JPS5810455B2 - 圧延用アルミニウム合金 - Google Patents
圧延用アルミニウム合金Info
- Publication number
- JPS5810455B2 JPS5810455B2 JP54150942A JP15094279A JPS5810455B2 JP S5810455 B2 JPS5810455 B2 JP S5810455B2 JP 54150942 A JP54150942 A JP 54150942A JP 15094279 A JP15094279 A JP 15094279A JP S5810455 B2 JPS5810455 B2 JP S5810455B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fir
- rolling
- crystal structure
- less
- ingot
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C21/00—Alloys based on aluminium
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
- Metal Rolling (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
この発明は、鋳塊内部にAl−Fe系金属間化合物が晶
出する圧延用アルミニウム合金に関する。
出する圧延用アルミニウム合金に関する。
この明細書において「%」は「重量%」を示すものとす
る。
る。
周知の如く、JIS1000系アルミニウム合金やJI
S5000系のアルミニウム合金等、Feを約0.2%
程度以上含有するアルミニウム合金またはFe0.03
%〜0.07%程度、A199.9%以上の比較的高純
度アルミニウムにおいては、圧延後陽極酸化処理した場
合にしばしばゝ加工バンド“と称される陽極酸化模様が
発生することがある。
S5000系のアルミニウム合金等、Feを約0.2%
程度以上含有するアルミニウム合金またはFe0.03
%〜0.07%程度、A199.9%以上の比較的高純
度アルミニウムにおいては、圧延後陽極酸化処理した場
合にしばしばゝ加工バンド“と称される陽極酸化模様が
発生することがある。
このような陽極酸化模様は、鋳塊内部の所謂樅の水晶組
織に起因するものであることが知られている。
織に起因するものであることが知られている。
この樅の水晶組織とは、鋳塊の断面をエツチングして陽
極酸化処理を施した場合に黒色または暗灰色を呈するマ
クロ組織であり、連続鋳造による鋳塊の縦断面マクロ組
織が図面に示すように樅の木の全体形状に類似している
ことから1樅の木”晶組織と称されているものである。
極酸化処理を施した場合に黒色または暗灰色を呈するマ
クロ組織であり、連続鋳造による鋳塊の縦断面マクロ組
織が図面に示すように樅の木の全体形状に類似している
ことから1樅の木”晶組織と称されているものである。
そしてこの樅の水晶組織が発生した鋳塊を圧延して樅の
水晶組織の内部領域囚と外部領域(B)とが圧延材の表
面に交互に表われた場合に圧延材表面を陽極酸化処理す
れば、表面に表われた上部内部領域(5)が黒色または
暗灰色となる反面、上記外部領域(B)の部分が比較的
明かるい灰色となって表面に模様が発生し、前述の陽極
酸化模様となる。
水晶組織の内部領域囚と外部領域(B)とが圧延材の表
面に交互に表われた場合に圧延材表面を陽極酸化処理す
れば、表面に表われた上部内部領域(5)が黒色または
暗灰色となる反面、上記外部領域(B)の部分が比較的
明かるい灰色となって表面に模様が発生し、前述の陽極
酸化模様となる。
このような陽極酸化模様が発生した場合には、外観不良
による欠陥製品としてスクラップ化せざるを得ないこと
が多く、したがって陽極酸化模様の発生は材料歩留りを
低下させる問題があり、またアルミニウム系材料では一
般に再溶製する場合の酸化ロスが著しく大きいから、前
述のように不良品が発生した場合にこれを再溶製しても
材料損失が著しく大きくなる問題がある。
による欠陥製品としてスクラップ化せざるを得ないこと
が多く、したがって陽極酸化模様の発生は材料歩留りを
低下させる問題があり、またアルミニウム系材料では一
般に再溶製する場合の酸化ロスが著しく大きいから、前
述のように不良品が発生した場合にこれを再溶製しても
材料損失が著しく大きくなる問題がある。
さらに圧延後の陽極酸化処理による陽極酸化模様の発生
を未然に防止するためには、予め鋳塊の全数検査を行う
ことが望ましいが、このためには著しい手間と時間を必
要とする。
を未然に防止するためには、予め鋳塊の全数検査を行う
ことが望ましいが、このためには著しい手間と時間を必
要とする。
このような事情から、陽極酸化模様を生じさせないため
の方策、換言すれば陽極酸化模様を生じさせるような樅
の水晶組織を鋳塊に発生させないようにするための方策
が従来から強く要望されている。
の方策、換言すれば陽極酸化模様を生じさせるような樅
の水晶組織を鋳塊に発生させないようにするための方策
が従来から強く要望されている。
樅の水晶組織が鋳塊に発生する原因については、従来か
ら数多くの研究がなされでいるが、諸説が提唱されてお
り未だこの現象は充分に解明されているとはいい難いが
、現在では、鋳塊内部の場所によって異なる性質のAl
−Fe系金属間化合物が晶出するためであると考えられ
ている。
ら数多くの研究がなされでいるが、諸説が提唱されてお
り未だこの現象は充分に解明されているとはいい難いが
、現在では、鋳塊内部の場所によって異なる性質のAl
−Fe系金属間化合物が晶出するためであると考えられ
ている。
すなわち、樅の水晶組織の内部領域(A)ではAl6F
eが晶出し、この晶出物は陽極酸化処理液の硫酸によっ
てエツチングされずに陽極酸化皮膜が黒色をなし、−力
積の水晶組織の外部領域(B)ではAl3Fe+A1m
Feが晶出し、この晶出物は硫酸によってエツチングさ
れるため陽極酸化皮膜中に残留せず、このため陽極酸化
皮膜が灰色を呈すると考えられている。
eが晶出し、この晶出物は陽極酸化処理液の硫酸によっ
てエツチングされずに陽極酸化皮膜が黒色をなし、−力
積の水晶組織の外部領域(B)ではAl3Fe+A1m
Feが晶出し、この晶出物は硫酸によってエツチングさ
れるため陽極酸化皮膜中に残留せず、このため陽極酸化
皮膜が灰色を呈すると考えられている。
このようなAA−Fe系金属間化合物の生成は、溶湯の
凝固速度によって支配され、凝固速度の小さい場合には
AJ3Feが晶出し、凝固速度がやや大きい場合にはA
76Feが晶出し、凝固速度が最も大きい場合にA7m
Feが晶出することが実験的に確認されている。
凝固速度によって支配され、凝固速度の小さい場合には
AJ3Feが晶出し、凝固速度がやや大きい場合にはA
76Feが晶出し、凝固速度が最も大きい場合にA7m
Feが晶出することが実験的に確認されている。
このため、連続鋳造時における冷却条件を変えることに
よって樅の水晶組織の外部領域(B)の幅、すなつち鋳
塊の表面から樅の水晶組織の内部境界位置までの距離(
1)(図面参照)を制御することができると考えられ、
従来から、冷却速度を遅くして、上記距離<1)を小さ
くすることが試みられている。
よって樅の水晶組織の外部領域(B)の幅、すなつち鋳
塊の表面から樅の水晶組織の内部境界位置までの距離(
1)(図面参照)を制御することができると考えられ、
従来から、冷却速度を遅くして、上記距離<1)を小さ
くすることが試みられている。
しかしながら冷却条件は樅の水晶組織の面から一元的に
決定されず、塑性加工用鋳塊として必要な冶金的な金属
組織を形成させるには自ら限界値が存在し、かつ連鋳塊
の生産性にも強い影響を与えるため、冷却速度の巾広い
調整は至難であって結局かかる方法のみでは樅の水晶組
織によるトラブルを解消するに至っておらない。
決定されず、塑性加工用鋳塊として必要な冶金的な金属
組織を形成させるには自ら限界値が存在し、かつ連鋳塊
の生産性にも強い影響を与えるため、冷却速度の巾広い
調整は至難であって結局かかる方法のみでは樅の水晶組
織によるトラブルを解消するに至っておらない。
一方、上記樅の水晶組織の内部領域(A)の晶出物に1
6Feは準安定相であって熱的に不安定であり、620
℃において4時間以上加熱すれば安定相であるAl3F
eに変態することが知られている。
6Feは準安定相であって熱的に不安定であり、620
℃において4時間以上加熱すれば安定相であるAl3F
eに変態することが知られている。
したがってこの熱処理を行うことによって樅の水晶組織
を消滅させることができるが、鋳塊内部のすべてのA7
6Fe相を完全に変態させるためには実際にはきわめて
長時間を要するから、実際の製造現場でこの方法を採用
すれば生産性が著しく低下すると共に、設備コストも上
昇するから、実操業では採用困難であった。
を消滅させることができるが、鋳塊内部のすべてのA7
6Fe相を完全に変態させるためには実際にはきわめて
長時間を要するから、実際の製造現場でこの方法を採用
すれば生産性が著しく低下すると共に、設備コストも上
昇するから、実操業では採用困難であった。
また、図示していないが、連続鋳造によって得られるこ
の種の鋳塊の表面には、厚さ数mm以内の粗大セル層が
存在することは不可避であり、かかる層は圧延板の特性
を劣化するため圧延前に予め専ら面前により除かれる。
の種の鋳塊の表面には、厚さ数mm以内の粗大セル層が
存在することは不可避であり、かかる層は圧延板の特性
を劣化するため圧延前に予め専ら面前により除かれる。
この発明において対象とする鋳塊内部組織及び結晶粒は
かかる鋳塊表面の粗大セル層を除外していることはいう
までもない。
かかる鋳塊表面の粗大セル層を除外していることはいう
までもない。
以上のように、従来は樅の水晶組織の問題を完全に解決
することはできなかったのが実情である。
することはできなかったのが実情である。
そこでこの発明の発明者等が樅の水晶組織の発生につい
て研究を重ねたところ、樅の水晶組織の発生が鋳塊表面
の粗大セル層の下層の結晶粒度と密接に関連しているこ
と、ならびに、適量のカルシウムを添加することによっ
て樅の水晶組織の外部領域を著しく拡大しうるとともに
内部領域と外部領域の色相のコントラストを小さくしう
ろことを発見してこの発明を完成した。
て研究を重ねたところ、樅の水晶組織の発生が鋳塊表面
の粗大セル層の下層の結晶粒度と密接に関連しているこ
と、ならびに、適量のカルシウムを添加することによっ
て樅の水晶組織の外部領域を著しく拡大しうるとともに
内部領域と外部領域の色相のコントラストを小さくしう
ろことを発見してこの発明を完成した。
この発明は、圧延後陽極酸化処理を施した場合に陽極酸
化模様の発生しない圧延用アルミニウム合金を提供する
ことを目的とする。
化模様の発生しない圧延用アルミニウム合金を提供する
ことを目的とする。
この発明の圧延用のアルミニウム合金は、鉄0.03〜
2.5%、ならびにケイ素1.0%以下、マグネシウム
5.5%以下、銅0.5%以下、マンガン1.0%以下
およびクロム0.35%以下のうちの1種または2種以
上を含有し、残部アルミニウムおよび不可避不純物から
なり、かつ鋳塊内部にAl−Fe系金属間化合物が晶出
するアルミニウム合金に、カルシウム0.0005〜0
.05%、チタン0.0005〜0.1%およびホウ素
0.0001〜0.02%を含有せしめてなることを特
徴とするものである。
2.5%、ならびにケイ素1.0%以下、マグネシウム
5.5%以下、銅0.5%以下、マンガン1.0%以下
およびクロム0.35%以下のうちの1種または2種以
上を含有し、残部アルミニウムおよび不可避不純物から
なり、かつ鋳塊内部にAl−Fe系金属間化合物が晶出
するアルミニウム合金に、カルシウム0.0005〜0
.05%、チタン0.0005〜0.1%およびホウ素
0.0001〜0.02%を含有せしめてなることを特
徴とするものである。
この発明は前述のように樅の水晶組織による陽極酸化模
様の問題を解決することを主目的とするものであるから
、対象合金は圧延用アルミニウム合金であってかつ鋳塊
に樅の水晶組織が発生するおそれがある組成のもの、す
なわち鋳塊内部にAl−Fe系金属間化合物を晶出する
圧延用アルミニウム合金であり、このような合金として
は、通常Feを0.2%以上含有するアルミニウム合金
として例えばJIS規格の1000番系および5000
番系のアルミニウム合金が存在する。
様の問題を解決することを主目的とするものであるから
、対象合金は圧延用アルミニウム合金であってかつ鋳塊
に樅の水晶組織が発生するおそれがある組成のもの、す
なわち鋳塊内部にAl−Fe系金属間化合物を晶出する
圧延用アルミニウム合金であり、このような合金として
は、通常Feを0.2%以上含有するアルミニウム合金
として例えばJIS規格の1000番系および5000
番系のアルミニウム合金が存在する。
またFeを0.03〜0.07%程度含有するA199
.9%以上の比較的高純度のアルミニウムもこの対象と
なる。
.9%以上の比較的高純度のアルミニウムもこの対象と
なる。
結局、この発明の対象合金は、鉄0.03〜2.5%、
ならびにケイ素1.0%以下、マグネシウム5.5%以
下、銅0.5%以下、マンガン1.0%以下およびクロ
ム0.35%以下のうちの1種または2種以上を含有し
、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、かつ
鋳塊内部にAl−Fe系金属間化合物が晶出する圧延用
アルミニウム合金である。
ならびにケイ素1.0%以下、マグネシウム5.5%以
下、銅0.5%以下、マンガン1.0%以下およびクロ
ム0.35%以下のうちの1種または2種以上を含有し
、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、かつ
鋳塊内部にAl−Fe系金属間化合物が晶出する圧延用
アルミニウム合金である。
上記において、鉄の含有量が0.03%未満であると、
圧延後陽極酸化処理を施した場合、上記ゝ加エバンド”
と称される陽極酸化模様は事実上発生せず、2.5%を
越えるとたとえばAl3FeのようなAl−Fe系金属
間化合物の大きい一次結晶が晶出して、圧延加工性が劣
化したり、あるいは圧延製品の耐食性を損うことになる
ために陽極酸化処理を施す圧延製品を得る合金としては
不適当となる。
圧延後陽極酸化処理を施した場合、上記ゝ加エバンド”
と称される陽極酸化模様は事実上発生せず、2.5%を
越えるとたとえばAl3FeのようなAl−Fe系金属
間化合物の大きい一次結晶が晶出して、圧延加工性が劣
化したり、あるいは圧延製品の耐食性を損うことになる
ために陽極酸化処理を施す圧延製品を得る合金としては
不適当となる。
したがって、対象合金における鉄の含有量は0.03〜
2.5%とする。
2.5%とする。
鉄以外のケイ素、マグネシウム、銅、マンガンおよびク
ロムの含有量は、陽極酸化処理を施す圧延製品の用途に
合わせて、圧延性および深絞り性などの加工性、強度、
耐食性、表面光輝度、陽極酸化皮膜の色調などを考慮し
て上記範囲内で決められる。
ロムの含有量は、陽極酸化処理を施す圧延製品の用途に
合わせて、圧延性および深絞り性などの加工性、強度、
耐食性、表面光輝度、陽極酸化皮膜の色調などを考慮し
て上記範囲内で決められる。
カルシウムは、これを上記アルミニウム合金中に含有せ
しめることにより、樅の氷晶組織の外部領域(B)(図
面参照)を著しく大きくしうるとともに、樅の氷晶組織
の内部領域囚と外部領域(B)との色相のコントラスト
を小さくしうる性質を有する。
しめることにより、樅の氷晶組織の外部領域(B)(図
面参照)を著しく大きくしうるとともに、樅の氷晶組織
の内部領域囚と外部領域(B)との色相のコントラスト
を小さくしうる性質を有する。
外部領域が大きくなると、樅の氷晶が消失するか、ある
いは存在していたとしても圧延により表面に露出しない
ので、圧延後陽極酸化処理を施したとしても、陽極酸化
模様は現われない。
いは存在していたとしても圧延により表面に露出しない
ので、圧延後陽極酸化処理を施したとしても、陽極酸化
模様は現われない。
また、内部領域と外部領域との色相のコントラストが小
さくなると、陽極酸化模様が現われたとしても、この模
様が目立たなくなる。
さくなると、陽極酸化模様が現われたとしても、この模
様が目立たなくなる。
ところが、カルシウムの含有量が0.0005%未満、
あるいは0.05%を越えると、上記の効果は得られな
い。
あるいは0.05%を越えると、上記の効果は得られな
い。
したがって、カルシウムの含有量を0.0005〜0.
05%の範囲内で選ぶべきであるが、特に0.001〜
0.01%の範囲が好ましい。
05%の範囲内で選ぶべきであるが、特に0.001〜
0.01%の範囲が好ましい。
また、カルシウムの添加方法は任意であり、たとえば、
アルミニウム合金溶湯にカルシウム単体を直接添加して
も良く、あるいは母合金として添加しても良い。
アルミニウム合金溶湯にカルシウム単体を直接添加して
も良く、あるいは母合金として添加しても良い。
チタンおよびホウ素は、これらを上記合金に添加含有せ
しめることにより、鋳塊表面の粗大セル層の下層の結晶
粒度を小さくする性質を有する。
しめることにより、鋳塊表面の粗大セル層の下層の結晶
粒度を小さくする性質を有する。
この結晶粒度が小さくなって150μm以下となると、
上記のカルシウムを含有せしめることにより生じる効果
が一層高まる。
上記のカルシウムを含有せしめることにより生じる効果
が一層高まる。
チタンの含有量が0.0005%未満、ならびにホウ素
の含有量がo、oooi%未満であれば上記結晶粒度を
150μm以下にすることが困難であり、チタンの含有
量が0.1%、ホウ素の含有量が0.02%をそれぞれ
越えると、コストアップにつながるとともに、結晶粒の
微細化効果も飽和し、しかも合金の陽極酸化性をも阻害
する。
の含有量がo、oooi%未満であれば上記結晶粒度を
150μm以下にすることが困難であり、チタンの含有
量が0.1%、ホウ素の含有量が0.02%をそれぞれ
越えると、コストアップにつながるとともに、結晶粒の
微細化効果も飽和し、しかも合金の陽極酸化性をも阻害
する。
したがって、チタンの含有量は0.0005〜0.1%
、ホウ素の含有量は0.0001〜0.02%とするべ
きである。
、ホウ素の含有量は0.0001〜0.02%とするべ
きである。
また、チタンおよびホウ素の添加は、たとえばAl−T
i−B母合金をワイヤ状にし、溶湯が炉から流れ出て鋳
造されるまでの過程において連続的に行うことが好まし
く、たとえば鋳造樋に連続的に添加する。
i−B母合金をワイヤ状にし、溶湯が炉から流れ出て鋳
造されるまでの過程において連続的に行うことが好まし
く、たとえば鋳造樋に連続的に添加する。
この発明の圧延用アルミニウム合金は、これを圧延した
後に陽極酸化処理を施しても陽極酸化模様は現われず、
仮に現われたとしてもほとんど目立たないものとなるの
で、外観不良による欠陥製品の発生率がきわめて低くな
り、材料歩留りが著しく向上するとともに不良品を再溶
製する場合の酸化ロスによる材料損失の問題解消され、
さらに不良品発生率がきわめて低くなることに起因して
鋳塊の全数検査の手間を省くことも可能となる。
後に陽極酸化処理を施しても陽極酸化模様は現われず、
仮に現われたとしてもほとんど目立たないものとなるの
で、外観不良による欠陥製品の発生率がきわめて低くな
り、材料歩留りが著しく向上するとともに不良品を再溶
製する場合の酸化ロスによる材料損失の問題解消され、
さらに不良品発生率がきわめて低くなることに起因して
鋳塊の全数検査の手間を省くことも可能となる。
次にこの発明の実施例を比較例とともに示す。
JIS1050,1100および5005アルミニウム
合金の溶湯にカルシウムを添加するとともに、種々の方
法でAl−Ti−B母合金またはAl−Ti母合金を添
加して、これを連続鋳造によって鋳造して、厚さ400
mr、幅900mr、長さ2000mmの圧延用スラグ
を得た。
合金の溶湯にカルシウムを添加するとともに、種々の方
法でAl−Ti−B母合金またはAl−Ti母合金を添
加して、これを連続鋳造によって鋳造して、厚さ400
mr、幅900mr、長さ2000mmの圧延用スラグ
を得た。
鋳造条件は、出湯温度720℃、鋳造速度75mm/m
inである。
inである。
なお上記母合金添加後は、脱ガスのため塩素吹込み処理
を行った。
を行った。
得られた圧延用スラブを底部から1000mmの位置で
切断して横断面試料を切出し、この試料に15%H2S
O4浴で陽極酸化電解処理を施した。
切断して横断面試料を切出し、この試料に15%H2S
O4浴で陽極酸化電解処理を施した。
この後、樅の氷晶組織の発生の有無を観察するとともに
、これが発生している場合には、試料のスラブ表面から
樅の水晶組織境界までの距離(1)(図面参照)を測定
した。
、これが発生している場合には、試料のスラブ表面から
樅の水晶組織境界までの距離(1)(図面参照)を測定
した。
さらに、スラブ表面から50mm内側の位置の結晶粒度
を切断法により測定した。
を切断法により測定した。
なお、上記距離(7)と結晶粒度の測定箇所は、スラブ
圧延面に相当する幅900mmの上、下面にそれぞれ等
間隔に5ケ所、計10ケ所とした。
圧延面に相当する幅900mmの上、下面にそれぞれ等
間隔に5ケ所、計10ケ所とした。
また結晶粒度は、上記試料を1.8%BHF4で電解し
てエツチングし、これを偏光顕微鏡下において測定した
。
てエツチングし、これを偏光顕微鏡下において測定した
。
その結果を下表に示す。上表から明らかなように、カル
シウムを0.0005〜0.05%の範囲内で含有する
とともに、鋳塊表面の粗大セル層の下層の結晶粒度が1
50μm以下であるアルミニウム合金には、樅の水晶組
織は発生しないのに対し、そうでないアルミニウム合金
は樅の水晶組織を発生し、そのときの表面から樅の水晶
組織境界までの距離も小さい。
シウムを0.0005〜0.05%の範囲内で含有する
とともに、鋳塊表面の粗大セル層の下層の結晶粒度が1
50μm以下であるアルミニウム合金には、樅の水晶組
織は発生しないのに対し、そうでないアルミニウム合金
は樅の水晶組織を発生し、そのときの表面から樅の水晶
組織境界までの距離も小さい。
図面は従来の圧延用アルミニウム合金鋳塊の断面に現わ
れる樅の水晶組織を示す説明図である。
れる樅の水晶組織を示す説明図である。
Claims (1)
- 1 鉄0.03〜2.5%、ならびにケイ素1.0%以
下、マグネシウム5.5%以下、銅0.5%以下、マン
ガン1.0%以下およびクロム0.35%以下のうちの
1種または2種以下を含有し、残部アルミニウムおよび
不可避不純物からなり、かつ鋳塊内部にAl−Fe系金
属間化合物が晶出するアルミニウム合金に、カルシウム
0.0005〜0,05%、チタン0.0005〜0.
1%およびホウ素0.0001〜0.02%を含有せし
めてなることを特徴とする圧延用アルミニウム合金。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP54150942A JPS5810455B2 (ja) | 1979-11-20 | 1979-11-20 | 圧延用アルミニウム合金 |
US06/208,383 US4377425A (en) | 1979-11-20 | 1980-11-19 | Cast ingot of aluminum alloy available for rolling operation and method for manufacturing the same |
DE19803043702 DE3043702A1 (de) | 1979-11-20 | 1980-11-19 | Gussblock aus einer aluminiumlegierung und verfahren zu seiner herstellung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP54150942A JPS5810455B2 (ja) | 1979-11-20 | 1979-11-20 | 圧延用アルミニウム合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5672148A JPS5672148A (en) | 1981-06-16 |
JPS5810455B2 true JPS5810455B2 (ja) | 1983-02-25 |
Family
ID=15507777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP54150942A Expired JPS5810455B2 (ja) | 1979-11-20 | 1979-11-20 | 圧延用アルミニウム合金 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4377425A (ja) |
JP (1) | JPS5810455B2 (ja) |
DE (1) | DE3043702A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005194625A (ja) * | 2003-12-12 | 2005-07-21 | Showa Denko Kk | アルミニウム合金鋳塊の製造方法、アルミニウム合金鋳塊及びアルミニウム合金材 |
JP2011174182A (ja) * | 2003-12-12 | 2011-09-08 | Showa Denko Kk | アルミニウム合金鋳塊の製造方法 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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