JPH119743A - ゴルフクラブ - Google Patents

ゴルフクラブ

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JPH119743A
JPH119743A JP9170291A JP17029197A JPH119743A JP H119743 A JPH119743 A JP H119743A JP 9170291 A JP9170291 A JP 9170291A JP 17029197 A JP17029197 A JP 17029197A JP H119743 A JPH119743 A JP H119743A
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Harunobu Kusumoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外観品質に優れ、しかも重量化することのない
ゴルフクラブを提供することを目的とする。 【解決手段】本発明のゴルフクラブは、特定方向に引揃
えた強化繊維に合成樹脂を含浸させてなるプリプレグシ
ート5,7を巻回した本体層と、この本体層となるプリ
プレグシート5,7に連続して巻回され、模様を有する
シート部材10によって構成された模様層とを備えたシ
ャフトを備えている。そして、シャフトの模様層を形成
するシート部材10の重合端部に、樹脂含浸量が40w
t%以上の繊維強化プリプレグ12を配したことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴルフクラブに関
し、特に、シャフト部分に設けられる装飾層(模様層)
の外観を向上させたゴルフクラブに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ゴルフクラブにおけるシャフ
トは、強化繊維に合成樹脂を含浸したいわゆるプリプレ
グシートを芯金に対して巻回し、これを加熱することに
よって前記合成樹脂を硬化せしめ、その後、前記芯金を
脱芯することで成形されている。そして、このような作
成工程によって得られるシャフトは、近年、その装飾性
が重要視されており、例えば、光輝性のあるチタン等の
金属フィルムや織布状の模様プリプレグシートを、シャ
フトの本体層を構成する前記プリプレグシートと共に巻
回することでシャフトの外観性を向上させることが行わ
れている。すなわち、上記したような金属フィルムや模
様プリプレグシートによる金属模様等は、シャフトの本
体層を構成するプリプレグシートの表層側に一体的に巻
回し、これを加熱焼成した後、外観として現れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本体層
を構成するプリプレグシートと共に、金属フィルムや模
様プリプレグシートを巻回した場合、巻回前の元の状態
に戻ろうとする力が作用するため、巻回した状態時にお
ける締め付け状態が緩くなり、加熱工程時においてその
部分に空気が巻き込まれやすくなる。そして、このよう
に装飾層の部分、もしくはその近傍に空気が入り込む
と、これが気泡となって白化現象が生じる場合があり、
成形後の外観が濁った状態となって外観品質が劣る欠点
がある。
【0004】ところで、このような白化現象は、気泡の
内在を防止すれば防ぐことが可能であるため、上記プリ
プレグシートの合成樹脂含浸量を多くすれば良いが、樹
脂含浸量が多くなれば、成形されたシャフトの重量が、
その分重くなったり、比弾性が低下するという問題が生
じる。本発明は、外観品質に優れ、しかも重量化するこ
とのないゴルフクラブを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のゴルフクラブ
は、特定方向に引揃えた強化繊維に合成樹脂を含浸させ
てなるプリプレグシートを巻回した本体層と、この本体
層となるプリプレグシートに連続して巻回され、模様を
有するシート部材によって構成された模様層とを備えた
シャフトを備えており、前記シート部材の重合端部に、
樹脂含浸量が40wt%以上の繊維強化プリプレグを配
したことを特徴としている。
【0006】また、本発明のゴルフクラブは、特定方向
に引揃えた強化繊維に合成樹脂を含浸させてなるプリプ
レグシートを巻回することによって構成され、外観模様
を備えた外側層が形成されたシャフトを備えており、前
記シャフトの外側層における円周方向の重合端部を、部
分的に他の周面部分よりも樹脂含浸量を高くしたことを
特徴としている。
【0007】シャフトの外側に模様層を形成する場合、
通常、白化現象が生じるのは、模様を有するシート部材
を巻回した際の巻回端部の重合領域である。このため、
そのような重合領域に、樹脂含浸量が高い繊維強化プリ
プレグを配したり、あるいは他の部分よりも樹脂含浸量
を高くしておけば、加熱工程時において、空気を巻き込
みやすい部分に樹脂が入り込み、気泡が除去される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して具体的に説明する。図1は、ゴルフク
ラブのシャフトを形成するにあたり、芯金1に対して巻
回されるプリプレグシートの一配置構成例を示す図であ
る。
【0009】上記芯金1に対しては、先端領域において
補強層となるプリプレグシート3が巻回され、順にシャ
フト全体を形成する本体層となるプリプレグシート5,
7および、先端領域において補強層となるプリプレグシ
ート9が巻回される。また、前記本体層及び/又は補強
層上には、外観認識できる模様が形成された複合プリプ
レグシート10が巻回される。なお、複合プリプレグシ
ート10には、後述するように、その端部に、樹脂含浸
量が高い繊維強化プリプレグ12が取着されている。
【0010】上記した各プリプレグシートは、炭素繊
維、ガラス繊維、アラミド繊維等を一方向に引揃えてエ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性
合成樹脂を含浸させたものであり、以下のような構成と
なっている。
【0011】先端領域において補強層となるプリプレグ
シート3は、弾性率24tonf/mm2 の炭素繊維を
軸方向に引揃えたものであり、樹脂含浸量が30wt
%、繊維の目付け量が150g/m2 、厚さが0.13
7mmで構成されており、軸方向両端において芯金1に対
して各3プライされる大きさに裁断されている。あるい
は、別の一変形例として、この先端領域における補強層
は、弾性率24tonf/mm2 の炭素繊維を軸方向に
引揃え、樹脂含浸量を35wt%、繊維の目付け量を1
25g/m2 としたプリプレグシートを芯金1に対して
各3プライされる大きさに裁断すると共に、繊維の目付
け量を30g/m2 としたガラスクロスを別途裏打ちし
て、総厚さが0.16mm程度となるように構成しても良
い。
【0012】シャフトを構成する本体層は、軸方向に対
して斜向した方向に炭素繊維を引揃えることで構成され
たプリプレグシート5によるバイアス層および軸方向に
炭素繊維を引揃えることで構成されたプリプレグシート
7によるストレート層を備えている。
【0013】上記プリプレグシート5は、弾性率40t
onf/mm2 の炭素繊維を軸方向に対して斜向して引
揃えたプリプレグシート5a,5bを、各炭素繊維の引
揃方向がクロスするように(好ましくは軸方向に対して
±45°となるように)重ね合わせて構成され、各プリ
プレグシート5a,5bは、樹脂含浸量が25wt%、
繊維の目付け量が116g/m2 、厚さが0.096mm
で、重ね合わせた状態で厚さが0.192mmとなるよう
に構成されている。そして、各プリプレグシート5a,
5bは、軸方向両端において芯金1に対して、夫々3プ
ライ(重ね合わせ状態で6プライ)される大きさに裁断
されている。なお、各プリプレグシート5a,5bは、
図に示すように、周方向にずれるように重合しておくこ
とが好ましい。すなわち、各プリプレグシート5a,5
bの巻回初期位置を予めずらすことで、巻回端部での偏
肉を防止し、強度の低下を防止することができる。
【0014】上記プリプレグシート5上に巻回されるプ
リプレグシート7は、弾性率30tonf/mm2 の炭
素繊維を軸方向に引揃えたものであり、樹脂含浸量が3
0wt%、繊維の目付け量が150g/m2 、厚さが
0.137mmで構成されており、軸方向両端において芯
金1に対して各3プライされる大きさに裁断されてい
る。
【0015】また、上記のようにプリプレグシート5,
7によって形成される本体層上には、先端領域において
補強層となるプリプレグシート9が巻回される。このプ
リプレグシート9は補強と共に外径調整用に用いられる
ものであり、弾性率24tonf/mm2 の炭素繊維を
軸方向に引揃え、樹脂含浸量が30wt%、繊維の目付
け量が125g/m2 、厚さが0.114mmで構成され
ており、軸方向先端で5プライ、先端領域基端部でその
プライ数が0となるように裁断されている。
【0016】上記のように構成された各プリプレグシー
トは、芯金1に対して、1枚づつ個別に巻回しても良い
し、あるいは各シート同士をあらかじめ張り付けてお
き、これを一体として巻回しても良い。例えば、プリプ
レグシート3は、プリプレグシート5にあらかじめ張り
付けておいても良いし、プリプレグシート5は、プリプ
レグシート7にあらかじめ張り付けておいても良い。ま
た、上記プリプレグシート5は、炭素繊維の引揃方向が
異なるプリプレグシート5a,5bをあらかじめ張り付
けて構成したものであるが、あらかじめ張り合わせてお
かずに、個別に芯金1に巻回しても良い。
【0017】そして、上記したように構成された本体層
上には、外観認識できる模様が形成された複合プリプレ
グシート(以下、複合シートと称する)10が巻回され
る。この複合シート10の大きさ、並びに巻回される位
置は任意であり、本体層上すべてを覆うように巻回され
る場合もあれば、図1に示すように部分的(略中間部)
に巻回される場合もあり、それは、外観デザインによっ
て適宜変形される。
【0018】ここで複合シート10の一構成例を図2を
参照して説明する。複合シート10は、下地となる本体
層の外観を隠蔽する不透明層10aと、例えば金属感や
光輝性を示す装飾層10bと、装飾層10bの外観を表
すことができる透明層10cとから主に構成されてい
る。
【0019】不透明層10aは、成形後(巻回後に熱処
理を施してプリプレグの合成樹脂を硬化させた後)に、
下地となる本体層の外観を隠蔽するものであれば良く、
例えば、カーボン繊維、SiC繊維、ボロン繊維、アラ
ミド繊維、金属被覆カーボン繊維等の繊維を特定方向に
ほぼ隙間無く引き揃え、これにエポキシ樹脂等の熱硬化
性合成樹脂を含浸させてなるプリプレグ;前記繊維を織
り込み、これにエポキシ樹脂等の熱硬化性合成樹脂を含
浸させてなるもの;不透明フィルム等の軟質材等を用い
ることができる。なお、合成樹脂を含浸させる場合に
は、各層間の密着性や形態安定性を考慮すると、樹脂含
浸率を30〜60wt%に設定することが好ましい。
【0020】不透明層10aの厚さは、複合シートが重
なりしろを持って巻回されるため(具体的には1.1プ
ライ程度)、重なり部の剛性が高くなり過ぎることを防
止し、重なり部における段差が大きくなることを防止す
るために、1〜100μm、特に10〜70μm、さら
に10〜40μmであることが好ましい。
【0021】装飾層10bは、金属感や光輝性を発揮さ
せる場合、金属箔、多孔金属箔(エキスパンドメタ
ル)、金属被覆等の表面処理を施した樹脂フィルム等を
用いることができる。前記金属箔や多孔金属箔、表面処
理する金属の材料としては、Au、Ag、Pt、Al、
Ti、SUS(ステンレス鋼)、黄銅等を挙げることが
できる。また、樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、
ポリアミド等の熱可塑性合成樹脂フィルム等を挙げるこ
とができる。あるいは、樹脂フィルムの代わりに紙材を
用いても良い。特に、多孔金属箔としては、箔状、フィ
ルム状の金属に複数の孔を形成してなるものや、極細の
金属繊維を編んでなるもの等を挙げることができる。
【0022】装飾層10bの厚さは、重なり部における
段差等を考慮すると、1〜100μm、特に5〜60μ
mであることが好ましい。透明層10cは、成形後(巻
回後に熱処理を施してプリプレグの合成樹脂を硬化させ
た後)に透明または半透明となる、すなわち装飾層の外
観を表すことができるものであれば良い。この透明層1
0cとしては、ガラス繊維、アルミナ繊維等の繊維を特
定方向にほぼ隙間無く引き揃え、これにエポキシ樹脂等
の透明合成樹脂を含浸させてなるプリプレグ;前記繊維
を織り込み、これにエポキシ樹脂等の透明合成樹脂を含
浸させてなるもの;透明フィルム等の軟質材等を用いる
ことができる。なお、プリプレグを用いる場合、透明合
成樹脂の含浸率は、装飾層の端部の保護を考慮すると、
30〜60wt%(体積比で50%以上)に設定するこ
とが好ましい。
【0023】透明層10cの厚さは、複合シートが重な
りしろを持って巻回されるため、重なり部の剛性が高く
なり過ぎることを防止し、重なり部における段差が大き
くなることを防止するため、および装飾層を保護するた
めに、70〜180μm、特に100〜160μmであ
ることが好ましい。
【0024】上述した構成を有する複合シートは、基本
的には三層構造であるが、装飾層が多孔金属箔等である
場合には、成形の際に不透明層10aや透明層10cの
合成樹脂が多孔金属箔の孔部に流入して不透明層10a
および/または透明層10cに埋め込まれた状態、すな
わち明確な三層構造を採らないことがある。このよう
に、不透明層10aおよび/または透明層10cに装飾
層10bが埋め込まれた状態であると、深みのある装飾
を表すことができる。また、あらかじめ各層を貼着する
こと等によって、三層構造を一体化すれば、複合シート
を巻回した際に端部がずれたりすることがなくなる。
【0025】また、透明層10cが外側に配置されて装
飾層10bの外観が現れるので、色彩等の変化を自由に
表すことができる。例えば、鮮やかな色と暗い色とを装
飾層に用いて(明度差を変えて)色を対比させて装飾性
を向上させることができる。また、複合シートは、不透
明層10a、装飾層10b、および透明層10cをそれ
ぞれ別々に本体層上に巻装しても良く、不透明層10a
および装飾層10bと、透明層10cとの組み合わせ、
または不透明層10aと、装飾層10bおよび透明層1
0cとの組み合わせで本体層上に巻装しても良い。ある
いは、製造工程における加熱工程後に、表面研磨をし、
クリア塗装を施す場合は、上記複合シートの透明層10
cは設けなくても良い。
【0026】上記したような構成を有する複合シート1
0の端部には、樹脂含浸量が高い繊維強化プリプレグ1
2が取着されている。繊維強化プリプレグ12は、複合
シート10の巻回端部において気泡等を排除できるよう
に、軸方向では、複合シート10の端部すべてを覆うよ
うな長さを有し、軸方向と直交する重合される幅方向で
は、端部を確実に覆えるように、3〜20mm程度の長さ
を有していれば良い。ただし、繊維強化プリプレグ12
は、そのような重合部となる位置の近傍に配設しても、
気泡の発生を効果的に抑制することが可能である。そし
て、繊維強化プリプレグ12の樹脂含浸量は、加熱工程
時において、層間に空気を巻き込まない程度、具体的に
は40wt%以上とすることが好ましい。
【0027】また、繊維強化プリプレグ12は、強化繊
維を一方向に引揃たシート、あるいは織布等によって構
成することができるが、取扱い性、および、どの方向に
も丈夫な点から、織布によって構成することが好まし
い。そして、その肉厚は、偏肉防止、比剛性の低下防止
により、外側層となるプリプレグシート7の肉厚よりも
薄いものが好ましい。また、強化繊維としては、ガラス
繊維の他、有機繊維や有機アモルファス繊維(例PE
I)を用いても良い。さらに、繊維強化プリプレグ12
は、外側に巻回できるように、透明又は透明状になる材
料によって構成することが好ましい。
【0028】さらに、繊維強化プリプレグ12の取着位
置は、複合シート10の巻回先端部でも良いし、巻回後
端部であっても良い。図1には、繊維強化プリプレグ1
2を、複合シート10の巻回先端部に取着した構成例が
示されており、後述する図4には、繊維強化プリプレグ
12を、複合シート10の巻回後端部に取着した構成例
が示されている。
【0029】次に、図3を参照して、上述した各プリプ
レグシートを芯金1に対して順に巻回し、テープによっ
て位置を安定させた後、常法、すなわち、加熱工程、冷
却工程、脱芯、研磨、塗装等の工程を経て成形されたシ
ャフト15の構成について説明する。なお、この図にお
いて、(a)はシャフトの略中間部における断面を示す
図であり、(b)は(a)に示されたシャフトの断面を
拡大し、巻回された各プリプレグシートの積層構造を示
す図である。
【0030】上述した構成のプリプレグシートによれ
ば、内層側は、炭素繊維を軸方向に対して斜向して引揃
えたプリプレグシート5a,5bが、夫々3プライで交
互に積層されたバイアス層となっている。そして、この
バイアス層の外側には、炭素繊維を軸方向に引揃えたプ
リプレグシート7が3プライで積層されたストレート層
が形成されている。
【0031】ストレート層であるプリプレグシート7を
巻回した後、その外周面には、繊維強化プリプレグ12
を当て付け、そして複合シート10が巻回されて行く。
図3(b)において、符号12aで示す位置が繊維強化
プリプレグ12の巻回初期位置であり、複合シート10
をそのまま巻回して行き、繊維強化プリプレグ12上に
1プライされた複合シート10が重なった状態が示され
ている。
【0032】この状態で、アイロン仮付けを行ったり、
あるいは加熱焼成すると、樹脂含浸量が多い繊維強化プ
リプレグ12の樹脂が層間部分の僅かな隙間にも入り込
み、気泡の発生を除去して、白化を防止することができ
る。特に、複合シート10の層間に空気が侵入すること
が防止されるため、層間が裂けることが防止されて外観
品質を安定して向上させることができる。また、これに
加えて、複合シート10の不透明層10cによっても、
その重合部分で生じる気泡を隠蔽することが可能であ
り、これによっても白化を防止して外観品質を向上させ
ることができる。さらに、不透明層10cにより、装飾
層の重ね合わせ部分も隠蔽されるので、シャフトの周方
向全周にわたり均一な模様を表すことができる。
【0033】そして、このように、外観を向上させるた
めに用いられる樹脂含浸量の多い繊維強化プリプレグ
は、シャフトを構成するプリプレグシートの一部のみに
用いられるだけであるため、シャフト全体が重量化した
り、比強度が低下するようなこともない。
【0034】なお、複合シート10の重なり部分の一部
を、本体層側に食い込ませるように(埋め込ませて)形
成することにより、重なり部の段差を小さくして目立た
なくさせることも可能である。このようにすることによ
り、装飾層10bが略同一円周上に配置されることにな
り、外観上装飾層が綺麗に見える。
【0035】さらに、装飾層10bをチタンメッシュと
した場合、その孔部から不透明層10aが露出するた
め、その外観は透明層10cを介してシャフトの外観と
して現れる。したがって、不透明層10aの色や模様を
適宜選択することにより、装飾性をさらに向上させるこ
ともできる。
【0036】上述した構成例では、繊維強化プリプレグ
12は、複合シート10の巻回先端部に取着したが、繊
維強化プリプレグ12を、図4に示すように複合シート
10の巻回後端部に取着しても良い。繊維強化プリプレ
グ12を、このような位置に取着した場合のシャフトの
断面構造が図5(b)に示されている。ストレート層で
あるプリプレグシート7を巻回した後、その外周面に
は、複合シート10が巻回されて行く。図5(b)にお
いて、符号10aで示す位置が複合シート10の巻回初
期位置であり、複合シート10をそのまま巻回して行
き、この複合シート10の巻回初期位置上に1プライさ
れた複合シート10が重なった状態が示されている。そ
して、重合部分の複合シート上に、繊維強化プリプレグ
12が位置している。
【0037】この状態で、アイロン仮付けを行ったり、
あるいは加熱焼成すると、樹脂含浸量が多い繊維強化プ
リプレグ12の樹脂が複合シート10の層間部分の僅か
な隙間にも入り込み、気泡を除去して、白化を防止する
ことができる。また、複合シート10の巻き終り部分で
生じやすい、いわゆる巻回前の元の状態に戻ろうとする
起き上がりを有効に抑制することができ、これにより、
複合シート10の層間に空気が侵入することが防止さ
れ、図1に示した構成と同様、複合シート10における
層間が裂けることが防止されて外観品質を安定して向上
させることができる。したがって、図4に示す構成は、
複合シート10を起き上がりが生じやすい硬い材料で構
成した場合に有効である。なお、この構成例によれば、
繊維強化プリプレグ12が最外層の一部を形成するた
め、その骨材として成形後に透明状になるガラス強化繊
維、透明状有機繊維等を用いるのが良い。もちろん、図
4に示した構成例においても、上述したような図1に示
した構成例と同様に変形することが可能である。
【0038】図6および図7は、上記したような構成の
繊維強化プリプレグ12を、最内層となる補強層3の巻
回初期位置に設けた構成例を示す図である。図6に示す
ように、シャフトの先端側は芯金1の径が細く、補強層
となるプリプレグシート3を巻回した際に、芯金1とプ
リプレグシート3や層間同士での接触面積が小さくな
る。このため、この部分では密着力が小さくなり、加熱
焼成時において僅かに動きが生じて、ねじれた状態で成
形されることがあり、シャフトの強度が低下するという
問題が生じる。
【0039】従って、このような部分での密着力の向上
が図れるように、上述したような樹脂含浸量が高い繊維
強化プリプレグ12を取着しておくことが好ましい。こ
のような構成によれば、図7(b)に示すように、最初
に強化プリプレグ12の巻回初期位置12aを芯金1の
外周面に当て付けてプリプレグシート3を巻回した場
合、強化プリプレグ12は、1層目と2層目の重合領域
に位置することとなる。従って、このような状態で強化
プリプレグ12が介在すると、実際の加熱焼成時におい
て、樹脂が接触面積の小さい層間部分で流動するため、
層間同士の密着力が向上して、層間同士の相対的な動き
が抑制される。このため、ねじれが形成されるようなこ
とがなくなり、シャフトの強度の向上が図れ、また、芯
金1との間でのすべりを防止できる。
【0040】なお、図6および図7に示す実施の形態に
おける本体層を構成するプリプレグシート5,7および
補強層を構成するプリプレグシート3,9は、図1に示
した構成と同一である。
【0041】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されることはな
く、例えば、以下に述べるように、種々変形することが
可能である。
【0042】上述した構成において、補強層を構成する
プリプレグシート3,9および本体層を構成するプリプ
レグシート5,7は、一例を示したにすぎないのであ
り、プライ数、樹脂含浸量、目付け、厚さ等の構成につ
いては、用途、要求特性等に応じて種々変更することが
できる。また、シャフトの外側層である模様層の重合端
部に、樹脂含浸量が多い強化プリプレグ12を取着した
が、このような強化プリプレグを設ける以外にも、その
ような重合端部の領域に、他の周面部よりも樹脂含浸量
が多くなるように、例えば、予め合成樹脂を塗布してお
いても良い。
【0043】
【発明の効果】上述したように、装飾層を形成する際の
最も気泡の内在しやすい位置に、合成樹脂含浸量を多く
した繊維強化プリプレグを設けたため、実際に加熱した
際に、樹脂がそのような位置に流れ込んで、気泡の発生
を防止することができる。このため、装飾層における白
化が防止され、外観に優れたゴルフクラブが得られる。
また、それ以外の部分は、樹脂含浸量を多くする必要性
がないため、シャフトの重量化を防止することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴルフクラブのシャフトを形成するにあたり、
芯金に対して巻回されるプリプレグシートの一配置構成
例を示す図。
【図2】装飾層を構成する複合シートの構成例を示す
図。
【図3】(a)は、図1に示したプリプレグシートによ
って成形されたシャフトの略中間部における断面を示す
図であり、(b)は(a)に示されたシャフトの断面を
拡大し、巻回された各プリプレグシートの積層構造を示
す図。
【図4】ゴルフクラブのシャフトを形成するにあたり、
芯金に対して巻回されるプリプレグシートの別の配置構
成例を示す図。
【図5】(a)は、図4に示したプリプレグシートによ
って成形されたシャフトの略中間部における断面を示す
図であり、(b)は(a)に示されたシャフトの断面を
拡大し、巻回された各プリプレグシートの積層構造を示
す図。
【図6】ゴルフクラブのシャフトを形成するにあたり、
芯金に対して巻回されるプリプレグシートのさらに別の
配置構成例を示す図。
【図7】(a)は、図6に示したプリプレグシートによ
って成形されたシャフトの先端領域における断面を示す
図であり、(b)は(a)に示されたシャフトの断面を
拡大し、巻回された各プリプレグシートの積層構造を示
す図。
【符号の説明】
1 芯金 3 プリプレグシート(補強層) 5,7 プリプレグシート(本体層) 9 プリプレグシート(補強層) 10 複合シート(装飾層) 12 繊維強化プリプレグ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 31:52

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定方向に引揃えた強化繊維に合成樹脂
    を含浸させてなるプリプレグシートを巻回した本体層
    と、この本体層となるプリプレグシートに連続して巻回
    され、模様を有するシート部材によって構成された模様
    層とを備えたシャフトを有するゴルフクラブにおいて、
    前記シート部材の重合端部に、樹脂含浸量が40wt%
    以上の繊維強化プリプレグを配したことを特徴とするゴ
    ルフクラブ。
  2. 【請求項2】 特定方向に引揃えた強化繊維に合成樹脂
    を含浸させてなるプリプレグシートを巻回することによ
    って構成され、外観模様を備えた外側層が形成されたシ
    ャフトを有するゴルフクラブであり、 前記シャフトの外側層における円周方向の重合端部を、
    部分的に他の周面部分よりも樹脂含浸量を高くしたこと
    を特徴とするゴルフクラブ。
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