JPH1196536A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH1196536A
JPH1196536A JP26123697A JP26123697A JPH1196536A JP H1196536 A JPH1196536 A JP H1196536A JP 26123697 A JP26123697 A JP 26123697A JP 26123697 A JP26123697 A JP 26123697A JP H1196536 A JPH1196536 A JP H1196536A
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magnetic
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JP26123697A
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Noriyuki Kitaori
典之 北折
Kazutoshi Otsuka
和俊 大塚
Akira Ishikawa
彰 石川
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性及び電気磁気的特性の両者に優れ
た塗布型の磁気記録媒体の提供。 【解決手段】 磁気記録媒体は、支持体1と、支持体1
上に斜め蒸着法により形成された下層磁性層2と、下層
磁性層2上に塗布法により形成された上層磁性層3とを
具備する。下層磁性層2は、下方から入射される蒸着蒸
気に対して支持体を斜め上方に向けて走行させることに
より支持体上に成膜され、支持体表面に対する傾きが支
持体から離れるにつれて減少する、表面酸化された湾曲
コラムより形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関す
る。特に本発明は、機械的耐久性に優れ、かつ消磁率の
高い磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープのような磁気記録媒体に対す
る高密度記録化への要求は、ますます強くなってきてい
る。これに伴い、高い磁気特性を有する金属薄膜型の磁
気記録媒体が注目されている。しかしながら、金属薄膜
型の媒体は塗布型の媒体よりも生産性が低く、また価格
も高いため、依然として市場では従来の塗布型の磁気記
録媒体が主流である。また塗布型媒体に適合したビデオ
デッキなどの磁気記録再生装置が現状では大勢を占めて
いることなどからも、塗布型は塗布型の磁気記録媒体と
して、その特性を改良しようとする試みが、なお数多く
なされている。
【0003】ところで、磁気記録媒体に要求される特性
はその用途によっても様々であるが、基本的には記録/
再生能力を決定付ける保磁力などの電気磁気的特性と、
耐久性などの機械的特性の双方を併せ持つことが必要で
ある。これらの特性の改善を目的として従来から日夜努
力が行われていることは、文献を示すまでもなく顕著な
事実である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】塗布型の磁気記録媒体
において、電気磁気的特性に関する改良としては、磁性
粒子の保磁力の向上がある。これは例えば、磁性粒子を
γ−酸化鉄や二酸化クロム等の酸化物粉から、鉄やコバ
ルト、ニッケル等を主成分とするメタル粉へと変更する
ことや、磁性粒子の形状に関する工夫などにより、磁性
層を形成する際の工程の変更や装置の複雑化を伴わず
に、保磁力の向上を図るものである。しかしながら、高
保磁力化は消磁率の低下という別の問題を提起する。即
ち一般に磁気記録媒体は何度も上書きして使用されるの
が常態であるが、保磁力が高い場合には出力も高い反
面、先に記録された信号の消去が行われにくくなる。本
発明の一つの課題は、この問題に対して適切に対処する
ことである。
【0005】一方、磁気記録媒体に要求されるの典型的
な機械的特性としては、例えば塗布された磁性層が使用
時に破損したり剥離したりしないこと等が挙げられる。
磁気記録媒体は磁気ヘッドと当接して高速摺動して走行
するものであり、またスチルモードなどでは同一個所が
連続的に擦られるから、電気磁気特性が同じであるなら
ば、磁気記録媒体の機械的耐久性はできるだけ大きい方
が良い。一般には、支持体と磁性層の間に樹脂層を塗布
して中間層を形成して両者の結着性を改善するなどによ
って耐久性の向上が図られているが、しかしこのような
手法は、磁気記録媒体の厚みを徒に増大させることにも
なりかねない。本発明の別の課題は、中間に設けられた
層によって支持体と磁性層との結着性を向上させて耐久
性の改善を図ると同時に、この中間層に同時に電気磁気
的な他の役割を担わせ、かくして電気磁気的特性と機械
的特性とが同時に改善された磁気記録媒体を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、支持体上に斜め蒸
着法により形成された所定の湾曲コラムを有する磁性層
の上に、さらに塗布法により磁性層を重ねて形成するこ
とにより、耐久性が増し、かつ消磁率の高い磁気記録媒
体を得ることができることを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち本発明は、支持体と、この支持体の
一方の表面上に斜め蒸着法により形成され、支持体表面
に対する傾きが支持体表面から離れるにつれて減少する
よう湾曲したコラムを有して成膜された下層磁性層と、
この下層磁性層上に塗布法により形成された上層磁性層
とを具備する磁気記録媒体を提供するものである。
【0007】ところで特開平3-207013号公報には、支持
体両面に斜め蒸着薄膜を配し、その少なくとも一方の上
面に塗布磁性層を配した磁気記録媒体が開示されてい
る。しかしこの磁気記録媒体では、蒸着薄膜はチタンや
アルミニウム、珪素等の非磁性元素によるものであって
磁性層ではなく、繰り返し使用に対する耐久性の向上を
図ることはできるが、同時に消磁率のような電気磁気的
特性を改善するには至っていない。またコラムについて
も何も開示はされていない。
【0008】本発明の磁気記録媒体は、支持体から離れ
るにつれて支持体表面に対する傾きが減少するコラムに
より下層磁性層が形成されており、高い消磁率を得るこ
とを可能にしている。また下層磁性層の上層磁性層との
界面部分は、斜め蒸着法において蒸着蒸気が最も粗な蒸
着領域に由来するために適度に荒れており、それにより
下層磁性層と上層磁性層との間に優れた結着性が得られ
るものと考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体は、支持体
と、支持体上に斜め蒸着法により形成されたコラムを有
して成膜された下層磁性層と、この下層磁性層上に塗布
法により形成された上層磁性層とを具備する。図1A
は、こうした本発明による磁気記録媒体の一例を、磁気
テープとして具体化した典型的な例を示す。図1Aにお
いて、1は支持体、2は支持体1上に形成された斜め蒸
着による下層磁性層、3は下層磁性層2上に形成された
塗布法による上層磁性層である。4はバックコート層で
あり、支持体1の磁性層とは反対側の面に形成されてい
る。下層磁性層2は斜め方向に成長するコラム構造を有
し、コラムは支持体表面から離れるにつれて、即ち支持
体1から上層磁性層3に向かう成長方向に沿って、支持
体表面に対する傾きが減少していくように湾曲してい
る。またコラムは全体として図示のように、支持体表面
に対して角度θをなしているが、ここでいう角度θはコ
ラム全体としての傾きが支持体表面と挟む角度を指して
いる(図1B参照)。なおコラムの各々は後述のように
表面(周囲)が酸化されたものであることが好ましい。
【0010】支持体1を構成する材料としては、例えば
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン
ナフタレート(PEN)のようなポリエステル;ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;セルロー
ストリアセテート、セルロースジアセテート等のセルロ
ース誘導体;ポリカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリ
イミド;芳香族ポリアミド等が挙げられる。価格の点か
らはPETが好ましいが、要求される性能に応じてPE
Nやポリアミド等の材料も適宜使用される。
【0011】支持体1の表面に形成される下層磁性層2
は、支持体から離れるにしたがいコラムが支持体に対し
てなす傾きが小さくなるように、通常の磁気記録媒体の
製造に用いられる強磁性金属材料を使用して斜め蒸着法
により形成することができる。この磁性層の厚みは特に
限定されないが、50〜500nmが好ましく、実用上は特に8
0〜300nmであることが好ましい。また蒸着により下層磁
性層を形成する際に酸化性ガスを導入し、コラム表面を
酸化し、磁気特性のコントロールや耐久性の向上を図る
ことができる。また下層磁性層は、支持体表面に対して
一定の角度を有するコラムより形成されることが好まし
い。コラムが支持体表面に対してなす角度(図1Bの
θ)は特に限定されるものではないが、30〜70°である
ことが好ましい。またコラムの支持体表面に対する角度
は、磁気テープの長手方向側面に対して直角方向から見
た断面図により、例えば透過型電子顕微鏡を用いて得た
TEM像から求めることができる。
【0012】本発明の下層磁性層2を形成する強磁性金
属材料としては、例えばCo、 Ni、Fe等の強磁性金属、
或いはFe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Cu、
Co−Cu、Co−Au、Co−Y 、Co−La、Co−Pr、Co−Gd、Co
−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、Mn−Sb、Mn−Al、Fe−
Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Ni−Co−Cr等の強磁
性合金が挙げられる。特にCoを主成分とする強磁性合金
及びこれらの窒化物、炭化物から選ばれる少なくとも1
種が好ましい。Coを主成分とする磁性合金は、耐食性に
優れ、上層磁性層を形成する際に使用されるバインダー
などにより錆が生ずることもなく、しかも飽和磁束密度
が大きいことから透磁率を大きくとることができる。
【0013】本発明によれば、上層磁性層3は、従来公
知の塗布法により、通常の磁気記録媒体の製造に用いら
れる磁性粉を使用して形成することができる。上層磁性
層の厚みは0.05〜3.0μmであることが好ましい。この磁
性層は単層であっても、また特に高周波領域での出力特
性を改善することを目的として二層以上の多層であって
もかまわない。磁性粉としては、Co被着Fe3O4、Co被着F
e2O3、Co被着FeOx(x=1.33〜1.50)又はコバルトフェ
ライトを被着したFe3O4、Fe2O3、FeOx(x=1.33〜1.5
0)等のコバルト含有酸化鉄粉、バリウムフェライト
粉、鉄粉あるいは鉄を主成分として適宜Co、Ni等を添加
して合金とした耐酸化性・耐食性を改善したメタル粉等
を挙げることができる。また磁性粉の形状としては、針
状、板状、紡錘状などの何れでもよいが、長軸長が0.05
〜0.2μm、短軸長が0.01〜0.03μm、BET法による比表面
積が45〜80m2/gのものが好ましい。これらの中でもメ
タル粉、特に針状のメタル粉は良好な磁気特性を示すこ
とから好ましい。なおここで針状とは、長軸長と短軸長
の比が3〜20程度のものを指す。
【0014】本発明において使用される針状のメタル粉
は、出力特性の点から保磁力が1700〜2600 Oeであるこ
とが好ましい。またさらなる出力の向上あるいは低ノイ
ズ化の点からは、針状のメタル粉のBET比表面積が大
きいほどよく、具体的には45m2/g以上であることが望
ましい。但し、75m2/gを超えると粒子が余りにも小さ
くなり過ぎるため、現状の分散技術では分散できず、実
用的ではない。加えて高密度記録化のためには針状のメ
タル粉の粒径ができるだけ小さいことが好ましく、特に
長軸長が0.12μm以下であることが好ましい。但し、0.0
3μm以下であると熱ゆらぎによって高い磁気エネルギー
を示さなくなるので、実用上は0.03μm以上を必要とす
る。また本発明によれば、磁気特性を一定とするなどの
ためには、磁場を印加するなどの方法により針状のメタ
ル粉を長手配向させることが好ましい。
【0015】上層磁性層3の表面は、平滑なほど良好な
ヘッドタッチを得ることができるが、具体的には表面の
算術平均粗さ(Ra)が5nm以下であることが好まし
い。表面を平滑にする方法は特に限定されないが、磁性
塗料を塗布乾燥後研磨する方法や磁性塗料を塗布し、乾
燥前にスムーザーを通す方法等を挙げることができる。
なお本発明で規定するRaは、JIS規格にあるJIS B0
601-1994に規定される中心線平均粗さ、即ち算術平均粗
さ(Ra)であり、下記の式によって定義される。
【0016】
【数1】
【0017】・針:針径1.5〜2.5μm、曲率60° ・触針圧:5〜30mg ・測定長:400μm ・カットオフ:80μm ここで、粗さ曲線からその平均線の方向に規準長さ抜き
取った部分の平均線方向をx軸、縦倍率方向をy軸とし
た際の粗さ曲線をy=f(x)とし、規準長さをL(μ
m単位)とする。また測定片は、顕微鏡用のJIS-R-3502
を満足する物性のスライドグラス上に、水又はエタノー
ルで貼り付けて測定する。この際、過剰の水又はエタノ
ールがあると再現性の良い結果が得られないので、ある
程度の水又はエタノールが蒸発し、スライドグラスの裏
側から見て緩衝縞が見える状態の間に測定したものをR
aの値とする。
【0018】本発明においては、支持体1の磁性層とは
反対の面に、例えばめっき法、塗布法、真空成膜法等の
公知の方法により、バックコート層4を備えることがで
きる。バックコート層は、例えばCuやNi、Al等の金属あ
るいは例えばSi、Ge等の半金属もしくはこれらの酸化物
や窒化物、炭化物により形成することができる。バック
コート層の厚みは、例えばめっき法や真空成膜法によれ
ば0.4μm以下、塗布法によれば0.9μm以下である。本発
明の磁気記録媒体においては、バックコート層を形成す
る方法や形成する材質、厚み等は、磁気記録媒体の用途
あるいは支持体上に形成される磁性層との硬さの関係等
により適宜決めることができる。さらに、金属や半金属
等のバックコート層の上に、さらに公知のカーボンとバ
インダーを含む塗料を塗布してバックコート層を形成し
てもよい。
【0019】次に本発明の磁気記録媒体を製造するに好
適な方法の一例について述べる。本発明の磁気記録媒体
を製造するのに適する真空蒸着装置10を図2に示す。真
空チャンバー11は図示しない真空排気装置に接続されて
いる。真空チャンバー11内には冷却キャンロール12、巻
き出しロール13a、巻き取りロール13b、磁性材料16を収
容するルツボ15、防着板17a、17b、ガス導入管18、電子
銃19等が適宜配置されている。
【0020】この真空蒸着装置10を使用して、先ずPE
Tなどの支持体上に、斜め蒸着により下層磁性層を形成
する。真空チャンバー11内を所定の真空度とした後、ベ
ースフィルム14を巻き出しロール13aから冷却キャンロ
ール12を経て巻き取りロール13bへと走行させる。電子
銃19からの電子ビームによりルツボ15内の磁性材料16は
溶融され、磁性材料16の蒸気が発生して蒸着雰囲気とな
る。磁性材料16の蒸着蒸気は、防着板17a、17bにより規
制された蒸着領域内において、冷却キャンロール12上を
下方から上方へと走行するベースフィルム14上に付着す
る。この際にガス導入管18からは酸化性ガスを導入する
ことができる。これにより支持体側から上層磁性層側へ
と傾きが減少するよう湾曲したコラムからなる下層磁性
層が形成される。成膜されたベースフィルム14は、巻き
取りロール13bに巻き取られる。このように本発明の下
層磁性層は、下方から入射される蒸着蒸気に対して支持
体を斜め上方に向けて走行させる、上記のような斜め蒸
着法によって支持体上に成膜される。なお上記からも理
解されうるように、「斜め上方」とは必ずしも直線経路
を意味するものではない。
【0021】続いて上層磁性層を形成する。下層磁性層
が形成された支持体を走行させて、例えば強磁性粒子と
バインダーとを溶剤を用いて混合、分散して得られた磁
性塗料を、グラビアロールコーターやダイヘッドを用い
て下層磁性層上に塗布して塗膜を形成する。その後スム
ージングにより塗膜を平滑化し、必要に応じて上層磁性
層中の磁性粒子を長手方向に配向させ、さらに塗膜に含
まれる溶剤を蒸発させる。その後例えばカレンダーロー
ルによって、磁性層表面の平滑化処理を行うことができ
る。
【0022】さらに支持体の磁性層とは反対側の面に、
必要に応じてバックコート層を塗布法あるいは蒸着法等
により形成することができる。その後、用途に応じてス
リッターにより所定の寸法に裁断し、カセットにローデ
ィングして製品とされる。
【0023】
【実施例】
実施例1 厚み6μmのポリエチレンテレフタレート(PET)テ
ープ上に、図2の如き真空蒸着装置を用いて、100nmの
厚みでコバルトからなる磁性層を成膜し、下層磁性層と
した。使用したコバルトの純度は99.9%であった。また
テープの走行速度は1.2m/min、電子銃出力は12kW、酸
素ガス流量は45SCCM、蒸着蒸気の最小入射角は45°、最
大入射角は88°とした。
【0024】次いで、成膜された下層磁性層の上に、下
記の磁性塗料を下記の方法で調整塗布し、上層磁性層を
形成した。
【0025】 [磁性塗料] ・鉄を主体とする強磁性粉末 100部 (保磁力 1750 Oe(140kA/m)、飽和磁化 123emu/g(1.55×10-5Wb/g)、平均 長軸長0.16μm、針状比9) ・研磨剤(α−アルミナ:平均粒径0.2μm) 12部 ・帯電防止剤(カーボンブラック:平均粒径0.028μm) 1部 ・結合剤 塩化ビニル系共重合体樹脂 9部 (商品名 MR104 日本ゼオン(株)製) スルホン酸基含有ポリウレタン系樹脂 19部 (商品名 UR8300 東洋紡績(株)製 固形分濃度30%品) ・潤滑剤 ミリスチン酸 2部 ブチルステアレート 0.5部 2−エチルヘキシルステアレート 0.75部 ・硬化剤 イソシアネート系硬化剤 4部 (商品名 コロネートHX 日本ポリウレタン(株)製) ・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン=3/3/1の混合溶剤) 220部 [調整方法]強磁性体、研磨剤、帯電防止剤、結合剤、
潤滑剤の一部に溶剤を加えて混合し固練りした後、さら
に溶剤を加えて希釈、撹拌し、分散処理を施して混練物
とした。撹拌を行いながら残りの潤滑剤を添加した後、
塗布に適した固形濃度になるように溶剤を添加し、撹拌
を行いながら硬化剤を添加して磁性塗料とした。
【0026】[塗布方法]支持体を走行させ、除塵処理
等を施した後に、エクストルージョンタイプの装置(シ
ングルダイ)を用いて、乾燥膜厚で1.3μmになるよう
に磁性塗料の塗布を行った。次いで、塗膜が湿潤状態の
うちに永久磁石とソレノイド磁石により配向処理を行
い、乾燥機により配向を固定化し、乾燥した後、95℃、
3kN/cmの圧力でカレンダー処理して鏡面仕上げを施
し、巻き取った。
【0027】その後、支持体の磁性層とは反対の面に、
平均粒径40nmのカーボンブラックをウレタンポリマーと
塩化ビニル系樹脂とのバインダー樹脂中に分散させてな
るバックコート用の塗料をダイコーティング方式によ
り、乾燥膜厚0.5μmとなるように塗布し、乾燥してバッ
クコート層を形成した。さらに得られたテープを6.35mm
幅にスリットし、DVCカセットにローディングして磁気
記録媒体を作製した。
【0028】得られた磁気記録媒体の上層磁性層表面の
算術平均粗さ(Ra)は3.6nmであった。本明細書にお
けるRaの測定は、JIS B0651に規定される触針式表面
粗さ計としてTencor社製のP2を使用して、次の条件で
行った。またスライドグラスとしては、松浪硝子(株)
製のものを使用した。
【0029】実施例2 上層磁性層の形成に際して、実施例1で使用した磁性塗
料に代えて、下記の配合の磁性塗料を使用した。それ以
外は、実施例1と同様の条件により成膜及び処理を行っ
て、磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体の
上層磁性層表面のRaは2.6nmであった。
【0030】 [磁性塗料] ・鉄を主体とする強磁性粉末 100部 (保磁力 2220 Oe(175kA/m)、飽和磁化 143emu/g(1.80×10-5Wb/g)、平均 長軸長0.075μm) ・研磨剤(α−アルミナ:平均長軸径0.2μm) 5部 ・結合剤 塩化ビニル系共重合体樹脂 11.2部 (商品名 MR104 日本ゼオン(株)製) スルホン酸基含有ポリウレタン系樹脂 11.7部 (商品名 UR8300 東洋紡績(株)製 固形分濃度30%品) ・潤滑剤 ミリスチン酸 2部 ブチルステアレート 0.8部 ・硬化剤 イソシアネート系硬化剤 2.4部 (商品名 コロネートL 日本ポリウレタン(株)製) ・溶剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=3/1の混合溶剤) 250部 実施例3 上層磁性層の形成に際して、実施例1で使用した磁性塗
料に代えて、実施例2で使用したのと同様の磁性塗料
と、下記の配合の磁性塗料の二種類を使用して、下記の
方法により二層からなる上層磁性層(下記の配合の磁性
塗料が下、実施例2と同様の磁性塗料が上)を塗布によ
り成膜した。それ以外は実施例1と同様の条件により成
膜及び処理を行って、磁気記録媒体を作製した。得られ
た磁気記録媒体の上層磁性層表面のRaは2.4nmであっ
た。
【0031】 [磁性塗料] ・非磁性粉末(α−酸化鉄:平均長軸長0.15μm) 65部 ・六方晶系フェライト 35部 (ハ゛リウムフェライト 保磁力1950 Oe(155kA/m)、飽和磁化59emu/g(0.74×10-5Wb/g) 、板径0.045μm、板状比3) ・研磨剤(α−アルミナ:平均粒径0.2μm) 5部 ・帯電防止剤(カーボンブラック:平均粒径0.03μm) 2部 ・結合剤 塩化ビニル系共重合体樹脂 10.7部 (商品名 MR104 日本ゼオン(株)製) スルホン酸基含有ポリウレタン系樹脂 14部 (商品名 UR8300 東洋紡績(株)製 固形分濃度30%品) ・潤滑剤 ミリスチン酸 1.7部 ブチルステアレート 1.7部 ・硬化剤 イソシアネート系硬化剤 5.2部 (商品名 コロネートL 日本ポリウレタン(株)製) ・溶剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=3/1の混合溶剤) 180部 [塗布方法]支持体を走行させ、除塵処理などを施した
後、エクストルージョンタイプの装置(ダブルダイ)を
用いて、乾燥膜厚で二層の下側の膜厚が1.2μm、上側の
膜厚が0.2μmとなるように、上記二種の磁性塗料の塗布
を行った。次いで、塗膜が湿潤状態のうちに永久磁石と
ソレノイド磁石により配向処理を行い、乾燥機により配
向を固定化し、乾燥した後、95℃、3kN/cmの圧力でカ
レンダー処理して鏡面仕上げを施し、巻き取った。
【0032】比較例1 実施例1と同様にして磁気記録媒体を製造したが、下層
磁性層の成膜は行わなかった。得られた磁気記録媒体の
磁性層表面のRaは3.5nmであった。
【0033】比較例2 実施例2と同様にして磁気記録媒体を製造したが、下層
磁性層の成膜は行わなかった。得られた磁気記録媒体の
磁性層表面のRaは2.7nmであった。
【0034】比較例3 実施例3と同様にして磁気記録媒体を製造したが、下層
磁性層の成膜は行わなかった。得られた磁気記録媒体の
磁性層表面のRaは2.4nmであった。
【0035】評価 実施例1〜3及び比較例1〜3により得られた磁気記録
媒体に対して、以下の評価を行った。
【0036】耐久性 20MHzの信号を記録した媒体をスチルモードで1時間保
持し、その出力を測定し、初期の出力からの低下量を求
めた。測定には市販のDVCを改造した装置を使用し
た。
【0037】結着性 試験装置は島津製作所製スクラッチ試験器SST-101を用
い、10μm径のダイヤモンド針を使用し、振幅を50μmと
した。膜が破壊される最小の荷重を破壊荷重として測定
した。
【0038】消磁率 5MHzの信号を記録後、1MHzの信号を記録し、その後最
初に記録した5MHzの信号の出力を測定した。測定には
市販のDVCを改造した装置を使用した。結果を表1に
示す。なお比較例1の出力を基準として実施例1の出力
を表わし、同様に比較例2及び3の出力を基準として実
施例2及び3の出力を表わした。
【0039】
【0040】
【発明の効果】表1からも明らかなように、本発明の磁
気記録媒体は、所定の斜め蒸着により成膜された下層磁
性層を有することにより、スチル耐久性及び結着性とい
った機械的特性に優れ、かつ高い消磁率を示すことで同
時に電気磁気的特性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは本発明による磁気記録媒体の一例を示すた
めに媒体を長手方向側面から見た概略的な断面図、Bは
角度θを説明するための部分拡大図である。
【図2】本発明の磁気記録媒体を製造するに適する真空
蒸着装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 下層磁性層 3 上層磁性層 4 バックコート層 10 真空蒸着装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、該支持体の一方の表面上に斜
    め蒸着法により形成され、前記支持体表面に対する傾き
    が前記支持体表面から離れるにつれて減少するよう湾曲
    したコラムを有して成膜された下層磁性層と、該下層磁
    性層上に塗布法により形成された上層磁性層とを具備す
    ることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 支持体と、該支持体の一方の表面上に斜
    め蒸着法により形成されたコラムを有して成膜された下
    層磁性層と、該下層磁性層上に塗布法により形成された
    上層磁性層とを具備してなり、前記斜め蒸着法が下方か
    ら入射される蒸着蒸気に対して前記支持体を斜め上方に
    向けて走行させることにより前記支持体上に前記下層磁
    性層を成膜するものであることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記コラムが表面酸化されたものであ
    る、請求項1又は2の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記下層磁性層の主成分がコバルトであ
    る、請求項1から3の何れか1の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記上層磁性層が針状のメタル粉を含有
    する、請求項1から4の何れか1の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記メタル粉の保磁力が1700〜2600 Oe
    (135〜210kA/m)である、請求項5の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記メタル粉のBET比表面積が45m2
    g以上である、請求項5又は6の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記メタル粉の長軸長が0.12μm以下で
    ある、請求項5から7の何れか1の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記メタル粉が前記上層磁性層の長手方
    向に配向されている、請求項5から8の何れか1の磁気
    記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記上層磁性層表面の算術平均粗さ
    (Ra)が5nm以下である、請求項1から9の何れか1
    の磁気記録媒体。
JP26123697A 1997-09-26 1997-09-26 磁気記録媒体 Pending JPH1196536A (ja)

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