JPS5816763Y2 - 収納ケ−スの底蓋装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主として防煙用垂れ壁装置に用いられる収
納ケースの底蓋装置に関し、具体的には、垂れ壁の壁材
をなすカーテンのロールを収納するための長箱形ケース
の底蓋装置に関するものである。

火災初期の火勢が屋内気の対流によって煽られることは
良く知られる処であって、このような対流を遮断させる
ための手段に垂れ壁装置が実用されている。

しかして本考案に係る底蓋装置の構造技術は、上記、垂
れ壁装置の構成におけるケース開閉蓋の具体化に有用な
ものであって、初めに、第１図ないし第３図を参照して
、上記垂れ壁装置の概要を説明する。

建物の天井材１の防煙区画境界線に当る部分には、長手
方形の切落しが穿開されると共に、その切落しには、長
箱形の装置ケース２が下端の開口面を臨ませていて、同
ケース２は、天井裏の図示しない構造物に取付られると
共に、ケース２の左右各端部には、箱型アングル材より
なるガイドレール３の上部が内接の上溶着されて下方に
張出し、かつ床上の適当な高さに達している。

なお、各レール３は、内向面の中央部が折込まれて縦溝
３ａを開口させると共に、レール３の下端は底板３ｂで
閉塞されている。

次に、ケース２の上板下面の奥行き寄りには、断面り形
のビーム４が全長に亘り棚状に展設されると共に、ケー
ス３の下端開口面には、つば付きの開閉蓋５が適当な手
段で取付けられていて、かつ図示しない機構で閉成位置
に保持されている。

そのほか、ケース２の左右の端部寄りと中間の適所の複
数箇所においては、ケース２の上面に断面コ形のブラケ
ット６が立設されると共に、各ブラケット６の立板間に
は、遊動するベルトローラー７が軸支されており、また
、ビーム４とケース２後板との間には、断面り形の取付
金物８が溶着されていて、同金物′８の床面には、フッ
ク９がナツト１０で締着されている。

ところで、端部のベルトタング１１を介して夫夫のフッ
ク９に引掛けられた各巻上げベルト１２は、ウェビング
で形成されてかなりの表面摩擦性を有し、かつ各ベルト
１２は、ケース２内で袋状に上向きに折返された後、ブ
ラケット６底部の貫通孔を通ってローラー７に掛は回さ
れ、かつその先端は、タング１３およびバックル１４を
介し、直接または間接に巻取機１５の牽引ロープ１６Ａ
に結着されており、すなわち、図示中間部のベルト１２
の場合には、継ロープ１６Ｂを介し圧着スリーブ１７で
結着され、また図示左端のベルト１２の場合には、ケー
ス２上板のブラケット１８に取付けられたスイベル滑車
１９に通された継ロープ１６Ｃを介し圧着スリーブ１γ
で結着されている。

次に、これらのベルト１２の袋状の折返し部分の内面に
は、ケース２の内空を全通するカーテンロール２０が、
その下半周を自重により圧接させた状態で重力和持され
ており、従って巻上げベルト１２は、ロール２０とロー
ラー７との間で張力により９０°捩れており、その張力
は、ロール２０の重量荷重のはゾ１／２に相当すること
は言うまでもない。

しかしてカーテンロール２０は、芯筒２１と該芯筒２１
に巻付けられた不燃性カーテン２２とにより形成されて
いて、同カーテン２２の内端は、芯筒２１のスリットか
ら筒内に入った後、袋部２２ａに挿通されたパイプ２３
で抜止めされており、また、カーテン２２の上方引出し
端は、ビーム４の内空に入った後、袋部２２ｂに挿通さ
れたパイプ２４で抜止めされ、これによりカーテン２２
の引出し端はケース２に固定されている。

一方、巻取機１５と、同機１５に付属された操作器２５
とは、夫々建物の適当な場所に設置されていて、巻取機
１５は、牽引ロープ１６Ａを巻込み、送出Ｑ作動する手
動式あるいは電動（常用）および手動（停電時用）併用
式の回転ドラムと、同ドラムに付設されてラチェット等
を用いた送出しロック機構とにより形感されている。

また、操作器２５は、電動式の場合の駆動モータ用操作
スイッチと、上記ロック機構を機械伝動部材を介して直
接解放させる操作把手と、通電によりロック機構を電磁
的に解謔させる操作スイッチとにより形成されると共に
、その通電回路には、該スイッチに並列して、天井材１
の適所に取付けられた図示しない煙感知器からの検出出
力が入力されている。

このように構成された提案装置の操作、作動は、第１図
および第２図に示す状態では、牽引ロープ１６Ａにロー
ル２０の重量荷重に基づく上記負荷がかかつているが、
巻取機１５がロック態位にあることから、ロール２０は
、ベルト２０の担持作用により図示した収納位置に保持
されている。

しかして火災発生時には、煙感知器の検出出力あるいは
操作器の操作通電により、自動的あるいは操作的に巻取
機１５のロックが解放されることから、牽引ロープ１６
Ａが負荷力により引出されてベルト１２が降下し、これ
によりロール２０は、ベルト１２の降下速度の１／２の
速度で・レール縦溝３ａに沿い降下するが、この時、ロ
ール２０下半周面のカーテン２２とウェビングベルト１
２との摩擦により、ロール２０が連れ回りすることから
、カーテン２２の垂下部分にゆるみや無理な張力が生じ
る虞れがなく、従って、カーテン２２は、均斉かつ円滑
に芯筒２１から巻出されながら、ロール２０の降下につ
れて展張される。

最後に、ロール２０の両側端がガイドレール３の底板３
ｂに当ってロール２０が該底板３ｂに支えられた第３図
の状態では、ベルト１２にかかる張力が消滅して、巻取
機１５が自動的に停止し、この時点では、カーテン２２
の略全長が芯筒２１から巻出されて、隔室空間の上部に
横幕状の垂れ壁を形成している。

次に、垂れ壁を天井に収納させる場合には、先ずロック
操作により巻取機１５を逆転止めのロック態位とした後
、手動あるいは操作電動により巻取機１５を巻込側に回
動させれば、ベルト１２の上昇につれて、ロール２０が
カーテン２２を巻付けながら引上げられ、かつケース２
内の収納位置に戻った時点で巻取機１５が停止すること
により、自動的に牽引ロープ１６Ａがロックされる。

ところで、本考案は、垂れ壁装置におけるケースの底蓋
を具体化するためになされたものであって、すなわち、
本考案の目的は、カーテンロール昇降時における底蓋の
開閉作動が、半自動的かつ確実に行われるようにした収
納ケースの底蓋装置を提供することにある。

以下、図示の一実施例に基づいて本考案を説明する。

実施例の底蓋装置３０は、第４図ないし第６図に示すよ
うに、片側すなわち図面左方のケース側板３１の長手方
向に沿う適当な複数箇所に固設された張出金物３２に、
ヒンジ３３で結合された１枚の蓋板３４と、他側のケー
ス側板３５の適当な複数箇所の内面にねじ３６で締着さ
れた複数のブラケット３７と、同ブラケット３７に支軸
３８を介して枢支されているレバー３９とにより形成さ
れている。

しかして蓋板３４は、ケース２の下端開口の内のり面積
より若干中さいつば３４ａ付きの長板で形成されると共
に、ブラケット３７に対接する端部には、係合部として
の方形の係合板４０がケース２内に立上る方向に溶着さ
れていて、該係合板４０の中央には、方形の係合孔４０
が大きく開けられており、なお、他側の蓋板つば３４ａ
は、係合板４０との重合部分が切欠かれている。

次に、支軸３８は、ブラケット３７の両側の耳板３７ａ
に軸受けされ、また、レバー３９は、夫夫が長方形板よ
り成る１対のアーム板４１．４２が断面り形に一体成形
された部材であって、かつ立上り方向のアーム板４１の
裾回りには、両端で支軸３８を軸受けするコ形の枠４３
が重着されている。

なお、横方向のアーム板４２の中央付近には、ばね（後
述）を逃げるための切落し４２ａが開けられている。

更に、ブラケット３７の中央部には、弾性体としての板
ばね４４の上半基部が重合して締着されていて、同ばね
４４の浮上った中間部は、レバー３９の枠４３に圧接す
る平坦な抑圧部４４ａをなしており、また、先端の移動
部４．４ｂには、段状の突出が付けられている。

このように構成された実施例の底蓋装置の作動は、カー
テンロール２０が収納位置にある第４図の状態では、ば
ね４４の押圧部４４ａが支軸３８に対し直交した方向に
あって枠４３を押圧していることから、レバー３９は図
示態位に弾力で保持されると共に、移動部４４ｂが係合
部４０の係合孔４０ａに嵌入係合していることから、蓋
板３４は水平な図示閉成態位に係止されている。

次に、垂れ壁の展張始動に基づいてロール２０が降下す
ると、第７図ａに示すように、ロール２０の下半周面で
アーム板４２を下圧することから、ばね４４の保持弾力
に抗してレバー３９が図面反時計方向に回動し、これに
よりばねの移動部４４ｂが押返されて係合板４０との嵌
合が外れ、その結果、蓋板３４は、自重で垂下方向の開
成態位（第７図ｂ）に移動し、すなわちロール２０の降
下通路から退出する。

更にロール２０が降下すると、レバー３９のコーナー縁
の抑圧部４４ａに対する接触角が受圧作動方向の思案点
を乗超えた時点で、ばね４４の弾力によりレバー３９は
反時計方向に回動付勢され、これにより第７図すに示す
ように、レバー３９は、アーム板４１をロール２０通路
上に張出させた図示態位に弾力で保持される。

次で、垂れ壁の収納始動に基づいてロール２０が上昇す
ると、上昇の途中においてロール２０の上半周面がアー
ム板４１を押上げることから、アーム３９を時計方向に
回動きせ、更に、上記思案点を逆方向に乗超えた時点で
、レバー３９は元の態位に戻る。

なお、ロール２０収納後は、手操作により蓋板３４を押
上げて係合板４０をばね４４の移動部４４ｂに係合させ
、これにより蓋板３４は閉成態位に係止される。

以上述べたように、本考案に係る収納ケースの底蓋装置
を用いて垂れ壁装置を形成させれば、実施例の装置が、
弾性体の付勢により伝動レバーの倒れか一方のアーム板
をロール通路に臨ませた状態に保持させると共に、ロー
ル降動時には、弾性体移動部との係合を離脱させて、自
動的に蓋板を開成させるように構成させているので、カ
ーテンの展張および収納作動に対応して半自動的に底蓋
を開閉動させ、かつ底蓋を確実に閉成態位に係止させる
ことが可能となり、これにより、垂れ壁装置の操作性と
使用性を高める実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、垂れ壁装置の正面図、第２図は、第１図の■
−■線における拡大断面図、第３図は、第１図の側断面
の作動図、第４図は、本考案の一実施例を示す収納ケー
スの底蓋装置の断面図、第５図および第６図は、夫々第
４図の■−■線における平断面図およびＶＩ−ＶＩ線に
おける側断面図、第７図ａおよび第７図すは、第４図の
作動図である。 ２・・・・・・ケース、２０・・・・・・カーテンロー
ル、３０・・・・・・底蓋装置、３１・・・・・・片側
側板、３４・・・・・・蓋板、３５・・・・・・他側側
板、３９・・・・・・レバー、４０・・・・・・係合部
としての係合板、４１，４２・・・・・・アーム板、４
４・・・・・・弾性体としての板ばね、部、４４ｂ・・
・・・・移動部。 ４４ａ・・・・・・押圧

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 片側長手辺の端部が、下面を開口としたケースの側板の
   内面至近位置で同側“板に枢支されると共に、他側長手
   辺の端部には、係合部が形成されている蓋板と、ケース
   側板の内壁に取付けられていて、移動部を上記係合部に
   押圧させることにより同係合部に係合して蓋板を水平な
   閉成態位に保持させる弾性体と、１対のアーム板がＬ形
   に一体形成されてなるレバーであって、中間の基部が、
   ケース側板に枢支されると共に、何れか一方のアーム板
   の基部が上記弾性体の押圧部により押圧されることによ
   り、他方のアーム板が上記ケースの開口を遮ぎる揺動位
   置に弾力でクリックされるレバーとにより形成されてい
   ることを特徴とする収納ケースの底蓋装置。