JP3472490B2 - 誘電体線路モジュール - Google Patents

誘電体線路モジュール

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JP3472490B2
JP3472490B2 JP27619498A JP27619498A JP3472490B2 JP 3472490 B2 JP3472490 B2 JP 3472490B2 JP 27619498 A JP27619498 A JP 27619498A JP 27619498 A JP27619498 A JP 27619498A JP 3472490 B2 JP3472490 B2 JP 3472490B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非放射性誘電体線
路モジュールに関するものであり、例えば、ミリ波集積
回路等に好適に使用される非放射性誘電体線路モジュー
ルに関する。
【0002】
【従来技術】非放射性誘電体線路モジュールは、使用信
号波長λの1/2以下の間隔に配置された一対の平行平
板導体の間に、直線状の誘電体線路が設けられた構造を
有している。即ち、このような構造の誘電体線路モジュ
ールでは波長がλよりも大きい高周波信号は、遮断され
て平行平板導体の間の空間内には侵入できない。また誘
電体線路に沿って高周波信号を伝搬することができ、こ
の高周波信号からの放射波は、平行平板導体の遮断効果
によって抑制される。
【0003】また、上記誘電体線路モジュールの電磁波
伝搬モードとしては、LSMモード、LSEモードの2
種類があることが知られているが、一般的には損失の小
さいLSMモードが使用されている。
【0004】さらに、このような誘電体線路モジュール
では、誘電体線路を曲線状に設けることにより、高周波
信号を容易に曲げて伝搬することができるため、回路の
小型化や自由度の高い回路設計ができるという利点を有
している。
【0005】上記の誘電体線路の形成材料としては、加
工性が容易であるという見地から、従来はテフロン、ポ
リスチレンなどの樹脂材料が用いられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな樹脂材料で形成された誘電体線路を備えた誘電体線
路モジュールでは、曲線部での曲げによる伝送損失(以
下、単に曲げ損失という)や、線路接合部での伝送損失
が大きいという欠点があり、例えば曲率半径の小さい急
激な曲線部を形成することができないという問題があっ
た。
【0007】また曲率半径の大きい緩やかな曲線部を形
成した場合でも、その曲率半径を精密に設定する必要が
あった。
【0008】さらに、上述した曲げ損失を小さくし得る
信号の周波数幅が、例えば60GHz付近で1〜2GH
z程度と極めて狭い。これは、このような樹脂材料で形
成された誘電体線路モジュールでは、そのLSMモード
及びLSEモードの分散曲線が後述する図22で示すよ
うなものとなり、β/β0 =0のときの周波数差が3G
Hz程度と非常に小さく、この結果、LSMモードの電
磁波の一部がLSEモードに変換されてしまうためであ
ると考えられる。
【0009】また誘電体線路の形成材料としてアルミナ
を用いた誘電体線路モジュールも存在する。しかし、こ
の場合には、50GHz以上の高周波信号を用いるため
には、誘電体線路の幅を著しく細くすることが必要であ
り、その加工や実装が極めて困難であり、実用的でな
い。
【0010】本発明の目的は、LSMモード電磁波のL
SEモードへの変換が少なく、曲率半径が小さい急激な
曲線部を有する誘電体線路を有している場合にも低損失
での伝送可能な周波数幅が広い非放射性誘電体線路モジ
ュールを提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、回路を小型化するこ
とができ、しかも加工や回路設計の自由度の高い非放射
性誘電体線路モジュールを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体線路モジ
ュールは、信号波長λの1/2以下の間隔を置いて配置
された一対の平行平板導体と、これらの平行平板導体の
間を延びている曲線部を有する誘電体線路と、該誘電体
線路に信号を入力する発振器を具備してなるとともに、
前記誘電体線路が、比誘電率4.5〜6、測定周波数6
0GHzでのQ値1000以上のコージェライト質セラ
ミックスからなるものである。
【0013】
【0014】コージェライト質セラミックスからなる誘
電体線路は、Mg、Al及びSiを含む複合酸化物中
に、周期律表第3a族元素を含有していることが望まし
い。周期律表第3a族元素としてはYbが望ましく、そ
の含有量は、全量中Yb換算で0.1〜15重量
%含有することが望ましい。
【0015】このようなコージェライト質セラミックス
は、複合酸化物が金属元素のモル比による組成をxMg
O・yAl2 3 ・zSiO2 (x+y+z=100)
と表した時、x、y、zが、10≦x≦40、10≦y
≦40、20≦z≦80を満足することが望ましい。
【0016】また、本発明の誘電体線路モジュールで
は、平行平板導体の誘電体線路側の面に、絶縁性フィル
ム層が設けられていることが望ましい。この絶縁性フィ
ルム層は、誘電体線路と平行平板導体との間にも延びて
いても良い。絶縁性フィルム層上に、電子部品が設けら
れ且つ導体パターンが形成されていても良い。
【0017】さらに、本発明の誘電体線路モジュールで
は、誘電体線路の途中に、該誘電体線路の垂直断面に一
対のアンテナパターンと該アンテナパターンに電気的に
接続された半導体素子とが設けられ、前記平行平板導体
の誘電体線路側の面には、絶縁層を介してチョークパタ
ーンが形成され、該チョークパターンは、前記アンテナ
パターンに接続されていることが望ましい。
【0018】また、本発明の誘電体線路モジュールで
は、誘電体線路の途中には、信号入出力器が介装されて
おり、該信号入出力器は、一対のアンテナパターンと、
該アンテナパターン間に配置され且つ電気的に接続され
た半導体素子と、前記アンテナパターンの各々に接続さ
れたチョークパターンとを内蔵した誘電体基板から構成
されていることが望ましい。ここで、誘電体基板の表面
には、チョークパターンと電気的に接続された表面電極
が形成され、該表面電極には、前記平行平板導体に形成
された貫通孔を該平行平板導体と非導通状態で延びてい
る導体が接続されていても良い。
【0019】さらに、本発明の誘電体線路モジュールで
は、誘電体線路の途中及び/又は終端部における側面に
は、電波吸収体が設けられていることが望ましい。ここ
で、電波吸収体は、誘電体線路の少なくとも一方側の側
面の上端部又は下端部に設けられても良い。また、電波
吸収体は、高周波信号の進行方向に向かって拡幅するテ
ーパー部を有していても良い。
【0020】また、本発明の誘電体線路モジュールで
は、誘電体線路は、互いに隣接する第1の誘電体線路と
第2の誘電体線路とから構成されており、該第1の誘電
体線路又は第2の誘電体線路を伝送する高周波信号が前
記隣接部を通過して第1及び第2の誘電体線路から出力
されるとともに、各誘電体線路から出力される高周波信
号の周波数に対して透過率をプロットした透過率曲線
は、何れも使用周波数での透過率が極値を有することが
望ましい。ここで、第2の誘電体線路は、隣接部分にお
いて、第1の誘電体線路に比して曲率半径の小さい曲線
状に形成されることが望ましい。また、第1及び第2の
誘電体線路は、それぞれの透過率曲線における使用周波
数での透過率の極値が実質上一致していることが望まし
い。
【0021】
【作用】本発明の誘電体線路モジュールでは、誘電体線
路を、比誘電率が4.5〜のセラミックスから構成す
ることにより、比誘電率がテフロンなどの樹脂材料より
も高く、アルミナよりも低くなり、LSMモードの電磁
波のLSEモードへの変換を少なくすることができる。
また、使用周波数(60GHz)でのQ値が1000以
上のコージェライト質セラミックスを用いることによ
り、伝送損失が少なく、かつ安価で高精度に誘電体線路
を作製することができる。
【0022】さらに、誘電体線路の比誘電率がテフロン
などの樹脂材料と比して高いので、これらの樹脂材料を
用いて、例えば、誘電体線路の支持用治具や回路基板な
どを作製し、誘電体線路近傍に配置しても、その影響を
受けにくくなる。このようにして、より自由度が高く、
小型で安価な誘電体線路モジュールを構成することがで
きる。
【0023】そして、誘電体線路のコージェライト質セ
ラミックスとして、上記した組成物を用いることによ
り、焼成温度等の焼成条件を厳密に制御して得られた特
性を大きく劣化させることなく、焼成条件を改善するこ
とができる。即ち、比誘電率が4.5〜6、測定周波数
60GHzでのQ値が1000以上の低誘電率の特性を
得ることができるとともに、例えば、焼成温度幅が10
℃程度であったものを100℃程度まで向上することが
でき、製造を容易にし、量産性を向上することができ
る。
【0024】また、本発明の誘電体線路モジュールで
は、平行平板導体の誘電体線路側の面に、絶縁性フィル
ム層を設けることにより、この絶縁性フィルム上に、比
較的自由に導体パターンを作製し、それに付属電子部品
を装着して付属電子回路とすることができる。このた
め、付属電子部品を平行平板導体内部に収容することが
でき、従来のように、非放射性誘電体線路の上部に付属
電子部品を搭載した絶縁基板を配置する必要がなく、付
属電子部品を備えた誘電体線路モジュールの厚みが、例
えば従来5mm以上であったものを3mm程度に薄くす
ることができる。さらに、従来のように、絶縁基板を、
平行平板導体の間に、平行に固定する必要がなく、単に
平行平板導体の誘電体線路側の面に絶縁性フィルムを設
け、この絶縁性フィルム上に導電パターンを形成し、付
属電子部品を搭載できるため、製造が容易となり、量産
に最適となる。
【0025】また、絶縁性フィルムにおいて、誘電体線
路などの部品の装着位置に予め公知の手段、例えば印刷
により印をつけておくことにより、これらの部品を所望
の位置に確実に取り付けることができる。
【0026】さらに、付属電子部品が外表面に露出して
おらず、付属電子部品が強度のある平行平板導体の間に
配置されているため、破損等がなく、信頼性の面でも有
利である。
【0027】また、従来においては、誘電体基板に搭載
されたダイオード等の半導体素子に誘電体線路を当接
し、誘電体線路途中に誘電体基板を介装していたため、
誘電体基板の強度や安定性が悪く、製造又は使用中に誘
電体基板が位置ずれしたり、半導体素子やアンテナパタ
ーン、チョークパターンが破損していたが、本発明で
は、誘電体線路の途中には、該誘電体線路の垂直断面に
一対のアンテナパターンと該アンテナパターンに電気的
に接続された半導体素子とが設けられ、平行平板導体の
誘電体線路側の面には、絶縁層を介してチョークパター
ンが形成され、該チョークパターンは、アンテナパター
ンに接続されているため、誘電体線路外の平行平板導体
上にアンテナパターンに接続されたチョークパターンが
絶縁層を介して形成することにより、チョークパターン
を製造工程や使用中に保護することができ、これにより
製造または使用中に誘電体基板が位置ずれすることがな
く、半導体素子を誘電体線路の正確な位置に固定でき
る。
【0028】また、本発明の誘電体線路モジュールで
は、誘電体線路の途中に、信号入出力器が挟まれてお
り、該信号入出力器は、一対のアンテナパターンと、該
アンテナパターン間に配置され且つ電気的に接続された
半導体素子と、該アンテナパターンの各々に接続された
チョークパターンとを内蔵した誘電体基板から構成する
ことにより、半導体素子やパターンを製造工程や使用中
に保護することができるとともに、誘電体基板の強度が
向上し、また誘電体線路が当接する部分は誘電体基板の
平坦な表面であり、安定した状態で接続することができ
る。これにより、製造又は使用中に誘電体基板が位置ず
れすることがなく、誘電体基板を正確な位置に取り付け
ることができる。
【0029】また、誘電体基板の平坦な表面に誘電体線
路が当接するため、誘電体基板と誘電体線路との間に空
隙が形成されることを防止することができ、誘電体基板
と誘電体線路のインピーダンスマッチングが取りやすく
なり、高周波信号の透過特性が良好な帯域幅を拡大する
ことができる。
【0030】また、誘電体基板の表面に、チョークパタ
ーンと電気的に接続された表面電極を形成し、該表面電
極に接続された導体が、平行平板導体に形成された貫通
孔を該平行平板導体と非導通状態で挿通しているため、
従来のように煩雑で不安定な導線の取り付けや取り回し
工程を省略することができ、信頼性が高く、安価に量産
することができる。
【0031】また、本発明では、誘電体線路の両側面の
上下端部に電波吸収体を設けることにより、高周波信号
の減衰消滅効果を向上することができ、これにより、従
来よりも小型で効率の良い終端、減衰特性が得られる。
【0032】さらに、本発明の誘電体線路モジュールで
は、一方の曲線状の誘電体線路の曲率半径を小さくする
ことにより2つの誘電体線路の非対称性をさらに大きく
し、また2つの誘電体線路間の間隔を調整することによ
り、使用周波数での透過率が極値となり、使用周波数付
近の透過率曲線の傾きが非常に小さくなり、帯域幅が広
くなり、通信などの広帯域を必要とする機器にも応用す
ることができる。
【0033】また、帯域幅が広いため、カプラを構成す
る2つの誘電体線路の間隔が多少変化しても、透過率が
ほとんど変化しないため、調整が簡単で容易に大量生産
でき、設計の自由度が高くなる。
【0034】さらに、従来の誘電体線路よりも曲率半径
を小さくすることにより、帯域幅を広くすることができ
るため、小型化できる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の非放射性誘電体線路モジ
ュールを追突防止用レーダに用いた例を図1に基づいて
説明する。
【0036】図1は追突防止用レーダに用いる非放射性
誘電体線路モジュールを示すもので、誘電体線路A1の
先端に配置されたGunnダイオード(ミリ波発振器)
Bからミリ波が発振され、このミリ波の一部がカップラ
ーC1によりLocal波に分割され、残ったミリ波が
サーキュレーターDを介して信号入出力器E1に入力さ
れ、この信号入出力器E1により変調し、例えば、前方
を走行している自動車に向けて照射する。尚、信号入出
力器E1へ進行してきたミリ波の反射からGunnダイ
オードBを保護するため、反射波をサーキュレーターD
により終端器F1に向けて進行させる。尚、平行平板導
体について省略した。
【0037】前方の自動車から反射してきた受信波が誘
電体線路A2を進行し、受信波の1/2とカップラーC
1からのLocal波の1/2とが、誘電体線路A2の
端部に配置された信号入出力器E2と、カップラーC2
の端部に配置された信号入出力器E3とに向けてそれぞ
れ進行し、それぞれの信号が信号入出力器E1、E2、
E3から取り出される。尚、カップラーC1の一端部に
は終端器F2が設けられている。
【0038】以下、本発明の非放射性誘電体線路モジュ
ールについて詳細に説明する。非放射性誘電体線路モジ
ュールの基本的な構造を示す図2及び図3において、こ
のモジュールは、互いに平行に配置された一対の平行平
板導体1、1と、これら平行平板導体1、1の間にサン
ドイッチされている誘電体線路2を備えている。尚、図
2及び図3では、理解を容易にするため、上側の平行平
板導体1の一部を切り欠いて示してある。
【0039】平行平板導体1、1の間隔は、使用信号波
長λの1/2以下に設定されており、これにより波長が
λより大きい高周波信号の平行平板導体1、1間への侵
入が防止され、且つ誘電体線路2からの電磁波の放射も
抑制される。また誘電体線路2に沿って高周波信号が伝
送されるが、この誘電体線路2は、図2のように直線状
に形成することもできるし、図3のように曲線状に形成
することもできる。
【0040】本発明は、上記誘電体線路2を、比誘電率
が4.5乃至6の誘電体を用いて形成したことが顕著な
特徴である。従来使用されているテフロンやポリスチレ
ン等の樹脂材料の比誘電率は2乃至4であり、またアル
ミナの比誘電率は10程度であり、本発明の誘電体線路
2の形成材料として用いる誘電体は、比誘電率がこれら
の中間にある。即ち、本発明によれば、このような比誘
電率を有する誘電体を用いて誘電体線路2を形成するこ
とにより、LSMモード電磁波のLSEモードへの変換
を少なくすることができ、従って、曲率半径の小さい急
激な曲線部を誘電体線路2に設けた場合にも曲げによる
伝送損失が小さい周波数幅は広くなる。例えば、比誘電
率が4.5よりも小さい誘電体を用いた場合には、LS
Mモード電磁波のLSEモードへの変換が大きくなり、
上述した本発明の利点が失われる。また、比誘電率が8
よりも大きい誘電体を用いると、例えば50GHz以上
の周波数を有する高周波信号を伝送するためには、誘電
体線路2の幅を著しく細くすることが必要となり、加工
精度や強度の点で問題を生じる。
【0041】また、本発明で誘電体線路2の形成材料と
して用いる誘電体は、周波数60GHzでのQ値が10
00以上、好ましくは2000以上、最も望ましくは2
500以上であるのが良い。このようなQ値を有する誘
電体は、近年におけるマイクロ波帯、ミリ波帯で使用さ
れる電装線路に充分対応し得る低損失性を有しているか
らである。
【0042】上述した比誘電率を有する誘電体として
は、特にコージェライト質セラミックスを挙げることが
できる。このコージェライト質セラミックスは、Mg、
Al及びSiを含む複合酸化物を主成分とするものであ
り、例えばこれらの金属元素のモル組成を下記式 xMgO・yAl2 3 ・zSiO2 式中、x、y、zは、x+y+z=100を満足する数
である、で表した時、前記x、y、zが、下記条件 10≦x≦40、特に15≦x≦35、最も好適には20≦x≦30 10≦y≦40、特に17≦y≦35、最も好適には17≦y≦30 20≦z≦80、特に30≦z≦65、最も好適には40≦z≦60 を満足することが望ましい。即ち、Mg、Al、Siを
このような割合で含有しているコージェライト質セラミ
ックスは、前述した60GHzでのQ値が高く、本発明
には極めて有利である。
【0043】例えば、MgO含有量を示すxが10未満
の場合には、良好な焼結体が得られず、Q値も低く、ま
た40よりも大きいと、焼結体の比誘電率が高くなる。
特に60GHzでのQ値を2000以上に高めるために
は、xは15乃至35の範囲にあるのが良く、Q値を2
500以上に高めるためには、xは、20乃至30の範
囲にあるのが良い。
【0044】また、Al2 3 含有量を示すyが10未
満の場合には、上記と同様、良好な焼結体が得られず、
Q値も低い。またyが40よりも大きいと、焼結体の比
誘電率が高くなる。特に60GHzでのQ値を2000
以上に高めるためには、yは、17乃至35の範囲にあ
るのが良く、Q値を2500以上に高めるためには、y
は17乃至30の範囲にあるのがよい。
【0045】さらに、SiO2 含有量を示すzが20よ
りも小さい場合には、比誘電率が高くなり、80を越え
ると良好な焼結体が得られず、Q値が低くなる。60G
HzでのQ値を2000以上に高めるためには、zは3
0乃至65の範囲にあるのがよく、Q値を2500以上
に高めるためには、zは40乃至60の範囲にあるのが
よい。
【0046】また上述したコージェライトセラミックス
は、特に周期律表第3a族元素を含有していることが望
ましい。周期律表第3a族元素を含有するコージェライ
ト質セラミックスは、例えば本発明で最も好適な比誘電
率と高いQ値を有し、且つ充分に緻密化された焼結体を
得るための焼成条件がマイルドであるという利点を有す
る。例えば、周期律表第3a族元素を含有していないも
のでは、緻密化焼成温度幅が約10℃であるが、このよ
うな元素を含有しているものでは、緻密化焼成温度幅が
約100℃に広がり、量産が容易であるという利点があ
る。
【0047】周期律表第3a族元素には、Sc、Y、L
a、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどがある
が、本発明では、これらの中でもYbが望ましく、前記
複合酸化物当たり、Yb2 3 換算で0.1〜15重量
%、特に0.1〜10重量%の量でYbを含有している
ことが望ましい。例えば、Yb含有量が0.1重量%未
満では、緻密化焼成温度幅が広くならないため、量産性
の点で不満足となる。また15重量%よりも多量にYb
を含有するセラミックスでは、誘電損失が大きくなり、
Q値も低くなる。一般に、Yb含有量を多くする程、コ
ージェライト質セラミックスの緻密化焼成温度幅が広く
なるが、反面、比誘電率が高くなり且つQ値は低下する
ため、比誘電率やQ値と緻密化焼成温度幅との兼ね合い
でYbの含有量を決定することが望ましい。
【0048】本発明において最も好適に使用されるコー
ジェライト質セラミックスは、前述したモル比による複
合酸化物の組成がx=22.2、y=22.2、z=5
5.6であり、且つYbをYb2 3 換算で0.1〜1
0重量%の量で含有するものである。
【0049】上述したコージェライト質セラミックスを
得るためには、原料粉末として、Mg、Al、Siを含
む粉末、さらに必要により、周期律表第3a族元素を含
む粉末を用いるが、これらの粉末は、焼成により酸化物
を形成し得る限り、酸化物、炭酸塩、酢酸塩等の無機化
合物、或いは有機金属等の有機化合物として、これらの
元素を含むものであっても良い。例えば、MgCO3
末、Al2 3 粉末、SiO2 粉末、Yb2 3 粉末な
どがこれら元素の供給源として使用される。
【0050】そして、例えば、このような原料粉末を所
定の割合で湿式混合し乾燥した後に、この混合物を大気
中、1100〜1300℃で仮焼し、粉砕する。得られ
た粉末に適量のバインダーを加えて所定の形状(即ち、
誘電体線路2の形状)に成形し、この成形物を大気中1
200〜1550℃の範囲で焼成することにより、上述
したコージェライト質セラミックスからなる誘電体線路
を形成することができる。
【0051】上記のようにして得られるコージェライト
質セラミックスは、主結晶相がコージェライトである
が、用いる原料粉末の組成等に応じて、副結晶相とし
て、ムライト、スピネル、プロトエンスタタイト、クリ
ノエンスタタイト、クリストバライト、フォルステライ
ト、トリジマイト、サファリン、Re2 Si2 7 (R
eは周期律表第3a族元素)などの結晶が析出する場合
があるが、比誘電率やQ値が所定の範囲にある限り、こ
のような副結晶相が析出しても何ら問題ない。また、原
料粉末や粉砕のために用いる粉砕ボール中に含まれるC
a、Ba、Zr、Ni、Fe、Cr、P、Na、Tiな
どが不純物として誘電体線路を形成するコージェライト
質セラミックス中に含まれることがあるが、やはり、比
誘電率やQ値が前述した範囲にある限り、特に問題な
い。
【0052】上述した特定の比誘電率を有する誘電体か
らなる誘電体線路2を備えている本発明の誘電体線路モ
ジュールは、伝送損失を損なうことなく曲率半径の小さ
な急激な曲線部を誘電体線路2に形成することができる
ため、回路設計の自由度が極めて高く、回路の小型化や
コストダウンの点で極めて有利であり、また極めて高精
度に製造することができ、特に周波数が50GHz以上
の高周波信号の伝送に極めて有用である。
【0053】さらに本発明の誘電体線路モジュールは、
誘電体線路2を構成する誘電体の比誘電率が、テフロン
等の樹脂材料に比して高いため、これらの樹脂材料によ
る影響を受けにくいという利点もある。即ち、回路基板
や誘電体線路の支持用治具などの誘電体線路2の近傍に
配置される部材を、上記のような樹脂材料で形成した場
合にも、伝送特性等が低下することがなく、このような
点でも回路設計の自由度が高く、小型化やコストダウン
の点で優れている。
【0054】上述した比誘電率が4.5乃至の誘電体
からなる誘電体線路2と一対の平行平板導体1、1とか
らなる非放射性誘電体線路を備えたモジュールには、種
々の電子部品や回路を取り付けることができる。尚、平
行平板導体1、1は、電気伝導性が高く且つ加工性が優
れている点で、Cu、Al、Fe、ステンレス、Ag、
Au、Ptなどの導体板から形成されているのがよい
が、絶縁基板上に、これらの導体層が形成された構造を
有するものでも良い。
【0055】例えば、本発明では、平行平板導体1、1
の誘電体線路2が設けられている側の面に絶縁性フィル
ム層を設けることができ、この絶縁性フィルム層上に種
々の電子部品を設けることができる。図4には、このよ
うな絶縁性フィルム層を設けたモジュールの基本構造を
示し、図5には、その具体例を示した。尚、これらの図
では、説明の便宜上、上側の平行平板導体1は省略して
いる。
【0056】図4に示されているように、本発明のこの
例では、平行平板導体1の上面、即ち、誘電体線路2が
設けられる側の面に絶縁性フィルム層5が設けられ、絶
縁性フィルム層5には、導体パターン6が形成されてい
る。即ち、絶縁性フィルム層5上に種々の電子部品が設
けられるが、上記誘電体線路2或いは導体パターン6に
これらの電子部品が接続されるわけである。即ち、図5
に示すように、誘電体線路2の手前側先端部には、高周
波信号の発振器10が配置され、誘電体線路2の途中に
は、ダイオード等の半導体素子を備えた高周波信号の入
出力器11が設けられている。また、絶縁性フィルム層
5上に形成されている導体パターン6には、変調信号の
発振器や集積回路等の付属電子部品12が接続される。
【0057】このような絶縁性フィルム層5を設けた態
様では、各種の付属電子部品12を一対の平行平板導体
1、1の間に収容することができるため、モジュールの
厚みを薄くすることができ、モジュールのカード型化の
点で極めて有利であり、また量産性の点でも極めて有利
である。例えば、従来の非放射性誘電体線路を備えたモ
ジュールでは、上述した付属電子部品12等は、平行平
板導体1の誘電体線路2が設けられていない側の面に固
定された絶縁基板上に設けられていた。このような場合
には、必然的にモジュールの厚みは大きくなってしま
い、コンピューターに内蔵するためのモジュールのカー
ド型化の点で不都合を免れない。また、平行平板導体
1、1に絶縁基板を固定したり、或いは絶縁基板導体上
に設けられた付属電子部品12を、誘電体線路2に接続
されている発振装置や信号入出力器に接続するために、
絶縁基板や平行平板導体にスルーホールを設けることが
必要となってしまい、量産性の点でも問題がある。しか
るに、図4、5に示した態様では、このような問題点が
有効に解消されていることが理解できる。
【0058】絶縁性フィルム層5は、誘電体線路2と一
対の平行平板導体1、1とからなる非放射性誘電体線路
の伝送特性を大きく劣化させない限り、任意の材料で形
成されていてよいが、一般的には、比誘電率が5以下で
あり、且つその厚さは0.3mm以下であることが好ま
しい。即ち、比誘電率が5よりも大きい材料で形成され
ていた場合や厚みが0.3mmよりも大きいと、この誘
電体線路を伝搬する電磁波に摂動が起こり、反射や放射
の原因となるからである。
【0059】このような絶縁性フィルム層材料として
は、例えば、ポリアセテート、テフロン、セロハン、ポ
リ塩化ビニール、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエ
チレンテレフタレートなどの樹脂や、ガラスペースト、
ガラス−セラミックスペーストなどがある。また、上述
した樹脂を紙等にラミネートしたラミネート紙も使用す
ることができる。
【0060】従って、これらのフィルムを、接着剤や粘
着テープなどを用いて平行平板導体に張りつけたり、あ
るいはガラスペーストやガラス−セラミックスペースト
を平行平板導体に塗布した後に熱処理を行うことによ
り、絶縁性フィルム層5を形成することができる。
【0061】また、誘電体線路2、導体パターン6、発
振器10、付属電子部品12は、平行平板導体1上に絶
縁性フィルム層5を設けた後に、このフィルム層5上に
設けることができるが、誘電体線路2等を前述した樹脂
フィルムに設けた後に、この樹脂フィルムを平行平板導
体1に張りつけることもできる。
【0062】また絶縁性フィルム層5に誘電体線路2や
電子部品12等を設ける場合には、これらの取り付け位
置を正確に設定するために、印刷などにより絶縁性フィ
ルム層5或いは絶縁性樹脂フィルムに取り付け位置を明
示しておくことが望ましい。
【0063】導体パターン6の厚みや材質、絶縁性フィ
ルム層5上への導体パターンの形成方法は特に制限され
ないが、誘電体線路2の直下を通る部分の厚みを0.1
mm以下にすることが好適である。
【0064】さらに電子部品12等と導体パターン6と
の接続方法も特に制限されず、例えば、導電性ペース
ト、導電性接着剤、ハンダなどを用いて接続を行うこと
ができる。尚、誘電体線路2を絶縁性フィルム層5上に
取り付けるには、通常、接着剤が用いられるが、誘電体
線路2の伝送特性や強度が損なわれない限り、どのよう
な接着剤を用いても構わない。さらに絶縁性フィルム層
5は、平行平板導体1の全面に設けることもできるし、
電子部品12や導体パターン6を設ける部分にのみ設け
ることもできる。
【0065】また、本発明のモジュールでは、誘電体線
路2の途中に、ダイオード等の半導体素子を備えた信号
入出力器を設けることができ、これにより、モジュール
に信号の周波数変換、スイッチング、減衰、検出等の機
能を持たせることができる。
【0066】例えば、図5では、この信号入出力器は1
1で示されている。このような信号入出力器11が設け
られている誘電体線路の基本的な構造を図6に示し、信
号入出力器11に形成されているパターン構造を図7に
示した。
【0067】即ち、上記の信号入出力器11は、誘電体
線路2の途中に挟まれた誘電体基板15から形成されて
おり、この誘電体基板15の一主面には、図7に明示さ
れているように、外部への高周波信号の漏洩を防止する
ためのチョークパターン16、16と、高周波信号を受
信する一対のアンテナパターン17、17とが形成され
ており、チョークパターン16、16は、アンテナパタ
ーン17、17のそれぞれに接続されているとともに、
アンテナパターン17、17の間には、ダイオードなど
の半導体素子18が配置され、アンテナパターン17、
17に接続されている。また、上記のアンテナパターン
17、17は、誘電体線路2によって覆われている部
分、即ち、高周波信号の伝搬路に配置されている。さら
に、チョークパターン16、16には、図6に示すよう
に、入出力導線20が接続されており、この入出力導線
20は、平行平板導体1に設けられたホール21を通っ
て外部に伸びており、種々の電子部品等に接続されてい
る。従って、図5のように絶縁性フィルム層を設けた場
合には、導体パターン6が入出力導線20に相当し、上
記のようなホール21は特に形成する必要はない。
【0068】ところで上記のような信号入出力器11を
設けた場合には、高周波信号の伝搬路、換言すると、電
磁波の集中する部分に誘電体基板15が挿入されている
ため、伝送特性が劣化するという欠点がある。例えば、
誘電体線路2を伝搬する高周波信号の一部が誘電体基板
15内にまで伝搬し、漏洩するため、信号の損失が生じ
るという問題がある。また誘電体基板15は、その厚さ
が薄く且つその長さが大きいものであるため、誘電体基
板15の正確な位置決めが困難であり、モジュールの製
造中或いは使用中に、誘電体基板15の位置ずれや破損
が生じるという危険性がある。
【0069】しかるに本発明によれば、上記入出力器1
1におけるチョークパターンを平行平板導体1上に形成
することにより、上述した問題を回避することができ
る。この例を図8に示した。尚、図8においても、図6
と同様、上側の平行平板導体1は省略されている。
【0070】即ち、図8のモジュールでは、誘電体線路
2と実質的に同一の断面形状を有する誘電体基板25
が、誘電体線路2の途中に挟まれており、この誘電体基
板25の面(誘電体線路2の垂直断面に相当する面)に
は、高周波信号送受信用の一対のアンテナパターン2
6、26が形成されており、このアンテナパターン2
6、26の間には半導体素子27が接続されている。ま
た、平行平板導体1上には、絶縁層28が形成され、こ
の絶縁層28上にチョークパターン29が形成されてお
り、このチョークパターン29は、高周波信号入出力用
の電極30を介してアンテナパターン26に接続されて
いる。また、このチョークパターン29は、図5の例と
同様、平行平板導体1に設けられたホール21を通って
外部へ延びており、且つ種々の電子部品等に接続されて
いる入出力導線20が接続されている。
【0071】かかる構造によれば、チョークパターン2
9が、電磁波が集中する誘電体線路2の垂直断面上に形
成されていない。従って、このチョークパターン29が
誘電体線路2を伝搬する高周波信号に影響を与えず、高
周波信号の伝送特性を向上させることができる。また、
誘電体基板25は、誘電体線路2の垂直断面と同じ大き
さで良いため、その取り付けが容易であり、取り付け位
置の精度も高く、モジュールの製造中或いは使用中に位
置ずれや破損を生じる恐れもない。
【0072】誘電体基板25は、前述した誘電体線路2
と同じ誘電体材料で形成されているのが好ましく、絶縁
層28は、先の図5の例で形成されている絶縁性フィル
ム層5を構成するものと同様の絶縁性材料で形成するこ
とができ、この厚みは10〜200μm程度であるのが
良い。この絶縁層28は、スパッタリング法、蒸着法、
塗布法、浸漬法等により、平行平板導体1上に形成する
ことができるし、絶縁性フィルムを接着剤、粘着テープ
等を用いて張り付けることにより形成することもでき
る。また半導体素子27としては、高周波半導体ダイオ
ード、ガンダイオード、インパットダイオード、可変容
量ダイオード、ショットキーダイオード、バラクタダイ
オード、PINダイオード等が使用されるが、これらに
限定されるものではなく、インダクタ、キャパシタ、ト
ランジスタ等の機能を有する電子部品も使用することが
できる。
【0073】アンテナパターン26及びチョークパター
ン29は、電気伝導性の高いAu、Cu、Alなどから
形成されているのがよい。またこれらのパターン26、
29は、蒸着法等を用いて誘電体基板25或いは絶縁層
28上に形成することができるが、所定のパターン形状
に成形された薄い金属板を張り付けることにより形成す
ることもできる。アンテナパターン26は、基本的には
高周波信号の受信用であるが、これを高周波信号或いは
その他の信号の送信用としても使用することができる。
送信用として使用する場合には、このアンテナパターン
26に信号入力用の給電線を接続することが必要である
が、チョークパターン29を通じてアンテナパターン2
6に信号を入力することもできる。また図8の例におい
て、チョークパターン29は、パターン間隔が伝送する
高周波信号の1/4波長に設定された1/4波長チョー
クパターンとするのが好ましい。このようなチョークパ
ターンは、高周波信号を遮断するインダクタ(チョーク
コイル)と等価であり、高周波信号の外部への漏洩を有
効に防止することができる。
【0074】高周波信号入出力用の電極30は、アンテ
ナパターン26を誘電体基板25の下部に延長する、或
いは誘電体基板25の下部に別個に電極を設ける等の手
段により形成することができ、この電極30とチョーク
パターン29とは、ハンダ、導電性接着剤等を用いて接
続される。
【0075】チョークパターン29からの信号の取出
は、前述した入出力導線20を介して行われるが、この
導線20が通るホール21には、その内部に絶縁材料を
充填し、或いはホール21の内壁に絶縁物質をコーティ
ングし、導線20と平行平板導体1との導通を防止して
おく。勿論、入出力導線20に絶縁チューブを被覆して
おくこともできる。また、このような入出力導線20
は、前述した図5の例のように平行平板導体1上に絶縁
性フィルム層5を設けた場合には、導体パターン6で置
き換えることができ、この場合、ホール21を設ける必
要もない。
【0076】上述した図8の例は、図6の高周波信号入
出力器11におけるチョークパターンをアンテナパター
ンとは別個に平行平板導体1上に設けた例であるが、こ
れらのアンテナパターンとチョークパターンとを誘電体
基板内に内蔵させることもできる。図9には、このよう
な構造の高周波信号入出力器(図中、40で示す)を備
えたモジュールの基本的な構造を示し、図10には高周
波信号入出力器40の分解斜視図を示した。尚、図9で
は、上側の平行平板導体1は省略した。
【0077】図9及び図10から明らかなように、この
高周波信号入出力器40は、一対の誘電体基板45、4
6を備えており、誘電体基板45、46の間には、一対
のアンテナパターン47、47、一対のチョークパター
ン48、48及び半導体素子49とが配置されている。
即ち、アンテナパターン47、47のそれぞれにチョー
クパターン48が接続されており、アンテナパターン4
7、47の間には、半導体素子49が接続して設けられ
ている。またチョークパターン48、48には、誘電体
基板45或いは46上に形成されている信号入出力用の
表面電極50が接続されている(図9では、誘電体基板
46の上面に表面電極50が形成されている)。
【0078】さらに一方の誘電体基板45には、半導体
素子収容用の凹部51が形成されており、この部分に半
導体素子49が配置されるようになっている。勿論、こ
の凹部51は、他方の誘電体基板46に形成されていて
もよいし、誘電体基板45、46の両方に形成されてい
ても良い。このような凹部51に半導体素子49を配置
することにより、誘電体基板45、46を密着させるこ
とができ、この信号入出力器40の強度を高め、且つ厚
みを薄くすることができる。
【0079】表面電極50からは、例えば図8の例と同
様、適当な入出力導線(図示せず)が接続され、この導
線は平行平板導体1に形成されているホールを通して外
部に延ばされ、各種の電子部品や回路に接続される。ま
た、図5のように、平行平板導体1上に絶縁性フィルム
層を設けた場合には、このフィルム層に形成されている
導体パターンに直接表面電極50を接続することができ
る。
【0080】このような構造の信号入出力器40を備え
たモジュールは、アンテナ及びチョークパターン、及び
半導体素子が誘電体基板によって保護されているため、
モジュールの製造中或いは使用中に、これらの部材が破
損するというトラブルを有効に防止することができる。
さらに従来の信号入出力器は、図6、7で説明したよう
に、半導体素子が誘電体基板の表面に設けられているた
め、誘電体線路との接続部分に、半導体素子の厚み分だ
け空隙が形成される。従って、インピーダンスの不整合
による高周波信号の反射を生じやすいという問題がある
が、この図9、10に示す信号入出力器40を用いた場
合には、誘電体線路2との接合部分が誘電体基板の平坦
な面となるため、インピーダンスマッチングが容易とな
り、伝送特性が良好な高周波信号の周波数帯幅が拡大す
るという顕著な利点が得られる。
【0081】また、平坦な面で誘電体線路2が接続され
るため、信号入出力器を安定且つ精度よく所定の位置に
配置することができ、その位置ずれ等を有効に防止する
ことができる。
【0082】上述した図9及び図10において、アンテ
ナパターン47、チョークパターン48等は、図8の例
で説明したのと同じ方法で形成することができ、また表
面電極50は、チョークパターン48を延長させたり、
或いは別個の電極を設け,これをハンダや導電性接着剤
を用いてチョークパターン48と接続する等の方法によ
り形成することができる。
【0083】上述した種々のタイプのモジュールでは、
誘電体線路2の途中もしくは終端部に高周波信号を減衰
させたり消滅させたりするために、電波吸収体を設ける
ことができる。即ち、線路の終端部では、信号の反射を
生じやすいが、このような反射が生じると、高周波デバ
イスに悪影響を及ぼしたり、入力信号波と反射信号波と
が合成されて定在波を作る現象が発生する。このような
反射を抑制するために、誘電体線路2の終端部には、電
波吸収体を備えた終端器を配置することができる。
【0084】また高周波デバイスを保護するために、入
力される信号電力の強度を減衰させるために、誘電体線
路2の途中の適当な部分には、電波吸収体を備えた減衰
器を配置することができる。このような終端器及び減衰
器を備えた誘電体線路を有するモジュールの基本的構造
を図11に示し、終端器の構造を図12(a)に示し、
減衰器の構造を図12(b)に示した。尚、図11にお
いては減衰器61と終端器60の双方を用いたが片方の
みを用いることもできる。また図11でも上側の平行平
板導体1は省略されている。
【0085】これらの図から明らかなように、誘電体線
路2の終端に設けられている終端器60及び線路2の途
中に設けられている減衰器61では、何れも誘電体線路
を形成する誘電体片63、63の間に電波吸収体65が
サンドイッチされている。即ち、この電波吸収体65
は、誘電体線路2の厚み方向中央部に位置しているが、
これは、この部分が横方向の電場が最も強いため、この
部分に電波吸収体65を配置することにより、最も効率
よく、高周波信号の減衰若しくは消滅を行うことができ
ると考えられているからである。また、上記の電波吸収
体65は、終端器60では信号の進行方向xとは反対側
の端部に、減衰器61では、この進行方向xに沿った両
側の端部に切欠66が形成されている。この切欠66
は、これらのデバイスと誘電体線路2とのインピーダン
スをマッチングさせるためのものである。
【0086】上述した電波吸収体65を備えた終端器6
0及び減衰器61は、一般的に採用されているものであ
るが、これらのデバイスでは、高周波信号を減衰或いは
消滅させる効果が未だ充分ではない。例えば、上記のよ
うな終端器60を用いた場合、高周波信号を充分に消滅
させて反射を防止するためには、電波吸収体65の長さ
約20mm程度とすることが必要であり、モジュールの
小型化に対して大きな弊害となっている。また、上記の
ようなデバイスは、誘電体線路2とは全く別個に製造
し、誘電体線路2に取り付けなければならないため、そ
の位置ずれや破損を生じ易いという問題もある。本発明
者等は、このようなデバイスについて検討した結果、誘
電体線路2の側面に電波吸収体を設けることにより、上
述した問題を解決し得ることを見出した。
【0087】このような電波吸収体が側面に設けられて
いる誘電体線路を有するモジュールの基本構造を図13
に示し、図14(a)には、上記誘電体線路の減衰部の
拡大図及び図14(b)にはその分解図を示し、図15
(a)には終端部の拡大図および図15(b)にはその
分解図を示した。
【0088】これらの図において、誘電体線路2の途中
の減衰部70の側面には、その上端及び下端の計4か所
に電波吸収体71が設けられている。また誘電体線路2
の終端部75の側面には、その上端及び下端の計4か所
に電波吸収体71が設けられている。尚、電波吸収体7
1は、いずれも誘電体線路2の両側面に設けられている
が、場合によっては、一方側の側面にのみ設けることも
できるし、また該側面の上端部或いは下端部のいずれか
一方に設けることもできる。
【0089】かかる態様によれば、前述した図11、1
2に示された減衰器或いは終端器を用いた場合に比し
て、著しく効率よく高周波信号の減衰、消滅を行うこと
ができる。即ち、非放射性誘電体線路の電磁場の分布を
調べると、誘電体線路2の側面の上端及び下端に、縦方
向の電場が強い部位が存在していることが確認された。
【0090】従って、このような部位に電波吸収体を設
けることにより、高周波信号の減衰及び消滅を効率よく
行うことが可能となるものである。
【0091】また、この態様によれば、電波吸収体71
は、誘電体線路2の側面に接着剤等による張り付け或い
は蒸着により極めて簡単に設けられ、前述した図11、
12の例のように、誘電体線路2とは別体の減衰器や終
端器を製造する必要はなく、生産性の点でも極めて有利
であり、また電波吸収体は所定の位置に安定に保持さ
れ、その位置ずれ等の問題もなく、その信頼性の点でも
極めて優れている。
【0092】また電波吸収体71は、信号入射側の端部
には、信号の進行方向xに向かって次第に拡幅となるテ
ーパー部71aが形成され、このテーパー部71aに連
なって一定幅の帯状部71bが形成されていることが好
ましく、さらに減衰部70に設けられる電波吸収体71
では、信号出口側端部に、信号の進行方向xに向かって
次第に狭幅となるテーパー部71cが形成されているこ
とが好ましい。電波吸収体71の形状をこのようにする
ことによって、高周波信号の減衰、消滅特性を最大限に
高めることができる。
【0093】尚、電波吸収体の帯状部71bの幅は、信
号の反射やモード変換が大きくならない限り、その寸法
に制限はないが、良好な減衰特性と反射防止特性が得ら
れるという点から、誘電体線路2の高さ(平行平板導体
1、1の間隔に相当)の10〜40%程度とすることが
望ましい。また電波吸収体71の長さは、目的とする減
衰特性或いは消滅特性が得られるような長さに設定さ
れ、先にも述べたように、このような態様では、短い長
さで十分な減衰特性、消滅特性を発現させることができ
る。また、上述した誘電体線路2の側面に設けられる電
波吸収体は、図11、12で示される終端器や減衰器の
側面に設けることも可能である。
【0094】上述した例において、電波吸収体65、7
1は、任意の抵抗体材料もしくは電波吸収材料で形成さ
れるが、効率のよい減衰特性を得るためには、抵抗体材
料として、ニッケルクロム合金、カーボン等を用いるの
がよい。また電波吸収材料には、パーマロイ、センダス
トなどがある。
【0095】上述した種々の構造の非放射性誘電体線路
を備えたモジュールでは、複数の誘電体線路を隣接して
配置することにより、これら誘電体線路を伝搬する信号
の分割及び結合を行うことができる。このような誘電体
線路の結合構造(以下、単に「カプラ」と呼ぶことがあ
る)には、大きく分けて、図16、17に示すものがあ
る。
【0096】即ち、図16では、直線状の第1誘電体線
路80に対して、間隔Lを置いて直線状の第2の誘電体
線路81が隣接されており、このカプラは誘電体線路8
0、81が対称的に配置されている。この場合、第1の
誘電体線路80と、第2の誘電体線路81とを同一の曲
率半径を有する曲線状のものとすることもできる。
【0097】また図17では、直線状の第1の誘電体線
路80に対して、曲率半径がRの曲線部を有する曲線状
の第2の誘電体線路81に最も近接しており、その間隔
はLである。このカプラでは、誘電体線路80、81が
非対称的に配置されている。
【0098】この場合、第1の誘電体線路80は、曲率
半径が前記よりも著しく大きい曲線部分を有するもので
あってもよい。
【0099】上記の図16、17のカプラにおいて、第
1の誘電体線路80のポートaから入射された高周波信
号(電磁波)は、一部は第2のストリップ線路81との
隣接部で第2のストリップ線路81と電磁結合してポー
トcから出力される。また、第2のストリップ線路81
のポートdから入射された電磁波は、上記と同様に分割
されてポートbとポートcとに出力される。さらに、ポ
ートaとポートdに同時に電磁波を入射すると、分割さ
れた電磁波が混合されてポートb,ポートcへ出力され
る。これらの場合、ポートbとポートcとに出力される
電磁波の比率(分割比)は、一般に、2つの誘電体線路
80,81の間隔Lを変えることによって調整される。
【0100】ところで従来、ポートaから入射された周
波数60GHzの高周波信号がポートb,ポートcに等
分割されて出力される場合において、従来採用されてい
る対称カプラでは、その周波数と透過率との関係を計算
で求めると、図18に示されている様に設定され、また
非対称カプラでは、図19に示されている様に設定され
ている。尚、図18,19中、Sbaは、ポートbに出
力される高周波信号の透過率曲線、Scaはポートcに
出力される高周波信号の透過率曲線を示す。
【0101】これらの図から明らかな通り、従来は、使
用信号の周波数(60GHz)で曲線Sba、曲線Sc
aとが交差するようにカプラの設定が行われており、非
対称カプラの場合は、対称カプラに比して、ポートcで
の透過率が小さく、また上記曲線の交点が低周波数側に
移行していることが理解される。また、非対称カプラで
は、互いに隣接する2本の誘電体線路が非対称となって
いるため、計算通りの透過率で高周波信号がポートcに
出力されないという問題もあった。このような点を考慮
して、従来のモジュールでは、特に図16に示すような
対称型カプラが採用されていた。また一方の誘電体線路
を直線状とし、他方の誘電体線路を曲線状とする場合に
は、曲線状の誘電体線路の曲率半径をできるだけ大きく
し、誘電体線路同士の対称型を高めるようにカプラが設
計されていた。
【0102】このように、従来採用されているカプラで
は、設計の自由度が極めて小さく、このことは、モジュ
ールの小型化の大きな妨げとなっている。さらに、図1
8に示されている曲線から理解されるように、対称カプ
ラを用いた場合では、使用信号の周波数前後において透
過率が大きく変化するという問題がある。即ち、60G
Hzから僅かに周波数がずれると、透過率は大きく変化
している。このため、従来のカプラでの使用周波数帯幅
が要求される機器には、このようなカプラを使用するこ
とが困難である。また、誘電体線路80,81の間隔L
が変動すると、透過率が大きく変化してしまうため、こ
れらの線路の間隔Lを厳密に設定する必要があり、この
ことは、モジュールの量産性を高める上での弊害となっ
ている。
【0103】しかるに上述した問題は、互いに隣接され
るストリップ線路80,81について、信号の周波数に
対して透過率をプロットした曲線を作製したとき、各曲
線が使用信号の周波数で極値を有するように、誘電体線
路80,81を設定することにより有効に回避できるこ
とを本発明者等は見出た。
【0104】即ち、図20で示されている曲線では、曲
線Sba及び曲線Scaの何れもが、使用信号の周波数
60GHzで極値を有している(曲線Sbaでは極小
値、曲線Scaでは極大値)。このように設定されてい
るカプラを用いた場合には、使用周波数(60GHz)
付近での透過率曲線の傾きが非常に小さくなるため、透
過率の変動の小さい帯状域が広くなる。従って、使用周
波数帯幅が広くなり、通信などのひろい周波数帯幅が要
求される機器にも、このようなカプラを有効に使用する
ことが可能となる。また、透過率の小さい帯状線が広い
ため、2つの誘電体線路80,81の間隔Lが多少変化
しても、透過率は大きく変動することがなく、設定通り
の効率で信号の分割、結合を行うことができ、モジュー
ルの量産性が向上する。また、図20に示されているよ
うに、2つの透過率曲線における使用周波数での極値を
一致させることが好ましく、これにより、等分配の3d
Bカプラを構成することができる。
【0105】また上述した透過率曲線の極値を示す透過
率及び周波数は、誘電体線路80,81の隣接部での曲
線半径、誘電体線路80,81の間隔L及び誘電体線路
80,81の幅、高さ、比誘電率に依存する。従って、
用いる信号の周波数に応じて、実験若しくは計算によっ
て透過率を求めて、前述した条件を満足するように、こ
れらの値(ストリップ線路の曲線半径、幅、高さ、比誘
電率及び間隔)を設定すればよい。例えば、ポートaか
ら高周波信号を入射した場合、第2の誘電体線路81の
隣接部での曲率半径Rを小さくするにつれて、ポートb
への透過率の極小値は増大し、ポートcへの透過率の極
大値は減少する。また、2つの誘電体線路80、81の
隣接部での曲率半径の差が大きいほど、ポートbへの透
過率の極値は小さくなる。
【0106】従って、この態様では、第1の誘電体線路
80を直線状とし、第2の誘電体線路81は、隣接部で
の曲率半径が大きい曲がりの大きい曲線状とすることが
でき、これにより、カプラの構造の自由度が著しく高ま
り、モジュールの小型化の点で極めて有利である。
【0107】また、このようなカプラの構造において
は、誘電体線路80、81の比誘電率は、4以上、特に
4〜8であることが実用上望ましい。従って、前述した
比誘電率が4.5〜6の誘電体で形成されている誘電体
線路を用いる上で、このようなカプラは最適である。ま
た、このような比誘電率の誘電体線路を用いた場合、第
2の誘電体線路81の曲率半径Rを8mm以下に設定す
ることが望ましい。また、第1の誘電体線路80は、前
述した透過率曲線に関する条件が保持されている限り、
曲線状であってもよいが、一般的には直線状であること
が望ましい。因みに、高さ2.25mm、幅1.0mm
及び比誘電率が5の誘電体線路を用い、第1の誘電体線
路80を直線状とした時、第2の誘電体線路81の隣接
部での曲率半径Rを4mm程度に設定することにより、
周波数60GHzでポートb、cの透過率が等しくなる
3dBカプラが得られる。
【0108】勿論、このようなカプラでは、誘電体線路
80、81を比誘電率が4未満、特に2〜3の誘電体で
形成することもでき、この場合には、第2の誘電体線路
81の隣接部での曲率半径Rを12mm以下とすること
が好ましく、特に第1の誘電体線路80は直線状とする
ことが良い。
【0109】以上説明したように、比誘電率が一定の範
囲にある誘電体によって形成されている非放射性誘電体
線路を備えた本発明のモジュールは、種々の構造を取り
うる。
【0110】
【実施例】実施例1 先ず、誘電体線路として用いるコージェライト質セラミ
ックスを作製した。原料粉末として純度99%のMgC
3 、純度99.7%のAl2 3 、純度99.4%の
SiO2 粉末、純度99.9%のYb2 3 を用い、こ
れらを焼結体が表1に示す組成となるように秤量し、1
5時間湿式混合した後、乾燥し、この混合物を大気中で
1200℃2時間仮焼した後、粉砕した。得られた粉末
に適量のバインダを加えて造粒し、これを1000kg
/cm2 の圧力の下で成形して直径12mm厚さ8mm
の成形体を得た。この成形体を大気中1200〜155
0℃で2時間焼成して磁器を作製し、これらを研摩し、
直径5mm厚さ2.25mmの誘電体磁器試料を得た。
【0111】これらの試料を用いて誘電体円柱共振器法
にて周波数60GHzにおける比誘電率とQ値を測定
し、その結果を表1に示す。
【0112】また、セラミック板からの削り出しで半径
3.9mmの90°の曲線部を有する誘電体線路を作製
し、これらの誘電体線路と、平行平板導体として表面を
鏡面加工した銅板を用いて図3に示すような非放射性誘
電体線路を形成し、比誘電率と誘電体線路の形状により
決定されるLSMモードとLSEモードの分散特性にお
いて2つのモードの分散曲線がβ/β0 =0でどの程度
離れているかについて求めた(βは誘電体線路中での伝
搬定数、β0 は真空中での伝搬定数)。その結果も表1
に記載する。
【0113】
【表1】
【0114】表1によれば、コージェライト質セラミッ
クスは、比誘電率が4.7〜7.9であり、しかも測定
周波数60GHzでのQ値が、510以上、特には、1
000以上と高い値を示すことがわかる。また、焼成温
度の範囲もYb含有量が増加するに従って拡大している
ことが判る。
【0115】さらに、LSMモードとLSEモードの分
散特性において、2つのモードの分散曲線がβ/β0
0で13GHz以上離れていることが判る。
【0116】次に、表1の試料No.12のセラミックス
を用いた非放射性誘電体線路の伝送損失の周波数依存性
を図21に示す。半径3.9mmという急峻な曲線部
で、数GHzの周波数範囲にわたって挿入損失が1dB
以下となっている。
【0117】また、試料No.12のセラミックスを用い
た非放射性誘電体線路について、LSMモードとLSE
モードとの分散曲線を図22に示し、さらに比較のため
に、比誘電率が2.1のテフロンを用いて上記と同様に
誘電体線路が形成された非放射性誘電体線路について、
同様の分散曲線を図23に示した。図22の分散曲線で
は、テフロンを用いた図23と比較して、2つのモード
の分散曲線が、β/β0 =0で13GHzと大きく離れ
ていることが判る。このため、LSMモードとLSEモ
ードの結合が起きにくく、このような急峻な曲線部を作
製することができるのである。
【0118】実施例2 先ず、Cuから成り、100×100×8mmの2枚の
平行平板導体を用意し、下側の平行平板導体の上面に、
縦50mm、横20mm、厚さ0.08mmのアセテー
トフィルムに3つの導体パターン(幅2mm、長さ18
mm)を蒸着したものを、図4に示すように接着剤で接
着した。
【0119】この後、コージェライトからなり、高さ
2.25mm×幅1mm×長さ100mmの誘電体線路
を、前記絶縁性フィルム層を横切るように、下側の平行
平板導体上に配置した後、上側の平行平板導体を誘電体
線路上面に接着し、図4に示すような本発明の非放射性
誘電体線路を作製した。尚、図4では、平行平板導体の
全面に絶縁性フィルム層を設けた例であるが、この例で
は一部に設けることになる。 一方、絶縁性フィルム層
を貼付しないで、上記と同様にして非放射性誘電体線路
を作製した。
【0120】これらの誘電体線路について、ミリ波(数
10GHz〜数100GHz帯)透過特性について測定
した結果を図24に示した。この図より、絶縁性フィル
ム層を設けた場合と設けていない場合とでは、高周波信
号の透過特性が殆ど同じであることが判る。つまり、誘
電体線路と平行平板導体の間に絶縁性フィルム層を設け
ても高周波信号の透過特性が殆ど変わらず、この絶縁性
フィルム層に電子部品を搭載できることが判る。
【0121】実施例3 図8の非放射性誘電体線路(以下、NRD線路と略す)
を以下のようにして作製した。Cuからなり、100×
100×8mmの2枚の平行平板導体を用意し、下側の
平行平板導体1の一主面に絶縁層28として、厚さ0.
1mmのテフロンフィルムを接着剤により接着した。こ
のテフロンフィルムの表面に、チョークパターン29用
のAuを蒸着法で形成した。チョークパターン29の長
手方向の両端部には、導線20を半田等で取付け、平行
平板導体1に設けたホール21を通じて外部に接続する
ように構成した。また、絶縁を保持するために、導線2
0をテフロンチューブに通して使用した。
【0122】次いで、コージェライトからなり、高さ
2.25mm×幅1mmの誘電体線路2を、チョークパ
ターン29の中央部を横切るように配置し、接着した。
このとき、チョークパターン29の中央部で誘電体線路
2を2本に分けて形成することにより、チョークパター
ン29の中央部に半導体素子27取付用の誘電体基板2
5を配置し、電極30を導電性接着剤を用いてチョーク
パターン29に接続した。
【0123】半導体素子27として、NRD誘電体線路
にスイッチング機能を付与するためにビームリード型P
INダイオードを用いた。
【0124】そして、図6、7の従来品を、コージェラ
イトからなる誘電体線路2及び誘電体基板15、Auか
らなるチョークパターン16及びアンテナパターン1
7、ビームリード型PINダイオードを用いてNRD線
路を作製し、ミリ波(数10〜数100GHz帯)透過
特性について、上記本発明のものと比較したグラフを図
25に示す。約60GHz以上では、チョークパターン
により高周波信号の外部への漏れが阻止されているが、
従来品は誘電体基板15が高周波信号の導波路として作
用し電磁波が外部に漏れ、ミリ波透過特性が劣化した。
【0125】実施例4 図9のNRD線路を以下のようにして作製した。Cuか
ら成り、100×100×8mmの2枚の平行平板導体
を用意した。
【0126】次に、誘電体板45、46の材料として厚
さ0.3mmのテフロンシートを用い、図10に示すよ
うに信号入出力器40を形成した。つまり、先ず、誘電
体板46にアンテナパターン47、チョークパターン4
8を金を蒸着して形成した。
【0127】また、これらと同時にチョークパターン4
8に接続する表面電極50を、誘電体板46の上面に形
成した。
【0128】半導体素子49として高周波用のビームリ
ード型のPINダイオードを使用し、誘電体板46のア
ンテナパターン47の間に導電性接着剤を用いて接着し
た。
【0129】他方の誘電体板45にはこのダイオードに
合わせた大きさの凹部51を作成し、この誘電体板45
とダイオードを取り付けた誘電体板46とを接着剤によ
って張り付けた。
【0130】この後、コージェライトから成り、高さ
2.25mm×巾1mmの誘電体線路2を下側の平行平
板導体1上に配置するとともに、信号入出力器40を、
誘電体線路2がチョークパターン48の中央部を横切る
ように誘電体線路2の途中に接着した。
【0131】そして、誘電体板46の上面に形成された
表面電極50にテフロンチューブで被覆した導体を接続
し、上側の平行平板導体1に、表面電極50に対応する
ように貫通孔を形成し、この導体を貫通孔に通した。
【0132】一方、図6の従来品を、コージェライトか
ら成る誘電体線路及び誘電体基板、Auから成るチョー
クパターン及びアンテナパターン、ビームリード型PI
Nダイオードを用いて作製し、ミリ波(数10〜数10
0GHz帯)透過特性について、上記本発明のものと比
較したグラフを図26に示す。このグラフより、本発明
のNRD線路では、高周波信号の透過特性が良好な周波
数帯域幅を従来品よりも拡大できることが判る。
【0133】実施例5 Cuからなる縦100×横100×厚み8mmの2枚の
平行平板導体を用意し、これらの平行平板導体の間に、
コージェライトからなる高さ2.25mm×巾1mm×
長さ30mmの誘電体線路2を配置し、図13のNRD
線路を以下のようにして作製した(尚、誘電体線路2の
終端部にのみ電波吸収体を設けた)。
【0134】終端用誘電体線路片75は誘電体線路2と
同じ材質、断面形状を持つもので、長さは16mmと
し、図15のように両側の側面の上端部及び下端部にカ
ーボン含有ペーストからなる抵抗体材料のペーストを塗
布、乾燥させて電波吸収体71のパターンを形成した。
電波吸収体71の長さは終端用誘電体線路片75と同じ
16mmで、誘電体線路2に近い部位8mmをテーパ部
71aとし、帯状部71bの幅は0.8mmとした。
【0135】一方、図12(a)の終端器60を有する
従来のNRD線路を、上記と同様の材料を用いて作製し
た。この際、終端用誘電体線路片の長さが16mmと2
0mmの2種類の非放射性誘電体線路を作製した。電波
吸収体の長さは終端用誘電体線路片の長さと同じ16m
mと20mmとし、テーパ部はその半分の8、10mm
とした。
【0136】本発明と従来のNRD線路について、ミリ
波(数10〜数100GHz帯)反射特性をヒューレッ
トパッカード社製〔8757C〕により測定し、その結
果を図27に示した。
【0137】この図27から、本発明品は従来品に比
べ、電波吸収体の長さを短くした場合でも反射率が小さ
くなり、良好な終端器特性を有することが判る。
【0138】また、終端用誘電体線路片の長さを10m
mとして、上記と同様に図12(a)の終端器を作製
し、この終端器の側面に上記と同様の電波吸収体71
(長さは10mm)を貼り付けた。この終端器を誘電体
線路2に取り付けたNRD線路について反射特性を測定
し、図28に示した。この結果から、電波吸収体71を
側面に設けた場合には、その長さが半分となった場合で
も、反射率が小さくなり、良好な減衰特性を示すことが
判る。
【0139】実施例6 Cuからなる縦100×横100×厚み8mmの2枚の
平行平板導体を用意し、これらの平行平板導体の間に、
コージェライトからなる高さ2.25mm×巾1mmの
直線状の第1誘電体線路及び曲線状の第2誘電体線路を
配置し、図17の非対称カプラを以下のようにして作製
した。この実施例では、60GHzでポートbとポート
cに高周波信号が等分配されるカプラを作製した場合に
ついて示す。
【0140】直線状の第1誘電体線路は長さ80mmの
ものを使用し、その両端を変換器を介して測定用の導波
管に接続した。また、曲線状の第2誘電体線路は曲率半
径3.9mmの180゜ベンド(半円形状)を使用し、
その両端に直線状誘電体線路を接続し、変換器を介して
測定用の導波管に接続した。
【0141】直線状の第1誘電体線路と曲線状の第2誘
電体線路の間隔は、60GHzで透過率が極値を持つよ
うに実験的に1.4mmと決定した。また、比較のた
め、従来のカプラとして、曲率半径12.7mmの18
0゜ベンドを2つ使用した対称カプラも作製した。
【0142】本発明と従来のカプラについて、ミリ波
(数10〜数100GHz帯)透過特性をヒューレット
パッカード社製のネットワークアナライザー〔8757
C〕により測定し、本発明のカプラの結果を図29、3
0に、従来のカプラの結果を図31に記載した。尚、図
の縦軸の透過率には前記した変換器の損失が含まれてい
るため、実際のカプラのみの透過率はこの値よりも1d
B程度大きくなる。
【0143】図29、30から、本発明のカプラは59
〜61.5GHz程度の広い周波数範囲に渡ってポート
bとポートcにほぼ等しい高周波信号が分配され、広帯
域であることが判る。これに対して、従来のカプラで
は、ポートbとポートcの透過率が等しくなるのは、6
0〜60.5GHz程度のごく狭い周波数範囲にとどま
っていることが判る。
【0144】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の誘電体線
路モジュールでは、誘電体線路を、比誘電率が4.5〜
のセラミックスから構成することにより、比誘電率が
テフロンなどの樹脂材料よりも高く、アルミナよりも低
くなり、LSMモードの電磁波のLSEモードへの変換
を少なくすることができる。また、使用周波数(60G
Hz)でのQ値が1000以上のコージェライト質セラ
ミックスを用いることにより、伝送損失が少なく、かつ
安価で高精度に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非放射性誘電体線路モジュールを追突
防止用レーダに用いた例を示す基本構造を示す図であ
る。
【図2】誘電体線路モジュールの基本的な構造を示す斜
視図である。
【図3】誘電体線路モジュールの基本的な構造を示す斜
視図である。
【図4】図2のモジュールの平行平板導体上に絶縁性フ
ィルム層を設けた例の基本的な構造を示す斜視図であ
る。
【図5】図4のモジュールの具体例を示す斜視図であ
る。
【図6】図2のモジュールの誘電体線路の途中に信号入
出力器を設けた例の基本的な構造を示す斜視図である。
【図7】図6の信号入出力器のパターン面を示す基本的
な構造を示す斜視図である。
【図8】信号入出力器におけるチョークパターンを平行
平板導体上に形成したモジュールの基本的構造を示す斜
視図である。
【図9】各パターンや半導体素子が内蔵されている信号
入出力器が設けられたモジュールの基本的構造を示す斜
視図である。
【図10】図9の信号入出力器の分解斜視図である。
【図11】終端器及び減衰器を備えた誘電体線路の基本
的構造を示す斜視図である。
【図12】図11の終端器及び減衰器を示す分解斜視図
である。
【図13】電波吸収体が側面に設けられている誘電体線
路の斜視図である。
【図14】図13の誘電体線路の減衰部の拡大斜視図
(a)及び分解斜視図(b)である。
【図15】図13の誘電体線路の終端部の拡大斜視図
(a)及び分解斜視図(b)である。
【図16】2本の誘電体線路の結合構造(カプラ)の代
表例を示す平面図である。
【図17】2本の誘電体線路の結合構造(カプラ)の代
表例を示す平面図である。
【図18】従来用いられている対称型カプラにおける周
波数と透過率との関係を示す図である。
【図19】従来用いられている非対称型カプラにおける
周波数と透過率との関係を示す図である。
【図20】本発明で特に好適に使用されるカプラにおけ
る周波数と透過率との関係を示す図である。
【図21】実施例1の試料No.12の誘電体線路を用い
て形成された非放射性誘電体線路について、曲線部の伝
送損失の周波数依存性を示す図である。
【図22】試料No.12の誘電体線路を用いて形成され
ている誘電体線路におけるLSMモードと、LSEモー
ドとの分散曲線を示す図である。
【図23】比誘電率が2.1のテプロンにより誘電体線
路が形成された非放射性誘電体線路のLSMモードとL
SEモードとの分散曲線を示す図である。
【図24】実施例2において作製された絶縁性フィルム
層を平行平板導体表面を有する非放射性誘電体線路及び
絶縁性フィルム層が形成されていない誘電体線路の透過
損失を示す図である。
【図25】実施例3において作製された図8及び図6に
相当する電磁波非放射性の誘電体線路のミリ波透過特性
を比較したグラフである。
【図26】実施例4において作製された図9及び図6に
相当する電磁波非放射性の誘電体線路のミリ波透過特性
を比較したグラフである。
【図27】実施例5において作製された図15の終端構
造を有する誘電体線路と図12(a)の終端器を備えた
誘電体線路の反射特性を示す図である。
【図28】実施例5において作製された図12(a)で
示す終端器の側面に電波吸収体を設けた誘電体線路につ
いての反射特性を示す図である。
【図29】実施例6において、本発明に従って作製され
たカプラのミリ波透過特性を示す図である。
【図30】図29の一部を拡大して示すミリ波透過特性
を示す図である。
【図31】実施例6において、従来法に従って作製され
たカプラのミリ波透過特性を示す図である。
【符号の説明】
1・・・平行平板導体 2、80、81・・・誘電体線路 10・・・発振器 5・・・絶縁性フィルム層 26・・・アンテナパターン 27・・・半導体素子 29・・・チョークパターン 28・・・絶縁層 11、40・・・信号入出力器 71・・・電波吸収体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−188678(JP,A) 特開 平10−236869(JP,A) 特開 平9−23109(JP,A) 特開 平9−64608(JP,A) 特開 平8−8603(JP,A) 特開 平6−45809(JP,A) 特開 平10−65413(JP,A) 特公 平1−51202(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 3/16 H01P 5/02 607 H01P 5/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】信号波長λの1/2以下の間隔を置いて配
    置された一対の平行平板導体と、これらの平行平板導体
    の間を延びている曲線部を有する誘電体線路と、該誘電
    体線路に信号を入力する発振器を具備してなるととも
    に、前記誘電体線路が、比誘電率4.5〜6、測定周波
    数60GHzでのQ値1000以上のコージェライト質
    セラミックスからなることを特徴とする誘電体線路モジ
    ュール。
  2. 【請求項2】平行平板導体の誘電体線路側の面に、絶縁
    性フィルム層が設けられていることを特徴とする請求項
    1記載の誘電体線路モジュール。
  3. 【請求項3】誘電体線路の途中には、該誘電体線路の垂
    直断面に一対のアンテナパターンと該アンテナパターン
    に電気的に接続された半導体素子とが設けられ、平行平
    板導体の誘電体線路側の面には、絶縁層を介してチョー
    クパターンが形成され、該チョークパターンは、前記ア
    ンテナパターンに接続されていることを特徴とする請求
    項1又は2記載の誘電体線路モジュール。
  4. 【請求項4】誘電体線路の途中には、信号入出力器が介
    装されており、該信号入出力器は、一対のアンテナパタ
    ーンと、該アンテナパターン間に配置され且つ電気的に
    接続された半導体素子と、該アンテナパターンの各々に
    接続されたチョークパターンとを内蔵した誘電体基板か
    ら構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載
    の誘電体線路モジュール。
  5. 【請求項5】誘電体線路の途中及び/又は終端部におけ
    る側面には、電波吸収体が設けられていることを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載の誘電体線路モジ
    ュール。
  6. 【請求項6】誘電体線路は、互いに隣接する第1の誘電
    体線路と第2の誘電体線路とから構成されており、該第
    1の誘電体線路又は第2の誘電体線路を伝送する高周波
    信号が前記第1及び第2の誘電体線路から出力されると
    ともに、各誘電体線路から出力される高周波信号の周波
    数に対して透過率をプロットした透過率曲線は、何れも
    使用周波数での透過率が極値を有することを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の誘電体線路モジュー
    ル。
JP27619498A 1998-09-29 1998-09-29 誘電体線路モジュール Expired - Fee Related JP3472490B2 (ja)

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