JPH1197156A - 鋳ぐるみ型ヒータユニット - Google Patents

鋳ぐるみ型ヒータユニット

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JPH1197156A
JPH1197156A JP27201197A JP27201197A JPH1197156A JP H1197156 A JPH1197156 A JP H1197156A JP 27201197 A JP27201197 A JP 27201197A JP 27201197 A JP27201197 A JP 27201197A JP H1197156 A JPH1197156 A JP H1197156A
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JP
Japan
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metal case
metal
heater
case
hole
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Application number
JP27201197A
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English (en)
Inventor
Noboru Ishida
昇 石田
Shoji Kitanoya
昇治 北野谷
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極部の絶縁および防湿効果が高く、かつセ
ラミックが割れにくい構造であるとともに、低融点金属
の液面高さの位置調整を単純な構成でかつ安価に実現す
ることにより、ヒータとしての発熱量にバラツキが生じ
ることなく、耐久性および信頼性の高い鋳ぐるみ型セラ
ミックヒータを提供する。 【解決手段】 鋳ぐるみ型セラミックヒータ1は、金属
ケース2と該金属ケース2の内側に充填された金属層5
により鋳ぐるみされたセラミックヒータ6とを備える。
また、金属ケース2の側壁部には該金属ケース2の底面
からみて所定の高さ位置に、該金属ケース2の内側と外
側とを連通させる貫通孔あるいは切欠き等の連通部31
が設けられており、金属層5はその連通部31の下縁に
対応する高さ位置まで充填されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳ぐるみ型ヒータ
ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、風呂水あるは内燃機関の冷却水等
の加熱用に、図13に示すような鋳ぐるみ型ヒータユニ
ットが使用されている。鋳ぐるみ型ヒータユニット10
0は、アルミニウム製のケース102と、アルミナ絶縁
体中にタングステン発熱体111を埋設したセラミック
ヒータ106とを備えている。セラミックヒータ106
は、ケース102に形成された有底の孔部103に配置
され、該孔部103の内面とセラミックヒータ106の
外面との間にハンダ等の低融点金属を充填することによ
り金属層105が形成されて鋳ぐるまれており、その通
電用の電極部115はケース102の上面から突出して
いる。また、セラミックヒータ106を挟んでケース1
02の両側部には、冷却水通路としての2本のステンレ
ス製のパイプ107が一体化されている。そして、セラ
ミックヒータ106はその発熱体111が、電極部11
5とこれに接続されたリード線116を介して通電され
ることにより発熱し、パイプ107内に流通する水等を
加熱することとなる。
【0003】ここで、上記セラミックヒータ106を鋳
ぐるむ際には、セラミックヒータ106の電極部115
をケース102の上部から突出させた状態で配置し、次
いでケース102の孔部103に、例えば溶融状態の低
融点金属を上側の開口部から流し込むことによりこれを
充填する。ここで、ヒータ個体間での液体の加熱効率の
ばらつきを小さくするために、金属層105の高さはな
るべく揃っていることが望ましいのであるが、その具体
的な方法としては、過剰な溶融金属はケース102上面
からオーバーフローさせることにより、溶融金属の充填
高さをケース102の上面高さにより規制する方法が考
えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記鋳
ぐるみ型ヒータユニット100においてはセラミックヒ
ータ106の電極部115がケース102から露出した
構成となっているため、電極部115の絶縁および防湿
処理が簡単にできない問題がある。また、ヒータ発熱中
に電極部115に水がかかったりすると、ヒータの耐久
性に問題が生ずる場合もある。そこで、セラミックヒー
タ106に上述のような露出が生じないように、例えば
図14に示すように、その全体をケース102の内側に
収納し、孔部103の上部をシール部材118で密封す
る構造が考えられる。
【0005】この場合、電極部115が金属層105中
に埋没すると短絡を起こすので、金属層105の充填高
さはセラミックヒータ106の電極部115よりも低く
なるように調整する必要がある。ここで、セラミックヒ
ータ106と孔部103の内面との間に形成される隙間
の量が一定している場合、溶融金属の充填量を一定とす
ることで、その充填高さもほぼ一定に揃えることができ
る。ところが、一般にセラミックは焼成収縮による寸法
バラツキが大きいため、孔部103内面とセラミックヒ
ータ106外面との隙間は一定しないことのほうが多
い。その結果、溶融金属の充填量を揃えても、金属層1
05の充填高さは結局のところばらついてしまい、その
制御が困難となる問題がある。
【0006】本発明の課題は、電極部のケースからの露
出を起こしにくく、しかも金属層の充填高さをほぼ一定
に揃えることができ、ひいてはヒータとしての発熱量バ
ラツキが少なく、しかも耐久性及び信頼性の高い鋳ぐる
み型ヒータユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上述の課
題を解決するために、本発明の鋳ぐるみ型ヒータユニッ
トは、下記のように構成されることを特徴とする。すな
わち、該ヒータユニットは、底部を有する金属ケース
と、該金属ケース内に配置されたセラミックヒータと、
金属ケース内において、該金属ケースの内面とセラミッ
クヒータとの隙間に充填されて該セラミックヒータを鋳
ぐるむ鋳ぐるみ金属層とを有する。金属ケースの側壁部
には、該金属ケースの底縁からみて所定の高さ位置に、
当該金属ケースの内側と外側とを連通させる貫通孔ある
いは切欠き等の連通部が設けられる。そして、鋳ぐるみ
金属層は、金属ケースに対し連通部の下縁位置まで充填
される。
【0008】ここで、上記連通部は、金属ケース内面と
セラミックヒータとの隙間に溶融金属を充填して鋳ぐる
み金属層を形成する際に、過剰な溶融金属をオーバーフ
ローさせるオーバーフロー流出部として機能しうる。な
お、本明細書においては、金属ケースの底部側から連通
部側へ向かう方向を上下方向と定義するが、ヒータユニ
ットの配置形態は、金属ケースの底部が下側となり連通
部が上側となるものに限定されるものではなく、例えば
金属ケースの底部と連通部とが横方向に並ぶように、金
属ケースを倒した状態で使用することもできる。
【0009】上述の構成によれば、金属ケースの側壁部
に連通部を設け、鋳込時に溶融金属をここからオーバー
フローさせることにより、形成される鋳ぐるみ金属層の
充填高さが連通部の下縁位置に対応して規制され、ひい
ては鋳ぐるみ金属層の充填高さを正確にかつ簡単に制御
することができる。そして、鋳ぐるみ金属層の充填高さ
が均一になることで、ヒータとしての発熱量にバラツキ
が生じにくくなり、設計値どおりの発熱量を得ることが
できるとともに、セラミックヒータに不均一な熱応力が
加わりにくくくなり、セラミックヒータの耐久性向上に
も寄与する。
【0010】なお、鋳ぐるみ金属層は、金属ケースの材
質よりも低融点の金属材料で構成することができ、例え
ば金属ケースをアルミニウムあるいはアルミニウム合金
で構成する場合は、Zn−5重量%Al合金(融点38
5℃)、あるいは上記合金に代えてさらに融点の低い合
金、例えばSn−38.1重量%Pb合金(いわゆる共
晶ハンダ、融点183℃)等を使用できる。
【0011】また、上記構成においては、金属ケースの
上側開口部ではなく、側壁部に形成された連通部から溶
融金属をオーバーフローさせることができるから、形成
された鋳ぐるみ金属層の上側において、金属ケースの内
側には一定高さの空間を残存させることができる。これ
により、次のような構成が可能となる。すなわち、底部
が下側となるように金属ケースを配置した場合に、セラ
ミックヒータが、その上端部が鋳ぐるみ金属層の上面か
ら突出する形態で配置され、かつその先端が金属ケース
の内面上端縁よりも下側に位置するようにする。すなわ
ち、ヒータ通電用の電極部を金属ケースの内側に配置す
ることにより、加熱中に電極部に水が直接かかったりす
る確率が減り、ヒータの耐久性を向上させることができ
る。また、セラミックヒータを金属ケースに対し、その
電極部が連通部の下縁よりも高くなるように位置決めし
た状態で、両者の隙間に溶融金属を充填するか、あるい
は金属ケースに溶融金属を予め充填しておいて、その後
セラミックヒータを該溶融金属に対し、電極部が溶融金
属との液面よりも上方に位置するように押し込むこと
で、電極部を鋳ぐるみ金属層から確実に露出させること
ができる。
【0012】この場合、金属ケースには、ヒータユニッ
トを挿入するための開口部(溶融金属の注入口ともなり
うる)を形成することができるが、この開口部は、セラ
ミックヒータのリード部の延出が許容された状態で、封
止部材により封止することができる。また、連通部には
耐熱性材料(例えばシリコンゴムなど)を充填してこれ
を封止することができる。これにより、金属ケース内に
収容されたセラミックヒータの電極部は外側雰囲気から
隔離され、その絶縁及び防湿効果を劇的に向上させるこ
とができる。また、充填される低融点金属の防湿処理も
合わせて行われ、その耐食性を向上させることができ
る。
【0013】次に、セラミックヒータは、一般にはヒー
タ発熱体が埋設されたものとして構成できるが、底部が
下側となるように金属ケースを配置した場合に、その埋
設されたヒータ発熱体の上端が、鋳ぐるみ金属層の上面
よりも下方に位置するように構成することができる。こ
れにより、発熱体全体が金属層で覆われるので発熱体の
熱を金属ケースに対して効率良く伝達することができ
る。
【0014】次に、連通部を貫通孔として形成する場
合、その貫通孔の長さは該貫通孔の軸断面寸法の1.5
倍以下に設定することが望ましい。こうすることによ
り、過剰な溶融金属を貫通孔から流出させるにあたっ
て、溶融金属は貫通孔を通り抜けるときの自身の表面張
力に打ち勝ちやすくなり、ひいては貫通孔からの溶融金
属の流出(オーバーフロー)をスムーズに行わせること
ができる。
【0015】なお、上記軸断面寸法は、貫通孔の軸断面
形状が円形の場合にはその直径として定義する。また、
貫通孔の断面形状が円形以外の場合には、これを同一面
積の円に換算したときの、該円の直径として上記軸断面
寸法を定義する。
【0016】また、底部が下側となるように金属ケース
を配置した場合に、連通部は、金属ケースの外面側にお
ける該連通部の開放部の下縁位置が、同じく内面側にお
ける該連通部の開放部の下縁位置よりも低くなるよう
に、その底面を傾斜面又は段付面として形成することが
できる。例えば、連通部を貫通孔として形成する場合、
その内周面が、金属ケースの内面側において径小となる
段付面又はテーパ面とすることができる。これにより、
連通部から溶融金属をスムーズにオーバーフローさせる
ことができる。また、溶融金属が連通部内に残留しにく
くなるから、連通部に前述の耐熱性材料等を充填してこ
れを封止する際に、該連通部と耐熱性材料との気密性が
向上し、鋳ぐるみ金属層の耐食性をより向上させること
ができる。
【0017】また、連通部を貫通孔で構成する場合、こ
れを、その内周面が金属ケースの内面側に向かうほど径
小となる複数の円筒状面が該貫通孔の長さ方向に沿って
同軸的に形成された段付面として形成することができ
る。この場合、段付面の各円筒状面の軸方向長さを、そ
れぞれその軸断面寸法の1.5倍以下に設定することが
できる。これにより、貫通孔からの溶融金属の流出をさ
らにスムーズに行わせることができる。
【0018】上記鋳ぐるみ型ヒータユニットは、下記の
方法により製造することができる。すなわち、底部が下
となるように金属ケースを立てて配置し、金属ケースと
セラミックヒータとの間に形成された隙間に対し、溶融
金属を充填して鋳ぐるみ金属層を形成するとともに、該
充填に際して過剰となる溶融金属を連通部からオーバー
フローさせる。これにより、該溶融金属の充填高さは、
該連通部の下縁に対応する位置に規制される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施の
形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施
例たる鋳ぐるみ型ヒータユニットを示すものである。鋳
ぐるみ型ヒータユニット(以下、単にヒータユニットと
いう)1は、アルミニウムないしアルミニウム合金製の
金属ケース(以下、単にケースともう)2と、該ケース
2に形成された有底の孔部3内において、該孔部3に充
填された鋳ぐるみ金属層(以下、単に金属層という)5
により鋳ぐるみされたセラミックヒータ6とを備えてい
る。また、セラミックヒータ6を挟んでケース2の両側
には、冷却水等の被加熱液体を流通させる通路としての
2本のステンレス製のパイプ7が、互いにほぼ平行な位
置関係でそれぞれ該ケース2を貫くようにこれと一体化
されている。また、ケース2は、パイプ7を鋳ぐるむ鋳
造体として構成することができる。
【0020】セラミックヒータ6は、ケース2の孔部3
に対し開口部3aから挿入され、通電用の電極部15,
15がケース2の開口部3aよりも下側に位置するよう
に配置されている。電極部15,15は、ヒータ発熱体
としての抵抗発熱体11の端子21a,21a(図2)
とそれぞれ導通するとともに、これに抵抗発熱体11へ
の通電路を形成するリード線16が接続されている。ま
た、リード線16は短絡防止のために絶縁チューブによ
り被覆されている。さらに、孔部3の開口部3aは、リ
ード線16の孔部3からの延出を許容するシール部材1
8により気密に塞がれている。
【0021】次に、図1(b)に示すようにケース2の
側壁部には、セラミックヒータ6に埋設された抵抗発熱
体11の上縁よりも高い位置に、該ケース2の内側と外
側とを連通する連通部としての貫通孔31が形成されて
いる。貫通孔31は、例えば円形の軸断面を有するもの
として形成され、その長さLは貫通孔31の直径(断面
寸法)Dの1.5倍以下となるように設定されている。
【0022】金属層5は、その上面が貫通孔31の下縁
とほぼ等しい高さとなるように形成され、アルミニウム
製のケース2の材質より低融点の金属により、具体的に
はZn−5重量%Al合金(融点385℃)、あるいは
さらに融点の低い合金として、Sn−38.1重量%P
b合金(いわゆる共晶ハンダ、融点183℃)等により
構成されている。また、貫通孔31には、耐熱性材料と
して例えばシリコンゴム33が充填されており、該貫通
孔31からの水分等の侵入を遮断し、ひいては金属層5
を腐食等から保護する役割を果たしている。なお、本実
施例においては、金属ケース2の底部側から貫通孔31
側へ向かう方向を上下方向と定義するが、ヒータユニッ
ト1の配置形態は、金属ケース2の底部が下側となり貫
通孔31が上側となるものに限定されるものではなく、
例えば金属ケース2を横倒しにした状態で使用すること
もできる。
【0023】次に、セラミックヒータ6は、図2(a)
に示すように、円筒状に構成されたセラミック基体10
中に抵抗発熱体11が埋設された構造を有している。セ
ラミック基体10は、アルミナ(Al23)、シリカ
(SiO2)、ジルコニア(ZrO2)、チタニア(Ti
2)、マグネシア(MgO)、ムライト(3Al23
・2SiO2)、ジルコン(ZrO2・SiO2)、コー
ジェライト(2MgO・2Al23・5SiO2)、窒
化硅素(Si34)、炭化硅素(SiC)等のセラミッ
クの焼成体により構成される。また、抵抗発熱体11
は、タングステン、モリブデン、白金等の高融点金属な
いしそれらの合金及びステンレス鋼やニクロムなど、各
種抵抗発熱金属材料で構成することができるが、炭化タ
ングステン(WC)、硅化モリブデン(MO2Si3)、
あるいは炭化タングステンと窒化硅素(Si34)との
複合物など、導電性を有するセラミックで構成してもよ
い。
【0024】このようなセラミックヒータ6は、例えば
次のようにして製造することができる。すなわち、図2
(b)に示すように、セラミック粉末をバインダととも
に板状に成形した粉末成形体20(例えばグリーンシー
ト)の板面に、抵抗発熱材料粉末を含有するペーストを
用いて、抵抗発熱体11のパターン21を印刷する。印
刷パターン21は、図2(b)に示すように、長方形状
の粉末成形体20の長辺に沿って延びる複数の本体部2
4が、該成形体20の短辺方向において所定の間隔で配
列するとともに、それらの互いに隣接するもの同士を、
両端部において接続部25により順次連結した一本の連
続形態に形成される。
【0025】次いで、図2(d)に示すように、別途形
成された円筒状の粉末成形体22の外周面に対し粉末成
形体20を、パターン21が形成された面が内側となる
ように巻き付けて筒状の成形体23を作製する。そし
て、この成形体23を焼成することにより、粉末成形体
20及び22は焼結され一体化してセラミック基体10
となり、印刷されたパターン21は、その抵抗発熱粉末
が焼結されて抵抗発熱体11となる。抵抗発熱体11
は、印刷パターン21の本体部24に対応する複数の直
線部がそれぞれセラミック基体10の軸方向に伸び、こ
れらがその断面周方向に所定の間隔で配列したものとな
る。
【0026】次に、上記ヒータユニット1の製造方法を
説明する。まず、図3(a)に示すように、ケース2の
孔部3の開口部3a側を上にして、上記低融点金属を溶
融させた溶融金属Wを所定量流し入れ、さらに(b)、
(c)に示すように、この中に所定温度に加熱したセラ
ミックヒータ6を、充填に際して過剰となる溶融金属W
を貫通孔31からオーバーフローさせながら押し込む。
そして、(d)に示すように、その状態でセラミックヒ
ータ6をケース2の孔部3に対し同軸状に位置決めし、
さらに溶融金属Wを冷却・固化させることにより、セラ
ミックヒータ6を一体的に鋳ぐるむ金属層5を形成す
る。ここで、金属層5の充填高さは、溶融金属Wの上記
オーバフローにより、貫通孔31の下縁に対応する位置
に規制されることとなる。
【0027】そして、図6(a)に示すように、金属層
5の鋳込み形成後において、貫通孔31に液状未硬化の
シリコンゴム33を充填して、これを固化させることに
より貫通孔31を封止し、さらに孔部3の開口部3aを
シール部材18で塞ぐことにより、図1に示すヒータユ
ニット1が完成する。該ヒータユニット1においては、
パイプ7に冷却水や風呂水(例えば24時間風呂)等の
被加熱液体を流通させながら、セラミックヒータ6にリ
ード線16を介して通電することにより発熱させ、その
熱を金属層5及び金属ケース2を介して被加熱液体に伝
えることによりこれを加熱することができる。
【0028】なお、図6(b)に示すように、貫通孔3
1とともに孔部3内側の金属層5の上方に形成された空
間Kをシリコンゴム33で充填することも可能である。
この場合、同図(c)に示すように、シリコンゴム33
の充填により、シール部材18に相当する部分を一体的
に形成してしまう方法も可能である。
【0029】また、図4(a)に示すように、ケース2
の孔部3の中央にセラミックヒータ6を予め挿入してお
き、その後、(b)に示すようにセラミックヒータ6と
ケース2との隙間に溶融金属Wを流し込み、充填に際し
て過剰な溶融金属Wを貫通孔31から流出させるように
してもよい。また、図5(a)〜(d)に示すように、
ケース2の孔部3に所定量の粉末状の低融点金属を入れ
て加熱溶融し、その後この中にセラミックヒータ6を、
溶融金属Wを貫通孔31から流出させながら押し込んで
もよい。
【0030】さらに、貫通孔31は軸断面形状が円形状
のもの以外に、図7(a)に示すように楕円形状に形成
することができる。また、このほかにも、同図(b)に
示すように三角形状としたり、あるいは同図(c)に示
すように四角形状としたり、さらには同図(d)に示す
ように菱形状とするなど、種々採用可能である。この場
合、これらの貫通孔31の軸断面寸法Dは、これを同一
面積の円形断面に換算したときの直径により表すことが
できる。例えば、同図(a)に示すように、長軸と短軸
の長さがそれぞれa,bである楕円状貫通孔の場合、そ
の軸断面寸法Dは(a・b)1/2で表すことができる。
また、一辺の長さがaの正方形状の貫通孔の場合は、2
a/(π)1/2(約1.13a)で表すことができる。
【0031】また、図8は、連通部としての貫通孔40
を、金属ケース2(孔部3)の内面側に向かうほど径小
となる複数の円筒状面40a,40bが該貫通孔40の
長さ方向に沿って同軸的に形成された段付面として形成
した例を示している。ここで、各円筒状面40a,40
bの軸方向長さL1,L2は、それぞれその軸断面寸法D
1,D2の1.5倍以下に設定されている。さらに図9
は、ケース2の内面側において径小となるテーパ面状の
貫通孔45により連通部を構成した例である。貫通孔4
5の軸方向長さL3は、貫通孔45の小径側開口部の断
面寸法をD3、傾斜した内周面45aの軸線Oに対する
傾斜角をθ、内周面45aの母線長さをL’として、例
えばL’/D3が1.5以下となるように、すなわち、
L3secθ/D3が1.5以下となるように設定する
ことができる。
【0032】なお、図10(a)に示すように、連通部
は内周面が3段ないしそれ以上の複数段の段付面とされ
た貫通孔50とすることができる。また同図(b)及び
(c)に示すように、その下側面のみを段付面51又は
傾斜面52とした貫通孔としてもよい。さらに同図
(d)に示すように、ケース2の側壁部に対し、斜め下
向きに形成された貫通孔53としてもよい。
【0033】また、図11に示すように、連通部は、金
属ケース2の上面に開放する切欠き47とすることも可
能である。なお、この切欠き47をシリコンゴム33等
の耐熱性材料で充填することができる。
【0034】
【実施例】図1に示すヒータユニット1を製造するため
に、その金属ケース2を、孔部3の内径を14mm、孔
部3の底部から貫通孔31の中心までの高さを80mm
とし、さらに貫通孔31の内径を2mm又は3mm、貫通孔
31の軸方向長さを1〜5mmの各種値に設定して各種
作製した(図12参照)。これら金属ケース2を用いて
以下の実験を行った。まず、孔部3内に、融点183℃
の低融点金属(共晶ハンダ)を150g入れ、ここにφ
13mmのセラミックヒータ6を挿入するとともに、2
20℃の乾燥機中でセラミックヒータ6に500gの荷
重を加えることにより鋳ぐるみ、低融点金属による金属
層5の充填高さが貫通孔31の下縁に対応する位置に安
定してきれいに充填されるかどうかを、それぞれの場合
について各10回づつ繰り返して確認した。なお、評価
基準は、金属層5の充填高さの平均値をμ、標準偏差を
σとして、σ/μが5%以内のものを良(○)、5%を
超えたものを可(△)とした。以上の結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】このように、貫通孔31の長さが内径(直
径)の1.5倍を超える場合には充填高さに多少のバラ
ツキが確認されたが、貫通孔31の長さが内径の1.5
倍以下の場合には充填高さが安定することが確認され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋳ぐるみ型ヒータユニットの一例を示
す平面図、中央側面断面図、及び正面図。
【図2】セラミックヒータの平面断面図及びセラミック
ヒータの製造方法の説明図。
【図3】鋳ぐるみ型ヒータユニットの製造方法の一例を
示す作用説明図。
【図4】その別の例を示す作用説明図。
【図5】そのさらに別の例を示す作用説明図。
【図6】シリコンゴムの充填例を示す説明断面図。
【図7】貫通孔の断面形状のいくつかの変形例を示す簡
略図。
【図8】図1の鋳ぐるみ型ヒータユニットの変形例を示
す平面図、中央側面断面図、正面図、及び拡大部分断面
図。
【図9】その別の変形例を示す平面図、中央側面断面
図、拡大部分断面図。
【図10】連通部のいくつかの変形例を示す簡略図。
【図11】図1の鋳ぐるみ型ヒータユニットのさらに別
の変形例を示す平面図、中央側面断面図、及び正面図。
【図12】鋳ぐるみ試験で使用したヒータユニットの中
央側面部分断面図。
【図13】従来の鋳ぐるみ型ヒータユニットの正面図、
中央側面断面図、及び中央正面断面図。
【図14】それとは別の従来の鋳ぐるみ型ヒータユニッ
トの平面図、及び中央正面断面図。
【符号の説明】
W 溶融金属 1 鋳ぐるみ型ヒータユニット 2 ケース(金属ケース) 5 鋳ぐるみ金属層 6 セラミックヒータ 11 抵抗発熱体(ヒータ発熱体) 31,40,45,50,51,52,53 貫通孔
(連通部、オーバーフロー流出部) 33 シリコンゴム 47 切欠き(連通部、オーバーフロー流出部)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部を有する金属ケースと、 該金属ケース内に配置されたセラミックヒータと、 前記金属ケース内において、該金属ケースの内面と前記
    セラミックヒータとの隙間に充填されて該セラミックヒ
    ータを鋳ぐるむ鋳ぐるみ金属層とを有し、 前記金属ケースの側壁部には、該金属ケースの底縁から
    みて所定の高さ位置に、当該金属ケースの内側と外側と
    を連通させる貫通孔あるいは切欠き等の連通部が設けら
    れており、 前記鋳ぐるみ金属層は、前記金属ケースに対し前記連通
    部の下縁位置まで充填されていることを特徴とする鋳ぐ
    るみ型ヒータユニット。
  2. 【請求項2】 前記連通部は、該金属ケース内面と前記
    セラミックヒータとの隙間に溶融金属を充填して前記鋳
    ぐるみ金属層を形成する際に、過剰な溶融金属をオーバ
    ーフローさせるオーバーフロー流出部として機能しうる
    ものである請求項1記載のヒータユニット。
  3. 【請求項3】 前記底部が下側となるように前記金属ケ
    ースを配置した場合に、前記セラミックヒータは、その
    上端部が前記鋳ぐるみ金属層の上面から突出する形態で
    配置されるとともに、該上端部先端は前記金属ケースの
    内面上端縁よりも下側に位置するものとされ、 該上端部にヒータ通電用の電極部が形成されている請求
    項1又は2に記載のヒータユニット。
  4. 【請求項4】 前記金属ケースには、前記ヒータユニッ
    トを挿入するための開口部が形成され、前記セラミック
    ヒータのリード部の延出が許容された状態で、該開口部
    が封止部材により封止されている請求項1ないし3のい
    ずれかに記載のヒータユニット。
  5. 【請求項5】 前記セラミックヒータにはヒータ発熱体
    が埋設され、 前記底部が下側となるように前記金属ケースを配置した
    場合に、該ヒータ発熱体の上端は、前記鋳ぐるみ金属層
    の上面よりも下方に位置するものである請求項1ないし
    4のいずれかに記載のヒータユニット。
  6. 【請求項6】 前記連通部は貫通孔として形成され、そ
    の貫通孔の長さは該貫通孔の軸断面寸法の1.5倍以下
    である請求項1ないし5のいずれかに記載のヒータユニ
    ット。
  7. 【請求項7】 前記底部が下側となるように前記金属ケ
    ースを配置した場合に、前記連通部は、前記金属ケース
    の外面側における該連通部の開放部の下縁位置が、同じ
    く内面側における該連通部の開放部の下縁位置よりも低
    くなるように、その底面が傾斜面又は段付面とされてい
    る請求項1ないし6のいずれかに記載のヒータユニッ
    ト。
  8. 【請求項8】 前記連通部は、前記金属ケースの側壁部
    に形成された貫通孔であり、その内周面が、前記金属ケ
    ースの内面側において径小となる段付面又はテーパ面と
    されている請求項1ないし7のいずれかに記載のヒータ
    ユニット。
  9. 【請求項9】 前記貫通孔はその内周面が、前記金属ケ
    ースの内面側に向かうほど径小となる複数の円筒状面が
    該貫通孔の長さ方向に沿って同軸的に形成された段付面
    とされ、 該段付面の前記各円筒状面の軸方向長さが、それぞれそ
    の軸断面寸法の1.5倍以下に設定されている請求項8
    記載のヒータユニット。
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