JPS5814766B2 - リジェクタ回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 一般に信号伝送路において特定周波数成分のみを除去す
るために圧電気振動子または機械振動子のような振動素
子を用いたリジエクタを使用している。

しかし振動素子には主共振周波数以外に複数の副共振周
波数が存在し、副共振のレベルが主共振レベルに比べて
十分小さくない場合には、本来通過帯域になるべき周波
数に損失ハンプを生じることとなる。

第１図はリジエクタの構成図であって、Ｌはインダクタ
ンス、Ｔは広帯域変成器で巻線比１対ψのもの、ＸＯは
振動素子で例えば水晶振動子、Ｃは容量素子を示す。

水晶振動子ＸＯはその主共振周波数ｆｏ近傍以外ではコ
ンデンサとして働らくから、該部分において全域通過回
路の条件を満足するように回路素子値を定めれば、主共
振周波数ｆｏ近傍において阻止域が生じる。

第２図は損失特性の一例を示し、横軸に周波数、縦軸に
減衰量をとり周波数ｆｏにおいて最犬の減衰（損失）を
示し、周波数ｆｓにおいて若干の減衰量を生じているこ
とを示している。

第３図は水晶振動子ＸＯの等価回路を示し、Ｌｏ，Ｃｏ
，ＲＯは主共振周波数に関係し ＬＯＣＯ＝１／（２πｆＯ）２ またＬｓ，Ｃｓ，Ｒｓは副共振周波数に関係しＬＳＣＳ
＝１／（２πｆＳ）２ となっている。

副共振周波数ｆｓは複数存在することが多いげれど、大
きいものは主共振周波数ｆＱの１．１倍程度の周波数と
なる。

副共振周波数の存在による損失特性への影響を除くため
、従来は副共振周波数の互いにずれた水晶振動子複数個
を並列に接続することにより通過帯域中に生じた損失を
平坦化すること等が実施されている。

この手段では振動子を複数使用するため高価で、選択が
面倒であり、且つ調整が複雑であった。

本発明は前述の欠点を改善し、１個の振動素子とＬＣ回
路とにより特性の良好なリジエクタ回路を簡易に得るこ
とを目的とする。

そのため第１図に示す従来のリジエクタ回路の並列腕に
直列にＬＣの並列共振回路を接続し、その共振周波数を
副共振周波数に選定することを主要構成とする。

即ち第４図Ａに示す本発明実施例においてＬ，Ｔ，Ｃ，
ＸＯは第１図と同様のもの、Ｌ１，Ｌ２は直列腕のイン
ダクタンス、Ｌ３，Ｃ２は本発明により挿入したインダ
クタンスと容量素子とを示す。

第４図Ｂに第４図Ａの等価回路図を示す。Ｌ３，Ｃ２の
並列共振周波数を振動素子特に水晶振動子のスプリアス
のうちの最大レベルを有する周波数（通常は主共振周波
数の１．１倍程度）に選定する。

そのため第５図に並列共振回路のインピーダン久特性を
示すように並列共振角周波数１／■より低い所に主共振
周波数ｆｏが 存在し、１／■以下においてこの回路は Ｌ性、１／■以上においてＣ性を維持す る。

この並列回路が挿入された後のリジエクタ回路の並列腕
即ち第４図ＣＤ間のインピーダンスを考える。

まず、ω＞１／■では第６図のように回路変換が成立す
る。

ここで１＋Ｃ１／Ｃωをαと置いて計算すると（Ｃ１は
水晶振動子の等価回路における並列容量を指す）α＝（
ω２Ｌ３（Ｃ２＋Ｃ１）−１）／（ω２Ｌ３Ｃ２−１）
、α＞（Ｃ２＋Ｃ１）／Ｃ２であるからインピーダンス
ＺＡＢは、水晶振動子インピーダンスのα２倍のインピ
ーダンスと等価静電容量Ｃ１／αとの並列回路で構成さ
れることになる。

（Ｃω／αはα２Ｚｘに吸収でき、共振周波数が催か大
きくなるのみであるから）そのため水晶振動子の等価定
数Ｌｏ，Ｒｏもα２倍されるからリジエクタの阻止域減
衰量は小さくなり副共振があってもその影響は小さくな
る。

次にω＜１／■では 水晶振動子がＬ，Ｃ，Ｒの直列共振回路として働くよう
な狭帯域ではＬω，αともに定数と考えてよく、等価的
に第７図の回路変換が成立する。

α＝｛１−ω２Ｌ３（Ｃ２＋Ｃ１）｝／（１−ω２Ｌ３
Ｃ２）であり、周波数により１≧α＞∞まで変化する。

ω≧１／■でα≦−１となり 等価水晶振動子インピーダンスが大きくなり水晶振動子
の影響が小さくなるのはω＞１／■の場合と同様である
。

これに対して｜α｜＜１の帯域 ω＜１／■に水晶振動 子の主共振周波数または副共振周波数があれば、各周波
数近傍における減衰量は大きくなる。

しかし第７図における｜Ｃ１／α｜も大きくなるのでα
＝０のとき減衰量が無限に大きくなることはない。

次にαと周波数の関係を第８図に示す。

主共振周波数ｆｏ及び副共振周波数ｆＳにおけるαの値
をそれぞれαＯ，αＳとおくときα０＜αＳとなるよう
にＬ３とＣ２の値を定めれば副共振の影響を小さくする
ことができ、副共振周波数附近での損失歪は軽減される
。

なお一般に水晶振動子インピーダンスレベルと回路から
要求されるインピーダンスとは一致しないから第１図の
場合には巻数比ψの広帯域変成器によって水晶振動子イ
ンピーダンスを１／ψ２にステップダウンして使用して
いる。

ψの値が大きい場合水晶振動子の静電容量及び変成器の
巻線間漂遊容量の合計値の関係でリジエクタ回路の実現
が不可能となる場合が生じたが、本発明によるとｌαＯ
｜＜１にすることによりψの値を小さくすることができ
、実現不可能の場合が生じにくい。

なお振動素子として水晶振動子以外のものを使用するこ
とができる。

このようにして本発明によると唯１個の振動素子とＬＣ
共振回路を使用するのみの簡易な回路で副共振周波数附
近の損失を減少させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はリジエクタの構成図、第２図は第１図の損失特
性の一例図、第３図は水晶振動子ＸＯの等価回路図、第
４図Ａは本発明実施例の構成図、第４図Ｂは等価回路図
、第５図は第４図中の回路のインピーダンス特性、第６
図、第７図は動作説明用回路変換図、第８図はαと周波
数との関係図を示す。 Ｔ・・・・・・広帯域変成器、ＸＯ・・・・・・振動素
子、Ｌ３，Ｃ２・・・・・・並列共振回路用インダクタ
ンス素子容量素子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 全域通過回路網の並列腕のコンデンサに除去すべぎ
   特定周波数とほぼ共振周波数の等しい振動素子を並列接
   続したリジエクタ回路において前記並列腕に前記振動素
   子のスプリアス周波数において並列共振するインダクタ
   ンス素子と容量素子との並列接続回路を更に直列に挿入
   したことを特徴とするリジエクタ回路。