JPH1197622A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH1197622A
JPH1197622A JP25113697A JP25113697A JPH1197622A JP H1197622 A JPH1197622 A JP H1197622A JP 25113697 A JP25113697 A JP 25113697A JP 25113697 A JP25113697 A JP 25113697A JP H1197622 A JPH1197622 A JP H1197622A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同一種類の抵抗のみを使用していたことが原因
となって生じていた問題点を解決することが可能な半導
体装置を提供する。 【解決手段】差動増幅回路では、負の入力端子121に
低抵抗率の抵抗11を接続すると共に、負の入力端子1
21と出力端子122間に高抵抗率の抵抗12を挿入し
ている。抵抗11は、400Ωの抵抗値を有し、また抵
抗12は、100KΩの抵抗値を有する。低抵抗率の抵
抗11及び高抵抗率の抵抗12を同時に作製することが
でき、抵抗の寸法や抵抗率のバラツキをそろえて、各抵
抗11,12の抵抗値の比の精度を向上させることがで
きる。各抵抗11,12の抵抗値の比の精度を向上させ
ることができれば、差動増幅回路の増幅率の精度が向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの抵抗の抵抗
値の比によって特性が決定する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の半導体装置としては、差動増幅
回路、コンパレータ回路及び定電圧回路があり、いずれ
もが2つの抵抗の抵抗値の比によって特性が決まる。
【0003】図6(a),(b)は、通常使用されてい
る低抵抗率の抵抗を例示する平面図及び断面図である。
図6(a),(b)から明らかな様に、低抵抗率の抵抗
101は、P+基板102上にN+拡散層103を形成
し、この上にN型エピタキシャル層104を積層し、こ
のN型エピタキシャル層104上にP型の不純物を拡散
してなる拡散層を形成し、これを抵抗層105としたも
のである。また、この低抵抗率の抵抗101は、各端子
101aと、これらの端子101a間のライン部分10
1bを有しており、この抵抗101の抵抗値がライン部
分101bの幅と長さによって定まる。
【0004】また、図7(a),(b)は、通常使用さ
れている高抵抗率の抵抗を例示する平面図及び断面図で
ある。この高抵抗率の抵抗111は、P+基板112上
にN+拡散層113を形成し、この上にN型エピタキシ
ャル層114を積層し、このN型エピタキシャル層11
4上に、P+の不純物を打ち込んでなる抵抗層115を
形成したものである。この高抵抗率の抵抗111は、各
端子111aとライン部分111bを有しており、その
抵抗値がライン部分111bの幅と長さによって定ま
る。
【0005】図7の高抵抗率の抵抗111を利用した差
動増幅回路は、例えば図8に示す様な構成である。ここ
では、反転増幅を行っており、負の入力端子121に1
0本の各抵抗111-1を並列接続し、負の入力端子12
1と出力端子122間に抵抗111-2を挿入している。
各抵抗111-1は、4KΩの抵抗値を有し、これらの抵
抗111-1からなる並列回路の抵抗値が400Ωであ
る。また、抵抗111-2は、100KΩの抵抗値を有す
る。
【0006】この差動増幅回路において、入力電圧Vin
が各抵抗111-1及び負の入力端子122を介してトラ
ンジスタQ1に加えられ、電流Ic1が流れる。この入力
電圧Vinが予め定められた基準電圧Vrefよりも高くな
ると、電流Ic1がトランジスタQ2に流れる電流Ic2よ
りも増加する。このとき、各トランジスタQ3,Q5から
なるカレントミラー回路の作用によって、電流Ic1と同
じ電流Ic5がトランジスタQ5に流れる。また、各トラ
ンジスタQ7,Q8からカレントミラー回路が構成される
ので、トランジスタQ7に電流Ic5が流れると、トラン
ジスタQ8にも同等の電流が流れ得る状態となる。一
方、各トランジスタQ4,Q6からなるカレントミラー回
路の作用によって、電流Ic2と同じ電流Ic6がトランジ
スタQ6に流れる。電流Ic5>電流Ic2であって、大き
な電流Ic5を流し得るトランジスタQ8に小さな電流Ic
2が流れる状態では、このトランジスタQ8での電圧降下
が小さくなり、出力電圧Voutが小さくなる。このた
め、抵抗111-2を介して負の入力端子121の電圧V
aを下げる様なフィードバックがなされる。この結果、
入力電圧Va≒基準電圧Vrefとなる様に制御が行われ
る。
【0007】ここで、10本の各抵抗111-1からなる
並列回路の抵抗値をRibaとし、負の入力端子121か
らの電流をI1とすると、 (Vin−Va)/Riba=I1 となる。
【0008】そして、抵抗111-2を流れる電流をI2
とし、トランジスタQ1のベース電流を無視すると、 I1=I2 となる。
【0009】したがって、抵抗111-2の抵抗値をRib
bとすると、出力電圧Voutを次の様に導くことができ
る。 Vout=Va−Ribb×I2 =Va−Ribb×(Vin−Va)/Riba =−Ribb/Riba(Vin−Va)+Va =−Ribb/Riba(Vin−Vref)+Vref …(1) この式(1)によれば、この差動増幅回路は、Ribb/
Ribaの増幅率を持ち、反転増幅を行うことになる。
【0010】この様な構成の差動増幅回路においては、
上式(1)からも明らかな様に、その増幅率の精度を向
上させるには、各抵抗値Riba,Ribbの比の精度を向上
させる必要がある。このため、各抵抗111-1,111
-2として、同一種類の抵抗、つまり図7のイオンの打ち
込みによる抵抗のみを使用し、これらの抵抗111-1,
111-2を同一工程により作製している。また、比較的
低い抵抗値Ribaを高精度で得るために、10本の各抵
抗111-1を並列接続している。
【0011】しかしながら、10本の各抵抗111-1を
並列接続する場合は、そのスペースが大きくなると言う
問題があった。
【0012】これに対して、400Ωを1本の抵抗によ
って実現する場合は、シート抵抗を2KΩ/□とする
と、図7に示すライン部分111bの幅と長さが10μ
mと2μmであって、抵抗の寸法が小さくなり過ぎ、製
造上の精度を考慮すると、使いものにならい。
【0013】次に、図6の低抵抗率の抵抗101を利用
したコンパレータ回路は、例えば図9に示す様な構成で
ある。ここでは、入力電圧Vinに対応する電流Ie3の大
きさを定めるために抵抗101-1を適用し、この電流I
e3と比較される電流Ic1を定めるために抵抗101-2を
適用している。抵抗101-1の抵抗値が1KΩであり、
抵抗101-2の抵抗値が20.5KΩである。
【0014】このコンパレータ回路において、入力電圧
VinがトランジスタQ3に加えられると、電流Ie3が流
れる。このとき、各トランジスタQ3,Q4のベースエミ
ッタ電圧をVbe3,Vbe4とし、また抵抗101-1の抵抗
値をRb2とすると、 (Vin−Vbe3−Vbe4)/Rb2=Ie3 となる。
【0015】各トランジスタQ4,Q5からカレントミラ
ー回路が構成されるので、トランジスタQ4に電流Ie3
が流れると、トランジスタQ5にも同等の電流が流れ得
る状態となる。
【0016】一方、各トランジスタQ1,Q2からカレン
トミラー回路が構成されるので、トランジスタQ1に電
流Ic1が流れると、トランジスタQ2にも同等の電流Ic
2が流れる。したがって、電源電圧をVccとし、トラン
ジスタQ1のベースエミッタ電圧をVbe1とし、抵抗10
1-2の抵抗値をRb1とすると、 Ic1=Ic2=(Vcc−Vbe1)/Rb1 となる。
【0017】電流Ie3>電流Ic2である場合は、大きな
電流Ie3を流し得るトランジスタQ5に小さな電流Ic2
が流れるので、このトランジスタQ5での電圧降下が小
さくなり、出力電圧Voutがローレベルとなる。また、
電流Ie3<電流Ic2である場合は、小さな電流Ie3を流
し得るトランジスタQ5に大きな電流Ic2が流れるの
で、このトランジスタQ5での電圧降下が大きくなり、
出力電圧Voutがハイレベルとなる。
【0018】つまり、入力電圧Vinが予め定められたし
きい値電圧Vthよりも大きければ、出力電圧Voutがロ
ーレベルとなり、また入力電圧Vinがしきい値電圧Vth
よりも小さければ、出力電圧Voutがハイレベルとな
る。
【0019】あるいは、入力電圧Vinがしきい値電圧V
thに等しければ、Vin=Vth、Ie3=Ic2である。ま
た、各トランジスタのベースエミッタ電圧Vbeが相互に
等しいとすると、 (Vth−2Vbe)/Rb2=(Vcc−Vbe)/Rb1 Vth=(Vcc−Vbe)Rb2/Rb1+2Vbe …(2) となる。
【0020】上式(2)からも明らかな様に、しきい値
電圧Vthの精度を向上させるには、各抵抗値Rb1,Rb2
の比の精度を向上させる必要がある。このため、各抵抗
101-1,101-2として、同一種類の図6の抵抗のみ
を使用し、これらの抵抗101-1,101-2を同一工程
により作製し、抵抗の寸法や抵抗率のバラツキをそろえ
て、各抵抗値Rb1,Rb2の比の精度を向上させている。
【0021】しかしながら、抵抗101-2の抵抗値Rb2
が20.5KΩである場合は、シート抵抗を200Ω/
□とすると、図6に示すライン部分101bの幅と長さ
が10μmと1025μmとなって、抵抗の寸法が大き
くなり過ぎた。
【0022】また、20.5KΩの抵抗101-2とし
て、図7の高抵抗率の抵抗111を適用した場合は、こ
の抵抗の長さを102.5μmに抑えることができるも
のの、他の1KΩの抵抗101-1の長さが約5μm程度
まで短くなるので、抵抗の寸法が小さくなり過ぎた。
【0023】次に、図6の低抵抗率の抵抗101を利用
した定電圧回路は、例えば図10に示す様な構成であ
る。ここでは、バンドギャップ型定電流Ie5の値を定め
るために、抵抗101-3を適用し、また電流Ie5を電圧
に変換するために、抵抗101-4を適用している。抵抗
101-3の抵抗値が360Ωであり、抵抗101-4の抵
抗値が40KΩである。
【0024】電源電圧Vccをオンにすると、起動用の抵
抗Ribを通じてベース電流がトランジスタQ4に流れ、
このトランジスタQ4がオンとなり、電流Ic1が流れ
て、各トランジスタQ1,Q2,Q3がオンとなる。そし
て、電流Ic2がトランジスタQ5に流れ込み、この回路
が起動する。
【0025】各トランジスタQ1,Q2,Q3からカレン
トミラー回路が構成されるので、各電流Ic1,Ic2,I
c3が相互に等しくなる。 Ic1=Ic2=Ic3 …(3) また、各トランジスタQ4,Q5のエミッタの面積比を
2:1に設定している。このため、各トランジスタQ
4,Q5のベースエミッタ電圧Vbe4,Vbe5の差は、次の
式で表される。 Vbe4−Vbe5=kT/q×ln2=18mV ただし、kがボルツマン定数、Tが絶対温度、qが電荷
量である。
【0026】この差の電圧が抵抗101-3に加わるの
で、この抵抗101-3の抵抗値をRb1とすると、電流I
e5は、次の式で表される。 Ie5=(kT/q×ln2)/Rb1=18/360=5
0μA 各トランジスタQ4,Q5のベースエミッタ電圧Vbe4,
Vbe5の差をエネルギーバンドギャップリファレンスと
称し、電流Ie5をバンドギャップ型定電流と称する。
【0027】トランジスタQ5のベース電流を無視する
と、 Ie5=Ic2=Ic3 となる。
【0028】したがって、出力電圧Vsは、抵抗101-
4の抵抗値をRb2とすると、次の式で表される。 Vs=Rb2×Ic3 =Rb2×Ie5 =(kT/q×ln2)×Rb2/Rb1 …(4) 上式(4)からも明らかな様に、出力電圧Vsの精度を
向上させるには、各抵抗値Rb1,Rb2の比の精度を向上
させる必要がある。このため、各抵抗101-3,101
-4として、同一種類の図6の抵抗のみを使用し、各抵抗
値Rb1,Rb2の比の精度を向上させている。
【0029】ここで、各抵抗101-3,101-4の温度
特性が+2500ppm/℃であり、(kT/q×ln
2)の温度特性が+3300ppm/℃であるから、上
式(4)における(kT/q×ln2)/Rb1の成分の
温度特性が+800ppm/℃(=3300ppm/℃
−2500ppm/℃)となり、この成分についての+
800ppmと上式(4)におけるRb2についての+2
500ppm/℃の和、つまり+3300ppm/℃が
出力電圧Vsの温度特性となる。この温度特性は、定電
圧回路としては大きく、好ましいものではなかった。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】この様に上記従来の差
動増幅回路では、増幅率の精度を向上させるために、各
抵抗111-1,111-2として、同一種類の抵抗のみを
使用しているものの、抵抗値が低い方の抵抗を高精度で
得るために、複数本の抵抗を並列接続しているので、そ
のスペースが大きくなると言う問題があった。
【0031】また、上記従来のコンパレータ回路では、
しきい値電圧Vthの精度を向上させるために、各抵抗1
01-1,101-2として、同一種類の抵抗のみを使用し
ているものの、抵抗値の高い方の抵抗の寸法が大きくな
り過ぎた。
【0032】更に、上記従来の定電圧回路では、出力電
圧Vsの精度を向上させるために、各抵抗101-3,1
01-4として、同一種類の抵抗のみを使用しているもの
の、これらの抵抗の温度特性が同一でるため、出力電圧
Vsの温度特性を小さく調節することができなかった。
【0033】そこで、本発明は、上記従来の課題を解決
するためのものであって、同一種類の抵抗のみを使用し
ていたことが原因となって生じていた問題点を解決する
ことが可能な半導体装置を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために、本発明は、高濃度イオンを打ち込んでなる抵
抗と低濃度イオンを打ち込んでなる抵抗を含む差動増幅
回路を構成する半導体装置であって、高濃度イオンを打
ち込んでなる抵抗が差動増幅回路の負の入力端子に接続
され、低濃度イオンを打ち込んでなる抵抗が差動増幅回
路の負の入力端子と出力端子間に挿入されている。
【0035】ここで、高濃度イオンを打ち込んでなる抵
抗の抵抗率は低く、低濃度イオンを打ち込んでなる抵抗
の抵抗率は高い。
【0036】差動増幅回路の負の入力端子に接続される
抵抗は、その抵抗値を低く設定されるので、本発明の様
に高濃度イオンを打ち込んでなるものを適用するのが良
い。また、差動増幅回路の負の入力端子と出力端子間に
挿入される抵抗は、その抵抗値を高く設定されるので、
本発明の様に低濃度イオンを打ち込んでなるものを適用
するのが良い。
【0037】また、本発明は、高濃度イオンを打ち込ん
でなる抵抗と低濃度イオンを打ち込んでなる抵抗を含む
コンパレータ回路を構成する半導体装置であって、入力
電圧変化を電流変化に変換する比率を決定する抵抗とし
て、高濃度イオンを打ち込んでなる抵抗が使用され、こ
の変換された電流とコンパレータ内部で比較される一定
の電流の値を決定するための抵抗として、低濃度イオン
を打ち込んでなる抵抗が使用されている。
【0038】コンパレータ回路において、入力電圧変化
を電流変化に変換する比率を決定する抵抗は、その抵抗
値を低く設定されるので、本発明の様に高濃度イオンを
打ち込んでなるものを適用するのが好ましい。また、変
換された電流とコンパレータ内部で比較される一定の電
流の値を決定するための抵抗は、その抵抗値を高く設定
されるので、本発明の様に低濃度イオンを打ち込んでな
るものを適用するのが好ましい。
【0039】更に、本発明は、高濃度イオンを打ち込ん
でなる抵抗と低濃度イオンを打ち込んでなる抵抗を含む
定電圧回路を構成する半導体装置であって、バンドギャ
ップ型定電流の値を決定する抵抗として、低濃度イオン
を打ち込んでなる抵抗が使用され、この定電流を電圧に
変換する抵抗として、高濃度イオンを打ち込んでなる抵
抗が使用されている。
【0040】定電圧回路において、バンドギャップ型定
電流の値を決定するための抵抗として、本発明の様に低
濃度イオンを打ち込んでなるものを適用し、定電流を電
圧に変換するための抵抗として、本発明の様に高濃度イ
オンを打ち込んでなるものを適用することによって、出
力電圧の温度特性を向上させることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して説明する。図1は、本発明の半導体装置の
一実施形態である差動増幅回路を示している。なお、同
図において、図8に示す差動増幅回路と同様の作用を果
たす部位には同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0042】この差動増幅回路では、負の入力端子12
1に抵抗11を接続すると共に、負の入力端子121と
出力端子122間に抵抗12を挿入している。抵抗11
は、低抵抗率の抵抗であって、400Ωの抵抗値を有
し、また抵抗12は、高抵抗率の抵抗であって、100
KΩの抵抗値を有する。
【0043】図2(a),(b)は、低抵抗率の抵抗1
1を示す平面図及び断面図である。図2(a),(b)
から明らかな様に、低抵抗率の抵抗11は、P+基板2
1上にN+拡散層22を形成し、この上にN型エピタキ
シャル層23を積層し、このN型エピタキシャル層23
上にP+の不純物を打ち込んでなる抵抗層24を形成し
たものである。P+の不純物の打ち込みは、2回だけ行
われ、1回目の打ち込みによって低濃度で高い抵抗値の
層が形成され、2回目の打ち込みによって、高濃度で低
い抵抗値の抵抗層24が形成される。
【0044】図3(a),(b)は、高抵抗率の抵抗1
2を示す平面図及び断面図である。図3(a),(b)
から明らかな様に、高抵抗率の抵抗12は、P+基板2
1上にN+拡散層22を形成し、この上にN型エピタキ
シャル層23を積層し、このN型エピタキシャル層23
上にP+の不純物を打ち込んでなる抵抗層25を形成し
たものである。P+の不純物の打ち込みは、2回だけ行
われる。
【0045】まず、1回目の打ち込みによって低濃度で
あって、低抵抗値の層が形成される。次に、抵抗12の
ライン部分12bをカバー26によって覆い、2回目の
打ち込みを行う。この2回目の打ち込みのときには、カ
バー26によって覆われた範囲のみ、高濃度とはならな
いので、ライン部分12bを低濃度にかつ高抵抗値に維
持することができる。この後、カバー26を削除する。
【0046】したがって、高抵抗率の抵抗12の製造工
程は、カバー26を形成すると言う点を除いて、低抵抗
率の抵抗11と共通である。このため、低抵抗率の抵抗
11及び高抵抗率の抵抗12を同時に作製することがで
き、抵抗の寸法や抵抗率のバラツキをそろえて、各抵抗
11,12の抵抗値Riba,Ribbの比の精度を向上させ
ることができる。つまり、各抵抗11,12の抵抗値R
iba,Ribbに誤差を生じたとしても、製造工程が共通で
あるから、これらの抵抗11,12の抵抗値Riba,Ri
bbが共に増大したり減少し、これらの抵抗11,12の
抵抗値Riba,Ribbの比のバラツキが大きくなることは
ない。
【0047】この様に各抵抗11,12の抵抗値Rib
a,Ribbの比の精度を向上させることができれば、図1
の差動増幅回路の増幅率の精度が向上する。
【0048】これに対して、低抵抗率の抵抗11と高抵
抗率の抵抗12を別々の工程で作製した場合は、例えば
低抵抗率の抵抗11の抵抗値の誤差が±20%であっ
て、高抵抗率の抵抗12の抵抗値の誤差が±20%ある
とき、各抵抗11,12の抵抗値の比は、少なくとも±
40%程度のバラツキを生じることになる。
【0049】また、この差動増幅回路においては、1つ
の低抵抗率の抵抗11のみによって400Ωの抵抗値を
得ることができるので、多数の抵抗を並列接続すること
によって低い抵抗値を得る必要がなく、抵抗のスペース
を必要最小限度に抑えることができる。あるいは、低抵
抗率の抵抗11及び高抵抗率の抵抗12は、イオン濃度
が相互に異なって、それらの抵抗率が相互に異なるの
で、低抵抗率の抵抗11及び高抵抗率の抵抗12のいず
れか一方の寸法を極端に大きくして、抵抗を増大させた
り、いずれか一方の寸法を極端に小さくして、抵抗値を
減少させる必要がない。このため、抵抗値の寸法が大き
くなり過ぎて、スペースを占有したり、抵抗の寸法が小
さくなり過ぎて、寸法精度並びに抵抗値の精度を維持で
きないと言うことがない。
【0050】図4は、本発明の半導体装置の一実施形態
であるコンパレータ回路を示している。なお、同図にお
いて、図9に示すコンパレータ回路と同様の作用を果た
す部位には同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0051】このコンパレータ回路では、入力電圧Vin
に対応する電流Ie3の大きさを定めるために図2の低抵
抗率の抵抗11を適用し、この電流Ie3と比較される電
流Ic1を定めるために図3の高抵抗率の抵抗12を適用
している。低抵抗率の抵抗11の抵抗値が1KΩであ
り、高抵抗率の抵抗12の抵抗値が20.5KΩであ
る。
【0052】先に述べた様に低抵抗率の抵抗11及び高
抵抗率の抵抗12を同時に作製することができ、抵抗の
寸法や抵抗率のバラツキをそろえて、各抵抗11,12
の抵抗値Rb2,Rb1の比の精度を向上させることができ
るので、このコンパレータ回路のしきい値電圧Vthの精
度を向上させることができる。
【0053】また、低抵抗率の抵抗11及び高抵抗率の
抵抗12のいずれか一方の寸法を極端に大きくして、抵
抗値を増大させたり、いずれか一方の寸法を極端に小さ
くして、抵抗値を減少させる必要がない。例えば、2
0.5KΩの抵抗12のシート抵抗を2KΩ/□とする
と、図3に示す高抵抗率の抵抗12のライン部分12b
の幅と長さが10μmと102.5μmとなり、高抵抗
率の抵抗12の寸法が大き過ぎもせず、小さすぎること
もない。また、1KΩの抵抗11のシート抵抗を200
Ω/□とすると、図2に示す低抵抗率の抵抗11のライ
ン部分11bの幅と長さが10μmと50μmとなり、
低抵抗率の抵抗11の寸法も丁度良い。
【0054】図5は、本発明の半導体装置の一実施形態
である定電圧回路を示している。なお、同図において、
図10に示す定電圧回路と同様の作用を果たす部位には
同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0055】この定電圧回路では、バンドギャップ型定
電流Ie5の値を定めるために、図3の高抵抗率の抵抗1
2を適用し、また電流Ie5を電圧に変換するために、図
2の低抵抗率の抵抗11を適用している。高抵抗率の抵
抗12の抵抗値が360Ωであり、低抵抗率の抵抗11
の抵抗値が40KΩである。
【0056】先に述べた様に低抵抗率の抵抗11及び高
抵抗率の抵抗12を同時に作製することができ、抵抗の
寸法や抵抗率のバラツキをそろえて、各抵抗11,12
の抵抗値の比の精度を向上させることができるので、こ
の定電圧回路の出力電圧Vsの精度を向上させることが
できる。
【0057】また、低抵抗率の抵抗11のシート抵抗を
200Ω/□とすると、その温度特性が2500ppm
/℃であり、高抵抗率の抵抗12のシート抵抗を2KΩ
/□とすると、その温度特性が5600ppm/℃であ
る。更に、先に述べた様に(kT/q×ln2)の温度
特性が+3300ppm/℃であるから、抵抗11の抵
抗値をRb1とし、抵抗12の抵抗値をRb2とすると、上
式(4)における(kT/q×ln2)/Rb1の成分の
温度特性が−2300ppm/℃(=3300ppm/
℃−5600ppm/℃)となり、この成分についての
−2300ppmと上式(4)におけるRb2についての
+2500ppm/℃の和、つまり+200ppm/℃
が出力電圧Vsの温度特性となる。この温度特性は、定
電圧回路としては非常に小さく、好ましいものである。
【0058】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものでなく、多様に変形することができる。例え
ば、図1の差動増幅回路、図4のコンパレータ回路及び
図5の定電圧回路の回路構成をその基本特性が変わらな
い範囲で若干変更しても構わない。あるいは、同一の製
造工程で作製することができるのであれば、低抵抗率の
抵抗や高抵抗率の抵抗として、他の構成のものを適用す
ることができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の半導体装置
では、高濃度イオンを打ち込んでなる抵抗と低濃度イオ
ンを打ち込んでなる抵抗を適宜に組み合わせて適用する
ことによって、抵抗のスペースを縮小したり、温度特性
を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の一実施形態である差動増
幅回路を示す回路図
【図2】(a)は図1の回路における低抵抗率の抵抗を
示す平面図、(b)は同抵抗を示す断面図
【図3】(a)は図1の回路における高抵抗率の抵抗を
示す平面図、(b)は同抵抗を示す断面図
【図4】本発明の半導体装置の一実施形態であるコンパ
レータ回路を示す回路図
【図5】本発明の半導体装置の一実施形態である定電圧
回路を示す回路図
【図6】(a)は低抵抗率の他の抵抗を示す平面図、
(b)は同抵抗を示す断面図
【図7】(a)は高抵抗率の他の抵抗を示す平面図、
(b)は同抵抗を示す断面図
【図8】従来の差動増幅回路を示す回路図
【図9】従来のコンパレータ回路を示す回路図
【図10】従来の定電圧回路を示す回路図
【符号の説明】
11 低抵抗率の抵抗 12 高抵抗率の抵抗

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高濃度イオンを打ち込んでなる抵抗と低
    濃度イオンを打ち込んでなる抵抗を含む差動増幅回路を
    構成する半導体装置であって、 高濃度イオンを打ち込んでなる抵抗が差動増幅回路の負
    の入力端子に接続され、低濃度イオンを打ち込んでなる
    抵抗が差動増幅回路の負の入力端子と出力端子間に挿入
    された半導体装置。
  2. 【請求項2】 高濃度イオンを打ち込んでなる抵抗と低
    濃度イオンを打ち込んでなる抵抗を含むコンパレータ回
    路を構成する半導体装置であって、 入力電圧変化を電流変化に変換する比率を決定する抵抗
    として、高濃度イオンを打ち込んでなる抵抗が使用さ
    れ、この変換された電流とコンパレータ内部で比較され
    る一定の電流の値を決定するための抵抗として、低濃度
    イオンを打ち込んでなる抵抗が使用された半導体装置。
  3. 【請求項3】 高濃度イオンを打ち込んでなる抵抗と低
    濃度イオンを打ち込んでなる抵抗を含む定電圧回路を構
    成する半導体装置であって、 バンドギャップ型定電流の値を決定する抵抗として、低
    濃度イオンを打ち込んでなる抵抗が使用され、この定電
    流を電圧に変換する抵抗として、高濃度イオンを打ち込
    んでなる抵抗が使用された半導体装置。
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