JPH1199814A - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JPH1199814A
JPH1199814A JP26655497A JP26655497A JPH1199814A JP H1199814 A JPH1199814 A JP H1199814A JP 26655497 A JP26655497 A JP 26655497A JP 26655497 A JP26655497 A JP 26655497A JP H1199814 A JPH1199814 A JP H1199814A
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JP
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damping force
force characteristic
variable
vehicle
extension
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JP26655497A
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Katsumi Tanaka
克己 田中
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両の操縦安定性を重視したショックアブソー
バの減衰力特性制御モードにおいて、極低周波の揺れを
抑制し、かつ、急制動時、急加速時、操舵時等における
車両の初期挙動を制御遅れなく抑制できる車両懸架装置
の提供。 【解決手段】少なくとも伸行程および圧行程が共に高減
衰力特性となる減衰力特性ポジションへの設定が可能な
減衰力特性可変型ショックアブソーバaと、車両上下挙
動検出手段bで検出された上下方向挙動信号に基づいて
各減衰力特性可変型ショックアブソーバaの減衰力特性
制御を行う少なくとも内容を異にする2種類の制御モー
ドを有し、少なくとも一方の制御モードにおいては車両
の上下方向挙動が0付近にある状態での初期設定ポジシ
ョンが伸行程および圧行程共に高減衰力特性となる減衰
力特性ポジションとして減衰力特性の可変制御が行われ
るように構成された減衰力特性制御手段cと、を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバの
減衰力特性を最適制御する車両懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、減衰力特性を変更する制御を行う
減衰力可変型ショックアブソーバのなかで、特に、コン
トロールバルブの回動により、伸側と圧側の減衰力特性
を独立に変更可能に構成されたものとしては、例えば、
特開平8−58333号公報に記載の減衰力可変型ショ
ックアブソーバがある。即ち、この従来の減衰力可変型
ショックアブソーバは、ピストン上部室と下部室とをバ
イパスする可変流路を回転可能な可変バルブの回転角度
によって伸側減衰力が大となり圧側減衰力が小となる第
1モードと、伸側減衰力が小となり圧側減衰力が大とな
る第2モードと、伸側、圧側の減衰力が共に中程度とな
る第3モードに可変できる構造となっている。そして、
一般に電子制御サスペンションにおいては、減衰力セレ
クトスイッチが設けられ、乗り心地を重視したオートモ
ードと、操縦安定性を重視したスポーツモードとのセレ
クト設定が可能であり、特にスポーツモードにおいて
は、オートモードに比べ高減衰力特性可変領域側におい
て車両挙動の大きさに比例した減衰力特性の可変制御が
行われるような構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来例においては、スポーツモードにおいても、
低減衰力特性を初期設定ポジションとし、車両挙動の大
きさに比例して高減衰力特性側に減衰力特性の可変制御
が行われる構成であるため、車両の挙動が微振幅の極低
周波状態である場合には、初期設定ポジションである低
減衰力特性に設定されるため、車両挙動の制振性が不足
し、極低周波の揺れを抑制することができないという問
題点があった。また、上述のようにスポーツモードにお
いても、初期設定ポジションが低減衰力特性であるた
め、高減衰力特性に切り替わるまでの制御応答性との関
係で、特に車両の急制動、急加速時における車両の初期
ピッチ挙動(ダイブ、スカット)および操舵時における
車両の初期ロール挙動等を抑制することができないとい
う問題点があった。
【0004】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、車両の操縦安定性を重視したショック
アブソーバの減衰力特性制御モードにおいて、極低周波
の揺れを抑制することができ、かつ、急制動時、急加速
時、操舵時等における車両の初期挙動を制御遅れなく抑
制することができる車両懸架装置を提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明請求項1記載の車両懸架装置では、少なく
とも伸行程および圧行程が共に高減衰力特性となる減衰
力特性ポジションへの設定が可能な減衰力特性可変型シ
ョックアブソーバaと、車両の上下方向挙動を検出する
車両上下挙動検出手段bと、該車両上下挙動検出手段b
で検出された上下方向挙動信号に基づいて前記各減衰力
特性可変型ショックアブソーバaの減衰力特性制御を行
う少なくとも内容を異にする2種類の制御モードを有
し、少なくとも一方の制御モードにおいては前記車両上
下挙動検出手段bで検出された車両の上下方向挙動が0
付近にある状態での初期設定ポジションが伸行程および
圧行程共に高減衰力特性となる減衰力特性ポジションと
して減衰力特性の可変制御が行われるように構成された
減衰力特性制御手段cと、を備えている手段とした。請
求項2記載の車両懸架装置では、請求項1において、前
記減衰力特性可変型ショックアブソーバaの減衰力特性
変更手段が、伸行程側および圧行程側が共に低減衰力特
性に固定の第1領域と、伸行程側が低減衰力特性に固定
で圧行程側のみが低減衰力特性から高減衰力特性まで変
更可能な第2可変領域と、圧行程側が低減衰力特性に固
定で伸行程側のみが低減衰力特性から高減衰力特性まで
変更可能な第3可変領域と、伸行程側が高減衰力特性に
固定で圧行程側のみが高減衰力特性から低減衰力特性ま
で変更可能な第4可変領域との設定が可能であり、該減
衰力特性変更手段の駆動方向に沿って第4可変領域、第
3可変領域、第1領域、第2可変領域の順で配置され、
前記減衰力特性制御手段cが、前記車両上下挙動検出手
段bで検出された上下方向挙動信号に基づいて前記各減
衰力特性可変型ショックアブソーバaの減衰力特性制御
を行う少なくとも内容を異にする第1制御モードと第2
制御モードとを有し、前記第1制御モードでは前記第1
領域と第2可変領域と第3可変領域内において減衰力特
性制御を行い、前記第2制御モードでは前記第3可変領
域と第4可変領域内において減衰力特性制御を行い、前
記第1制御モードにおいては前記第1領域を前記車両上
下挙動検出手段で検出された車両の上下方向挙動が0付
近にある状態での初期設定ポジションとして減衰力特性
の可変制御が行われるように構成されている手段とし
た。請求項3記載の車両懸架装置では、請求項2におい
て、前記第2制御モードが、前記車両上下挙動検出手段
で検出された車両の上下方向挙動が上方向である時は前
記第4領域側において伸行程側を高減衰力特性に固定す
る一方で圧行程側の減衰力特性を車両の上下方向挙動に
応じて可変制御し、下方向である時は伸行程側および圧
行程側が共に高減衰力特性となるポジションに固定する
ように構成されている手段とした。請求項4記載の車両
懸架装置では、請求項2または3において、前記第1制
御モードが、前記車両上下挙動検出手段bで検出された
車両の上下方向挙動が0付近である時は第1領域に制御
し、上方向である時は前記第1領域を基準とし第3可変
領域側において圧行程側の減衰力特性を低減衰力特性に
固定する一方で伸行程側の減衰力特性を車両の上下方向
挙動に応じて可変制御し、下方向である時は第2可変領
域側において伸行程側の減衰力特性を低減衰力特性に固
定する一方で圧行程側の減衰力特性を車両の上下方向挙
動に応じて可変制御するように構成されている手段とし
た。請求項5記載の車両懸架装置では、請求項2または
3において、車両の上下方向挙動に対し減衰力特性の可
変制御を行わない不感帯領域を設定し、車両の上下方向
挙動が該不感帯領域内にある時は、第1制御モードにお
いては減衰力特性変更手段を第1領域に維持させ、第2
制御モードにおいては減衰力特性変更手段を伸行程側お
よび圧行程側が共に高減衰力特性となるポジションに維
持させるように構成されている手段とした。請求項6記
載の車両懸架装置では、請求項1〜5において、前記減
衰力特性可変型ショックアブソーバaの減衰力特性変更
手段が、筒状部材の外周に装着されていてシリンダ内を
2室に画成して摺動するピストンボディには2室間を連
通する伸側連通孔および圧側連通孔が設けられ、前記ピ
ストンボディの軸方向両端面には伸側連通孔および圧側
連通孔の流通をそれぞれ制限的に許容することで高い減
衰力を発生させる伸側高減衰バルブおよび圧側高減衰バ
ルブが設けられ、前記筒状部材内に回動子が回転自在に
設けられていて、筒状部材に形成された複数のポートと
回動子の外周に軸方向直列に形成された伸側連通溝およ
び圧側連通溝とによって、伸側高減衰バルブをバイパス
して伸側連通孔と伸側低圧室との間を連通させる伸側バ
イパス流路および該伸側バイパス流路の流路断面積を回
動子の回動に基づいて変化可能な伸側可変絞りと、圧側
高減衰バルブをバイパスして圧側連通孔と圧側低圧室と
の間を連通させる圧側バイパス流路および該圧側バイパ
ス流路の流路断面積を回動子の回動に基づいて変化可能
な圧側可変絞りとが形成され、前記ピストンボディの軸
方向両端面には圧側サブボディおよび伸側サブボディが
直列に組み込まれていて、この圧側サブボディおよび伸
側サブボディには圧側バイパス流路および伸側バイパス
流路の流通をそれぞれ制限的に許容することで低い減衰
力を発生させる圧側チェックバルブおよび伸側チェック
バルブが設けられ、前記回動子の回動領域として、圧側
可変絞りの絞り開度が常に大で伸側可変絞りの絞り開度
が大から小もしくは0まで可変する第1可変領域と、伸
側可変絞りの絞り開度が常に大で圧側可変絞りの絞り開
度が大から小もしくは0まで可変する第2可変領域と、
伸側可変絞りおよび圧側可変絞りの絞り開度が共に常に
大の領域と、伸側可変絞りまたは圧側可変絞りのいずれ
か一方の絞り開度が常に小もしくは0で他方の絞り開度
が大から小もしくは0まで可変する第3可変領域と、を
有した構成である手段とした。
【0006】
【作用】本発明請求項1記載の車両懸架装置は、上述の
ように、内容を異にする2種類の制御モードのうち、一
方の制御モードにおいては、前記車両上下挙動検出手段
bで検出された車両の上下方向挙動が0付近にある状態
での初期設定ポジションが伸行程および圧行程共に高減
衰力特性に設定されるもので、これにより、極低周波の
揺れも高減衰力特性により抑制することができると共
に、急制動時、急加速時、操舵時等における車両の初期
挙動を制御遅れなく抑制することができる。請求項3記
載の車両懸架装置では、前記第2制御モードにおいて、
車両の上下方向挙動が上方向である時は前記第4領域側
において伸行程側を高減衰力特性に固定する一方で圧行
程側の減衰力特性を車両の上下方向挙動に応じて可変制
御し、下方向である時は伸行程側および圧行程側が共に
高減衰力特性となるポジションに固定されるため、車両
の上下両挙動方向が共に高減衰力特性により抑制される
一方で、少なくとも車両挙動が上方向である時の路面か
らの突き上げによる車体への伝達が圧行程側の低減衰力
特性により吸収されるため、乗り心地悪化を抑制するこ
とができる。請求項4記載の車両懸架装置では、第1制
御モードにおいて、前記車両上下挙動検出手段bで検出
された車両の上下方向挙動が0付近である時は第1領域
に制御し、上方向である時は前記第1領域を基準とし第
3可変領域側において圧行程側の減衰力特性を低減衰力
特性に固定する一方で伸行程側の減衰力特性を車両の上
下方向挙動に応じて可変制御し、下方向である時は第2
可変領域側において伸行程側の減衰力特性を低減衰力特
性に固定する一方で圧行程側の減衰力特性を車両の上下
方向挙動に応じて可変制御が行われるものであり、この
ため、車両の上下方向挙動とばね上ばね下間相対速度の
方向が一致する車両の制振域においてはその時の行程側
の減衰力特性を高減衰力特性とすることで、車両の制振
力を高めると共に、車両の上下方向挙動とばね上ばね下
間相対速度の方向が不一致となる車両の加振域において
はその時の行程側の減衰力特性を低減衰力特性にするこ
とにより、車両の加振力を弱める、といったスカイフッ
ク理論に基づいた基本的な減衰力特性の切り換え制御が
行なわれるもので、以上のように、その時の行程側の減
衰力特性を車両の上下方向挙動の大きさに応じた値に制
御することで、第1制御モードにおいては車両の乗り心
地を向上させることができる。請求項5記載の車両懸架
装置では、圧側可変絞りの絞り開度が常に大で伸側可変
絞りの絞り開度が大から小もしくは0まで可変する第1
可変領域においては、圧行程側では圧側連通孔および圧
側バイパス流路を経由し圧側チェックバルブを開弁して
流体が流通することで低減衰力特性となり、伸行程側で
は伸側連通孔および伸側バイパス流路を経由し伸側チェ
ックバルブを開弁して流体が流通する流量が伸側可変絞
りの絞り開度に応じて制限されることで、絞り開度に応
じた高減衰力特性となる。また、伸側可変絞りの絞り開
度が常に大で圧側可変絞りの絞り開度が大から小もしく
は0まで可変する第2可変領域においては、伸行程側で
は伸側連通孔および伸側バイパス流路を経由し伸側チェ
ックバルブを開弁して流体が流通することで低減衰力特
性となり、圧行程側では圧側連通孔および圧側バイパス
流路を経由し圧側チェックバルブを開弁して流体が流通
する流量が圧側可変絞りの絞り開度に応じて制限される
ことで、絞り開度に応じた高減衰力特性となる。また、
伸側可変絞りおよび圧側可変絞りの絞り開度が共に常に
大となる領域においては、伸行程側および圧行程側が共
に低減衰力特性となる。また、伸側可変絞りまたは圧側
可変絞りのいずれか一方の絞り開度が常に小もしくは0
で他方の絞り開度が大から小もしくは0まで可変する第
3可変領域においては、圧行程側または伸行程側のいず
れか一方の行程側が常に高減衰力特性で、他方の行程側
が可変絞りの絞り開度に応じた高減衰力特性となる。以
上のように、領域の可変操作は回動子の回動によりなさ
れるものであり、従って、減衰力特性の4つのモードの
切り換え制御を1つのアクチュエータにより行うことが
できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図2は、本発明の実施の形態の車両懸架
装置を示す構成説明図であり、車体と4つの車輪との間
に介在されて、4つの減衰力可変型ショックアブソーバ
SAFL,SAFR,SARL,SARR(なお、ショックアブ
ソーバを説明するにあたり、これら4つをまとめて指す
場合、およびこれらの共通の構成を説明する時にはただ
単にSAと表示する。また、右下の符号は車輪位置を示
すもので、FLは前輪左,FRは前輪右,RLは後輪左,RR
後輪右をそれぞれ示している。)が設けられている。そ
して、各車輪位置には、上下方向の加速度G(GFL,G
FR,GRL,GRR)を検出するばね上上下加速度センサ
(以後、上下Gセンサという)Gc(GcFL,GcFR
GcRL,GcRR)が設けられ、また、車内運転席の近傍
位置には、車両の乗り心地を重視したオートモードと、
操縦安定性を重視したスポーツモードとの減衰力特性制
御モードの切り換えを行うセレクトスイッチ2が設けら
れ、さらに、各上下GセンサGc(GcFL,GcFR,G
RL,GcRR)からの信号、および、セレクトスイッチ
2からの制御モード切り換え信号を入力し、各ショック
アブソーバSAFL,SAFR,SARL,SARRのパルスモ
ータ30に駆動制御信号を出力するコントロールユニッ
ト40が設けられている。
【0008】以上の構成を示すのが図3のシステムブロ
ック図であって、コントロールユニット40は、インタ
フェース回路40a,CPU40b,駆動回路40cを
備え、前記インタフェース回路40aに、前記上下Gセ
ンサGc(GcFL,GcFR,GcRL,GcRR)からのば
ね上上下加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号およ
びセレクトスイッチ2からの制御モード切り換え信号が
入力され、コントロールユニット40では、これらの入
力信号に基づいて各ショックアブソーバSA(SAFL
SAFR,SARL,SARR)の減衰力特性制御が行なわれ
る。
【0009】また、前記コントロールユニット40に
は、前記各上下GセンサGc(GcFL,GcFR,G
RL,GcRR)からのばね上上下加速度G(GFL
FR,GRL,GRR)信号に基づいて、各ショックアブソ
ーバSAの減衰力特性制御を行なうためのばね上上下速
度VB信号を求める信号処理回路(図10)が設けられ
ている。なお、この信号処理回路の詳細については後述
する。
【0010】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
要部の構成を示す断面図であって、このショックアブソ
ーバSAは、ピストンロッド1(筒状部材)の先端外周
にシリンダ2内を摺動すると共にシリンダ2内部を上部
室Aと下部室Bとに画成するピストンPが取り付けられ
ている。
【0011】即ち、このピストンPは、ピストンボディ
3とその上下に直列に組み込まれた圧側サブボディ4お
よび伸側サブボディ5とで構成されていて、ピストンボ
ディ3の外周面には、シリンダ2との間を摺動自在にシ
ールするピストンリング6が装着されている。
【0012】前記ピストンボディ3には、図5および図
6にもその詳細を示すように、下部室Bから上部室A方
向への流れを確保する圧側連通孔3aと、上部室Aから
下部室B方向への流れを確保する伸側連通孔3bとが周
方向交互に4つづつ設けられ、また、ピストンボディ3
の上面には、圧側連通孔3aと連通した圧側中間受圧室
3eを形成する圧側シート面3cが突出形成され、ピス
トンボディ3の下面には、伸側連通孔3bと連通した伸
側中間受圧室3fを形成する伸側シート面3dが突出形
成されている。そして、ピストンボディ3の上面には圧
側シート面3cに当接して圧側連通孔3aの流れを制限
的に許容する圧側高減衰バルブ7が設けられ、かつ、ピ
ストンボディ3の下面には伸側シート面3dに当接して
伸側連通孔3bの流れを制限的に許容する伸側高減衰バ
ルブ8が設けられている。
【0013】前記圧側サブボディ4の上面には、圧側受
圧室4aを形成して圧側シート面4bが突出形成され、
この圧側シート面4bに当接して圧側チェックバルブ9
が設けられている。また、前記伸側サブボディ5の下面
には、伸側受圧室5aを形成して伸側シート面5bが突
出形成され、この伸側シート面5bに当接して伸側チェ
ックバルブ10が設けられている。
【0014】なお、前記ピストンロッド1には、各バル
ブ7,8,9,10の開弁方向の撓みを許しながらその
撓み量を所定量に抑えるためにワッシャ12a,12
b,12c,12dおよびリテーナ13a,13bが設
けられている。
【0015】前記ピストンロッド1を軸方向に貫通形成
された貫通孔1e内には、略円柱形状のコントロールバ
ルブ(回動子)14が回動自在に挿入されていて、この
コントロールバルブ14の外周に径方向に対向してそれ
ぞれ軸方向に形成された圧側連通溝14a,14aとピ
ストンロッド1に径方向に形成された第1横孔(ポー
ト)1aおよび第2横孔(ポート)1bとピストンボデ
ィ3の上端面に形成された圧側中間受圧室3eにより、
圧側高減衰バルブ7をバイパスして圧側連通孔3aと上
部室(圧側低圧室)Aとの間を連通する圧側バイパス流
路IIが形成され、また、コントロールバルブ14の外周
に径方向に対向してそれぞれ軸方向に形成された伸側連
通溝14b,14bとピストンロッド1に径方向に形成
された第3横孔(ポート)1cおよび第4横孔1d(ポ
ート)と伸側サブボディ5の下端面に形成された伸側中
間受圧室3fにより、伸側高減衰バルブ8をバイパスし
て伸側連通孔3bと下部室(伸側低圧室)Bとの間を連
通する伸側バイパス流路Iが形成されている。
【0016】そして、前記圧側連通溝14a,14aと
第1横孔1aおよび第2横孔1bとの間で圧側可変絞り
2 を形成させ、また、伸側連通溝14bと第3横孔1
cおよび第4横孔1dとの間で伸側可変絞りR1 を形成
させていて、コントロールバルブ14を回動させること
によってその絞り開度を独立して変化可能となってい
る。なお、前記コントロールバルブ14は、貫通孔1e
内に延在されているコントロールロッド15により図外
のパルスモータ30からの駆動力を入力可能に連結され
ていて、前記パルスモータ30は、ばね上上下速度VB
に基づいて駆動制御されるようになっている。また、コ
ントロールバルブ14の下側位置には、抜け止め用のプ
ラグ16が貫通孔1eに嵌め込まれて設けられている。
【0017】本発明の実施の形態では、以上のような構
成としたため、伸行程で流体が流通可能な流路として
は、上部室Aから伸側連通孔3bを経由して伸側中間受
圧室3fに流入し、その位置で伸側高減衰バルブ8を開
弁して下部室Bに流入する伸側主流路Dと、前記伸側連
通孔3bから伸側高減衰バルブ8をバイパスし、伸側バ
イパス流路Iを通り伸側チェックバルブ10を開弁して
下部室Bに流入する伸側副流路Eとがあり、また、圧行
程で流体が流通可能な流路としては、下部室Bから圧側
連通孔3aを経由して圧側中間受圧室3eの位置で圧側
高減衰バルブ7を開弁して上部室Aに流入する圧側主流
路Fと、前記圧側連通孔3aから圧側高減衰バルブ7を
バイパスし、圧側バイパス流路IIを通り圧側チェックバ
ルブ9を開弁して上部室Aに流入する圧側副流路Gとが
ある。
【0018】また、コントロールバルブ14は、その回
動に基づいて減衰力特性ポジションを図7に示す4つの
ポジション、即ち、H-S 特性ポジション、S-H 特性ポジ
ション、S-S 特性ポジション、および、H-H 特性ポジシ
ョンの範囲内で任意のポジション位置に切り換え可能と
なっている。なお、図9に減衰力特性切換特性および各
流路E,Gの開閉状況を示す。
【0019】まず、図7の S-S特性ポジション(図9の
)では、伸側可変絞りR1 および圧側可変絞りR2
全て開かれていて、図8のS−S欄に示すように、伸側
主流路D、伸側副流路E、圧側主流路F、圧側副流路G
の全てが流通可能となっている。従って、伸行程時に
は、低ピストン速度域では、流体が流通抵抗の小さい伸
側副流路Eを流通し、ピストン速度が早くなるにつれて
伸側主流路Dを流通し、これにより、伸行程の減衰力特
性はソフトの状態となる。また、圧行程時には、低ピス
トン速度域では、流体が流通抵抗の小さい圧側副流路G
を流通し、ピストン速度が早くなるにつれて圧側主流路
Fを流通し、これにより、圧行程の減衰力特性はソフト
の状態となる(S-S 特性)。
【0020】また、図7の S-H特性ポジション(図9の
)では、以上とは逆に伸側可変絞りR1 が開いて圧側
可変絞りR2 が閉じられていて、図8のS−H欄に示す
ように、圧側主流路F、伸側主流路D、伸側副流路Eの
みが流通可能となっている。従って、伸行程の減衰力特
性はソフトの状態となるが、圧行程の減衰力特性はハー
ドの状態となる(S-H 特性)。
【0021】また、図7の H-S特性ポジション(図9の
)では、圧側可変絞りR2 が開いて伸側可変絞りR1
が閉じられていて、図8のH−S欄に示すように、伸側
主流路D、圧側主流路F、圧側副流路Gのみが流通可能
となっている。従って、圧行程の減衰力特性はソフトの
状態となるが、伸行程の減衰力特性はハードの状態とな
る(H-S 特性)。
【0022】また、図7の H-H特性ポジション(図9の
)では、伸側可変絞りR1 および圧側可変絞りR2
共に閉じられていて、図8のH−H欄に示すように、圧
側主流路Fおよび伸側主流路Dのみが流通可能となって
いる。従って、圧行程および伸行程の減衰力特性は共に
ハードの状態となる(H-H 特性)。
【0023】また、図7の S-S特性ポジションから H-S
特性ポジション方向へ切り換えるべくコントロールバル
ブ14を反時計方向に回動させていくと、伸側可変絞り
1の絞り開度が絞られて、伸側副流路Eの流路断面積
が減少してくるため、圧行程はソフト状態のままで伸行
程の減衰力特性のみが次第に高くなる(H-S 特性領域
(第2可変領域))。
【0024】また、図7の S-S特性ポジションから S-H
特性ポジション方向へ切り換えるべくコントロールバル
ブ14を時計方向に回動させていくと、圧側可変絞りR
2 の絞り開度が絞られて、圧側副流路Gの流路断面積が
減少してくるため、伸行程はソフト状態のままで圧行程
の減衰力特性が次第に高くなる(S-H 特性領域(第3可
変領域))。
【0025】さらに、図7の H-S特性ポジションから H
-H特性ポジション方向へ切り換えるべくコントロールバ
ルブ14を反時計方向に回動させていくと、圧側可変絞
りR2 の絞り開度も絞られて、圧側副流路Gの流路断面
積が減少してくるため、伸行程側の減衰力特性はハード
状態のままで圧行程側の減衰力特性が次第に高くなる
(H-H 特性領域(第4可変領域))。
【0026】次に、コントロールユニット40の制御作
動のうち、各ショックアブソーバSAの減衰力特性制御
を行なうばね上上下速度VBを求めるための信号処理回
路の構成を、図10のブロック図に基づいて説明する。
まず、B1では、各上下GセンサGc(GcFL,G
FR,GcRL,GcRR)で検出された各ばね上上下加速
度G(GFL,GFR,GRL,GRR)を、各タワー位置のば
ね上上下速度信号に変換する。
【0027】続くB2では、制御を行なう目標周波数帯
以外の成分を遮断するためのバンドパスフィルタ処理を
行なう。即ち、このバンドパスフィルタBPFは、ハイ
パスフィルタHPF(0.8 Hz)とローパスフィルタLP
F(1.2 Hz)とで構成され、車両のばね上共振周波数帯
を目標としたバウンス信号(車両上下方向挙動)として
のばね上上下速度VB(VBFL,VBFR,VBRL,VB
RR)信号を求める。
【0028】次に、前記コントロールユニット40にお
けるショックアブソーバSAの減衰力特性制御作動のう
ち、セレクトスイッチ2をオートモード(第1制御モー
ド)に切り換えた状態における減衰力特性制御の内容を
図11のフローチャートに基づいて説明する。なお、こ
の制御は各ショックアブソーバSAFL,SAFR,S
RL,SARRごとに行なわれる。
【0029】ステップ101では、ばね上上下速度VB
が正の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ102に進んで各ショックアブソーバSAをH-S 特性
ポジション側に制御し、NOであればステップ103に
進む。
【0030】ステップ103では、ばね上上下速度VB
が負の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ104に進んで各ショックアブソーバSAをS-H 特性
ポジション側に制御し、NOであればステップ105に
進む。
【0031】ステップ105は、ステップ101および
ステップ103でNOと判断された時、即ち、ばね上上
下速度VBの値が、0である時の処理ステップであり、
この時は、各ショックアブソーバSAをS-S 特性ポジシ
ョンに制御する。
【0032】次に、減衰力特性制御の作動を図12のタ
イムチャートにより説明する。ばね上上下速度VBが、
この図に示すように変化した場合、図に示すように、ば
ね上上下速度VBの値が0である時にはショックアブソ
ーバSAをS-S 特性ポジションに制御する。
【0033】また、ばね上上下速度VBの値が正の値に
なると、H-S 特性ポジション側に制御し、H-S 特性領域
内において、圧側の減衰力特性をソフト特性に固定する
一方、伸側の減衰力特性(目標減衰力特性ポジションP
T )を、次式(1) に基づき、ばね上上下速度VBに比例
させて変更する。 PT =βT ・VB・・・・・・・・・・・・・・・・(1) なお、βT は伸側の定数である。
【0034】また、ばね上上下速度VBの値が負の値に
なると、S-H 特性ポジション側に制御しS-H 特性領域内
において、伸側減衰力特性をソフト特性に固定する一
方、圧側の減衰力特性(目標減衰力特性ポジションP
C )を、次式(2) に基づき、ばね上上下速度VBに比例
させて変更する。 PC =βC ・VB・・・・・・・・・・・・・・・・(2) なお、βC は、圧側の定数である。
【0035】次に、コントロールユニット40の減衰力
特性制御作動のうち、セレクトスイッチ2をオートモー
ド側に切り換えた状態において、主にショックアブソー
バSAの制御領域の切り換え作動状態を図12のタイム
チャートに基づいて説明する。
【0036】図12のタイムチャートにおいて、領域a
は、ばね上上下速度VBが負の値(下向き)から正の値
(上向き)に逆転した状態である、この時はまだ相対速
度は負の値(ショックアブソーバSAの行程は圧行程
側)となっている領域であるため、この時は、ばね上上
下速度VBの方向に基づいてショックアブソーバSAは
H-S 特性領域に制御されており、従って、この領域内で
はその時のショックアブソーバSAの行程である圧行程
側がソフト特性となる。
【0037】また、領域bは、ばね上上下速度VBが正
の値(上向き)のままで、相対速度は負の値から正の値
(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)に切り換
わった領域であるため、この時は、ばね上上下速度VB
の方向に基づいてショックアブソーバSAはH-S 特性領
域に制御されており、かつ、ショックアブソーバの行程
も伸行程であり、従って、この領域ではその時のショッ
クアブソーバSAの行程である伸行程側が、ばね上上下
速度VBの値に比例したハード特性となる。
【0038】また、領域cは、ばね上上下速度VBが正
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだ相対速度は正の値(ショックアブ
ソーバSAの行程は伸行程側)となっている領域である
ため、この時は、ばね上上下速度VBの方向に基づいて
ショックアブソーバSAはS-H 特性領域に制御されてお
り、従って、この領域ではその時のショックアブソーバ
SAの行程である伸行程側がソフト特性となる。
【0039】また、領域dは、ばね上上下速度VBが負
の値(下向き)のままで、相対速度は正の値から負の値
(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)になる領
域であるため、この時は、ばね上上下速度VBの方向に
基づいてショックアブソーバSAはS-H 特性領域に制御
されており、かつ、ショックアブソーバの行程も圧行程
であり、従って、この領域ではその時のショックアブソ
ーバSAの行程である圧行程側が、ばね上上下速度VB
の値に比例したハード特性となる。
【0040】以上のように、この発明の実施の形態で
は、ばね上上下速度VBと相対速度とが同符号の時(領
域b,領域d)は、その時のショックアブソーバSAの
行程側をハード特性に制御し、異符号の時(領域a,領
域c)は、その時のショックアブソーバSAの行程側を
ソフト特性に制御するという、スカイフック理論に基づ
いた減衰力特性制御と同一の制御が行なわれることにな
る。そして、さらに、この発明の実施の形態では、ショ
ックアブソーバSAの行程が切り換わった時点、即ち、
領域aから領域b,および領域cから領域d(ソフト特
性からハード特性)へ移行する時には、切り換わる行程
側の減衰力特性ポジションは前の領域a,cで既にハー
ド特性側への切り換えが行なわれているため、ソフト特
性からハード特性への切り換えが時間遅れなく行なわれ
ることになる。
【0041】次に、前記コントロールユニット40にお
ける減衰力特性制御作動のうち、セレクトスイッチ2を
スポーツモードに切り換えた状態における減衰力特性制
御の内容を、図13のフローチャートおよび図14のタ
イムチャートに基づいて説明する。なお、セレクトスイ
ッチ2をスポーツモードに切り換えた状態においては、
各ショックアブソーバSAの初期設定ポジションがH-H
特性ポジションに設定される。
【0042】図13のフローチャート201では、ばね
上上下速度VBが不感帯領域内(NS−T〜NS−C)
か否かを判定し、YES(図14のA)である時は、ス
テップ203に進んで、各ショックアブソーバSAをH-
H 特性ポジション(スポーツモードの初期設定ポジショ
ン)に維持させ、これで一回のフローを終了する。ま
た、NOであれば、ステップ202に進む。
【0043】このステップ202では、ばね上上下速度
VBが正の値であるか否かを判定し、YES(正の値
図14のB)である時は、ステップ204に進み、各シ
ョックアブソーバSAをH-H 特性領域内において伸側を
ハード特性に固定する一方で、圧側をばね上上下速度V
Bの値に反比例してソフト特性側に可変制御し、これで
一回のフローを終了する。また、NO(負の値 図14
のC)である時は、前記ステップ203に進む。以後は
以上のフローを繰り返すものである。
【0044】以上のように、スポーツモードへの切り換
え状態においては、ばね上上下速度VBが0付近の不感
帯内(NS−T〜NS−C)にある時、即ち、車体の揺
れが低周波状態である状態(図14のA)においては、
各ショックアブソーバSAの減衰力特性が伸側および圧
側が共にハード特性となるH-H 特性ポジションに維持さ
れているため、極低周波の揺れも抑制することができ
る。
【0045】また、各ショックアブソーバSAの初期設
定ポジションが伸側および圧側が共にハード特性となる
H-H 特性ポジションに設定されているため、車両の急制
動時、急加速時、操舵時における車両の初期挙動(初期
ピッチ挙動、初期ロール挙動)を制御遅れなく抑制する
ことができる。
【0046】さらに、少なくとも、車両挙動が上方向
(ばね上上下速度VBが正の値でショックアブソーバS
Aが伸行程)である状態(図14のB)においては、そ
の逆工程である圧行程側がソフト特性となるため、路面
からの突き上げによる車体への伝達が吸収され、これに
より、車両の乗り心地悪化を抑制することができる。
【0047】以上説明したように、この発明の実施の形
態の車両懸架装置では、オートモードにおいては、スカ
イフック理論に基づく減衰力特性制御により車両の乗り
心地を確保しつつ、スポーツモードにおいては、車両の
急制動時、急加速時、操舵時における車両の挙動(ピッ
チ挙動、ロール挙動)を初期段階から制御応答遅れなく
抑制することができ、かつ、車両の乗り心地悪化を抑制
することができるようになるという効果が得られる。
【0048】以上、発明の実施の形態について説明して
きたが具体的な構成はこの発明の実施の形態に限られる
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変
更等があっても本発明に含まれる。
【0049】例えば、発明の実施の形態では、オートモ
ードにおける減衰力特性制御に不感帯を設けなかった
が、スポーツモードにおける場合と同様に不感帯を設け
ることにより、制御ハンチングを防止することができ
る。
【0050】また、発明の実施の形態では、スポーツモ
ードにおいて、伸側および圧側が共にハード特性となる
初期設定ポジションから、圧側の減衰力特性のみをソフ
ト特性側に可変制御するようにした例を示したが、伸側
の減衰力特性のみ、もしくは、伸側および圧側を共にソ
フト特性側に可変制御するようにしてもよい。
【0051】また、車両の上下挙動は、車輪速センサか
ら検出された検出値のバネ上共振周波数帯を抽出するこ
とによって検出することもできる。
【0052】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項1
記載の車両懸架装置では、車両上下挙動検出手段で検出
された上下方向挙動信号に基づいて各減衰力特性可変型
ショックアブソーバの減衰力特性制御を行う少なくとも
内容を異にする2種類の制御モードを有し、少なくとも
一方の制御モードにおいては前記車両上下挙動検出手段
で検出された車両の上下方向挙動が0付近にある状態で
の初期設定ポジションが伸行程および圧行程共に高減衰
力特性となる減衰力特性ポジションとして減衰力特性の
可変制御が行われるように構成された減衰力特性制御手
段を備えた構成としたことで、車両の操縦安定性を重視
したショックアブソーバの減衰力特性制御モードにおい
て、極低周波の揺れを抑制することができ、かつ、急制
動時、急加速時、操舵時等における車両の初期挙動を制
御遅れなく抑制することができるようになるという効果
が得られる。請求項3記載の車両懸架装置では、前記第
2制御モードが、前記車両上下挙動検出手段で検出され
た車両の上下方向挙動が上方向である時は前記第4領域
側において伸行程側を高減衰力特性に固定する一方で圧
行程側の減衰力特性を車両の上下方向挙動に応じて可変
制御し、下方向である時は伸行程側および圧行程側が共
に高減衰力特性となるポジションに固定するように構成
されている構成としたことで、少なくとも車両挙動が上
方向である時の路面からの突き上げによる車体への伝達
が圧行程側の低減衰力特性により吸収されるため、乗り
心地悪化を抑制することができるようになる。請求項4
に記載の車両懸架装置では、第1制御モードを前述のよ
うに構成したことで、いわゆるスカイフック理論に基づ
いた基本的な減衰力特性制御が行われ、かつその時の行
程側の減衰力特性を車両の上下方向挙動の大きさに応じ
た値に制御されるため、第1制御モード設定時における
乗り心地を向上させることができるようになる。請求項
5に記載の車両懸架装置では、減衰力可変型ショックア
ブソーバを前述のように構成したことで、減衰力特性の
4つのモードの切り換え制御を1つのアクチュエータに
より行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム対応図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態の車両懸架装置を示す構成
説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の車両懸架装置を示すシス
テムブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態の減衰力可変型ショックア
ブソーバの要部を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の減衰力可変型ショックア
ブソーバにおけるピストンボディの平面図である。
【図6】本発明の実施の形態の減衰力可変型ショックア
ブソーバにおけるピストンボディの底面図である。
【図7】本発明の実施の形態減の衰力可変型ショックア
ブソーバにおけるコントロールバルブの作動を説明する
ための断面説明図である。
【図8】本発明の実施の形態の減衰力可変型ショックア
ブソーバのH-H 特性ポジョション,H-S 特性ポジショ
ン,S-S 特性ポジョション,S-H 特性ポジョションでの
流体の流れを示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態の減衰力可変型ショックア
ブソーバの減衰力特性切換特性および各流路の開閉状況
を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるコントロールユ
ニットの制御作動のうち、ばね上上下加速度信号を求め
る信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態におけるコントロールユ
ニットの減衰力特性制御作動のうち、オートモードにお
ける減衰力特性制御作動の内容を示すフローチャートで
ある。
【図12】本発明の実施の形態におけるコントロールユ
ニットの減衰力特性制御作動のうち、オートモードにお
ける減衰力特性制御作動の内容を示すタイムチャートで
ある。
【図13】本発明の実施の形態におけるコントロールユ
ニットの減衰力特性制御作動のうち、スポーツモードに
おける減衰力特性制御作動の内容を示すフローチャート
である。
【図14】本発明の実施の形態におけるコントロールユ
ニットの減衰力特性制御作動のうち、スポーツモードに
おける減衰力特性制御作動の内容を示すタイムチャート
である。
【符号の説明】
a 減衰力可変型ショックアブソーバ b 車両上下挙動検出手段 c 減衰力特性制御手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも伸行程および圧行程が共に高減
    衰力特性となる減衰力特性ポジションへの設定が可能な
    減衰力特性可変型ショックアブソーバと、 車両の上下方向挙動を検出する車両上下挙動検出手段
    と、 該車両上下挙動検出手段で検出された上下方向挙動信号
    に基づいて前記各減衰力特性可変型ショックアブソーバ
    の減衰力特性制御を行う少なくとも内容を異にする2種
    類の制御モードを有し、少なくとも一方の制御モードに
    おいては前記車両上下挙動検出手段で検出された車両の
    上下方向挙動が0付近にある状態での初期設定ポジショ
    ンが伸行程および圧行程共に高減衰力特性となる減衰力
    特性ポジションとして減衰力特性の可変制御が行われる
    ように構成された減衰力特性制御手段と、を備えている
    ことを特徴とする車両懸架装置。
  2. 【請求項2】前記減衰力特性可変型ショックアブソーバ
    の減衰力特性変更手段が、伸行程側および圧行程側が共
    に低減衰力特性に固定の第1領域と、伸行程側が低減衰
    力特性に固定で圧行程側のみが低減衰力特性から高減衰
    力特性まで変更可能な第2可変領域と、圧行程側が低減
    衰力特性に固定で伸行程側のみが低減衰力特性から高減
    衰力特性まで変更可能な第3可変領域と、伸行程側が高
    減衰力特性に固定で圧行程側のみが高減衰力特性から低
    減衰力特性まで変更可能な第4可変領域との設定が可能
    であり、該減衰力特性変更手段の駆動方向に沿って第4
    可変領域、第3可変領域、第1領域、第2可変領域の順
    で配置され、 前記減衰力特性制御手段が、前記車両上下挙動検出手段
    で検出された上下方向挙動信号に基づいて前記各減衰力
    特性可変型ショックアブソーバの減衰力特性制御を行う
    少なくとも内容を異にする第1制御モードと第2制御モ
    ードとを有し、前記第1制御モードでは前記第1領域と
    第2可変領域と第3可変領域内において減衰力特性制御
    を行い、前記第2制御モードでは前記第3可変領域と第
    4可変領域内において減衰力特性制御を行い、前記第1
    制御モードにおいては前記第1領域を前記車両上下挙動
    検出手段で検出された車両の上下方向挙動が0付近にあ
    る状態での初期設定ポジションとして減衰力特性の可変
    制御が行われるように構成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の車両懸架装置。
  3. 【請求項3】前記第2制御モードが、前記車両上下挙動
    検出手段で検出された車両の上下方向挙動が上方向であ
    る時は前記第4領域側において伸行程側を高減衰力特性
    に固定する一方で圧行程側の減衰力特性を車両の上下方
    向挙動に応じて可変制御し、下方向である時は伸行程側
    および圧行程側が共に高減衰力特性となるポジションに
    固定するように構成されていることを特徴とする請求項
    2に記載の車両懸架装置。
  4. 【請求項4】前記第1制御モードが、前記車両上下挙動
    検出手段で検出された車両の上下方向挙動が0付近であ
    る時は第1領域に制御し、上方向である時は前記第1領
    域を基準とし第3可変領域側において圧行程側の減衰力
    特性を低減衰力特性に固定する一方で伸行程側の減衰力
    特性を車両の上下方向挙動に応じて可変制御し、下方向
    である時は第2可変領域側において伸行程側の減衰力特
    性を低減衰力特性に固定する一方で圧行程側の減衰力特
    性を車両の上下方向挙動に応じて可変制御するように構
    成されていることを特徴とする請求項2また3に記載の
    車両懸架装置。
  5. 【請求項5】車両の上下方向挙動に対し減衰力特性の可
    変制御を行わない不感帯領域を設定し、車両の上下方向
    挙動が該不感帯領域内にある時は、第1制御モードにお
    いては減衰力特性変更手段を第1領域に維持させ、第2
    制御モードにおいては減衰力特性変更手段を伸行程側お
    よび圧行程側が共に高減衰力特性となるポジションに維
    持させるように構成されていることを特徴とする請求項
    2〜4のいずれかに記載の車両懸架装置。
  6. 【請求項6】前記減衰力特性可変型ショックアブソーバ
    の減衰力特性変更手段が、 筒状部材の外周に装着されていてシリンダ内を2室に画
    成して摺動するピストンボディには2室間を連通する伸
    側連通孔および圧側連通孔が設けられ、 前記ピストンボディの軸方向両端面には伸側連通孔およ
    び圧側連通孔の流通をそれぞれ制限的に許容することで
    高い減衰力を発生させる伸側高減衰バルブおよび圧側高
    減衰バルブが設けられ、 前記筒状部材内に回動子が回転自在に設けられていて、
    筒状部材に形成された複数のポートと回動子の外周に軸
    方向直列に形成された伸側連通溝および圧側連通溝とに
    よって、伸側高減衰バルブをバイパスして伸側連通孔と
    伸側低圧室との間を連通させる伸側バイパス流路および
    該伸側バイパス流路の流路断面積を回動子の回動に基づ
    いて変化可能な伸側可変絞りと、圧側高減衰バルブをバ
    イパスして圧側連通孔と圧側低圧室との間を連通させる
    圧側バイパス流路および該圧側バイパス流路の流路断面
    積を回動子の回動に基づいて変化可能な圧側可変絞りと
    が形成され、 前記ピストンボディの軸方向両端面には圧側サブボディ
    および伸側サブボディが直列に組み込まれていて、この
    圧側サブボディおよび伸側サブボディには圧側バイパス
    流路および伸側バイパス流路の流通をそれぞれ制限的に
    許容することで低い減衰力を発生させる圧側チェックバ
    ルブおよび伸側チェックバルブが設けられ、 前記回動子の回動領域として、圧側可変絞りの絞り開度
    が常に大で伸側可変絞りの絞り開度が大から小もしくは
    0まで可変する第1可変領域と、伸側可変絞りの絞り開
    度が常に大で圧側可変絞りの絞り開度が大から小もしく
    は0まで可変する第2可変領域と、伸側可変絞りおよび
    圧側可変絞りの絞り開度が共に常に大の領域と、伸側可
    変絞りまたは圧側可変絞りのいずれか一方の絞り開度が
    常に小もしくは0で他方の絞り開度が大から小もしくは
    0まで可変する第3可変領域と、を有した構成であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両懸
    架装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015157619A (ja) * 2014-02-24 2015-09-03 ザ・ボーイング・カンパニーTheBoeing Company 能動型降着装置ダンパー

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