JPH11998A - インクジェットプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オリフィスからの噴射インクのノズルプレー
ト表面再付着によるインク滴がノズルプレート表面の下
端に溜まり、印刷物を汚染するという不具合を解消する
ことを課題とする。 【解決手段】 インク噴射機構を含むインクジェット部
の、下部端面に鋸刃形状の部分を設けることによって、
ノズルクリーニングなどによってノズルから排出された
インクは鋸刃の先端に集められ、ワイピング動作などに
よって取り除きやすい。また、ワイピング動作などによ
って取り除ききれなかったインクも鋸刃の先端部分に保
持されることによって、印刷物などに影響を及ぼしにく
い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタの構成に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】インクジェットプリンタは、印刷用紙を
ヘッドの前面約１ｍｍの位置に置き、なんらかの噴射エ
ネルギにより、プリントヘッド内のオリフィスからイン
ク液滴を噴出してカラー印刷する装置である。

【０００３】インクジェットプリントヘッドでは、イン
ク噴射の途中にオリフィス内部に気泡を取り込んだり、
紙粉等の汚れがオリフィスの表面に付着すると印字不良
を生ずる。そこで、オリフィスの回復処理として、プリ
ントヘッド内のインクをオリフィスから吐き出すと同時
に、オリフィス内部の気泡や汚れを除去している（これ
をパージと呼ぶ）。

【０００４】前記パージの際、複数のオリフィスで構成
されたノズルプレート表面（印刷用紙と当接している
面）には廃インクが充満するので、ノズルプレート表面
に吸インク性の良い用紙を当て廃インクを吸収したり、
ゴムブレードでノズル面を拭くことによりノズル面を清
掃している（これをノズルクリーニングと呼ぶ）。

【０００５】上述のノズルクリーニング方法では、廃イ
ンクがノズルプレート表面に薄い皮膜となって残った
り、オリフィスからの噴射インク滴が異常吐出してノズ
ルプレート表面に再付着し、ノズルプレート表面下部近
傍にインクが溜まる。その対策法としては、こまめにノ
ズルプレート表面をクリーニングすることが良いと考え
られる。しかし、通常のインクジェットプリンタにおい
て、１枚の印刷を完了する途中でクリーニング処理を行
うことは、印刷品質の低下を招くので余り好ましくはな
い。

【０００６】一方、オリフィスが１列で形成されたプリ
ントヘッドでの印刷の場合には、オリフィス表面の近傍
にだけ印刷用紙を近づけるようにプラテンローラによる
送り方法が用いられるので、ノズルプレート表面下部近
傍に溜まったインクが直接印刷用紙に触れることがな
い。しかしながら、オリフィスが縦横マトリックス配列
されているプリントヘッドで印刷する場合には、プラテ
ンローラ方式が使えないため、ノズルプレート表面の下
部近傍に溜まったインクが印刷用紙を汚してしまうとい
う問題があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
プリンタでは、インク噴射機構を含むインクジェット部
の外形は直線で取り囲まれており、このためオリフィス
からの噴射インク滴が異常吐出してノズルプレート表面
に再付着し、ノズルプレート表面下部にインクが溜ま
り、印刷物を汚染するという問題点があった。

【０００８】本発明は、印刷物の汚染を防止したインク
ジェットプリンタを提供することを課題とする。更に言
えば、本発明は、ノズルプレート表面の廃インクを強制
的に溜めやすくすること、溜まったインクが印刷物を汚
すことのないよう印刷物との位置関係を保つことを狙っ
たものである。

【０００９】

【発明が解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、何らかの噴射エネルギにより液
滴状のインクを対向位置にある印刷媒体へ噴射させるプ
リントヘッドと、該プリントヘッドに設けられたノズル
プレートと、インク液滴の噴射口となるべく前記ノズル
プレートに設けられているオリフィスと、前記プリント
ヘッドを摺動自在にするシャフトと、ノズルプレートに
当接、離間可能なワイピング手段とを有するインクジェ
ットプリンタにおいて、前記ノズルプレートは、その下
部が鋸刃形状であって、かつ下端部方向に向かって印刷
媒体より後退するように先細りした形状とした。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下本発明を図面に基づいて説明
する。

【００１１】図１は、本発明によるインクジェットプリ
ンタの斜視図である。プリンタ１は、プリントヘッド１
１と、該プリントヘッドを担持するシャフト１５、１６
と、プリントヘッドを摺動自在に動作させる送りベルト
１８と、該送りベルトを駆動するモータ１９と、前記シ
ャフト１５、１６やモータ１９を固定するフレーム２０
と、ワイピングユニット３０とで構成されている。プリ
ントヘッド１１の前部にはマトリックス配列されたオリ
フィス１２を有するノズルプレート１３が形成されてい
る。１４はノズルプレート下部である。ワイピングユニ
ット３０は、通常はノズルプレート１３から離間した位
置に配設されている。ワイピングユニット３０は、ブレ
ード３１と、シャフト３３と、ソレノイド３４とで構成
されている。

【００１２】図２は、ノズルプレート表面のクリーニン
グを示したものである。ソレノイド３４に電圧を印加な
いしブレード部をスプリングで押し出すように負荷した
状態でソレノイドの印加電圧を解くことによって、ブレ
ード３１がプリントヘッド１１のノズルプレート１３の
表面に当接する。この状態でプリントヘッド１１を左右
に移動することにより、ノズルクリーニングは簡単に行
える。しかし、ノズルプレート１３の表面には表面張力
で残っているインク膜があり、かつ印字途中でオリフィ
スから噴出したインク液滴がノズルプレート１３の表面
に付着して、次第にノズルプレート１３の表面の付着イ
ンクの量が増えて行く。

【００１３】図３は、付着インクの流れを示したもので
ある。ノズルプレート１３の表面に溜まったインクは、
大きくなると重力によりノズルプレート表面の下部近傍
１４に集まってくる。ここでノズルプレート表面下部が
鋸刃形状になっているとインクは早く大きな液滴に成長
できる。しかも、下端部に向かってテーパ（先細り形
状）となっていることにより、インク滴に成長しても印
刷用紙に直接触れることがなくなる。

【００１４】図４は、本発明の構成におけるノズルプレ
ート表面１３と印刷用紙の位置関係を示したものであ
る。インク滴が成長するに従い重力により下方に下がっ
てくるが、ノズルプレート１３の表面が用紙３６から後
退するようになっているため、インク滴と用紙間の距離
を広くすることが出来る。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、オリフィスからの噴射
インクのノズルプレート表面再付着によるインク滴が発
生しても印刷物を汚染しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一例を示すインクジェットプリンタ
の斜視図

【図２】 プリントヘッドとワイピングユニットの関係
を示す斜視図

【図３】 オリフィスプレートの斜視図

【図４】 プリントヘッドと用紙位置関係を示す断面図

【符号の説明】

１１はプリントヘッド、１２はオリフィス、１３はノズ
ルプレート、１４はノズル下面、１５、１６はシャフ
ト、１８は送りベルト、３１はブレード

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】何らかの噴射エネルギにより液滴状のイン
   クを対向位置にある印刷媒体へ噴射させるプリントヘッ
   ドと、該プリントヘッドに設けられたノズルプレート
   と、インク液滴の噴射口となるべく前記ノズルプレート
   に設けられているオリフィスと、前記プリントヘッドを
   摺動自在にするシャフトと、ノズルプレートに当接、離
   間可能なワイピング手段とを有するインクジェットプリ
   ンタにおいて、 前記ノズルプレートは、その下部が鋸刃形状であって、
   かつ下端部方向に向かって印刷媒体より後退するように
   先細りしていることを特徴とするインクジェットプリン
   タ。