JPH1193692A - コンバインドサイクルシステムとその夏期における吸気冷却方法 - Google Patents

コンバインドサイクルシステムとその夏期における吸気冷却方法

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JPH1193692A
JPH1193692A JP34359397A JP34359397A JPH1193692A JP H1193692 A JPH1193692 A JP H1193692A JP 34359397 A JP34359397 A JP 34359397A JP 34359397 A JP34359397 A JP 34359397A JP H1193692 A JPH1193692 A JP H1193692A
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intake air
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

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  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガスタービン吸気を冷却する吸気冷却サブシス
テムを、エネルギー使用量の小さい(冷却容量の小さ
い)システムで大きな実質的吸気冷却を得るものとす
る。さらに、本設備の保全への影響を少なくする。ま
た、請求項9では、冷媒にアンモニアをそして吸収剤に
水を用いる吸収冷却サブシステムをより簡素にかつ効果
的に改善する。 【解決手段】ガスタービン吸気の実質的冷却が、(1)
吸気の冷却と、(2)この冷却で発生するミスト(霧)
の吸気への混入と、(3)同時に水から別途さらにミス
ト化して吸気への混入して、両ミストの少なくとも一部
はコンプレッサー内で蒸発する。また別途さらにミスト
化した大きい径のミスト混入を抑制する。また請求項9
では、吸気冷却サブシステムにおいて、蒸発熱で吸気を
冷却した高濃度アンモニア蒸気の一部を吸収再生熱エネ
ルギーに利用し、一方残りの高濃度アンモニア蒸気一部
は、中濃度アンモニア溶液に吸収させる形で外部放熱し
て直ちに凝縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本出願は、ガスタービンとガ
スタービンの廃ガスを熱源とする蒸気タービンを有する
電力・動力発生用コンバインドサイクルシステムにおい
て、ガスタービンの吸気冷却サブシステムとこれを有す
るコンバインドサイクルシステム及びその吸気冷却方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、ガスタービンとガスタービンの廃
ガスを熱源とする蒸気タービンを有するコンバインドサ
イクルシステムが、その熱効率の高さ、環境性などから
設置が増加しており、原子力発電についでの第2のベー
スシステムとも言える基幹発電システムになりつつあ
る。
【0003】しかし、コンバインドサイクルシステムに
おいては、ガスタービンが夏期などの吸気温度が高くな
った場合に空気密度が低下し吸入空気質量が減少する
が、しかしコンプレッサーの圧縮仕事は大きく変わらな
いので、ガスタービン出力が大きく低下する現象があ
る。またガスタービンを流れる空気の量が少なくなる
と、当然ガスタービンの廃ガスを熱源とする蒸気タービ
ンの出力も同様に低下する。その結果、総合出力は冬場
の85%程度になる。
【0004】一方、年間を通じての電力需要のピークは
夏期の昼間に起きているが、この最も出力が望まれる場
合にコンバインドサイクルシステムの出力が大幅に低下
することは、コンバインドサイクルシステムの設置が漸
次増加するにつれて、電力供給能力への影響は大きいも
のになりつつある。
【0005】この最も出力が望まれる場合に陥る出力低
下に対して従来から種々の技術が提案がなされている。
それらの提案の多くはガスタービンの吸気を冷却して総
合出力を回復するものである。
【0006】従来からガスタービンの吸気を冷却する方
法としては、燃料であるLNGの蒸発熱エネルギーで冷
却する方法、夜間電力で製氷してその融解熱で冷却する
方法、液体空気で冷却する方法及び廃熱回収熱交換器か
ら排出されたガスの熱エネルギーをさらに吸収冷却サブ
システムの加熱熱源として利用して、このシステムから
の冷熱を利用する方法などが知られている。また、ガス
タービンの吸気に水を噴霧する方法があり、用途は異な
るが、航空用ガスタービンに使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】夏期のガスタービンの
出力を冬期または冬期近くの出力まで上げるためには、
吸気を冬期または冬期近くの温度まで下げることが必要
となる。しかし日本の夏期は湿度が高くて吸気温度を下
げるには多量の水蒸気を凝縮させる必要があり、そのた
めに吸気温度を冬期または冬期近くまで下げようとする
と吸気からの吸収熱量の約半分を水蒸気の凝縮に充てる
ことになる。
【0008】そして、吸気温度をより下げるには冷却す
る側の温度をより下げることが重要である。しかし冷却
管の温度を氷点以下に下げると冷却管に着氷が生じる。
氷は熱伝導率が冷却管の金属材料よりは大きく劣るので
冷却効果も大幅に低下する。したがって、冷媒の温度は
氷点より下げるのは不利であるのでそれを避けようとす
ると、特に吸気冷却の終わる箇所で、冷却管の温度と大
気との温度差が少ない。そのために冷却管のフィンを含
めた表面積は大きくなり、冷却管が占める容積も大きく
なり、それによってそこを通過する吸気の圧力損失も大
きくなる。
【0009】一方、吸気温度を下げるためのエネルギー
使用量及びそれを用いる設備は、とても無視できるもの
からは程遠くて、できるだけ小さいものが望ましい。こ
の様な状況で吸気を冷却する熱量の約半分を水蒸気を凝
縮に費やすのはコスト的にも望ましくない。
【0010】また、単に吸気に水を噴霧する方法がある
が、水滴はその径が大きいほどコンプレッサー翼の腐食
に悪影響がある。そして水滴が吸収したダストはこの水
滴が蒸発する際にコンプレッサー翼面特には静翼の翼面
に堆積しやすい。また、水滴に溶解した物質も水滴が蒸
発する際に堆積しやすい。ダストなどが翼面に堆積する
とコンプレッサーの効率が低下して熱効率及び出力に悪
影響ある。したがって水滴は保全及び性能の面から常時
水をコンプレッサーに入れることは好ましくない。
【0011】そして全負荷時に吸気に水を噴霧する量が
多い場合、コンプレッサー内の冷却効果によりコンプレ
ッサー駆動力を少なくしてその分を出力増加に回すこと
が出来る。しかしコンプレッサー内で冷却効果が出る前
の作動空気の密度・速度は変わらないので、燃焼ガスに
よるタービン発生動力のレベルは冬期より確実に低い。
そのため冬期並の出力を得るためには多量の水を噴射す
る必要があり、そして多量の水の付加は、燃焼前の作動
空気の温度を下げるので必要燃料の増加になり熱効率に
良くない。
【0012】なお航空機用のガスタービンに水噴射する
場合はコンプレッサー駆動力が少なくなる分さらにロー
ター回転数を多少増加させるので出力増加が容易であ
る。一方発電用ガスタービンは、ローター回転数は一定
であるので、吸気量の増加は少なく、コンプレッサー駆
動力の減少分が出力増加になる。
【0013】そのために出力を大幅に増加するには多量
の水噴霧が必要になる。また、噴霧する水を貯蔵して置
くための大型のタンクも必要になるが、夏期のピーク対
応の将来の方向としては、短時間の出力増加は、揚水発
電やピーク用ガスタービンで主に対応するので、コンバ
インドサイクルシステムにはより長時間の対応が望まれ
れている。そうなると吸気に水を噴霧するだけの対応
は、多量の水の準備が伴う。
【0014】また、冷媒にアンモニアをそして吸収剤に
水を用いるヒートポンプシステムとしてはGAXシステ
ムが成績係数が優れているが、このヒートポンプシステ
ムは冷却及び加熱兼用であり、そのため熱交換箇所が多
くてプラントの容積としては大きい。一方、本吸気冷却
に使用する吸収冷却サブシステムでは、冷却機能だけが
必要であるが、しかし冷却容量としては膨大な容量が必
要であることが特徴である。その冷却容量が大きいがた
めに吸気冷却システムはそのコンパクトさ求められる。
【0015】そこで、本出願の一部は、エネルギー使用
量の小さい(冷却容量の小さい)システムで大きな実質
的に大きな吸気冷却効果を有し、そして吸気の圧力損失
を少なく、また噴霧による悪影響が少ないコンバインド
サイクルシステムとその夏期における吸気冷却方法に関
する。また、本出願の他の一部(請求項8)は、冷媒に
アンモニアをそして吸収剤に水を用いるプロセスの改善
に関する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
【0017】請求項1(図1,6,9,10関連)は、
ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を他の流体に熱
エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びその熱エネルギ
ーで動力を発生する蒸気タービンからなるコンバインド
サイクルシステムにおいて、そのガスタービンの吸気を
冷却し、この冷却ではミスト(霧)と凝縮水を発生さ
せ、前者のミストをガスタービンの吸気に混入し、さら
に後者の凝縮水及び又は供給水を噴霧してガスタービン
の吸気にミストを混入し、そしてガスタービンのコンプ
レッサー内で両方の(コンプレッサー入口までに蒸発せ
ずに残った)ミストを蒸発させることを特徴とするコン
バインドサイクルシステムからなる。
【0018】ミスト(霧)はコンプレッサー内の入り口
側段で温度上昇と共に蒸発する。その際に温度上昇を押
さえるので吸気密度の上昇に寄与するために吸気を冷却
したのと同様の効果がある。請求項1では供給するミス
トを吸気冷却の際に発生するミスト及び冷却時の凝縮水
又は供給水をミスト化したものからなる。それによって
大きな吸気冷却効果を得ることができる。また吸気冷却
容量が小さく済むので吸気冷却サブシステムを大型化せ
ずに済む。そして吸気冷却容量が小さいので吸気通過抵
抗が小さくなるため圧力損失も小さくできる。
【0019】ミスト(霧)と凝縮水を発生させるには、
吸気に含まれる水蒸気の露点以下に吸気の温度を低下さ
せることで達成できる。ミストの発生には吸気の温度を
より低くすることが好ましい。
【0020】凝縮水及び又は供給水を別途さらにミスト
化するには、水を噴霧する方法,遠心力を利用する方
法,圧力空気を吹き付ける方法、超音波による方法など
がある。なお、吸気冷却箇所以降で凝縮水をミスト化す
るのが好ましい理由は、吸気冷却する箇所より前におい
て凝縮水をミスト化するとこのミストが冷却管やフィン
に捕捉されてガスタービンに達するミストが減少するの
で、それを避けるためである。
【0021】請求項2(図1,6,9関連)では、ガス
タービンとガスタービンを経た廃熱を他の流体に熱エネ
ルギーを移す廃熱回収熱交換器及びその熱エネルギーで
動力を発生する蒸気タービンからなるコンバインドサイ
クルシステムにおいて、そのガスタービンの吸気を冷却
し、この冷却ではミスト(霧)と凝縮水を発生させ、前
者のミストをガスタービンの吸気に混入し、一方、後者
の凝縮水を別途さらに噴霧してガスタービンの吸気にミ
スト混入し、そしてガスタービンのコンプレッサー内で
(コンプレッサー入口までに蒸発せずに残った)両方の
ミストを蒸発させることを特徴とするコンバインドサイ
クルシステムからなる。
【0022】凝縮水から生成したミストを混入すること
により、凝縮水を生成するに要した熱エネルギーを実質
的吸気冷却に振り向けることになる。したがって、冷却
サブシステムからの冷却エネルギーを有効に利用でき
る。また、実質的冷却量が少ないので冷媒と吸気の温度
差を大きく取れる。そうなると冷却管部分の容積がさら
に小さくなり、吸気がそこを通過する際の圧力損失も当
然小さくできる。また、回収した凝縮水を利用するので
水の有効再利用にもなる。
【0023】請求項2においてはガスタービンの吸気に
混入するミストを吸気の冷却時に発生したミストにさら
に水をミスト化したものを加えることでさらに実質吸気
冷却効果を増加させることができる。
【0024】ガスタービン吸気に混入するミストの量
は、吸気量の0〜2%程度が好ましい。1%でも大きな
効果が得られる。一方、一般の蒸気タービンの出口側で
の湿り度の10数%と比較すると1%は1桁小さい量で
ある。したがって、蒸気タービンに出口側の動翼と比較
しても特に条件は厳しいとは言えない。但し、コンプレ
ッサーの翼面に発生する腐食による凹凸は、圧縮効率に
とっては大変好ましくない。
【0025】請求項3(図1,6,9,10関連)で
は、ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を他の流体
に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びその熱エネ
ルギーで動力を発生する蒸気タービンからなるコンバイ
ンドサイクルシステムにおいて、そのガスタービンの吸
気をまずフィルターを通過させて次に吸気を冷却し、こ
の冷却ではミスト(霧)と凝縮水を発生させ、前者のミ
ストをガスタービンの吸気に混入し、そして後者の凝縮
水にはフィルターを通過したダストを吸着させ、供給水
及び又は凝縮水を別途さらに噴霧してガスタービンの吸
気にミスト混入し、そしてガスタービンのコンプレッサ
ー内で(コンプレッサー入口までに蒸発せずに残った)
両方のミストを蒸発させることを特徴とするコンバイン
ドサイクルシステムからなる。
【0026】フィルターを通過した細かいダストを除去
することで、コンプレッサー内の翼へのダスト付着量を
減少させ、また、ダストによるコンプレッサー翼の摩耗
量を減少する。なお、凝縮水に混入したダストはストレ
ーナー等で除去して噴霧する際にこのダストが飛散しな
いようにする。
【0027】また翼へのダスト付着を避けるには、静翼
の材料面からは、特には静翼表面をクロームメッキ処理
やステンレス製の表面研磨としてより平滑にするとダス
ト類が剥離し易く好ましい。また、クロームメッキは硬
度が高いのでダストによる摩耗に対しても好ましい。
【0028】請求項4(図11,12関連)では、ガス
タービンとガスタービンを経た廃熱を他の流体に熱エネ
ルギーを移す廃熱回収熱交換器及びその熱エネルギーで
動力を発生する蒸気タービンからなるコンバインドサイ
クルシステムの夏期における吸気冷却方法において、夏
期の1日の電力需要のピーク時には、そのガスタービン
の吸気を冷却し、さらに発生させたミストをガスタービ
ンの吸気に混入して実質吸気冷却効果を得て、一方,そ
の1日の電力需要のピークの前後には、そのガスタービ
ンの吸気を冷却するが、ガスタービンの吸気へのミスト
の混入は抑制し(0でなくても構わない)、夏期の1日
の中でも異なる吸気冷却効果を得ることを特徴とするコ
ンバインドサイクルシステムの夏期における吸気冷却方
法からなる。
【0029】夏期電力需要ピークは、13時〜15時を
中心とした数時間程度若しくはその時間帯に掛かる時間
である。そこでその時間を中心にして、やや大きい粒子
径であってもミストを付加すればその効果は大変大き
く、そして別途ミスト化したミストの混入は時間を限れ
ば、動翼の浸食や静翼へのダスト類堆積に対する影響を
少なく押さえることができる。そのため電力需要ピーク
から外れたその前後はミストの付加を停止することが、
動翼の浸食、静翼へのダストの堆積及び噴霧水に溶解し
ていた物質の堆積を増加しないことにつながる。
【0030】ミスト化された水の粒子径とその設備やコ
ストとの関係は、一般に粒子径が小さい程、設備が大掛
かりでしかもコストも高い。そこで粒子径は大きいが、
低いコストの噴霧器を使用すると、コンプレッサーの動
翼などの浸食が進行する問題がある。そのため一定使用
期間で動翼などを取り替える必要がでてくる。そこで上
記技術によれば、もちろん限度はあるが大きめの粒子径
のミストでも吸気に混入する時間を少なくすれば使用し
ても影響は少ない。
【0031】夏期電力需要ピークは、ピークの分類の仕
方で累計時間は異なる。例えば最も大きいピークを夏期
の高温度日の中の1日数時間づつ、年間でも数十時間程
度とすることが出来るし、それより時間を多く取れば、
ピークを夏期の1日4〜8時間程度づつ、年間でも20
0時間程度というようにすることも出来る。このピーク
のために、大型の吸気冷却サブシステムを備えるのは投
資効率が悪い。そこで最低限またはそれに近い吸気冷却
サブシステムを備えて夏期電力需要ピーク時間には凝縮
水等をさらにミスト化して吸気に混入して実質吸気冷却
効果を得る方が投資効率が良い。
【0032】請求項5(図11,12関連)では、ガス
タービンとガスタービンを経た廃熱を他の流体に熱エネ
ルギーを移す廃熱回収熱交換器及びその熱エネルギーで
動力を発生する蒸気タービンからなるコンバインドサイ
クルシステムの夏期における吸気冷却方法において、夏
期の1日の電力需要のピーク時には、そのガスタービン
の吸気を冷却し、さらに発生させたミストをガスタービ
ンの吸気に混入して実質吸気冷却効果を得て、一方,そ
の1日の電力需要のピーク前後には、そのガスタービン
の吸気は冷却するが、ガスタービンの吸気へのミストの
混入は抑制し、夏期の1日の時間において、実質定格ミ
スト量を混入する時間の合計よりも吸気を冷却する時間
の合計を多くすることを特徴とするコンバインドサイク
ルシステムの夏期における吸気冷却方法からなる。
【0033】ピークより少し低い電力需要レベルではミ
スト噴霧より、吸気を冷却するほうが、吸入ミスト量は
確実に少なくでき、その分当然コンプレッサー翼への悪
影響も少ないので、ピークを含めてのピーク前後は吸気
冷却を作動させることが保全面などで有利である。
【0034】請求項6(図8関連)では、ガスタービン
とガスタービンを経た廃熱を他の流体に熱エネルギーを
移す廃熱回収熱交換器及びその熱エネルギーで動力を発
生する蒸気タービンからなるコンバインドサイクルシス
テムにおいて、そのガスタービンの吸気を冷却し、この
冷却ではミスト(霧)と凝縮水を発生させ、前者のミス
トをガスタービンの吸気に混入し、さらに水(特には加
圧水からなる)を噴霧してミスト化してガスタービンの
吸気に混入し、ガスタービンのコンプレッサーにおい
て、後者のミストが蒸発する区間で動翼のミスト耐食性
を他区間の動翼より強化することを特徴とするコンバイ
ンドサイクルシステムからなる。
【0035】吸気中のミストはコンプレッサー内で動
翼,静翼などを浸食する。ミストの粒子径が小さいと浸
食性は小さく、それに対して粒子径が大きいと浸食性は
大きい。また動翼,静翼などのミスト耐食性が優れてい
ると浸食されにくい。水(特には加圧水からなる)を別
途噴霧してミスト化してした水滴径は、冷却により発生
するミスト径よりも大きくて、この水滴は翼に対して浸
食性が大きい。
【0036】水を噴霧する方法には、サクション方法、
加圧水噴霧方法及び、加圧水に圧力空気を混合して噴霧
する方法などがある。サクション方法はノズル当たりの
吐出量に限界がある。また、加圧水噴霧は水滴径が50
〜100μmでも吐出量を多くでき設備コストが安い。
また加圧水に圧力空気を混合して噴霧する方法は設備コ
ストは高いが水滴径をより小さく出来る。
【0037】したがって水(特には加圧水)を噴霧して
ミスト化する場合そのミストが蒸発する区間内の動翼の
ミスト耐食性を上げることにより、動翼の寿命増加と効
率の確保ができる。
【0038】動翼,静翼などの耐食性に掛けるコストに
対して、吸気冷却サブシステムの容量増加コストを比較
すると、吸気冷却サブシステムの容量を増加させるより
も、ミストを混入して同様の効果を得てその補償として
動翼,静翼などの耐食性を向上させるほうが有利であ
る。また設備スペースの点や、吸気冷却サブシステムに
加熱用として供給する蒸気などの供給量の点からも後者
のほうが有利である。
【0039】動翼,静翼のミスト耐食性を強化するには
つぎの方法がある。(1)翼の吸気側に焼き入れまたは
ステライト等の高耐食合金の張り付け等がある。また
(2)翼表面に硬いクロームメッキ処理をする。(3)
翼材料自身の高合金化(ケイ素,ニッケル,クロム,マ
ンガン,モリブデン等の増量)があり、さらに(4)翼
材料自身の耐食性金属(チタンなど)の使用等がある。
また、それ以外の方法でも構わない。
【0040】上記の(1),(2)の項目は翼の一部分
の耐食性強化に関してであり、一方上記の(3),
(4)の項目は翼内外全体の耐食性強化に関する。
【0041】請求項7(図11関連)では、ガスタービ
ンとガスタービンを経た廃熱を他の流体に熱エネルギー
を移す廃熱回収熱交換器及びその熱エネルギーで動力を
発生する蒸気タービンからなるコンバインドサイクルシ
ステムにおいて、そのガスタービンの吸気にミスト
(霧)混入し、ミストはガスタービンのコンプレッサー
内の入り口側に近い圧縮域で蒸発し、この蒸発区間にお
いて、コンプレッサーの複列動翼及び角度可変翼で流量
を増加させ、この複列動翼による流量の増加においては
入り口に近い翼ほど増加比率を大きくする対応形状の複
列動翼からなることを特徴とするコンバインドサイクル
システムからなる。
【0042】ガスタービンのコンプレッサーにおいて、
ミストが蒸発すると作動流体(空気)を冷却するが、そ
れによって同圧力対比の容積が小さくなり、コンプレッ
サー駆動動力が減少して出力が増大する。しかし、コン
プレッサー入口の流量は殆ど変わらないのでガスタービ
ンに入る作動空気量そのものは少ないままであり、その
ことは出力に対して不利である。
【0043】これを改善するために、ミストが蒸発する
コンプレッサー部を通過する流量を、それ以降のプロセ
スに見合った流量に増加する必要がある。この流量を増
加させるにはコンプレッサー入り口の流量及び入口から
数段目の流量を増加する。入り口の流量を増加する例と
しは、コンプレッサーの前に送風機又はプレコンプレッ
サーを置くことがあるが、この方法は、そのために大き
なコストが掛り、またその動力も小さくない。
【0044】水噴霧だけでコンプレッサーの吸気を冷却
する及び又は、目標冷却効果として冬期並を狙う場合
は、水滴が蒸発するまでの吸気流量を大幅に上げる必要
がある。その増加量はコンプレッサーの当初の設計値か
ら大きく離れており、入口案内翼だけの角度調整だけで
は対応が難しい。
【0045】この流量を増加させるには、流速を増加さ
せる、通過面積を大きくする、作動空気の密度を大きく
することの単独又は組み合わせで対応する。但し流量は
増加しても、作動空気が単位時間当たりコンプレッサを
通過する質量自体は冬期の通過質量と同程度である。
【0046】図11は請求項7について説明する図であ
る。図11の上側はコンプレッサーの流量増加対応可変
入り口案内翼216と第1段ミスト214を上から見た
略図である。流量増加対応第1段動翼214は矢印の回
転方向に回っており、それで流量増加対応可変入り口案
内翼216を介した吸気を圧縮している。流量増加対応
可変入り口案内翼216及び又は流量増加対応可第1段
静翼214の翼角度を変化させること及び流量増加対応
第1〜3段動翼214の組み合わせで吸気流量を変化さ
せる。その際、吸気中のミストはコンプレッサー内で漸
次蒸発してその比容積が小さくなるので、コンプレッサ
ー段での容量の増加割合も漸次小さくする。
【0047】請求項8(図6,7,9,10関連)で
は、ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を他の流体
に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びその熱エネ
ルギーで動力を発生する蒸気タービンからなるコンバイ
ンドサイクルシステムの夏期における吸気冷却方法にお
いて、吸気室の少なくとも出口方向に位置する冷却管で
ガスタービンに入る吸気を、吸気中水分の氷点(好まし
くは5℃以下の出来るだけ低温度)近くの冷媒蒸発熱で
そのまま(水などの間接熱媒体は無い)を冷却して吸気
との温度差を大きくし、そして発生させたミストをガス
タービンの吸気に混入することを特徴とするコンバイン
ドサイクルシステムの夏期における吸気冷却方法からな
る。
【0048】吸気を冷却する際には蒸発熱で冷却すると
冷媒の使用量は、非常に少なく済む。そして、吸気中水
分の氷点(0℃)近くの蒸発熱を利用するとさらに伝熱
効率が良いので冷却伝熱面積は少なくすむ。したがって
コスト及び吸気圧力損失も低くできる。
【0049】さらにミストを吸気に混入することによる
効果が加わるので吸気冷却部での冷媒と、吸気との温度
差を大きくできる。例えば、大気の湿度により異なる
が、吸気冷却だけの場合に15℃まで冷却したガスター
ビン出力改善効果を基準にすると、20℃までの吸気冷
却とミスト混入を併用した場合の出力改善効果が同等で
あるとするとの場合とを比較すると、これらの場合での
吸気と冷媒との温度差は、吸気冷却だけの場合は最大1
5℃で、一方ミストを混入した場合は最大20℃取れ
る。したがって、ミストを混入すると、吸気に対して冷
却管及び冷却フィンの温度差が大きいので冷却伝熱面積
を小さくできる。
【0050】請求項9(図2〜5関連)では、ガスター
ビンとガスタービンを経た廃熱を他の流体に熱エネルギ
ーを移す廃熱回収熱交換器及びその熱エネルギーで動力
を発生する蒸気タービンからなるコンバインドサイクル
システムにおいて、そのガスタービンの吸気冷却サブシ
ステムで、冷媒としてアンモニアを、そして吸収剤とし
て水を用い、外部からの熱エネルギーで中濃度アンモニ
ア溶液を加熱して高濃度アンモニア蒸気と低濃度アンモ
ニア溶液とを生成し、高濃度アンモニア蒸気は外部に放
熱して凝縮し、一方前記加熱で生じた低濃度アンモニア
溶液に、吸気を冷却した高濃度アンモニア蒸気の一部を
吸収させて中濃度アンモニア溶液とし、その吸収熱エネ
ルギーで中濃度アンモニア溶液を加熱して高濃度アンモ
ニア蒸気と中濃度アンモニア溶液とを生成し、高濃度ア
ンモニア蒸気は濃度をさらに高めた後に外部に放熱して
凝縮し、前記高濃度アンモニアの凝縮液を蒸発させて吸
気冷却に使用し、吸気を冷却した高濃度アンモニア蒸気
の一部を吸収した前記薄い中濃度アンモニア溶液を、こ
の高濃度アンモニア蒸気の残部と混合して外部に放熱し
て凝縮することを特徴とする吸気冷却サブシステムを有
するコンバインドサイクルシステムからなる。
【0051】このシステムは冷却専用のシステムであ
り、吸気を冷却した高濃度アンモニア蒸気の一部を吸収
加熱エネルギーに供給するが、一部は直ちに凝縮するこ
とで、他の経路を回さずにシステム自体を簡素化するも
のである。
【0052】請求項10(図7関連)では、ガスタービ
ンとガスタービンを経た廃熱を他の流体に熱エネルギー
を移す廃熱回収熱交換器及びその熱エネルギーで動力を
発生する蒸気タービンからなるコンバインドサイクルシ
ステムにおいて、そのガスタービンの吸気を冷却し、こ
の冷却ではミスト(霧)と凝縮水を発生させ、少なくと
も前者のミストをガスタービンの吸気に混入し、この吸
気の冷却は、冷媒の蒸発熱でまず直接冷却し、次に冷媒
の濃度が低くなった残液の蒸発で吸気室の壁面を冷却し
て吸気を冷却することを特徴とするコンバインドサイク
ルシステムからなる。
【0053】冷媒を吸収冷却サブシステムで蒸留する
際、その中に吸収剤(水)が混入する。そして蒸発冷却
の際にはこの吸収剤の蒸発は遅れるので残液は冷媒濃度
が低くなる。そして冷媒濃度が低くなると蒸発条件が、
高めの温度又は低めの圧力に移動してくる。そこで後者
の低目の圧力を採用すると吸収冷却サブシステムにおけ
る吸収再生加熱器の加熱温度が下がって冷媒蒸留量が減
少するのでこれは不利である。そこで前者の高めの温度
をそのまま採用すると冷却管と吸気との温度差が減少す
るので伝熱面積の増大が必要になり、これによって吸気
圧力損失も増加するので好ましくない。
【0054】そこで本請求項では、伝熱効率が良い壁面
と接合することで、高い伝熱効率を得、低目の温度差で
も残液をより多く蒸発する。これにより、冷却サブシス
テムで蒸留した冷媒を効率良く利用できる。つまり吸収
冷却サブシステムに戻す残液を少なくできる。したがっ
て吸収冷却サブシステムの負担を少なくでき、それに費
やすエネルギー(蒸気/温水)も少なくできる。
【0055】残液が流れる管の配置は、壁面の内側でも
外側でも構わない。また管の断面形状は丸形でも角型で
も構わない。また、管自身が壁面を構成することもでき
る。
【0056】
【発明の実施の形態】図1は請求項1〜3対応の実施の
形態である。この図1での冷却サブシステムとしては、
吸収冷却によるもの、LNG蒸発冷却によるもの、圧縮
式冷却によるものなどがある。この1例を抜き出したも
のが図2である。
【0057】ガスタービン6に入る空気は、吸気室1
で、フィルターを通り次ぎにフィン付き冷却管3で冷却
される。この際ミスト(霧)と凝縮水が発生するが、こ
のミストはコンプレッサー5に送る。回収した凝縮水は
ダストを除去して(濾過などして)噴霧器4から別途ミ
スト化してこれもコンプレッサー5に送る。また、別途
ミスト化する水は外部からも供給できる。そして電力需
要ピーク時から外れて別途ミスト化しない場合は調整弁
15をへて外部へ排出できる。なおコンプレッサー5と
ガスタービン6は一般には共通シャフトを使用して一体
化している。この場合にはコンプレッサーとガスタービ
ンを併せてガスタービンと呼称している。
【0058】なお図1では、コンプレッサーの入り口側
3段の動翼をチタン製として、ミスト耐食性を向上して
いる。また同入り口側2段の静翼表面にはクロームメッ
キ処理をして、ダストによる摩耗、及びダストや噴霧水
溶解物質が付着しても剥離がより容易に出来る対応をし
ている。
【0059】また図1では、冷却サブシステムの冷媒を
加熱する熱エネルギーを廃熱回収熱交換器3から受けて
いる。また、その熱エネルギーはタービン(抽気も含
む)から受けることもできるし、タービンとタービンの
つなぎ経路(高圧タービンの最終翼から低圧タービンの
入口ノズルの間)などから受けることもできる。
【0060】図2は請求項9対応の実施の形態である。
図2の吸収冷却サブシステムでは、外部熱加熱器21で
は蒸気及び又は温水の熱エネルギーで中濃度アンモニア
溶液を加熱する。この加熱された中濃度アンモニア流体
は、高濃度アンモニア蒸気と低濃度アンモニア溶液とに
分離される。高濃度アンモニア蒸気は精留器27に送ら
れる。
【0061】一方、この低濃度アンモニア溶液は,調整
弁31を経て吸収再生加熱器24に送られる。吸収再生
加熱器24でこの低濃度アンモニア溶液は,吸気室から
の高濃度アンモニア蒸気(吸気を冷却した)を吸収して
発熱して他の中濃度アンモニア溶液を加熱する。そこで
加熱された流体は、高濃度アンモニア蒸気と低濃度アン
モニア溶液とに分離器35で分離される。この高濃度ア
ンモニア蒸気は、精留器27に送られ、低濃度アンモニ
ア溶液は外部熱加熱器21に送られる。
【0062】高濃度アンモニア蒸気を吸収して発熱した
薄い中濃度アンモニア溶液は、ポンプ30を経て吸気冷
却器からの高濃度アンモニア蒸気(吸気を冷却した)と
合わせて凝縮器38に送られる。
【0063】精留器27では,高濃度アンモニア蒸気に
含まれる低濃度アンモニア蒸気分は、凝縮して中濃度ア
ンモニア溶液を加熱して、高濃度アンモニア蒸気と薄い
中濃度アンモニア溶液とに分離器36で分離する。この
アンモニア蒸気は凝縮器37に送られ、薄い中濃度アン
モニア溶液は凝縮器38に送られる。
【0064】凝縮器37には、高濃度アンモニア蒸気が
集められて外部に熱を放出して凝縮する。凝縮した高濃
度アンモニアは吸気冷却器で蒸発してその蒸発熱でガス
タービン吸気を冷却する。
【0065】凝縮器38には、吸気室からの高濃度アン
モニア蒸気の一部と薄い中濃度アンモニア溶液が集めら
れ、外部に放熱しながら溶液が蒸気を吸収する。凝縮し
た溶液はポンプ29で、吸収再生加熱器24と精留器2
7に送られて循環する。
【0066】この図2の実施の形態では、吸気室で吸収
した熱エネルギーを吸収再生加熱器24で中濃度アンモ
ニア溶液の加熱に使用するので、凝縮器38の容量を少
なくでき、さらに外部熱加熱器21で消費する蒸気の量
も少なくできるという大きなメリットが2つもある。
【0067】また、このシステムは冷却専用のシステム
であり、吸気を冷却した高濃度アンモニア蒸気の一部を
吸収加熱エネルギーに供給するが、一部は凝縮器38で
直ちに凝縮することで、他の経路を回さないのでシステ
ム自体を簡素化できる。
【0068】図3は請求項9対応の実施の形態である。
図3は、図2における外部熱加熱器21と精留器27を
一体化したものである。図3の熱交換部46が精留部に
当たる。そして熱交換部46では外部熱加熱器41で蒸
発した高濃度蒸気と、吸収再生加熱器43で蒸発した高
濃度蒸気とを集めて、低濃度蒸気分を凝縮して落とすこ
とで濃度をさらに高くする。また整流板53は高濃度蒸
気の流れを規制すると共に、凝縮した低濃度溶液を外部
加熱側に落とす役割を有する。なお、この図3では凝縮
器43,44を図2より詳しく記載している。
【0069】図3では外部熱が主に蒸気の場合を対象と
しているが、温水利用でも、温水の温度をそれにあわせ
て十分に高くすれば、このプロセスを用いることは勿論
可能である。但し、一般にはそれは温水の流量が多くな
るので効率の面からは有利とは言えない。
【0070】図4は請求項9対応の実施の形態である。
前記図3においては外部熱が主に蒸気の場合を対象とし
ているのに対して、図4では、外部熱が主に温水の場合
を対象としている。主な相違は、外部熱加熱器で加熱す
る流体が異なる。図3では外部熱加熱器41で加熱する
流体を吸収再生加熱器42での加熱された残液(濃度が
より薄い)を用いるが、一方図4では外部熱加熱器71
で加熱する流体を凝縮器79で凝縮した中濃度アンモニ
ア溶液をポンプ84を経て直接使用する。これは利用温
度が蒸気の場合はほぼ一定であるのに対し、温水の場合
の利用温度は一般に低い温度までの熱エネルギーを使用
することによる。この場合は吸収再生加熱器で蒸発でき
る高濃度蒸気の割合は図3の方が多くなる。したがって
この時の成績係数は図3の方が高い。
【0071】また、調整弁86を出た低濃度アンモニア
溶液は、精留部の熱交換器76のようにポンプ84を出
た中濃度溶液を加熱分離する。
【0072】図5は請求項9対応の実施の形態である。
図5は、図4と同様に外部熱が主に温水の場合を対象と
している。図4との主な相違は、(1)図4では外部熱
加熱器71で加熱されて分離した蒸気は精留部に入れて
いたが、図5では凝縮器103に直接入れていること、
及び(2)図4では吸収再生加熱器72で加熱されて出
た残液は分離器89から調整弁86,ポンプ85を経て
凝縮器74に入れていたが、図5では吸収再生加熱器1
02で加熱されて出た残液は分離器120から外部熱加
熱器101に入れて、そこで熱を放出して調整弁117
を経て凝縮器104に入れていることである。
【0073】図5の特徴は、前記の(1)項により精留
部の熱交換部106を小さくでき、後記の(2)項によ
り吸収再生熱をより有効に利用できることである。
【0074】また、この図2〜5における調整弁は、圧
力・流量を調整するが主には圧力を調整するものであ
る。
【0075】図6は請求項1〜3,8対応の実施の形態
である。この図1に似ているが、主な相違は図6が、
(1)吸気冷却が冷媒の蒸発による直接冷却に限定して
あること、(2)ミスト噴霧系統にタンク148を設け
ていること、(3)蒸気タービン部を省略していること
などである。
【0076】ガスタービン136に入る空気は、吸気室
131で、フィルター132を通り次ぎにフィン付き冷
却管133で冷却される。この際ミスト(霧)と凝縮水
が発生するが、このミストはコンプレッサー135にそ
のまま送る。回収した凝縮水に含まれるダストを除去し
て(濾過などして)噴霧器134から別途ミスト化して
これもコンプレッサー135に送る。また、別途ミスト
化する水は一時タンク148に入る。そして電力需要ピ
ーク時から外れて別途ミスト化しない場合は調整弁14
6をへて外部へ排出できる。
【0077】なお、コンプレッサー入り口側の入り口案
内翼1段,動翼3段,静翼2段の計6段はその材料には
耐浸食性合金を使用している。
【0078】図6では、冷却サブシステムの冷媒を加熱
する熱エネルギーを廃熱回収熱交換器137から受けて
いる。また、その熱エネルギーはタービン(抽気も含
む)から受けることもできるし、タービンとタービンの
つなぎ経路(高圧タービンの最終羽根から低圧のタービ
ンの入口ノズルの間)などから受けることもできる。ま
たこの形態での冷媒の蒸発最低温度は2℃である。
【0079】図7は請求項8,10対応の実施の形態で
あり、図7(a)は吸気室を上から見た図、図7(b)
は吸気室の断面を吸気の入り口側から見た図である。
【0080】吸収冷却サブシステムから送られた冷媒は
調整弁157で減圧されて吸気室151に入る。吸気室
151では冷媒が.氷点近くの蒸発温度(0〜5℃)で
吸気から熱を奪って蒸発する。蒸発した気体は吸収冷却
サブシステムに戻り、冷媒の残液はポンプ155で再度
吸気室151に入れる。吸気室151では、冷媒が吸気
から熱(前回よりは温度が少し高い)を奪って蒸発す
る。蒸発した気体は吸収冷却サブシステムに戻り、冷媒
の残液はポンプ156で再度吸気室151の壁面に取り
付けられた冷却管に入れる。吸気室151では、冷媒の
残液は吸気室151の壁面を冷却して蒸発する。壁面は
熱放出面積が大きいので、蒸発するにはより高い温度が
必要になっている残液でも蒸発させやすい。蒸発した冷
媒は吸収冷却サブシステムに戻る。条件によっては、残
液の一部は蒸発しない場合もあるが、この液体も吸収冷
却サブシステムに戻る
【0081】図8は請求項6の実施の形態であり、コン
プレッサーの動翼及び静翼の並びの例である。シャフト
側161に付いているのが動翼で、ケーシング162に
一部を埋めた形のものが静翼である。なお入り口には可
変入り口案内翼163がある。入り口側の動翼3段は耐
食性動翼163であり、チタン製である。そして入り口
側の静翼2段は耐食性静翼164であり、耐食性合金か
らなる。そして可変入り口案内翼165も耐食性合金か
らなる。他の動翼及び静翼はミストを受けたと仮定して
耐食性がこれらより劣る合金鋼である。これらによって
噴霧した大径ミスト(蒸発が遅くなる)の腐食に対応す
る。また、入り口側の静翼2段の硬質クロームメッキ処
理をして、ダストによる耐摩耗の外に、ダストや噴霧水
溶解物質が付着しても剥離性が容易な対応も出来る。
【0082】図9は請求項1〜3,8の実施の形態であ
り、吸気冷却を圧縮型冷却機で行う例である。図9の吸
気室171は略図化したものであり、吸気ダクト、吸気
プレナム等を含むことが出来る。
【0083】ガスタービン176に入る空気は、吸気室
171で、フィルター172を通り次ぎにフィン付き冷
却管173で冷却される。ここで凝縮水(水滴や水膜の
状態)を発生させる。この時にフィルター2を通過した
細かいダストを付着させる。そして回収した凝縮水を
(濾過などして)噴霧器174から別途ミスト化して、
これもコンプレッサー175に送る。また、別途ミスト
化する水は外部からも供給できる。
【0084】吸気の冷却は、冷媒を冷媒コンプレッサー
179で圧縮して、つぎに凝縮器180で放熱して、次
に調整弁184で減圧して冷却管173で冷媒が蒸発す
る際の吸収熱で行う。図9での冷媒が蒸発する温度は5
℃である。
【0085】そして夏期の電力需要ピーク時から外れて
ミストを混入しない場合は凝縮水を調整弁185をへて
外部へ排出できる。そして夏期の電力需要ピーク時の一
日においては、ミストの定格量(100%)混入時間は
吸気冷却時間より短い。例えばミスト混入時間を11時
から15時までのピーク時間として、吸気冷却時間をそ
の前後も含めた9時から18時までとすることが出来
る。なおコンプレッサー175とガスタービン176は
一般には共通シャフトを使用して一体化している。この
場合にはコンプレッサーとガスタービンを併せてガスタ
ービンと呼称することがある。
【0086】なお図9のコンプレッサーの入り口側動翼
3段は、動翼をチタン製として、ミストによる腐食に対
応している。
【0087】また図9では、冷却サブシステムの冷媒を
圧縮するエネルギーは、図9には記載していないが電動
機から受けている。なお、本出願の図では、発生動力を
電気エネルギーに変換する発電機、そしてポンプを駆動
する電動機類は図面では省略している。
【0088】ガスタービンのコンプレッサーの入り口で
は作動流体(空気)の流速が高くなり、それによって静
圧が下がり、そして温度も低下する。作動流体(空気)
の温度が低下すると、その温度や湿度の条件によって
は、この箇所でミストが発生する。しかしこのミストは
本出願での噴霧したミストとは異なる。
【0089】コンプレッサー内で新たに発生するミスト
は、ダストを核にしやすい。ミストに含まれるダストは
静翼などで付着すると性能低下に結び付くので冷却管3
の表面の水滴や水膜に先に付着させて少なくともその一
部を取り除く。これによってコンプレッサー翼へのダス
ト付着を少なくすることが出来る。
【0090】また、この箇所では、本出願での噴霧した
ミストに水分が付着して粒子径が多少変化してすること
も有り得るが、本出願での噴霧したミスト自体は少なく
とも一部はコンプレッサー内で蒸発して機能する。そこ
で本出願でいうミストは、プロセスの過程で粒子径が変
わる場合も含む。
【0091】図10は請求項1,3,8の実施の形態で
ある。ガスタービン197に入る空気は、吸気室191
で、フィルター192を通り、フィン付き冷却管194
(3℃)で冷却される。次に水を加圧して噴霧器195
でミストを噴霧して吸気に混入する。このミストはコン
プレッサー196に送る。ミスト噴霧は上方に密度を高
く偏って行う。入り口側で回収した水をストレーナー2
05を通して噴射器193から水を噴射して冷却管19
4に付着したダストを落とす。この水の噴射は作動中常
時行うことも出来るし、また間欠的にも出来る。またコ
ンプレッサー側で回収した水をストレーナー206を通
して再び噴霧器195からミストにして噴霧する。
【0092】タンク198で凝縮水が余剰になった場合
はタンク199に供給することも出来る。なお夏期の電
力ピーク時の1日においては、吸気冷却の作動時間は定
格量ミスト噴霧時間よりも長い。
【0093】図11は請求項7の実施の形態であり、コ
ンプレッサーの動翼及び静翼の並びの例である。シャフ
ト側211に付いているのが動翼で、ケーシング212
に一部を埋めた形のものが静翼である。なお入り口には
流量増加対応可変入り口案内翼216がある。入り口側
の動翼3段は流量増加対応動翼213であり、チタン製
である。そして入り口側の静翼2段は流量増加対応静翼
215であり、第1段静翼218は角度可変である。
【0094】流量増加対応動翼213は入り口側から順
に10%流量増加、6%流量増加、2%流量増加に対応
している。しかし動翼だけでその流量増加を得るのは好
ましくなく、流量増加対応可変入り口案内翼216及び
流量増加対応静第1段静翼218の各々の角度を変えて
対応することが好ましい。そして流量増加の必要が無い
ときには可変入り口案内翼216及び流量増加対応静第
1段静翼218の各々の角度を調整して吸気を定格速度
で送り込むことが出来る。なお、吸気の吸入流量を増加
するには、流速を増加させるか及び又は流入面積を増加
させる。
【0095】図12は請求項4,5対応の実施例であ
る。図12は夏期電力需要ピークの1日のコンバインド
サイクルシステムの出力を縦軸にそして時間を横軸にし
たグラフである。吸気冷却の作動時間は12時間で、ミ
ストの混入の4時間よりも長い。吸気冷却及びミスト噴
霧は定格能力で作動している。
【0096】図13は請求項4,5対応の実施例であ
る。図12は夏期電力需要ピークの1日のコンバインド
サイクルシステムの出力を縦軸にそして時間を横軸にし
たグラフである。吸気冷却の作動時間は17時間で、ミ
ストの混入の時間は8時間である。吸気冷却は定格能力
で作動し、ミスト噴霧は定格作動が4時間で、さらに約
1/2定格作動が4時間の組み合わせからなる。夏期で
も低気温日であればミスト噴霧を作動せずに吸気冷却の
作動だけ対応することも出来る。このことは図12でも
同様である。
【0097】本出願でミスト噴霧する水には、メタノー
ル等の混入は妨げない。
【0098】図1,6,9,10の実施の形態において
噴霧器には圧力エアーを混合して噴霧することが出来
る。水滴径をより小さくできるが、但しそのコストは高
くなる。
【0099】また、以上の実施の形態においては調整
弁,ポンプは必要に応じて新たに設けることができる。
【0100】そして図2〜5の実施の形態においては分
離器の機能は他の機器の中に組み込むことができる。こ
の場合には分離器が不要である。
【0101】この出願の技術は、ガスタービンを有する
システムであれば(例えば、加圧流動床ボイラーを有す
るシステム、石炭ガス化システムなど)この技術的範囲
内において使用できる。
【0102】
【発明の効果】ガスタービンの吸気を冷却する冷却サブ
システムの容量を小さくして、大きな吸気冷却効果を得
ることができる(請求項1〜3)。また、吸気室で吸気
が通過する際の圧力損失を小さくできる(請求項1〜
3,8)。また吸気室で回収する水を効果的に再利用で
きる(請求項2)。また冷却システムを保全を考慮して
運用出来る(請求項4〜6)。また吸気にミストを混入
して出力を大幅に向上出来る(請求項7)。そして、冷
媒にアンモニアをそして吸収剤に水を用いる吸収冷却プ
ロセスにおいて、加熱エネルギー(外部熱エネルギー)
に対して効率的に冷媒を蒸留できる(請求項9)。ま
た、蒸留した冷媒をより多く冷却に利用できる(請求項
10)。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態である。
【図2】吸収冷却器のプロセスの実施の形態であり。
【図3】吸収冷却器のプロセスの実施の形態であり。
【図4】吸収冷却器のプロセスの実施の形態であり。
【図5】吸収冷却器のプロセスの実施の形態であり。
【図6】実施の形態である。
【図7】実施の形態であり、吸気室壁面の冷却方法であ
る。
【図8】コンプレッサー翼の実施の形態である。
【図9】実施の形態である。
【図10】圧縮冷却機を使用する実施の形態である。
【図11】ダストを捕集する実施の形態である。
【図12】吸気冷却作動時間の実施の形態である。
【図13】吸気冷却作動時間の実施の形態である。
【符号の説明】
1,131,151,171,191 吸気室 2,132,172,192 フィルター 3,133,152〜154,173,194 冷却管 4,134,174,195 噴霧器 5,135,175,196 コンプレッサー 6,136,176.197 ガスタービン 7 蒸気タービン 8,137,177 廃熱回収熱交換器 9〜11,29,30,54,55,84,85,11
4,115,140〜144,155,156,18
2,183,200,201 ポンプ 12〜15,31〜34,56〜58,86〜89,1
16〜119,145〜147,157,184,18
5,202,203,204 調整弁 16,37,38,43,44,73,74,103,
104,180 凝縮器 17,冷却サブシステム 139 吸収冷却サブシステム 21,41,71,101 外部熱加熱器 22,25,28,45〜49,75〜79,105〜
109 熱交換部 23,26,50〜52,80〜82,110〜113
低濃度液散布器 24,42,72,102 吸収再生加熱器 27 精留器 35,36,59,60,90,91,120,121
分離器 53,83 整流板 138 スタック 161,211 シャフト側 162,212 ケーシング 163 ミスト耐食性動翼 164 ミスト耐食性静翼 165 可変入り口案内翼 179 冷媒コンプレッサー 193 噴射器 205,206 ストレーナ 213 流量増加対応動翼 214 第1段動翼 215 流量増加対応静翼 216 流量増加対応可変入り口案内翼 217 翼角度 218 流量増加対応可変第1段静翼

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を
    他の流体に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びそ
    の熱エネルギーで動力を発生する蒸気タービンからなる
    コンバインドサイクルシステムにおいて、そのガスター
    ビンの吸気を冷却し、この冷却ではミスト(霧)と凝縮
    水を発生させ、前者のミストをガスタービンの吸気に混
    入し、さらに後者の凝縮水及び又は供給水を噴霧してガ
    スタービンの吸気にミストを混入し、そしてガスタービ
    ンのコンプレッサー内で両方のミストを蒸発させること
    を特徴とするコンバインドサイクルシステム。
  2. 【請求項2】ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を
    他の流体に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びそ
    の熱エネルギーで動力を発生する蒸気タービンからなる
    コンバインドサイクルシステムにおいて、そのガスター
    ビンの吸気を冷却し、この冷却ではミスト(霧)と凝縮
    水を発生させ、前者のミストをガスタービンの吸気に混
    入し、一方、後者の凝縮水を別途さらに噴霧してガスタ
    ービンの吸気にミスト混入し、そしてガスタービンのコ
    ンプレッサー内で両方のミストを蒸発させることを特徴
    とするコンバインドサイクルシステム。
  3. 【請求項3】ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を
    他の流体に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びそ
    の熱エネルギーで動力を発生する蒸気タービンからなる
    コンバインドサイクルシステムにおいて、そのガスター
    ビンの吸気をまずフィルターを通過させて次に吸気を冷
    却し、この冷却ではミスト(霧)と凝縮水を発生させ、
    前者のミストをガスタービンの吸気に混入し、そして後
    者の凝縮水にはフィルターを通過したダストを吸着さ
    せ、供給水及び又は凝縮水を別途さらに噴霧してガスタ
    ービンの吸気にミスト混入し、そしてガスタービンのコ
    ンプレッサー内で両方のミストを蒸発させることを特徴
    とするコンバインドサイクルシステム。
  4. 【請求項4】ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を
    他の流体に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びそ
    の熱エネルギーで動力を発生する蒸気タービンからなる
    コンバインドサイクルシステムの夏期における吸気冷却
    方法において、1日の電力需要のピーク時には、そのガ
    スタービンの吸気を冷却し、さらに発生させたミストを
    ガスタービンの吸気に混入して実質吸気冷却効果を得
    て、一方,その1日の電力需要のピークの前後には、そ
    のガスタービンの吸気を冷却はするが、ガスタービンの
    吸気へのミストの混入は抑制し、夏期の1日の中でも異
    なる吸気冷却効果を得ることを特徴とするコンバインド
    サイクルシステムの夏期における吸気冷却方法。
  5. 【請求項5】ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を
    他の流体に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びそ
    の熱エネルギーで動力を発生する蒸気タービンからなる
    コンバインドサイクルシステムの夏期における吸気冷却
    方法において、1日の電力需要のピーク時には、そのガ
    スタービンの吸気を冷却し、さらに発生させたミストを
    ガスタービンの吸気に混入して実質吸気冷却効果を得
    て、一方,その1日の電力需要のピークの前後には、そ
    のガスタービンの吸気を冷却はするが、ガスタービンの
    吸気へのミストの混入は抑制し、1日のコンバインドサ
    イクルシステム稼働時間において、実質定格ミスト量を
    混入する時間の合計よりも吸気を冷却する時間の合計を
    多くすることを特徴とするコンバインドサイクルシステ
    ムの夏期における吸気冷却方法。
  6. 【請求項6】ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を
    他の流体に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びそ
    の熱エネルギーで動力を発生する蒸気タービンからなる
    コンバインドサイクルシステムにおいて、そのガスター
    ビンの吸気を冷却し、この冷却ではミスト(霧)と凝縮
    水を発生させ、前者のミストをガスタービンの吸気に混
    入し、さらに水を別途噴霧してミスト化してガスタービ
    ンの吸気に混入し、ガスタービンのコンプレッサーにお
    いて、後者のミストが蒸発する区間で動翼のミスト耐食
    性を他区間の動翼より強化することを特徴とするコンバ
    インドサイクルシステム。
  7. 【請求項7】ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を
    他の流体に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びそ
    の熱エネルギーで動力を発生する蒸気タービンからなる
    コンバインドサイクルシステムにおいて、そのガスター
    ビンの吸気にミスト(霧)混入し、ミストはガスタービ
    ンのコンプレッサー内の入り口側に近い圧縮域で蒸発
    し、この蒸発区間において、コンプレッサーの複列動翼
    及び角度可変翼で流量を増加させ、この複列動翼による
    流量の増加においては入り口に近い翼ほど増加比率を大
    きくする対応形状の複列動翼からなることを特徴とする
    コンバインドサイクルシステム。
  8. 【請求項8】ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を
    他の流体に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びそ
    の熱エネルギーで動力を発生する蒸気タービンからなる
    コンバインドサイクルシステムの夏期における吸気冷却
    方法において、吸気室の少なくとも出口側に位置する冷
    却管でガスタービンに入る吸気を、吸気中水分の氷点近
    くの冷媒蒸発熱でそのまま冷却して吸気との温度差を大
    きくし、そして発生させたミストをガスタービンの吸気
    に混入することを特徴とするコンバインドサイクルシス
    テムの夏期における吸気冷却方法。
  9. 【請求項9】ガスタービンとガスタービンを経た廃熱を
    他の流体に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及びそ
    の熱エネルギーで動力を発生する蒸気タービンからなる
    コンバインドサイクルシステムにおいて、そのガスター
    ビンの吸気冷却サブシステムで、冷媒としてアンモニア
    を、そして吸収剤として水を用い、外部からの熱エネル
    ギーで中濃度アンモニア溶液を加熱して高濃度アンモニ
    ア蒸気と低濃度アンモニア溶液とを生成し、高濃度アン
    モニア蒸気は外部に放熱して凝縮し、一方前記加熱で生
    じた低濃度アンモニア溶液に、吸気を冷却した高濃度ア
    ンモニア蒸気の一部を吸収させて中濃度アンモニア溶液
    とし、その吸収熱エネルギーで中濃度アンモニア溶液を
    加熱して高濃度アンモニア蒸気と中濃度アンモニア溶液
    とを生成し、高濃度アンモニア蒸気は濃度をさらに高め
    た後に外部に放熱して凝縮し、前記高濃度アンモニアの
    凝縮液を蒸発させて吸気冷却に使用し、吸気を冷却した
    高濃度アンモニア蒸気の一部を吸収した前記薄い中濃度
    アンモニア溶液を、この高濃度アンモニア蒸気の残部と
    混合して外部に放熱して凝縮することを特徴とする吸気
    冷却サブシステムを有するコンバインドサイクルシステ
    ム。
  10. 【請求項10】ガスタービンとガスタービンを経た廃熱
    を他の流体に熱エネルギーを移す廃熱回収熱交換器及び
    その熱エネルギーで動力を発生する蒸気タービンからな
    るコンバインドサイクルシステムにおいて、そのガスタ
    ービンの吸気を冷却し、この冷却ではミスト(霧)と凝
    縮水を発生させ、少なくとも前者のミストをガスタービ
    ンの吸気に混入し、この吸気の冷却は、冷媒の蒸発熱で
    まず直接冷却し、次に冷媒の濃度が低くなった残液の蒸
    発で吸気室の壁面を冷却して吸気を冷却することを特徴
    とする請求項5記載のコンバインドサイクルシステム。
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