JPH1195246A - 液晶装置及びその製造方法 - Google Patents

液晶装置及びその製造方法

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JPH1195246A
JPH1195246A JP9255743A JP25574397A JPH1195246A JP H1195246 A JPH1195246 A JP H1195246A JP 9255743 A JP9255743 A JP 9255743A JP 25574397 A JP25574397 A JP 25574397A JP H1195246 A JPH1195246 A JP H1195246A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal layer
polymer
crystal panel
dyestuffs
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Withdrawn
Application number
JP9255743A
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English (en)
Inventor
Shuhei Yamada
周平 山田
Yutaka Tsuchiya
豊 土屋
Masayuki Yazaki
正幸 矢崎
Hideto Iizaka
英仁 飯坂
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2色性色素の特性を充分に発揮することがで
きるとともに、表示特性に必要な2色性色素の選定を耐
光性や耐熱性その他の光学特性以外の諸特性に左右され
ることなく自由に行うことのできる構造を備えた液晶装
置及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ガラス基板10と20に挟持された第1
の液晶層30を有する液晶パネルと、ガラス基板40と
50に挟持された第2の液晶層60を有する液晶パネル
とを平面的に重ねて透明接着層52により固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶と高分子とが分
散混合してなる第1の液晶層を備えた液晶装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶と高分子とが分散混合してな
る第1の液晶層を備えた液晶装置が提案されている。こ
の種の液晶装置においては、第1の液晶層を電極を備え
た2枚のガラス基板により挟持したセル構造を備えてお
り、このセル構造に入射する光に対する、第1の液晶層
の内部の液晶と高分子との光屈折率の差を印加電圧の高
低により変化させ、光を散乱させたり、透過させたりし
て表示を行う。
【0003】図6には、上記の液晶装置の一例として、
高分子分散型の液晶装置の概略のセル構造を示す。この
セル構造においては、2枚のガラス基板10,20の間
に第1の液晶層30を挟持した構造を備えている。ガラ
ス基板10の内面上にはITO(インジウムスズ酸化
物)等からなる透明電極11が形成され、この透明電極
11の上にさらに図示しない配向膜などが形成され、ラ
ビング処理が施される。ガラス基板20の内面上には、
AlやCrなどからなる反射層を兼ねた反射電極21が
画素毎に形成され、この反射電極21の上に配向膜が形
成され、上記と同様にラビング処理が施される。
【0004】ガラス基板10と20との間隙は通常数μ
m程度であり、この間隙内に屈折率異方性と誘電異方性
とを備えた所定の液晶と、光重合性を備えた高分子前駆
体(モノマー、プレポリマーなど。)との相溶した溶液
が注入される。このようにして形成された液晶のセル構
造に対して紫外線を照射すると、上記溶液中の高分子前
駆体が光重合し、液晶中に高分子粒子32が分散した状
態で析出する。このようにして高分子分散型の第1の液
晶層30が形成される。
【0005】第1の液晶層30中の液晶分子31と高分
子粒子32は、電界無印加状態においては図6に示すよ
うに図示しない配向膜に施されたラビング方向に沿って
それぞれ配向されている。このとき、透明電極11と反
射電極21との間に所定の閾値を越える電圧を印加する
と、図7に示すように、誘電異方性を有する液晶分子3
1は電界方向に配向され、姿勢を変える。この結果、屈
折率異方性を備えた液晶分子31の外部から見た屈折率
は変わるため、高分子粒子32とほぼ同方向に液晶分子
31が配向されていた電界無印加状態に対して、液晶分
子31と高分子粒子32との光屈折率の差も変化する。
【0006】上記第1の液晶層30において、たとえ
ば、電界無印加状態において液晶分子31と高分子粒子
32との屈折率の差がほぼ0であるとすると、第1の液
晶層30はほぼ透明状態になるため、セルに入射した光
は第1の液晶層30を透過して反射電極21にて反射さ
れ、そのまま再び外部へと放出される。逆に電界印加状
態においては液晶分子31の屈折率が変わることにより
高分子粒子32との屈折率に差が生ずるので、第1の液
晶層30は白濁状態になり、セルに入射した光は第1の
液晶層30にて散乱される。もちろん、電界無印加状態
で第1の液晶層を散乱状態に、電界印加状態で第1の液
晶層を透過状態にすることも可能である。
【0007】上記の高分子分散型の液晶装置において
は、液晶表示のコントラストを高めるために2色性色素
33を第1の液晶層30中に分散させる場合がある。た
とえば、2色性色素33として図6に示す透明状態にお
いては黒色を呈するのに対し、図7に示すように電界を
印加すると液晶分子31と同様に配向しほとんど無色と
なるものを用いることにより、透明状態においては表示
を黒色化することができるので、散乱状態における白色
との明るさの差が大きくなり、高いコントラストを得る
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
2色性色素を用いた高分子分散型の液晶装置の製造工程
においては、液晶と高分子前駆体とを相溶させた溶液中
に2色性色素を予め混合するため、高分子前駆体の重合
時の高分子粒子32の生成過程において2色性色素が高
分子粒子32の内部に取り込まれてしまったり、2色性
色素が高分子粒子32に吸着したり付着したりしてしま
うことが多いことから、電界印加状態において2色性色
素が充分に配向せず、第1の液晶層30が着色し、明る
さが低下するという問題点がある。
【0009】また、2色性色素の中にも2色比の高いも
のと低いものとがあり、液晶装置のコントラストを高め
るには2色比の高いものを用いることが好ましいが、2
色比の高い色素は往々にして上記の第1の液晶層を形成
する工程において用いられる紫外線の照射により分解、
変色してしまうものが多いため、2色性色素の選択範囲
も制限され、充分な性能を得ることができないという問
題点もある。
【0010】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、液晶と高分子とを分散させた第1
の液晶層を備えた液晶装置において、2色性色素の特性
を充分に発揮することができるとともに、表示特性に必
要な2色性色素の選定を耐光性や耐熱性その他の光学特
性以外の諸特性に左右されることなく自由に行うことの
できる構造を備えた液晶装置及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講じた手段は、複数の液晶パネルが積層され
て構成される液晶装置において、液晶と高分子とを含む
第1の液晶層を備えた第1の液晶パネルと、2色性色素
を含む第2の液晶層を備えた第2の液晶パネルとを少な
くとも有することを特徴とする。
【0012】この手段によれば、2色性色素が高分子中
に取り込まれたり、高分子に吸着されたりすることによ
る2色比の低下を抑制することができるので、液晶装置
のコントラストを向上させることができるとともに、第
1の液晶層の形成工程中における2色性色素への影響を
回避することができるため、耐光性や耐熱性などの2色
性色素の諸特性に制限されることなく2色比の高い材質
を選定できるなど、2色性色素の選択の自由度を向上さ
せることができる。
【0013】ここで、前記第1の液晶層に含まれる2色
性色素は黒色その他の暗色を呈するものであることが好
ましい。
【0014】この手段によれば、2色性色素を黒色その
他の暗色を呈するものとすることにより、液晶装置のコ
ントラストをさらに高めることができる。
【0015】また、前記第1の液晶層を含む第1の液晶
パネルと前記第2の液晶層を含む第2の液晶パネルとを
透光性の接着層にて接着する場合がある。
【0016】この手段によれば、2つのパネルを透光性
の接着層にて接着することにより、第1の液晶層と第2
の液晶層とをきわめて容易に平面的に重ねた状態に固定
することができる。
【0017】さらに、第1の液晶パネルと第2の液晶パ
ネルとを透光性の材料を介して対向させ、両パネルの縁
部を封止することが好ましい。
【0018】この手段によれば、パネル外面の凹凸など
があっても透光性の材料(又は流動物質)を介して対向
させるため、凹凸が干渉することなく無く平面的に重ね
た状態に配置することができるとともに、表示の歪みな
ども低減できる。
【0019】この場合、この材料は前記液晶パネルのパ
ネル材にほぼ等しい光屈折率を備えていることが望まし
い。
【0020】この手段によれば、透光性の流動物質をパ
ネル材とほぼ等しい光屈折率としたことにより、パネル
材の外面に凹凸があっても光学的な影響が生じないよう
に構成することができる。
【0021】また、本発明の液晶装置の製造方法は、液
晶と高分子とを含む第1の液晶層を備えた第1の液晶パ
ネルを形成する工程と、2色性色素を含む第2の液晶層
を備えた第2の液晶パネルを形成する工程と、前記第1
の液晶パネルと前記第2の液晶パネルとを積層する工程
とを少なくとも有することを特徴とする。
【0022】この手段により、2色性色素の混合されて
いる液晶層と、高分子の混合されている液晶層とを別々
のパネルで形成しているため、高分子中に2色性色素が
吸着(もしくは吸収)されることがなく、2色比を十分
にとることができる。
【0023】また、前記第1の液晶パネルに挟持された
第1の液晶層は、液晶と高分子前駆体とを混合した後、
光照射により前記高分子前駆体を重合させて形成するこ
とを特徴とする請求項6記載の液晶装置の製造方法。
【0024】次に、液晶と高分子とが分散混合してなる
第1の液晶層を形成する工程と、電界の印加状態により
呈色するように構成された2色性色素を含む第2の液晶
層を前記第1の液晶層に対して平面的に重ねた状態に固
定する工程とを備えていることを特徴とする液晶装置の
製造方法である。
【0025】この手段によれば、第1の液晶層を別途形
成した後に第2の液晶層を平面的に重ねるため、2色性
色素に第1の液晶層の形成工程の影響を与えることなく
製造することができる。
【0026】ここで、前記第1の液晶層を形成する工程
は、液晶と高分子前駆体とを混合した後、光照射により
前記高分子前駆体を重合させる工程であることが好まし
い。
【0027】この手段によれば、第1の液晶層を形成す
る工程において光照射により高分子前駆体を重合させる
ようにしているが、第2の液晶層は第1の液晶層を形成
する工程の後に重ね合わせられるため、2色性色素に耐
光性を要求する必要がなくなり、2色性色素の選定の自
由度を高めることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る実施形態について説明する。
【0029】(第1実施形態)図1は本発明に係る液晶
装置の第1実施形態の概略構成を示すものである。図6
及び図7に示す液晶装置と同様のガラス基板10,20
を備えた液晶セルの内部に第1の液晶層30が封止され
ており、この第1の液晶層30には、液晶分子31と高
分子粒子32とが互いに分散配置されている。本実施形
態において形成されている第1の液晶層30は、液晶中
に高分子が分散配置されてなる高分子分散型の液晶層で
ある。
【0030】この高分子分散型の液晶層としては、液晶
と高分子前駆体とを相溶させた溶液から、高分子前駆体
を重合させ、液晶と高分子とを相分離させてなるものが
好ましい。一方、液晶としては、誘電異方性と屈折率異
方性とを備えたネマチック液晶その他の各種液晶を用い
ることができる。液晶としては、たとえば、カイラル成
分を添加したネマチック液晶など、第1の液晶層内にお
いてツイスト角を持たせてもよい。ツイスト角が90〜
180度の範囲では光学特性に異方性が発生するが、2
70度以上のツイスト角を持たせることにより光学特性
の異方性を低減することができる。
【0031】また、高分子前駆体としては、重合制御可
能な種々の高分子前駆体(モノマー、プレポリマーな
ど)を用いることができるが、特に、ベンゼン骨格ある
いはビフェニル骨格を有するものであれば、熱可塑性高
分子、熱硬化性高分子、光硬化性高分子の別を問わず、
広く使用することができる。たとえば、フェニルフェノ
ールのメタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステ
ルあるいはこれらの化合物の誘導体を用いることがで
き、また、ヒドロキシターフェニルのメタクリル酸エス
テルあるいはアクリル酸エステルあるいはこれらの化合
物の誘導体を用いることが可能である。また、前記高分
子前駆体として前記エステルにビフェノールのメタクリ
ル酸エステル誘導体あるいはアクリル酸エステル誘導体
を混合したものを用いてもよい。
【0032】また、上記高分子分散型の液晶層として
は、初期状態(電界無印加状態)において液晶分子及び
高分子粒子を同一方向に配向させることが好ましい。こ
の場合には、溶液中の液晶分子と高分子前駆体とを同一
方向に配向させ、高分子前駆体の重合時に配向状態を保
ったまま相分離させることが望ましい。このようにする
と第1の液晶層の屈折率の制御が確実に行えるため、第
1の液晶層の光学特性を高めることができる。
【0033】さらに、高分子としては、熱可塑性の高分
子前駆体を用いて冷却硬化させて生成したものでも、熱
硬化性や光硬化性の高分子前駆体を用いて加熱したり光
照射を行ったりして重合させるものであってもよい。し
かしながら、製造工程上の管理を容易化したり、他の材
質への影響を防止したりするために、光硬化性の高分子
前駆体を用い、光重合により高分子粒子を相分離させる
ことが最も効果的である。特に紫外線照射による重合が
最も現実的な方法である。
【0034】第1の液晶層に含まれる液晶の割合は、全
体の50〜97wt%が最適である。液晶含有量がこれ
より少ないと電界に対して応答しにくくなり、また、こ
れより多いとコントラストが低下する。
【0035】本実施形態では、上述のガラス基板10の
内面上には透明電極11が形成され、ガラス基板20の
内面上には反射電極21が形成される。これらの透明電
極11及び反射電極21は液晶セルの表示構造に応じて
適宜、ストライプ状、画素マトリックス状に形成され
る。また、必要に応じて、ガラス基板10,20の内面
上にはMOSトランジスタ素子、薄膜トランジスタ素子
などのトランジスタ素子やMIM素子、薄膜ダイオード
素子などのダイオード素子その他の各種アクティブ素子
が形成され、また、各電極に給電する配線層も形成され
る。このように種々の構造が形成されたガラス基板1
0,20の内面上にはポリイミドやポリビニルアルコー
ルなどの樹脂からなる配向膜が被覆され、必要に応じて
ラビング処理が施される。
【0036】本実施形態では、上述の溶液をガラス基板
10と20からなるセル内に注入すると配向膜のラビン
グ方向(水平方向)に液晶分子及び高分子前駆体が配向
し、この状態で紫外線を照射することにより、高分子粒
子を相分離させ、第1の液晶層30を形成する。
【0037】次に、上記ガラス基板10、20及び第1
の液晶層30からなる液晶パネルに対して、ガラス基板
40、50及び第2の液晶層60からなる液晶パネルを
接着する。ガラス基板40及び50は、上記のガラス基
板10及び20と基本的に同構造であるが、ガラス基板
50に形成された画素電極51は反射電極ではなく、透
明材料にて形成されている。また、第2の液晶層60
は、誘電異方性を有する液晶に2色性色素を混合したも
のである。液晶としては、90度などのツイスト角を有
するネマチック液晶を用いることができる。
【0038】一方、2色性色素としては、ゲストホスト
型の液晶装置に用いられる通常の各種の2色性色素であ
るアゾ系やアントラキノン系の色素の他、ナフトキノン
系、ペリレン系、キノフタロン系、テトラジン系などを
用いることができる。各種の2色性色素の例を以下の化
1〜化17に示す。ここで、化1〜化7に示すものはア
ゾ系、化8〜化15及び化17がアントラキノン系、化
16がテトラジン系である。
【0039】
【化1】
【0040】
【化2】
【0041】
【化3】
【0042】
【化4】
【0043】
【化5】
【0044】
【化6】
【0045】
【化7】
【0046】
【化8】
【0047】
【化9】
【0048】
【化10】
【0049】
【化11】
【0050】
【化12】
【0051】
【化13】
【0052】
【化14】
【0053】
【化15】
【0054】
【化16】
【0055】
【化17】
【0056】また、具体的な2色性色素の例としては、
三井東圧化学社製のSI512(製品番号、アントラキ
ノン系)、M361(製品番号、ペリレン系)、M34
(製品番号、アゾ系)などがある。
【0057】上記2色性色素は液晶に対して1〜10w
t%程度、特に、2〜6wt%の範囲内の濃度になるよ
うに予め混合し、ガラス基板40と50により構成され
たセル内に注入される。色素量は、色素の色調その他の
特性に応じて最適化される。
【0058】第1の液晶層30を有する液晶パネルと、
第2の液晶層60を有する液晶パネルとは、ガラス基板
10と50とを相互に透明接着剤により接着し、透明接
着層52を形成することにより貼着される。なお、両パ
ネルの貼着乃至は固定は、基板の溶着、パネルの周囲部
における接着、溶着などによっても行うことができる。
また、ガラス基板などの基板の表面凹凸による影響をな
くすために、透明接着剤として基板とほぼ等しい屈折率
を備えた材質を用いることが好ましい。さらに、同様の
目的のために、両パネルの基板間に基板とほぼ等しい屈
折率を有するオイルなどの流体を介在させ、基板の周囲
部を液晶封止に用いるものと同様のシール材によって封
止することによっても両パネルを接合させることができ
る。
【0059】電界無印加状態においては、図1に示すよ
うに、液晶分子31と高分子粒子32が同方向に配向さ
れており、ガラス基板に直交する視認方向の光に対する
液晶分子31の屈折率と高分子粒子32の屈折率とがほ
ぼ等しくなるように設定されているため、第1の液晶層
30はほぼ透明状態になる。一方、この状態において、
液晶分子61と2色性色素62がやはり同方向に配向
し、2色性色素は、視認方向に見て発色しているため、
第2の液晶層60は色素の色に着色する。本実施形態で
は、2色性色素は黒色若しくは黒色に近い暗色に発色す
るものが選定されている。
【0060】次に、上記実施形態の液晶装置において、
透明電極11と反射電極21との間に、及び、透明電極
41と画素電極51との間にそれぞれの液晶層における
閾値以上の電圧を印加すると、図2に示すように、第1
の液晶層30内の液晶分子31は電界方向に配向し、第
2の液晶層60内の液晶分子61及び2色性色素62も
電界方向に配向する。この結果、第1の液晶層30にお
いては、液晶分子31の視認方向の光に対する屈折率
と、高分子粒子32の同方向の光に対する屈折率との間
に差が生じるため、第1の液晶層30内にて光が散乱
し、白濁状態となる。一方、第2の液晶層60において
は、2色性色素62が電界方向に配向することにより発
色しなくなり、ほぼ透明状態になる。
【0061】したがって、電界無印加状態では、本実施
形態の液晶装置の画素は2色性色素の色、すなわち黒色
或いは暗色になり、電界印加状態では白色となる。図3
は、従来の高分子分散型の液晶装置(以下、単に「従来
例A」という。)と、高分子分散型の第1の液晶層に2
色性色素を混合した液晶装置B(以下、単に「従来例
B」という。)と、本実施形態の液晶装置Cとを対比し
て駆動電圧に対する液晶表示特性を示したものである。
本実施形態では、2色性色素の色調により電界無印加状
態での黒色が強調されるため、反射電極21による背景
や照明の写り込みを低減することができるとともに、従
来例A、Bのいずれに対してもコントラストが向上して
いる。たとえば、従来例Aのコントラストは13、従来
例Bのコントラストは14であるのに対し、本実施形態
Cのコントラストは18〜20であった。なお、本実施
形態では、各種素材やセル構造その他の最適化により2
0を越えるコントラストを得ることも可能である。
【0062】本実施形態によるコントラストの向上の原
因は、2色性色素が高分子粒子に取り込まれたり吸着さ
れたりしないために2色性色素の性能を充分に引き出す
ことができる点にある。また、第1の液晶層を形成する
ための光照射工程において2色性色素に光を照射するこ
とがないために耐光性の低い色素を使用することもでき
るから、たとえば、2色比の高い色素を用いることによ
って、さらに効果を高めることも可能である。
【0063】上記実施形態では、モノクロタイプの液晶
装置としての製造方法及び構造を示したが、反射電極2
1よりも図示上方のいずれかの場所にカラーフィルタを
設けることによりカラー化することも可能である。この
場合、カラーフィルタはガラス基板40の内面上に設け
ることが好ましい。
【0064】(第2実施形態)次に、図4を参照して本
発明に係る第2実施形態について説明する。この実施形
態では、先の第1実施形態に用いた第1の液晶層30を
有する液晶パネルと、第2の液晶層60を有する液晶パ
ネルとを上下逆にして貼着したものである。この場合、
第1の液晶層30を有する液晶パネルのガラス基板20
の内面上にはITOなどの透明材料により透光性を呈す
る画素電極21’が形成され、第2の液晶層60を有す
る液晶パネルのガラス基板50の内面上にはAl、Cr
などにより形成された反射電極51’が形成される。こ
の実施形態においても、第1実施形態と同様に駆動する
ことにより、ほぼ同様の表示を得ることができる。
【0065】(第3実施形態)次に、図5を参照して本
発明に係る第3実施形態について説明する。この実施形
態では、反射型液晶装置であった第1実施形態及び第2
実施形態とは異なり、透過型の液晶装置を構成してい
る。
【0066】ここで、上記第1実施形態又は第2実施形
態と全く同じ構造において反射電極層21又は51’の
みをITOなどの透明材料により構成し、透過型液晶装
置を形成することもできる。この場合には、第1の液晶
層30が透明状態にあるときに第2の液晶層60の呈色
により光を遮断し、第1の液晶層30が白濁状態にある
ときに白色光を透過させるようにして表示を行うことが
できる。しかし、この場合には、第1の液晶層30が透
明状態にあるときの第2の液晶層60による光の遮断は
必ずしも充分ではない可能性もあり、また、第1の液晶
層30が白濁状態にある場合の光透過率も充分でない可
能性もある。
【0067】このため、本実施形態においては、ガラス
基板40,50をLP−8T(信越シリコン社製、製品
番号)の2%溶液に30分浸漬して水洗し、乾燥させる
ことにより配向膜を形成し、第2の液晶層60’とし
て、電界無印加時において液晶分子61’と2色性色素
62’が共に垂直配向するようにし、また、液晶分子6
1’としてRDN00775(ロディック社製、製品番
号)などの負の誘電異方性を有するものを採用してい
る。
【0068】本実施形態では、電界無印加時において
は、第1の液晶層30はほぼ透明状態になり、第2の液
晶層60’もまたほぼ無色透明になる。一方、電界を印
加すると、第1の液晶層30は白濁するが、第2の液晶
層60’は、液晶分子61’が負の誘電異方性を有する
ことから水平方向に配向し、2色性色素62’もまた水
平方向に配向して発色するため、2色性色素62’の色
に着色した状態で光を散乱する。したがって、2色性色
素62’の色調を暗色にすることにより、光の透過率を
低減することができる。
【0069】本実施形態では配向膜を形成するために上
記LP−8Tを用いたが、液晶を垂直配向させることの
できるDMOAPやステアリン酸などの種々の垂直配向
剤を用いることができる。この場合に、配向処理は一方
の基板内面のみでも充分である。なお、本実施形態にお
いては、第1の液晶層30と第2の液晶層60’との位
置関係は上下いずれでもよく、したがって、光の入射方
向を上下いずれにとっても使用可能である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、液
晶と高分子とが分散混合してなる第1の液晶層と2色性
色素を含む第2の液晶層とを平面的に重ねて配置したこ
とにより、2色性色素が高分子中に取り込まれたり、高
分子に吸着されたりすることによる2色比の低下を抑制
することができるので、液晶装置のコントラストを向上
させることができるとともに、第1の液晶層の形成工程
中における2色性色素への影響を回避することができる
ため、耐光性や耐熱性などの2色性色素の諸特性に制限
されることなく2色比の高い材質を選定できるなど、2
色性色素の選択の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1実施形態の液晶装置の概略
構造を示す概略断面図である。
【図2】 第1実施形態の電界印加状態を示す概略断面
図である。
【図3】 第1実施形態の電圧−光学特性の関係を従来
例と比較して示すグラフである。
【図4】 本発明に係る第2実施形態の液晶装置の概略
構造を示す概略断面図である。
【図5】 本発明に係る第3実施形態の液晶装置の概略
構造を示す概略断面図である。
【図6】 従来の高分子分散型の液晶装置の概略構造を
示す概略断面図である。
【図7】 従来の液晶装置の電界印加状態を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
10,20,40,50 ガラス基板 11,41 透明電極 21,51’反射電極 21’,51 画素電極 30 第1の液晶層 31,61,61’ 液晶分子 32 高分子粒子 60,60’ 第2の液晶層 62,62’ 2色性色素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 19/60 C09K 19/60 Z G02F 1/1333 G02F 1/1333 (72)発明者 飯坂 英仁 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の液晶パネルが積層されて構成され
    る液晶装置において、液晶と高分子とを含む第1の液晶
    層を備えた第1の液晶パネルと、2色性色素を含む第2
    の液晶層を備えた第2の液晶パネルとを少なくとも有す
    ることを特徴とする液晶装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の液晶層に含まれる2色性色素
    は黒色その他の暗色を呈するものであることを特徴とす
    る請求項1記載の液晶装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の液晶パネルと前記第2の液晶
    パネルとを透光性の接着層にて接着したことを特徴とす
    る請求項1記載の液晶装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の液晶パネルと前記第2の液晶
    パネルとを透光性の材料を介して対向させ、両パネルの
    縁部を封止したことを特徴とする請求項1記載の液晶装
    置。
  5. 【請求項5】 前記材料は前記液晶パネルの基板の屈折
    率にほぼ等しい光屈折率を備えていることを特徴とする
    請求項4記載の液晶装置。
  6. 【請求項6】 液晶と高分子とを含む第1の液晶層を備
    えた第1の液晶パネルを形成する工程と、2色性色素を
    含む第2の液晶層を備えた第2の液晶パネルを形成する
    工程と、前記第1の液晶パネルと前記第2の液晶パネル
    とを積層する工程とを少なくとも有することを特徴とす
    る液晶装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の液晶パネルに挟持された第1
    の液晶層は、液晶と高分子前駆体とを混合した後、光照
    射により前記高分子前駆体を重合させて形成することを
    特徴とする請求項6記載の液晶装置の製造方法。
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