JPH1197913A - 非放射性誘電体線路 - Google Patents

非放射性誘電体線路

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JPH1197913A
JPH1197913A JP9260059A JP26005997A JPH1197913A JP H1197913 A JPH1197913 A JP H1197913A JP 9260059 A JP9260059 A JP 9260059A JP 26005997 A JP26005997 A JP 26005997A JP H1197913 A JPH1197913 A JP H1197913A
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哲也 岸野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】付属電子部品を平行平板導体内部に収容して、
非放射性誘電体線路の厚みを画期的に薄くできるととも
に、容易に製造することができる非放射性誘電体線路を
提供する。 【解決手段】波長λの高周波信号を伝搬する誘電体線路
11と、この誘電体線路11を挟持する一対の平行平板
導体12とから構成され、一対の平行平板導体12の間
隔が、高周波信号の波長λの1/2以下である非放射性
誘電体線路において、平行平板導体12の誘電体線路1
1側の面に絶縁性フィルム13を設けてなるものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非放射性誘電体線路
に関し、例えばミリ波集積回路等に組み込まれて、高周
波信号のガイドとして用いられる非放射性誘電体線路に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の非放射性(Non Radiative Dielec
tricで、以下、NRDという)誘電体線路は、図4に示
すように、誘電体線路1の上下に平行平板導体2、3を
配置して構成され、このようなNRD誘電体線路は、平
行平板導体2、3の間隔がλ/2以下のとき、波長がλ
より大きい高周波信号は遮断されて平行平板導体2、3
間の空間には侵入できない。そして、平行平板導体2、
3の間に誘電体線路1を挿入すると、その誘電体線路1
に沿って高周波信号が伝搬でき、その高周波信号からの
放射波は平行平板導体2、3の遮断効果によって抑制さ
れる。前記波長λは近似的に真空中を伝搬する高周波信
号(電磁波)の波長に等しい。尚、図4において、誘電
体線路1の理解を容易にするために、上側の平行平板導
体3の一部を切り欠いて記載した。
【0003】従来用いられてきた非放射性誘電体線路で
は、強度を保つため、平行平板導体の厚みを通常0.5
mm以上にし、また、誘電体線路の厚みを、通常2mm
程度とし、その合計厚みは約3mm以上であった。
【0004】そして、非放射性誘電体線路には、付属電
子回路、例えばバイアス供給、フィルター、コンピュー
ターとのインターフェースなど、一般に非放射性誘電体
線路を伝搬する電磁波よりも低い周波数の電子回路を設
ける必要があった。
【0005】図5に、非放射性誘電体線路の上部に電子
回路等が取り付けられた絶縁基板を配置したモジュール
の一例を示すもので、図において平行平板導体2、3の
間には誘電体線路1が介装されて非放射性誘電体線路が
形成されており、この非放射性誘電体線路の上部には、
絶縁基板4が配置されている。
【0006】誘電体線路1の手前側先端には、高周波信
号の入力用の発振装置5が配置され、誘電体線路1の中
途にはダイオード等の半導体素子が収容された高周波信
号の変調装置6が設けられている。
【0007】一方、絶縁基板4の上面には、変調信号の
発振器や集積回路等の付属電子部品7が配置され、これ
らは導体パターン8により相互に接続されている。
【0008】そして、非放射性誘電体線路の発振装置
5、変調装置6と、絶縁基板4表面の導体パターン8と
は、平行平板導体3とは導通しないようにして挿通し、
かつ絶縁基板4を挿通した導体9により接続されてい
る。
【0009】つまり、従来は、付属電子部品7は、平行
平板導体2、3の外部に装着され、平行平板導体2、3
内部の発振装置5等と、平行平板導体3に開けられた穴
を介して接続されていた。これはバイアス供給線などが
どうしても誘電体線路を横切る形になり、平行平板導体
内部に全電子回路を搭載できないためである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の非放
射性誘電体線路では、非放射性誘電体線路をモジュール
として考えたとき、絶縁基板4の厚みを考慮すると、そ
の総厚みは5mm以上となり、例えば、非放射性誘電体
線路をコンピューターに内蔵するためカード型にする際
に、この厚みがネックとなっていた。
【0011】このような問題を解決したものとして、平
行平板導体内部に付属電子部品を搭載した非放射性誘電
体線路が開示されている(例えば、電子情報通信学会1
996年ソサエティ大会予稿集C−28、C−40)。
【0012】この非放射性誘電体線路は、平行平板導体
の間に、この平行平板導体と平行な絶縁基板を配置し、
これを一対の誘電体線路により挟持し固定してなるもの
であり、付属電子部品は絶縁基板に搭載されていた。
【0013】しかしながら、このような非放射性誘電体
線路では、一対の平行平板導体の間隔が2mm程度であ
り、その間に絶縁基体を平行平板導体と平行に固定する
必要があり、さらに、このような絶縁基体を誘電体線路
に固定する必要があり、製造が困難で、量産には不適で
あった。
【0014】本発明は、非放射性誘電体線路の付属電子
部品を平行平板導体内部に収容し、非放射性誘電体線路
の厚みを薄くできるとともに、容易に製造することがで
きる非放射性誘電体線路を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の非放射性誘電体
線路は、波長λの高周波信号を伝搬する誘電体線路と、
この誘電体線路を挟持する一対の平行平板導体とから構
成され、前記一対の平行平板導体の間隔が、前記高周波
信号の波長λの1/2以下である非放射性誘電体線路に
おいて、前記平行平板導体の誘電体線路側の面に絶縁性
フィルムを設けてなるものである。ここで、誘電体線路
と平行平板導体との間に絶縁性フィルムが介装されてい
るものである。また、絶縁性フィルム上に電子部品およ
び導体パターンが形成されているものである。
【0016】
【作用】通常、誘電体線路と平行平板導体の間に空隙を
設けたり、絶縁性フィルムを挟んだりすると、誘電体線
路を伝搬する電磁波に摂動が起こり、反射や放射の原因
となることが知られている。
【0017】本発明者等は、この絶縁性フィルムをごく
薄くすることにより、誘電体線路を伝搬する電磁波に影
響を与えることなく、平行平板導体と誘電体線路との間
に絶縁性フィルムを挟み込むことができ、さらにその絶
縁性フィルム上に誘電体線路を横切る形で導体パターン
を作製できることを見出し、本発明に至った。
【0018】本発明によれば、平行平板導体表面の絶縁
性フィルム上に、比較的自由に導体パターンを作製し、
それに付属電子部品を装着して付属電子回路とすること
ができる。このため付属電子部品を平行平板内部に収容
することができ、従来のように、非放射性誘電体線路の
上部に付属電子部品を搭載した絶縁基板を配置する必要
がなく、付属電子部品を備えた非放射性誘電体線路の厚
みが、例えば従来5mm以上であったものを3mm程度
に薄くすることができる。
【0019】さらに、従来のように、絶縁基板を、平行
平板導体の間に、平行に固定する必要がなく、単に平行
平板導体の誘電体線路側の面に絶縁性フィルムを設け、
この絶縁性フィルム上に導電パターンを形成し、付属電
子部品を搭載できるため、製造が容易となり、量産に最
適となる。
【0020】また、絶縁性フィルムにおいて、誘電体線
路などの部品の装着位置にあらかじめ公知の手段、例え
ば印刷により印をつけておくことにより、これらの部品
を所望の位置に確実に取り付けることができる。
【0021】さらに、本発明の非放射性誘電体線路で
は、付属電子部品が外表面に露出しておらず、付属電子
部品が強度のある平行平板導体の間に配置されているた
め、破損等がなく、信頼性の面でも有利である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の非放射性誘電体線路の基
本構成を図1に示す。尚、図1において、誘電体線路、
絶縁性フィルムの理解を容易にするために、上側の平行
平板導体の記載は省略した。
【0023】図1において、符号11は誘電体線路であ
り、符号12は下側の平行平板導体を示している。この
平行平板導体12の上面、即ち、誘電体線路11側の面
には、絶縁性フィルム13が設けられ、この絶縁性フィ
ルム13の上面には導体パターン14が印刷されてい
る。導体パターン14には電子部品が接続される。
【0024】図2は、このような非放射性誘電体線路の
具体例を示すもので、図において平行平板導体12の間
には誘電体線路11が介装されて非放射性誘電体線路が
形成されている。尚、図2においても、上側の平行平板
導体の記載は省略した。
【0025】下側の平行平板導体12の上面には絶縁性
フィルム13が設けられ、この絶縁性フィルム13の上
面に誘電体線路11が配置されている。誘電体線路11
の手前側先端には、高周波信号の発振装置17が配置さ
れ、誘電体線路11の中途にはダイオード等の半導体素
子が収容された高周波信号の変調装置19が設けられて
いる。
【0026】一方、絶縁性フィルム13の上面には、導
体パターン14が形成され、この導体パターン14には
変調信号の発振器や集積回路等の付属電子部品21が接
続されている。
【0027】絶縁性フィルム13は、非放射性誘電体線
路の伝搬特性を大きく劣化させないものなら何でも良い
が、おおむね比誘電率5以下、厚さ0.3mm以下が望
ましい。これは、比誘電率5よりも大きい場合や、厚み
が0.3mmよりも大きい場合には、上記したように、
誘電体線路11を伝搬する電磁波に摂動が起こり、反射
や放射の原因となるからである。絶縁性フィルム13と
しては、例えば、アセテートフィルム、テフロンフィル
ム、ポリエチレンシート、PETフィルムラミネート紙
等の樹脂フィルムがある。ガラスペースト、ガラス−セ
ラミックスペースト、セラミックペーストを塗布し、熱
処理して絶縁性フィルムを形成しても良い。
【0028】絶縁性フィルム13を平行平板導体12に
設ける場合には、絶縁性フィルム13を、接着剤、粘着
テープなどで平行平板導体12に張り付けられるが、絶
縁性フィルム13に電子部品21、誘電体線路11など
を取り付けた後、これを平行平板導体12に張り付けて
も良いし、また、絶縁性フィルム13を平行平板導体1
2に張り付けた後電子部品21、誘電体線路11を絶縁
性フィルム13に取り付けても良い。
【0029】導体パターン14の厚さ、材質、絶縁性フ
ィルム13上への形成方法は任意であるが、誘電体線路
11の直下を通る部分の厚みを0.1mm以下とするこ
とが望ましい。
【0030】さらに、その絶縁性フィルム13上の所定
の位置には誘電体線路11、高周波電子部品21などの
部品が取り付けられるが、このとき、部品の取り付け位
置を正確に合わせるために、印刷などで絶縁性フィルム
13に取り付け位置を示しておくことが望ましい。
【0031】また、電子部品21の導体パターン14上
への接続方法は、導電性ペースト、導電性接着剤、はん
だなど、どのような方法でも良い。また、誘電体線路1
1を取り付けるには通常接着剤が使用されるが、これ
も、強度を保ち、特性を劣化させることの無いものであ
れば、どんなものでもかまわない。
【0032】尚、絶縁性フィルム13は、平行平板導体
12の全面を被覆するようなものであっても、また、一
部を被覆するようなものであっても良いことは勿論であ
る。
【0033】例えば、電子部品、導体パターンを設ける
部分のみに絶縁性フィルムを設けても良い。
【0034】
【実施例】先ず、Cuから成り、100×100×8m
mの2枚の平行平板導体を用意し、下側の平行平板導体
の上面に、縦50mm、横20mm、厚さ0.08mm
のアセテートフィルムに3つの導体パターン(幅2m
m、長さ18mm)を蒸着したものを、図1に示すよう
に接着材で接着した。
【0035】この後、コージェライトから成り、高さ
2.25mm×巾1mm×長さ100mmの誘電体線路
を、前記絶縁性フィルムを横切るように、下側の平行平
板導体上に配置した後、上側の平行平板導体を誘電体線
路上面に接着し、図1に示すような本発明の非放射性誘
電体線路を作製した。尚、図1では、平行平板導体の全
面に絶縁性フィルムを設けた例であるが、この実施例で
は一部に設けることになる。
【0036】一方、本発明者等は、絶縁性フィルムの貼
付しないで、上記と同様にして非放射性誘電体線路を作
製し、ミリ波(数10〜数100GHz帯)透過特性に
ついて、上記本発明のものと比較したグラフを図3に示
す。このグラフより、本発明と従来の非放射性誘電体線
路では、高周波信号の透過特性が殆ど変化ないことが判
る。つまり、誘電体線路と平行平板導体の間に絶縁性フ
ィルムを設けても高周波信号の透過特性が殆ど変わら
ず、この絶縁性フィルムに電子部品を搭載できることが
判る。
【0037】
【発明の効果】本発明の非放射性誘電体線路は、付属電
子部品を平行平板導体内部に収容することができ、これ
により非放射性誘電体線路の厚みを画期的に薄くできる
とともに、製造が容易であるため量産に適しており、さ
らに、外部からの振動、衝撃等に対する信頼性が向上
し、さらにまた、絶縁性フィルムに印をつけることによ
り、誘電体線路等を正確な位置に容易に取り付けること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非放射性誘電体線路の基本構成の斜
視図である。
【図2】 本発明の具体的な非放射性誘電体線路の構成
を示す斜視図である。
【図3】 本実施例と比較例の非放射性誘電体線路の透
過損失を示す図である。
【図4】 従来の非放射性誘電体線路を示す斜視図であ
る。
【図5】 従来の非放射性誘電体線路モジュールの分解
斜視図である。
【符号の説明】
11・・・誘電体線路 12・・・平行平板導体 13・・・絶縁性フィルム 14・・・導体パターン 21・・・電子部品

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長λの高周波信号を伝搬する誘電体線路
    と、この誘電体線路を挟持する一対の平行平板導体とか
    ら構成され、前記一対の平行平板導体の間隔が、前記高
    周波信号の波長λの1/2以下である非放射性誘電体線
    路において、前記平行平板導体の誘電体線路側の面に絶
    縁性フィルムを設けてなることを特徴とする非放射性誘
    電体線路。
  2. 【請求項2】誘電体線路と平行平板導体との間に絶縁性
    フィルムが介装されていることを特徴とする請求項1記
    載の非放射性誘電体線路。
  3. 【請求項3】絶縁性フィルム上に電子部品および導体パ
    ターンが形成されていることを特徴とする請求項1また
    は2記載の非放射性誘電体線路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014099938A (ja) * 2008-09-25 2014-05-29 Sony Corp ミリ波伝送装置
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US9825667B2 (en) 2008-09-25 2017-11-21 Sony Corporation Millimeter wave transmission device, millimeter wave transmission method, and millimeter wave transmission system

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