JPH1197556A - 薄膜半導体装置及びicカード、これらの製造方法及び書込み読出し方法並びに電子機器 - Google Patents

薄膜半導体装置及びicカード、これらの製造方法及び書込み読出し方法並びに電子機器

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JPH1197556A
JPH1197556A JP27213197A JP27213197A JPH1197556A JP H1197556 A JPH1197556 A JP H1197556A JP 27213197 A JP27213197 A JP 27213197A JP 27213197 A JP27213197 A JP 27213197A JP H1197556 A JPH1197556 A JP H1197556A
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transistor
thin
thin film
memory
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JP27213197A
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Satoshi Inoue
聡 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非単結晶半導体にて形成された薄膜トランジ
スタのしきい値電圧の変化を利用した薄膜半導体装置及
びICカード、これらの製造方法及び書込み読出し方法
並びに電子機器を提供すること。 【解決手段】 選択されるメモリセルM1 には、ワード
線14から、書込み電圧又は読出し電圧が印加され、非
選択のメモリセルには、ワード線14から、非書込み電
圧又は非読出し電圧が印加され、メモリトランジスタ1
2のチャネル長及びチャネル幅は、書込み電圧が印加さ
れてドレイン電流が流れたときに、しきい値電圧が第1
の電圧から第2の電圧に変化するように設定され、読出
し電圧は、しきい値電圧が第1の電圧のとき(消去状
態)にメモリトランジスタ12がONとなり、しきい値
電圧が第2の電圧のとき(書込み状態)にメモリトラン
ジスタ12がOFFとなる電圧に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非単結晶の半導体
薄膜を用いたプログラマブルROMとしての薄膜半導体
装置及びICカード、これらの製造方法及び書込み読出
し方法並びに電子機器に関する。
【0002】
【発明の背景】非単結晶の半導体薄膜を用いて形成され
た薄膜トランジスタ(TFT)は、例えば、アクティブ
マトリクス型液晶表示装置などで、スイッチング素子と
して使用されている。
【0003】ところで、薄膜トランジスタでは、ゲート
電圧Vg とドレイン電流Id との関係を示す曲線が移動
する、即ち、しきい値電圧の変化が生じることがある。
したがって、このしきい値電圧の変化を利用すれば、薄
膜トランジスタもプログラマブルROMとして用いるこ
とができる。そこで、本願発明者等は、しきい値電圧の
変化が何に起因するかを研究した。
【0004】薄膜トランジスタを作動させて、そのしき
い値電圧の変化を測定したところ、図19に示すよう
に、しきい値電圧がエンハンスメント側に変化すること
がある。その時の温度を測定したところ、予想外に高い
発熱が生じていることが明らかになった。この理由は、
薄膜トランジスタのチャネル部の周囲が、熱導伝率の悪
い膜(例えば、SiO2 膜)で囲まれているためであ
る。さらに、図20に示すように、加熱することによ
り、しきい値電圧が変化することも判った。従って上記
のしきい値電圧の変化は、熱によるものと考えることが
できる。
【0005】また、チャネル幅W及びチャネル長Lにつ
いて、図21に示すように、W/Lが一定ならば、W,
Lのそれぞれの値が小さいほど、しきい値電圧の変化が
大きくなることが実験により判った。その理由は、トラ
ンジスタのサイズが小さくなってチャネル幅Wが短くな
ると、単位面積当たりに大きなドレイン電流Id が流
れ、発熱量が多くなるからであると考えられる。このこ
とから、しきい値電圧の変化は、薄膜トランジスタのサ
イズに依存すると考えることができる。
【0006】さらに、チャネル幅Wが一定ならば、既に
知られているように、チャネル長Lが短いほどドレイン
電流Id が大きくなる。したがって、チャネル長Lを短
くすると、ドレイン電流Id が大きくなって発熱量が多
くなると考えられる。このことから、しきい値電圧の変
化は、チャネル幅Wとチャネル長Lとの比率にも依存す
ると考えられる。
【0007】また、もし薄膜トランジスタのチャネル部
周辺に可動性イオンが存在する場合、セルフヒーティン
グにより上記イオンが動き易くなり、しきい値電圧に影
響を与えることも判った。この場合、しきい値電圧は逆
の方向(デプレッション側)に変化する。
【0008】以上のように、本願発明者等によって、薄
膜トランジスタの特性の変化の原因が明らかになった。
【0009】本発明は、非単結晶半導体にて形成された
薄膜トランジスタのしきい値電圧の変化を利用した薄膜
半導体装置及びICカード、これらの製造方法及び書込
み読出し方法並びに電子機器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】 (1)本発明に係る薄膜半導体記憶装置は、MOS形の
メモリトランジスタを含む複数のメモリセルと、各メモ
リセルに接続されるワード線及びビット線と、を有し、
前記メモリトランジスタは、非単結晶の半導体薄膜に形
成されたチャネル領域、ソース領域及びドレイン領域
と、前記チャネル領域の上に絶縁膜を介して形成された
ゲート電極と、前記ソース領域に接続されるソース電極
と、前記ドレイン領域に接続されるドレイン電極と、を
有し、前記ワード線は前記ゲート電極に接続され、前記
ビット線は、前記ソース電極及びドレイン電極のいずれ
か一方に接続され、選択されるメモリセルには、前記ワ
ード線から、書込み電圧又は読出し電圧が印加され、非
選択のメモリセルには、前記ワード線から、非書込み電
圧又は非読出し電圧が印加され、前記チャネル領域のチ
ャネル長及びチャネル幅は、前記書込み電圧が前記ゲー
ト電極に印加されてドレイン電流が流れたときに発生す
る熱によって、しきい値電圧が第1の電圧から第2の電
圧に変化するように設定され、前記読出し電圧は、前記
しきい値電圧が前記第1の電圧のときに前記メモリトラ
ンジスタがON、OFFのいずれか一方となり、前記し
きい値電圧が前記第2の電圧のときに前記メモリトラン
ジスタがON、OFFのいずれか他方となる電圧に設定
される。
【0011】本発明は、非単結晶からなるMOS形の薄
膜トランジスタの特性を利用したプログラマブルROM
である。すなわち、薄膜トランジスタを駆動すると、し
きい値の変化が生じることがあるので、これを利用して
プログラマブルROMを構成したのが本発明である。
【0012】本発明によれば、メモリトランジスタのチ
ャネル領域のチャネル長及びチャネル幅は、書込み電圧
がゲート電極に印加されてドレイン電流が流れたときに
発生する熱によって、しきい値電圧が第1の電圧から第
2の電圧に変化するように設定されている。
【0013】ここで、メモリトランジスタのサイズが小
さいほど、又はチャネル幅が一定ならばチャネル長が短
いほど、しきい値電圧の変化が大きくなることが、本願
発明者等の研究によって明らかとなった。
【0014】したがって、選択されるメモリセルのメモ
リトランジスタに、書込み電圧を印加すると、しきい値
電圧が第1の電圧から第2の電圧に変化する。これによ
って、書込みを行うことができる。そして、しきい値の
変化の有無を検出することで、読出しを行うことができ
る。
【0015】具体的には、しきい値電圧が第1の電圧の
ときにメモリトランジスタがON、OFFのいずれか一
方となり、しきい値電圧が第2の電圧のときにメモリト
ランジスタがON、OFFのいずれか他方となるよう
に、読出し電圧が設定されている。そして、メモリトラ
ンジスタのON、OFFに対応して、ビット線の電位の
変化やドレイン電流の有無等を検出すれば、データの読
出しを行うことができる。
【0016】本発明によれば、チャネル長及びチャネル
幅を所定の大きさに設計して簡単にプログラマブルRO
Mを得ることができる。
【0017】(2)上記薄膜半導体記憶装置において、
前記メモリセルは、One Time PROM セル
として構成することができる。
【0018】(3)上記薄膜半導体記憶装置において、
前記メモリトランジスタは、多結晶シリコンからなる薄
膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)であ
ってもよい。
【0019】(4)上記薄膜半導体記憶装置において、
前記薄膜トランジスタは、低温プロセスで形成されても
よい。ここで、低温プロセスして、例えば、レーザ光等
の照射によるアニールを用い、600℃未満の低温処理
によってTFTを形成するプロセスがある。
【0020】(5)上記(1)記載の薄膜半導体記憶装
置において、各メモリセルの一部になるとともに、選択
される前記メモリトランジスタと前記ビット線とを導通
させ、非選択の前記メモリトランジスタと前記ビット線
との導通を遮断する選択トランジスタを有し、前記メモ
リトランジスタは、Nチャネル形であり、かつ、前記チ
ャネル領域と前記ゲート電極との間の前記絶縁層に、プ
ラスイオンからなる可動イオンが注入され、前記しきい
値電圧の変化は、前記第1の電圧より前記第2の電圧が
低いデプレッション形の方向への変化であり、前記読出
し電圧は、前記第2の電圧以上前記第1の電圧未満であ
ってもよい。
【0021】この薄膜半導体記憶装置によれば、しきい
値電圧が、デプレッション形の方向に変化する。すなわ
ち、絶縁層に、プラスイオンからなる可動イオンが注入
されているので、ゲート電極にプラスの電圧が印加され
ると、チャネル領域付近に可動イオンが移動する。そし
て、チャネル領域には、可動イオンに引きつけられた電
子によってチャネルが形成される。このチャネルは、ゲ
ート電極へ電圧が印加されなくなっても形成されたまま
となる。こうして、しきい値電圧が、デプレッション形
の方向に変化する。
【0022】そして、読出し電圧が、 第2の電圧(書込み状態)≦読出し電圧<第1の電圧
(消去状態) の関係となっているので、データの読出しを行うことが
できる。
【0023】すなわち、消去状態では、 読出し電圧<しきい値電圧 なので、メモリトランジスタがOFFとなり、書込み状
態では、しきい値電圧≦読出し電圧なので、メモリトラ
ンジスタがONとなって、データの読出しを行うことが
できる。
【0024】なお、この薄膜半導体記憶装置では、選択
トランジスタによって、書込み及び読出しを行うメモリ
セルを選択するようになっている。
【0025】(6)上記(5)記載の薄膜半導体記憶装
置において、前記可動イオンは、Na+ 、K+ 及びH+
のうちのいずれかであることが好ましい。
【0026】(7)上記(5)又は(6)記載の薄膜半
導体記憶装置において、前記可動イオンを含み、スパッ
タリングによって形成される膜が、前記絶縁層の上に形
成されてもよい。
【0027】こうすることで、膜に含まれる可動イオン
が絶縁層に注入される。
【0028】(8)上記(5)〜(7)のいずれかに記
載の薄膜半導体記憶装置において、前記第2の電圧≦G
ND電位<前記第1の電圧となり、前記読出し電圧は、
GND電位であってもよい。
【0029】この薄膜半導体記憶装置によれば、読出し
電圧となるGND電位は、共通電位として使用されるの
で、新たな電位の生成が不要である。
【0030】(9)上記(5)〜(8)のいずれかに記
載の薄膜半導体記憶装置において、前記選択トランジス
タはMOS形であって、前記書込み電圧と同電圧によっ
てONになり、GND電位によってOFFとなり、か
つ、該選択トランジスタのチャネル長及びチャネル幅
は、前記書込み電圧の印加では、しきい値電圧の変化が
生じないように設定されてもよい。
【0031】この薄膜半導体記憶装置によれば、メモリ
セルを選択するための選択トランジスタは、書込み電圧
と同電圧によってONとなる。書込み電圧は、メモリト
ランジスタのしきい値電圧を変化させる電圧であるが、
選択トランジスタのしきい値電圧は、変化しないような
っている。したがって、同じ電圧を使用して、メモリト
ランジスタではしきい値電圧の変化によって書込みを行
うことができ、選択トランジスタでは、単にスイッチン
グを行うようになっている。
【0032】また、選択トランジスタは、チャネル長及
びチャネル幅を所定の大きさに設計することで、しきい
値の変化が生じないようにすることができる。
【0033】そして、選択トランジスタは、共通電位と
してのGND電位によってOFFになるため、新たに電
位を生成する必要がない。
【0034】(10)本発明に係る薄膜半導体記憶装置
の書込み読出し方法は、前記薄膜半導体装置は、MOS
形のメモリトランジスタを含む複数のメモリセルと、各
メモリセルに接続されるワード線及びビット線と、を有
し、前記メモリトランジスタは、非単結晶の半導体薄膜
に形成されたチャネル領域、ソース領域及びドレイン領
域と、前記チャネル領域の上に絶縁膜を介して形成され
たゲート電極と、前記ソース領域に接続されるソース電
極と、前記ドレイン領域に接続されるドレイン電極と、
を有し、前記ワード線は前記ゲート電極に接続され、前
記ビット線は、前記ソース電極及びドレイン電極のいず
れか一方に接続され、選択されるメモリセルに前記ワー
ド線から書込み電圧を印加し、非選択のメモリセルに前
記ワード線から非書込み電圧を印加することで書込みを
行い、選択されたメモリセルに前記ワード線から読出し
電圧を印加し、非選択のメモリセルに前記ワード線から
非読出し電圧を印加することで読出しを行い、前記書込
み電圧は、前記ゲート電極に印加されてドレイン電流が
流れたときに、しきい値電圧が第1の電圧から第2の電
圧に変化する電圧に設定され、前記読出し電圧は、前記
しきい値電圧が前記第1の電圧のときに前記メモリトラ
ンジスタがON、OFFのいずれか一方となり、前記し
きい値電圧が前記第2の電圧のときに前記メモリトラン
ジスタがON、OFFのいずれか他方となる電圧に設定
される。
【0035】本発明は、非単結晶からなるMOS形の薄
膜トランジスタの特性を利用したプログラマブルROM
の書込み読出し方法である。すなわち、薄膜トランジス
タを駆動すると、しきい値の変化が生じるので、これを
利用してプログラマブルROMに、書込み読出しを行う
方法が本発明である。
【0036】本発明によれば、メモリトランジスタのチ
ャネル領域のチャネル長及びチャネル幅は、書込み電圧
がゲート電極に印加されてドレイン電流が流れたとき
に、しきい値電圧が第1の電圧から第2の電圧に変化す
るように設定されている。
【0037】ここで、メモリトランジスタのサイズが小
さいほど、又はチャネル幅が一定ならばチャネル長が短
いほど、しきい値電圧の変化が大きくなることが、本願
発明者等の研究によって明らかとなった。
【0038】したがって、選択されるメモリセルのメモ
リトランジスタに、書込み電圧を印加すると、しきい値
電圧が第1の電圧から第2の電圧に変化する。これによ
って、書込みを行うことができる。そして、しきい値の
変化の有無を検出することで、読出しを行うことができ
る。
【0039】具体的には、しきい値電圧が第1の電圧の
ときにメモリトランジスタがON、OFFのいずれか一
方となり、しきい値電圧が第2の電圧のときにメモリト
ランジスタがON、OFFのいずれか他方となるよう
に、読出し電圧を設定し、これを印加して読出しを行う
ことができる。
【0040】(11)上記(10)記載の薄膜半導体記
憶装置の書込み読出し方法において、前記メモリトラン
ジスタは、Nチャネル形であり、前記しきい値電圧の変
化は、前記第1の電圧より前記第2の電圧が高くなるエ
ンハンスメント形の方向への変化であり、前記読出し電
圧は、前記第1の電圧以上前記第2の電圧未満であり、
前記非書込み電圧及び前記非読出し電圧は、前記しきい
値電圧の変化にかかわらず、前記メモリトランジスタを
OFFにする電圧であってもよい。
【0041】この方法によれば、しきい値電圧がエンハ
ンスメント形の方向へ変化して、 第1の電圧(消去状態)<第2の電圧(書込み状態) となる薄膜半導体記憶装置が使用されている。したがっ
て、 第1の電圧(消去状態)≦読出し電圧<第2の電圧(書
込み状態) の関係にある読出し電圧を印加すると、消去状態では、
しきい値電圧≦読出し電圧なので、メモリトランジスタ
がONとなる。また、書込み状態では、 読出し電圧<しきい値電圧 なので、メモリトランジスタがOFFとなる。これに基
づいて、データの読出しを行うことができる。
【0042】(12)上記(11)記載の薄膜半導体記
憶装置の書込み読出し方法において、前記第1及び第2
の電圧は、いずれもGND電位より高く、前記非書込み
電圧及び前記非読出し電圧は、GND電位であってもよ
い。
【0043】この方法によれば、非書込み電圧及び非読
出し電圧として、GND電位が使用される。GND電位
は、共通電位として使用されるので、新たに電位を生成
しなくてもよい。
【0044】(13)上記(10)記載の薄膜半導体記
憶装置の書込み読出し方法において、各メモリセルの一
部になるとともに、選択される前記メモリトランジスタ
と前記ビット線とを導通させ、非選択の前記メモリトラ
ンジスタと前記ビット線との導通を遮断する選択トラン
ジスタを有し、前記メモリトランジスタは、Nチャネル
形であり、かつ、前記チャネル領域と前記ゲート電極と
の間の前記絶縁層に、プラスイオンからなる可動イオン
が注入され、前記しきい値電圧の変化は、前記第1の電
圧より前記第2の電圧が低いデプレッション形の方向へ
の変化であり、前記読出し電圧は、前記第2の電圧以上
前記第1の電圧未満であってもよい。
【0045】この方法では、しきい値電圧が、デプレッ
ション形の方向に変化する薄膜半導体記憶装置が使用さ
れる。すなわち、絶縁層に、プラスイオンからなる可動
イオンが注入されているので、ゲート電極にプラスの電
圧が印加されると、チャネル領域付近に可動イオンが移
動する。そして、チャネル領域には、可動イオンに引き
つけられた電子によってチャネルが形成される。このチ
ャネルは、ゲート電極への電圧の印加を解除しても形成
されたままとなる。こうして、しきい値電圧が、デプレ
ッション形の方向に変化する。
【0046】そして、読出し電圧を、 第2の電圧(書込み状態)≦読出し電圧<第1の電圧
(消去状態) の関係となるように設定することで、データの読出しを
行うことができる。
【0047】すなわち、消去状態では、 読出し電圧<しきい値電圧 なので、メモリトランジスタがOFFとなり、書込み状
態では、しきい値電圧≦読出し電圧なので、メモリトラ
ンジスタがONとなる。これに基づいて、データの読出
しを行うことができる。
【0048】なお、この薄膜半導体記憶装置では、選択
トランジスタによって、書込み及び読出しを行うメモリ
セルが選択される。
【0049】(14)上記(13)記載の薄膜半導体記
憶装置の書込み読出し方法において、 前記第2の電圧≦GND電位<前記第1の電圧 となり、前記読出し電圧は、GND電位であってもよ
い。
【0050】この方法によれば、読出し電圧として、共
通電位としてのGND電位が使用されるので、新たな電
位の生成が不要である。
【0051】(15)上記(13)又は(14)記載の
薄膜半導体記憶装置の書込み読出し方法において、前記
選択トランジスタはMOS形であって、前記書込み電圧
と同電圧によってONになり、GND電位によってOF
Fとなり、かつ、該選択トランジスタのチャネル長及び
チャネル幅は、前記書込み電圧の印加では、しきい値電
圧の変化が生じないように設定されてもよい。
【0052】この方法では、メモリセルを選択するため
の選択トランジスタが、書込み電圧と同電圧によってO
Nとなる薄膜半導体記憶装置が使用される。書込み電圧
は、メモリトランジスタのしきい値電圧を変化させる電
圧であるが、選択トランジスタのしきい値電圧は、変化
しないようなっている。したがって、同じ電圧を使用し
て、メモリトランジスタではしきい値電圧の変化によっ
て書込みを行うことができ、選択トランジスタでは、単
にスイッチングを行うようになっている。
【0053】そして、選択トランジスタは、共通電位と
してのGND電位によってOFFになるため、新たに電
位を生成する必要がない。
【0054】(16)本発明に係る薄膜半導体記憶装置
の製造方法は、基板上に分離層を形成する工程と、前記
分離層上に、薄膜半導体記憶回路と露出する電極部とを
含む被転写層を形成する工程と、転写体に配線パターン
を形成する工程と、前記配線パターンと前記電極部とが
導通する位置関係で、前記被転写層を前記転写体に接合
する工程と、前記分離層を境にして、前記基板を前記被
転写層より除去する工程と、を有し、前記薄膜半導体記
憶回路は、MOS形のメモリトランジスタを含む複数の
メモリセルと、各メモリセルに接続されるワード線及び
ビット線と、を有し、前記メモリトランジスタは、非単
結晶の半導体薄膜に形成されたチャネル領域、ソース領
域及びドレイン領域と、前記チャネル領域の上に絶縁膜
を介して形成されたゲート電極と、前記ソース領域に接
続されるソース電極と、前記ドレイン領域に接続される
ドレイン電極と、を有し、前記ワード線は前記ゲート電
極に接続され、前記ビット線は、前記ソース電極及びド
レイン電極のいずれか一方に接続され、前記チャネル領
域のチャネル長及びチャネル幅は、前記書込み電圧が前
記ゲート電極に印加されてドレイン電流が流れたとき
に、しきい値電圧が第1の電圧から第2の電圧に変化す
るように設定される。
【0055】本発明では、デバイス製造における信頼性
が高い例えば石英基板などの基板上に、例えば、光を吸
収する特性をもつ分離層を設けておき、この分離層上に
薄膜半導体記憶回路を含む被転写層を形成する。そし
て、被転写層を転写体に接合した後に分離層に例えば光
を照射し、その分離層において剥離現象を生じさせて、
分離層と基板との密着性を低下させる。さらに、力を加
えて被転写層から基板を離脱させる。これにより、被転
写層が転写体に転写されて薄膜半導体記憶装置が製造さ
れる。この薄膜半導体記憶装置は、基板が除去されてい
るので、比較的薄くかつ軽量とすることができる。しか
も、転写体自体は、薄膜形成プロセスに耐える耐熱性な
どの制約がないため、軽量で薄いものを使用することが
できる。
【0056】(17)本発明に係るICカードの製造方
法は、上記(16)記載の薄膜半導体記憶装置の製造方
法を含み、前記転写体はカード基板である。
【0057】上記薄膜半導体記憶装置の製造方法によれ
ば、薄膜軽視プロセスに耐える耐熱性などの制約がない
ため、本発明のように、カード基板を転写体として使用
することができる。これによって、軽量で薄いICカー
ドを製造することができる。
【0058】(18)本発明に係るICカードは、上記
(17)記載の方法により製造される。
【0059】(19)本発明に係る電子機器は、上記
(1)から(9)のいずれかに記載された薄膜半導体記
憶装置を有する。
【0060】(20)上記(19)記載の電子機器にお
いて、薄膜トランジスタを含む周辺回路を有し、前記メ
モリトランジスタは、前記薄膜トランジスタよりもチャ
ネルがほぼ等しくチャネルが短くてもよい。
【0061】こうすることで、メモリトランジスタにお
いて、ドレイン電流が増加して発熱量が増加し、しきい
値電圧が変化するようになる。本発明は、このしきい値
の変化を利用して、メモリトランジスタにデータを書き
込むようになっている。
【0062】(21)上記(19)記載の電子機器にお
いて、薄膜トランジスタを含む周辺回路を有し、前記メ
モリトランジスタは、前記薄膜トランジスタよりもチャ
ネル長及びチャネル幅が微細なデザインルールで形成さ
れてもよい。
【0063】こうすることで、メモリトランジスタにお
いて、単位面積当たりに流れるドレイン電流が増加して
発熱量が増加するので、しきい値が変化するようにな
る。本発明は、このしきい値の変化を利用して、メモリ
トランジスタにデータを書き込むようになっている。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について図面を参照して説明する。
【0065】(第1の実施の形態)図6は、第1の実施
の形態に係る電子機器を示す図である。同図に示す電子
機器1はパーソナルコンピュータであって、CPU、R
OM及びその他の周辺回路を有する。図1は、第1の実
施の形態に係るROM及び周辺回路を示す図である。
【0066】図1において、ROM10は、プログラマ
ブルROMのうちのOTP(One Time PRO
M)であって、複数のメモリセルM1 ,M2 ,…と、メ
モリセルM1 ,M2 ,…のそれぞれに接続されるワード
線14及びビット線16と、を含む。を有する。メモリ
セルM1 ,M2 ,…のそれぞれは、メモリトランジスタ
12を含む。すなわち、ROM10は、1トランジスタ
/1セル型である。また、周辺回路20は、スイッチン
グ素子としての薄膜トランジスタ22を含む。
【0067】メモリトランジスタ12及び薄膜トランジ
スタ22は、いずれもMOS形でNチャネル形のトラン
ジスタであって、非単結晶(アモルファス又は多結晶)
の薄膜トランジスタ(TFT)である。
【0068】ROM10は、メモリトランジスタ12に
ワード線14から書込み電圧を印加し、ビット線16か
らドレイン電流を流して、しきい値電圧を変化させるこ
とでデータの書込みを行うようになっている。
【0069】図2は、メモリトランジスタ12の特性を
示す図である。同図に示すように、データの書込み前
(消去状態)において、メモリトランジスタ12は、第
1の電圧(1V)をしきい値電圧として、ドレイン電流
Id が流れるようになっている。そして、書込み電圧と
して、例えば、10V以上(好ましくは約25V)の電
圧をメモリトランジスタ12のゲートに印加し、ドレイ
ンに約15Vを印加すると、しきい値電圧が第2の電圧
(5V)に変化する。
【0070】ここで、第2の電圧(5V)は第1の電圧
(1V)よりも高いことから、しきい値電圧は、エンハ
ンスメント形の方向へ変化する。
【0071】非単結晶の薄膜トランジスタで、このよう
なしきい値電圧の変化が生じることは、既に知られてい
たが、その原因が不明であった。今般、本願発明者等の
研究によりそれが明らかになった。
【0072】すなわち、しきい値電圧の変化は熱に起因
し、加熱される時間が長いほど、しきい値電圧の変化が
大きいことが分かった。
【0073】また、チャネル幅W及びチャネル長Lにつ
いて、W/Lが一定ならば、W,Lのそれぞれの値が小
さいほど、しきい値電圧の変化が大きくなることが実験
により分かった。その理由は、トランジスタのサイズが
小さくなると、単位面積当りに大きなドレイン電流Id
が流れるため、発熱量が多いからであると考えられる。
【0074】さらに、チャネル幅Wが一定ならばチャネ
ル長Lが短いほどドレイン電流Idが大きくなることが
知られており、チャネル長Lを短くすると、ドレイン電
流Id が大きくなって発熱量が多くなる。
【0075】以上のことから、しきい値電圧の変化する
薄膜トランジスタを得るためには、W/Lを一定に保っ
たままW,Lのそれぞれを小さくする、又はチャネル幅
Wに対するチャネル長Lの比率を小さくすればよいこと
が明らかになった。
【0076】そこで、本実施形態では、周辺回路20の
薄膜トランジスタ22を基準にして、メモリトランジス
タ12の設計がなされている。
【0077】図3は、薄膜トランジスタ22の平面図で
ある。同図において、非単結晶シリコン薄膜24上に絶
縁膜(図示せず)を介してゲート電極26が形成されて
いる。また、非単結晶シリコン薄膜24には、ゲート電
極26下にチャネル領域28が形成されるとともに、こ
れを挟むN型不純物拡散領域であるソース領域30及び
ドレイン領域32が形成されている。そして、ソース領
域30及びドレイン領域32にコンタクトホール34が
形成され、ソース電極36、ドレイン電極38にそれぞ
れ接続されている。
【0078】図4は、メモリトランジスタ12の平面図
である。メモリトランジスタ12は、チャネル幅W′
が、図3に示す薄膜トランジスタ22のチャネル幅Wと
同じであるが、チャネル長L′が薄膜トランジスタ22
のチャネル長Lより短くなっている。こうすることで、
メモリトランジスタ12のドレイン電流が増加して加熱
されて、図2に示すように、しきい値電圧が変化するよ
うになる。メモリトランジスタ12のその他の構成につ
いては、薄膜トランジスタ22と同様であるので説明を
省略する。
【0079】あるいは、メモリトランジスタ12は、図
5に示すように変形してもよい。すなわち、図5におい
て、メモリトランジスタ12′は、薄膜トランジスタ2
2と比較して、 W″/L″=W/L であるが、 L″<L ,W″<W となっている。すなわち、メモリトランジスタ12′
は、薄膜トランジスタ22よりもサイズが小さくなって
いる。こうすることで、チャネル幅Wの単位長さ当たり
の電流が大きくなって、発熱量が増加して、しきい値電
圧が変化する。
【0080】本実施形態は、上記のように構成されてお
り、以下その作用について説明する。まず、図1におい
て、メモリセルM1 を選択して、データを書込む作用に
ついて説明する。
【0081】この場合には、メモリセルM1 に対応する
ワード線14に書込み電圧を印加し、その他のワード線
14には非書込み電圧を印加する。
【0082】ここで、書込み電圧は10V以上であり、
非書込み電圧はGND電位となっている。GND電位
は、共通電位として周辺回路20でも使用される電位を
利用することができる。こうして、メモリセルM1 及び
メモリセルM1 と同じワード線14に接続されたメモリ
セルにおいて、メモリトランジスタ12がONとなる。
【0083】また、メモリセルM1 に対応するビット線
16を所定の高電位に設定し、それ以外のビット線16
をGND電位に設定しておく。
【0084】こうして、選択されたメモリセルM1 のみ
において、メモリトランジスタ12にドレイン電流が流
れる。そして、図2に示すように、メモリセルM1 のメ
モリトランジスタ12のしきい値電圧が変化する。これ
によって、データの書込みが行われる。
【0085】次に、データの読出しについて説明する。
メモリセルM1 のデータを読み出すには、メモリセルM
1 に対応するワード線14に読出し電圧を印加し、その
他のワード線14には非読出し電圧を印加する。
【0086】ここで、読出し電圧は3Vである。この電
圧は、メモリトランジスタ12のしきい値電圧が第1の
電圧であるとき(消去状態)には、このメモリトランジ
スタ12がONし、しきい値電圧が第2の電圧であると
き(書込み状態)には、OFFとなる電圧である。具体
的には、 第1の電圧(1V)≦読出し電圧(3V)<第2の電圧
(5V) となっている。
【0087】したがって、データが書込まれていればメ
モリトランジスタ12がOFFとなり、データが書込ま
れていなければメモリトランジスタ12がONとなる。
【0088】一方、非読出し電圧は、データの書込みの
有無にかかわらず、メモリトランジスタ12のしきい値
電圧より低いGND電位となっている。
【0089】また、メモリセルM1 に対応するビット線
16を所定の高電位に設定し、それ以外のビット線16
をGND電位に設定しておく。
【0090】こうして、データの書込みがあれば、メモ
リトランジスタ12がOFFとなるのでドレイン電流が
流れない。一方、データの書込みがなければ、メモリト
ランジスタ12がONとなるので、ドレイン電流が流れ
る。そして、ドレイン電流の有無やビット線16の電位
の変化などを検出することで、データの読出しを行うこ
とができる。
【0091】(第2の実施の形態)図7は、第2の実施
の形態に係る薄膜半導体記憶装置を示す図である。同図
に示す薄膜半導体記憶装置としてのROM40は、図1
に示すROM10の代わりに用いることができる。
【0092】図7において、ROM40は、プログラマ
ブルROMのうちのOTP(One Time PRO
M)であって、複数のメモリセルM11,M12,…を有す
る。メモリセルM11,M12,…のそれぞれは、メモリト
ランジスタ42及び選択トランジスタ48を有する。す
なわち、ROM40は、2トランジスタ/1セル型であ
る。
【0093】メモリトランジスタ42及び選択トランジ
スタ48は、いずれもMOS形でNチャネル形のトラン
ジスタであって、非単結晶(アモルファス又は多結晶)
の薄膜トランジスタ(TFT)である。
【0094】メモリトランジスタ42のゲート電極70
(図9参照)はワード線44に接続され、選択トランジ
スタ48のゲート電極66(図9参照)は選択線50に
接続されている。そして、メモリトランジスタ42は、
選択トランジスタ48を介してビット線46に接続され
ている。
【0095】ROM40は、選択トランジスタ48によ
ってメモリセルM11,M12,…のいずれかを選択するよ
うになっている。また、メモリトランジスタ42にワー
ド線44から書込み電圧が印加され、ビット線46から
ドレイン電流を流して、しきい値電圧を変化させること
でデータの書込みを行うようになっている。
【0096】図8は、メモリトランジスタ42の特性を
示す図である。同図に示すように、データの書込み前
(消去状態)において、メモリトランジスタ42は、第
1の電圧(1V)をしきい値電圧として、ドレイン電流
Id が流れるようになっている。そして、書込み電圧と
して、例えば10V以上の電圧をメモリトランジスタ4
2のゲート電極に印加し、ドレイン電極にも電圧を印加
すると、しきい値電圧が第2の電圧(−3V)に変化す
る。
【0097】ここで、第2の電圧(−3V)は第1の電
圧(1V)よりも低いことから、しきい値電圧は、デプ
レッション形の方向へ変化する。この変化を利用して、
ROM40では、データの書込みが行われる。
【0098】なお、選択トランジスタ48は、選択線5
0の電圧が印加されても、しきい値電圧が変化しないよ
うに構成されている。
【0099】図9は、メモリトランジスタ42及び選択
トランジスタ48の断面図である。同図において、ガラ
ス基板52上に、シリコン酸化膜からなる下地絶縁膜5
4が形成されている。
【0100】そして、メモリトランジスタ42及び選択
トランジスタ48のいずれにおいても、ソース領域5
6、ドレイン領域58およびチャネル領域60となる非
単結晶(多結晶又はアモルファス)シリコン薄膜62が
形成されている。また、非単結晶シリコン薄膜62の上
にはゲート絶縁膜64が形成されている。
【0101】選択トランジスタ48においては、ゲート
絶縁膜64の上にタンタル膜からなるゲート電極66が
形成されている。
【0102】一方、メモリトランジスタ42において
は、ゲート絶縁膜64の上に、可動イオン層68を介し
てゲート電極70が形成されている。可動イオン層68
は、ナトリウムイオンNa+ 、カリウムイオンK+ 、又
は水素イオンH+ などのプラスイオンが混入されてい
る。
【0103】ゲート電極66、70の上には、シリコン
酸化膜からなる層間絶縁膜72が形成されている。
【0104】選択トランジスタ42においては、層間絶
縁膜72を貫通してソース領域56、ドレイン領域58
に通じるコンタクトホール74が開口され、ソース電極
76、ドレイン電極78が形成されている。
【0105】メモリトランジスタ42においては、層間
絶縁膜72を貫通してソース領域56、ドレイン領域5
8に通じるコンタクトホール74が開口され、ソース電
極80、ドレイン電極82が形成されている。なお、ド
レイン電極82は、選択トランジスタ42のソース電極
76と一体的に形成されている。
【0106】次に、上記構成のメモリトランジスタ42
及び選択トランジスタ48の製造方法を図10(A)〜
図11(C)を用いて説明する。以下に述べる製造方法
は、例えばゲート絶縁膜の形成に熱酸化法ではなくCV
D法を用いるものであって、プロセス全体を通して45
0℃以下の低いプロセス温度で製造するものである。こ
れにより、基板の材料としてガラスを用いることができ
る。
【0107】まず、図10(A)に示すように、ガラス
基板52上の全面に、CVD法を用いて膜厚100〜5
00nm程度のシリコン酸化膜を形成して下地絶縁膜5
4とする。次に、下地絶縁膜54上の全面に、ジシラン
(Si26)あるいはモノシラン(SiH4 )を原料と
し、CVD法を用いて膜厚50nm程度のアモルファス
シリコン薄膜を形成した後、XeCl等のエキシマレー
ザーアニールを行なうことによって多結晶化する。そし
て、周知のフォトリソグラフィー・エッチング技術を用
いて、多結晶シリコン薄膜62のパターニングを行な
う。
【0108】また、ECR−CVD(Electron Cyclotr
on Resonance Chemical Vapor Deposition)法等を用い
て膜厚120nm程度のシリコン酸化膜からなるゲート
絶縁膜64を形成する。さらに、メモリトランジスタ4
2を形成する領域には、ゲート絶縁膜64上に、スパッ
タリングによって可動イオン層68を形成する。
【0109】そして、図10(B)に示すように、スパ
ッタリングにより膜厚600〜800nm程度のタンタ
ル膜84を全面に形成し、ゲート電極66、70(図9
参照)の形成領域上にフォトレジスト86を形成する。
なお、フォトレジスト86のパターニングには、周知の
フォトリソグラフィー・エッチング技術が適用される。
【0110】続いて、フォトレジスト86をマスクとし
て、タンタル膜84をエッチングして、図10(C)に
示すようにゲート電極66、70を形成する。また、タ
ンタル膜84のエッチングと同時に、可動イオン層68
のパターニングも行われる。
【0111】さらに、図11(A)に示すように、ゲー
ト電極66、70をマスクとしてPH3/H2を用いたイ
オンドーピングを行なうことにより、N型不純物拡散領
域であるソース領域56、ドレイン領域58を形成す
る。イオンドーピングされなかった領域は、チャネル領
域60となる。なお、イオンドーピング時のドーズ量は
1〜10×1015atoms/cm2 程度でよい。ついで、30
0℃、2時間のN2 アニールを行なう。
【0112】そして、図11(B)に示すように、CV
D法により膜厚500〜1000nm程度のシリコン酸
化膜からなる層間絶縁膜72を形成する。最後に、図1
1(C)に示すように、層間絶縁膜72を貫通して多結
晶シリコン薄膜62のソース領域56、ドレイン領域5
8に通じるコンタクトホール74を開口した後、全面に
Al−Si−Cu膜を堆積させ、これをパターニングす
ることにより、ソース電極76、80、ドレイン電極7
8、82を形成する。
【0113】以上の工程によって、メモリトランジスタ
42及び選択トランジスタ48が製造される。
【0114】次に、本実施形態の作用について説明す
る。まず、図7に示すROM40において、メモリセル
M11を選択して、データを書込む作用について説明す
る。
【0115】この場合には、メモリセルM11に対応する
ワード線44に書込み電圧を印加し、その他のワード線
44には非書込み電圧を印加する。
【0116】ここで、書込み電圧は10V以上であり、
非書込み電圧はGND電位となっている。GND電位
は、共通電位として周辺回路でも使用される電位を利用
することができる。こうして、メモリセルM11及びメモ
リセルM11と同じワード線44に接続されたメモリセル
において、メモリトランジスタ42がONとなる。
【0117】また、メモリセルM11に対応するビット線
46を所定の高電位に設定し、それ以外のビット線46
をGND電位に設定しておく。
【0118】さらに、メモリセルM11に対応する選択線
50を高電位にして、対応する選択トランジスタ48を
ONし、他の選択線50を低電位として、対応する選択
トランジスタ48をOFFにする。こうして、メモリセ
ルM11が選択され、メモリセルM11のメモリトランジス
タ42にドレイン電流が流れる。これによって、図8に
示すように、しきい値電圧の変化が生じる。その作用を
図9を参照して説明する。
【0119】上述したように、メモリトランジスタ42
には、チャネル領域60とゲート電極70との間に可動
イオン層68が形成されている。可動イオン層68に
は、ナトリウムイオンNa+ 、カリウムイオンK+ 又は
水素イオンH+ などのプラスイオンが混入している。こ
れらのプラスイオンは、加熱されるとゲート絶縁膜64
中を移動できるようになっている。
【0120】そして、メモリセルM11のメモリトランジ
スタ42には、ドレイン電流が流れることで発熱し、可
動イオン層68のプラスイオンがゲート絶縁膜64中を
移動できるようになる。さらに、ゲート電極70には、
プラスの電圧が印加されるので、プラスイオンは、図9
に拡大して示すように、チャネル領域60の付近に集ま
る。そうすると、チャネル領域60の自由電子が、ゲー
ト絶縁膜64の付近に集まって、チャネルが形成され
る。このチャネルは、ゲート電極70への電圧の印加を
止めても形成されたままとなる。
【0121】以上の作用によって、図8に示すように、
選択されたメモリセルM11のメモリトランジスタ42の
しきい値電圧は、デプレッション形の方向へ変化する。
すなわち、 第2の電圧(書込み状態)<第1の電圧(消去状態) となっている。こうして、データの書込みが行われる。
【0122】なお、本実施形態において、データの書き
込まれたメモリセルM11のメモリトランジスタ42を物
理的に加熱し、ゲート電極70にマイナスの電圧を印加
して、プラスイオンをチャネル領域60付近から離すこ
とで、チャネル領域60中の自由電子によるチャネルを
なくすこともできる。こうすることで、一旦書き込まれ
たデータを消去することもできる。
【0123】次に、データの読出しについて説明する。
上述したしきい値電圧の変化は、図8に示すように、 第2の電圧(書込み状態)≦GND電位<第1の電圧
(消去状態) となっている。したがって、GND電位を読出し電圧と
して、選択されたメモリセルM11のメモリトランジスタ
42のゲート電極70に印加すれば、データの書込みの
有無によって、異なる駆動がなされる。
【0124】すなわち、メモリトランジスタ42にデー
タが書き込まれていれば、しきい値電圧が第2の電圧と
なっているので、GND電位を印加すると、メモリトラ
ンジスタ42がONとなる。一方、メモリトランジスタ
42にデータが書き込まれていなければ、しきい値電圧
が第1の電圧となっているので、メモリトランジスタ4
2は、OFFとなる。
【0125】また、メモリセルM11に対応するビット線
46を所定の高電位に設定し、それ以外のビット線46
をGND電位に設定しておく。
【0126】こうして、ドレイン電流の有無やビット線
46の電位の変化などを検出することで、データの読出
しを行うことができる。
【0127】なお、本実施形態では、メモリセルM11と
同じビット線46に接続されたメモリセルは、選択トラ
ンジスタ48をOFFにすることで、ビット線46との
導通を遮断してある。このため、選択されないメモリセ
ルについては、選択トランジスタ48にGND電位が印
加される。
【0128】メモリトランジスタ42を、データの書込
みの有無にかかわらずOFFにするには、−3V未満の
電位が必要であるが、本実施形態では、選択トランジス
タ48によってメモリセルを選択できるので、GND電
位のみで、非選択のメモリセルをOFFにすることがで
きる。
【0129】(第3の実施の形態)図12〜図18は、
第3の実施の形態に係るICカードの製造方法を説明す
る図である。
【0130】図12には、ICカードとしてのROMカ
ードのブロック図が示されている。ROMカード110
は、コネクタ112、入出力回路114及びROM11
6を有する。ROM116は、上述したROM10(図
1参照)と同様の特徴を有するものである。あるいは、
ROM116は、ROM40(図7参照)と製造方法を
除いて同様の構成としてもよい。
【0131】コネクタ112は、各種端子を含み、RO
Mカード110がホストシステムのカードスロットに挿
入された際に、ホストシステム側の端子に接続されるよ
うになっている。入出力回路114は、コネクタ112
とROM116との間に設けられ、デコーダ回路、入力
回路及び出力回路を含んで構成される。そして、コネク
タ112、入出力回路114及びROM116は、配線
118、119によって接続されている。
【0132】以下、図12に示したICカードの製造方
法を、図13〜図17を参照して説明する。
【0133】[工程1]本実施の形態では、図12に示
す構成要素のうち、コネクタ112及び配線118を、
図13に示すようにカード基板120上に形成してお
く。ここで、カード基板120の材質は、プラスチック
などの合成樹脂またはガラス基板などの軽くて比較的薄
い板状の絶縁基板である。
【0134】なお、図12に示す入出力回路114、R
OM116及びそれらを接続する配線119は、図14
(B)に示す被転写層240中に形成され、この被転写
層240がカード基板120上に転写されて、図12に
示すROMカード110が製造される。
【0135】[工程2]図14(A)に示すように、基
板200上に分離層(光吸収層)220を形成する。
【0136】以下、基板200および分離層220につ
いて説明する。
【0137】基板200についての説明 基板200は、光が透過し得る透光性を有するものであ
るのが好ましい。
【0138】この場合、光の透過率は10%以上である
のが好ましく、50%以上であるのがより好ましい。こ
の透過率が低過ぎると、光の減衰(ロス)が大きくな
り、分離層220を剥離するのにより大きな光量を必要
とする。
【0139】また、基板200は、信頼性の高い材料で
構成されているのが好ましく、特に、耐熱性に優れた材
料で構成されているのが好ましい。その理由は、例えば
後述する被転写層240や中間層242を形成する際
に、その種類や形成方法によってはプロセス温度が高く
なる(例えば350〜1000℃程度)ことがあるが、
その場合でも、基板200が耐熱性に優れていれば、基
板200上への被転写層240等の形成に際し、その温
度条件等の成膜条件の設定の幅が広がるからである。
【0140】従って、基板200は、被転写層240の
形成の際の最高温度をTmaxとしたとき、歪点がTmax以
上の材料で構成されているのものが好ましい。具体的に
は、基板200の構成材料は、歪点が350℃以上のも
のが好ましく、500℃以上のものがより好ましい。こ
のようなものとしては、例えば、石英ガラス、コーニン
グ7059、日本電気ガラスOA−2等の耐熱性ガラス
が挙げられる。
【0141】また、基板200の厚さは、特に限定され
ないが、通常は、0.1〜5.0mm程度であるのが好ま
しく、0.5〜1.5mm程度であるのがより好ましい。
基板200の厚さが薄すぎると強度の低下を招き、厚す
ぎると、基板200の透過率が低い場合に、光の減衰を
生じ易くなる。なお、基板200の光の透過率が高い場
合には、その厚さは、前記上限値を超えるものであって
もよい。なお、光を均一に照射できるように、基板20
0の厚さは、均一であるのが好ましい。
【0142】分離層220の説明 分離層220は、照射される光を吸収し、その層内およ
び/または界面において剥離(以下、「層内剥離」、
「界面剥離」と言う)を生じるような性質を有するもの
であり、好ましくは、光の照射により、分離層220を
構成する物質の原子間または分子間の結合力が消失また
は減少すること、すなわち、アブレーションが生じて層
内剥離および/または界面剥離に至るものがよい。
【0143】さらに、光の照射により、分離層220か
ら気体が放出され、分離効果が発現される場合もある。
すなわち、分離層220に含有されていた成分が気体と
なって放出される場合と、分離層220が光を吸収して
一瞬気体になり、その蒸気が放出され、分離に寄与する
場合とがある。
【0144】また、分離層220の厚さは、剥離目的や
分離層220の組成、層構成、形成方法等の諸条件によ
り異なるが、通常は、1nm〜20μm程度であるのが
好ましく、10nm〜2μm程度であるのがより好まし
く、40nm〜1μm程度であるのがさらに好ましい。
分離層220の膜厚が小さすぎると、成膜の均一性が損
なわれ、剥離にムラが生じることがあり、また、膜厚が
厚すぎると、分離層220の良好な剥離性を確保するた
めに、光のパワー(光量)を大きくする必要があるとと
もに、後に分離層220を除去する際に、その作業に時
間がかかる。なお、分離層220の膜厚は、できるだけ
均一であるのが好ましい。
【0145】分離層220の形成方法は、特に限定され
ず、膜組成や膜厚等の諸条件に応じて適宜選択される。
【0146】[工程3]次に、図14(B)に示すよう
に、分離層220上に、被転写層(薄膜デバイス層)2
40を形成する。
【0147】この薄膜デバイス層240の部分拡大断面
図を、図14(B)中に示す。図示されるように、薄膜
デバイス層240は、SiO2 膜(中間層)242上に
形成されたTFT(薄膜トランジスタ)を含んで構成さ
れる。TFTは、非単結晶(アモルファス又は多結晶)
シリコンで形成されている。
【0148】TFTは、多結晶シリコン薄膜にN型不純
物を導入して形成されたソース領域245,ドレイン領
域246と、チャネル領域244と、ゲート絶縁膜24
8と、ゲート電極250と、層間絶縁膜254と、例え
ばアルミニュウムからなるソース電極251及びドレイ
ン電極252とを具備する。そして、TFTは、ROM
116の一部を構成する。また、TFTは、第1又は第
2の実施の形態と同様に、データを書き込むことができ
る構成になっている。
【0149】ここで、この薄膜デバイス層240は、T
FTと接続される配線のうち、カード基板120に形成
された配線118と接続される端部が、露出する電極部
241として形成されている。
【0150】[工程4]次に、図15に示すように、薄
膜デバイス層240を、カード基板120上に、異方性
導電膜等の導電性接着層260を介して接着する。この
とき、カード基板120上に予め形成された配線118
と、薄膜デバイス層240の露出する電極部241とを
対向させる。
【0151】[工程5]次に、図16に示すように、基
板200の裏面側から光を照射する。この光は、基板2
00を透過した後に分離層220に照射される。これに
より、分離層220に層内剥離および界面剥離の少なく
とも一方が生じ、結合力が減少または消滅する。
【0152】分離層220の層内剥離または界面剥離が
生じる原理は、分離層220の構成材料にアブレーショ
ンが生じること、また、分離層220に含まれているガ
スの放出、さらには照射直後に生じる溶融、蒸散等の相
変化によるものであることが推定される。
【0153】ここで、アブレーションとは、照射光を吸
収した固定材料(分離層220の構成材料)が光化学的
または熱的に励起され、その表面や内部の原子または分
子の結合が切断されて放出することをいい、主に、分離
層220の構成材料の全部または一部が溶融、蒸散(気
化)等の相変化を生じる現象として現れる。また、前記
相変化によって微小な発砲状態となり、結合力が低下す
ることもある。
【0154】図18に、基板200の、光の波長に対す
る透過率の一例を示す。図示されるように、300nm
の波長に対して透過率が急峻に増大する特性をもつ。こ
のような場合には、300nm以上の波長の光(例え
ば、波長308nmのXe−Clエキシマレーザー光)
を照射する。
【0155】また、分離層220に、例えばガス放出、
気化、昇華等の相変化を起こさせて分離特性を与える場
合、照射されるレーザ光の波長は、350から1200
nm程度であるのが好ましい。
【0156】なお、レーザ光に代表される照射光は、そ
の強度がほぼ均一となるように照射されるのであれば、
照射光の照射方向は、分離層220に対し垂直な方向に
限らず、分離層220に対し所定角度傾斜した方向であ
ってもよい。
【0157】次に、図16に矢印Aで示すように、基板
200に力を加えて、この基板200を分離層220か
ら離脱させる。図16では図示されないが、この離脱
後、基板200上に分離層が付着することもある。
【0158】[工程6]次に、残存している分離層22
0を、例えば洗浄、エッチング、アッシング、研磨等の
方法またはこれらを組み合わせた方法により除去する。
これにより、図17に示すように、被転写層(薄膜デバ
イス層)240が、カード基板120に転写され、カー
ド基板120上には、元々形成されていたコネクタ11
2、配線118に加えて、図12に示す入出力回路11
4,ROM116及びそれらを接続する配線119が搭
載されることになる。しかも、カード基板120と被転
写層240とは、上述した配線118と電極部241と
が導電性接着層260にて電気的に接続されている。従
って、転写後に煩雑な配線作業を省力することができ
る。
【0159】なお、離脱した基板200にも分離層の一
部が付着している場合には同様に除去する。なお、基板
200が石英ガラスのような高価な材料、希少な材料で
構成されている場合等には、基板200は、好ましくは
再利用(リサイクル)に供される。すなわち、再利用し
たい基板200に対し、本発明を適用することができ、
有用性が高い。
【0160】以上のような各工程を経て、被転写層(薄
膜デバイス層)240のカード基板120への転写が完
了してROMカード110が完成する。その後、必要に
より、被転写層(薄膜デバイス層)240に隣接するS
iO2 膜の除去や、被転写層240の表面のうちコネク
タ112を除く領域での保護膜の形成等を行うことがで
きる。
【0161】本実施の形態では、被剥離物である被転写
層(薄膜デバイス層)240自体を直接に剥離するので
はなく、被転写層(薄膜デバイス層)240に接合され
た分離層に220において剥離するため、被剥離物(被
転写層240)の特性、条件等にかかわらず、容易かつ
確実に、しかも均一に剥離(転写)することができ、剥
離操作に伴う被剥離物(被転写層240)へのダメージ
もなく、被転写層240の高い信頼性を維持することが
できる。
【0162】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るROM及び周辺回路を
示す図である。
【図2】メモリトランジスタの特性を示す図である。
【図3】薄膜トランジスタの平面図である。
【図4】メモリトランジスタの平面図である。
【図5】変形例に係るメモリトランジスタの平面図であ
る。
【図6】第1の実施の形態に係る電子機器を示す図であ
る。
【図7】第2の実施の形態に係る薄膜半導体記憶装置を
示す図である。
【図8】メモリトランジスタの特性を示す図である。
【図9】メモリトランジスタ及び選択トランジスタの断
面図である。
【図10】図10(A)〜図10(C)は、メモリトラ
ンジスタ及び選択トランジスタの製造方法を示す図であ
る。
【図11】図11(A)〜図11(C)は、メモリトラ
ンジスタ及び選択トランジスタの製造方法を示す図であ
る。
【図12】第3の実施の形態に係るICカードを概略的
に示す平面図である。
【図13】ICカードの製造方法の第1の工程を示す図
である。
【図14】図14(A)及び図14(B)は、ICカー
ドの製造方法の第2,第3の工程を示す図である。
【図15】ICカードの製造方法の第4の工程を示す図
である。
【図16】ICカードの製造方法の第5の工程を示す図
である。
【図17】ICカードの製造方法の第6の工程を示す図
である。
【図18】基板のレーザー光の波長に対する透過率の変
化を示す図である。
【図19】しきい値電圧の変化が何に依存するかについ
ての研究結果を示す図である。
【図20】しきい値電圧の変化が何に依存するかについ
ての研究結果を示す図である。
【図21】しきい値電圧の変化が何に依存するかについ
ての研究結果を示す図である。
【符号の説明】
10 ROM(薄膜半導体記憶装置) 12 メモリトランジスタ 14 ワード線 16 ビット線 20 周辺回路 22 薄膜トランジスタ 26 ゲート電極 28 チャネル領域 30 ソース領域 32 ドレイン領域 36 ソース電極 38 ドレイン領域 M1 、M2 、M3 、M4 メモリセル

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MOS形のメモリトランジスタを含む複
    数のメモリセルと、各メモリセルに接続されるワード線
    及びビット線と、を有し、 前記メモリトランジスタは、非単結晶の半導体薄膜に形
    成されたチャネル領域、ソース領域及びドレイン領域
    と、前記チャネル領域の上に絶縁膜を介して形成された
    ゲート電極と、前記ソース領域に接続されるソース電極
    と、前記ドレイン領域に接続されるドレイン電極と、を
    有し、 前記ワード線は前記ゲート電極に接続され、前記ビット
    線は、前記ソース電極及びドレイン電極のいずれか一方
    に接続され、 選択されるメモリセルには、前記ワード線から、書込み
    電圧又は読出し電圧が印加され、 非選択のメモリセルには、前記ワード線から、非書込み
    電圧又は非読出し電圧が印加され、 前記チャネル領域のチャネル長及びチャネル幅は、前記
    書込み電圧が前記ゲート電極に印加されてドレイン電流
    が流れたときに発生する熱によって、しきい値電圧が第
    1の電圧から第2の電圧に変化するように設定され、 前記読出し電圧は、前記しきい値電圧が前記第1の電圧
    のときに前記メモリトランジスタがON、OFFのいず
    れか一方となり、前記しきい値電圧が前記第2の電圧の
    ときに前記メモリトランジスタがON、OFFのいずれ
    か他方となる電圧に設定される薄膜半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜半導体記憶装置にお
    いて、 前記メモリセルは、One Time PROM セル
    である薄膜半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の薄膜半導体
    記憶装置において、 前記メモリトランジスタは、多結晶シリコンからなる薄
    膜トランジスタである薄膜半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の薄膜半導体記憶装置にお
    いて、 前記薄膜トランジスタは、低温プロセスで形成される薄
    膜半導体記憶装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の薄膜半導体記憶装置にお
    いて、 各メモリセルの一部になるとともに、選択される前記メ
    モリトランジスタと前記ビット線とを導通させ、非選択
    の前記メモリトランジスタと前記ビット線との導通を遮
    断する選択トランジスタを有し、 前記メモリトランジスタは、Nチャネル形であり、か
    つ、前記チャネル領域と前記ゲート電極との間の前記絶
    縁層に、プラスイオンからなる可動イオンが注入され、 前記しきい値電圧の変化は、前記第1の電圧より前記第
    2の電圧が低いデプレッション形の方向への変化であ
    り、 前記読出し電圧は、前記第2の電圧以上前記第1の電圧
    未満である薄膜半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の薄膜半導体記憶装置にお
    いて、 前記可動イオンは、Na+ 、K+ 及びH+ のうちのいず
    れかである薄膜半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6記載の薄膜半導体
    記憶装置において、 前記可動イオンを含み、スパッタリングによって形成さ
    れる膜が、前記絶縁層の上に形成される薄膜半導体記憶
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項5から請求項7のいずれかに記載
    の薄膜半導体記憶装置において、 前記第2の電圧≦GND電位<前記第1の電圧 となり、 前記読出し電圧は、GND電位である薄膜半導体記憶装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項5から請求項8のいずれかに記載
    の薄膜半導体記憶装置において、 前記選択トランジスタはMOS形であって、前記書込み
    電圧と同電圧によってONになり、GND電位によって
    OFFとなり、かつ、該選択トランジスタのチャネル長
    及びチャネル幅は、前記書込み電圧の印加では、しきい
    値電圧の変化が生じないように設定される薄膜半導体記
    憶装置。
  10. 【請求項10】 薄膜半導体記憶装置の書込み読出し方
    法であって、 前記薄膜半導体装置は、MOS形のメモリトランジスタ
    を含む複数のメモリセルと、各メモリセルに接続される
    ワード線及びビット線と、を有し、 前記メモリトランジスタは、非単結晶の半導体薄膜に形
    成されたチャネル領域、ソース領域及びドレイン領域
    と、前記チャネル領域の上に絶縁膜を介して形成された
    ゲート電極と、前記ソース領域に接続されるソース電極
    と、前記ドレイン領域に接続されるドレイン電極と、を
    有し、 前記ワード線は前記ゲート電極に接続され、前記ビット
    線は、前記ソース電極及びドレイン電極のいずれか一方
    に接続され、 選択されるメモリセルに前記ワード線から書込み電圧を
    印加し、非選択のメモリセルに前記ワード線から非書込
    み電圧を印加することで書込みを行い、 選択されたメモリセルに前記ワード線から読出し電圧を
    印加し、非選択のメモリセルに前記ワード線から非読出
    し電圧を印加することで読出しを行い、 前記書込み電圧は、前記ゲート電極に印加されてドレイ
    ン電流が流れたときに、しきい値電圧が第1の電圧から
    第2の電圧に変化する電圧に設定され、 前記読出し電圧は、前記しきい値電圧が前記第1の電圧
    のときに前記メモリトランジスタがON、OFFのいず
    れか一方となり、前記しきい値電圧が前記第2の電圧の
    ときに前記メモリトランジスタがON、OFFのいずれ
    か他方となる電圧に設定される薄膜半導体記憶装置の書
    込み読出し方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の薄膜半導体記憶装置
    の書込み読出し方法において、 前記メモリトランジスタは、Nチャネル形であり、 前記しきい値電圧の変化は、前記第1の電圧より前記第
    2の電圧が高くなるエンハンスメント形の方向への変化
    であり、 前記読出し電圧は、前記第1の電圧以上前記第2の電圧
    未満であり、 前記非書込み電圧及び前記非読出し電圧は、前記しきい
    値電圧の変化にかかわらず、前記メモリトランジスタを
    OFFにする電圧である薄膜半導体記憶装置の書込み読
    出し方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の薄膜半導体記憶装置
    の書込み読出し方法において、 前記第1及び第2の電圧は、いずれもGND電位より高
    く、 前記非書込み電圧及び前記非読出し電圧は、GND電位
    である薄膜半導体記憶装置の書込み読出し方法。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の薄膜半導体記憶装置
    の書込み読出し方法において、 各メモリセルの一部になるとともに、選択される前記メ
    モリトランジスタと前記ビット線とを導通させ、非選択
    の前記メモリトランジスタと前記ビット線との導通を遮
    断する選択トランジスタを有し、 前記メモリトランジスタは、Nチャネル形であり、か
    つ、前記チャネル領域と前記ゲート電極との間の前記絶
    縁層に、プラスイオンからなる可動イオンが注入され、 前記しきい値電圧の変化は、前記第1の電圧より前記第
    2の電圧が低いデプレッション形の方向への変化であ
    り、 前記読出し電圧は、前記第2の電圧以上前記第1の電圧
    未満である薄膜半導体記憶装置の書込み読出し方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の薄膜半導体記憶装置
    の書込み読出し方法において、 前記第2の電圧≦GND電位<前記第1の電圧 となり、 前記読出し電圧は、GND電位である薄膜半導体記憶装
    置の書込み読出し方法。
  15. 【請求項15】 請求項13又は請求項14記載の薄膜
    半導体記憶装置の書込み読出し方法において、 前記選択トランジスタはMOS形であって、前記書込み
    電圧と同電圧によってONになり、GND電位によって
    OFFとなり、かつ、該選択トランジスタのチャネル長
    及びチャネル幅は、前記書込み電圧の印加では、しきい
    値電圧の変化が生じないように設定される薄膜半導体記
    憶装置の書込み読出し方法。
  16. 【請求項16】 基板上に分離層を形成する工程と、 前記分離層上に、薄膜半導体記憶回路と露出する電極部
    とを含む被転写層を形成する工程と、 転写体に配線パターンを形成する工程と、 前記配線パターンと前記電極部とが導通する位置関係
    で、前記被転写層を前記転写体に接合する工程と、 前記分離層を境にして、前記基板を前記被転写層より除
    去する工程と、 を有し、 前記薄膜半導体記憶回路は、MOS形のメモリトランジ
    スタを含む複数のメモリセルと、各メモリセルに接続さ
    れるワード線及びビット線と、を有し、 前記メモリトランジスタは、非単結晶の半導体薄膜に形
    成されたチャネル領域、ソース領域及びドレイン領域
    と、前記チャネル領域の上に絶縁膜を介して形成された
    ゲート電極と、前記ソース領域に接続されるソース電極
    と、前記ドレイン領域に接続されるドレイン電極と、を
    有し、 前記ワード線は前記ゲート電極に接続され、前記ビット
    線は、前記ソース電極及びドレイン電極のいずれか一方
    に接続され、 前記チャネル領域のチャネル長及びチャネル幅は、前記
    書込み電圧が前記ゲート電極に印加されてドレイン電流
    が流れたときに、しきい値電圧が第1の電圧から第2の
    電圧に変化するように設定される薄膜半導体記憶装置の
    製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の薄膜半導体記憶装置
    の製造方法を含み、前記転写体はカード基板であるIC
    カードの製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の方法により製造され
    たICカード。
  19. 【請求項19】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載された薄膜半導体記憶装置を有する電子機器。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の電子機器において、 薄膜トランジスタを含む周辺回路を有し、 前記メモリトランジスタは、前記薄膜トランジスタより
    もチャネル長が短い電子機器。
  21. 【請求項21】 請求項19記載の電子機器において、 薄膜トランジスタを含む周辺回路を有し、 前記メモリトランジスタは、前記薄膜トランジスタより
    もチャネル長及びチャネル幅が微細なデザインルールで
    形成されている電子機器。
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