JPH1195983A - 平均2乗値回路 - Google Patents

平均2乗値回路

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JPH1195983A
JPH1195983A JP10197480A JP19748098A JPH1195983A JP H1195983 A JPH1195983 A JP H1195983A JP 10197480 A JP10197480 A JP 10197480A JP 19748098 A JP19748098 A JP 19748098A JP H1195983 A JPH1195983 A JP H1195983A
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JP
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signal
square
circuit
digital
filter
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JP10197480A
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English (en)
Inventor
Eru Hansen Bikutaa
ビクター・エル・ハンセン
Eru Satsukusu Chiyaaruzu
チャールズ・エル・サックス
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Tektronix Inc
Original Assignee
Tektronix Inc
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R19/00Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof
    • G01R19/02Measuring effective values, i.e. root-mean-square values

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)
  • Analogue/Digital Conversion (AREA)
  • Measuring Frequencies, Analyzing Spectra (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気信号の平均2乗を求める際の平均化に伴
うエラーを低減すると共に、ハードウェアを簡略化し、
コストを低減する。 【解決手段】 A/D変換器14は、電気信号12をデ
ジタル化し、デジタル・サンプル値を発生する。2乗回
路36は、デジタル・サンプル値を2乗して2乗信号を
発生する。ロウパス・フィルタ42は、所定数の遅延要
素を有し、2乗信号をろ波して、平均2乗値を発生す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、電気測定
装置、特に、デジタル・マルチメータの如き装置で実効
値を測定するのに適した電気信号の平均2乗を求める回
路及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気信号の平均2乗の平方根(RMS)
の値は、この電気信号の実効値であり、その電気信号を
抵抗器が消費したのと同じ電力の直流信号を表す。抵抗
器における平均電力消費は、連続した時間における信号
振幅の2乗(自乗)の平均、即ち、「平均2乗」に比例
する。信号の実効値、即ち、RMS値は、平均2乗の平
方根に比例する。本発明は、測定値の平均2乗の平方根
を求めて、所望のRMS値を発生するRMS測定におけ
る平均2乗の部分に特に焦点を当てている。
【0003】信号のRMS値の数学的定義に応じて、ま
た、この観点から、従来、RMS値を求めるのに、典型
的には、ソフトウェア又はハードウェアのいずれかで、
後述の数学的演算を行っていた。すなわち、電気信号を
サンプリングし、求めたサンプル値を個別に2乗し、2
乗したサンプル値を加算し、2乗サンプル値の加算値を
平均し、その平方根を結果とした。
【0004】RMS測定回路を典型的にアナログにより
実現した場合、アナログ乗算器、積分器及び利得段を用
いて、アナログ信号を2乗し、その結果を平均してい
た。平方根機能を有する特殊な利得素子を用いて、平方
根を求めた。この方法では、数学的演算を物理的に実現
するのが困難なため、概して高価であり、エラーを生じ
やすかった。
【0005】したがって、RMS測定回路をデジタル的
に実現するのが好ましくなった。典型的なデジタル的実
現法では、アナログ・デジタル変換器(ADC)が電気
信号(取込み信号)の一連のサンプル値を発生した。な
お、この「一連」は、電気信号の所定時間長に対応す
る。これらサンプル値をプロセッサに供給し、このプロ
セッサは、サンプル値を2乗し、これらサンプル値の2
乗を加算し、その結果の平方根を求めるという数学的演
算を行なった。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】RMS結果における測定エラーの原因は、
ある期間にわたる信号をサンプリングして平均2乗を測
定する点にある。一般的に、この期間は、信号のシヌソ
イダル(sinusoidal(正弦波);「フーリエ」)成分の
4分の1波長の整数倍と等しくない。フーリエ成分にと
って、この成分の任意の4分の1波長期間の2乗の平均
は、成分全体の2乗の平均に等しい。これが直流値
「A」となる。しかし、この成分の任意に測定したこの
直流値は、取込みにおいて示されたオリジナル信号の4
分の1波長に対する分数(端数)部分に含まれる信号エ
ネルギーに相当する分だけ、「A」よりも大きい。未知
の信号のフーリエ成分の期間と、取込み期間との間の位
相の不一致は、特に、多数のフーリエ成分を含む信号に
とっては、取込み期間の選択において、一般に考慮でき
なった。よって、このエラーは、一般に、ゼロと、信号
の4分の1波長に含まれるエネルギーとの間の値にな
る。取込み期間を長くすることにより、平均化処理にお
けるサンプル値の数を増やして、エラーを分散すること
のみにより、一般に、位相ミス・マッチ・エラーを減ら
すことができる。しかし、非常に多くの取込みを行わな
ければならず、平均化処理の結果を出力する割合が比例
的に少なくなる。さらに、処理時間及びハードウェアの
要求、特に、コスト的な要求も厳しくなる。
【0007】また、一般的に、位相ミスマッチ・エラー
は、信号取込みから次の取込みにわたって変化する。さ
らに、取込みは、個別のブロック、即ち、「チャンク
(chunk:かなりの部分)」にて行うので、時間的に変
動する信号にとって、ある取込み期間中に測定した平方
2乗値と、他の取込み期間中に測定した平方2乗値との
差は、顕著である。したがって、取込みが重なっていな
いことにより、一般的には、「ディジット誤り」として
明らかな「チャンキング(chunking)」エラーが生じ
る。しかし、ディジット誤りを減らすために、平均2乗
を求める従来方法に応じて取込みを重ね合わせると、処
理時間が長くなり、ハードウェアへの要求、特に、コス
ト的な要求も厳しくなる。
【0008】より一般的に説明すれば、平均2乗を測定
する従来方法は、多くのデータ点を平均する方法及び装
置を具えており、平均の教科書的定義に応じて平均化を
実行する。すなわち、これらデータ点を加算し、データ
点の総数により除算した。かかる平均化におけるエラー
を減少する方法は、より多くのサンプル値を用いること
である。これは、本質的に、測定結果を発生する割合を
少なくする。より多くのサンプル値を用いないで、そし
て、ハードウェアを実現するのに非常に多くの素子を用
いないで、平均2乗測定のエラーを減少できる方法及び
装置が望まれている。
【0009】したがって、エラーを低減し、ハードウェ
アのコスト、特に、集積回路内の素子数によるコストを
減らすように改善されて、電気信号の平均2乗値を測定
する方法及び装置が必要とされている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明により電気信号の
平均2乗値を測定する方法及び回路は、上述の問題点を
解決し、上述の必要性を満足させるために、電気信号を
表すデジタル信号を発生し、このデジタル信号を2乗し
て、デジタル信号の2乗デジタル信号を発生し、この2
乗デジタル信号をデジタル的に処理して、メモリ・レジ
スタの数を増やすことなく、エラーを低減している。
【0011】本発明は、多くの洞察を基にしている。従
来技術においては、RMS測定におけるゴールは、標準
定義式に対応する数学的処理を利用し、即ち、電気信号
を、この信号のサンプル値に対応する1組の数に変更
し、個別のサンプル値を2乗し、これら2乗値を加算
し、2乗値の和をサンプル値の数で除算していた。した
がって、上述の如く、サンプル値の数を増やしただけ、
エラーを低減できることが理解できよう。
【0012】しかし、個別に2乗した信号のサンプル値
を交互に調べて、信号としての同一性を維持すると仮定
すると、平均2乗は、入力信号の2乗である信号の平均
と見なせる。そして、デジタル信号処理技術を用いて、
この信号を処理できることが理解できよう。特に、2乗
で表わしたもの(信号)は、一般的に、直流成分であ
り、フーリエ理論に応じたシヌソイド変化成分の和であ
ることが理解できよう。また、信号の2乗を表したもの
の平均、即ち、所望の平均2乗は、単に2乗を表したも
のの直流成分であることがも理解できよう。さらに、ロ
ウパス・フィルタを用いて直流成分を選択し、シヌソイ
ド的に変化する項を除去できることも認識できよう。ま
た、任意の良好な性能特性を有するようにロウパス・フ
ィルタを構成できるので、2乗したものの高周波成分を
望ましく除去でき、エラーを所望の範囲に最小化できる
ことが理解できよう。この処理の構成及び方法により、
即ち、阻止帯(stop band)で鋭利なロールオフを有す
るロウパス・フィルタを設けることにより、エラーを選
択的に制御できる。よって、サンプル値を増やすことな
く、よって、メモリに対する要求を増やすことなく、結
果が得られる。
【0013】より特定的には、上述の処理は、縦続(カ
スケード)接続した積分器櫛歯(CIC:Cascaded Int
egrator Combe)デシメーション(decimation)フィル
タによるデジタルろ波のステップを含んでいる。このフ
ィルタは、N個のカスケード接続された積分器段を用い
ている。なお、Nは、好ましくは3である。このフィル
タの出力を係数Rによりデシメーションし、N個のカス
ケード櫛歯(コム)フィルタに供給する。CICデシメ
ーション・フィルタの全体的な変換関数は、FIR(有
限インパルス応答)フィルタの長さ(フィルタ・チェイ
ン)を除いて、単位係数のFIRフィルタの変換関数と
等価である。CICデシメーション・フィルタは、特に
経済的なフィルタであり、従来技術と同じ結果を、他の
要件と同様に特に安価に達成する。
【0014】無限インパルス応答(IIR)フィルタを
含む他の多くのフィルタでも、同じハードウェア、ソフ
トウェア及び処理コストでエラーを小さくきるし、ハー
ドウェア及びソフトウェアのコストを低減するか、改善
した速度で、従来の方法及び装置で利用できるのと同じ
性能を達成できる。特に、高周波成分内での減衰をなく
した結果、周波数領域における平均2乗及びそこに含ま
れるエラーを観察することにより、当業者は、特定の性
能事情での平均2乗におけるエラーを最適に減らすフィ
ルタを選択できる。この際に、デジタル信号処理の豊か
な知識を利用できる。
【0015】本発明は、電気信号の平均2乗を測定する
新規で改良された方法及び回路を提供する。この方法及
び回路を用いることによる従来技術よりも優れた利点
は、測定エラーが減り、コストが低くなることである。
都合の良いことに、このシステムは、デジタル信号処理
技法を平均2乗の測定に適用している。使用するフィル
タが、同じコストでエラーを減らすか、又は少ないコス
トでもエラーが等価となる構成を用いている点に留意さ
れたい。本発明の一実施例は、選択可能な実行性能を与
える。本発明の方法及び回路は、ハンドヘルド型DMM
(デジタル・マルチ・メータ)に用いるのに適する。本
発明の上述及びその他の概念、特徴及び利点は、添付図
を参照した以下の説明から一層理解できよう。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明により電気信号1
2の平均2乗値を測定する回路10の好適実施例のブロ
ック図であり、この回路10は、ハンドヘルド型DMM
に用いるのに好ましい。しかし、回路10は、RMS測
定用のオシロスコープの如き任意の測定機器にも好都合
に利用できる。RMS測定においては、電気信号12の
平均2乗値の測定における平方根を求める。本発明の一
実施例では、平均2乗の測定に焦点を絞っているが、他
の実施例においては、平均2乗値の平方根を求め、その
結果を表示してもよい。
【0017】平均2乗値回路10は、標準のアナログ・
デジタル変換器(ADC)14を用いて、電気信号12
のサンプル値を取り込み、そのサンプル値を表すデジタ
ル信号を発生する。よって、ADC14は、サンプリン
グ回路として機能する。ハンドヘルド型DMMに用いる
好適なADC14では、2次シグマ・デルタ(secondor
der Sigma Delta)変換器(SDC)16を用いて、比
較的高速のサンプリング速度で1ビット出力信号18を
発生している。実例として、DMMと共に用いる本発明
の特定実施例では、約20Hz及び約20KHzの間で
変化する信号をサンプリングするために、出力信号18
のレート(サンプリングされた速度)は、2.5MHz
である。SDC16は、ノイズを高周波に集中させるノ
イズ整形機能を有する。
【0018】ADC14からSDCの単一ビット出力信
号18を得て、マルチプレクサ20を駆動する。このマ
ルチプレクサ20は、蓄積用の2個のレジスタ22a、
22bの一方又は他方を選択して、このマルチプレクサ
20の出力端に出力し、ADC14のCICデシメーシ
ョン・フィルタ24に供給する。フィルタ24のデシメ
ーション・レートは、調整可能である。
【0019】所定の入力利得値を一方のレジスタ22a
に蓄積し、このレジスタ22aに蓄積されたのと同じ入
力利得値で負のものを他方のレジスタ22bに蓄積す
る。マルチプレクサ20の動作により、出力信号18が
高ならば、レジスタ22aの利得値がフィルタ24に供
給され、出力信号18が低ならば、レジスタ22b内の
逆極性の利得値がフィルタに供給される。フィルタ24
のデシメーション比率を適切に調整し、SDC16の1
ビット出力に応じて、レジスタ22a、22bの一方か
らの所定値を供給することにより、最上位ビットの範囲
内でマルチプレクサ20の出力信号のビット位置を決め
ることができる。これは、本発明の目的にとって、ビッ
トの特定ウインドウを用いるために望ましい。一方、他
のビットは、他の目的のために用いる。特定実施例で
は、フィルタ24の48ビット出力において、平均2乗
を求めるのに上位24ビットの下位16ビットのみを用
いるのが望ましい。
【0020】CICデシメーション・フィルタ24のデ
シメーション比率は、調整可能である。このデシメーシ
ョン比率は、入力利得値の大きさに応じて予め調整され
るので、実例として、約100KHzの比率で、フィル
タ24の出力信号26のワード・サイズを所望にでき
る。
【0021】CICフィルタ24の出力信号26は、A
DC14内部の信号であり、丸め回路28に供給され
る。この丸め回路28は、マルチプレクサ20による上
述のビット調整と協動して、多ビット出力信号26の最
下位ビットを丸め込む。
【0022】丸め込まれた出力信号30を、ADC14
の有限インパルス応答(FIR)フィルタ32に供給し
て、従来技術と同様に、その通過帯にて、CICフィル
タ24の周波数応答における「ドループ(droop:垂
れ)」を補正する。FIRフィルタ32の出力信号34
は、ADC14の最終出力となる。
【0023】上述のADC14は、本発明に用いるのに
好ましいアナログ・デジタル変換器である。しかし、本
発明の要旨を逸脱しない限り、当該技術分野で既知の他
のアナログ・デジタル変換器を平均2乗値回路10に用
いてもよい。さらに、上述のADC14以外のアナログ
・デジタル変換器と共に、マルチプレクサ20及び丸め
回路28を用いてもよい。
【0024】ADC14の出力信号34を2乗回路36
に供給する。この2乗回路36は、好ましくは、デジタ
ル信号処理チップ(DSP)内にハードウェア構成され
ている。図2は、デジタル信号の4分の1波長の整数倍
と一致しない期間にわたる2乗デジタル信号を示す波形
図である。図1及び図2において、2乗回路36は、出
力信号34の隣接するサンプル値を連続的に2乗して、
2乗したサンプル値のストリームを発生し、出力信号4
0を電気信号12の2乗信号38にする。ADC14と
同様に、2乗回路36は、当該技術分野で既知の任意の
2乗装置でもよい。
【0025】従来技術においては、電気信号をサンプリ
ングし、サンプル値を個別に2乗し、2乗したサンプル
値を加算し、2乗して加算したサンプル値を平均化し、
その結果の平方根を求めた。平均化においてエラーが生
じることは、上述の通りである。従来の平均化における
上述したエラーの例を図2に示す。ここで、従来の平均
化の取込み期間50は、オリジナルの入力信号12の4
分の1波長52の整数倍に一致していない。その結果、
2乗信号38の直流値の測定において、エネルギー54
が過剰となる。このエネルギー54は、取込み期間50
にわたって周期的でない信号の範囲を越えている。
【0026】上述の如く、平均2乗におけるエラー、即
ち、過剰エネルギー54を減らすには、一般的には、サ
ンプル値の数を増やす必要がある。これには、サンプル
値を蓄積するのに非常に多くの蓄積レジスタを必要と
し、サンプル値を収集する時間が長くなるという影響が
ある。しかし、本発明においては、この問題を周波数領
域で考慮している。特に、第1信号の平均2乗値は、正
確には、第1信号の2乗である第2信号の平均であると
認識できる。したがって、電気信号12の平均2乗を測
定するために、2乗したデジタル値38をろ波すること
のみが必要である。特に、ロウパスのろ波は、所望の平
均2乗値を与えることが判る。
【0027】実例として、交流結合信号の如き直流成分
のない信号においては、この信号の2乗は、単に、シヌ
ソイド項の和の2乗である。この2乗は、直流項と、オ
リジナルのシヌソイド項に対応する周波数の2倍の一連
のシヌソイド2乗項と、異なるオリジナルのシヌソイド
項(和周波数項)の対応対の周波数の和に等しい周波数
の一連のシヌソイド・クロス積(乗積)項と、異なるオ
リジナルのシヌソイド項(差周波数項)の対応対の周波
数間の差に等しい周波数の一連のシヌソイド・クロス積
項とを有する。しかし、いかなるシヌソイド項の平均化
もゼロになるので、直流項のみが平均化で残る。それ
故、総てのシヌソイド成分の平均がゼロであるので、信
号の2乗の平均は、直流成分に等しくならなければなら
ない。
【0028】一般に、任意の物理信号と同様に、2乗信
号38は、直流成分と、シヌソイド成分の和とから成る
フーリエ級数により表すことができる。それ故、2乗信
号38の平均、即ち、平均化は、常に直流成分に等し
い。
【0029】上述の観点から、ロウパス・フィルタ42
は、2乗信号38の直流成分を通過させ、減衰により、
シヌソイド成分の総てを除去する。それ故、ロウパス・
フィルタ42は、このフィルタのロールオフ比率により
決まる所望精度の程度で、平均2乗を発生する。当業者
には容易に理解できるように、多くのデジタル・フィル
タ、即ち、有限インパルス応答(FIR)フィルタ及び
無限インパルス応答(IIR)フィルタの両方を構成し
て、従来の平均2乗測定で利用可能なよりも、平均2乗
測定における一層強力な性能を得ることができる。
【0030】しかし、すべてのデジタル・フィルタが、
従来の平均化よりも優れた本発明の利点を与える特性を
発揮するものではない。例えば、平均化FIRフィルタ
を用い、付加的な遅延又はタップを追加することによ
り、阻止帯の除去を改善できる。しかし、このアプロー
チは、従来技術の平均化と同じ欠点を生じる。すなわ
ち、エラーを減らすのに、より多くのシリコン(回路素
子)が必要となり、より多くのサンプル値が必要とな
る。一方、CICデシメーション・フィルタは、上述の
FIRフィルタを一層経済的に実現できる。なお、この
点に関しては、1981年4月に発行された「IEEE
TRANSACTIONS ON ACOUSTIC
S,SPEECH,AND SIGNAL PROCE
SSING」のVol.ASSP−29のNo.2の1
55〜162頁の「デシメーション及び補間用の経済的
なデジタル・フィルタ(An Economical Class of Digit
al Filters for Decimation and Interpolation)」
(E. Hogenauer 著)にも記載された従来技術である。
ハンドヘルド型DMMの平均2乗測定に好ましいこのフ
ィルタは、マルチプレクサが不要であり、早いサンプリ
ング速度で動作するカスケード積分段と、遅いサンプリ
ング速度で動作する同じ数のコム段とを具えている。上
述のCICフィルタ24は、好ましくは、この構成を用
いている。このフィルタの伝達関数は、次式で表せる。
【0031】
【数1】 なお、Rは、デシメーションのためのフィルタの積分部
分及びコム部分の間での減少率(rate decrease)であ
る。また、Nは、積分段の数及びコム段の数(上述のフ
ィルタの「次数」)であり、次式で表せる。
【0032】
【数2】
【0033】伝達関数は、カスケード接続されたN個の
一様なFIRフィルタ段を減らすことが判る。しかし、
比率Rでのデシメーションのため、CICデシメーショ
ン・フィルタが、RM個の付加的なタップ又は遅延要素
を有する等価な利得1のFIRフィルタとして機能する
ことが判る。それ故、CICデシメーション・フィルタ
は、チェインの付加的な要素を実際に物理的に実現する
ことなく、長いフィルタ・チェインの平均化FIRフィ
ルタの性能が得られる。したがって、好ましいフィルタ
は、ハードウェアを節約できる一方、平均化FIRフィ
ルタと同じ性能を達成できるので、従来技術で利用でき
たものよりも良好な性能を達成できる。
【0034】IIRフィルタは、所定量のシリコン(素
子数)で性能を上げることができる。上述の如く、一般
的に、取込み期間の優先的な選択により、位相ミスマッ
チ・エラーを軽減できる。したがって、2乗信号38を
ろ波するときに、これは、種々のフーリエ成分の間での
位相関係を保持することに、ほとんど関係しないか、全
く関係しない。IIRフィルタは、一般に、阻止帯にお
ける周波数の除去を強めるが、位相・周波数忠実度を犠
牲にすることが知られている。それ故、平均2乗の測定
において、IIRフィルタは、当然、かなり望ましい状
態で妥協できる。FIRフィルタとの区別においては、
IIRフィルタの伝達関数は、1個以上のポールを有す
る。
【0035】一般的に、2乗信号38を1組の数値では
なく1つの信号として扱うことは、デジタル・フィルタ
を最適化し、2乗信号38を処理することにより、平均
2乗を測定するための既知のデジタル信号処理技法を適
用できことになる。これにより、測定におけるエラーを
選択的に制御できる。
【0036】それにもかかわらず、非常な低周波である
2乗信号38の直流成分を通過させ、シヌソイド成分を
除去することは一般的には困難である。かかる周波数成
分、即ち、上述の差周波数成分は、入力信号12の任意
のフーリエ成分の間のビートから生じる。なお、これら
フーリエ成分は、周波数、及び直流成分の低周波変調量
が非常に近接している。
【0037】しかし、実際には、制限された期間のみに
わたるRMSを求めることがしばしば望ましいので、充
分に低い周波数成分により変調された直流成分は、典型
的には、実際に関心のある測定となる。したがって、非
常な低周波の変調成分を除去するようにフィルタ42を
構成することは、必要ないか又は望ましくない。また、
本発明の別の利点は、ロウパス・フィルタ42の伝達関
数の直接的な設計により、不快ではないエラーを選択的
に維持してもよいことである。
【0038】しかし、ロウパス・フィルタ42の遮断周
波数を選択して、測定対象範囲内の周波数成分に対応す
るシヌソイド2乗項をろ波する。よって、遮断周波数が
この範囲の最低周波数の2倍よりも低くなければならな
い。これは、この範囲内の最低周波数成分に対応するシ
ヌソイド2乗項の周波数が、最低周波数の2倍のためで
ある。
【0039】この平均2乗値は、上述の如く、典型的に
は、RMSを求める際に使用される。本発明の好適実施
例において、マイクロプロセッサ(図示せず)は、ロウ
パス・フィルタ42の出力信号を蓄積するメモリ(図示
せず)から、ろ波された2乗信号38を読出し、ソフト
ウェアで、その平方根を計算する。次に、マイクロプロ
セッサは、その結果のRMS値を、DMMの5桁の7セ
グメント液晶表示器の如きユーザ用表示器に表示する。
【0040】電気信号のRMS値を測定する特定の方法
及び装置を好適実施例として示したが、本発明の要旨を
逸脱することなく、上述以外の構成も利用できる点に留
意すべきである。
【0041】上述の説明及び用語は、本発明を説明する
ためであり、限定するものではなく、それらに均等なも
のも含む。
【0042】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、平均2乗を
求める際の平均化に伴うエラーを低減できると共に、ハ
ードウェアを簡略化でき、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により電気信号の平均2乗値を測定する
回路にブロック図である。
【図2】デジタル信号の4分の1波長の整数倍と一致し
ない期間にわたる2乗デジタル信号を示す波形図であ
る。
【符号の説明】
10 平均2乗値回路 12 電気信号 14 アナログ・デジタル変換器(サンプリング回路) 16 2次シグマ・デルタ変換器 20 マルチプレクサ 22 レジスタ 24 CICデシメーション・フィルタ 28 丸め回路 32 FIRフィルタ 36 2乗回路 38 2乗信号 42 ロウパス・フィルタ 50 取込み期間 52 4分の1波長 54 過剰エネルギー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チャールズ・エル・サックス アメリカ合衆国 オレゴン州 97221 ポ ートランド サウス・ウェスト スナイダ ー・プレイス 4714

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気信号の平均2乗値を求める回路であ
    って、 上記電気信号を受け、該電気信号をデジタル化したデジ
    タル・サンプル値を発生するサンプリング回路と、 該サンプリング回路に応じて、上記デジタル・サンプル
    値の2乗を表す2乗信号を発生する2乗回路と、 所定数の遅延要素を有し、上記2乗回路に結合され、上
    記2乗信号を受けて、この2乗信号をろ波するデジタル
    ・ロウパス・フィルタとを具えた平均2乗値回路。
  2. 【請求項2】 電気信号の平均2乗値を求める方法であ
    って、 上記電気信号を受け、 上記電気信号をデジタル化したデジタル・サンプル値を
    発生し、 上記デジタル・サンプル値の2乗を表す2乗信号を発生
    し、 所定数の遅延要素を有するデジタル・ロウパス・フィル
    タを設け、 該デジタル・ロウパス・フィルタにより上記2乗信号を
    ろ波することを特徴とする平均2乗値を求める方法。
  3. 【請求項3】 入力信号の実効値を測定する装置であっ
    て、 上記入力信号を受け、該入力信号をデジタル化したデジ
    タル・サンプル値を発生するサンプリング回路と、 該サンプリング回路に応じて、上記デジタル・サンプル
    値の2乗を表す2乗信号を発生する2乗回路と、 所定数の遅延要素を有し、上記2乗回路に結合され、上
    記2乗信号を受けてろ波し、出力端に直流成分信号を発
    生するデジタル・ロウパス・フィルタと、 上記直流成分信号の平方根を求める回路と、 上記直流成分信号の平方根を表す値を表示するための表
    示回路とを具えた実効値測定装置。
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