JPS5816167Y2 - 電気機器におけるソレノイド・プランジャ装置の緩衝装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、テープレコーダ等の電気機器に実施して好
適なソレノイド・プランジャ装置の緩衝装置に関する。

一般に、テープレコーダにトいては録音、再生操作時に
ソレノイド・プランジャの駆動によりヘッドベース作動
レバーを回動させ、これによってヘッドベースをカセッ
ト方向に移動させて磁気ヘッドを磁気テープに接触させ
るように構成されている。

然るに、このヘッドベースを移動させるソレノイド・プ
ランジャに伺ら緩衝装置を設けていない従来のものにあ
っては、ソレノイド・プランジャの励磁による急激な吸
引、復帰等の往復動作が直接ヘッドベース作動レバーに
伝達されるため、衝撃が大きく、軸承部あるいは磁気ヘ
ッドを損傷したり雑音を発生するばかりか、使用者に不
安感を与えるなどの欠点があった。

この考案は上述したような事情に鑑みてなされたもので
、構造簡易にしてプランジャによる衝撃を吸収緩和し得
るようにした電気機器にトけるソレノイド・プランジャ
装置の緩衝装置を提供するものであり、その特徴とする
ところは、プランシイに連結部材を介してブツシュを設
け、これを弾性手段によってソレノイド・プランジャを
固定しているダンパーベースに摺動可能に押し付けるよ
うに構成したことにある。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。

第１図はこの考案に係るソレノイド・プランジャ装置の
緩衝装置をテープレコーダに適用した場合の側面図、第
２図はその背面図である。

これらの図にむいて、符号１で示すものはシャーシで、
このシャーシ１の背面には駆動モータ２トよびリール駆
動用モータ３がねじ止め固定されて釦す、駆動モータ２
の回転がフライホイール受板５ａに配設されたフライホ
イール５にベルト４を介して伝達される。

前記シャーシ１の左側後方には略コ字状に形成されたダ
ンパーベース６が配設されてトリ、このダンパーベース
６とシャーシ１との間に後述するヘッドベース駆動用の
ソレノイド・プランジャ７が複数個の止めねじ８によっ
て固定されている。

前記ソレノイド・プランジャ７は従来周知の構造をなす
もので、外枠９と、コイル巻枠１０の外周に巻回された
ソレノイドコイル１１と、可動鉄心１２とから構成され
、非励磁状態、すなわち非プレイ動作時にトいては第１
図に示す如くｏ］′勅鉄心１２を、その自重および可動
鉄心１２に連結された後述する他の部材の重量、東には
へラドベース附勢用スプリング２９の弾性力によって下
方に位置せしめ、通電によるソレノイドコイル１１の励
磁時、すなわちプレイ動作時にトいて上方に吸引作動さ
せるように構成されている。

前記ダンパーベース６の下端にはゴム等の緩衝部材１３
が固定されてトリ、これによって前記可動鉄心１２を下
方位置に係止している。

前記可動鉄心１２の下端部には該可動鉄心１２の軸と直
交する水平な連結部材１４が挿通固定されている。

前記連結部材１４はピンによって構成されてあ一す、そ
の一端は前記ダンパーベース６の下端部に穿設された縦
方向に長いスリット１５に摺動自在に挿通されている。

前記ピン１４には緩衝装置を構成するブツシュ１６およ
び弾性手段としての圧縮コイルスプリング１１が嵌装さ
れている。

前記ブツシュ１６は合成樹脂等によって一体に形成され
ることにより、ボス部１６ａと、このボス部１６ａの側
方に張出し、先端部がダンパーベース６方向にほぼ９０
度折曲げられたフランジ１６ｂとから構成されており、
前記圧縮コイルスプリング１７により常時第１図にむい
て右方に付勢されることにより、前記ボス部１６ａがス
リット１５に挿通され、フランジ部１６ｂの折曲部端面
がダンパーベース６の表面に押付けられている。

そして、前記ブツシュ１６の凹陥部１６ｃにはグリース
等の粘性体１８が充填されている。

前記ピン１４には更に真鍮などの非磁性体材料によって
略り字状に形成されたソレノイド連結板１９が、その上
端部に釦いて固定されている。

前記ソレノイド連結板１９の水平な下端部はシャーシ１
側に伸びており、その上面にヘッドベース作動レバー２
０の一端が止めねじ２１によって固定されている。

このヘッドベース作動レバー２０はシャーシ１の背向に
沿って該背面に訃いて左方にほぼ水平に伸び、その先端
が該シャーシ１の背面に支持ピン２２を介して回動自在
に支持されている。

斗た、前記へラドベース作動レバー２０の上面中間部に
はヘッドベースピン２３を弾性的に挾持保持するヘッド
ベース作動はね２４が固定されている。

このヘッドベース作動ばね２４は板材を折曲げて形成さ
れることにより、基部２４Ａと、この基部２４Ａに連続
してほぼ水平に折曲げられた上下に相対向する１対の保
持片２４ａ、２４ｂからなる挾持部２４Ｂとから構成さ
れている。

前記ヘッドベースピン２３は、前記シャーシ１の前方に
図示しない支持ピンによって該シャーシ１に沿って上下
方向に移動自在に支持されたヘッドベース２５に貫通し
て固定されてトリ、その後端がシャーシ１に穿設された
縦方向に長い長孔２６を貫通して前記へラドベース作動
ばね２４の保持片２４ａ、２４ｂに挾持保持され、前端
には録音再生用の磁気ヘッド２１が配設されている。

前記ヘッドベース２５は図示しないばねにより常時下方
に付勢されることにより、通常は第１図に示す下方の非
プレイ位置に係止されると共に一端がシャーシ１の背面
に固定されたスプリング支持体２８に係止されたヘッド
ベース付勢用スプリング２９により常時後方に付勢され
ている。

そして、このヘッドベース２５の前面所定箇所には前記
磁気ヘッド２７の他に図示しない消去用磁気ヘッドピン
チローラ等が配設されている。

前記磁気ヘッド２７の上方空間はカセット収納部３０を
構成してトリ、このカセット収納部３０にテープレコー
ダの前面パネル（図示せず）に形成されたカセット挿入
用の開口部から二点鎖線で示すカセット３１が装着され
るようになっている。

この場合、非プレイ状態においては磁気ヘッド２７はカ
セット３１の下方に離間して位置し、プレイ動作時に上
昇することにより、カセット３１内に収納されている磁
気テープ（図示せず）に接触するようになっている。

すなわち、プレイボタン（図示せず）の操作によりソレ
ノイド・プランジャＴを励磁すると、可動鉄心１２が吸
引されて上方に移動するため、ヘッドベース作動レバー
２０が支持ピン２２を中心として第２図にお゛いて反時
計方向に回動して、ヘッドベースピン２３を上方に押し
一ヒげ、これによってヘッドベース２５を図示しないば
ねに抗して押し一ヒげる。

したがって、磁気ヘッド２７はへラドベース２５と−４
に上昇してプレイ位置に移動し、その一部がカセット３
１の下面開口部より内部に臨み、カセット３１内の磁気
テープに接触する。

なト、□前記へラドベース２５のプレイ位置への位置と
同時に、ピンチローラ（図示せず）がキャプスタン′（
図示せず）に圧接されて回転し、これによって供給リー
ルから繰り出される磁気テープを走行させ、もって磁気
ヘッド２７による録音再生が行われる。

そして、録音再生後、プレイボタンを再び操作してソレ
ノイド・プランジャ７への通電を停止すると、もはや可
動鉄心１２に対する磁気吸引力が消失するため、ヘッド
ベース２５もばねの力により□復帰し、これに連動して
可動鉄心１２も第１図に示す元の位置に復帰する。

′ところで、上記構成によればブツシュ
１６トよび圧縮コイルばね１７からなる緩衝装置を設け
ているので、可動鉄心１２の速い一ヒ下移動を減殺する
ことができる。

すなわち、可動鉄心１２がソレノイドコイル１１の磁気
的吸引力により吸引作動する際、圧縮コイルはね１７の
弾性力によってブツシュ１６がダンパーベース６に押圧
されるため、このブツシュ１６とダンパーベース６間に
摩擦力が生じ、これによりブツシュ１６の上下運動、す
なわち、このブツシュ１６に連結される可動鉄芯１２の
急激な上昇運動を抑制することができ、オたこの摩擦力
は常に二定であるから可動鉄芯１２はゆっくりとかつほ
ぼ専速で上昇移動する。

なトこの実施例のごとくブツシュ１６の凹陥部１６ｃに
グリース等の粘性体１．８を充填してむけば、よりスム
ーズな緩衝作用が実現し得ることは言う寸でもない。

斗た、可動鉄芯１２．Ｑ復帰時にトいても、同様に上記
摩擦力、ある吟ハ゛上記摩擦カドよび粘性が大きな負荷
として作用し、ゆっくりと降下する。

したがって、可動鉄心１２の一ヒ下移動に伴う衝撃が減
少し、特に移動終端時に釦ける衝突による衝撃が緩和さ
れヘッドベース作動レバー２０、ヘッドベース２５等へ
の悪影響トよび雑音の発生を防止する。

この場合、圧縮コイルはね１７のばね力訃よびｌ＆４Ｅ
体１８の粘度を適宜調整することにより、緩衝装置の緩
衝力を容易に可変設定することができる。

なト、−上記実施例はカセット用のテープレコーダに適
用した場合について説明したが、この考案はこれに何ら
限定されるものではなく、すべての磁気録音再生装置を
はじめとし、ソレノイド・プランジャ装置を用いて作動
部材を作動させるようにした各種の電気機器に対して実
施し得るものである。

以−ヒ説明したように、この考案に係る電気機器にｚ−
ケるソレノイド・プランジャ装置の緩衝装Ｍによれば、
可動鉄心に連結部材を介してブツシュを配設し、これを
弾性手段によって可動鉄心の作動方向と直交する方向に
付勢することにより、ソレノイド・プランジャを固定し
てなるダンパーベースに可動鉄心の作動方向と同方向に
摺動可能に圧着したので、前記ブツシュとダンパーベー
スとの間に作用する摩擦力によって常に一定の緩衝力が
作用し、可動鉄心の急激な作動・復帰を抑制し、他の作
動部材への衝撃トよび雑音の発生を防止することができ
る。

このため、作動部材、軸受部等の損傷、故障が少なく、
機器の耐久性を向上させ得るほか構造簡単にして組立て
作業が容易で、またソレノイド・プランジャ自体の構造
と、これら緩衝力付与構造は各々独立して構成され連結
されて釦す、かつこの弾性手段の押圧力を変化させるの
みで緩衝力を自桂に調整し得るなど、その実用的効果は
非常に大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案をテープレコーダに実施した場合の一
実施例を示す側面図、第２図はその背面図である。 ６・・・ダンパーベース ７・・・ソレノイド・プラン
ジャ、１２・・・可動鉄心、１４・・・連結部材、１６
・・・ブツシュ １７・・・弾性手段、１８・・・事融
体。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ソレノイド・プランジャが固定されるダンパーベ
   ースに対して前記ソレノイド・プランジャの可動鉄心の
   作動方向と同方向に摺動可能に配設されるブツシュと、
   前記ブツシュをダンパーベースに対して可動鉄心の作動
   方向と直交する方向に常時押圧する弾性手段と、前記可
   動鉄心と前記ブツシュとを連結する連結部材とを備えた
   ことを特徴とする電気機器にむけるソレノイド、プラン
   ジャ装置の緩衝装置。
2. （２）前記連結部材はピンであることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の電気機器にむけるソレ
   ノイド・プランジャ装置の緩衝装置。
3. （３）前記弾性手段はピンに軸装される圧縮コイルスプ
   リングであることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項又は第２項記載の電気機器にトけるソレノイド・
   プランジャ装置の緩衝装置。
4. （４） 前記ダンパーベースとブツシュとの間に粘性
   体が充填されていることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項、第２項普たは第３項記載の電気機器にト
   けるソレノイド・プランジャ装置の緩衝装置。