JP2014001741A - ガスタービン用吸気冷却装置、ガスタービンプラント、既設ガスタービンプラントの再構築方法、及び、ガスタービンの吸気冷却方法 - Google Patents

ガスタービン用吸気冷却装置、ガスタービンプラント、既設ガスタービンプラントの再構築方法、及び、ガスタービンの吸気冷却方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸気冷却を行うことで発電用ガスタービンによる発電の高出力化と経済性向上との両立を図る。
【解決手段】ガスタービン用吸気冷却装置10は、冷凍機11を駆動させて発電用ガスタービン2の吸気冷却を行う第一の冷却手段12と、加湿することで発電用ガスタービン2の吸気冷却を行う第二の冷却手段13と、第一の冷却手段12及び第二の冷却手段13のそれぞれを稼動または非稼動に切替可能な冷却制御部20とを備え、冷却制御部20は、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行って発電することによる発電収支と、第二の冷却手段で吸気冷却を行って発電することによる発電収支との大小比較に基づいて、第一の冷却手段及び第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタービンの吸気冷却を行うことが可能なガスタービン用吸気冷却装置、ガスタービンプラント、既設ガスタービンプラントの再構築方法、及び、ガスタービンの吸気冷却方法に関する。
従来、圧縮機、燃焼器及びタービンを基本構成とする発電用ガスタービンでは、圧縮機へ吸気される吸込空気の温度によってタービンにおける出力が影響を受ける。すなわち、特に夏季においては、大気温度が上昇するために、吸込空気の密度が低下して、質量流量が低下し、出力が低下する。このような出力低下を抑止するために、上記吸込空気を冷却する吸気冷却装置を備えるものがある。
吸気冷却装置には、冷凍機によって冷却された冷媒との間で熱交換させることによって吸込空気を冷却させる冷凍冷却を行うタイプと、吸込空気に加湿を行い、加湿された水分が蒸発することによって吸込空気を冷却させる加湿冷却を行うタイプとがあり、冷凍冷却と加湿冷却とを両者具備するタイプも存在する。また、冷凍冷却と加湿冷却とを具備するタイプでは、吸込空気を、相対湿度が100%となるとともに、最高効率となる温度に近い温度となるように、冷凍冷却と加湿冷却とを使い分ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−041049号公報
しかしながら、加湿冷却によるタイプの吸気冷却装置では、加湿により吸込空気に与えられた水分を蒸発させて潜熱を奪うことによって冷却するため、比較的低コストで冷却を行うことができる一方、吸込空気の相対湿度が100%になってしまう、すなわち湿球温度まで低下してしまうと、それ以上冷却することができなくなってしまう。このため、特に大気の湿度が高い気象条件下では、十分な出力増大を図ることができない問題があった。
また、冷凍冷却によるタイプの吸気冷却装置では、冷凍機によって冷却することで、大気の状態に係らず目的とする温度まで冷却することができる一方、冷凍機を駆動させる動力が必要となり、ガスタービンによって高出力を得ることができても、冷凍動力分のロスが生じてしまい経済性が悪化してしまう問題があった。
両者を具備する特許文献1のような吸気冷却装置においても、加湿冷却と冷凍冷却とを使い分けることでガスタービンにより高効率で出力できるものの、冷凍冷却を行う場合には冷凍動力分のロスにより必ずしも経済性の良い運転を行っているとは限らなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、吸気冷却を行うことで発電用ガスタービンによる発電の高出力化と経済性向上との両立を図ることが可能なガスタービン用吸気冷却装置、ガスタービンプラント、既設ガスタービンプラントの再構築方法、及び、ガスタービンの吸気冷却方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の一態様としてのガスタービン用吸気冷却装置は、圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンの吸気冷却に用いられるガスタービン用吸気冷却装置であって、冷凍機を駆動させて前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第一の冷却手段と、加湿することで前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第二の冷却手段と、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれを稼動または非稼動に切替可能な冷却制御部とを備え、該冷却制御部は、前記第一の冷却手段と前記第二の冷却手段とのうち、少なくとも一方で吸気冷却を行って、前記発電用ガスタービンで発電することにより発生する収入と支出とのうち、少なくとも一方を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とする。
ここで、前記一態様としてのガスタービン用吸気冷却装置の前記冷却制御部は、前記第一の冷却手段と前記第二の冷却手段とのうち、少なくとも一方で吸気冷却を行って、前記発電用ガスタービンで発電することにより発生する収入及び支出を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定してもよい。
本発明の他の態様としてのガスタービン用吸気冷却装置は、圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンの吸気冷却に用いられるガスタービン用吸気冷却装置であって、前記発電用ガスタービンに吸気される空気を互いに異なる冷却手法で冷却する第一の冷却手段及び第二の冷却手段と、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれを稼動または非稼動に切替可能な冷却制御部とを備え、該冷却制御部は、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電収入を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とする。
本発明のさらに他の態様としてのガスタービン用吸気冷却装置は、圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンの吸気冷却に用いられるガスタービン用吸気冷却装置であって、冷凍機を駆動させて前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第一の冷却手段と、加湿することで前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第二の冷却手段と、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれを稼動または非稼動に切替可能な冷却制御部とを備え、該冷却制御部は、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電収入を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とする。
上記のさらに他の態様のガスタービン用吸気冷却装置において、前記冷却制御部は、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電支出をさらに用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定してもよい。
上記のさらに他の態様のガタスタービン用吸気冷却装置において、前記冷却制御部は、前記発電用ガスタービンが予め取得される要求出力で出力可能となる吸気温度である要求入口温度に、吸気される空気を前記第一の冷却手段によって冷却するのに前記冷凍機で必要とされる動力である必要冷凍動力を演算する必要冷凍動力演算手段を有し、前記必要冷凍動力を用いて、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる前記発電収入を求めると共に、前記要求出力と前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより前記発電用ガスタービンで出力可能な最大出力との差分出力を演算する差分出力演算手段を有し、前記差分出力を用いて、前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる前記発電収入を求めてもよい。
上記のガスタービン用吸気冷却装置において、前記冷却制御部は、前記差分出力演算手段で求められた前記差分出力に基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストを演算する差分コスト演算手段を有し、前記発電収入と前記差分コストとを用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定してもよい。
上記のガスタービン用吸気冷却装置において、前記冷却制御部は、予め取得される要求出力と前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより前記発電用ガスタービンで出力可能な最大出力との差分出力を演算する差分出力演算手段と、前記差分出力演算手段で求められた前記差分出力に基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストを演算する差分コスト演算手段と、を有し、前記発電収入と前記差分コストとを用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定してもよい。
上記のガスタービン用吸気冷却装置において、予め取得される前記要求出力に基づいて前記要求入口温度を演算する要求入口温度演算手段と、取得する大気の乾球温度及び湿度に基づいて、大気の露点温度及び湿球温度を演算する温度演算手段とを備え、前記必要冷凍動力演算手段は、前記要求入口温度演算手段で演算された前記要求入口温度及び前記温度演算手段で演算された前記露点温度に基づいて前記必要冷凍動力を演算し、前記差分出力演算手段は、前記要求出力及び前記温度演算手段で演算された前記湿球温度に基づいて前記差分出力を演算してもよい。
上記のガスタービン用吸気冷却装置において、前記冷却制御部は、大気の乾球温度、及び、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度以上である場合には、前記発電収入に係らず前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段を非稼動としてもよい。
上記のガスタービン用吸気冷却装置において、前記冷却制御部は、大気の乾球温度及び湿球温度、並びに、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度未満、前記湿球温度から求めた加湿冷却最低温度以上である場合には、前記発電収入に係らず前記第一の冷却手段を非稼動とし、前記第二の冷却手段を稼動としてもよい。
本発明のガスタービンプラントは、上記のガスタービン用吸気冷却装置と、前記発電用ガスタービンとを備えることを特徴とする。
本発明の既設ガスタービンプラントの再構築方法は、既設である前記発電用ガスタービンに対して上記のガスタービン用吸気冷却装置を追設することでガスタービンプラントを構築することを特徴とする。
本発明の一態様としてのガスタービンの吸気冷却方法は、圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンに吸気を、冷凍機を駆動させて前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第一の冷却手段と、加湿することで前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第二の冷却手段とのいずれかで冷却させるガスタービンの吸気冷却方法であって、前記第一の冷却手段と前記第二の冷却手段とのうち、少なくとも一方で吸気冷却を行って、前記発電用ガスタービンで発電することにより発生する収入と支出とのうち、少なくとも一方を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とする。
ここで、前記一態様としてのガスタービンの吸気冷却方法において、前記第一の冷却手段と前記第二の冷却手段とのうち、少なくとも一方で吸気冷却を行って、前記発電用ガスタービンで発電することにより発生する収入及び支出を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定してもよい。
本発明の他の態様としてのガスタービンの吸気冷却方法は、圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンの吸気を、互いに異なる冷却手法で冷却する第一の冷却手段と第二の冷却手段とのいずれかで冷却させるガスタービンの吸気冷却方法であって、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電収入を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とする。
本発明のさらに他の態様としてのガスタービンの吸気冷却方法は、圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンに吸気を、冷凍機を駆動させて前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第一の冷却手段と、加湿することで前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第二の冷却手段とのいずれかで冷却させるガスタービンの吸気冷却方法であって、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電収入を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とする。
上記さらに他の態様のガスタービンの吸気冷却方法において、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電支出をさらに用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定してもよい。
上記さらに他の態様のガスタービンの吸気冷却方法において、予め取得される要求出力で出力可能となる吸気温度である要求入口温度に、吸気される空気を前記第一の冷却手段によって冷却するのに前記冷凍機で必要とされる動力である必要冷凍動力を演算する必要冷凍動力演算工程を実行し、前記必要冷凍動力を用いて、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる前記発電収入を求めると共に、前記要求出力と前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより前記発電用ガスタービンで出力可能な最大出力との差分出力を演算する差分出力演算工程を実行し、前記差分出力を用いて、前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる前記発電収入を求めてもよい。
上記のガスタービンの吸気冷却方法において、前記差分出力演算工程で求められた前記差分出力に基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストを演算する差分コスト演算工程を実行し、前記発電収入と前記差分コストとを用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定してもよい。
上記のガスタービンの吸気冷却方法において、予め取得される要求出力と前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより前記発電用ガスタービンで出力可能な最大出力との差分出力を演算する差分出力演算工程と、前記差分出力演算工程で求められた前記差分出力に基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストを演算する差分コスト演算工程と、を実行し、前記発電収入と前記差分コストとを用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定してもよい。
上記のガスタービンの吸気冷却方法において、予め取得される前記要求出力に基づいて前記要求入口温度を演算する要求入口温度演算工程と、取得する大気の乾球温度及び湿度に基づいて、大気の露点温度及び湿球温度を演算する温度演算工程と、を実行し、前記必要冷凍動力演算工程では、前記要求入口温度演算工程で演算された前記要求入口温度及び前記温度演算工程で演算された前記露点温度に基づいて前記必要冷凍動力を演算し、前記差分出力演算工程では、前記要求出力及び前記温度演算工程で演算された前記湿球温度に基づいて前記差分出力を演算してもよい。
上記のガスタービンの吸気冷却方法において、大気の乾球温度、及び、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度以上である場合には、前記発電収入に係らず前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段を非稼動としてもよい。
上記のガスタービンの吸気冷却方法において、大気の乾球温度及び湿球温度、並びに、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度未満、前記湿球温度から求めた加湿冷却最低温度以上である場合には、前記発電収入に係らず前記第一の冷却手段を非稼動とし、前記第二の冷却手段を稼動としてもよい。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明は、圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンの吸気冷却に用いられるガスタービン用吸気冷却装置であって、冷凍機を駆動させて前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第一の冷却手段と、加湿することで前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第二の冷却手段と、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれを稼動または非稼動に切替可能な冷却制御部とを備え、該冷却制御部は、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行って予め取得される要求出力で前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電収支の差分である第一の発電収支差分と、前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより可能な最大出力で前記発電用ガスタービンで発電することによる発電収支の差分である第二の発電収支差分との大小比較に基づいて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴としている。
また、本発明は、圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンの吸気を、冷凍機を駆動させて前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第一の冷却手段及び加湿することで前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第二の冷却手段で冷却させるガスタービンの吸気冷却方法であって、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行って予め取得される要求出力で前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電収支の差分である第一の発電収支差分と、前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより可能な最大出力で前記発電用ガスタービンで発電することによる発電収支の差分である第二の発電収支差分との大小比較に基づいて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴としている。
この構成及び方法によれば、第一の冷却手段で吸気冷却を行って要求出力で発電することによる第一の発電収支差分と、第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより可能な最大出力で発電することによる第二の発電収支差分との大小比較に基づいて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定している。このため、第二の発電収支差分に対して第一の発電収支差分が大きい場合、すなわち第一の冷却手段で冷凍機を駆動させて吸気冷却を行っても収支が見合う場合には、第一の冷却手段によって吸気冷却を行うことで、大気の湿度の状態に係らず要求出力で発電用タービンから出力させることができる。一方、第二の発電収支差分に対して第一の発電収支差分が小さい場合、すなわち第一の冷却手段で冷凍機を駆動させて吸気冷却を行うと収支が見合わない場合には、第二の冷却手段によって吸気冷却を行うことで、経済性を確保しつつ発電用ガスタービンより最大限出力させることができる。
また、上記のガスタービン用吸気冷却装置において、前記冷却制御部は、前記発電用ガスタービンが前記要求出力で出力可能となる吸気温度である要求入口温度に、吸気される空気を前記第一の冷却手段によって冷却するのに前記冷凍機で必要とされる動力である必要冷凍動力を演算する必要冷凍動力演算手段と、前記要求出力と前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより前記発電用ガスタービンで出力可能な最大出力との差分出力を演算する差分出力演算手段と、前記必要冷凍動力演算手段で求められた前記必要冷凍動力と前記差分出力演算手段で求められた前記差分出力とに基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電による収入の差である差分収入を演算する差分収入演算手段と、前記差分出力演算手段で求められた前記差分出力に基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストを演算する差分コスト演算手段と、前記差分収入と前記差分コストとの大小比較を行い、前記差分収入が前記差分コスト以下である場合には前記第一の冷却手段を非稼動、前記第二の冷却手段を稼動とし、前記差分収入が前記差分コストより大きい場合には少なくとも前記第一の冷却手段を稼動とする稼動決定手段とを有することがより好ましい。
また、上記のガスタービンの吸気冷却方法において、前記要求出力で前記発電用ガスタービンが出力可能となる吸気温度である要求入口温度に、吸気される空気を前記第一の冷却手段によって冷却するのに前記冷凍機で必要とされる動力である必要冷凍動力を演算する必要冷凍動力演算工程と、前記要求出力と前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより前記発電用ガスタービンで出力可能な最大出力との差分出力を演算する差分出力演算工程と、前記必要冷凍動力演算工程で求められた前記必要冷凍動力と前記差分出力演算工程で求められた前記差分出力とに基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電による収入の差である差分収入を演算する差分収入演算工程と、前記差分出力演算工程で求められた前記差分出力に基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストを演算する差分コスト演算工程と、前記差分収入と前記差分コストとの大小比較を行い、前記差分収入が前記差分コスト以下である場合には前記第一の冷却手段を非稼動、前記第二の冷却手段を稼動とし、前記差分収入が前記差分コストより大きい場合には少なくとも前記第一の冷却手段を稼動とする稼動決定工程とを備えることがより好ましい。
この構成及び方法によれば、要求出力と対応する要求入口温度に、吸気される空気を第一の冷却手段によって冷却するのに冷凍機で必要とされる必要冷凍動力を求めることができる。また、要求出力と第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより可能な最大出力との差分出力を求めることができる。そして、求めた必要冷凍動力と差分出力とに基づいて、第一の冷却手段で吸気冷却して要求出力で発電用ガスタービンから出力させた場合と、第二の冷却手段で吸気冷却して最大出力で発電用ガスタービンから出力させた場合との発電による収入の差である差分収入が求められる。さらに、求めた差分出力に基づいて、第一の冷却手段で吸気冷却して要求出力で発電用ガスタービンから出力させた場合と、第二の冷却手段で吸気冷却して最大出力で発電用ガスタービンから出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストを求めることができる。そして、これら求めた差分収入と差分コストとの大小比較を行うことで、第一の発電収支差分と第二の発電収支差分との大小比較を行うことができる。そして、前記差分収入が前記差分コスト以下である場合に、すなわち第二の発電収支差分に対して第一の発電収支差分が小さい場合には、前記第一の冷却手段を非稼動、前記第二の冷却手段を稼動とすることで、経済性を確保しつつ発電用ガスタービンより最大限出力させることができる。また、差分収入が差分コストより大きい場合に、すなわち第二の発電収支差分に対して第一の発電収支差分が大きい場合には、少なくとも第一の冷却手段を稼動とすることで、大気の湿度の状態に係らず要求出力で発電用タービンから出力させることができる。
また、上記のガスタービン用吸気冷却装置において、予め取得される前記要求出力に基づいて前記要求入口温度を演算する要求入口温度演算手段と、取得する大気の乾球温度及び湿度に基づいて、大気の露点温度及び湿球温度を演算する温度演算手段とを備え、前記必要冷凍動力演算手段は、前記要求入口温度演算手段で演算された前記要求入口温度及び前記温度演算手段で演算された前記露点温度に基づいて前記必要冷凍動力を演算し、前記差分出力演算手段は、前記要求出力及び前記温度演算手段で演算された前記湿球温度に基づいて前記差分出力を演算することがより好ましい。
また、上記のガスタービンの吸気冷却方法において、予め取得される前記要求出力に基づいて前記要求入口温度を演算する要求入口温度演算工程と、取得する大気の乾球温度及び大気湿度に基づいて、大気の露点温度及び湿球温度を演算する温度演算工程とを備え、前記必要冷凍動力演算工程では、前記要求入口温度演算工程で演算された前記要求入口温度及び前記温度演算工程で演算された前記露点温度に基づいて前記必要冷凍動力を演算し、前記差分出力演算工程では、前記要求出力及び前記温度演算工程で演算された前記湿球温度に基づいて前記差分出力を演算することがより好ましい。
この構成及び方法によれば、要求出力に基づいて要求入口温度を求めることができる。
また、取得する大気温度及び大気湿度に基づいて、大気の露点温度及び湿球温度を求めることができる。このため、求めた前記要求入口温度及び露点温度に基づいて、必要冷凍動力を求めることができ、さらに、要求出力及び求めた前記湿球温度に基づいて差分出力を演算することができる。
また、上記のガスタービン用吸気冷却装置において、前記稼動決定手段は、大気の乾球温度、及び、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度以上である場合には、前記第一の発電収支差分と前記第二の発電収支差分との大小に係らず前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段を非稼動とすることがより好ましい。
また、上記のガスタービンの吸気冷却方法において、前記稼動決定工程では、大気の乾球温度、及び、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度以上である場合には、前記第一の発電収支差分と前記第二の発電収支差分との大小に係らず前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段を非稼動とすることがより好ましい。
この構成及び方法によれば、大気の乾球温度、及び、要求出力と対応する要求入口温度を取得して大小比較することで、現在の大気を吸気して発電用ガスタービンで要求出力分だけ出力するのに冷却する必要があるかどうかを判断することができる。すなわち、要求入口温度が乾球温度以上である場合には、吸気を冷却しなくても十分に低温の空気を吸気できると判断することができ、第一の冷却手段及び第二の冷却手段を非稼動として発電用ガスタービンから少なくとも要求出力分の出力を得ることができる。
また、上記のガスタービン用吸気冷却装置において、前記稼動決定手段は、大気の乾球温度及び湿球温度、並びに、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度未満、前記湿球温度から求めた加湿冷却最低温度以上である場合には、前記第一の発電収支差分と前記第二の発電収支差分との大小に係らず前記第一の冷却手段を非稼動とし、前記第二の冷却手段を稼動とすることがより好ましい。
また、上記のガスタービンの吸気冷却方法において、前記稼動決定工程では、大気の乾球温度及び湿球温度、並びに、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度未満、前記湿球温度から求めた加湿冷却最低温度以上である場合には、前記第一の発電収支差分と前記第二の発電収支差分との大小に係らず前記第一の冷却手段を非稼動とし、前記第二の冷却手段を稼動とすることがより好ましい。
この構成及び方法によれば、大気の乾球温度及び露点温度、並びに、要求出力と対応する要求入口温度を取得して大小比較することで、第二の冷却手段による加湿冷却だけでも、要求入口温度以下まで冷却することができるかどうかを判断することができる。すなわち、要求入口温度が乾球温度未満、前記湿球温度から求めた加湿冷却最低温度以上である場合には、第二の冷却手段による加湿冷却だけでも湿球温度になる前に要求入口温度まで冷却することができ、第一の冷却手段を非稼動とし、第二の冷却手段を稼動として発電用ガスタービンから要求出力分だけの出力を得ることができる。
また、上記のガスタービン用吸気冷却装置において、前記稼動決定手段は、大気の露点温度、及び、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記露点温度以下、かつ、前記差分収入が前記差分コストより大きい場合には前記第二の冷却手段を非稼動とし、前記要求入口温度が前記露点温度より高く、かつ、前記差分収入が前記差分コストより大きい場合には前記第一の冷却手段とともに前記第二の冷却手段も稼動とすることがより好ましい。
また、上記のガスタービンの吸気冷却方法において、前記稼動決定工程では、大気の露点温度、及び、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記露点温度以下、かつ、前記差分収入が前記差分コストより大きい場合には前記第二の冷却手段を非稼動とし、前記要求入口温度が前記露点温度より高く、かつ、前記差分収入が前記差分コストより大きい場合には前記第一の冷却手段とともに前記第二の冷却手段も稼動とすることがより好ましい。
この構成及び方法によれば、大気の露点温度、及び、要求出力と対応する要求入口温度を取得して大小比較することで、大気を第一の冷却手段で露点まで冷却した場合に、要求入口温度よりも高くなるか否かを判断することができる。ここで、第一の冷却手段で露点まで冷却した場合に、要求入口温度よりも低くなる場合には、冷却の一部を第二の冷却手段で行っても要求入口温度まで降温させることができることを意味する。そして、このような場合に、冷却の一部を第二の冷却手段によって行うことにより第一の冷却手段を稼動させることによって生じる冷凍動力分のロスを最小限に抑えることができ、経済性をさらに向上させることができる。
また、本発明のガスタービンプラントは、上記のガスタービン用吸気冷却装置と、前記発電用ガスタービンとを備えることを特徴としている。
この構成によれば、上記のガスタービン用吸気冷却装置を備えることで、発電用ガスタービンによって、経済的、かつ、高出力で発電することができる。
また、本発明の既設ガスタービンプラントの再構築方法は、既設である前記発電用ガスタービンに対して前記ガスタービン用吸気冷却装置を追設することで上記のガスタービンプラントを構築することを特徴としている。
この方法によれば、上記のガスタービン用吸気冷却装置を追設するだけで、既設の発電用ガスタービンによる発電を、経済的、かつ、高出力のものとすることができる。なお、ここでいうガスタービン用吸気冷却装置の追設とは、既設の発電用ガスタービンに、ガスタービン用吸気冷却装置の構成である第一の冷却手段、第二の冷却手段及び冷却制御部を新設するのに限られない。すなわち、発電用ガスタービンと、第一の冷却手段または第二の冷却手段の一方とが既設設備として構成されているのに対して、第一の冷却手段または第二の冷却手段の他方及び冷却制御部を新設するもの、また、第一の冷却手段及び第二の冷却手段が既設設備として構成されているのに対して、冷却制御部を新設するものも含まれる概念である。
本発明のガスタービン用吸気冷却装置によれば、冷却制御部による制御のもと、第一の冷却手段による冷凍冷却と第二の冷却手段による加湿冷却とにより吸気冷却を行うことで、発電用ガスタービンによる発電の高出力化と経済性向上との両立を図ることができる。
また、本発明のガスタービンの吸気冷却方法によれば、上記工程に従って第一の冷却手段による冷凍冷却と第二の冷却手段による加湿冷却とにより吸気冷却を行うことで、発電用ガスタービンによる発電の高出力化と経済性向上との両立を図ることができる。
また、本発明のガスタービンプラントによれば、上記ガスタービン用吸気冷却装置によって発電の高出力化と経済性向上との両立を図ることができる。
また、既設ガスタービンプラントの再構築方法によれば、上記ガスタービン用吸気冷却装置を追設することにより、既設発電用ガスタービンの発電の高出力化と経済性向上との両立を図ることができる。
本発明の実施形態のガスタービンプラントの全体図である。 本発明の実施形態のガスタービン用吸気冷却装置において、冷却制御部の詳細を示すブロック図である。 本発明の実施形態のガスタービン用吸気冷却装置において、記憶部に記憶されたNC線図である。 本発明の実施形態のガスタービン用吸気冷却装置において、稼働決定手段で実行される判断フローを示すフロー図である。 本発明の実施形態の第1の変形例のガスタービンプラントの全体図である。 本発明の実施形態の第2の変形例のガスタービンプラントの全体図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。図1は、以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るガスタービンプラントの概略構成図である。図1に示すように、ガスタービンプラント1は、発電用ガスタービン2と、発電用ガスタービン2と接続された発電機3と、発電用ガスタービン2の吸気冷却を行うガスタービン用吸気冷却装置10とを備える。
発電用ガスタービン2は、大気から空気A1を吸気圧縮して圧縮空気A2を生成する圧縮機2aと、圧縮機2aで生成された圧縮空気A2に燃料Fを混合させて燃焼ガスGを生成する燃焼器2bと、燃焼器2bで生成された燃焼ガスGにより回転駆動するタービン2cと、圧縮機2a及びタービン2cを貫通するロータ2dと、各構成を制御するガスタービン制御部2eとを備える。発電機3はロータ2dに接続されている。また、ロータ2dには圧縮機2a及びタービン2cの各翼構造が設けられている。そして、ガスタービン制御部2eによる制御のもと、圧縮機2aでは翼構造により空気A1を圧縮して圧縮空気A2を生成し、燃焼器2bで燃焼ガスGを生成してタービン2cに供給することで、タービン2cでは翼構造によりロータ2dを回転させて発電機3で発電を行うことが可能となっている。ガスタービン制御部2eには、稼働時の電力需要に応じた要求出力WPRが入力されており、ガスタービン制御部2eは、該要求出力WPRを出力するように、圧縮機2a、燃焼器2b及びタービン2cの制御を行う。ここで、電力需要は、販売可能な電力を含んでおり、例えば、自家発電で売電可能な場合には、売電することができる電力、電気事業者で顧客に販売した電力の残りを他の電力事業者に売電できる場合には、他の電気事業者に売電することができる電力を含むものである。
ガスタービン用吸気冷却装置10は、冷凍機11を駆動させて発電用ガスタービン2に吸気される空気A1を冷却する第一の冷却手段12と、加湿することで発電用ガスタービン2に吸気される空気A1を冷却する第二の冷却手段13と、第一の冷却手段12及び第二の冷却手段13のそれぞれを稼動または非稼動に切替可能な冷却制御部20とを備える。本実施形態では、圧縮機2aの吸気流路には、上流側から第一の冷却手段12、第二の冷却手段13の順で配置されている。
第一の冷却手段12は、吸気される空気A1との間で熱交換を行い冷却させる第一熱交換器12aと、外気との間で熱交換を行い放熱させる第二熱交換器12bと、第一熱交換器12aと第二熱交換器12bの間に設けられて電力により駆動する冷凍機11と、冷凍機11の駆動を制御する冷凍機制御部12cとを有する。第一熱交換器12aと冷凍機11との間には循環路をなす第一配管12dが配されており、内部に冷水が循環している。
同様に第二熱交換器12bと冷凍機11との間にも循環路をなす第二配管12eが配されており、内部に冷却水が循環している。そして、冷凍機11は、冷凍機制御部12cによる制御のもと、内部の冷媒から第二配管12eを循環する冷却水に放熱し、第一配管12dを循環する冷水との間で吸熱することで、第一配管12dを循環する冷水を冷却させる。そして、第一熱交換器12aにおいて、冷凍機11で冷却された第一配管12dを循環する冷水と吸気される空気A1との間で熱交換を行うことで、空気A1は冷却される。ここで、冷凍機制御部12cは、冷却制御部20と接続されており、冷却制御部20から入力される制御信号に基づいて、冷凍機11を駆動させて第一熱交換器12aで空気A1を所望の温度まで冷却することが可能となっている。
また、第二の冷却手段13は、吸気される空気A1が流通する蒸発冷却器13aと、加湿用の水Lが貯留されている貯留部13bと、貯留部13bの水Lを蒸発冷却器13aに供給する加湿用ポンプ13cと、加湿用ポンプ13cを制御する加湿制御部13dとを有する。蒸発冷却器13aは、空気A1が流入、流出する冷却室13eと、冷却室13e内部で空気A1の流路を遮るように設けられた多孔質部材13fと、加湿用ポンプ13cによって供給された水Lを多孔質部材13fに散水する散水ノズル13gとを有する。また、加湿制御部13dは、冷却制御部20と接続されており、冷却制御部20から入力される制御信号に基づいて、加湿用ポンプ13cを駆動させて多孔質部材13fに散水を行い、蒸発させることで、潜熱により多孔質部材13fを通過する空気A1から熱を奪い所望の温度まで冷却することができる。
また、図2に示すように、ガスタービン用吸気冷却装置10は、大気の乾球温度Tambを測定する大気温度測定部15と、大気の絶対湿度φambを測定する大気湿度測定部16とを備える。大気温度測定部15及び大気湿度測定部16において取得された乾球温度Tamb及び絶対湿度φambは、冷却制御部20へ出力される。また、冷却制御部20は、ガスタービン制御部2eと接続されている。そして、冷却制御部20は、該ガスタービン制御部2eから入力される要求出力WPR、大気温度測定部15から入力される大気の乾球温度Tamb、及び、大気湿度測定部16から入力される絶対湿度φambに基づいて、第一の冷却手段12及び第二の冷却手段13を稼動させる。以下に、冷却制御部20の詳細を述べる。
図2に示すように、冷却制御部20は、温度演算手段21と、要求入口温度演算手段22と、必要冷凍動力演算手段23と、差分出力演算手段24と、差分収入演算手段25と、差分コスト演算手段26と、稼動決定手段27と、各種データが記憶された記憶部28とを備える。そして、冷却制御部20は、これらの構成により温度演算工程と、要求入口温度演算工程と、必要冷凍動力演算工程と、差分出力演算工程と、差分収入演算工程と、差分コスト演算工程と、稼動決定工程とを実施し、第一の冷却手段12及び第二の冷却手段13に吸気冷却を行わせる。
温度演算手段21は、温度演算工程として、大気の露点温度Td及び湿球温度TWbを演算する。温度演算手段21は、大気の露点温度Tdを演算する大気露点温度演算部21aと、大気の湿球温度TWbを演算し、該湿球温度TWbから加湿冷却によって冷却可能な最低温度である加湿冷却最低温度Thminを演算する加湿冷却最低温度演算部21bとを有する。大気露点温度演算部21aは、大気温度測定部15及び大気湿度測定部16のそれぞれから入力される乾球温度Tamb及び絶対湿度φambに基づいて大気の露点温度Tdを演算する。具体的には、本実施形態では、記憶部28に、図3に示すNC線図(例えば、「徹底マスター 空気線図の読み方・使い方」,空気調和・衛生工学会編,1998,pp16等で公知)が記憶されており、大気露点温度演算部21aは、記憶部28に記憶された該NC線図(図2の(1))を参照し、乾球温度Tamb及び絶対湿度φambを当て嵌めることで、露点温度Tdを求める。そして、大気露点温度演算部21aは、求めた露点温度Tdを必要冷凍動力演算手段23へ出力する。同様に、加湿冷却最低温度演算部21bは、記憶部28に記憶された該NC線図(図2の(1))を参照し、乾球温度Tamb及び絶対湿度φambを当て嵌めることで、湿球温度TWbを求める。更に加湿冷却最低温度演算部21bは、湿球温度TWbから加湿冷却を行う場合の圧縮機2aの入口温度の最低値である加湿冷却最低温度Thminを求める。加湿冷却最低温度Thminは、例えば、試運転や設計計算等から得た加湿冷却効率ηhcを与えて、以下の<数1>で計算することができる。
Figure 2014001741
そして、加湿冷却最低温度演算部21bは、求めた加湿冷却最低温度Thminを差分出力演算手段24へ出力する。なお、大気の乾球温度Tamb及び絶対湿度φambから露点温度Td及び湿球温度TWbを求めるものとしたが、露点温度計及び湿球温度計を備えるものとし、直接露点温度Tdや湿球温度TWbを計測するものとしても良い。
要求入口温度演算手段22は、要求入口温度演算工程として、ガスタービン制御部2eから入力される要求出力WPRに基づいて、発電用ガスタービン2が要求出力WPRで出力可能となる吸気温度である要求入口温度TPRを演算する。具体的には、本実施形態では、記憶部28には、圧縮機2aの入口における吸気温度Tと、本構成の発電用ガスタービンにおけるタービン出力との関係(図2の(2))が予め記憶されている。そして、要求入口温度演算手段22は、記憶部28に記憶された吸気温度Tとタービン出力の関係を参照して、タービン出力として要求出力WPRを当て嵌めることで、対応する吸気温度Tとなる要求入口温度TPRを求めることができる。そして、要求入口温度演算手段22は、求めた要求入口温度TPRを後述する必要冷凍動力演算手段23へ出力する。なお、吸気温度Tとタービン出力との関係は、例えば、”Gas Turbine Theory 5th Edition”,Sarabanamuttoo,HIH,et al.,2001“等に示されるものを用いることができる。
必要冷凍動力演算手段23は、必要冷凍動力演算工程として、第一の冷却手段12によって要求入口温度TPRまで、吸気される空気を冷却するのに冷凍機11で必要とされる動力である必要冷凍動力WINを演算する。より詳しくは、必要冷凍動力演算手段23は、第一の冷却手段12によって目的とする温度まで冷却するのに奪う必要がある比エンタルピ差Δhを演算する比エンタルピ差演算部23aと、演算された比エンタルピ差Δhに基づいて第一の冷却手段12の冷凍機11で必要とされる必要冷凍能力ΔHを演算する必要冷凍能力演算部23bと、演算された必要冷凍能力ΔHに基づいて冷凍機11で必要とされる動力である必要冷凍動力WINを演算する必要冷凍動力演算部23cとを有する。
なお、以下においては、簡単のため、<数1>における加湿冷却効率ηhcが100%、すなわち、「Thmin=TWb」であるものとして説明を行う。
比エンタルピ差演算部23aは、要求入口温度演算手段22から入力される要求入口温度TPRと、大気露点温度演算部21aから入力される露点温度Tdと、大気温度測定部15から入力される乾球温度Tamb(図2の(5))と、大気湿度測定部16から入力される絶対湿度φamb(図2の(4))とに基づいて、現在の大気を第一の冷却手段12で要求入口温度TPRまで冷却するのに現在の大気から奪う必要のある比エンタルピ差Δhを演算する。具体的には、比エンタルピ差演算部23aは、図3に示す記憶部28に記憶されたNC線図(図2の(1))を参照し、入力された乾球温度Tamb及び絶対湿度φambを入力し、現在の大気の状態を表す点Bを求める。さらに、比エンタルピ差演算部23aは、要求入口温度TPRを入力し、吸気温度Tが要求入口温度TPRで相対湿度100%である点Aを求める。次に、現在の大気の状態を表す点Bが、点Aを通る湿球温度一定線Laよりも低温側にあるかどうか判定する。そして、現在の大気の状態を表す点Bが湿球温度一定線Laよりも低温側にあると判定された場合には、比エンタルピ差Δhを「0」として出力する。これは、乾球温度Tambが要求入口温度TPR以下である場合には、冷却する必要がなく、また、乾球温度Tambが要求入口温度TPRより高くても湿球温度一定線Laよりも低温側にある場合には、加湿冷却だけで良いからである。
詳細は後述する。なお、現在の大気の状態を表す点Bが湿球温度一定線Laよりも低温側とは、図3において、大気の状態を表す点BがT=TPR一定の線よりも吸気温度Tが小さい領域Xに位置(例えば、点B1)するか、または、T=TPR一定の線と点Aを通る湿球温度一定線Laとで挟まれた領域Y1に位置(例えば、点B2)することを意味する。
また、比エンタルピ差演算部23aは、現在の大気の状態を表す点Bが湿球温度一定線Laよりも高温側にある場合には、次に露点温度Tdと要求入口温度TPRとの大小比較を行い、露点温度Tdが要求入口温度TPR未満である場合と、露点温度Tdが要求入口温度TPR以上である場合とで異なる演算を行う。ここで、露点温度Tdが要求入口温度TPR未満であるとは、図3において、現在の大気の状態を表す点Bが湿球温度一定線Laよりも高温側で、かつ、点Bの絶対湿度φambが点Aにおける絶対湿度φA未満となる領域Y2に位置(例えば、点B3)することである。また、露点温度Tdが要求入口温度TPR以上になるとは、図3において、大気の絶対湿度φambが点Aにおける絶対湿度φA以上となる領域Zに位置(例えば、点B4)することである。
まず、露点温度Tdが要求入口温度TPR以下である場合(領域Y2)では、現在の大気の状態である点B3から、点Aと湿球温度TWbが同一となる点B3´まで冷却するのに奪う必要がある比エンタルピ差Δhを求める。これは後述するように、点B3´の状態から要求入口温度TPRまでは第二の冷却手段13によっても冷却可能であることによる。また、露点温度Tdが要求入口温度TPRより高い場合(領域Z)では、現在の大気の状態である点B4から、露点温度Td4となるまで冷却し、さらに要求入口温度TPRとなる点Aまで冷却するのに奪う必要がある比エンタルピ差Δhを求める。なお、具体的な比エンタルピ差Δhの算出は、以下の<数2>により行われる。ここで、<数2>において、関数fはNC線図によって求められるものである。そして、比エンタルピ差演算部23aは、求めた比エンタルピ差Δhを必要冷凍能力演算部23bへ出力する。
Figure 2014001741
必要冷凍能力演算部23bは、比エンタルピ差演算部23aで演算された比エンタルピ差Δhに基づいて、第一の冷却手段12で要求入口温度TPRとなるまで冷却するのに必要となる必要冷凍能力ΔHを演算する。具体的には、必要冷凍能力演算部23bには、ガスタービン制御部2eからガスタービン2cの圧縮機2aにおける吸気流量GINが入力されているとともに、比エンタルピ差演算部23aから比エンタルピ差Δhが入力されている。そして、必要冷凍能力演算部23bは、入力された吸気流量GIN及び比エンタルピ差Δhに基づいて、以下の<数3>により必要冷凍能力ΔHを求める。そして、必要冷凍能力演算部23bは、求めた必要冷凍能力ΔHを必要冷凍動力演算部23cに入力する。
Figure 2014001741
必要冷凍動力演算部23cは、必要冷凍能力ΔHを出力するのに必要となる必要冷凍動力WINを演算する。具体的には、必要冷凍動力演算部23cには、必要冷凍能力演算部23bから必要冷凍能力ΔHが入力されているとともに、冷凍機制御部12cから、第一の冷却手段12の冷凍機11固有の成績係数COPが入力されている。そして、必要冷凍能力演算部23bは、入力された必要冷凍能力ΔH及び成績係数COPに基づいて、以下の<数4>により必要冷凍動力WINを求める。そして、必要冷凍動力演算部23cは、求めた必要冷凍動力WINを差分収入演算手段25へ出力する。
Figure 2014001741
また、差分出力演算手段24は、差分出力演算工程として、要求出力WPRと第二の冷却手段13で吸気冷却を行うことにより発電用ガスタービン2で出力可能な最大出力である加湿冷却最大出力Whmaxとの差分出力ΔWを演算するものである。具体的には、差分出力演算手段24は、吸気温度Tが加湿冷却最低温度Thminとなる時のガスタービン2の出力である加湿冷却最大出力Whmaxを演算する加湿冷却最大出力演算部24aと、差分出力ΔWを演算する差分出力演算部24bとを有する。加湿冷却最大出力演算部24aには、加湿冷却最低温度演算部21bから現在の加湿冷却最低温度Thminが入力されている。そして、加湿冷却最大出力演算部24aは、記憶部28に記憶された図3に示す吸気温度Tとタービン出力の関係(図2の(2))を参照して加湿冷却最大出力Whmaxを求める。ここで、加湿冷却では、対象空気に加湿を行い、加湿した水分が蒸発して潜熱を奪うことで冷却するものであり、従って加湿冷却である第二の冷却手段13では、湿潤状態での温度を測定した湿球温度TWbに加湿冷却効率ηhcを加味した温度である加湿冷却最低温度Thmin未満には冷却することができず、言い換えれば加湿冷却最低温度Thminとは現在の大気の状態において第二の冷却手段13によって冷却可能な最低温度を表わしている。従って、加湿冷却最低温度Thminと対応する出力を求めることは、第二の冷却手段13で吸気冷却を行うことによる発電用ガスタービン2で出力可能な加湿冷却最大出力Whmaxを求めることになる。従って、差分出力演算部24bで、要求出力WPRと加湿冷却最大出力Whmaxとの差分を演算することにより、要求出力WPRと加湿冷却最大出力Whmaxとの差分出力ΔWを求めることができる。そして、差分出力演算部24bは、求めた差分出力ΔWを差分収入演算手段25及び差分コスト演算手段26へそれぞれ出力する。
差分収入演算手段25は、差分収入演算工程として、第一の冷却手段12で吸気冷却して要求出力WPRで発電用ガスタービン2から出力させた場合と、第二の冷却手段13で吸気冷却してその加湿冷却最大出力Whmaxで発電用ガスタービン2から出力させた場合との発電による収入の差である差分収入INCを演算する。具体的には、差分収入演算手段25には、必要冷凍動力演算手段23の必要冷凍動力演算部23cから必要冷凍動力WINが入力されているとともに、差分出力演算手段24の差分出力演算部24bから差分出力ΔWが入力されている。また、記憶部28には、単位出力当りの電力価格である電力単価PEが記憶されている。そして、差分収入演算手段25は、記憶部28の電力単価PEを参照して、電力単価PE、差分出力ΔW及び必要冷凍動力WINに基づいて、下記の<数5>により差分収入INCを演算する。すなわち、第一の冷却手段12で吸気冷却することで発電用ガスタービン2で出力可能な要求出力WPRと、第二の冷却手段13で吸気冷却することで発電用ガスタービン2で出力可能な加湿冷却最大出力Whmaxとの差分出力ΔWから、第一の冷却手段12で吸気冷却することで実際にはロス分となる必要冷凍動力WIN分を控除することで、実際の出力差が求められ、該出力差に電力単価PEを乗じることで、第一の冷却手段12を利用した場合と第二の冷却手段13を利用した場合との発電用ガスタービン2で発電した場合の電力収入の差を差分収入INCとして求めることができる。そして、差分収入演算手段25は、求めた差分収入INCを稼動決定手段27へ出力する。なお、上記において、電力単価PEは記憶部28に記憶されているものとしたが、外部から適時入力されるものとしても良い。このようにすることで、現在における電力単価PEを反映させて差分収入INCの演算を行うことができる。
Figure 2014001741
差分コスト演算手段26は、差分コスト演算工程として、第一の冷却手段12で吸気冷却して要求出力WPRで発電用ガスタービン2から出力させた場合と、第二の冷却手段13で吸気冷却して加湿冷却最大出力Whmaxで発電用ガスタービン2から出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストCcを演算する。具体的には、差分コスト演算手段26には、差分出力演算手段24から差分出力ΔWが入力されているとともに、ガスタービン制御部2eから発電機3における発電効率EG、すなわち単位出力当りの発電量が入力されている。また、記憶部28には、単位発熱量当りの燃料価格である燃料単価PFが記憶されている。そして、差分コスト演算手段26は、記憶部28の燃料単価PFを参照して、該燃料単価PF、差分出力ΔW及び発電効率EG(図2の(3))に基づいて、以下の<数6>により差分コストCcを演算する。すなわち、差分出力ΔWと発電効率EGから、第一の冷却手段12を利用した場合と第二の冷却手段13を利用した場合との発電量の差を求めることができ、これに燃料単価PFを乗じることで、発電に伴って消費した燃料コストの差CFを差分コストCcとして求めることができる。そして、差分コスト演算手段26は、求めた差分コストCcを稼動決定手段27へ出力する。なお、発電に伴うコストとしては、実際には燃料コストに限られず、例えば発電用ガスタービン2を稼動させることで、動翼等各部材の消耗による交換・修理コストなどがあり、該交換・修理コストなども考慮しても良い。しかしながら、発電に伴うコストの大部分は、燃料コストで占められており、本実施形態では燃料コストのみを考慮して差分コストCcを演算している。また、上記において、燃料単価PFは記憶部28に記憶されているものとしたが、外部から適時入力されるものとしても良い。このようにすることで、現在における燃料単価PFを反映させて差分コストCcの演算を行うことができる。
Figure 2014001741
稼動決定手段27は、稼動決定工程として、第一の冷却手段12及び第二の冷却手段13の稼動、非稼動を決定し、非稼働の場合には駆動停止とする制御信号を、また、稼働の場合には所望の吸気冷却となるように制御信号を、第一の冷却手段12の冷凍機制御部12c介して冷凍機11に、また、加湿制御部13dを介して第二の冷却手段13の加湿用ポンプ13cにそれぞれ出力する。ここで、稼動決定手段27には、差分収入演算手段25から差分収入INC、差分コスト演算手段26から差分コストCc、大気温度測定部15から乾球温度Tamb(図2の(5))、大気露点温度演算部21aから露点温度Td(図2の(6))、加湿冷却最低温度演算部21bから湿球温度TWb(図2の(7))、また、要求入口温度演算手段22から要求入口温度TPR(図2の(8))がそれぞれ入力されている。そして、稼動決定手段27は、これら入力された差分収入INC、差分コストCc、乾球温度Tamb、露点温度Td、湿球温度TWb及び要求入口温度TPRに基づいて、図4に示す判定フローに基づいて第一の冷却手段12及び第二の冷却手段13のそれぞれの稼動、非稼動の決定を行っている。以下に詳細を示す。
図4に示すように、稼動決定手段27は、まず、大気の乾球温度Tambが要求入口温度TPR以下かどうかを判定する(ステップS1)。そして、乾球温度Tambが要求入口温度TPR以下である場合(YES)、すなわち現在の大気の状態が図3に示す領域Xであり、冷却しないまま大気を吸気しても発電用ガスタービン2で要求出力WPRを得ることができる場合となり、稼動決定手段27は、第一の冷却手段12及び第二の冷却手段13ともに非稼動(OFF)と決定する(ステップS11)。一方、乾球温度Tambが要求入口温度TPRよりも高い場合(NO)、すなわち発電用ガスタービン2で要求出力WPRを得るには吸気冷却を行う必要がある場合には、次の判定ステップに移行する。
すなわち、稼動決定手段27は、次に大気の加湿冷却最低温度Thminが要求入口温度TPR以下かどうか判定する(ステップS2)。そして、加湿冷却最低温度Thminが要求入口温度TPR以下である場合(YES)、すなわち現在の大気の状態が図3に示す領域Yの内、点Aを通る湿球温度一定線Laよりも低温側の領域Y1となる場合には、稼動決定手段27は、第一の冷却手段12を非稼動(OFF)とするとともに、第二の冷却手段13を稼動(ON)とする(ステップS12)。これにより、発電用ガスタービン2の吸気は、第二の冷却手段13のみで加湿冷却されることとなる。ここで、領域Y1は、吸気温度Tが要求入口温度TPRとなる点Aを通る湿球温度一定線Laよりも低温側であることから、加湿冷却を行うと、例えば点B2で表わされる大気の状態から、加湿冷却最低温度Thminに達するまでに目標とする要求入口温度TPRとなる点B2´まで冷却することができ、発電用ガスタービン2により要求出力WPR分だけ出力することが可能となる。一方、加湿冷却最低温度Thminが要求入口温度TPRより高い場合(NO)、すなわち現在の大気の状態が図3に示す湿球温度一定線Laよりも高温側となる場合には、次の判定ステップに移行する。
そして、稼動決定手段27は、大気の露点温度Tdが要求入口温度TPRより低いかどうか判定する(ステップS3)。そして、露点温度Tdが要求入口温度TPR以上である場合(NO)、すなわち現在の大気の状態が図3に示す領域Zである場合は、ステップS4に移行し、また、露点温度Tdが要求入口温度TPR以下である場合(YES)、すなわち現在の大気の状態が図3に示す領域Yの内、点Aを通る湿球温度一定線Laよりも高温側の領域Y2となる場合には、ステップS5に移行する。そして、各ステップS4、S5では、稼動決定手段27は、差分収入INCと差分コストCcの大小を比較する。
ここで、差分収入INCが差分コストCcよりも大きいということは、第一の冷却手段12で吸気を要求入口温度TPRまで冷却して要求出力WPRで発電させた時の電力収入と第二の冷却手段13で可能な範囲で冷却して加湿冷却最大出力Whmaxで発電させた時の電力収入の差が、同発電コスト同士の差よりも大きいことを意味する。すなわち言い換えれば、差分収入INCが差分コストCcよりも大きいということは、第一の冷却手段12で冷却して発電させた時の発電収支の差分である第一の発電収支差分が、第二の冷却手段13で冷却して発電させた時の発電収支の差分である第二の発電収支差分よりも大きく、第一の冷却手段12で要求入口温度TPRまで冷却する方が第二の冷却手段13で可能な範囲で冷却するよりも経済的であることを意味している。一方、差分収入INCが差分コストCc以下であるということは、第一の冷却手段12による第一の発電収支差分が第二の冷却手段13による第二の発電収支差分以下ということであり、第二の冷却手段13で可能な範囲で冷却する方が第一の冷却手段12で要求入口温度TPRまで冷却するよりも経済的であることを意味している。
すなわち、ステップS4において、差分収入INCが差分コストCc以下である場合(NO)には、第二の冷却手段13による冷却の方が経済的であるとして、第一の冷却手段12を非稼動(OFF)とし、第二の冷却手段13を稼動(ON)とする(ステップS13)。これにより、発電用ガスタービン2の吸気は、第二の冷却手段13のみで加湿冷却されることとなる。ここで、この場合における大気の状態は、領域Zに位置することから、例えば図3に示す点B4に位置する大気は、加湿されることにより点B4を通る湿球温度一定線Lb4に沿って相対湿度が100%となる点B4´まで冷却されることとなり、当該吸気温度Tで吸気されて発電用ガスタービン2を駆動し加湿冷却最大出力Whmaxを得ることができる。
一方、ステップS4において、差分収入INCが差分コストCcよりも大きい場合(YES)には、第一の冷却手段12による冷却の方が経済的であるとして、第一の冷却手段12を稼動(ON)とし要求入口温度TPRまで冷却するように制御信号を出力するとともに、第二の冷却手段13を非稼働(OFF)とする(ステップS14)。これにより、発電用ガスタービン2の吸気は、第一の冷却手段12のみで冷凍冷却されることとなる。
このため、例えば点B4に位置する大気は、絶対湿度φamb一定のまま相対湿度が100%となるまで降温して露点B4d(露点温度Td4)に達し、相対湿度100%曲線に沿って降温して要求入口温度TPRとなる点Aの状態となるまで冷却される。このため、要求入口温度TPRで吸気されて発電用ガスタービン2を駆動し要求出力WPRを得ることができる。
また、ステップS5において、差分収入INCが差分コストCc未満である場合(NO)には、第二の冷却手段13による冷却の方が経済的であるとして、第一の冷却手段12を非稼動(OFF)とし、第二の冷却手段13を稼動(ON)とする(ステップS15)。これにより、発電用ガスタービン2の吸気は、第二の冷却手段13のみで加湿冷却されることとなる。ここで、この場合における大気の状態は、図3に示す領域Y1に位置することから、例えば点B3に位置する大気は、加湿されることにより点Bを通る湿球温度一定線Lb3に沿って相対湿度が100%となる点B3´´まで冷却されることとなり、当該吸気温度Tで吸気されて発電用ガスタービン2を駆動し加湿冷却最大出力Whmaxを得ることができる。
一方、ステップS5において、差分収入INCが差分コストCc以上である場合(YES)には、第一の冷却手段12による冷却の方が経済的であるとして、第一の冷却手段12を稼動(ON)とするが、ここではさらに第二の冷却手段13も稼働(ON)とする(ステップS16)。そして、稼動決定手段27は、第一の冷却手段12に対して、現在の大気の状態である点B3と絶対湿度が同じで点Aと湿球温度が同じである点B3´となる温度まで冷却するように制御信号を出力する。また、稼動決定手段27は、第二の冷却手段13に対して、点B3´から点Aまで加湿冷却するように制御信号を出力する。これにより、点B3である現在の大気は、まず上流側に配置された第一の冷却手段12で冷却されて点B3´まで移行し、さらに下流側に配置された第二の冷却手段13で冷却されて湿球温度一定線Laに沿って点Aまで移行して要求入口温度TPRまで冷却された状態となる。このため、要求入口温度TPRで吸気されて発電用ガスタービン2を駆動し要求出力WPRを得ることができる。
以上のように、本実施形態の冷却制御部20では、稼動決定手段27により、稼動決定工程のステップS4、S5で、第一の冷却手段12で吸気冷却を行って要求出力WPRで発電することによる第一の発電収支差分と、第二の冷却手段13で吸気冷却を行うことにより可能な加湿冷却最大出力Whmaxで発電することによる第二の発電収支差分との大小比較に基づいて、第一の冷却手段12及び第二の冷却手段13のそれぞれの稼動または非稼動を決定している。このため、第二の発電収支差分に対して第一の発電収支差分が大きい場合、すなわち第一の冷却手段12で冷凍機11を駆動させて吸気冷却を行っても収支が見合う場合には、第一の冷却手段12によって吸気冷却を行うことで、大気の湿度の状態に係らず要求出力WPRで発電用ガスタービン2から出力させることができる。一方、第二の発電収支差分に対して第一の発電収支差分が小さい場合、すなわち第一の冷却手段12で冷凍機11を駆動させて吸気冷却を行うと収支が見合わない場合には、第二の冷却手段13によって吸気冷却を行うことで、経済性を確保しつつ発電用ガスタービン2より最大限出力させることができる。このため、冷却制御部20による制御のもと、第一の冷却手段12による冷凍冷却と第二の冷却手段13による加湿冷却とにより吸気冷却を行うことで、発電用ガスタービン2による発電の高出力化と経済性向上との両立を図ることができる。
また、本実施形態の冷却制御部20では、稼動決定工程のステップS16の場合、すなわち第一の冷却手段12で露点まで冷却すると要求入口温度TPRよりも低くなる場合に、稼動決定手段27は、冷却の一部を第二の冷却手段13によって行って要求入口温度TPRまで冷却させている。このため、第一の冷却手段12を稼動させることによって生じる冷凍動力WIN分のロスを最小限に抑えることができ、経済性をさらに向上させることができる。なお、本ステップS16においては、必ずしも第一の冷却手段12と第二の冷却手段13を併用させる必要はなく、第一の冷却手段12のみで要求入口温度TPRまで吸気冷却を行っても良い。
また、本実施形態の冷却制御部20では、稼動決定手段27が稼動決定工程のステップS2を実施し、要求入口温度TPRが乾球温度Tamb未満、加湿冷却最低温度Thmin以上である場合には、ステップS3に移行することなく第二の冷却手段13のみでの吸気冷却を実施させている。このような場合には、第二の冷却手段13による加湿冷却でも吸気温度Tを要求入口温度TPRとして、発電用ガスタービン2から要求出力WPR分だけの出力を得ることができ、さらに経済性向上と高出力化を図ることができる。また、本実施形態の冷却制御部20では、稼動決定手段27が稼動決定工程のステップS1を実施し、要求入口温度TPRが乾球温度Tamb以上である場合には、第一の冷却手段12及び第二の冷却手段13を非稼動として発電用ガスタービン2から少なくとも要求出力WPR分の出力を得ることができ、不必要に第一の冷却手段12及び第二の冷却手段13を稼動させないようにすることができる。
なお、上記実施形態では、発電用ガスタービン2の吸気経路において、上流側に第一の冷却手段12を配置し、下流側に第二の冷却手段13を配置するものとしたが、これに限るものではなく、配置する順を逆にしても良い。この場合には、上流側に加湿を行う第二の冷却手段13が配置されて、加湿された空気は、第一の冷却手段12を通過した後に発電用ガスタービン2の圧縮機2aに吸気される。このため、第二の冷却手段13によって供給された水分(ミスト)が圧縮機2aに入り難くなり、水分によるエロージョンなどの損傷の発生をより確実に防止することができる。なお、第二の冷却手段13が上流側に配置された場合には、第二の冷却手段13による冷却が第一の冷却手段12による冷却よりも先行して行われることから、稼動決定工程においてステップS16では、図3に示すように第二の冷却手段13によって点B3から相対湿度が100%となる点B3´´まで湿球温度一定線Lb3に沿って加湿冷却が行われ、第一の冷却手段12によって点B3´´から点Aまで冷凍冷却が行われる。
また、第二の冷却手段13としては、多孔質材を吸気流路に設けた構成としたが、これに限るものではなく、吸気に対して加湿可能な構成であればどのような構成を選択しても良い。例えば、図5に示す第1の変形例のように、蒸発冷却器13aに代えて、水噴霧器13hを備え、該水噴霧器13hのノズル13iを吸気流路に多数配置してノズル13iから水を噴霧させることで吸気に加湿を行うものとしても良い。
また、上記実施形態では、ガスタービンプラント1として、発電用ガスタービン2、発電機3及びガスタービン用吸気冷却装置10を備えるものとしたが、さらに発電用ガスタービン2における排気ガスを利用した排気ガス利用手段を備えたガスタービンコンバインプラントとして構成しても良い。図6は、ガスタービンコンバインプラントとした第2の変形例を示している。図6に示すように、この変形例のガスタービンプラント30は、発電用ガスタービン2と、発電機3と、ガスタービン用吸気冷却装置10と、排気ガス利用手段である蒸気生成手段31と、蒸気生成手段31から排出された蒸気で駆動する高圧蒸気タービン32及び低圧蒸気タービン33と、低圧蒸気タービン33から排出された蒸気から水を生成する復水器34とを備えている。
蒸気生成手段31は、本実施形態では、高圧過熱器31aと、高圧蒸発器31bと、高圧節炭器31cと、低圧過熱器31dと、低圧蒸発器31eと、低圧節炭器31fとを有し、発電用ガスタービン2から供給される排気ガスがこの順に流通し、それぞれ排気ガスから熱の供給を受ける。
低圧節炭器31fでは、復水器34からポンプ34aによって水が供給され、供給された水をタービン2cからの排気ガスから供給された熱によって予熱して低圧蒸発器31e及び高圧節炭器31cに供給する。低圧蒸発器31eでは、低圧節炭器31fで予熱された水を排気ガスから供給された熱によって加熱して蒸気を生成して低圧過熱器31dに供給する。低圧過熱器31dでは、供給された蒸気をタービン2cからの排気ガスから供給された熱によって加熱し、過熱蒸気を生成し低圧蒸気タービン33に供給する。
また、高圧節炭器31cは、低圧節炭器31fからポンプ31gによって加圧されて供給された水がタービン2cからの排気ガスから供給された熱によってさらに予熱されて高圧蒸発器31bに供給される。高圧蒸発器31bでは、高圧節炭器31cで予熱された水が排気ガスから供給された熱によって加熱され蒸気が生成されて高圧過熱器31aに供給される。高圧過熱器31aでは、供給された蒸気をタービン2cからの排気ガスから供給された熱によって加熱し、過熱蒸気を生成し高圧蒸気タービン32に供給する。
そして、高圧蒸気タービン32では、高圧過熱器31aから供給された蒸気によって駆動し、発電機35で発電を行うことが可能である。また、高圧蒸気タービン32内を流通した蒸気は、低圧過熱器31dからの蒸気とともに低圧蒸気タービン33に供給され、これにより低圧蒸気タービン33は駆動し、発電機36で発電を行うことが可能である。なお、低圧蒸気タービン33内を流通した蒸気は、復水器34に供給され、再び蒸気生成手段31に供給される。
以上のように、排気ガス利用手段として蒸気生成手段31を備えたガスタービンプラント30では、排気ガスを利用して高圧蒸気タービン32及び低圧蒸気タービン33を駆動させて発電させることができ、発電効率及び経済性をさらに向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上記各実施形態では、第一の冷却手段12と第二の冷却手段13が直列に接続されているが、並列に接続されていずれかを選択的に利用するような構成でも構わない。
また、本発明は、新設のガスタービンプラントのみ適用される技術ではなく、既設のガスタービンプラントにも適用可能である。すなわち、既設のガスタービンプラントとして、発電用ガスタービン2が備えられていて、ここにガスタービン用吸気冷却装置10を設置する。あるいは、既設のガスタービンプラントとして、発電用ガスタービン2と第一の冷却手段12または第二の冷却手段13の少なくとも一方が備えられていて、ここに第一の冷却手段12または第二の冷却手段13の他方及び冷却制御部20を設置することでガスタービン用吸気冷却装置10を構成させる。さらには、第一の冷却手段12及び第二の冷却手段13がともに既設として備えられていて、そこに冷却制御部20を組み込んでガスタービン用吸気冷却装置10を構成しても良い。
いずれのパターンにおいても、再構築されることで構成された上記実施形態のようなガスタービンプラント1、30では、既設の発電用ガスタービンによる発電を、経済的、かつ、高出力のものとすることができる。
1、30 ガスタービンプラント 2 発電用ガスタービン 2a 圧縮機 2b 燃焼器 2c タービン 10 ガスタービン用吸気冷却装置 11 冷凍機 12 第一の冷却手段 13 第二の冷却手段 20 冷却制御部 21 温度演算手段 22 要求入口温度演算手段 23 必要冷凍動力演算手段 24 差分出力演算手段 25 差分収入演算手段 26 差分コスト演算手段 27 稼働決定手段 Cc 差分コスト(≒CF) INC 差分収入 Tamb 乾球温度 TPR 要求入口温度 Td 露点温度 TWb 湿球温度 WIN 必要冷凍動力 WPR 要求出力 Whmax 加湿冷却最大出力 φamb 絶対湿度 ΔW 差分出力

Claims (24)

  1. 圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンの吸気冷却に用いられるガスタービン用吸気冷却装置であって、
    冷凍機を駆動させて前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第一の冷却手段と、
    加湿することで前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第二の冷却手段と、
    前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれを稼動または非稼動に切替可能な冷却制御部とを備え、
    該冷却制御部は、前記第一の冷却手段と前記第二の冷却手段とのうち、少なくとも一方で吸気冷却を行って、前記発電用ガスタービンで発電することにより発生する収入と支出とのうち、少なくとも一方を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  2. 請求項1のガスタービン用吸気冷却装置において、
    前記冷却制御部は、前記第一の冷却手段と前記第二の冷却手段とのうち、少なくとも一方で吸気冷却を行って、前記発電用ガスタービンで発電することにより発生する収入及び支出を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  3. 圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンの吸気冷却に用いられるガスタービン用吸気冷却装置であって、
    前記発電用ガスタービンに吸気される空気を互いに異なる冷却手法で冷却する第一の冷却手段及び第二の冷却手段と、
    前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれを稼動または非稼動に切替可能な冷却制御部とを備え、
    該冷却制御部は、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電収入を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  4. 圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンの吸気冷却に用いられるガスタービン用吸気冷却装置であって、
    冷凍機を駆動させて前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第一の冷却手段と、
    加湿することで前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第二の冷却手段と、
    前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれを稼動または非稼動に切替可能な冷却制御部とを備え、
    該冷却制御部は、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電収入を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  5. 請求項4に記載のガスタービン用吸気冷却装置において、
    前記冷却制御部は、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電支出をさらに用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  6. 請求項4に記載のガスタービン用吸気冷却装置において、
    前記冷却制御部は、
    前記発電用ガスタービンが予め取得される要求出力で出力可能となる吸気温度である要求入口温度に、吸気される空気を前記第一の冷却手段によって冷却するのに前記冷凍機で必要とされる動力である必要冷凍動力を演算する必要冷凍動力演算手段を有し、前記必要冷凍動力を用いて、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる前記発電収入を求めると共に、
    前記要求出力と前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより前記発電用ガスタービンで出力可能な最大出力との差分出力を演算する差分出力演算手段を有し、前記差分出力を用いて、前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる前記発電収入を求めることを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  7. 請求項6に記載のガスタービン用吸気冷却装置において、
    前記冷却制御部は、
    前記差分出力演算手段で求められた前記差分出力に基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストを演算する差分コスト演算手段を有し、前記発電収入と前記差分コストとを用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  8. 請求項5に記載のガスタービン用吸気冷却装置において、
    前記冷却制御部は、
    予め取得される要求出力と前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより前記発電用ガスタービンで出力可能な最大出力との差分出力を演算する差分出力演算手段と、
    前記差分出力演算手段で求められた前記差分出力に基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストを演算する差分コスト演算手段と、を有し、
    前記発電収入と前記差分コストとを用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  9. 請求項6又は請求項7に記載のガスタービン用吸気冷却装置において、
    予め取得される前記要求出力に基づいて前記要求入口温度を演算する要求入口温度演算手段と、
    取得する大気の乾球温度及び湿度に基づいて、大気の露点温度及び湿球温度を演算する温度演算手段とを備え、
    前記必要冷凍動力演算手段は、前記要求入口温度演算手段で演算された前記要求入口温度及び前記温度演算手段で演算された前記露点温度に基づいて前記必要冷凍動力を演算し、
    前記差分出力演算手段は、前記要求出力及び前記温度演算手段で演算された前記湿球温度に基づいて前記差分出力を演算することを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  10. 請求項6、請求項7、請求項9のいずれか一項に記載のガスタービン用吸気冷却装置において、
    前記冷却制御部は、大気の乾球温度、及び、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度以上である場合には、前記発電収入に係らず前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段を非稼動とすることを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  11. 請求項6、請求項7、請求項9、請求項10のいずれか一項に記載のガスタービン用吸気冷却装置において、
    前記冷却制御部は、大気の乾球温度及び湿球温度、並びに、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度未満、前記湿球温度から求めた加湿冷却最低温度以上である場合には、前記発電収入に係らず前記第一の冷却手段を非稼動とし、前記第二の冷却手段を稼動とすることを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のガスタービン用吸気冷却装置と、
    前記発電用ガスタービンとを備えることを特徴とするガスタービンプラント。
  13. 既設である前記発電用ガスタービンに対して前記ガスタービン用吸気冷却装置を追設することで請求項12に記載のガスタービンプラントを構築することを特徴とする既設ガスタービンプラントの再構築方法。
  14. 圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンに吸気を、冷凍機を駆動させて前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第一の冷却手段と、加湿することで前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第二の冷却手段とのいずれかで冷却させるガスタービンの吸気冷却方法であって、
    前記第一の冷却手段と前記第二の冷却手段とのうち、少なくとも一方で吸気冷却を行って、前記発電用ガスタービンで発電することにより発生する収入と支出とのうち、少なくとも一方を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービンの吸気冷却方法。
  15. 請求項14のガスタービンの吸気冷却方法において、
    前記第一の冷却手段と前記第二の冷却手段とのうち、少なくとも一方で吸気冷却を行って、前記発電用ガスタービンで発電することにより発生する収入及び支出を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービンの吸気冷却方法。
  16. 圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンの吸気を、互いに異なる冷却手法で冷却する第一の冷却手段と第二の冷却手段とのいずれかで冷却させるガスタービンの吸気冷却方法であって、
    前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電収入を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービンの吸気冷却方法。
  17. 圧縮機、燃焼器及びタービンを有する発電用ガスタービンに吸気を、冷凍機を駆動させて前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第一の冷却手段と、加湿することで前記発電用ガスタービンに吸気される空気を冷却する第二の冷却手段とのいずれかで冷却させるガスタービンの吸気冷却方法であって、
    前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電収入を用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービンの吸気冷却方法。
  18. 請求項17に記載のガスタービンの吸気冷却方法において、
    前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合及び前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる発電支出をさらに用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  19. 請求項17に記載のガスタービンの吸気冷却方法において、
    予め取得される要求出力で出力可能となる吸気温度である要求入口温度に、吸気される空気を前記第一の冷却手段によって冷却するのに前記冷凍機で必要とされる動力である必要冷凍動力を演算する必要冷凍動力演算工程を実行し、前記必要冷凍動力を用いて、前記第一の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる前記発電収入を求めると共に、
    前記要求出力と前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより前記発電用ガスタービンで出力可能な最大出力との差分出力を演算する差分出力演算工程を実行し、前記差分出力を用いて、前記第二の冷却手段で吸気冷却を行った場合の前記発電用ガスタービンによって発電することによる前記発電収入を求めることを特徴とするガスタービンの吸気冷却方法。
  20. 請求項19に記載のガスタービンの吸気冷却方法において、
    前記差分出力演算工程で求められた前記差分出力に基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストを演算する差分コスト演算工程を実行し、前記発電収入と前記差分コストとを用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービンの吸気冷却方法。
  21. 請求項18に記載のガスタービンの吸気冷却方法において、
    予め取得される要求出力と前記第二の冷却手段で吸気冷却を行うことにより前記発電用ガスタービンで出力可能な最大出力との差分出力を演算する差分出力演算工程と、
    前記差分出力演算工程で求められた前記差分出力に基づいて、前記第一の冷却手段で吸気冷却して前記要求出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合と、前記第二の冷却手段で吸気冷却して前記最大出力で前記発電用ガスタービンから出力させた場合との発電に伴う支出の差である差分コストを演算する差分コスト演算工程と、を実行し、
    前記発電収入と前記差分コストとを用いて、前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段のそれぞれの稼動または非稼動を決定することを特徴とするガスタービンの吸気冷却方法。
  22. 請求項19又は請求項20に記載のガスタービンの吸気冷却方法において、
    予め取得される前記要求出力に基づいて前記要求入口温度を演算する要求入口温度演算工程と、
    取得する大気の乾球温度及び湿度に基づいて、大気の露点温度及び湿球温度を演算する温度演算工程と、を実行し、
    前記必要冷凍動力演算工程では、前記要求入口温度演算工程で演算された前記要求入口温度及び前記温度演算工程で演算された前記露点温度に基づいて前記必要冷凍動力を演算し、
    前記差分出力演算工程では、前記要求出力及び前記温度演算工程で演算された前記湿球温度に基づいて前記差分出力を演算することを特徴とするガスタービンの吸気冷却方法。
  23. 請求項19、請求項20、請求項22のいずれか一項に記載のガスタービンの吸気冷却方法において、
    大気の乾球温度、及び、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度以上である場合には、前記発電収入に係らず前記第一の冷却手段及び前記第二の冷却手段を非稼動とすることを特徴とするガスタービンの吸気冷却方法。
  24. 請求項19、請求項20、請求項22、請求項23のいずれか一項に記載のガスタービンの吸気冷却方法において、
    大気の乾球温度及び湿球温度、並びに、前記要求入口温度を取得して大小比較し、前記要求入口温度が前記乾球温度未満、前記湿球温度から求めた加湿冷却最低温度以上である場合には、前記発電収入に係らず前記第一の冷却手段を非稼動とし、前記第二の冷却手段を稼動とすることを特徴とするガスタービンの吸気冷却方法。
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