E、1Fの運用を簡略化できる。また、必要に応じて、着底式のタワークレーン10Bを設置する場所を、昇降脚20の場所と交換することで、容易に、タワークレーン10Bを船首側に設置したり船尾側に設置したりすることができ、タワークレーン10Bの位置を容易に変更することができるようになる。
また、タワークレーン10Bの脚部15を水中に降下させるタワー昇降システム16を、昇降脚昇降システム21と互換性があるように構成することが好ましい。これにより、さらに容易に、タワークレーン10Bの設置場所を、昇降脚20の設置場所と交換することができるようになるので、必要に応じてタワークレーン10Bの設置場所を変更して、船首に移動したり、船尾に移動したりして設置したりできるようになる。また、タワークレーン10Bの脚部15と昇降脚20の両方の昇降システム16、21を共通のジャッキアップシステムで構成することにより、タワークレーン10Bと昇降脚20の装備時のみならず、両方の昇降システム16、21の部品調達や保守点検等における運用を簡略化することができる。
また、3本の昇降脚20のみで、作業台船1E、1Fをジャッキアップして、安定して支持できる構成にして、残りの昇降脚20の代わりに、着底式のタワークレーン10Bを設置することも考えられる。この場合は、既存の4本の昇降脚20を持つ作業台船1E、1Fの脚部構造を補強する程度の改造で、着底式のタワークレーン10Bを設置することができるようになる。
さらに、クレーン作業するときに、作業台船1D、1E、1Fの船体2に対してタワークレーン10Bの相対変位を許容した状態で支持する支持構造を備えて構成することが好ましい。つまり、クレーン作業中においては、デッキ3とタワークレーン10Bの間では、弾性部材を介在させた弾性的な支持構造やクランク機構を用いた柔軟な支持構造になるように構成して、デッキ3側の動揺や振動が、タワークレーン10Bのタワー12や脚部15に伝達されないようにすることが好ましい。例えば、クレーン作業を行わないときでは、タワークレーン10Bをクランプ装置(固定装置)17によりデッキ3に堅固に固定するように構成され、クレーン作業をするときには、このクランプ装置17を開放して、柔軟な支持に切り替える。
これらの第4~第6の実施の形態の作業台船1D、1E、1Fによれば、上記の第1~第3の実施の形態の作業台船1A、1B、1Cの効果に加えて、次のような効果を発揮できる。
着底式のタワークレーン10Bでは、クレーン作業するときには、タワー昇降システム16により、脚部15を水底Bに着底させて、タワークレーン10Bの荷重と吊り荷の荷重の一部または全部を、マストブロック12aと脚部ブロック15aを介して水底Bに伝えて、水底Bに支持させることができる。
従って、作業台船1D、1E、1Fの船体2側ではタワークレーン10Bの荷重と吊り荷の荷重の一部を負担するかまたは全く負担しなくてもよいので、タワークレーン10Bを支持する支持構造が強度的に楽になる。その結果、作業台船1D~1Fでの支持荷重を軽減することができ、タワークレーン10Bの支持構造の簡略化できて、支持構造のための鋼材重量の増大やデッキ面積の拡大を抑制でき、作業台船1D、1E、1Fの大型化を抑制できる。
また、排水量型の作業台船1D、ハーフSEPの作業台船1Eにおいては、タワークレーン10Bに作用する吊り荷の荷重やブーム長さの影響により、作業台船1D、1Eの船体2が傾斜することを防止できるので、バラスト調整が不要になり、クレーン作業の作業効率と安全性を向上できる。
そして、クレーン作業するときに、作業台船1D、1E、1Fの船体2に対してタワークレーン10Bの相対変位を許容した状態で支持する支持構造を備えて構成されていると、タワークレーン10Bの荷重とタワークレーン10Bに加わる荷重が作業台船1D、1E、1F側に伝わらなくなるので、荷重の殆んど全部を水底Bに負担させることができ、作業台船1D、1E、1Fで受ける荷重を著しく減少できる。それと共に、作業台船1D、1E、1F側の動揺や振動がタワークレーン10Bに伝搬されてクレーン作業に影響が出るという干渉の問題を解決できる。
つまり、タワークレーン10Bが作業台船1D、1E、1Fに固定されて、タワークレーン10Bの荷重と吊り荷の荷重の一部または全部を作業台船1D、1E、1F側で負担している場合では、タワークレーン10Bの吊り荷の荷重の変化とブーム位置の変化等により、タワークレーン10Bを固定している作業台船1D、1E、1Fの船体姿勢(トリム、ヒール)が変化するので、クレーン作業の進捗に応じて、バラスト操作とジャッキアップ操作による喫水調整を計画的あるいは定期的に行う必要がある。この喫水調整による船体姿勢の変化や喫水の変化がタワークレーン10Bのクレーン作業に影響を及ぼすため、クレーン作業の中断が生じたりして、クレーンの作業効率が著しく低下するという問題がある。
この干渉の問題は、ハーフSEP型(セミSEP形)の作業台船1Eでは、クレーン作業中においては、潮の干満差や吊り荷の重量等により浮力が変化したり、波浪や風により作業台船が動揺したりするので、より重要な問題となる。
また、昇降脚20のジャックアップにより、船体2を完全に水面上に持ち上げた状態にして、作業するフルSEP型の作業台船1Fでは、風の影響等によって発生する船体2の動揺や船上機器の作動による振動等が、タワークレーン10Bに伝搬して増幅することで、クレーン作業の作業効率が低下するという問題がある。このフルSEP型の作業台船1Fは、一般的に、ハーフSEPの作業台船1Eよりも厳しい海象・気象条件下で作業することが多いので、この問題の解決は重要である。
この干渉の問題に関して、クレー作業をするときに、タワークレーン10Bと作業台船1D、1E、1F側との構造的な結合を外したり、柔軟な連結にしたりすることで、これらの作業台船1D、1E、1F側の動きが、タワークレーン10B側に伝達されるのを抑制できる。その結果、クレーン作業時特に吊り作業時における作業効率と安全性を向上させることができる。
また、脚部15を着底させるタワークレーン10Bを備えた作業台船1D、1E、1Fにおいて、クレーン作業するときにおいても、タワークレーン10Bの相対運動を許さずに船体2に堅固に固定したままとする構成とした場合は、タワークレーン10Bを船体2に固定するための堅固な支持構造が必要となるが、タワークレーン10Bの脚部15を昇降脚20の代用とすることができる。従って、その分、昇降脚20の1本を省略でき、デッキ面積を節減し、昇降脚20の1本分のコストを削減できる。また、現場海域での船体2の昇降のための作業時間とタワークレーン10Bの脚部15の下降のための作業時間をこの昇降脚20の減少分、節約することができる。
さらに、脚部15を着底させるタワークレーン10Bを備えた作業台船1D、1E、1Fにおいて、クレーン作業するときに、相対運動可能な柔軟な支持と、相対運動をさせない堅固な支持とを選択できる構成とすることにより、昇降脚20だけの支持では作業台船1D、1E、1Fを安全に支持できないような水底Bの状態に対して、脚部15の支持で補強することができるようになるので、より広範な水底Bの状態で、クレーン作業することができるようになる。
なお、タワークレーン10Bの作業を停止して航行するときには、昇降脚20と同様に、脚部15を水底から離底させて、脚部15の最下位の部位が水面付近になるまで脚部15を上昇させると共に、タワークレーン10Bのタワー12又は脚15部のどちらか一方又は両方を船体2に固定して、タワークレーン10Bを作業台船1D、1E、1Fに固定して航行する。
次に、第7及び第8の実施の形態の作業台船1G、1Hについて説明する。第7の実施の形態の作業台船1Gは、図15~図17に示すように、第2及び第5の実施の形態の作業台船1B、1Eと同じハーフSEP型の作業台船であり、第8の実施の形態の作業台船1Hは、図15、図16、図18に示すように、第3及び第6の実施の形態の作業台船1C、1Fと同じフルSEP型の作業台船である。これらの作業台船1G、1Hは、昇降脚載置式のタワークレーン10Cを搭載して構成される。
この昇降脚載置式のタワークレーン10Cでは、SEPの作業台船1G、1Hを着底して支持する昇降脚20Aの上にベース架台11を設けて、昇降脚20Aの上のベース架台11で、マストブロック12aが鉛直方向に積み上げられ形成されたタワー12を支持して、タワークレーン10Cの荷重と吊り荷の荷重を受けて、この荷重を水底Bに着底した昇降脚20Aに伝達し、最終的に水底Bに負担させる。この場合には、昇降脚載置式のタワークレーン10Cを搭載した昇降脚20Aは、作業台船1G、1Hの船体2も支持しているので、船体2の重量の一部とタワークレーン10Cの荷重と吊り荷の荷重を支持することになる。そのため、他の昇降脚20Bよりは高い強度を持った構造物で構成される。
これらの作業台船1G、1Hでは、昇降脚載置式のタワークレーン10Cは、ベース架台11を昇降脚20Aの上に載置すること以外は、デッキ載置式のタワークレーン10Aと同様に構成されている。
上記の構成の第7及び第8の実施の形態の作業台船1G、1Hによれば、作業台船1G、1Hの船体2側では、タワークレーン10Cを載置する昇降脚20Aを補強し、その昇降脚20Aの昇降脚昇降システム21の強度を増強することで、新たに、タワークレーン10C用のタワー昇降システム16を設けずに、タワークレーン10Cの荷重と吊り荷の荷重の一部または全部を、昇降脚20Aを介して水底Bに伝えて、水底Bに支持させることができる。その上、タワークレーン10Cを昇降脚20Aの部位に配設するので、タワークレーン10Cの設置のためのデッキ面積を節減でき、作業台船1G、1Hの大型化を抑制できる。
また、昇降脚20とは別個に設けるタワー昇降システム16を備えたタワークレーン10Bを備えた作業台船1D、1E、1Fに比べて、タワークレーン10Cの脚部15を昇降脚20Aと兼用しているので、タワークレーン10Cの脚部ブロック15aとタワー昇降システム16が不要になり、コストの削減とともに、現場海域での作業台船1D、1E、1F船におけるタワークレーン10Bの脚部15の着底作業を省くことができ、このための作業時間を作業台船1G、1Hでは、削減できる。
次に、本発明の実施の形態のクレーンを備えた作業台船のクレーン運用方法(以下、「クレーン運用方法」という)について説明する。このクレーン運用方法は、上記のクレーンを備えた作業台船1A~1Iにおけるクレーン運用方法である。
このクレーン運用方法では、洋上構造物を、工場の岸壁又は港湾から作業台船1Aに搭載する場合には、通常は、岸壁又は港湾に設定されたクレーンを使用するが、作業台船1Aに搭載しているタワークレーン10Aを図3に示すように組み立ててこのタワークレーン10Aを使用して、クレーン作業により洋上構造物を作業台船1Aに搭載してもよい。また、作業台船1Aの船尾の突起部4を利用して、この突起部4で形成される凹部D(図1)に洋上構造物を載置してもよい。
次の航行する前、又は、航行中の最初の段階において、図3の状態から、図19に示すように、タワークレーン10Aのマストブロック12aの組み立て個数を減少させてタワー12を低くする。これにより、タワー12を低くした図2の状態にする。例えば、通常航行中は、揺れに対応しまた特に橋下を航行することも考慮し、マストブロック12aを4ブロック程度まで減少させる。これにより、クレーン本体13もそれに合わせて低い位置まで降下する。これにより、クレーンの上端が水面上30m程度にする。
さらにクレーン本体13をタワー12から取り外して、デッキ3の上の載置した図20の状態にしたりする。そして、タワークレーン10Aの高さを低くして、作業台船1Aのエアドラフトを低くすると共に、復原性能を良好なものにして航行する。この場合は、クレーン本体13をタワー12に組み上げるための補助クレーンが必要になる。また、クレーンが不要なプロジェクトの間は、クレーン本体13を外して作業台船1Aから降ろしておくこともできるが、クレーンの付け外しには別のクレーンの補助が必要となる。この場合には、拠点基地のクレーンを使用することもできる。
この航行は、推進システムを備えている場合は自航し、推進システムを備えていない場合は、他船に曳航されて航行する。なお、そのSEPの作業台船1B、1C、1E、1F、1G、1Hでは、航行時には、図5、図9、図12、図16に示すような、昇降脚20、20A、20Bと脚部15を船体2の船底程度の高さまで引き上げた状態にする。なお、航行中、特に橋の下をくぐる場合は、クレーン高さは低く抑えられる。
そして、作業水域に到達したら、排水量型の作業台船1A、1Dでは、図3、図10に示すように、錨索6aと係留索6b等の係留システムや自動船位保持システム(DPSシステム)等により、作業台船1Aを作業位置に保持する。また、ハーフSEPの作業台船1B、1E、1Gでは、図6、図13、図17に示すように、昇降脚昇降システム21により昇降脚20を降下させて、水底Bに着底する。これにより、作業台船1B、1E、1Gが水面Sに浮いた状態で作業位置に保持する。また、フルSEPの作業台船1C、1F、1Hでは、図7、図14、図18に示すように、昇降脚昇降システム21により昇降脚20、20A、20Bを降下させて、水底Bに着底する。これにより、作業台船1C、1F、1Hが水面Sより上に出た状態で作業位置に保持する。これらにより作業台船1A~1Hを安定した状態で位置保持する。
そして、着底式のタワークレーン10Bを搭載している作業台船1D、1E、1Fの場合は、さらに、昇降脚20の昇降作業の前後又は並行して、着底式のタワークレーン10Bの脚部ブロック15aを組み立てて脚部15を形成しながら、タワー昇降システム16により、脚部15を降下させて着底させて、作業台船を安定した状態で位置保持する。
作業台船1A~1Hにおいて、位置保持が完了したら、あるいは、位置保持作業と並行して、タワークレーン10A、1B、10Cの組み立てを行う。作業台船1Aにおいては、図20のように、クレーン本体13が分解されている場合は組み立てて、図2の状態にする。この図2の状態から、図21に示すように、タワークレーン10Aの自己昇降装置でクレーン本体13をジャッキアップし、マストブロック12aの組み入れ個数を増加して、タワー12を高くする。これにより、図3に示すように、作業台船1Aにおいて、デッキ載置型のタワークレーン10Aでクレーン作業ができる状態とする。なお、作業台船1B、1Cにおいても、図6、図7に示すように、デッキ載置型のタワークレーン10Aのクレーン作業ができる状態とする。
また、脚部昇降型のタワークレーン10Bを搭載した作業台船1D、1E、1Fにおいては、位置保持と脚部昇降型のタワークレーン10Bの脚部15の着底が完了する。この前後又は並行して、タワークレーン10Bの自己昇降装置でクレーン本体13をジャッキアップし、マストブロック12aの組み入れ個数を増加して、タワー12を高くする。
そして、クランプ装置17が、クレーン作業時に固定支持を解除できて、タワークレーン10Bを相対変位を許容した状態で作業台船1D、1E、1Fに柔軟な支持ができる構成となっている場合は、このクランプ装置17の固定支持を解除する。一方、クランプ装置17が、固定支持を解除できない構成となっている場合は、そのまま固定状態を維持する。これにより、図10、図13、図14に示すように、脚部昇降型のタワークレーン10Bでクレーン作業ができる状態とする。
また、昇降脚載置型のタワークレーン10Cを搭載した作業台船1G、1Hにおいては、位置保持が完了したら、図19に示すのと同様に、昇降脚20Aの上に載置されたタワークレーン10Cにおいて、マストブロック12aを組み入れてタワー12を高くして、図17、図18に示すように、昇降脚載置型のタワークレーン10Cでクレーン作業ができる状態とする。
そして、作業台船1A~1Hで、クレーン作業ができる状態になったら、必要に応じて、必要な個数だけマストブロック12aを組み入れてタワー12の高さをクレーン作業に適した高さにしながら、クレーン作業を行う。自己昇降型の場合は、クレーン本体13は油圧シリンダにより自己昇降できるようになっており、クレーン本体13に設けられたホイストで追加するマストブロック12aを吊り上げて加えていける仕組みになっている。
例えば、フック高さ170m、吊り荷重125t、吊り上げ速度6m/分のクレーン作業を行うタワークレーンの標準仕様では、最高自立高さに達するまでには、高さ7.8mのストブロック12a一つずつ加えて8個増加する必要があるようになっている。このタワークレーンでは、一つ当たりの組付け時間は1時間程度なので、最高自立高さまでには、8時間程度を要することになっている。そこで、事前にマストブロック12aを2個1組に組み上げて、高さ15.6mにしたマストブロック12aを1時間程度で積み込むように改良することで、これを4回繰り返し行うことで、短時間で、5MW級の風車の作業を行うことができる吊り高さを得ることができるようになる。なお、この標準仕様のマストブロック12aでは、一個あたりのブロック高さは陸上における運搬上の制約を考慮して定められているものであり、洋上では、この運搬上に制約に縛られないので2ブロックまとめて設置することが可能である。
また、このクレーン作業中は、係留システムや船体姿勢を維持するためのバラスト制御や昇降脚20、20A、20Bや脚部15の昇降調整制御を行いながら、かつ、作業台船1A~1Hの船体姿勢を維持しながら、洋上構造物の設置などのクレーン作業を行う。
そして、その作業位置でのクレーン作業が終了したら、必要に応じて、係留システムを解除したり、昇降脚20を上昇させて、作業水域内で別の作業位置に移動し、再度、係留システムをセットしたり、昇降脚20、20A、20B、脚部15を下降及び着底させて、その作業位置で位置保持してクレーン作業を行う。これをその作業水域で繰り返す。そして、この作業水域での一連のクレーン作業が終了して、別の作業水域に移動する際には、作業台船1A~1Hにおいて、航行時の図2、図5、図9、図12、図16の状態にする。
そして、その作業位置でのクレーン作業が終了したら、必要に応じて、係留システムを解除したり、昇降脚20を上昇させて、作業水域内で別の作業位置に移動し、再度、係留システムをセットしたり、昇降脚20、20A、20B、脚部15を下降及び着底させて、その作業位置で位置保持してクレーン作業を行う。これをその作業水域で繰り返す。そして、この作業水域での一連のクレーン作業が終了して、別の作業水域に移動する際には、作業台船1A~1Hにおいて、航行時の図2、図5、図9、図12、図16の状態にする。
上記のクレーン運用方法によれば、クレーン作業するときには、タワークレーン10A~10Cでのタワー12を形成するマストブロック12aの積み上げる個数により吊り高さを調整し、クレーン作業を停止して航行するときには、マストブロック12aの積み上げる個数をタワークレーン10A~10Cで作業するときの個数よりも減少して、タワー12の高さを低くする。
このクレーン運用方法によれば、クレーン作業をするときには、マストブロック12aの積み上げる個数を増加するだけで、超大型風車の高さに対しても、これに呼応して設置高さ及び吊り荷高さを容易に調整できる。また、航行時には、マストブロック12aの積み上げる個数を減少するだけで、タワー12の高さを容易に低くできるので、航行時の作業台船1A~1Hのエアドラフトを低くできる。
従って、作業水域で水深に応じたタワー12の継ぎ足し、風車メンテナンスの必要があった場合の風車に合わせたクレーン高さの調整、タワークレーン10A、10B、10Cが不要で邪魔になるプロジェクトでの一時撤去等が簡単に行えるようになる。
上記の構成のクレーンを備えた作業台船1A~1H及びそのクレーン運用方法によれば、浅海域での洋上工事、特に着床型の洋上風力発電装置の設置やそのメンテナンス工事に使用する場合に、作業対象物の高さに対応してクレーンの吊り高さを容易に変更できるとともに、クレーン作業をせずに航行するときは、クレーンの高さを低くして、エアドラフトを低くすることができ、しかも、クレーンの基部に作用する転倒モーメントが小さくて、クレーンの基部構造の規模が小さくて済み、作業台船1A~1Hの船体の大型化を抑制できる。
1A 作業台船(デッキ載置式タワークレーン搭載の排水量型の作業台船
1B 作業台船(デッキ載置式タワークレーン搭載のハーフSEPの作業台船
1C 作業台船(デッキ載置式タワークレーン搭載のフルSEPの作業台船
1D 作業台船(着底式タワークレーン搭載の排水量型の作業台船
1E 作業台船(着底式タワークレーン搭載のハーフSEPの作業台船
1F 作業台船(着底式タワークレーン搭載のフルSEPの作業台船
1G 作業台船(昇降脚載置式タワークレーン搭載のハーフSEPの作業台船
1H 作業台船(昇降脚載置式タワークレーン搭載のフルSEPの作業台船
2 船体(プラットフォーム)
3 デッキ(甲板)
10 タワークレーン(デッキ載置式)
10B タワークレーン(着底式)
10C タワークレーン(昇降脚載置式)
11 ベース架台
12 タワー
12a マストブロック
13 クレーン本体
13b ブーム(ジブ:クレーンの腕)
14 マストクライミング装置
15 脚部
15a 脚部ブロック
16 タワー昇降システム
17 クランプ装置(固定装置)
20、20A、20B 昇降脚(レグ、スパッド)
21 昇降脚昇降システム
22a 底板(固定式)
22b 底板(開閉式)
22c タワー先端
B 水底
D 凹部
He1 エアドラフト
S 水面

Claims (10)

  1. 洋上構造物の設置にクレーンを使用するクレーンを備えた作業台船において、
    前記クレーンとして、複数個のマストブロックを積み上げてタワーを形成し、前記タワーの最上部にクレーン本体を載置して構成され、前記マストブロックの積み上げる個数により前記タワーの高さを調整するタワークレーンを備えており、
    前記タワークレーンが、前記マストブロックを組み立てて形成される前記タワーの下部に、脚部ブロックを組み立てて形成される脚部を備えて構成されると共に、前記脚部を水中に降下させるタワー昇降システムを備えて構成されていることを特徴とするクレーンを備えた作業台船。
  2. 前記タワークレーンが、前記タワーに順次前記マストブロックを継足しながら、前記クレーン本体を上昇させ、かつ、前記タワーから順次前記マストブロックを取り外しながら、前記クレーン本体を下降させる自己昇降タイプのマストクライミング装置を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクレーンを備えた作業台船。
  3. 当該作業台船が、排水量型の作業台船、クレーン作業するときに船体が水面に浮いている状態であるハーフSEP、クレーン作業するときに船体が水面より上にある状態であるフルSEPのいずれか一つの作業台船であることを特徴とする請求項1又は2に記載のクレーンを備えた作業台船。
  4. クレーン作業するときに、前記タワーを支持するベース架台が当該作業台船に固定支持されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のクレーンを備えた作業台船。
  5. クレーン作業するときに、当該作業台船の船体に対して前記タワークレーンの相対変位を許容した状態で支持する支持構造を備えて構成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のクレーンを備えた作業台船。
  6. 前記マストブロックの横断面の外形形状と前記脚部ブロックの横断面の外形形状が、同じ形状であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のクレーンを備えた作業台船
  7. 当該作業台船が、当該作業台船の船体から降下させて着底させることで前記船体を持ち上げる昇降脚と前記昇降脚を昇降する昇降脚昇降システムを備えたハーフSEPまたはフルSEPであり、
    かつ、前記タワークレーンの脚部を水中に降下させる前記タワー昇降システムを、前記昇降脚昇降システムと互換性があるように構成にしていることを特徴とする請求項に記載のクレーンを備えた作業台船
  8. 前記マストブロックの横断面の外形形状と前記昇降脚の横断面の外形形状が、同じ形状であることを特徴とする請求項に記載のクレーンを備えた作業台船
  9. 当該作業台船が、当該作業台船の船体から降下させて着底させることで前記船体を持ち上げる昇降脚と前記昇降脚を昇降する昇降脚昇降システムを備えたハーフSEPまたはフルSEPであり、
    かつ、クレーン作業時において、前記タワークレーンが前記昇降脚の一つの上に載置されることを特徴とする請求項1または2に記載のクレーンを備えた作業台船。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載のクレーンを備えた作業台船のクレーン運用方法において、
    クレーン作業するときには、前記タワークレーンでの前記タワーを形成する前記マストブロックの積み上げる個数により吊り高さを調整し、
    クレーン作業を停止して航行するときには、前記マストブロックの積み上げる個数を前記タワークレーンで作業するときの個数よりも減少して、前記タワーの高さを低くすることを特徴とするクレーンを備えた作業台船のクレーン運用方法。
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