JPS5817147Y2 - 副変速機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 耕耘機の如き土工車両等においては、通常の走行速度の
外に作業の種類に応じて低速・超低速の走行速度が要求
される。

特にブルドーザ等の車両を農作業に利用する場合には、
各種作業に応じたアタッチメントを装着し、適切な走行
速度を必要とした。

そこで主変速機の外に副変速機を設け、同副変速機によ
り、前記低速・超低速を得る方法が取られている。

従来の副変速機においては、変速比がそれ程大きくとれ
ず、従って作業の種類によっては、それに合せた超低速
用ギヤに組替えなければならず、使用範囲が充分広く取
れない欠点があった。

本案はこのような欠点を除去した副変速機の改良に係り
、２重軸構造を有する副変速機において、入力シャフト
に軸受を介して遊嵌された出力シャフトと、該入力シャ
フトに嵌合された第１スリーブと、前記入力シャフトに
軸受を介して遊嵌された第２スリーブと、該人力シャフ
トに軸受を介して遊嵌された第１ギヤとを相接して設け
、前記出力シャフトと第１、第２スリーブと第１ギヤと
にそれぞれスプラインを形成し、これに嵌合する第２ギ
ヤを設け、軸に軸受けを介して第３、第４ギヤを遊嵌し
、同第３ギヤの一方のギヤを前記出力シャフトと一体の
ギヤに、また前記第４ギヤと一体の一方のギヤを前記第
１ギヤに、さらに前記第４ギヤと一体の他方のギヤを前
記入力シャフトと一体のギヤにそれぞれ常時噛合せ、前
記第３ギヤの他方のギヤを前記第２ギヤに摺動噛合せた
ことを特徴とするもので、その目的とする処は、超低速
を含んだ広い速度範囲に亙って変速しうる副変速機を供
する点にある。

本案は前記したように構成されているので、前記第２ギ
ヤを前記出力シャフト側に移動させて同出力シャフトと
第１スリーブのスプラインに係合させると、前記入力シ
ャフトを前記出力シャフトに直結させることができる。

また本案においては、前記一連のスプラインの略中夫に
前記第２ギヤを移動させて前記第１スリーブと第２スリ
ーブのスプラインに係合させるとともに前記第３ギヤの
他方のギヤに係合させると、前記人力シャフトを前記第
１、第２スリーブ、第３ギヤおよび前記出力シャフトと
一体のギヤを介して同出力ギヤに連結し、直結の場合に
比べて低い速度比を得ることができる。

さらに本案では、前記第２ギヤを前記第１ギヤ側に移動
させて同第１ギヤと第２スリーブのスプラインに係合さ
せると、前記入力シャフトを同シャフトと一体のギヤ、
第４ギヤ、第１ギヤ、第２ギヤ、第３ギヤおよび゛出力
シャフトと一体のギヤを介して出力シャフトに連結し、
前記したいずれの場合よりもさらに一段と低い速度比を
得ることができる。

このように本案においては、前記第２ギヤを適宜移動さ
せるだけで、広い範囲に亙る３種類の速度比を得ること
ができる。

以下本案を図示の実施例について説明すると、１は図示
されないエンジンからの出力をシャフト２を介し変速し
て、シャフト３を介して再び主変速機の入力として戻す
副変速機であり、前記シャフト２，３は２重軸構造で、
軸受により相互に回転自在に遊嵌される。

またシャフト２にはスプライン４，５およびギヤ６．７
が設けられ、シャフト３にはスプライン８、ギヤ９およ
びスプライン１０が設けられ、スプライン４．８はそれ
ぞれエンジンおよび主変速機と連結されるようになって
いる。

さらにシャフト２のスプライン５にはシャフト３と接し
てスリーブ１１が嵌合され、スリーブ１１にはスプライ
ン１２が設けられている。

さらにまたスリーブ１１に接して軸受によりシャフト２
にスリーブ１３が遊嵌され、スリーブ１３にはスプライ
ン１４が設けられている。

またスリーブ１３に接して軸受によりシャフト２にギヤ
１５が遊嵌され、ギヤ１５にはスプライン１６が設けら
れている。

さらに前記スプライン１０，１２，１４．１６と摺動可
能なスプラインを設けたギヤ１７はキャリア部１８を有
し、図示されない操作部材により軸方向に移動しうるよ
うになっている。

しかして図示されない作業機を駆動する出力取出軸１９
には軸受を介して相互に回転自在にギヤ２０．２１．２
２が遊嵌され、ギヤ２０にはギヤ２３．２４が設けられ
ており、同ギヤ２３は前記ギヤ９と常時噛合い、ギヤ２
４は前記ギヤ１７の移行によりギヤ１７と噛合うことが
できるようになっている。

またギヤ２１にはギヤ２５．２６が設けられており、ギ
ヤ２５は前記ギヤ６と、ギヤ２６は前記ギヤ１５とそれ
ぞれ常時噛合い、ギヤ２２は前記ギヤ７と常時噛合うよ
うになっている。

さらに出力取出軸１９に設けたスプライン２７にはスリ
ーブ２８が嵌合されており、スリーブ２８を左方または
右方に移動することにより、ギヤ２１゜２２のいずれか
一方に結合することができるようになっている。

第１図に図示の実施例は前記したように構成されている
ので、変速を必要としない場合には、ギヤ１７を第２図
のＡ位置に移動させてシャフト３のスプライン１０と結
合させると、シャフト３はシャフト２と直結された状態
となるので、副変速機１では変速されず、シャフト２か
らの人力はそのままシャフト３の出力となり、図示され
ない主変速機へと伝達される。

また低速を得る場合には、ギヤ１７を第２図のＢ位置に
移動させてスプライン１４と結合させると、ギヤ１７は
ギヤ２４と噛合い、シャフト２からの人力はギヤ１７，
２４，２３．９へと順次減速されてシャフト３の出力と
なり、低速を主変速機へと伝達することができる。

さらに超低速を得る場合には、ギヤ１７を第２図のＣ位
置に移動させてスプライン１６と結合させると、ギヤ１
７はギヤ２４と噛合い、シャフト２からの入力はギヤ６
．２５，２６，１５，１７，２４，２３．９へと順次減
速されて超低速を主変速機へと伝達することができる。

しかして前記変速を農作業に使用する際には、変速を必
要としない場合として施肥作業、播種作業、プラウ作業
等に、低速を必要とする場合としてロータリ作業等に、
超低速を必要とする場合として深耕ロータリ作業、トレ
ンチャ作業等がある。

このようにギヤ１７を前後に移行させるだけで、無変速
、低速、超低速を簡単に取ることができ、幅広い変速域
を得ることができ、その結果、数多くの作業に利用でき
る。

【図面の簡単な説明】 第１図は本案に係る副変速機の一実施例を図示した縦断
側面図、第２図はその要部拡大図である。 １・・・・・・副変速機、２・・・・・・人力シャフト
に相当するシャフト、３・・・・・・出力シャフトに相
当するシャフト、６・・・・・・入力シャフトと一体の
ギヤ、９・・・・・・出力シャフトと一体のギヤ、１１
・・・・・・第１スリーブに相当するスリーブ、１３・
・・・・・第２スリーブに相当するスリーブ、１５・・
・・・・第１ギヤに相当するギヤ、１７・・・・・・第
２ギヤに相当するギヤ、２０・・・・・・第３ギヤに相
当するギヤ、２１・・・・・・第４ギヤに相当するギヤ
、２３・・・・・・第３ギヤの一方のギヤ、２４・・・
・・・第３ギヤの他方のギヤ、２５・・・・・・第４ギ
ヤの他方のギヤ、２６・・・・・・第４ギヤの一方のギ
ヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２重軸構造を有する副変速機において、入力シャフトに
   軸受を介して遊嵌された出力シャフトと、該入力シャフ
   トに嵌合された第１スリーブと、前記入力シャフトに軸
   受を介して遊嵌された第２スリーブと、該人力シャフト
   に軸受を介して遊嵌された第１ギヤとを相接して設け、
   前記出力シャフトと第１、第２スリーブと第１ギヤとに
   それぞれスプラインを形威し、これに嵌合する第２ギヤ
   を設け、軸に軸受けを介して第３、第４ギヤを遊嵌し、
   同第３ギヤの一方のギヤを前記出力シャフトと一体のギ
   ヤに、また前記第４ギヤと一体の一方のギヤを前記第１
   ギヤに、さらに前記第４ギヤと一体の他方のギヤを前記
   入力シャフトと一体のギヤにそれぞれ常時噛合せ、前記
   第３ギヤの他方のギヤを前記第２ギヤに摺動噛合せたこ
   とを特徴とする副変速機。