JPH1197375A - イオン注入のシミュレーション方法 - Google Patents

イオン注入のシミュレーション方法

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JPH1197375A
JPH1197375A JP25629597A JP25629597A JPH1197375A JP H1197375 A JPH1197375 A JP H1197375A JP 25629597 A JP25629597 A JP 25629597A JP 25629597 A JP25629597 A JP 25629597A JP H1197375 A JPH1197375 A JP H1197375A
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pearson distribution
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pearson
fitting
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JP25629597A
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Takeshi Kobayashi
岳史 小林
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デュアルピアソン分布を用いたイオン注入の
シミュレーションでは、異なる注入エネルギーでのイオ
ン注入を表す分布間に整合性がない場合がある。 【解決手段】 異なる注入エネルギーでの各イオン注入
における実測データを得(S11)、実測データから算
出(S12)された初期パラメータに基づいて第1ピア
ソン分布を示すパラメータのフィッティングを行う(S
13)。フィッティングされたパラメータと注入エネル
ギーとの関係線によってパラメータを調整する(S1
4)。実測データから第1ピアソン分布に関するデータ
を差し引いて(S15)算出(S16)された第2ピア
ソン分布を示す初期パラメータに基づいて第2ピアソン
分布を示すパラメータのフィッティングを行い(S1
7)、注入エネルギーとの関係線によって第2ピアソン
分布を示すパラメータを調整する(S18)。調整され
た各パラメータのフィッティングを行う(S19)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デュアルピアソン
分布を用いて、半導体装置の製造におけるイオン注入を
シミュレーションする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造におけるイオン注入工
程には、デュアルピアソン(Dual−Pearso
n)分布等の関数を用いたシミュレーション方法が多く
適用されている。このデュアルピアソン分布は、浅い位
置にピークを持つ第1ピアソン分布と、これよりも深い
位置にピークを持つ第2ピアソン分布との組み合わせに
よって表現されている。
【0003】一般にピアソン分布は下記の数式(1)に
示す微分方程式を満足する分布関数P(x)の総称であ
り、4つの定数(a,c0 ,c1 ,c2 )を持ってい
る。 dP(x) /dx=(x−a)P(x) /(c0 +c1 x+c2 2 )…(1)
【0004】上記分布関数P(x)における各定数は、
下記数式(2)によって物理的な意味を持つパラメータ
(Rp、DRp、γ、β)と関係付けられている。 x =u−p、 a =c1 =−DRp 2(β+3)/A、 c0 =−DRp 2(4β−3γ2 )/A、 c2 =(−2β+3γ2 +6)/A、 A =10β−12γ2 −18 …(2) ただし、Rp、DRp、γ、βはそれぞれ、 Rp :平均射影飛程(分布のピーク位置)、 DRp:標準偏差(Rp近傍での分布の広がり)、 γ :歪み(分布の偏り)、 β :尖り(Rp近傍での分布形状)であることとす
る。
【0005】そして、イオン注入工程のシミュレーショ
ンに適用されるデュアルピアソン分布は、2つのピーク
を持つ注入イオンのプロファイルに対応する2つのピア
ソン分布関数f(x)、g(x)を用い下記の数式
(3)のように定義されている。 h(x)=αf(x)+(1−α)g(x)…(0≦α≦1)…(3)
【0006】上記関数を用いたイオン注入のシミュレー
ションでは、実測データに基づいてピアソン分布を示す
4つのパラメータ(Rp、DRp、γ、β)のフィッテ
ィングを行うことで実測データを高精度に再現し、シミ
ュレーション精度を向上させるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記実測デ
ータのみに基づいたイオン注入のシミュレーションで
は、正確なシミュレーションが行えない場合がある。図
16には、上記シミュレーションによって得られた結果
を示す。サンプルは、結晶方位〈100〉のシリコン基
板にヒ素(As)イオンを注入エネルギー5.0keV
〜50.0keV、ドーズ量3.0×1015個/c
2 、入射角度7°で注入したものを用いた。また、実
測データは、SIMS(secondary ion
mass spectrometry)にて実測した注
入イオンの深さに対する注入量を実測データとして用い
た。
【0008】この図に示すように、実測データに基づく
パラメータのフィッティングのみを行う上記シミュレー
ションでは、注入エネルギー30keVのプロファイル
と、注入エネルギー50keVのプロファイルとが、約
0.03μmの深さと、約0.25μmの深さとで交差
している。これは、イオン注入では起こり得ない現象で
あり、上記フィッティングによって得られたパラメータ
の注入エネルギー依存性が適切ではないことを示してい
る。したがって、上記シミュレーションでは、異なる注
入エネルギーでのイオン注入のシミュレーションにおい
て分布の整合性を得ることができず、高精度なシミュレ
ーション結果を得ることができない。
【0009】また、上記シミュレーションに適用される
デュアルピアソン分布は、2つの分布関数を合成して1
つの分布が表されるため、それぞれの分布を示す各々4
つのパラメータと、これらの分布を合成するためのパラ
メータαで示される。このため、このシミュレーション
を行うためには合計9個のパラメータのフィッティング
を行わなければならず、手間が斯かった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するために成されたデュアルピアソン分布を用い
たイオン注入のシミュレーション方法である。そして、
請求項1記載の方法では、先ず異なる注入エネルギーで
の各イオン注入における実測データから算出された初期
パラメータに基づいて、当該各イオン注入における第1
ピアソン分布を示すパラメータのフィッティングを行
う。次に、フィッティングされた第1ピアソン分布を示
すパラメータと注入エネルギーとの関係線を作成し、当
該関係線に基づいて第1ピアソン分布を示すパラメータ
を調整する。また、実測データから第1ピアソン分布に
関するデータを差し引いた残りの実測データから算出さ
れた初期パラメータに基づいて、各イオン注入における
第2ピアソン分布を示すパラメータのフィッティングを
行う。その後、フィッティングされた第2ピアソン分布
を示すパラメータと注入エネルギーとの関係線を作成
し、当該関係線に基づいて第2ピアソン分布を示すパラ
メータを調整する。以上の各工程の後、第1ピアソン分
布と前記第2ピアソン分布とが連続するように、上記の
ように調整された各パラメータのフィッティングを行
う。
【0011】上記請求項1記載の方法では、フィッティ
ングによって得られた各イオン注入のパラメータと注入
エネルギーとの関係線に基づいて上記パラメータを調整
することで、調整されたパラメータは注入エネルギーが
反映された値になる。このため、調整されたパラメータ
で示されるデュアルピアソン分布は、注入エネルギー依
存性を有する形状になる。
【0012】また、請求項2記載の方法は、実測データ
を用いて第1ピアソン分布を示すパラメータのフィッテ
ィングを行い、上記実測データから第1ピアソ分布に関
するデータを差し引いた残りの実測データを用いて第2
ピアソン分布を示すパラメータのフィッティングを行
い、その後第1ピアソン分布と第2ピアソン分布とが連
続するように各パラメータのフィッティングを行うこと
で、デュアルピアソン分布を用いたイオン注入をシミュ
レーションする方法において、上記第2ピアソン分布
は、第1ピアソン分布よりも深い位置の分布であり、当
該第2ピアソン分布を示すパラメータのフィッティング
を行う際には、当該第2ピアソン分布を対称な形状を有
する分布とみなすことを特徴としている。
【0013】上記請求項2記載の方法では、第2ピアソ
ン分布が対称な形状を有する分布と仮定して当該第2ピ
アソン分布を示すパラメータのフィッティングが行われ
るため、このフィッティングでは第2ピアソン分布を示
すパラメータのうち分布形状を示すパラメータが固定さ
れる。したがって、フィッティングを行うパラメータ数
が減らされる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、デュアルピアソン分布を
用いたイオン注入のシミュレーション方法の実施形態を
説明する。ただし、デュアルピアソン分布は、浅い位置
にピークを持つ第1ピアソン分布と、これよりも深い位
置にピークを持つ第2ピアソン分布との組み合わせによ
って表現されることとする。
【0015】(第1実施形態)図1及び図2は請求項1
のシミュレーション方法を説明するフローチャートであ
り、まず、これらの図を用いて請求項1記載のシミュレ
ーション方法の一例を説明する。このシミュレーション
方法は、異なる注入エネルギーでの各イオン注入におけ
る実測データに基づくシミュレーション方法であり、先
ず、先ず第1ステップS11においては、上記各イオン
注入における実測データを取得する。ここでは、例えば
SIMS測定によってシリコン基板中の深さ方向の不純
物濃度分布を上記実測データとして取得する。尚、サン
プルは、ヒ素(As)イオンをドーズ量3.0×1015
個/cm2 、入射角度7°で注入した結晶方位〈10
0〉のシリコン基板であり、各サンプルに対するイオン
の注入エネルギーは、5.0keV、10.0keV、
20.0keV、30.0keV、50.0keV、1
00.0keV、140.0keV、200.0keV
及び300.0keVである。
【0016】次に、第2ステップS12では、上記実測
データを用いてデュアルピアソン分布の全体の分布をピ
アソン分布関数で示すための第1初期パラメータ(Rp
,DRp ,γ,β)の算出を行う。ここでは、この
実測データをp(x)という関数とみなして以下の数式
(4)に従って、各イオン注入に関して第1初期パラメ
ータを算出する。
【0017】
【数1】
【0018】次いで、第3ステップS13では、各イオ
ン注入に関して、算出した第1初期パラメータに基づく
全体の分布のうち、第1ピアソン分布を示すパラメータ
のフィッティングを行う。尚、第1ピアソン分布のフィ
ッティングに際しては、第1初期パラメータにより描い
たピアソン分布関数で示す分布のうちの所定の深さ範囲
をフィッティング範囲として、この範囲で実測データと
合うようパラメータのフィッティングを行う。
【0019】続いて、第4ステップS14では、第3ス
テップS13でフィッティングされた第1ピアソン分布
を示すパラメータと、各イオン注入における注入エネル
ギーとの関係線を作成し、この関係線に基づいて各イオ
ン注入に関して第1ピアソン分布を示すパラメータを調
整する。ここでは、図2に示した各ステップS14a〜
S14eに従って、以下のようにしてパラメータの調整
を行う。
【0020】先ず、ステップS14aでは、最小自乗法
を用いて、上記第3ステップ(S13)でフィッングを
行ったパラメータのうち線型のエネルギー依存性を持つ
ことが期待されるRp及びDRpに関して、注入エネル
ギーとの関係線を作成する。図3にはRpの関係線を示
し、図4にはDRpの関係性を示す。そして、これらの
関係線に基づいて、各イオン注入において注入エネルギ
ーに対応するRp,DRpを新たに得る。
【0021】次に、ステップS14bでは、新たに得ら
れたパラメータRp,DRp及び上記第3ステップ(S
13)でのフィッティングで得られたパラメータγ,β
を用いて、再度第1ピアソン分布を示すパラメータγの
フィッティングを行う。
【0022】その後、ステップS14cでは、ステップ
S14bでフィッティングを行ったパラメータγに関し
て、最小自乗法を用いて注入エネルギーとの関係線を作
成する。図5には、作成されたγの関係線を示す。そし
て、この関係線に基づいて、各イオン注入において注入
エネルギーに対応するγを新たに得る。
【0023】次に、ステップS14dでは、新たに得ら
れたパラメータRp,DRp,γ及び上記第3ステップ
(S13)でのフィッティングで得られたパラメータβ
を用いて、第1ピアソン分布を示すパラメータβのフィ
ッティングを行う。
【0024】その後、ステップS14eでは、ステップ
S14dでフィッティングを行ったパラメータβに関し
て、最小自乗法を用いて注入エネルギーとの関係線を作
成する。図6には、作成されたβの関係線を示す。そし
て、この関係線に基づいて、各イオン注入において注入
エネルギーに対応するβを新たに得る。
【0025】以上のようにして第1ピアソン分布を示す
各パラメータRp,DRp,γ及びβを新たに得ること
によって、当該各パラメータRp,DRp,γ及びβの
調整を行う。
【0026】その後、図1に示した第5ステップS15
では、実測データから第1ピアソン分布を示すデータを
差し引く処理を行う。これによって全体の分布のうちの
第2ピアソン分布を示す実測データを得る。
【0027】そして、第6ステップS16においては、
上記第2ピアソン分布を示す実測データに基づいて、上
記第2ステップS12と同様に、第2初期パラメータを
算出する。
【0028】その後、第7ステップS17では、第2ピ
アソン分布に関して、第3ステップS13と同様にし
て、第2ピアソン分布を示すパラメータRp,DRp,
γ及びβのフィッティングを行う。
【0029】次に、第8ステップS18では、上記第4
ステップS14の説明で用いた図2に示した各ステップ
S14a〜S14eと同様の手順のステップS18a〜
S18eに従って、第2ピアソン分布を示す各パラメー
タRp,DRp,γ及びβの調整を行う。図7〜図10
には、第7ステップS17でフィッティングされた第2
ピアソン分布を示すパラメータと、各イオン注入におけ
る注入エネルギーとの関係線を示す。ここでは、これら
の関係線に基づいて、上記第4ステップS14と同様に
第2ピアソン分布を示すパラメータを調整する。
【0030】その後、第9ステップS19では、第1ピ
アソン分布と第2ピアソン分布とが連続するように、調
整された第1ピアソン分布のパラメータと第2ピアソン
分布のパラメータとを第3初期パラメータとして用いて
フィッティングを行う。
【0031】この場合2つのピアソン分布の比αを下記
の数式(5)により求める。 α=1−(dose2/dose1)…(5) そして、上記第1ピアソン分布と第2ピアソン分布との
比αと、上記第3ステップS23でフィッティングされ
た第1ピアソン分布のパラメータと、上記第6ステップ
S26でフィッティングされた第2ピアソン分布のパラ
メータとを第3初期パラメータにする。そして、この第
3初期パラメータに基づいて、第1ピアソン分布と第2
ピアソン分布とが連続するように、調整された第1ピア
ソン分布のパラメータと第2ピアソン分布のパラメータ
とのフィッティングを行う。
【0032】図11には、上記のようにしてフィッティ
ングされたパラメータで示される各イオン注入のデュア
ルピアソン分布を示す。この図に示すように、注入エネ
ルギーの異なる各イオン注入のプロファイルは、比較的
浅い位置で1度だけ交差している。
【0033】上記第1実施形態の方法では、イオン注入
におけるシミュレーションにおいて、フィッティングに
よって得られた各イオン注入のパラメータと注入エネル
ギーとの関係線に基づいて上記パラメータを調整する工
程を行うことで、調整されたパラメータは注入エネルギ
ーが反映された値になる。このため、調整されたパラメ
ータで示されるデュアルピアソン分布は、注入エネルギ
ー依存性を有する形状になる。したがって、異なる注入
エネルギーでの上記各イオン注入のシミュレーションに
おいて、分布間の整合性を満たしたパラメータを得るこ
とができ、物理現象に則した精度の高いシミュレーショ
ン結果を得ることができる。
【0034】尚、上記実施形態では、最小自乗法を用い
て各パラメータを調整するための関係線を作成した。し
かし、上記で得られたパラメータで示される各デュアル
ピアソン分布の注入エネルギーに対する依存性が適切で
なく、分布間の整合性が得られない場合(例えば、2つ
の分布が異なる深さで2度以上交差している場合)に
は、関係線を再度作成し直して各パラメータの調整を行
い、注入エネルギーに対して適切な依存性を有する分布
が得られるようにする。
【0035】(第2実施形態)次に、図12は、請求項
2のシミュレーション方法を説明するフローチャートで
あり、以下にこの図を用いて請求項2記載のシミュレー
ション方法の一例を第2実施形態として説明する。
【0036】このシミュレーション方法は、実測データ
に基づくイオン注入のシミュレーション方法であり、先
ず第1ステップS21では、イオン注入における実測デ
ータを取得する。ここでは、図13(Measured
Data)に示すように、例えばSIMS測定によっ
てシリコン基板中の深さ方向の不純物濃度分布を上記実
測データとして取得する。尚、サンプルには、ヒ素(A
s)イオンを注入エネルギー20keVで、ドーズ量1
14個/cm2 、入射角度7°で注入した結晶方位〈1
00〉のシリコン基板を用いた。
【0037】次いで、第2ステップS22では、この実
測データをp(x)という関数とみなして上記第1実施
形態で示した数式(4)に従って、第1初期パラメータ
を算出する。
【0038】次に、第3ステップS23では、第1ピア
ソン分布を示すパラメータ(Rp,DRp,γ,β)の
フィッティングを行う。尚、ここでのフィッティングに
際しては、第1初期パラメータにより描いたピアソン分
布関数で示す分布のうちの所定の深さ範囲をフィッティ
ング範囲として、この範囲で実測データと合うようパラ
メータのフィッティングを行う。図13(1st.Pe
arson Fittied)には、このフィッティン
グで得られた第1ピアソン分布を示す。
【0039】次に、第4ステップS24では、実測デー
タから上記で得た第1ピアソン分布を示すデータを差し
引き、残りの実測データを第2ピアソン分布を示す実測
データとして得る。図13及び図14(2nd.Pea
rson Extracted)には、第2ピアソン分
布を示す実測データを示す。
【0040】次に、第5ステップS25では、この第2
ピアソン分布を示す実測データに基づいて、第1実施形
態で示した数式(4)を用いて第2ピアソン分布関数の
初期パラメータ(第2初期パラメータ)を算出する。
【0041】続いて、第6ステップS26では、上記第
2初期パラメータを用いて第2ピアソン分布におけるパ
ラメータのフィッティングを行う。ここでは、第2ピア
ソン分布が左右対称なピーク形状を持つと仮定してフィ
ッティングを行う。このため、フィッティングを行うパ
ラメータのうち、歪み(分布の偏り)を示すパラメータ
γは0に固定される。また、分布の広がりも、平均射影
飛程(分布のピーク位置:Rp)近傍での分布の広がり
(DRp)で決定されるため、尖り(Rp近傍での分布
形状)を示すパラメータβの値も準固定される。
【0042】この結果、第2ピアソン分布を示す各パラ
メータは、例えば以下のような値にフィッティングされ
る。 Rp = 3.100×10-2μm DRp= 0.900×10-2μm γ = 0.0 β =10.0 図14(Symmetry Fitting)には、こ
のフィッティングで得られた第2ピアソン分布を示す。
【0043】次に、第7ステップS27では、上記第1
ピアソン分布と第2ピアソン分布とが連続するように、
これらの分布を示すパラメータのフィッティングを行
う。ここでは、上記第1実施形態の第9ステップ(S1
9)と同様にフィッティングを行う。ただし、パラメー
タγ,βは、固定された値とする。
【0044】上記フィッティングの結果は以下のように
なる。 <第1ピアソン分布> Rp = 1.758×10-2μm DRp= 9.546×10-3μm γ =−0.222 β =11.98 <第2ピアソン分布> Rp = 3.098×10-2μm DRp= 1.479×10-2μm γ = 0.0 β =10.000 <分布の割合> α =0.942
【0045】以上のようにして、実測データに対してデ
ュアルピアソン分布のパラメータがフィッティングされ
る。図15(Dual−Pearson with S
ymmetry 2nd.)に、このフィッティングで
得られたデュアルピアソン分布(すなわち、シミュレー
ションによって得られたイオン注入プロファイル)を示
す。
【0046】上記第2実施形態のシミュレーションで
は、第2ピアソン分布が対称な形状を有する分布と仮定
してシミュレーションが行われるため、第2ピアソン分
布を示すパラメータのうち分布形状を示すパラメータ
(γ,β)が固定される。したがって、フィッティング
を行うパラメータ数を減らし、容易にシミュレーション
が行われるようになる。
【0047】以下に、第2実施形態のシミュレーション
方法に対する比較として、上記第6ステップS6で、第
2ピアソン分布が非対称なピーク形状を持つとしてフィ
ッティングを行った結果を説明する。この場合、第2ピ
アソン分布は大きく左(浅い方向)に傾いた形状にな
り、かつ分布のテール部分を確保するためにピーク付近
を大きく絞り込む必要がある。
【0048】この結果、第2ピアソン分布のパラメータ
のうちγ,βは不自然な値になり、以下のような値にフ
ィッティングされる。 Rp = 4.600×10-2μm DRp= 1.000×10-2μm γ = 25.0 β =−200.0 図14(Unsymmetry Fitting)に
は、このフィッティングで得られた第2ピアソン分布を
示す。
【0049】そして、上記第1ピアソン分布と第2ピア
ソン分布との比α、第1ピアソン分布のパラメータ及び
第2ピアソン分布のパラメータを第3初期パラメータに
した第1ピアソン分布と第2ピアソン分布とを連続させ
るためのフィッティングによって、以下のようなパラメ
ータが得られた。 <第1ピアソン分布> Rp = 1.758×10-2μm DRp= 9.546×10-3μm γ =− 0.222 β = 11.98 <第2ピアソン分布> Rp = 4.600×10-2μm DRp= 1.000×10-2μm γ = 25.0 β =−200.0 <分布の割合> α = 0.980
【0050】図15(Dual−Pearson wi
th Unsymmetry 2nd.)に、このフィ
ッティングで得られたパラメータで示されるイオン注入
のプロファイルを示す。
【0051】図15の(Dual−Pearson w
ith Symmetry 2nd.)及び(Dual
−Pearson with Unsymmetry
2nd.)に示されるように、2つの分布には若干のズ
レがあるものの、実用上は同一と考えて良い程度に一致
していることが確認された。
【0052】尚、上記第1実施形態及び第2実施形態に
おけるフィッティングでは、特願平8−220995に
記載されているように、フィッティングに用いられる初
期パラメータを中心にして各パラメータを複数の走査幅
で走査してフィッティングを行うようにしても良い。こ
の場合、上記実測データとの誤差が最も小さくなる走査
幅でのフィッティングによって得られるパラメータを、
各分布を示すパラメータとして選択するようにする。
【0053】また、上記第1実施形態及び第2実施形態
で説明したシミュレーション方法は、それぞれ単独で実
施する場合に限定されることはなく、組み合わせて実施
することも可能である。この場合、第1実施形態の第1
ステップ(S17),第8ステップ(S18)及び第9
ステップ(S19)では、第2ピアソン分布が対称な形
状を有していると見なし、第2ピアソン分布を示すパラ
メータγ,βを固定してフィッティング及び調整を行
う。このように組み合わせて実施することによって、注
入エネルギーに対して依存性を有するイオン注入のシミ
ュレーションを簡便に行うことが可能になる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載のシミュレーション方法によれば次のような効果が
得られる。すなわち、デュアルピアソン分布を用いたイ
オン注入のシミュレーションにおいて、デュアルピアソ
ン分布を示すパラメータを注入エネルギーに対する依存
性を持たせるように調整することで、注入エネルギーの
異なる分布間の整合性を満足させるパラメータを得るこ
とができ、精度の高いシミュレーションを行うことが可
能になる。また、本発明の請求項2記載のシミュレーシ
ョン方法によれば、デュアルピアソン分布を用いたイオ
ン注入のシミュレーションにおいて、第2ピアソン分布
を対称な形状と見なすことで、フィッティングを行うパ
ラメータ数を減らしてシミュレーションを簡素化するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を説明するフローチャート(その
1)である。
【図2】第1実施形態を説明するフローチャート(その
2)である。
【図3】第1実施形態において、第1ピアソン分布を示
すパラメータ(Rp)の調整を説明するグラフである。
【図4】第1実施形態において、第1ピアソン分布を示
すパラメータ(DRp)の調整を説明するグラフであ
る。
【図5】第1実施形態において、第1ピアソン分布を示
すパラメータ(γ)の調整を説明するグラフである。
【図6】第1実施形態において、第1ピアソン分布を示
すパラメータ(β)の調整を説明するグラフである。
【図7】第1実施形態において、第2ピアソン分布を示
すパラメータ(Rp)の調整を説明するグラフである。
【図8】第1実施形態において、第2ピアソン分布を示
すパラメータ(DRp)の調整を説明するグラフであ
る。
【図9】第1実施形態において、第2ピアソン分布を示
すパラメータ(γ)の調整を説明するグラフである。
【図10】第1実施形態において、第2ピアソン分布を
示すパラメータ(β)の調整を説明するグラフである。
【図11】第1実施形態で得られたデュアルピアソン分
布である。
【図12】第2実施形態を説明するフローチャートであ
る。
【図13】第2実施形態で得られた第1ピアソン分布で
ある。
【図14】第2実施形態で得られた第2ピアソン分布で
ある。
【図15】第2実施形態で得られたデュアルピアソン分
布である。
【図16】従来技術で得られたデュアルピアソン分布で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ピアソン分布と第2ピアソン分布と
    を合成してなるデュアルピアソン分布を示すパラメータ
    を実測データに基づいてフィッティングするイオン注入
    のシミュレーション方法であって、 異なる注入エネルギーでの各イオン注入における実測デ
    ータから算出された初期パラメータに基づいて、当該各
    イオン注入における前記第1ピアソン分布を示すパラメ
    ータのフィッティングを行う工程と、 フィッティングされた前記第1ピアソン分布を示すパラ
    メータと前記注入エネルギーとの関係線を作成し、当該
    関係線に基づいて前記第1ピアソン分布を示すパラメー
    タを調整する工程と、 前記実測データから前記第1ピアソン分布に関するデー
    タを差し引いた残りの実測データから算出された初期パ
    ラメータに基づいて、前記各イオン注入における前記第
    2ピアソン分布を示すパラメータのフィッティングを行
    う工程と、 フィッティングされた前記第2ピアソン分布を示すパラ
    メータと前記注入エネルギーとの関係線を作成し、当該
    関係線に基づいて前記第2ピアソン分布を示すパラメー
    タを調整する工程と、 前記第1ピアソン分布と前記第2ピアソン分布とが連続
    するように、前記調整された各パラメータのフィッティ
    ングを行う工程とを行うことを特徴とするイオン注入の
    シミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 実測データから算出された初期パラメー
    タに基づいて第1ピアソン分布を示すパラメータのフィ
    ッティングを行い、 前記実測データから前記第1ピアソン分布に関するデー
    タを差し引いた残りの実測データから算出された初期パ
    ラメータに基づいて第2ピアソン分布を示すパラメータ
    のフィッティングを行い、 フィッティングされた前記各パラメータを用いて前記第
    1ピアソン分布と第2ピアソン分布とが連続するように
    当該各パラメータのフィッティングを行うことによっ
    て、前記第1ピアソン分布と第2ピアソン分布とを合成
    してなるデュアルピアソン分布を適用したイオン注入の
    シミュレーションを行う方法において、 前記第2ピアソン分布は、前記第1ピアソン分布よりも
    深い位置における注入イオンの分布であり、当該第2ピ
    アソン分布を示すパラメータのフィッティングを行う際
    には、当該第2ピアソン分布が対称な形状を有している
    と見なすことを特徴とするイオン注入のシミュレーショ
    ン方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005056874A (ja) * 2003-08-01 2005-03-03 Fujitsu Ltd イオン注入による不純物濃度分布を表現するパラメータの抽出方法及び抽出プログラム
JP2009302390A (ja) * 2008-06-16 2009-12-24 Hitachi High-Technologies Corp 試料温度の制御方法
JP4866850B2 (ja) * 2005-06-30 2012-02-01 富士通株式会社 不純物濃度分布の予測方法及び不純物濃度分布を決定するプログラム

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