JPH1199038A - ガスクッション - Google Patents

ガスクッション

Info

Publication number
JPH1199038A
JPH1199038A JP13602298A JP13602298A JPH1199038A JP H1199038 A JPH1199038 A JP H1199038A JP 13602298 A JP13602298 A JP 13602298A JP 13602298 A JP13602298 A JP 13602298A JP H1199038 A JPH1199038 A JP H1199038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbonate
seal
bag
gas cushion
inner bag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13602298A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Koiso
保彦 小礒
Naoto Azuma
直人 我妻
Yukifumi Ochi
幸史 越智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Pionics Ltd
Original Assignee
Japan Pionics Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Pionics Ltd filed Critical Japan Pionics Ltd
Priority to JP13602298A priority Critical patent/JPH1199038A/ja
Publication of JPH1199038A publication Critical patent/JPH1199038A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造、搬送時に嵩張らず、携帯に便利である
とともに、クツション性に優れ、快適な座り心地が得ら
れるクッションを開発する。 【解決手段】 非通気性の外袋に酸性物質の水溶液が封
入された内袋と炭酸塩とを密封収納しておき、使用時に
外袋の上から叩くことにより内袋を破袋し、酸性物質と
炭酸塩とを接触させて炭酸ガスを発生させることにより
膨らませてガスクッションとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスクッションに関
し、さらに詳細には使用時に炭酸塩と酸性物質との反応
によって発生した炭酸ガスを利用して膨らますことによ
る、携帯に便利なガスクッションに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、携帯用のクッションとして各
種のものが知られている。例えば、発泡ウレタンや綿等
を減圧で密封保持しておき、使用時に常圧にして膨らま
せてクッションとする方法、非通気性の袋に空気あるい
は圧縮ガスを吹き込んでガスクッションとする方法、さ
らに非通気性の袋中で炭酸塩と酸性物質を反応させて炭
酸ガスを発生させることにより膨らませてガスクッショ
ンとする方法(特開昭63−5712号公報)などがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のクッションには次のような問題点があった。すなわ
ち、発泡ウレタンや綿等を減圧下に保持して使用時に減
圧を解除して膨らませてクッションとする方法では、使
用前から既にクッション材が比較的大きな体積を有して
おり、製造、商品の輸送、販売などにおいて嵩ばるとい
う不都合がある。また、クッション性および断熱性を良
くするためには発泡体などの厚みを増さなければなら
ず、廃棄された場合には必然的に大きな量のゴミを発生
することとなるほか、減圧解除した後の膨らみが十分で
ないなどの不都合があった。
【0004】また、非通気性の袋に空気あるいは圧縮ガ
スを吹き込んでガスクッションとする方法では、膨らま
せるのに時間を要するばかりでなく、口で膨らませた場
合には十分な膨らみが得られず、充分な膨らみを得るた
めには専用の道具あるいは圧縮ガスを必要とする等の不
都合があった。
【0005】さらに炭酸塩と酸性物質とを反応させて炭
酸ガスを発生させて非通気性の袋を膨らませてガスクッ
ションとする方法では、炭酸塩と酸性物質の接触が十分
に行われない結果、炭酸ガス発生量の変動により膨らみ
が一定しないという不都合があった。以上のことから、
製造、搬送時の嵩ばりを減らし、携帯に便利であり、断
熱性およびクッション性に優れ、使用後の廃棄物量が少
なく、しかも安価に製造可能なクッションの開発が望ま
れていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、非通気性の外袋
中に酸性物質の水溶液が充填された内袋と炭酸塩とを密
封し、使用時には酸性物質の水溶液が選択的に炭酸塩に
接触し得る構成とすることによりこれらの問題点を解決
しうることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本
発明は非通気性の外袋と、その中に酸性物質の水溶液が
充填された内袋及び炭酸塩が密封され、該内袋の炭酸塩
に面する側のシール部分の強度が該内袋の他のシール部
分よりも弱く設定されてなり、使用時に外袋の外から内
袋を破袋させて炭酸ガスを発生させることにより膨らま
せることを特徴とするガスクッションである。
【0007】本発明のガスクッションは、ガスの発生源
として炭酸塩と酸性物質とを用い、使用時の酸性物質の
水溶液が充填された内袋を破袋させる際に、酸性物質水
溶液が選択的に炭酸塩に接触する構成としたものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、使用の際に化学反応で
炭酸ガスを発生させて膨らませるガスクッションであ
り、主として人体を着座部分の寒気から保護すること、
あるいは着座部分の硬さから保護して快適な状態に保つ
ことを目的としたクッションに適用される。
【0009】本発明において炭酸ガスの発生源として用
いられる炭酸塩とは、炭酸塩のほか炭酸水素塩をも意味
する。本発明で用いられる炭酸塩としては以下のような
ものが挙げられる。例えば炭酸水素塩としては、炭酸水
素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、
炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素
ストロンチウム、炭酸水素ニッケル、炭酸水素アンモニ
ウム、炭酸水素トリメチルアンモニウム、炭酸水素マグ
ネシウムカリウム、炭酸水素コバルトカリウムなどがあ
る。
【0010】また、炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸ニッケル、炭酸
銅、炭酸マンガン、炭酸マグネシウムアンモニウム、炭
酸マグネシウムカルシウム、炭酸ニッケルカリウムなど
がある。これらの内でも、入手の容易性、価格が安価で
あること、および人体に対する安全性が高い等の点から
炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。
【0011】また、酸性物質としては遊離酸のほか酸性
の塩が用いられる。遊離酸としては例えば、塩酸、臭素
酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、安息香酸、
エリソルビン酸、カプロン酸、グルタミン酸、ケイ皮
酸、コハク酸、サリチル酸、シュウ酸、酒石酸、ソルビ
ン酸、ニコチン酸、乳酸、フマル酸、葉酸、リンゴ酸、
クエン酸、酢酸などがある。また酸性の塩としては、リ
ン酸二水素ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、塩化銅、
塩化アルミニウム、塩化チタン、硫酸アルミニウム、硫
酸スズ、硫酸鉄、硝酸アルミニウム、硝酸コバルト、硝
酸ニッケル、過塩素酸ニッケル、臭化鉄、酢酸コバルト
などがある。これらの内でも、人体に対する安全性が高
いこと、炭酸塩との反応性、入手の容易性等の点から、
コハク酸、クエン酸、酒石酸などが特に好ましい。
【0012】一般に炭酸ガスの発生方法としては、固
体状の炭酸塩と固体状酸性物質との混合物に水を加える
方法、固体状の炭酸塩と酸性物質の水溶液とを混合す
る方法、炭酸塩の水溶液と固体状の酸性物質を混合す
る方法、炭酸塩および酸性物質ともに液体の状態で混
合する方法などがある。また、炭酸ガスを発生させる際
の、炭酸塩と酸性物質の混合方法としては、固体状成分
あるいは液体状成分が収納された袋、容器などの仕切り
を取り除く方法、またはこれらの成分を収納する袋、容
器などを破壊することなどによって行なうことができ
る。例えば、水または水溶液の入った内袋を外袋中に入
れておき、使用時に外袋の外から叩いて水または水溶液
の内袋を破袋させる方法、あるいは水または水溶液の袋
を折り曲げて破袋させる方法などがある。
【0013】しかしながら、本発明においては、保存中
における外袋材質の劣化防止および炭酸塩と酸性物質と
の予期しない反応の防止、さらに炭酸ガスの発生速度、
炭酸塩と酸性物質との接触効率等の点から、通常は炭酸
塩を粉体の状態で外袋内の片隅に寄せて入れ、また酸性
物質は水溶液の状態で内袋に充填して外袋内に炭酸塩に
隣接させて密封される。
【0014】炭酸塩と酸性物質の比率に関しては特に限
定はなく、化学量論当量としてもよく、酸性物質をやや
過剰に用いてもよく、炭酸塩をやや過剰に用いてもよ
い。しかし、炭酸塩を過剰に用いた場合は反応後の溶液
性状を人体に害の少ない中性あるいは弱アルカリ性領域
に調整できること、および炭酸ガスの発生速度を速くし
うる点などから、通常は、酸性物質に対する炭酸塩の化
学当量比(炭酸塩/酸性物質)で1.05〜10程度、
好ましくは1.5〜8、より好ましくは2〜6である。
また、酸性物質の水溶液の濃度としては低すぎる場合は
液量が多くなるために、重量が増加し、高すぎる場合に
は炭酸塩との接触が不十分となる結果、ガスの発生速度
が低下することから通常は5〜50重量%、好ましくは
8〜42重量%、さらに好ましくは12〜35重量%で
ある。
【0015】酸性物質の水溶液は内袋に充填されて外袋
中にセットされるが、通常内袋は熱可塑性樹脂フィルム
のヒートシール(熱溶着)によって形成される。この内
袋の炭酸塩に面する側のシール強度を他のシール部分の
強度よりも弱く設定することによって、使用時に炭酸塩
に面する側のシール部分を選択的に破袋させ、酸性物質
水溶液の噴出の勢いを利用して炭酸塩との接触をよくす
ること、および発生した炭酸ガスにより炭酸塩の一部が
飛散することを防止しうるとともに炭酸塩との反応を効
率よく行なうことができる。
【0016】ここで、内袋のシール強度は内袋の材質に
よっても異なり一概には特定できないが通常はJIS
Z0238で規定するシール強度で0.7〜3.0kg
f/15mm程度である。そして本発明では内袋のシー
ルのうち炭酸塩に面する側のシール部分のシール強度を
他のシール部分のシール強度よりも弱く設定される。シ
ール強度を弱くする割合としては小さすぎる場合には選
択的に弱く設定されたシール部分で破袋させることが難
しいこと、また大きすぎる場合には弱く設定されたシー
ル部分の強度が低くなりすぎて予期しない時に破袋する
恐れがあることから、JIS Z0238で規定するシ
ール強度で通常は、他のシール部分のシール強度の15
〜90%、好ましくは35〜80%程度とされる。
【0017】内袋の炭酸塩に接する側のシール強度を弱
く設定する方法としては、シール際の引張強度を弱くす
る方法、あるいはシール部分で応力集中させることによ
って破れやすくする方法がある。例えば図3(a)〜
(c)に示すように、シール部分にエンボス目を設ける
方法、シール部分の液に接触する側のシール際を鋸刃状
のシールにする方法、シール部分の液に接触する際から
袋の内側に1〜数mm離れた位置に飛び石状にシールを
設ける方法などがある。さらにシールを行なう際に過剰
加熱をすることによって液に接触する側のシール際を薄
くする方法、ヒートシール時の熱溶着を弱く行なう方法
などがある。しかしながら、ヒートシール時の熱溶着を
弱く行なう方法は再現性が悪いことから、通常はシール
にエンボス目、鋸刃状シール、飛び石状シール等を設け
る方法、またはシール際を薄くすることなどによって行
なうことが好ましい。
【0018】クッション中の炭酸ガス発生量は、炭酸塩
又は酸性物質の量によって定められる。また、ガスクッ
ションの内圧が大気圧程度となるように設定することも
できるが、座り心地およびクッション性を高めるために
は大気圧よりもやや高めとなるように炭酸塩および酸性
物質の量を設定することが好ましい。また、万一ガスク
ッションが破袋した場合においても、炭酸塩、酸性物
質、および反応生成物が袋の外に飛び散るのを防ぐため
に、外袋中に炭酸塩に添えて高吸水性樹脂を少量加える
こともできる。
【0019】本発明における酸性物質の水溶液を充填す
る内袋の材質としては、通常はヒートシール性を有し、
水に対する高いバリヤー性を有するとともに、酸性の水
溶液に対する耐薬品性があり加水分解の起こりにくい材
質のものが好ましい。これらの例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、シリカ蒸着
ポリエチレン等の複合フィルムがある。非通気性の外袋
の材質は、成人が一定の高さから日常的な速度で腰を下
ろしたときの衝撃に充分耐えうるものでなければならな
い。また、その材質としては携帯に便利なように軽量
で、薄い膜でありながら強度の高いものが好ましく、さ
らに感触がよく柔らかい材質のものが好ましく、例えば
ナイロンの二層あるいは多層フィルムなどが挙げられ
る。また外袋の製作がヒートシール方法によって行われ
る場合は、これらのフィルムに直鎖状低密度ポリエチレ
ンや、アイオノマーのようなヒートシール性の良い樹脂
層を設けることが好ましい。このほか、塩化ビニルシー
トを用い高周波溶着などによっても作ることができる。
【0020】また本発明において、ガスクッションの座
り心地を良くするためには、外袋の表裏フイルムを線状
あるいは点状の接着面によって複数の小室に仕切り、こ
れらをガス流路を介してつなげ、人が座った時のガスの
流動を抑制するなどの方法を用いることができる。ここ
で小室とは、完全に仕切られたことを意味するものでは
なく、縦長の筒状、迷路状、あるいは部分的に接着面が
含まれた空間をも意味するものである。小室の形状とし
ては、矩形、円形等とすることもできるが、製作が容易
なこと、及びガスの流通抑制の効果等の点から、線状の
接着面で縦長の小室に仕切ることが好ましい。またガス
流路は、ガスクッションの形状保持の点から小室がジグ
ザグ状につながるよう、または両サイドが通気路となる
ように設けることが好ましい。
【0021】さらに、線状の接着面で仕切られた小室を
設ける場合においては、外袋両端部分の小室の仕切り幅
を他の小室よりも大きくすることにより、体へのフィッ
ト感と安定性を向上させることができる。この時の外袋
の端部の小室と中央部分の小室の仕切り幅の比(端部/
中央部)としては通常は1.2〜7であり、好ましくは
1.5〜4である。この場合におけるガスクッションの
着座部分の小室の大きさは、着座部分の小室が小さ過ぎ
るとガスクッションの断熱性とクッション性が不足し、
大き過ぎるとガスクッションの変形性が大きくなり安定
性が損なわれることから、通常は膨らませた時の断面を
円形に換算したときの直径として1〜4cm、好ましく
は1.5〜3cm、さらに好ましくは2〜3cmであ
る。また両端部分の小室の断面を円形に換算したときの
直径として通常は2〜8cm、好ましくは3〜6.5c
m、さらに好ましくは4〜5cmである。ガスクッショ
ン全体の大きさとして特に制限はないが、人の着座面積
より大きい方が好ましい。またその形状としても特に限
定はないが、通常は矩形、多角形、円形、および楕円形
などである。
【0022】ガスクッションが非通気性の材質で製作さ
れるために着座している場合には、人体からの汗などに
より蒸れを生じることがあるが、ガスクッションを小室
に仕切ることによってできた小室間の溝が空気拡散を容
易にする役割をするために蒸れを軽減する効果も得られ
る。このようにガスクッションの小室を小さめに設定す
るとともに、小室間の仕切りシール幅を1cm程度にす
ることにより、座り心地を良好にし、かつ蒸れを軽減し
得るような通気性を確保することができる。
【0023】これらのガスクッションは使用されるまで
の間、通常は携帯に便利なように折りたたむかあるいは
巻いた状態で保存される。また、携帯性の面からクッシ
ョンを折り畳み、あるいは巻き込んで非通気性の袋ある
いは容器に保存することが好ましい。このように構成す
ることによって、製造、搬送、および販売時において嵩
張らず、携帯に便利であり、クッション性の良好なガス
クッションが得られる。また、使用後不要になった時
は、ガスクッションに穴をあけるか、あるいは一端を破
ることによって廃棄物の容積を小さくすることができ
る。
【0024】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0025】実施例1 塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコ
ポリマーがラミネートされた厚さ60μmの透明フイル
ムを用いて三方背シールにより長さ70mm、幅40m
mの袋を製作した。この袋にクエン酸4.7gを水18
gに溶解した水溶液を充填し図3−(a)に示す酸性物
質水溶液入りの内袋とした。なお、内袋のヒートシール
の際には、炭酸塩に面する側のヒートシール部分をさら
にエンボス加熱面に加圧接触させてエンボスを設けた。
この時のシール強度をJIS Z0238で規定する方
法で測定したところ、通常のヒートシール部分は2.5
kgf/15mm、また炭酸塩に面する側のヒートシー
ル部分の強度は1.8kgf/15mmであった。
【0026】次にナイロンとポリエチレンが貼り合わさ
れた、縦290mm、横566mm厚さ0.4mmのシ
ート2枚を用い、ポリエチレン面が互いに接するように
して重ね合わせ、周辺部分をシール幅10mmで熱接着
によりヒートシールした。また、中央部分をシール幅8
mmで熱接着により仕切り幅30mmの小室に仕切り、
両端部分を仕切り幅60mmの小室となるように、さら
に各小室間を通気路でジグザグ状につながるようにシー
ルした。また、この袋の片側の隅に粉末状の炭酸水素ナ
トリウム10g、高分子吸水材1.5g、および前記の
内袋を密封し、図1に示すようなガスクッションを製作
した。なお、内袋はエンボスシール部分が炭酸水素ナト
リウム粉末の封入されている方向に向くようにセットし
た。
【0027】その後、外気温度10℃の環境下で、ガス
クッションの外部から内袋の部分を叩いて内袋を破袋さ
せた。ガスクッションは炭酸ガスの発生により急激に膨
らみ、約1分後にほぼ炭酸ガスの発生は停止した。この
ガスクッションをプラスチック製の椅子の上に置き、そ
の上から成人男性が腰掛けたところ、良好なクッション
性を有するとともに、快適な座り心地が得られた。
【0028】実施例2 実施例1における、クエン酸を酒石酸5gに、水を20
gに、炭酸ナトリウムを15gに変えたほかは実施例1
と同様にしてガスクッションを製作した。このガスクッ
ションを外から叩いて内袋を破袋させて炭酸ガスを発生
させたところ、内袋は約8秒で炭酸ガスの発生が終了し
た。実施例1と同様にして成人男性が腰掛けて使用した
ところ、良好なクッション性が得られた。
【0029】実施例3 塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコ
ポリマーがラミネートされた厚さ60μmのフイルムを
用いて三方背シールにより長さ70mm、幅40mmの
袋を製作した。この袋にクエン酸4.7gを水18gに
溶解した水溶液を充填し鋸刃状のシール機を用いてシー
ルし、図3−(b)に示す酸性物質水溶液入りの内袋2
0袋を製作した。この20袋のうち10袋について袋を
裁断してシール強度をJIS Z0238で規定する方
法で測定したところ、通常のヒートシール部分は2.2
〜2.5kgf/15mm、また鋸刃状のシール部分の
強度は0.7〜1.1kgf/15mmの範囲であっ
た。
【0030】次にナイロンとポリエチレンが貼り合わさ
れた、縦290mm、横566mm厚さ0.4mmのシ
ート2枚を用い、ポリエチレン面が互いに接するように
して重ね合わせ、周辺部分をシール幅10mmで熱接着
によりヒートシールした。また、中央部分をシール幅8
mmで熱接着により仕切り幅30mmの小室に仕切り、
両端部分を仕切り幅60mmの小室となるように、さら
に各小室間を通気路でジグザグ状につながるようにシー
ルした。また、この袋の片側の隅に粉末状の炭酸水素ナ
トリウム10g、高分子吸水材1.5g、および前記の
内袋を密封し、図1に示すようなガスクッションを製作
した。なお、内袋は鋸刃状シール部分が炭酸水素ナトリ
ウム粉末の封入されている方向に向くようにセットし、
図1に示すようなガスクッションを10袋製作した。
【0031】その後、外気温度10℃の環境下で、これ
ら10袋のガスクッションそれぞれについて、外部から
内袋の部分を叩いて内袋を破袋させた。いずれのガスク
ッションも炭酸ガスの発生により急激に膨らみ、約1〜
2分後にはほぼ炭酸ガスの発生は停止した。これらのガ
スクッションをプラスチック製の椅子の上に置き、その
上から成人男性が腰掛けたところ、良好なクッション性
を有するとともに、快適な座り心地が得られた。
【0032】比較例1 塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコ
ポリマーがラミネートされた厚さ60μmのフイルムを
用いて三方背シールにより長さ70mm、幅40mmの
袋を製作した。この袋にクエン酸4.7gを水18gに
溶解した水溶液を充填しシールして、酸性物質水溶液入
りの内袋20袋を製作した。この20袋のうち10袋に
ついて袋を裁断してシール強度をJIS Z0238で
規定する方法で測定したところ、シール強度はいずれも
2.2〜2.5kgf/15mmの範囲内であった。
【0033】次にナイロンとポリエチレンが貼り合わさ
れた、縦290mm、横566mm厚さ0.4mmのシ
ート2枚を用い、ポリエチレン面が互いに接するように
して重ね合わせ、周辺部分をシール幅10mmで熱接着
によりヒートシールした。また、中央部分をシール幅8
mmで熱接着により仕切り幅30mmの小室に仕切り、
両端部分を仕切り幅60mmの小室となるように、さら
に各小室間を通気路でジグザグ状につながるようにシー
ルした。また、この袋の片側の隅に粉末状の炭酸水素ナ
トリウム10g、高分子吸水材1.5g、および前記の
内袋を密封し、図1に示すようなガスクッションを10
袋製作した。
【0034】その後、外気温度10℃の環境下で、これ
ら10袋のガスクッションそれぞれについて、外部から
内袋の部分を叩いて内袋を破袋させたところ、10袋中
4袋については内袋が炭酸塩に接する側のシール部分で
破袋した。この4袋については実施例3とほぼ同様に急
激に膨らみ、1〜2分後には炭酸ガスの発生が停止し
た。一方6袋については内袋が炭酸塩に接していない側
のシール部分で破袋した。そしてこれらの袋では、10
分間にわたって炭酸ガスの発生が見られたが、前記4袋
の膨らみの4〜7割程度の膨らみしか得られなかった。
さらにこの6袋のガスクッションをそれぞれプラスチッ
ク製の椅子の上に置き、その上から成人男性が腰掛けた
ところ、部分的につぶれてプラスチック板面に接触する
など、違和感を生じた。
【0035】
【発明の効果】本発明のガスクッションは使用時に炭酸
ガスを発生させて膨らませるものであり、下記のように
実用上数多くの優れた特徴を有している。 1 炭酸塩と酸性物質との反応を、確実に、速やかに、
かつ効率よく行なうことができる結果、常に設計通りの
膨らみを得ることができる。 2 クッション性が良く、座り心地が良好であり違和感
を生じることがなく、地面への断熱性に優れている。 3 使用時にガスクッションを膨らますので、製造、搬
送・販売、携帯時にはコンパクトであり、廃棄される時
のゴミ量も少ない。 4 化学反応により発生した炭酸ガスで膨らますので、
誰にでも簡単に膨らますことができ、常に適度なクッシ
ョン性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスクッションの平面図の例(外袋が
透明シート製)。
【図2】図1におけるA−A’線断面図(膨らませた状
態)。
【図3】本発明のガスクッションに密封される酸性物質
の水溶液が充填された内袋の例の図。 (a)シール部分がエンボス状 (b)シール部分の液に接触する側のシール際が鋸刃状 (c)シール部分の液に接触する際に飛び石状のシール
部を有する
【符号の説明】
1 ガスクッション 2 シール部 3 仕切シール部 4 小室 5 端部の小室 6 通気路 7 内袋(酸性物質の水溶液) 8 炭酸水素ナトリウムと高吸水性樹脂 9 内袋のシール部 10 エンボス状シール部 11 鋸刃状シール部 12 飛び石状のシール部を有するシール部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非通気性の外袋と、その中に酸性物質の
    水溶液が充填された内袋及び炭酸塩が密封され、該内袋
    の炭酸塩に面する側のシール部分のシール強度が該内袋
    の他のシール部分のシール強度よりも弱く設定されてな
    り、使用時に外袋の外から内袋を破袋させて炭酸ガスを
    発生させることにより膨らませることを特徴とするガス
    クッション。
  2. 【請求項2】 内袋の炭酸塩に面する側のシール部分の
    シール強度がJISZ0238で規定するシール強度で
    他のシール部分のシール強度の15〜90%に設定され
    たものである請求項1に記載のガスクッション。
  3. 【請求項3】 内袋の炭酸塩に面する側のシール部分
    が、深いエンボス状とされたシール、液に接触する際が
    鋸刃状とされたシール、液に接触する際が飛び石状とさ
    れたシール、または液に接触する際が薄くされたシール
    である請求項1に記載のガスクッション。
  4. 【請求項4】 非通気性の外袋が線状あるいは点状の接
    着面により複数の小室に仕切られたものである請求項1
    に記載のガスクッション。
  5. 【請求項5】 非通気性の外袋が線状の接着面により線
    状に仕切られた小室の内、両端部分の小室の仕切幅が、
    中央部分の小室の仕切り幅の1.2〜7倍である請求項
    4に記載のガスクッション。
  6. 【請求項6】 酸性物質に対する炭酸塩の化学当量比
    (炭酸塩/酸性物質)が1.05〜10である請求項1
    に記載のガスクッション。
  7. 【請求項7】 酸性物質の水溶液濃度が5〜50重量%
    である請求項1に記載のガスクッション。
JP13602298A 1997-07-30 1998-04-30 ガスクッション Pending JPH1199038A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13602298A JPH1199038A (ja) 1997-07-30 1998-04-30 ガスクッション

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22003897 1997-07-30
JP9-220038 1997-07-30
JP13602298A JPH1199038A (ja) 1997-07-30 1998-04-30 ガスクッション

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1199038A true JPH1199038A (ja) 1999-04-13

Family

ID=26469712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13602298A Pending JPH1199038A (ja) 1997-07-30 1998-04-30 ガスクッション

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1199038A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004106768A3 (en) * 2003-05-28 2005-03-17 Rudy Marion F Self-inflating cushion and footwear including same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004106768A3 (en) * 2003-05-28 2005-03-17 Rudy Marion F Self-inflating cushion and footwear including same
US7879417B2 (en) 2003-05-28 2011-02-01 Robert C. Bogert Self-inflating cushion and footwear including same
EP2918867A1 (en) * 2003-05-28 2015-09-16 Marion Franklin Rudy Self-inflating cushion and footwear including same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8690237B2 (en) Child car seat and headrest with side impact energy absorption
CA1278478C (en) Chemical thermal pack and method of making same
ES2743750T3 (es) Embalaje, producto embalado, procedimiento para liberar al menos un agente en una porción de cámara de un embalaje y procedimiento de embalaje
ES2865453T3 (es) Lámina de envasado compuesta
JP4471966B2 (ja) マスク用緩衝材とマスク
JP2008148984A5 (ja)
JPH1199038A (ja) ガスクッション
JP2831108B2 (ja) ミクロバブル積層体の製造方法
JP2024021727A (ja) 発熱性積層体および加熱装置
KR102207341B1 (ko) 자충구조를 갖는 에어캡 원단
JPS6225408B2 (ja)
JP2008033074A (ja) 緩衝カバー兼用広告表示体
KR102130809B1 (ko) 쿨링 또는 히팅 기능을 갖는 하이브리드 투룸 파우치
KR100821169B1 (ko) 냉각팩유니트
JP3246538B2 (ja) 蓋用パッキング
JP2006335447A (ja) ガス発散袋状体
JP2004208883A (ja) 医療用容器の製造方法および医療用容器
JPH10127681A (ja) ガスクツション型加温座布団
GB1594111A (en) Floatation cushions
JPH05201473A (ja) 包装用緩衝材
JPH1099357A (ja) 空気袋シート並びに空気袋シートを用いた腰椎変形防止用具及び空気袋シートを用いた座布団及び枕
JPH0734854Y2 (ja) 膨らみ可能な密封袋
JPH0899013A (ja) シート状脱酸素剤及びその製造方法
CN220631968U (zh) 一种充气马桶垫
JPH11239584A (ja) 発熱体用非通気性袋及びそれに収納された発熱体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041217

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061226

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070524

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071004