JPS5811299B2 - 竪型射出装置用鋳込スリ−ブの傾転装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は竪型射出装置用鋳込スリーブの傾転装置に関す
るものである。

一般に、竪型射出装置においては、鋳込スリーブ内に注
入されだ溶湯をプランジャチップを介して金型空間中に
射出する構成が採用されている。

このような構造を有する竪型射出装置において戊鋳込ス
リーブに対する給湯は、固定金型に対する鋳込スリーブ
のドツキング状態を一旦解除し、固定金型から下方に離
した状態で給湯装置によって鋳込スリーブ中に溶湯を供
給しなければならない。

ところが、鋳込スリーブを固定金型から離して下降させ
ただけでは固定金型その他が邪魔になって給湯を行なう
ことができない。

本発明の目的は給湯時において鋳込スリーブを固定金型
下方から切離して射出シリンダと共に給湯し易い方向に
傾斜させることができるように構成した竪型射出装置用
鋳込スリーブの傾転装置を提供するにある。

以下、図面に示す実施例と共に本発明の詳細な説明する
。

第１図以下は本発明の１実施例を説明するもので、全体
を符号１で示す竪型射出装置は芯出しサポート２を基準
にして組立てられており、その上端には射出シリンダプ
ラテン３が固定されている。

射出シリンダプラテン３にはタイロッド４の下端が固定
され、タイロッド４の上端は土台５に固定された固定盤
６に連結部材７を介して固定されている。

これらタイロッド４で形成される空間中において射出シ
リンダ８が、その下端が軸９を介して前記射出シリンダ
プラテン３に回動自在に軸承された状態で配置されてい
る。

射出シリンダ８のピストン１０と一体のピストンロッド
１１の上端はカップリング１２を介してプランジャ１３
に接続されており、プランジャ１３の上端にはプランジ
ャチップ１４が固定されている。

一方、符号１５で示すものはブロックで、中空の円錐形
状に形成されている。

このブロック１５の下端部の内側には係合部１６が形成
されており、この係合部１６の上面は前記ピストンロッ
ド１１とプランジャ１３の連結部であるカップリング１
２の下部にカラー等を利用して形成された凸部１７と係
合する関係にある。

ブロック１５の上端には鋳込スリーブ１８が取付けられ
ており、この中にプランジャチップ１４が摺動自在に嵌
合されている。

他方、ブロック１５内には垂直方向にシリンダ１５ａを
形成し、射出シリンダ８のロッドエンド側に固定された
ラム１９の先端部がこのシリンダ１５ａ中に摺動自在に
嵌合されており、図示していない油圧源からシリンダ１
５ａ中に作動油を供ノ給し、ブロック１５を上昇させ得
るように構成されている。

符号２０で示すものは固定金型、符号２１で示すものは
ムービングボルスタ−である。

符号２２で示すものは例えばタイロッド４に取付けた傾
転装置で、後に詳述するように駆動リンク２３を回動さ
せることによって従動リンク２４を回動させ、射出シリ
ンダ８を軸９を揺動中心として図に実線で示す位置から
点線で示す位置へと傾動させることができる。

ところで、前記傾転装置２２は第２図に示すように構成
されている。

即ち、傾転装置２２はフレーム２６を基準に組立てられ
ておシ、その一部にはこれと一体に形成されたブラケッ
ト２７が設けられている。

フレーム２６の両端には油圧式減速装置２８゜２９がそ
れぞれ設けられている。

各油圧式減速装置２８，２９はそれぞれシリンダ３０，
３１を有し、その中心には同心状に、内部が油圧供給源
に連通しだチューブ３２，３３がシリンダ３０゜３１に
対して固定的に配置されている。

そして、これらチューブ３２，３３には上下対称な状態
で、対応する位置に外方端近傍から順に各シリンダ３０
．３１の室３０ａ、３１ａに連通した状態で油の出入口
３２ａ〜３２ｄおよび３３ａ〜３３ｄ；が形成されてい
る。

一方、符号３４で示すものはピストンロッドで、中空に
形成され、その上下端は前記シリンダ３０゜３１中に摺
動自在に嵌合されており、かつ、前記チューブ３２，３
３にも内面が接した状態で摺動自在に嵌合している。

このピストンロッド３４の途中にはラックギヤ３５が形
成されており、ブラケット２７に回転自在に軸承された
ピニオンギヤ３６と噛合している。

このピニオンギヤ３６には前記駆動リンク２３の一端が
一体的に固定されてあり、駆動リンク２３の他端は従動
リンク２４の一端に回動自在に連結され、従動リンク２
４の他端は射出シリンダ８の側方に回転自在に軸承され
ている。

また、ピストンロッド３４とフレーム２６との間にはピ
ストンロッド３４側においてライナ３７が固定されてお
り、ピストンロッド３４の円滑な動作を保障している。

次に、以上のように構成された本実施例の動作につき説
明する。

第１図に実線で示す状態を射出成形した後でプランジャ
チップ１４を後退させた射出成形終了直後の状態とする
。

この状態から鋳込スリーブ１８に溶湯を供給する時は、
まず、射出シリンダ８のロッドエンド側の室８ａ側に作
動油を供給すると共に、ラム１９の下端にあるシリンダ
１５の作動油排出口を開放する。

すると、ピストンロッド１１の下降に伴ない凸部１７を
介してブロック１５が一緒に下降し、プランジャチップ
１４と一体となって同時にブロック１５、従って、鋳込
スリーブ１８が下降する。

従って、プランジャチップ１４と鋳込スリーブ１８とは
その相対的な位置関係を変えることなく固定金型２０に
対するドツキング状態から離れ、固定金型２０の下方に
位置する。

この状態で傾転装置２２の第２図における下方のチュー
ブ３３に矢印で示すように作動油を供給すると、この作
動油は最下段の油の出入口３３ａから出てピストンロッ
ド３４の下端に圧力を加える。

この結果、ピストンロッド３４は上昇し、ラックギヤ３
５と噛合するピニオンギヤ３６は第２図中時計回り方向
に回動し、駆動リンク２３を時計回り方向に回動させ、
従動リンク２４を図中右方へ、即ち、射出シリンダ８方
向へ押す。

従って、射出シリンダ８や鋳込スリーブ１８等は第１図
中鎖線で示すように軸９を中心として時計方向へ回動さ
れる。

ピストンロッド３４の動作初期にあっては、ピストンロ
ッド３４の上昇に伴なって開口されるチューブ３３の油
の出入口は少ないが、やがて、３３ｂ、３３ｃと開口さ
れ、油のシリンダ室３１ａ中への供給量は順次増大して
ゆく。

したがって、ピストンロッド３４は静かに動き出し、徐
々に上昇速度を増してゆく。

同時に上方のチューブ３２の油の出入口は図中下方の出
入口３２ｄから３２ｃ……へと順次閉塞されて行き、チ
ューブ３２から排出される油量は順次減少してゆく。

したがって、ピストンロッド３４の上昇限付近では、ピ
ストンロッド３４は徐々に速度を減じ、やがて静かに止
まる。

そして、上昇の途中では、油の入口３３ａ。３３ｂや油
の出口３２ａ、３２ｂなどは充分な油の通過面積を有す
るので、ピストンロッド３４は速度を押えられることは
ない。

この結果、ピストンロッド３４の移動速度は順次変わり
、全体として速度とストロークの関係は第３図に点線で
示すようになり、ストロークの初期と終期において速度
は遅く、中期において最大速度に達すると言う理想的な
変化を示す。

そして、この速度変化は、ラックギヤ３５、ピニオンギ
ヤ３６によって得られる回転リンク機構２３，２４の特
性によって、さらに強調され、第３図に実験で示すよう
に、さらに理想的な変化を示す。

したがって、射出シリンダ８が傾動しはじめるときはゆ
っくりと速度を増して行き、傾動し終るときは逆にゆっ
くりと速度を落して行き、その間は移動速度が極めて速
いという理想の傾動状態となり、動作効率は著しく増大
する。

このようにして、回動限に達すると、鋳込スリーブ１８
に対する給湯が行なわれ、今度は逆に、上側のチューブ
３２側から油が供給され、上記と全く逆の過程をたどっ
て鋳込スリーブ１８は固定金型２０の下方の垂直状態に
復帰する。

このときも、当然のことながら、射出シリンダ８の傾動
にともなって、鋳込スリーブ１８とプランジャチップ１
４も極めて理想的な速度変化によって元へ戻るので、鋳
込スリーブ１８中の溶湯は極めて静かに運ばれる。

しかるのち、射出シリンダ８の室８ａ、ｓｂに対する圧
力を解放した状態でブロック１５のシリンダ１５ａ中に
油を供給し、ブロック１５を上昇させれば、鋳込スリー
ブ１８は上昇し、同時にピストンロッド１３の下部に形
成した凸部１７はブロック１５の係合部１６で押上げら
れるので、プランジャチップ１４も鋳込スリーブ１８と
同一の相対位置を保ちながら上昇し、鋳込スリーブ１８
は固定金型２０とドツキングする。

しかるのち、射出シリンダ８が作動し、プランジャチッ
プ１４が上昇し、溶湯が金型空間中へ射出され、射出動
作の１サイクルが終了する。

以上の説明から明らかなように、本発明によれば、鋳込
スリーブを有する射出シリンダを、両端部に油圧式減速
装置を有するシリンダとリンク機構によって傾動させる
ようにしたので、傾動の始端と終端とでは減速させ、途
中は高速で傾動させることができる。

そして、傾動動作は極めて短時間で効率よく行なわれ、
直接的に油圧装置によって傾動させる装置と比較してシ
ョックが少なく、溶湯がこぼれたり、溶湯の動きによっ
て溶湯が酸化することがない。

なお、チュームの穴の数や配列を適宜選択することによ
って、ピストンロッドの加速、減速特性を自由に決定す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を説明するもので、第１図は竪型
射出装置全体の縦断側面図、第２図は傾転装置の縦断側
面図、第３図は動作特性を説明する線図である。 １……竪型射出装置、６……固定盤、８……射出シリン
ダ、１８……鋳込スリーブ、２０……固定盤、２２……
傾転装置、２３……駆動リンク、２４……Ｋｍ リンク
、２６……フレーム、２８゜２９……減速装置、３０，
３１……シリンダ、３２．３３……プログラムチユーブ
、３２ａ〜３２ｄ、３３ａ〜３３ｄ……油の出入口、３
４……ピストンロツド、３５……ラツクギヤ、３６……
ピニオンギヤ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鋳込スリーブを固定金型下方から切離し可能で、か
   つ、固定金型から離れた注湯位置に傾転可能に設けた竪
   型射出装置において、射出シリンダの側方に設けられた
   フレームの両端部に油圧式減速装置を設け、これら油圧
   式減速装置に摺動自在に嵌合しているピストンロッドの
   一部にラックギヤを設け、このラックギヤに噛合するピ
   ニオンギヤと射出シリンダをリンクで結合した竪型射出
   装置用鋳込スリーブの傾転装置。 ２ 油圧式減速装置はフレームの両端部に設けられた別
   個のシリンダ室を有し、各シリンダ室内には油の出入口
   をシリンダの軸線方向にそれぞれ数個ならべて設けるこ
   とによって構成した特許請求の範囲第１項記載の竪型射
   出装置用鋳込スリーブの傾転装置。