JPH1194088A - 金属製ガスケット - Google Patents

金属製ガスケット

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Publication number
JPH1194088A
JPH1194088A JP27659097A JP27659097A JPH1194088A JP H1194088 A JPH1194088 A JP H1194088A JP 27659097 A JP27659097 A JP 27659097A JP 27659097 A JP27659097 A JP 27659097A JP H1194088 A JPH1194088 A JP H1194088A
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JP
Japan
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positioning
hole
metal gasket
metal
gasket
Prior art date
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Application number
JP27659097A
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English (en)
Inventor
Hideo Kakimachi
英男 柿町
Kazukuni Takada
和邦 高田
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Nippon Gasket Co Ltd
Original Assignee
Nippon Gasket Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一対の構造体の取付面間に挟持される金属製
ガスケットの位置決め孔に設けた凸部を,位置決め部材
に弾性変形することなく当接させることにより,金属製
ガスケットを取付面に無理なく簡単に取り付ける。 【解決手段】 金属製ガスケットである排気マニホルド
ガスケットに形成されている金属板3A,3Bの位置決
め孔6の小径孔7には,周方向に等間隔に凸部10が設
けられている。位置決めピン30を位置決め孔6に挿通
させるときに,凸部10は,位置決めピン30の周面3
1に対して弾性変形することなく当接するので,凸部1
0には無理な力が作用せず,排気マニホルドガスケット
の取付面への装着が容易に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,一対の構造体の
取付面の間、例えば、シリンダヘッドと排気マニホルド
又はシリンダブロックとの間に挟持されて取付面の間を
シールする金属製ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来,シリンダヘッドと排気マニホルド
又はシリンダブロックとの間のようなエンジンを構成す
る部材の取付面間をシールするために,シリンダヘッド
と排気マニホルド又はシリンダブロックとの間に配置さ
れたガスケットが,締付ボルト等で締付けられている。
このガスケットはシリンダヘッドと排気マニホルド又は
シリンダブロックとの継ぎ目即ち当接面から排気ガス等
が漏洩しないように配設されるものであり、種々のタイ
プのガスケットが使用されている。
【0003】最近のエンジンは,軽量化、小型化、或い
は高出力指向をめざす自動車用高性能エンジンが開発さ
れており,軽量化のためにアルミニウム合金から成るシ
リンダヘッドを採用している。しかしながら,アルミニ
ウム合金は,軽量ではある反面,剛性が低いので,温度
変化に伴う熱膨張或いは熱収縮の増大、排気マニホルド
の肉薄化によるガスケット取付面即ち取付フランジ部の
熱変形の増加及びエンジン使用時における冷熱サイクル
条件によってガスケットに加わるストレス即ち熱負荷の
ために、ガスケットの破壊、シール面圧の急激な低下に
よるガス漏れ現象等の不具合が多く生じることがある。
そこで、従来のアスベスト等のガスケットの代替となる
有効なシール手段として、金属製ガスケットを用いる方
法が一般的に知られることとなり、金属製ガスケットに
ついて種々のガスケットが開発されている。金属製ガス
ケットは,ボルト孔等の貫通孔の周囲近傍にビードを有
しており,金属製ガスケットを間に挟んだシリンダヘッ
ドと排気マニホルド又はシリンダブロックとをボルト等
によって締め付けて固定するときに,取付面に対してビ
ードが弾性的な環状接触部を形成して取付面間をシール
するものである。
【0004】ところで,金属製ガスケットをエンジンの
シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面間に介装
されるシリンダヘッドガスケットとした場合には,対向
面に正確に配置されないと,ピストンが金属製ガスケッ
トに形成したシリンダボア孔に干渉するおそれがある。
また,金属製ガスケットをどのような接合面上に載置又
は仮止めするにしても,正しい位置に取り付けられない
と,対向面間に締め付けるときの作業性が悪い。
【0005】そのため,従来から,シリンダブロック
等,金属製ガスケットが載置又は仮止めされる側の構造
部材,即ち,シリンダブロックのデッキ面,或いはシリ
ンダヘッドの排気マニホルド取付け面に位置決めピン又
は位置決めボルトを植設し,金属製ガスケットには位置
決めピン又は位置決めボルトが嵌合可能な位置決め孔を
設け,組付けの際に,下側部材の位置決めピン又は位置
決めボルトを金属製ガスケットの位置決め孔に差し込む
ことによって,金属製ガスケットを対向面間の正しい位
置に配置するようにしている。その場合,前記位置決め
孔の径を位置決めピン径又は位置決めボルト径より公差
の範囲で僅かに大きく形成しておき,差込みを容易にし
て組付け作業効率の向上を図っている。
【0006】また,かかる金属製ガスケットの位置決め
構造として,従来,実開平4−107574号公報,実
開平4−122862号公報,実開平4−122863
号公報,実開平4−122864号公報,又は実開平4
−122865号公報に開示されたものがある。実開平
4−107574号公報,実開平4−122863号公
報,及び実開平4−122865号公報に開示されたも
のは,金属積層形ガスケットの位置決め穴が位置決めピ
ンに容易に嵌合し,一旦嵌合したら容易に外れない金属
ガスケットの位置決め装置であり,少なくとも一つの位
置決めピンの先端に,胴部側より先端側が張り出す張出
部を形成したり頂部板を取り付け,胴部に対向する位置
のガスケット構成板に位置決め穴を穿設し,その周縁が
張出部に引っ掛かるようにして金属ガスケットが位置決
めピンから抜け出すのを防止している。
【0007】また,実開平4−122862号公報や実
開平4−122864号公報に開示されたものは,ガス
ケット構成板に,位置決めピン径又は位置決めボルト径
よりも小さくした舌片状の突起を形成しておき,対向面
に植設した位置決めピンを金属ガスケットに差し込む際
に,位置決めピンに押されることにより舌片状の突起が
変形して互いに係合させる構造である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,金属製
ガスケットに形成される位置決め孔を位置決めピン径又
は位置決めボルト径よりも大きく形成したにすぎない従
来の金属製ガスケットの位置決め構造では,位置決めピ
ン又は位置決めボルトが金属製ガスケットを拘束する力
が殆どなく,金属製ガスケットが載置される下側の構造
部材の接合面から外れやすい。また,少なくとも一つの
位置決めピンの先端に,胴部側より先端側が張り出す張
出部を形成したり頂部板を取り付ける構造のものでは,
位置決めピンに,細径の首部や張出部を加工したり頂部
板を別に製作し且つ取り付ける作業を必要とし,エンジ
ンのコストを高くしている。更に,舌片状の突起を位置
決めピンに押し付けて変形させることにより位置決めす
るものでは,金属製ガスケットを接合面に組み付けると
きに,舌片状の突起が変形して,平坦に締めつけること
が困難であり,特に,金属製ガスケットを構成する金属
板の積層枚数が少ないと,平坦な締め付けが得難く,金
属製ガスケットに大きな負荷が生じやすい。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,接合
面に設けられた位置決めピン又は位置決めボルトが金属
製ガスケットに形成された位置決め孔から容易に外れる
ことがなく,しかも組付け後に接合面間で金属製ガスケ
ットを締め付けたときに金属製ガスケットに無理な負荷
が生じない金属製ガスケットを提供することである。
【0010】この発明は,流体通路孔が形成され且つ一
対の構造体の取付面間に介装された状態で前記流体通路
孔周りをシールする弾性金属板から成り,前記弾性金属
板には一方の前記構造体の前記取付面に植立された複数
の位置決め部材がそれぞれ嵌入する複数の位置決め孔が
形成されると共に,少なくとも一つの前記位置決め孔の
孔壁には,前記位置決め部材の周面に弾性変形すること
なく当接する少なくとも一つの凸部が設けられているこ
とから成る金属製ガスケットに関する。
【0011】この発明による金属製ガスケットは,以上
のように構成されているので,一方の構造体の取付面に
植立された複数の位置決め部材が弾性金属板に形成した
複数の位置決め孔にそれぞれ嵌入するように,金属製ガ
スケットを一方の構造体に載置すると,少なくとも一つ
の前記位置決め孔においては,孔壁に設けられた少なく
とも一つの凸部が弾性変形することなく位置決め部材の
周面に当接するので,位置決め部材が金属製ガスケット
を取付面に平行な方向に変位するのを規制する。金属製
ガスケットを取付面から外す方向の力が作用するとき
は,金属製ガスケットは僅かでも傾こうとして外れるの
が普通であるから,凸部が位置決め部材の周面に当接し
ている状態では,僅かな傾斜でも位置決め部材は金属製
ガスケットの動きを拘束して,金属製ガスケットが取付
面から外れるのを防止する。
【0012】また,この金属製ガスケットにおいて,前
記弾性金属板は積層された複数枚の金属板から成り,前
記凸部は少なくとも一枚の金属板に形成されている孔壁
に設けられている。金属製ガスケットを薄い金属板を積
層して構成すると,柔軟性,耐熱性,適度の圧縮性,シ
ール性等の点で有利となる。複数の位置決め孔は,積層
された複数枚の金属板に貫通して形成される。少なくと
も一つの位置決め孔の孔壁に形成される凸部は,積層し
た金属板の少なくとも一枚の金属板に形成される。した
がって,凸部は,積層板のいずれかの金属板に形成して
もよく,また,すべての金属板に形成してもよい。
【0013】また,この金属製ガスケットにおいて,前
記凸部は,各金属板毎に孔壁の周方向に隔置して設けら
れている。また,前記凸部は,孔壁の周方向に等間隔に
隔置して設けることができる。凸部を位置決め孔の孔壁
の周方向に隔置し,特に等間隔に隔置して設けることに
より,金属製ガスケットは位置決め部材の周りに分散し
て当接するので,位置決め部材は金属製ガスケットを取
付面内に位置決めし且つ抜止めをする。
【0014】また,この金属製ガスケットにおいて,前
記位置決め孔の孔壁には一つの凸部が設けられており,
前記金属製ガスケットを一方の構造体に載置した状態で
凸部の頂部と頂部に対向する位置における孔壁の壁部と
が位置決め部材に当接する。上記のように構成すること
により,一つの凸部の頂部と頂部に対向する位置におけ
る孔壁の壁部は位置決め部材の直径上に対向する二つの
部分となり,位置決め部材はその直径のいずれの側にも
相対的に変位することができず,金属製ガスケットは位
置決め部材に対して位置決めされる。
【0015】また,この金属製ガスケットにおいて,前
記位置決め孔の孔壁には周方向に隔置した二つの凸部が
設けられており,金属製ガスケットを一方の構造体に載
置した状態で両凸部の頂部と孔壁上の一つの位置におけ
る壁部とが位置決め部材の周面に当接する。このように
構成することにより,金属製ガスケットの両凸部の頂部
と位置決め孔の孔壁上の壁部との三つの部分が位置決め
部材に当接するので,金属製ガスケットは取付面内にお
いて位置決め部材に対して位置決めされる。
【0016】また,この金属製ガスケットにおいて,前
記位置決め孔の孔壁には周方向に互いに隔置した三つの
凸部が設けられており,金属製ガスケットを一方の構造
体に載置した状態で三つの凸部の頂部が位置決め部材の
周面に当接する。このように構成することにより,三つ
の凸部の頂点が位置決め部材と当接するので,金属製ガ
スケットは取付面内において位置決め部材に対して位置
決めされる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による金属製ガスケットの実施例を説明する。図1はこ
の発明による金属製ガスケットの一部の一実施例を示す
平面図,図2は図1に示した金属製ガスケットの矢視A
−Aで見た断面図,及び図3は図1に示した金属製ガス
ケットの符号Bで示す部分の拡大図である。
【0018】図1に示すこの発明の金属製ガスケットの
実施例は、一対の構造体として排気マニホルドとシリン
ダヘッドとが対向する取付面間のシールを行うため、排
気マニホルドとシリンダヘッドとの取付面間に挟持され
る排気マニホルドガスケット1である。この排気マニホ
ルドガスケット1には、シリンダヘッドに形成された排
気口に整合する流体通路孔である排気孔2が形成されて
いる。この排気マニホルドガスケット1は排気マニホル
ドの取付端面とシリンダヘッドの排気口端面との間に挟
持された状態で、排気マニホルドをシリンダヘッドにボ
ルト等の締付け手段(図示せず)で締め付けることによ
り固定されている。そして、排気マニホルドガスケット
1は、シリンダヘッドの側面と排気マニホルドの端面と
の間の気密性を保持して排気ガスの漏洩を防止するもの
である。
【0019】図1〜図3に図示した排気マニホルドガス
ケット1は,一つの排気孔2についてのものであるが,
多気筒エンジンについてはシリンダヘッドの排気口端面
に該気筒数に対応する数の排気口が形成されているの
で、該気筒数だけの排気マニホルドガスケット1が配置
されるものである。これらの複数個の排気マニホルドガ
スケット1は、例えば、連結板で互いに連結して1つの
排気マニホルドガスケットとして構成してもよく,或い
は排気マニホルドガスケットの1枚の金属製薄板に連結
板となる連結部を一体に形成して一体構造に構成するこ
ともできる。排気マニホルドについては,気筒の数(V
型エンジンでは,片側の気筒数)だけ存在する分岐管は
集合部で集合して排気管に接続されている。
【0020】排気マニホルドガスケット1は,耐熱性に
富む弾性金属薄板から製作したビード部4A,4Bを備
えた一対のビード付きの金属板3A,3B(総称の場合
には符号3で示す)が外側に配置され,金属板3A,3
B間の内部には中間金属板5が積層された構造に構成さ
れている。排気マニホルドガスケット1の金属板3A,
3B及び中間金属板5は,排気孔2の部分では,各単板
或いは積層板を互いに止着しない構造即ち非接合状態と
なっている。3枚の金属板は,排気孔2以外の部分にお
いて,グロメット,鳩目,折返し又はかしめ等の適宜の
固定手段(図示せず)によって互いに分離しないように
固定されている。
【0021】更に,排気マニホルドガスケット1におい
て,金属板3A,3Bはステンレススチール或いはイン
コネル(ニッケル合金)等の耐熱性に富んだ材料から製
作されており,また,シリンダヘッド及び排気マニホル
ドの大きな熱変形等の変形を吸収するため,ばね機能を
有する状態即ち弾性変形可能に形成されている。
【0022】金属板3A,3Bのビード部4A,4B
は,それぞれ排気孔2に沿って同心状且つ環状に取り巻
くハーフビードである。締付けボルト等によりシリンダ
ヘッドと排気マニホルドとの間に締め付けられた状態で
は,排気孔2周りにおける面圧はその他の部分での面圧
よりも高くなり,排気孔2周りでの高いシール性能を確
保することができる。
【0023】一方の構造体であるシリンダヘッドの取付
面としてのバンク面(図示せず)には,複数の位置決め
部材が植立されている。位置決め部材は,例えば,図2
及び図3の拡大図において想像線で描かれた位置決めピ
ン30である。位置決めピン30に代えて,ボルトの頭
部が植立した位置決めボルトとしてもよい。排気マニホ
ルドガスケット1には,位置決めピン30がそれぞれ嵌
入する複数(図示の場合2つ)の位置決め孔6が形成さ
れている。位置決め孔6は,金属板3A,3Bと中間金
属板5とを貫通して形成されており,金属板3A,3B
に形成された小径孔7と,小径孔7に対して同心状に形
成された中間金属板5の大径孔8とから成る。位置決め
孔6の小径孔7を形成する基本径Dbは,位置決めピン
30のピン径Dpよりも大径であるので,大径孔8は勿
論のこと小径孔7の基本径Dbを有する孔壁9は,位置
決めピン30と接触することはない。
【0024】複数の位置決め孔6のうち少なくとも一つ
の位置決め孔(図1で左側の位置決め孔6)の孔壁9に
は,位置決めピン30の周面に弾性変形することなく当
接する三つの凸部10が設けられている。三つの凸部1
0は,図示の例では,一対の金属板3A,3Bに形成さ
れた孔壁9において,図3に示すようにそれぞれ120
°毎の等間隔に周方向に隔置して設けられているが,金
属板3A,3Bの孔壁9の周方向位置について見ると同
じ位置に設けられている。三つの凸部10は,位置決め
ピン30に対して分散して当接するので,排気マニホル
ドガスケット1は,取付面内においてより安定した状態
に拘束される。
【0025】以上のように構成されている排気マニホル
ドガスケット1を,一方の構造体であるシリンダヘッド
の取付面に植立された複数の位置決めピン30が排気マ
ニホルドガスケット1に形成した複数の位置決め孔6に
それぞれ嵌入するように,シリンダヘッドの取付面に載
置すると,孔壁9に凸部10が設けられている位置決め
孔6においては,各金属板3A,3Bの三つの凸部10
の頂部11が,弾性変形をすることなく位置決めピン3
0の周面31に当接する。凸部10は,位置決めピン3
0によって強く押されず,そのため弾性変形をしないの
で,位置決めピン30を位置決め孔6に嵌入させるの
に,過大な力を作用させる必要がなく,組付け作業性が
向上する。また,凸部10を弾性変形させることなく、
単に位置決めピン30を位置決め孔6に嵌入するだけで
あっても,排気マニホルドガスケット1がシリンダヘッ
ドの取付面から垂直方向に外れることは,事実上無い。
例えば,エンジンの組立に際してシリンダヘッドの取付
面に排気マニホルドガスケット1を載置した状態のシリ
ンダヘッドを搬送している時に,搬送時の揺れや停止時
等に衝撃が生じるが,排気マニホルドガスケット1がシ
リンダヘッドの取付面から外れようとしても,排気マニ
ホルドガスケット1が僅かにでも傾斜すれば,凸部10
が直ちに位置決めピン30の周面31と干渉するので,
排気マニホルドガスケット1はシリンダヘッドの取付面
から外れることはない。
【0026】図4〜図6には,位置決め孔の別の例が示
されている。図5は,少なくとも二枚の金属板を含む弾
性金属板の一枚の金属板に形成される位置決め孔の形状
を示す図であり,図6は他の一枚の金属板に形成される
位置決め孔の形状を示す図であり,図4は,これら二枚
の金属板を重ねときの位置決め孔の形状を示している。
図5に示されている金属板3Cが上側に置かれ,その位
置決め孔12を形成する孔壁13には,直径方向に対向
した位置に凸部14が設けられている。また,図6に示
されている金属板3Dが下側に置かれ,金属板3Dの位
置決め孔12を形成する孔壁15には,直径方向に対向
した位置に凸部16が設けられている。上側の金属板3
Cと下側の金属板3Dとを重ね合わせた場合,凸部14
と凸部16とは,図4に示すように,孔壁の周方向に互
いに90°毎の等間隔に隔置した位置を占め,凸部1
4,16の四つの頂部17が位置決めピン40の周壁4
1に当接する。孔壁の基本径や凸部の頂部を包絡する円
の径の大きさの関係については,図3に示した関係と同
様であるので,更なる説明を省略する。
【0027】図7には,位置決め孔の更に別の例が示さ
れている。図7に示した金属板3Eの位置決め孔18の
孔壁19には一つの凸部20が設けられている。位置決
めピン50の横断面は円形であり,位置決め孔18の基
本形は円形であるとする。位置決めピン50は,位置決
め孔18に挿通した状態では,凸部20の頂部21と頂
部21と直径方向に対向する位置における孔壁19の壁
部22とが位置決めピン50の周壁51に当接する。当
接部分の数が二つであっても,凸部の頂部の形状をなだ
らかにする等の工夫により,位置決めピン50によって
充分金属製ガスケットの変位を制限することができる。
【0028】図8には,位置決め孔の更に別の例が示さ
れている。図8に示した金属板3Fの位置決め孔24の
孔壁25には周方向に隔置した二つの凸部26が設けら
れている。位置決めピン60の横断面は円形であり,位
置決め孔24の基本形は円形であるとする。位置決めピ
ン60は,位置決め孔24に挿通した状態では,両凸部
26の頂部27と孔壁25上の一つの壁部28の合計三
つの部分が位置決めピン60の周壁61に当接して,金
属製ガスケットが位置決めされる。
【0029】以上,この発明による金属製ガスケットの
実施例を,特に位置決め孔について幾つかの変形例を示
したが,この発明は,上記実施例に限られるものではな
い。即ち,第1の実施例において,凸部10は,外側の
金属板3A,3Bに形成した例を示したが,一方の金属
板にのみ形成してもよく,また,少なくとも一方の金属
板と合わせて或いは単独で中間金属板5に形成してもよ
い。また,3枚以上の金属板を積層する場合にも,いず
れかの金属板の孔壁に形成してもよく,また,すべての
積層板にの孔壁に形成してもよい。また,弾性金属板に
形成されるビードはハーフビード4A,4Bとしたがフ
ルビードとしてもよい。外側の金属板3及び中間金属板
5の板厚,及びビードの高さ及び幅等の形状について
も,エンジン部品の取付面の材質や硬さ等の物理的な性
質,或いはエンジンの仕様等にあわせて,取付面に発生
する不整を補正することができるように,金属製ガスケ
ットの仕様決定に際して,適宜変更することができる。
更に,金属製ガスケットは,エンジンにおけるシリンダ
ヘッドと排気マニホルドとの取付面間をシールするのに
限られず,シリンダヘッドとシリンダブロックの取付面
間をシールするために使用されるものであってもよい。
【0030】
【発明の効果】この発明による金属製ガスケットは,以
上のように構成されているので,一方の構造体の取付面
に植立された複数の位置決め部材が弾性金属板に形成し
た複数の位置決め孔にそれぞれ嵌入するように,金属製
ガスケットを一方の構造体に載置すると,少なくとも一
つの前記位置決め孔においては,孔壁に設けられた少な
くとも一つの凸部が弾性変形することなく位置決め部材
の周面に当接する。したがって,位置決め部材が金属製
ガスケットの取付面内での位置ずれが規制される。ま
た,金属製ガスケットを取付面から外す方向の力が作用
するときに,金属製ガスケットは僅かでも傾くと,位置
決め部材の周面に当接している凸部が位置決め部材と干
渉して金属製ガスケットの動きを拘束して,金属製ガス
ケットが取付面から外れるのを防止する。この発明の金
属製ガスケットによれば,位置決めピンの先端に,胴部
側より先端側が張り出す張出部を形成したり頂部板を取
り付けるものではなく,位置決めピンの加工が不必要で
あってエンジンのコストを低減できる。更に,金属製ガ
スケットを接合面に組み付けるときに,位置決め孔に設
けた凸部を変形させることがなく金属製ガスケットに負
荷や変形をもたらすことがなく,低応力状態で取付面間
に締め付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による金属製ガスケットの一実施例を
示す平面図である。
【図2】図1に示した金属製ガスケットの矢視A−Aで
見た断面図である。
【図3】図1に示した金属製ガスケットの符号Bで示す
部分の拡大図である。
【図4】この発明による金属製ガスケットの位置決め孔
の別の例を示す図である。
【図5】図4に示した金属製ガスケットの一金属板の位
置決め孔を示す図である。
【図6】図4に示した金属製ガスケットの別の金属板の
位置決め孔を示す図である。
【図7】この発明による金属製ガスケットの位置決め孔
の更に別の例を示す図である。
【図8】この発明による金属製ガスケットの位置決め孔
の更に別の例を示す図である。
【符号の説明】
1 金属製ガスケット 2 排気孔 3 金属板 4 ビード部 5 中間金属板 6,12,18,24 位置決め孔 9 孔壁 10,14,16,20,26 凸部 11,17,21,27 頂部 12 位置決め孔 30,40,50,60 位置決めピン 31,41,51,61 周壁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体通路孔が形成され且つ一対の構造体
    の取付面間に介装された状態で前記流体通路孔周りをシ
    ールする弾性金属板から成り,前記弾性金属板には一方
    の前記構造体の前記取付面に植立された複数の位置決め
    部材がそれぞれ嵌入する複数の位置決め孔が形成される
    と共に,少なくとも一つの前記位置決め孔の孔壁には,
    前記位置決め部材の周面に弾性変形することなく当接す
    る少なくとも一つの凸部が設けられていることから成る
    金属製ガスケット。
  2. 【請求項2】 前記弾性金属板は積層された複数枚の金
    属板から成り,前記凸部は,少なくとも一枚の前記金属
    板に形成されており且つ前記位置決め孔を構成する前記
    孔壁に設けられていることから成る請求項1に記載の金
    属製ガスケット。
  3. 【請求項3】 前記凸部は,前記各金属板毎に前記孔壁
    の周方向に隔置して設けられていることから成る請求項
    2に記載の金属製ガスケット。
  4. 【請求項4】 前記凸部は,前記孔壁の周方向に等間隔
    に隔置して設けられていることから成る請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の金属製ガスケット。
  5. 【請求項5】 前記位置決め孔の前記孔壁には一つの前
    記凸部が設けられており,前記金属製ガスケットを前記
    一方の構造体に載置した状態で前記凸部の頂部と前記頂
    部に対向する位置における前記孔壁の壁部とが前記位置
    決め部材に当接することから成る請求項1又は2に記載
    の金属製ガスケット。
  6. 【請求項6】 前記位置決め孔の前記孔壁には周方向に
    隔置した二つの前記凸部が設けられており,前記金属製
    ガスケットを前記一方の構造体に載置した状態で前記両
    凸部の頂部と前記孔壁上の一つの位置における壁部とが
    前記位置決め部材に当接することから成る請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の金属製ガスケット。
  7. 【請求項7】 前記位置決め孔の前記孔壁には周方向に
    互いに隔置した三つの前記凸部が設けられており,前記
    金属製ガスケットを前記一方の構造体に載置した状態で
    前記三つの凸部の頂部が前記位置決め部材に当接するこ
    とから成る請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属製
    ガスケット。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2808513A3 (en) * 2013-05-30 2014-12-24 Honeywell International Inc. Valve seat and gasket for exhaust bypass valve
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