JPS58153645A - 油浸ケ−ブル絶縁用ラミネ−ト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は天然または合成繊維を用いてなる電気絶縁紙と
二軸配向ポリプロピレンフィルムとを貼り合わせてなる
油浸ケーブル絶縁用ラミネートに関するものである。

従来、油浸ケーブル絶縁用のラミネートとしては、二軸
配向ポリプロピレンフィルムの両面に、溶融状態のポリ
プロピレン樹脂を接着剤として、セルロース繊維紙、プ
ラスチック合成紙、混抄紙など、天然または合成繊維を
用いてなる電気絶縁紙を貼り合わせたものが知られてい
る（例えば特公昭５４−１０７１２号）。

しかし、かかる従来のラミネートは、加熱された電気絶
縁油（以下、油と略記する）中に浸漬されると、熱によ
る収縮や膨張および油の浸入による膨潤を生じ、その結
果として、寸法変化を起すという欠点があった。ここで
寸法変化というのは、ラミネートが、その長手方向（以
下、ＭＤと略記する）あるいは幅方向（以下、ＴＤ　と
略記する）に伸びたり縮んだりする現象である。このよ
うな寸法変化が大きいと、このラミネ６−トを用いて形
成した絶縁層が緩んだり、巻き締ったりするので、好ま
しくないことは当然である。

本発明の目的は、この寸法変化をできるだけ小、さくし
九油浸ケーブル絶縁用ラミネートを提供するもので、上
記目的を達成するために次の構成をとるものである。

すなわち、本発明は複屈折の相異なる二軸配向プロピレ
ンフィルムを接着剤を用いて複数枚−′貼り合わせ、そ
の少なくとも片面に天然または合成繊維を用いてなる電
気絶縁紙を接着剤を用、いて貼り合わせて一体化したこ
とを特徴とする油浸ケーブル絶縁用ラミネートである。

以下、本発明の詳細および好ましい態様について説明す
る。

本発明における二軸配向ポリプロピレンフィルム（以下
、ＯＰＰフィルムと称する）は主としてアイソタクチッ
クポリプロピレンからなり、厚さ１０〜１００μｍ、広
角Ｘ線回折によって、二軸配向パターンを示し、複屈折
の値が＋０．０１８〜−０．０１８の範囲にあるもので
ある。このようなＯＰＰフィルムを複数枚貼り合わせる
時、複屈折の値が相異なるフィルム同志を貼り合わせる
ことが本発明のポイントである。２枚のフィルムを貼り
合わせる場合を例にとって述べると、両フィルムの複屈
折の値の差は０．００３〜０．０３５、好ましくは０．
００５〜０．０３０、更に好ましくは、０．０１０〜０
．０２５の範囲にあることが望まれる。

フィルムの複屈折の差がこの範囲より不さいと、加熱さ
れた油の中に浸漬された時に生ずる寸法変化を抑制する
効果が小さくなる。また、逆にフィルムの複屈折の差が
、この範囲より大きくなると、加熱された油の中に浸漬
された時、ラミネートにカールやしわなどの歪みを生じ
やすくなるので望ましくない。なお、３枚以上のＯＰＰ
　フィルムを貼り合わせる場合には、それらの中で最も
複屈折の高いフィルムと、最も複屈折の低いフィルムと
の複屈折の値の差が、上記範囲内に入っていればよい。

複数枚貼り合わせたＯＰＰフィルムの片面または両面に
貼り合わせる前記電気絶縁紙（以下、紙と略記する）と
は、ＪＩＳ−Ｃ２３０１，２３ｏ２．２３０３．２３０
４．２３０６．２３０７．２３０８　などに定められて
いるセルロースを主成分とする天然繊維紙、これらの天
然繊維にプラスチックフィブリル（例えば―・ポリプロ
ピレンフィブリルあるいはポリエチレンフィブリルなど
）全混抄したもの、あるいはプラスチックフィブリルの
みからなる合成繊維紙を総称するもので、その厚さは５
〜２００μｍ程度のものである。そして、特に好ましい
のは、セルロースを主体とする天然繊維紙である。ＯＰ
Ｐ　フィルム同志の貼り合わせ、あるいはＯＰＰフィル
ムと紙との貼り合わせに用いる接着剤は、特に限定され
るものではないが、特に好ましい接着剤は、熱硬化性接
着剤であり、例えば、アミノ樹脂、フェノール樹脂、レ
ゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、
フラン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン・インシアネート
系接着剤、ポリエステル共重合体をインシアネートで架
橋した接着剤、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アク
リル樹脂などであるーこれらの中でも、特に本発明に好
ましい接着剤は、ポリエステル共重合体をインシアネー
トで架橋した接着剤であり、耐油性および電気特性にお
いて特にすぐれている。

次に、本発明ラミネートの製造法の具体例について説明
する。まず、未延伸ポリプロピレンシート（４）を、１
３０〜１５５℃に加熱した後、ＭＤに４．５倍、ＴＤに
８倍延伸し、１６０℃（７）１度で１０秒間熱処理して
、厚さ６０μｍ、複屈折０．０１２のＯＰＰフィルム（
２）を作る。

次に、別の未延伸ポリプロピレンシート■を、１３０〜
１５５℃に加熱した後、ＭＤに７倍、ＴＤに５倍延伸し
、１６０℃の温度で１０秒間熱処理して、厚さ４０μｍ
、複屈折−０，００６のｏｐｐフィルム■を作る。この
両フィルムの複屈折の値の差は０．０１８である。

この両フィルムの両表面をコロナ放電処理して、表面の
濡れ張力を４２ダイン／ｃＩｎ　まで向上させる。次に
、ＯＰＰフィルム囚の片面に、有機溶媒を含む熱硬化性
接着剤を塗布し、予備乾燥した後、その上にＯＰＰフィ
ルム■を重ねて、加熱しつつ圧着して、２枚のフィルム
を貼り合わせる。次に、この貼り合わせたフィルムの両
面に、有機溶媒を含む熱硬化性接着剤を塗布し、予備乾
燥した後、厚さ３０μｍの電気絶縁用クラフト紙を重ね
合わせ、加熱しつつ圧着して、フィルムの両面に紙を貼
り合わせる。しかる後、４０℃の雰囲気量に２日間保持
して、エージングする一以上のようにして、紙、ｏｐｐ
フィル、ム（４）、ＯＰＰフィルムの）および紙の４層
からなる厚さ１４０μｍのラミネートが得られる。

本発明は、複屈折の相異なる複数枚のＯＰＰフィルムを
貼り合わせ、この少なくとも片面に紙を貼り合わせると
いうラミネート構造を採ったために、次のようにすぐれ
た特性を有するものである。

（１）　　加熱された油中での寸法変化が小さい。

（２）油の流通性がすぐれている。

（３）　　誘電率、誘電正接の値がともに低く、絶縁破
壊電圧は高い。

（４）　　フィルム同志およびフィルム−紙間の接着強
さが強い。

なお、本発明における測定法を以下にまとめて示す。

（１）複屈折 アツベの屈折計を用いて、フィルムの長手方向の屈折率
（Ｎｙ　）および幅方向の屈折率（Ｎｘ　）を測定し、
ＮＸとＮｙの差、つまり（Ｎｘ、−Ｎｙ）を該フィルム
の複屈折とする。なお、測定時の光源はナトリ改ムＤ線
を用い、マウント液はサリチル酸メチルを用いる。

（２）　　油中での寸法変化 ３０１１１１幅Ｘ　１０００　ＷＭ長さのテープ状試料
を用意する（寸法変化を測る方向を長さ方向として試料
を切り取る）。この試料を１００℃のアルキルベンゼン
油中に入れて、３日間放置する。しかる後、この試料を
取り出し、１紙で付着した油を拭きとった後、アセトン
で洗浄し、常温で乾燥する。この試料の長さを測り、こ
の値をＬ（１１０１１）とした場合、寸法変化は次式で
求められる。

寸法変化−）＝　（Ｌ−１０００）７１０次に実施例に
もとすいて、本発明の作用効果を説明する。

実施例１゛１：。

未延伸ポリプロピレンシートを１５０’Ｃに加熱　　”
□して、ＭＤに４．５倍、ＴＤＫＩＯ倍延伸し、次イで
、緊張状態に保持したまま、１６０℃の雰囲気中に１０
秒間保ち、次いで、　ＴＤにフィルム幅の８％分の弛緩
を与えて同じ１６０℃で熱処理し、再度、緊張状態で１
６０℃、５秒間熱処理した後、室温まで徐冷して、厚さ
６０μｍのＯＰＰフィルム（４）を作った。次に、別の
未延伸ポリプロピレンシートを、１５０℃に加熱して、
ＭＤに７倍、ＴＤに５倍延伸し、次いで、緊張状態に保
持したまま１６０℃の雰囲気中に１０秒間保ち、次いで
、ＭＤに５％分の弛緩を与えて同じ１６０℃で熱処理し
、再度、緊張状態で１６０℃、５秒間熱処理した後、室
温まで徐冷して、厚さ６０μ”＋７）ＯＰＰフィルム（
Ｂ）を作った。フィルム囚の複屈折は、０．０１４．フ
ィルム■の複屈折は、−０，００５、従って、両フー１
ルムの複屈折の値の差は、０．０１９であった。これら
両フィルムの両表面を、３０００　Ｊ／ｍ’の電気エネ
ルギー量でコロナ放電処理した後、（フィルム囚の片面
に下記組＼ 成の接着剤溶液を塗布し、８０℃の熱風で予備乾燥した
後、この上にフィルム（２）を重ねて加熱圧着して、２
枚の貼り合わせフィルムラ作った。

く接着剤溶液の組成〉 ポリエステル共重合体：１５重量部 テリレンジインシアネー）　：　３−５重量部メチルエ
チルケトン　：　８１．５　重量部豪酸成分として、テ
レフタル酸７２モル％、セバシン酸２８モル％、ジオー
ル成分、！：して、エチレングリコール３５モル％、ネ
オペンチルグリコール６５モル％カラナル飽和ポリエス
テル共重合体、粘度平均分子量約１８０００゜ この貼り合わせフィルムの両面に、同じ接着剤溶液を塗
布し、８０℃の熱風で予備乾燥した後、厚さ３０μｍの
電気絶縁クラフト紙を重ね合わせ、加熱圧着して、フィ
ルムの両面に紙を貼り合わせた。しかる後、４０℃の部
屋の中に、２日間保持してエージングして、厚さ約１９
０μｍのラミネー）（ｂ）、を得た。このラミネートの
ドデシルベンゼン油中における寸法変化を測定したとこ
ろ、ＭＤ、ＴＤともに全く寸法変化がなく、また、電気
特性は誘電体損、耐圧ともに良好であった。なお、比較
のため、フィルム囚同志を２枚貼り合わせた場合（複屈
折の値の差はＯ）について、同様のラミネート（ａ）を
つくり、ドデシルベンゼン油中での寸法変化を測定した
ところ、ＭＤｏ、３％、ＴＤ　Ｏ，９％の値を示し、ま
た電気特性は耐圧の点でやや劣る傾向があった。この結
果から、本発明ラミネートは、油中での寸法変化が極め
て小さく、電気特性においても、すぐれていることがわ
かる。

実施例２ 実施例１で得たラミネート（ｂ）及びラミネート（ａ）
を用いて、それぞれ６６　ＫＶ級ケーブル（絶縁厚さ７
ｍ）Ｂ及びＡを作成し、ケーブルコアの２０倍径で２往
復ベンドを実施後、電気破壊試験を行ない、第１表の結
果を得た。

第　　１　　表 それぞれのケーブルを解体したところ、本発。

明のケーブルＢでは絶縁体に何の異常も見られなかった
が、比較例のケーブルＡでは絶縁体が油中で著しく寸法
変化を起こし、絶縁体に大きなバックリングが発生し、
ケーブルコアとラミネートの間に剥離が生じていた。こ
れが絶縁体の耐力を著しく低下させた原因と思われる。

代理人　弁理士　小　川　信　− 弁理士　野　口　賢　照 弁理士　斎　下　和　彦 第１頁の続き ０発　明　箸　−柳直隆 気工業株式会社千葉電線製造所 内 ＠出　願　人　古河電気工業株式会社 東京都千代田区丸の内２丁目６ 番１号

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 複屈折の相異なる二軸配向ポリプロピレンフィルムを複
   数枚接着剤を用いて貼り合わせ、その少なくとも片面に
   天然または合成繊維を用いてなる電気絶縁紙を接着剤を
   用いて貼り合わせて一体化したことを特徴とする油浸ケ
   ーブル絶縁用ラミネート。