JPH1196571A - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JPH1196571A
JPH1196571A JP9273549A JP27354997A JPH1196571A JP H1196571 A JPH1196571 A JP H1196571A JP 9273549 A JP9273549 A JP 9273549A JP 27354997 A JP27354997 A JP 27354997A JP H1196571 A JPH1196571 A JP H1196571A
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light
pit
semiconductor
optical
optical device
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JP9273549A
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Takeshi Mizuno
剛 水野
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 装置全体の、小型化を図ると共に、様々なピ
ット深さの光学記録媒体に対してトラッキング信号が安
定して得られ、半導体プロセスによる製造が容易な光学
装置の提供。 【解決手段】 反射面に光学記録媒体から成る被照射部
2と、半導体レーザLDと、三角柱状の半導体構造4
と、光検出素子PDとが、同一半導体基体1に形成され
た半導体部7と、半導体レーザLDからの発射光LF
被照射部2に収束照射し、更に被照射部2から反射され
た戻り光LR を収束させる収束手段3とを有し、三角柱
状の半導体構造4は、半導体レーザLDからの発射光L
F を反射させる第1の反射面M1 と、収束手段3からの
戻り光LR の一部を光検出素子PDに照射させる第2の
反射面M2 を有して成り、光学記録媒体に形成されたピ
ットの一方のピットエッジからの回折光による第1の検
出信号と、ピットの他方のピットエッジからの第2の検
出信号とを演算して、トラッキングエラー信号TEを得
る光学装置10を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば発光部から
の光を光記録媒体例えば光ディスク、光磁気ディスクな
どの被照射部に照射し、被照射部からの反射による戻り
光を受光検出する場合、特にピット深さλ/4nを有す
る光ディスクに対するトラッキングエラー信号を検出す
る場合に適用して好適な光学装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来の光学装置、いわゆるコンパクトデ
ィスク(CD)プレーヤなどの光ディスクドライブや光
磁気ディスクドライブの光学ピックアップでは、グレー
ティングやビームスプリッタなどの各光学部品を個別に
組み立てるため装置全体の構成が複雑且つ大きくなり、
また、基板上にハイブリッドで組み立てる場合に光学的
な配置設定に際して厳しいアライメント精度を必要とし
ていた。
【0003】図15に従来のコンパクトディスク(C
D)の再生専用の光学ピックアップの一例の構成図を示
す。この光学ピックアップ81は、半導体レーザ82、
回折格子83、ビームスプリッタプレート84、対物レ
ンズ85及びフォトダイオードからなる受光素子86を
備えて成り、半導体レーザ82からのレーザ光Lがビー
ムスプリッタプレート84で反射され、対物レンズ85
で収束されて光ディスク90に照射され、この光ディス
ク90で反射された戻り光がビームスプリッタプレート
84を透過して受光素子86にて受光検出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な光学ピックアップ81は、部品点数が多く、また非常
に大型になるだけでなく、その配置に高い精度が要求さ
れ、生産性の低いものであった。
【0005】本発明はこのような点を考慮してなされた
もので、光学ピックアップなどの光学装置において、そ
の光学部品点数の削減および光学的な配置設定に際して
のアライメントの簡単化を可能にし、装置全体の簡素
化、小型化を図ると共に、様々なピット深さの光学記録
媒体に対してトラッキングエラー信号等のトラッキング
信号が安定して得られ、半導体プロセスによる製造が容
易にできるようにするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の光学装置は、反
射面にピットが形成された光学記録媒体から成る被照射
部と、半導体レーザと、三角柱状の半導体構造と、光検
出素子とが、同一半導体基体に形成された半導体部と、
半導体レーザからの発射光を被照射部に収束照射し、更
に被照射部から反射された戻り光を収束させる収束手段
とを有する。三角柱状の半導体構造は、半導体レーザか
らの発射光を反射させる第1の反射面と、収束手段から
の戻り光の一部を上記光検出素子に照射させる第2の反
射面を有して成る。また、三角柱状の半導体構造の第1
の反射面及び第2の反射面は、収束手段の焦点面近傍に
形成され、光検出素子によって検出した、光学記録媒体
に形成されたピットの一方のピットエッジからの回折光
による第1の検出信号と、ピットの他方のピットエッジ
からの回折光による第2の検出信号とを演算することに
よって、トラッキングエラー信号を得る構成とする。
【0007】上述の本発明の構成によれば、一方のピッ
トエッジからの回折光による第1の検出信号と、ピット
の他方のピットエッジからの回折光による第2の検出信
号とを演算してトラッキングエラー信号を得ることによ
り、ピット深さがλ/4nである規格のディスクに対し
ても、充分なトラッキングエラー信号を検出することが
できる。また、レンズシフトやデフォーカスの影響に強
いトラッキングエラー信号を得ることができる。さら
に、半導体レーザと三角柱状の半導体構造と光検出素子
とが、同一半導体基体に形成されていることにより、光
学装置を部品点数を少なく簡潔に小型に構成することが
できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による光学装置は、反射面
にピットが形成された光学記録媒体から成る被照射部
と、半導体レーザと、三角柱状の半導体構造と、光検出
素子とが、同一半導体基体に形成された半導体部と、半
導体レーザからの発射光を被照射部に収束照射し、更に
被照射部から反射された戻り光を収束させる収束手段と
を有し、三角柱状の半導体構造は、半導体レーザからの
発射光を反射させる第1の反射面と、収束手段からの戻
り光の一部を光検出素子に照射させる第2の反射面を有
して成り、三角柱状の半導体構造の第1の反射面及び第
2の反射面は、収束手段の焦点面近傍に形成され、光検
出素子によって検出した、光学記録媒体に形成されたピ
ットの一方のピットエッジからの回折光による第1の検
出信号と、ピットの他方のピットエッジからの回折光に
よる第2の検出信号とを演算することによって、トラッ
キングエラー信号を得る構成とする。
【0009】また本発明は、上記光学装置において、三
角柱状の半導体構造の第1の反射面及び第2の反射面が
半導体基体に結晶成長させた所定の結晶面によって構成
されている構成とする。
【0010】また本発明は、上記光学装置において、光
検出素子が2分割もしくは4分割されて成る構成とす
る。
【0011】また本発明は、上記光学装置において、半
導体基体には、半導体レーザの形成部における半導体基
体の基板表面から、所要の深さをもって後退する凹部が
形成されて、凹部に光検出素子が形成された構成とす
る。
【0012】以下、図面を参照して本発明の光学装置の
一実施の形態を説明する。図1に光学装置の斜視図を示
すように、本実施の形態では、被照射部を構成する光学
記録媒体が例えば記録ピットを有する光ディスク2で、
この光ディスク2に対してレーザ光を照射して記録の読
み出しがなされる光学ピックアップに適用した場合であ
る。また、図2Aは光学装置の側面図、図2Bは平面図
をそれぞれ示す。
【0013】この光学装置10は、同一の半導体基板1
上に基板面に沿う方向でかつ被照射部である光ディスク
2の例えばタンジェンシャル方向Tに平行な共振器長方
向を有する半導体レーザLDと、この半導体レーザLD
の一方の発射端面に面して設けられ半導体レーザLDか
らの発射光LF を反射する反射面M1 を有する三角柱状
の半導体構造4と、受光部として4分割フォトダイオー
ドPD(PD1 ,PD2 ,PD3 ,PD4 )からなる光
検出素子とが形成された光半導体素子7により構成され
る。この光半導体素子7は、ウエハ上に複数の光半導体
素子7を同時に形成するいわゆるウエハバッチプロセス
により、一連の半導体製造工程で製造することができ
る。
【0014】そして、反射面M1 により反射された発射
光LF は、収束手段である対物レンズ3により光ディス
ク2に収束照射され、光ディスク2から反射された戻り
光LR を、共通の対物レンズ3によって収束させ光半導
体素子7に戻す。
【0015】戻り光LR は、対物レンズ3により光回折
限界(即ちレンズの回折限界)近傍まで収束されるもの
であり、この光回折限界、即ち半導体レーザLDからの
発射光LF の波長をλ、対物レンズ3の開口数をN.
A.とするとき、発射光LF の直径を1.22λ/N.
A.より小とし、三角柱状の半導体構造4の発射光LF
を反射させる反射面M1 内に照射されるようにする。こ
こで、発光部4の光源として半導体レーザLDを用いる
と、その発射光LF の直径は、約1〜2μm程度とする
ことができる。一方、対物レンズ3の開口数N.A.が
例えば0.09〜0.1、発射光LF の波長λが780
nm程度の場合、回折限界は1.22λ/N.A.≒1
0μm程度となる。
【0016】三角柱状の半導体構造4は、光半導体素子
7に結晶成長させた所定の結晶面、例えば{111}B
結晶面により形成された反射面M1 ,M2 からなり、前
述の戻り光LR に関する対物レンズ3の共焦点近傍位置
に配置されて、レンズなど収束手段の共焦点位置に発光
部を配置し、この発光部のある共焦点位置近傍に受光部
を形成するいわゆるCLC(コンフォーカル・レーザ・
カプラ)構成とされている。この場合、通常の成長条件
下においては、半導体構造4を三角柱状に成長させた
後、自動的に結晶成長が停止するため、作製プロセスの
再現性に優れている。
【0017】また、その他の特定の成長条件であって
も、自動的に結晶成長が停止するため、設計通りに再現
性良く三角柱状の半導体構造4を形成することができ
る。例えば、高温成長であり、かつIII 族元素/V族元
素の比が低い結晶成長条件の場合には、反射面を{11
1}A結晶面により構成するが、この場合も同様に設計
通りに再現性良く三角柱状の半導体構造4を形成するこ
とができる。
【0018】そして、この三角柱状の半導体構造4の発
射光LF を反射させた一方の反射面M1 とは別の反射面
2 によって、戻り光LR の一部が反射され、4分割フ
ォトダイオードPD(PD1 ,PD2 ,PD3 ,P
4 )に照射される。
【0019】この4分割フォトダイオードPDは、反射
鏡M1 を挟んで半導体レーザLDの形成部とは反対側に
配置され、半導体レーザLDの形成部の半導体基板1表
面から後退して形成された凹部1aに形成されている。
【0020】このとき、CLC構成を成す共焦点光学系
においては、焦点位置近傍に回折した光線全て、即ち0
次及び±1次光で形成される2次元回折パターン(図1
0参照)が、共焦点上の同一面内に、分布を持ちながら
も全て重なる特徴を有するために、戻ってきた光の一部
を切り取るような本実施の形態の場合においても、すべ
ての回折成分が4分割フォトダイオードPDのある方向
に伝搬する。
【0021】この場合、重なり合った各干渉成分を再び
空間的に分離するためには、ある程度の距離を伝搬させ
る必要があるが、図1に示すように、半導体レーザLD
の形成部における光半導体素子7の表面、即ち半導体レ
ーザLDの上面から距離d分後退した位置に形成した半
導体基板1の凹部1aに4分割フォトダイオードPDを
形成することによって、三角柱状の半導体構造4から4
分割フォトダイオードPDまでの戻り光LR の伝搬距離
Lを稼いで、戻り光LR の回折パターンを充分に分離す
ることができる。
【0022】そして、4分割フォトダイオードPDに光
ディスク2からの戻り光LR が照射されることにより、
各フォトダイオードPD1 〜PD4 から得られる信号に
対して、後述するように演算を行って、トラッキングエ
ラー信号等を検出することができる。また、4分割フォ
トダイオードPD1 〜PD4 全体によって、光ディスク
2上の記録の読み出しすなわちRF信号の検出を行うこ
とができる。
【0023】次に、この光学装置10の構成における信
号の検出についての説明に先立ち、従来のトラッキング
補正法(トラッキングサーボ)の検出法について説明す
る。
【0024】光学ピックアップ等の光学装置におけるト
ラッキングサーボの方法としては、通常プッシュプル法
や3ビーム法やヘテロダイン法等が用いられている。
【0025】このうち、従来から行われているプッシュ
プル法は、ディスク上において入射光の光スポットがト
ラックあるいはピットからずれたときに、ディスクによ
り生じる±1次回折光において強度差が生じ、これによ
り遠視野像が非対称となることから、例えば2個の検出
器によってこの非対称に応じた信号を取り出し、これら
信号を演算器によって演算することによって、光スポッ
トのずれを検出するものである(図16参照)。
【0026】図16にプッシュプル法を用いるトラッキ
ングサーボの概略構成図を示す。図16Bに示すよう
に、ディスク52表面のピットによる凹凸に光が照射さ
れると、凹凸により光が回折されて、0次回折光(主ビ
ームB)及び±1次回折光(副ビームB′)に分割され
る。また図16において、S0 ,S1 はそれぞれ0次回
折光、±1次回折光の照射スポットを示す。S0 が円と
なるのは、対物レンズの開口によるものである。
【0027】この場合には、図16Aに示すように、受
光部として2分割フォトダイオードPDR ,PDL が配
置形成される。これらフォトダイオードPDR ,PDL
の受光した信号を、図示しないが差動増幅器等で、例え
ば(PDL −PDR )のように演算処理して、トラッキ
ング信号としてトラッキングエラー信号TEを得ること
ができる。
【0028】そして、トラックとビームがずれている時
には、スポットの中心が2分割フォトダイオードの分割
線からずれるため、TE=(PDL −PDR )が0とな
らず、ずれた方向に応じて正又は負の値を示す。これに
より、トラックとのずれの方向や量を検出することがで
きる。
【0029】プッシュプル法を用いるトラッキングサー
ボは、2分割フォトダイオードがあれば実現できるた
め、安価に構成することができるが、レンズのシフトに
対して、ディスクからの戻り光が受光面上で受光素子の
分割線に対して垂直にシフトし、信号に大きなオフセッ
トが生じる問題がある。
【0030】ここで、図17Aに示すように、レンズ5
1が横方向にシフトすると、それに従ってフォトダイオ
ードPDL ,PDR が受光する光のスポットも破線で示
すようにシフトし、トラッキングが合っていてもトラッ
キングエラー信号TE=0とならなくなる。また、図1
7Bに示すように、レンズ51がディスク52に対して
傾いた場合でも、受光する光のスポットが破線で示すよ
うにシフトし、トラッキングが合っていてもトラッキン
グエラー信号TE=0とならなくなる。
【0031】従来のプッシュプル信号の場合に、上述の
ようにレンズのシフトがトラッキングエラー信号に与え
る影響を図18に示す。尚、縦軸は相対値で表してい
る。ディスクは、グルーブのピッチが1.60μm、グ
ルーブのデプス(深さ)が波長/8、デューティ(du
ty:グルーブの比率)が65%のディスクとして計算
を行った。また、波長は0.78μmとした。
【0032】図18より、従来のプッシュプル信号では
レンズのシフトによって、トラッキングエラー信号もそ
れに応じて全体がシフトしていた。
【0033】また、プッシュプル法においては、再生用
レーザの波長をλ、ディスク52の透明基板の屈折率を
nとするとき、ディスク52のピットの深さがλ/4n
である場合に、0次回折光と±1次回折光との干渉によ
り信号が0となるため、原理的にトラッキングエラー信
号の検出ができなくなる。従って、ピットの深さがλ/
4nである規格のディスク52には用いることができな
い。例えば、DVD(Dedital Versatile Disk)−RO
M、DVD−Videoはこのピットの深さがλ/4n
である規格であるため、プッシュプル法の適用はできな
い。
【0034】プッシュプル法以外にトラッキングサーボ
検出を行う方法として、前述の3ビーム法がある。3ビ
ーム法では、回折格子により光を分割して、主ビームと
その両側に2本の副ビームを形成し、図19に3ビーム
法におけるディスク面でのスポット位置を示すように、
主ビームによるスポットS0 、その両側の副ビームによ
るスポットS1 ,S2 をディスク52のグルーブ又はピ
ットに照射して、2つの副ビームの反射光をそれぞれ検
出して、差信号を取ることによりトラッキングサーボを
行うものである。
【0035】ここで、主ビームのスポットS0 がトラッ
ク中心からずれると、副ビームのスポットS1 ,S2
よる反射光が対称でなくなり、差信号によるトラッキン
グエラー信号が0から変動する。このトラッキングエラ
ー信号の変動量は、主ビームのスポットS0 のトラック
中心からのずれ量に対応して変化することから、トラッ
キングサーボを行うことができる。尚、主ビームの反射
光は、ディスク記録信号の検出に用いる。
【0036】この場合には上述のようなレンズシフトに
も対応することができるが、グレーティング等の回折格
子を通す必要があるため、部品点数が増えること、主ビ
ームの光量が減少することにより消費電力が増加するこ
と、調整が複雑であり、従って、製造コストもかかるこ
と等の欠点を有している。
【0037】この他、特にピット深さがλ/4nである
規格のディスクのトラッキングサーボに有効な方法に
は、位相差検出法がある。位相差検出法は、2次元ピッ
トの回折スペクトルをRF(高調波)信号をリファレン
スとして、ヘテロダイン検波する方法や、光検出器上で
検出された各信号をデジタル演算処理する方法により実
現されている。
【0038】位相差検出法においては、例えば、図20
に示すように、光軸を中心として、被照射部である光デ
ィスクの例えばピット列方向であるタンジェンシャル方
向T及びこの方向Tに垂直な方向に、縦横に4分割した
フォトダイオードPD1 ,PD2 ,PD3 ,PD4 を形
成する。そして、この4分割フォトダイオードPD1
PD4 で光ディスクからの戻り光を検出する。図10
中、中央の円はレンズの瞳に対応し0次回折光のスポッ
トに相当する。その他周囲の8つの円は1次回折光のス
ポットに相当する。また、中央の点線部はディスクのピ
ットPに対応する像である。
【0039】そして、この4分割フォトダイオードPD
1 〜PD4 の構成に対して、例えば次のように信号処理
を行う。各フォトダイオードの検出信号の総和であるR
F信号(PD1 +PD2 +PD3 +PD4 )と各フォト
ダイオードの検出信号を演算した信号(例えばPD1
PD3 −PD2 −PD4 )とを、位相を考慮しながらヘ
テロダイン検波する。このときの演算信号の内容を数1
に示す。
【0040】
【数1】 演算信号=(PD1 +PD3 )−(PD2 +PD4 ) =C sin(2πvt /vp )sin (2πaωt/vp ) ただし、 vt :デトラック量 vp :ピット列の周期 a:読みとり位置の半径 ω:光ディスクの角速度 C:定数(振幅)
【0041】ここで、数1のC sin(2πvt /vp
の部分は、RF信号(PD1 +PD2 +PD3 +P
4 )をリファレンスとして演算信号をヘテロダイン検
波した場合に得られる信号である。こうしてヘテロダイ
ン検波により得られた信号からデトラック量vt を求め
ることができる。
【0042】この場合には、レンズシフトによるトラッ
キングエラー信号のオフセットが生じにくく、またピッ
ト深さがλ/4nである規格のディスクにも有効である
利点を有するが、その一方信号処理が複雑になる欠点を
有する。
【0043】一方、前述の従来の光学装置の欠点を改善
するものとして、光学部品点数の削減および光学的な配
置設定に際してのアライメントの簡単化を可能にし、装
置全体の簡素化、小型化を図る目的で、レンズなど収束
手段の共焦点位置に発光部を配置し、この発光部のある
共焦点位置近傍に受光部を形成する、前述のCLC(コ
ンフォーカル・レーザ・カプラ)構成が考えられてい
る。
【0044】そして、本出願人は、前述のレンズシフト
やディスクの傾きに起因するトラッキングエラー信号の
オフセットをなくすために、上述の共焦点位置に受光部
を形成する分割フォトダイオードを配置し、これら分割
フォトダイオードによりプッシュプル法等を用いてトラ
ッキングサーボを行う光学装置を先に提案した(特願平
7−35528号出願「光学装置」参照)。
【0045】このような光学装置によれば、共焦点位置
近傍の受光部によるプッシュプル法(CPP法)によっ
てトラッキングエラー信号の検出を行うことから、レン
ズのオフセットやディスクの反りに対しても安定したト
ラッキングエラー信号の検出ができ、組み立て時のアラ
イメントが大幅に簡素化される。また、発光部と受光部
とが同一基板上に形成されているため、部品点数の削減
が図れ、製造コストの低廉化や高信頼性化が実現でき
る。
【0046】しかしながら、上述のCPP法では、共焦
点光学系特有の欠点を有している。特に、ジャストフォ
ーカスでなく、デフォーカスが生じる場合に端的に現れ
る。
【0047】図21にその一例を示す。図21は、デフ
ォーカスが生じた場合のCPP法によるトラッキングエ
ラー信号とデトラック量との関係を示す数値計算結果の
一例である。ディスクは図18の計算で用いたものと同
じ形状のモデルとした。
【0048】図21より、±1μm以下の焦点深度内と
変わらない程度、あるいは焦点深度内でのデフォーカス
(通常、焦点深度内ではデフォーカスとは言わないが便
宜上こう呼ぶこととする)が生じる場合でも、CPP法
によるトラッキングエラー検出では、誤差を生じること
がわかる。また、図21中、曲線Gで示すデフォーカス
=−0.50μmの場合のように、本来のトラッキング
エラー信号(曲線Eで示すデフォーカス=0.00μm
の場合)とは周波数が異なる信号や、その他例えば倍の
周波数を有するトラッキングエラー信号になることがあ
る。また、曲線Hや曲線Iのように信号の正負が反転し
てしまうことがある。
【0049】一方、光ディスクの光学系では、信号の記
録・再生にあたり、トラッキングの制御と共にフォーカ
スの制御も必要となる。通常、フォーカスの制御では、
スポットサイズ法・非点収差法・ナイフエッジ法、等の
方法により、対物レンズの焦点深度以下の程度にデフォ
ーカス量を抑制している。しかし、デフォーカス量は、
常時0μmにされるわけではなく、焦点深度内での微妙
な変動が絶えず生じており、従って、CPP法によるト
ラッキングエラーの検出を行う場合には、ピット深さに
ついて検討する前に、デフォーカスの影響を考慮した補
正法、または検出法を採用する必要がある。
【0050】尚、ここでは特に取り上げないが、従来的
提案されているように発光部と受光部が個別素子として
用意され、組み合わせて作製する場合でも前述の位相差
検出法を適用することができる。
【0051】しかしながら、前述のいずれの位相差検出
法による検出方式においても、伝搬距離Lによって干渉
パターンが大きく変わるため、デバイス設計時の各値に
対応する形で分割PDの数及びパターン、演算方法を変
えなくてはならない。以下に、この点の説明と演算方法
について説明を加える。
【0052】対物レンズにおける各回折光の式を数2に
示す。数2において、R(0,0)は0次光、R(m,
n)は±1次光をそれぞれ示す。尚、数2中の各定数は
同一である。数2中デューティ比は、ディスクピット部
が全体に占める割合(0〜1)を示す。また、各回折光
の概念図を図3に示す。
【0053】
【数2】 R(0,0)=1+[α・exp{2kdepth}-1]・duty(r)duty(t) R(m,n)=[α・exp{2kdepth}-1]・duty(r)duty(t) ×sinc[m・ duty(r)]・sinc[n・duty(t)] ×exp[-2πi{n・a ωt/pitch(t)+m・detrack/pitch(r)}] (ただし、m,nは0,±1の値をとり、m=n=0の
場合を除く。) duty(r) :ディスクピットのラジアル方向のデューティ
ー比 duty(t) :ディスクピットのタンジェンシャル方向のデ
ューティー比 α :ディスク面の反射率 a :読みとりピット位置の半径 ω :角速度 t :時間 pitch(r):ディスクピットのラジアル方向のピッチ pitch(t):ディスクピットのタンジェンシャル方向のピ
ッチ depth :ピット深さ k :波数 detrack :デトラック量 sinc(x)=[sin(πx)]/(πx)
【0054】次に、ピットエッジからの各回折光につい
て、数2の計算式上でその素性について考えてみる。ま
ず、(0,−1)(0,+1)の各成分は、対物レンズ
上で見ると、その成分は+i及び−iの定数倍となり、
かつデトラック量に依存しない項である(図3及び数2
参照)。図3において、これらの成分は、ピットエッジ
付近で回折するビームが有する位相の、主な回転方向を
表し、(0,0)成分に対して±90°回転しているこ
とを示している。
【0055】一方,(+1,+1)や(−1,−1),
(+1,−1)等の矩形ピットの縁に相当する部分から
の回折光は、この主回転方向即ち図3において、Re軸
とIm軸がなす平面をバックグラウンドの位相として、
デトラック量に応じた量θだけさらに前後に回転してい
る。
【0056】図4に従来の位相差検出法における、
(0,−1),(0,+1)の回折成分の有無による干
渉パターンの変化を示す。図4A〜Cは通常の干渉パタ
ーン、図4D〜Fは(0,−1),(0,+1)の回折
成分を外したときの干渉パターンをそれぞれ示し、それ
ぞれデトラック量が−0.4μm,0.0μm,+0.
4μmの場合の干渉パターンを示す。尚、図4におい
て、フォトダイオードPDまでの伝搬距離L=500μ
m、レンズシフト0.00μm、デフォーカス0.00
μm、ピットの長さ2.08μm、ピットの深さλ/
4、測定時間0.64μ秒、線速度1.25m/s、時
間間隔2.56μ秒、PDの領域200×200(μ
m)の条件で測定している。
【0057】この図4に示すように、(0,−1),
(0,+1)成分を外すと、デトラックに対する干渉パ
ターンの変化が小さくなることから、この(0,−
1),(0,+1)がトラッキングエラー信号の振幅
(変調度)に大きく寄与することがわかる。
【0058】また、最終的にPD上での干渉パターンを
考える場合に、この(0,−1),(0,+1)が、
(+1,+1)や(−1,−1),(+1,−1)等に
比べて(0,0)との干渉度が大きいことを考慮すれ
ば、(0,−1),(0,+1)の各成分が、互いに重
ならない範囲で、かつできるだけ大きな範囲で分布する
ことが、変調度のより高い干渉パターンを得るための1
つの条件となる。また、(0,−1),(0,+1)の
各成分が、互いに重なる場合では、例えば本実施の形態
(三角柱CLC)ではまさにこの場合に該当するが、こ
れらの各成分はそれぞれの振幅に依存する形である程度
相殺されてしまうので、(+1,+1)や(−1,−
1),(+1,−1)等と(0,0)との干渉成分がト
ラッキングエラー信号の振幅(変調度)に主に効いてく
ることになり、このため大きな変調度は期待できない。
【0059】これらレンズ面での干渉パターンの振る舞
いは、遠視野におけるパターンの振る舞いと変わらない
ため、PD上の振る舞いとして考えてよい。また、伝搬
経路の途中にナイフエッジがあるようなケースにおいて
も、ナイフエッジによる回折の影響はあるものの、ディ
スク面から得られる位相情報は、フレネル回折やフラウ
ンホッファー回折におけるフーリエ変換作用後において
も保持されるので、従来型と同様に考えてよい。
【0060】以上の考察を踏まえて、本実施の形態の構
成において、PD上での各干渉パターンと、ランディン
グ位置について、実施例となる計算結果を図5〜図8に
示す。これらはそれぞれ、図5及び図6は伝搬距離Lが
100(μm)の場合、図7及び図8は伝搬距離Lが5
00(μm)の場合についての、簡易モデルにおける計
算例である。尚、用いた簡易モデルは、図14A及び図
14Bに示すように、ピットPからの戻り光LR を対物
レンズ3で収束し、その戻り光の共焦点位置にナイフエ
ッジKEを配置し、ナイフエッジKEで一部が切り取ら
れた戻り光LR ′を4分割された光検出器PDで検出す
る構成のモデルである。
【0061】これらの結果と、図9及び図10に示す従
来型(三角柱状の半導体構造によるナイフエッジがない
構造)の位相差検出法の計算結果との比較から、以下の
ように判断できる。
【0062】1)図1の実施の形態に示す三角柱状の半
導体構造4を用いたCLC構造では、明らかに従来型に
比べて(0,−1),(0,+1)と(0,0)の干渉
面積が小さく、従って変調度はより小さい方向となる。
さらに(0,−1),(0,+1)間の重なり度も大き
いため、矩形ピットの縁部分の回折成分が、トラッキン
グエラー信号に寄与する部分が大きく、変調度はより小
さいものしか期待できない。
【0063】上述のいずれの変調度の低下も、共焦点位
置でのナイフエッジの効果によるランディング位置と、
その分布状態の変化に起因するところが大きいが、0次
光の分布領域と他の各回折光との干渉の度合いが、PD
上での干渉パターンにとって支配的である。
【0064】2)図1の実施の形態に示す三角柱状の半
導体構造4を用いたCLC構造について、PDまでの伝
搬距離Lの違いと干渉パターンについて考えると、共焦
点位置で回折されたPD上での2つの光量グループの各
パターンは、L=500(μm)では、(0,0)光が
大きく拡がっているため、(0,0)光の及び範囲と、
(+1,+1)や(−1,−1),(+1,−1)等の
矩形ピットの縁からの各回折光のランディング位置と
で、充分な重なりが得られている。また、(0,−
1),(0,+1)の各成分はほとんど重なった状態に
あるが、各振幅の違いにより、完全にはキャンセルされ
ず、ある程度の変調度の向上に寄与している。
【0065】従って、従来型に比べると変調度は低いも
のの、PD上の上下2つの干渉パターンのグループにお
いて、それぞれある程度の干渉が得られ、従来型と比較
的よく似た干渉パターンを得ることが可能となってい
る。
【0066】一方、L=100(μm)の場合は、上半
分では、(0,0)光が回折光と同様の大きさ程度にし
か分布しておらず、このため他の各回折光との干渉は、
ディスクのラジアル方向において分離できない程度の範
囲でしか分布していない。ただしこれらは、ピットエッ
ジの方向と共焦点位置のナイフエッジの方向で決まるパ
ターンと密接に関係しており、共焦点位置で切り取られ
るパターンによっては、うまく分離されることもあるよ
うである。一方、下半分では、ベースとなる(0,0)
光が比較的よく広がっており、他の回折光との干渉が得
られやすい状況になっている。
【0067】両方のピットエッジでの回折から得られる
各トラッキングエラー信号は、その振幅の符号が逆であ
り、一方レンズシフトによって生じるDCオフセット
は、各ピットエッジにおいて同一方向となることから、
これらの信号を組み合わせることで、レンズシフト時に
おいても、DCオフセットをキャンセルできる。従っ
て、ピットエッジの方向に大きく左右されない形で、比
較的安定なトラッキングエラー信号を形成する成分とし
て期待できる。
【0068】以上の結果を考慮することで、三角柱状の
半導体構造4を用いたCLC構成における演算パターン
を決定することができる。ここで、実際に分割PDを2
分割とするのか、あるいは4分割とするのかについての
明確な基準はないため、PDまでの伝搬距離Lによっ
て、それぞれ回折パターンを2分割又は4分割とし、ピ
ットエッジでの信号検出回数もこれに合わせて1又は2
回とする。また、図11A及び図11Bにそれぞれ2分
割、4分割の場合のフォトダイオードの分割位置を示
す。図11Aより2分割する場合には下半分の干渉パタ
ーンを用いる。
【0069】さらに、図12にピットエッジの概略図を
示す。図12Aは一方のピットエッジpit edge(1)、
図12Bは他方のピットエッジpit edge(2)における
検出位置をそれぞれ示す。図中上下の矢印は記録媒体の
移動方向、水平の矢印は検出方向を示す。ビームスポッ
トSが移動して、各ピットエッジpit edge(1),pit
edge(2)において検出を行う。
【0070】そして、トラッキングエラー信号TEとし
て、例えば次の数3、数4及び数5に示すような信号を
用いる。フォトダイオードを4分割する場合は、伝搬距
離Lによって数4又は数5を選択する。尚、数3〜数5
中Cは定数を示す。また、※pit edge( 1) は、一方の
ピットエッジからの回折光による第1の検出信号を表
し、※pit edge( 2) は、他方のピットエッジからの回
折光による第2の検出信号を表す。
【0071】
【数3】
【0072】
【数4】 4分割の場合: TE=(PD1 +PD4 )−(PD2 +PD3 )※pit edge( 1) 又は TE=(PD1 +PD4 )−(PD2 +PD3 )※pit edge( 2)
【数5】 4分割の場合: TE=[(PD1 +PD4 )−(PD2 +PD3 )]※pit edge( 1) −C・[(PD1 +PD4 )−(PD2 +PD3 )]※pit edge( 2)
【0073】図5及び図6に示した、伝搬距離L=10
0μmの場合に、数3により計算したトラッキングエラ
ー信号TEを図13に示す。図13AはレンズシフトL
Sに対するトラッキングエラー信号TEの変化、図13
Bはデフォーカスdfに対するトラッキングエラー信号
TEの変化、図13Cはディスクピットのデューティd
utyとトラッキングエラー信号TEとの関係をそれぞ
れ示す。いずれもトラッキングエラー信号TEのオフセ
ットや位相反転がなく、良好なトラッキングエラー信号
TEが得られていることがわかる。
【0074】上述のように一方のピットエッジからの回
折光による第1の検出信号と他方のピットエッジからの
回折光による第2の検出信号との演算を行うことによ
り、ピット深さがλ/4nの光学記録媒体に対してもト
ラッキングエラー信号の検出を行うことができる。ま
た、実際のフォーカスサーボに対応したわずかなデフォ
ーカスを有する場合でも、トラッキングエラー信号の検
出を正確に行うことができる。
【0075】特に、L=100μm等伝搬距離Lが短い
場合には、第1の検出信号と第2の検出信号とを演算す
ることにより、他の検出方法よりも正確にトラッキング
エラー信号を得ることができるため、より小型化された
光学装置に適用すると効果が大きい。
【0076】尚、フォーカスエラー信号は、三角柱状の
半導体構造4に近い側と遠い側の比較により、即ち例え
ばc(PD2 +PD3 )−d(PD1 +PD4 )(c,
dは定数)によって、検出することができる。
【0077】上述の光学装置によれば、CLCデバイス
とトラッキングサーボ信号の検出に特徴を有することに
より、下記の利点を有する。 (1)従来の通常の位相差検出方式と同様に、トラッキ
ングエラー信号がレンズシフトに強くなる。 (2)トラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信
号の検出のために付加する光学部品がないため、部品点
数を削減した簡素な光学系を構成することができる。従
って、組立行程及び調整行程の簡素化を図ることができ
る。 (3)部品点数の削減及び工程の簡素化により製造コス
トが低減できる。 (4)付加する光学部品がないため、光学的ロスが低減
され、低消費電力化できる。 (5)同一の半導体基体に半導体レーザ、光検出素子、
及び三角柱状の半導体構造を形成するので、完成後の経
時変化が少ない。 (6)小型軽量化が実現可能で、これによる応答速度の
向上が図られる。 (7)従来とほぼ同等の消費電力のままで、より高速な
線速度を有する光学記録媒体の記録・再生ができる。 (8)半導体バッチプロセスにより素子を作製できるた
め、安価に製造することができる。 (9)半導体レーザLDの端面近傍に形成される半導体
構造の結晶成長は、所定の形状を成長させた後成長が自
動的に停止するため、設計通りに半導体構造を形成する
ことができ、歩留まり良く製造することができることか
ら、安価で再現性良く製造することができる。
【0078】本発明の光学装置は、上述の例に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその
他様々な構成が取り得る。
【0079】
【発明の効果】上述の本発明による光学装置によれば、
半導体レーザの形成部における半導体基体の基板表面か
ら所要の深さをもって後退して形成された、半導体基体
の凹部に光検出素子が形成されているため、反射面によ
り光検出素子に照射される収束手段からの戻り光の回折
パターンをよく分離して光検出素子にて受光することが
できる。これにより、デフォーカスに起因するトラッキ
ングエラー信号の変動をなくして、より正確にトラッキ
ングサーボを行うことができる。また、レンズシフトに
よるトラッキングエラー信号のオフセットも従来に比べ
て大きく低減できる。
【0080】特に、光学記録媒体のピットの一方のピッ
トエッジからの回折光により得られた第1の検出信号と
他方のピットエッジからの回折光により得られた第2の
検出信号とを演算したことにより、ピット深さがλ/4
nである規格のディスクに対しても、充分なトラッキン
グエラー信号を検出することができる。
【0081】そして、トラッキングエラー信号の検出の
ために付加する光学部品がないため、部品点数を削減し
た簡素な光学系を構成できる。このため、調整工程の簡
素化が実現できる。これにより、光学装置の低製造コス
ト化を図ることができ、また光量のロスが低減されて低
消費電力化が図られる。
【0082】また、本発明により光学装置を小型軽量化
することができ、さらに応答速度の向上がなされる。従
って本発明により、従来の消費電力で、より高速な線速
度を有する光学記録媒体の記録・再生が可能となる。
【0083】また、本発明により、光学装置の組立後の
経時変化を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置の一例の概略構成図(斜視
図)である。
【図2】A 図1の光学装置の側面図である。 B 図1の光学装置の平面図である。
【図3】対物レンズ面における各回折光の概念図であ
る。
【図4】A〜F (0,−1),(0+1)の回折成分
の有無による干渉パターンの差異を説明する図である。
【図5】伝搬距離が100μmの場合のフォトダイオー
ド上での各回折光のランディング位置を示す図である。
【図6】伝搬距離が100μmの場合のフォトダイオー
ド上での干渉パターンを示す図である。 A〜C 第1のピットエッジによる場合の図である。 D〜F 第2のピットエッジによる場合の図である。
【図7】伝搬距離が500μmの場合のフォトダイオー
ド上での各回折光のランディング位置を示す図である。
【図8】伝搬距離が500μmの場合のフォトダイオー
ド上での干渉パターンを示す図である。 A〜C 第1のピットエッジによる場合の図である。 D〜F 第2のピットエッジによる場合の図である。
【図9】従来型の場合のフォトダイオード上での各回折
光のランディング位置を示す図である。
【図10】従来型の場合のフォトダイオード上での干渉
パターンを示す図である。 A〜C 第1のピットエッジによる場合の図である。 D〜F 第2のピットエッジによる場合の図である。
【図11】フォトダイオードの分割の位置関係を示す図
である。 A フォトダイオードを2分割する場合である。 B フォトダイオードを4分割する場合である。
【図12】A、B ピットエッジの概略図である。
【図13】図5及び図6の場合のトラッキングエラー信
号の特性を示す図である。 A レンズシフトに対するトラッキングエラー信号の変
化である。 B デフォーカスに対するトラッキングエラー信号の変
化である。 C ディスクピットのデューティとトラッキングエラー
信号との関係である。
【図14】A、B 計算に用いた光学系のモデルを示す
図である。
【図15】従来の光学装置の概略構成図である。
【図16】A、B プッシュプル法によるトラッキング
サーボを説明する図である。
【図17】プッシュプル法における問題点を説明する図
である。 A レンズがシフトした場合のオフセットを示す図であ
る。 B レンズが傾いた場合のオフセットを示す図である。
【図18】従来のプッシュプル法によるトラッキングエ
ラー信号である。
【図19】3スポット法によるトラッキングサーボを説
明する図である。
【図20】ヘテロダイン法によるトラッキングサーボを
説明する図である。
【図21】CPP法によるトラッキングエラー信号とデ
フォーカス量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、1a…凹部、2…光ディスク、3…対
物レンズ、4…三角柱状の半導体構造、7…光半導体素
子、10…光学装置、51…レンズ、52…ディスク、
F …発射光、LR …戻り光、M1 ,M2 …反射面、L
D…半導体レーザ、T…ディスクのタンジェンシャル方
向、P…ディスクのピット、PD,PDR,PDL ,P
1 ,PD2 ,PD3 ,PD4 …フォトダイオード
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】このとき、CLC構成を成す共焦点光学系
においては、焦点位置近傍に回折した光線全て、即ち0
次及び±1次光で形成される2次元回折パターンが、
焦点上の同一面内に、分布を持ちながらも全て重なる特
徴を有するために、戻ってきた光の一部を切り取るよう
な本実施の形態の場合においても、すべての回折成分が
4分割フォトダイオードPDのある方向に伝搬する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】従来のプッシュプル信号の場合に、上述の
ようにレンズのラジアル方向(ディスク52のグルーブ
溝とは垂直な方向)におけるシフトがトラッキングエラ
ー信号に与える影響を図18に示す。尚、縦軸は相対値
で表している。ディスクは、グルーブのピッチが1.6
0μm、グルーブのデプス(深さ)が波長/8、デュー
ティ(duty:グルーブの比率)が65%のディスク
として計算を行った。また、波長は0.78μmとし
た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】また、プッシュプル法においては、再生用
レーザの波長をλ、ディスク52の透明基板の屈折率を
nとするとき、ディスク52のピットの深さがλ/4n
である場合に、0次回折光と±1次回折光との干渉によ
り信号が0となるため、原理的にトラッキングエラー信
号の検出ができなくなる。従って、ピットの深さがλ/
4nである規格のディスク52には用いることができな
い。例えば、DVD(Dedital Versatile Disk)−RO
M、DVD−Videoはこのピットの深さがλ/4n
付近の規格であるため、プッシュプル法の適用はできな
い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】尚、ここでは特に取り上げないが、従来
提案されているように発光部と受光部が個別素子とし
て用意され、組み合わせて作製する場合でも前述の位相
差検出法を適用することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】しかしながら、本発明において、前述の位
相差検出法による検出方式を適用する場合、伝搬距離L
によって干渉パターンが大きく変わるため、デバイス設
計時の各値に対応する形で分割PDの数及びパターン、
演算方法を変えなくてはならない。以下に、従来技術と
しての位相差検出法のモデルを用いて、この点の説明と
演算方法について説明を加える。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】次に、ピットエッジからの各回折光につい
て、数2の計算式上でその素性について考えてみる。
ットエッジ近傍での検出においては、(0,−1)
(0,+1)の各成分(対物レンズ上で見ると)
その成分は+i及び−iの定数倍となるような検出位置
が存在するが、その場合同成分は、デトラック量に依存
しない項である(図3及び数2参照)。図3において、
これらの成分は、ピットエッジ付近で回折するビームが
有する位相の、主な回転方向を表し、(0,0)成分に
対して±90°回転していることを示している。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】図4に従来の位相差検出法における、
(0,−1),(0,+1)の回折成分の有無による干
渉パターンの変化を示す。図4A〜Cは通常の干渉パタ
ーン、図4D〜Fは(0,−1),(0,+1)の回折
成分を外したときの干渉パターンをそれぞれ示し、それ
ぞれデトラック量が−0.4μm,0.0μm,+0.
4μmの場合の干渉パターンを示す。尚、図4におい
て、フォトダイオードPDまでの伝搬距離L=500μ
m、レンズシフト0.00μm、デフォーカス0.00
μm、ピットの長さ2.08μm、ピットの深さλ/
4、測定時間0.64μ秒、線速度1.25m/s、時
間間隔2.56μ秒、PDの領域200×200(μ
m)の条件で算出している。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】以上の考察を踏まえて、本実施の形態の構
成において、PD上での各回折光のランディング位置
と、干渉パターンの計算結果を図5〜図8に示す。これ
らはそれぞれ、図5及び図6は伝搬距離Lが100(μ
m)の場合、図7及び図8は伝搬距離Lが500(μ
m)の場合についての、簡易モデルにおける計算例であ
る。図5、図7がランディング位置、図6、図8が干渉
パターンをそれぞれ示している。尚、用いた簡易モデル
は、図14A及び図14Bに示すように、ピットPから
の戻り光LR を対物レンズ3で収束し、その戻り光の共
焦点位置にナイフエッジKEを配置し、ナイフエッジK
Eで一部が切り取られた戻り光LR ′を4分割された光
検出器PDで検出する構成のモデルである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】これらの結果と、図9及び図10に示す従
来型(三角柱状の半導体構造によるナイフエッジがない
構造)の位相差検出法の計算結果との比較から、以下の
ように判断できる。尚、図9はランディング位置、図1
0は各回折光からなる実際の干渉パターンを、それぞれ
遠視野領域に設置した検出器上で検出することを想定
し、算出したものである。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】従って、従来型に比べると変調度はやや
いものの、PD上の上下2つの干渉パターンのグループ
において、それぞれある程度の干渉が得られ、従来型と
比較的よく似た干渉パターンを得ることが可能となって
いる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】図5及び図6に示した、伝搬距離L=10
0μmの場合に、数3により計算したトラッキングエラ
ー信号TEを図13に示す。図13AはレンズシフトL
Sに対するトラッキングエラー信号TEの変化、図13
Bは焦点深度内程度のわずかなデフォーカスdfに対す
るトラッキングエラー信号TEの変化、図13Cはディ
スクピットのデューティdutyとトラッキングエラー
信号TEとの関係をそれぞれ示す。いずれもトラッキン
グエラー信号TEのオフセットや位相反転がなく、良好
なトラッキングエラー信号TEが得られていることがわ
かる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】図5及び図6の場合のトラッキングエラー信
号の特性を示す図である。 A レンズシフトに対するトラッキングエラー信号の変
化である。 B 焦点深度内程度のわずかなデフォーカスに対するト
ラッキングエラー信号の変化である。 C ディスクピットのデューティとトラッキングエラー
信号との関係である。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図20
【補正方法】変更
【補正内容】
【図20】位相差検出法によるトラッキングサーボを説
明する図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射面にピットが形成された光学記録媒
    体から成る被照射部と、 半導体レーザと、三角柱状の半導体構造と、光検出素子
    とが、同一半導体基体に形成された半導体部と、 上記半導体レーザからの発射光を上記被照射部に収束照
    射し、更に上記被照射部から反射された戻り光を収束さ
    せる収束手段とを有し、 上記三角柱状の半導体構造は、上記半導体レーザからの
    発射光を反射させる第1の反射面と、上記収束手段から
    の戻り光の一部を上記光検出素子に照射させる第2の反
    射面を有して成り、 上記三角柱状の半導体構造の上記第1の反射面及び第2
    の反射面は、上記収束手段の焦点面近傍に形成され、 上記光検出素子によって検出した、上記光学記録媒体に
    形成された上記ピットの一方のピットエッジからの回折
    光による第1の検出信号と、該ピットの他方のピットエ
    ッジからの回折光による第2の検出信号とを演算するこ
    とによって、トラッキングエラー信号を得るようにした
    ことを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】 上記三角柱状の半導体構造の上記第1の
    反射面及び第2の反射面が上記半導体基体に結晶成長さ
    せた所定の結晶面によって構成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の光学装置。
  3. 【請求項3】 上記光検出素子が2分割もしくは4分割
    されて成ることを特徴とする請求項1に記載の光学装
    置。
  4. 【請求項4】 上記半導体基体には、上記半導体レーザ
    の形成部における上記半導体基体の基板表面から、所要
    の深さをもって後退する凹部が形成されて、該凹部に上
    記光検出素子が形成されて成ることを特徴とする請求項
    1に記載の光学装置。
JP9273549A 1997-09-19 1997-09-19 光学装置 Abandoned JPH1196571A (ja)

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