JPS5815603B2 - 自己固定バルブシ−ト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、バルブシートに関するものであり、特に、内
燃エンジンに使用する自己固定バルブシートに関するも
のである。

バルブシートの性質が首尾良く発揮されるためζこは、
該バルブシートとエンジン本体との間で適切に熱伝導が
行われるように、該バルブシートが周囲の該エンジン本
体に精密に接触していることが必要であるということは
、一般的に知られている。

熱伝導の問題は同時に、バルブシートをエンジンのシリ
ンダヘッドに確実に固定する問題をも含んでいる。

オツトー型の内燃エンジンの経済性を向上させる手段と
して、自動車製造メーカーは鋳鉄製からアルミニウム製
のシリンダブロック及び／又はアルミニウム製のシリン
ダヘッドを有するエンジンへと転換してきた。

この転換により、熱伝導の問題及びバルブシートをシリ
ンダヘッドに確実Ｏこ固定する問題が強調されるところ
となった。

従来、かかる問題に対して種々の解決策が試みられたが
、その成果は限られたものであった。

端ぐりをされた穴に圧力をかけて挿入し、しかる後に所
定の位置に固定する種々の工夫を懲らしたバルブシート
が用いられてきたのである。

これらは、腐食作用が進み且つバルブシートとその固定
部材の周囲に付着するカーボンに起因する熱伝導の問題
が解決されないため上述の如き問題に対する充分満足す
る解決策とはなっていなかった。

米国特許第３，８６８，９５３号の如く、バルブシート
にクツプネジを設けて、熱伝導及び確実ζこ固定する問
題を解決する方法もとられていた。

この方法は、上記の如き問題を部分的に解決するが、位
置決めの困難性と製造単価の増大という新たな問題を有
していた。

更に、上記の如きクツプネジの切られているバルブシー
トを取り換えた場合、新たに挿入するバルブシートが前
のバルブシートによって形成されたネジ道に緊密に接合
しないために、バルブシートσこ緩みが生じるというこ
ともしばしばあった。

バルブシートをシリンダヘッドに挿入する方法として現
在採られている方法は、機械仕上げをしたバルブシート
を液体窒素に浸漬して低温にし、シリンダヘッドに挿入
する方法である。

そのとき、機械仕上げをした穴を拡げるためにシリンダ
ヘッドを加熱し、それから圧力を加えてバルブシートを
穴に挿入する。

バルブシート及びシリンダヘッドが周囲の温度と等しく
なったとき、熱伝導性に優れた特徴を有する゛しまりば
め″が得られる。

しかしながらこの方法は、製造するとき精密な許容誤差
を要し、且つ冷温装置を用いると共に液体窒素を取扱う
こととなるから、製造単価が上昇することとなる。

また、液体窒素を取扱う過程においては危険防止設備も
また必要となる。

また、この冷温処理行程は最初にエンジンを製造すると
きには満足な解決策となったけれども、バルブシートを
取り換える場合の問題を解決してはいなかった。

本発明の目的は、簡単に挿入可能な、すなわち、内燃エ
ンジンのシリンダヘッド内に挿入する作業を安価に成し
得る、簡単且つ経済的なバルブシートを提供することに
ある。

本発明の他の目的は、シリンダヘッドの周囲の部材と緊
密に接合して自動的に固定するバルブシートを提供する
ことにある。

本発明の第３の目的は、熱伝導特性の改善されたバルブ
シートを提供することにある。

本発明の第４の目的は、はとんどの修理工場で使用され
ている通常の道具を用いて取り外したり、取り換えたり
することができるバルブシートを提供することにある。

本発明は、それがぴったりと嵌まり合うシリンダヘッド
Ｏこ設けられた保持用穴に、その先端部を案内する先端
フランジの設けられているバルブシートを提供すること
により、これらの目的を達成したのである。

このバルブシートに設けられる固定フランジの直径は、
先端フランジ及び保持用穴の直径よりも大きい。

固定フランジは、その外周に設けられた縦方向の鋸状歯
（セレーション）及び成形肩部を含んでいる。

固定フランジの一方の肩部（成形肩部）と先端フランジ
の一方の肩部とが、シリンダヘッドから削り取った金属
を詰め込む環状溝を成形する。

本発明に係る自己固定バルブシートがシリンダヘッドに
押し込まれると、固定フランジの成形肩部はバルブシー
トよりも相対的に柔らかい金属からなる当該シリンダヘ
ッドの保持用穴の側面から金属を削り取り、かかる金属
を環状溝（こ詰め込むことによってバルブシートの軸方
向の運動を阻止する。

固定フランジの鋸状歯はシリンダヘッドの壁面内に多数
条の溝を作り、これらシリンダヘッドの溝と緊密に接合
して固定され、それによって回転方向の運動が阻止ぜし
められると共に、バルブシートとシリンダヘッドとの間
の熱伝導も最大となる。

回転運動が問題とならない場合や、回転力が極微である
場合には、固定フランジから鋸状歯を省略してもかまわ
ない。

このような実施例（図示していない。

）では、固定フランジの成形肩部が金属を環状溝の中に
押し入れることζこより、軸方向の運動も回転方向の運
動も阻止する金属固定（ａ ｍｅｔａｌ ｔｏ ｍ
ｅｔａｌ １ｏｃｋ ）を形成する。

以下、図面を用いて本発明に係る自己固定バルブシート
の目的、構成及び効果を詳細に説明する。

第１図及び第２図を参照すると、シリンダ状金Ｍ１．Ｊ
ング１０は、その上面１６Ｇこ形成されたバルブシート
部を有している。

先端フランジ１１は、シリンダ状金属リング１０をシリ
ンダヘッド２０の保持用穴に導くように画成されており
、該シリンダ状金属リング１０の下部（こ設けられる。

傾斜先端部１２は、保持用穴の中に入り易いように下面
に向って傾斜している。

先端フランジ１１の直径よりも大きな直径を有する固定
フランジ１３は、バルブシート部の反対側に成形肩部を
有する。

成形肩部の目的については後述する。固定フランジ１３
の外周には、縦方向の鋸状歯１４が形成されている。

先端フランジ１１と固定フランジ１３との間には、両フ
ランジの肩部によって環状溝１５が形成されている。

本発明に係る自己固定バルブシートは、先端フランジ１
１がぴったりと嵌め込まれるような直径を有する、シリ
ンダヘッド２０内ζこ穿設された直線状の側面を有する
保持用穴に挿着される。

挿着に際しては、リング１０を、保持用穴のところに位
置し、次いで先端フランジ１１を、保持用穴の中に挿入
する。

挿入するための圧力は、バルブシート部の設けられた上
面１６に作用される。

成形肩部は、環状溝１５の中に詰め込む金属を削り取る
。

鋸状歯１４は、シリンダヘッド２０内に多数条の溝を切
り、自動固定バルブシートが回転運動をするのを阻止し
所定の位置ζこ固定する。

シリンダヘッド２０から削り取られた金属は環状溝１５
に詰め込まれ、金属固定を形成して自己固定バルブシー
トが軸方向出口側に動くのを阻止し所定の位置に固定す
る。

本発明に係る自動固定バルブシートの抜き取り力は、６
．８を以上でありエンジンに作用する圧力よりも極めて
太きい。

このように、上述した如き本発明に係る自動固定バルブ
シートは、構造が簡単であるζこもかかわらず、既存の
必要性を満たしながらエンジン内に作用する圧力に抗す
る金属固定を確実に提供することができるのである。

金属固定はまた、バルブシートとシリンダヘッドとの熱
伝導を充分に行なうことも保証する。

上記の如き自己固定バルブシートは、バルブシートに損
傷が生じた場合ζこけ簡単に取り換えることができる。

欠陥のある自己固定バルブシートを抜き取り、それから
、長い鋸状歯を有する新しい自己固定バルブシートを、
長くなった分だけ深く挿入する。

これによって、充分な量の金属力哨１］り取られて環状
溝１５に詰め込まれ、自己固定バルブシートが押し出さ
れないように所定の位置に固定することになる。

鋸状歯１４は、以前に形成されている多数条の溝と噛み
合って回転方向の運動を阻止する。

緊密な金属固定は、自己固定バルブシートとシリンダヘ
ッドとの優れた熱伝導を保証する。

本明細書においては−の実施例についてのみ図示し、且
つ詳細（こ説明してきたが、本発明は種々の変形及び大
きさを有するバルブシートを含んでいることは言うまで
もない。

極めて微少な回転力しかバルブシートに作用しない場合
、あるいは、回転運動が問題とならない場合には、固定
フランジ１３から鋸状歯１４を省略してもかまわない。

このような実施例の場合（図示していない。

）には、固定フランジ１３の直径、すなわち成形肩部の
直径は、金属固定をするのに必要な量の金属をシリンダ
ヘッド２０から削り取って環状溝１５に詰め込むことが
できるような適当な直径となっている。

すなわち、固定フランジ１３の直径を、先端フランジ１
１の直径よりも０．１２７ｃｆｒｔ以上０．３７１ｃｆ
ｎ、以下だけ大きくとると好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る自己固定バルブシートの部分断
面側面図である。 第２図は、本発明に係る自己固定バルブシートの平面図
である。 第３図は、本発明に係る自己固定バルブシートが所定の
位置に固定されたシリンダヘッドの部分断面図である０ １０・・・・・・シリンダ状金属リング、１１・・・・
・・先端フランジ、１２・・・・・・傾斜先端部、１３
・・・・・・固定フランジ、１４・・・・・・鋸状歯、
１５・・・・・・環状溝、１６・・・・・・上面、２０
・・・・・・シリンダヘッド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シリンダヘッドの孔に挿着されるようにした該シリ
   ンダヘッドよりも硬い材料からなる円筒状の自己固定式
   バルブシートに於いて、 上面にバルブシート部を、そして下端エツジ部に上記シ
   リンダヘッドの孔壁を薄く又は細かく削り取る切削肩部
   を有する一方の端部のまわりに設けられた環状の固定フ
   ランジと；他方の端部のまわりに設けられ、上記孔の直
   径とほぼ等しく且つ上記固定フランジより少さな直径を
   有する先端フランジさ一両フランジ間に形成された環状
   の溝と；を有し、 該溝は、当該バルブシートが設定されるべきシリンダヘ
   ッドの孔中に圧入される際に上記切削肩部（こよって薄
   く又は細かく削り取られた上記シリンダヘッドの孔壁の
   材料を固く押し縮めながら受は入れ、それにより、当該
   バルブシートを固定するようにした自己固定式バルブシ
   ート。 ２ 前記固定フランジの直径が、前記先端フランジの直
   径よりも、０．１２７ＣＴＬ以上０．３７１ｃｍ以下だ
   け大きい特許請求の範囲第１項ζこ記載の自己固定バル
   ブシート。 ３ 前記固定フランジの外周に、縦方向の鋸状歯が設け
   られている特許請求の範囲第１項に記載の自己固定バル
   ブシート。