JPH1192845A - 高初透磁率磁性合金およびその製造方法 - Google Patents

高初透磁率磁性合金およびその製造方法

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JPH1192845A
JPH1192845A JP9247954A JP24795497A JPH1192845A JP H1192845 A JPH1192845 A JP H1192845A JP 9247954 A JP9247954 A JP 9247954A JP 24795497 A JP24795497 A JP 24795497A JP H1192845 A JPH1192845 A JP H1192845A
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alloy
magnetic
temperature
magnetic alloy
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JP9247954A
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Isao Kaneda
功 金田
Tsutomu Ishizaka
力 石坂
Taeko Tsubokura
多恵子 坪倉
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
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    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/14708Fe-Ni based alloys
    • H01F1/14733Fe-Ni based alloys in the form of particles
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PCパーマロイに比べ、原料が安価であり、
且つ高い初透磁率が得られると報告されているNi-Fe-Mn
-Cu系磁性合金に注目し、溶製法に比べ形状、工程及び
歩留まりの点で有利である粉末冶金法により、高初透磁
率磁性合金を得ることを目的とする。 【解決手段】 Ni-Fe-Mn-Cu系磁性合金の特定組成領域
において、粉末冶金法を採用し、焼結条件、熱処理条件
を検討した結果、特定の条件で初透磁率が高く、焼鈍し
工程が不要な任意の形状の磁性合金を安価に得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、初透磁率および保
磁力等の磁気特性に優れた高透磁率磁性合金およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高透磁率磁性合金としてはPCパ
ーマロイと呼ばれるNiが80重量%、Moが5重量%および
残部がFeを基本組成とした合金が用いられてきた。しか
し、PCパーマロイは高価なNiやMoを多量に含有するた
め価格が高いという難点がある。
【0003】この原料コストの低減に関してはNiやMoを
相対的に安価な材料で置き換えた合金の開発が進められ
ており、特公昭62-13420および特公昭62-29504に記載さ
れたNi-Fe-Mn-Cu-Si合金や、特公平7-72314に記載され
た Ni-Fe-Mn-Cu合金は、Ni量を低減させ、高価なMoを用
いること無く極めて高い初透磁率が得られている。
【0004】しかし、これらの高透磁率磁性合金は一般
に加熱溶解後、熱間及び冷間加工によって薄板にされ供
給される。最終形状物はこの薄板を打ち抜きや曲げなど
の加工によって得られるが、加工によって磁気特性が劣
化するため、加工後の熱処理(焼鈍)が必要となる。
【0005】これを解決する方法として、粉末冶金法を
用いた高透磁率合金の作成も検討されている。 粉末冶
金法の利点としては溶製材では得られない複雑形状が
製造可能であること、加工が不要のため焼鈍が不要で
あること、最終形状物が直接得られるため原料歩留ま
りが良いこと、などが挙げられる。
【0006】そして、PCパーマロイまたはPBパーマ
ロイを粉末冶金法により製造する方法が種々検討されて
いる(例えば、特公昭58-54185、特公昭63-63616など)
が、パーマロイ以外の高透磁率合金では脱酸素が困難で
あるため実用化されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みてなされたものであり、PCパーマロイに比
べ、原料が安価であり、且つ高い初透磁率が得られると
報告されているNi-Fe-Mn-Cu系磁性合金に注目し、溶製
法に比べ形状、工程及び歩留まりの点で有利である粉末
冶金法により、高初透磁率磁性合金を得ることを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記
(1)〜(6)の方法により達成できる。
【0009】(1) 重量%でNiが60〜71%、(Mn+Cu)
が23〜30%、不可避の不純物及び残部がFeでかつ、(Ni
+Mn+Cu)が96%以下、Mn/(Mn+Cu)が0.4〜0.6である組
成物を成形体とし、これを焼結したことを特徴とする磁
性合金。
【0010】(2) 前記成形体を焼結した後、焼結温
度より20〜200℃低い温度で熱処理を行うことを特徴と
する(1)記載の磁性合金の製造方法。
【0011】(3) 前記成形体を焼結した後、3℃/分
以上、10℃/分未満の冷却速度で室温まで、冷却するこ
とを特徴とする請求事項1記載の磁性合金の製造方法。
【0012】(4) 焼結温度が1000〜1350℃である事
を特徴とする請求事項1〜3記載の磁性合金の製造方
法。
【0013】(5) 合金の融点をTm(℃)、液相生成温
度をTa(℃)とした場合、1段目の焼結を(Ta+10) 〜(Tm-
30) ℃で行った後、2段目の焼結を(Tm-25)〜(Tm-10)℃
で行い、更に(Ta-10)〜(Ta-100)℃で熱処理を行うこと
を特徴とする請求項1または2記載の磁性合金の製造方
法 (6) 密度が4.5g/cm3〜6.5g/cm3である成形体を用い
ることを特徴とする請求項1〜5記載の磁性合金の製造
方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の磁性合金およびその製造
方法は、重量%でNiが60〜71%、(Mn+C)uが23〜30%、
不可避の不純物及び残部Feでかつ、(Ni+Mn+Cu)が96%
以下、Mn/(Mn+Cu)が0.4〜0.6である組成物を成形し、焼
結することを特徴とするものであり、PCパーマロイに
対し、より高い初透磁率で任意形状の磁性合金を、低価
格で実現しうるという特徴を備えたものである。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】まず、合金組成について説明する。
【0017】Niは原料価格の点から極力低くした方がよ
いが、60%未満となると高い初透磁率が得られないので
60%以上とする。しかし、71%を超えるとPCパーマロ
イと同等のNi量となり、低価格化の効果が小さくなる。
以上より、Ni量は60〜71%が好ましい。
【0018】MnおよびCuの添加は共に本合金の初透磁率
を向上させるのに有効な元素であり、焼結中にMnおよび
Cuに富む液相を生成し、焼結性を促進させる効果を有す
る。しかし、(Mn+Cu)量が23%未満になるとそれら効果
は少なくなり、焼結性が著しく低下し、十分な焼結密度
が得られなくなるのみならず、十分な初透磁率も得られ
なくなる。
【0019】一方、30%を超えると焼結性は向上する
が、高い初透磁率が得られなくなる。以上の結果より、
(Mn+Cu)の好ましい量はは23〜30%である。
【0020】また、残量のFeが4%未満になった場合、
磁気特性の飽和磁束密度が極端に低下し、磁性合金とし
て好ましくない。このため、好ましい(Ni+Mn+Cu)の量
は96%以下である。
【0021】Mn/(Mn+Cu)の値は本系の合金組織に大きな
影響を与える因子であり、0.4〜0.6の範囲において焼結
時に、著しい結晶粒成長が起こり、高い初透磁率が得ら
れる。Mn/(Mn+Cu)の値が0.4未満の場合、或いは0.6を超
えた場合は結晶粒の成長が十分でなく、高い初透磁率は
得られない。また、Mn/(Mn+Cu)の値が0.4未満の場合は
保磁力の上昇も招き、好ましくない。 従って、Mn/(Mn
+Cu)の値は0.4〜0.6とすることが好ましく、更に高い初
透磁率を得るためには、この値を0.45〜0.55とすること
がより好ましい。
【0022】本発明は粉末冶金法により合金化と最終形
状化を行うものであり、出発原料として多量の酸素及び
炭素等を含む金属粉を用いるため、最終物に酸化物およ
び炭化物等の不可避な不純物が含まれる。これらの酸化
物および炭化物等の不純物は、合金内部に歪みを発生さ
せたり、合金中に固溶したりすることにより、初透磁率
を劣化させるため、原料調合段階、または焼結段階で出
来るだけ低減させることが望ましい。
【0023】なお、本発明で用いる粉末冶金法は金属粉
末または合金粉末を用い、成形した後、焼結によって合
金化する方法であれば良く、成形は圧縮成型による粉末
成型法、押し出し成型法、金属射出成型法、ドクターブ
レード法などの最終物形状に適した方法を適宜選択すれ
ばよい。
【0024】次に、本発明の製造方法のうち、重要な焼
結および熱処理方法について説明する。
【0025】本発明の製造方法は高温保持における焼結
工程、および必要に応じ熱処理工程から成る。これらの
工程で用いる雰囲気としては非酸化性であればよく、不
活性ガス、真空、還元性ガスなどを適宜用いればよい。
また、全工程を同一の雰囲気で処理する必要はなく、適
宜雰囲気を切り替えて処理することが望ましい。
【0026】焼結工程はパーマロイ等が溶融して合金を
製造するのに比べ、高い焼結密度の合金を得るために望
ましい工程であり、成形体を1000〜1350℃で焼結する。
1000℃未満の低い温度で焼結し、高い焼結密度を得るた
めには原料粉末を極めて細かくしなければならず、原料
粉が高価になると共に得られる磁性合金に含有する酸素
量の増加による初透磁率の劣化をまねきやすく、好まし
くない。
【0027】また、1350℃を超えた高い温度に保持した
場合は得られる磁性合金の一部で溶融や変形が発生し、
正確な寸法の最終形状物が得られにくい。従って、好ま
しい焼結温度は1000〜1350℃である。
【0028】熱処理工程は十分な結晶粒の成長及び微視
的、巨視的に見た場合の磁性合金組成の均一性を確保す
るために望ましい工程である。
【0029】高い焼結密度を得るためには焼結過程で液
相を生成させることが効果的であることが知られてい
る。本系の合金では焼結過程でMnとCuに富む液相が生成
され、密度の上昇と結晶粒成長が促進されるが、焼結後
の組織において組成的に不均一な領域を形成しやすく、
初透磁率の低下をまねくことが本発明に至る過程で明ら
かとなった。
【0030】この不均一な領域の解消は、熱処理または
焼結温度からの冷却速度を制御することにより達成でき
る。
【0031】熱処理は出来るだけ高い温度で行った方が
良いが、焼結温度との差が20℃未満の場合には局部的に
液相が生成しやすく、不均一さは残存し、初透磁率が低
下しやすい。また焼結温度との差が200℃を超えた場合
には均一化の為に極めて長い熱処理時間が必要となるの
で好ましくない。このため、通常の焼結温度よりも20〜
200℃低い温度で熱処理を施すことが必要である。
【0032】また、熱処理工程を省略し、焼結温度から
室温までの冷却速度を制御することも有効である。この
場合、冷却速度が10℃/分以上の場合には不均一さが完
全には解消しにくく、初透磁率は低下しやすい。このた
め、冷却速度を遅くした方が良いが、3℃/分未満の場合
は冷却に極めて長い時間が必要となるため工業上好まし
くない。従って、焼結工程からの冷却速度は3℃/分以
上、10℃/分未満とする必要がある。
【0033】更に、生成する液相を有効に利用し、高い
初透磁率を得るためには、多段の焼結工程と熱処理工程
が効果的である。下記は2段階の焼結工程と熱処理工程
との組み合わせについて説明したものであるが、3段階
以上の焼結工程を採用しても良い。
【0034】この方法は、合金の融点をTm(℃)、液相生
成温度をTa(℃)とした場合、1段目の焼結を(Ta+10) 〜
(Tm-30) ℃で行うことにより、成形体に少量の液相を発
生させ、焼結密度の上昇と組成の均一化を進行さる。続
いて、2段目の焼結を十分な量の液相生成が起こる(Tm-
25)〜(Tm-10)℃で行うことにより、結晶の粒成長を促進
する。さらに、液相が生成しない(Ta-10)〜(Ta-100)℃
で熱処理することによって、液相の生成によって形成さ
れた組成の不均一さを解消する。
【0035】1段目の焼結温度が(Ta+10)℃未満の場合
は十分な焼結密度が得られにくく、2段目の焼結時に変
形を生じ易い。また、(Tm-30) ℃を超えた場合には低密
度の状態から急激に多量の液相が生成されるため変形を
生じやすい。以上より、1段目の焼結温度を(Ta+10)〜
(Tm-30)℃とする必要がある。また、焼結の保持時間と
しては0.5〜8時間が望ましい。 0.5時間未満の短い場
合には高い密度が得られ難く、保持時間は長い方が良い
が、長時間に渡る処理は工業上望ましくないため8時間
以下とする。
【0036】2段目の焼結温度が(Tm-25)℃未満の場合
には十分な結晶の粒成長が起こらず、高い初透磁率が得
られ難い。また、(Tm-10)℃を超えた場合には一部が溶
融し、変形が発生し、最終形状物が得られないため、2
段目の焼結温度を(Tm-25)〜(Tm-10)℃とする必要があ
る。
【0037】2段目の焼結保持時間としては0.1〜8時間
とすることが望ましい。0.1時間未満の場合には均一な
結晶の粒成長が得られ難い。このため、保持時間は長い
方が良いが、長時間に渡る処理は工業上望ましくないた
め8時間以下とする。
【0038】更に、均一化の為の熱処理温度が(Ta-10)
℃を超えた場合には局部的に液相が生成し、不均一さが
残存し易く、高い初透磁率が得られ難い。また、熱処理
温度が(Ta-100)℃未満の場合には均一化の為に極めて長
い熱処理時間が必要となるので好ましくない。
【0039】このため、均一化の為の熱処理温度は(Ta-
10)〜(Ta-100)℃にする必要がある。また、このときの
保持時間も0.5〜8時間が望ましい。0.5時間未満の場合
には十分な効果が得られず、保持時間は長い方が良い
が、長時間に渡る処理は工業上望ましくないため8時間
以下とする。
【0040】本発明は粉末冶金法により、高い初透磁率
および保磁力等の磁気特性に優れたNi-Fe-Mn-Cu系合金
を得ることを目的としている。粉末冶金法により最終形
状物を得るためには成形体の形状変形が無く、均一に焼
結反応を進行させることが必要である。従来、粉末冶金
法においては焼結時の収縮に伴う寸法変化(縮率)を小さ
くすること、言い換えれば、成形体の密度を高くするこ
とによって最終形状物の寸法を制御する考え方が一般的
であった。しかし、成形体の密度が高くなると比較的低
い温度で粉同士の結合(焼結)が開始され、金属粉表面の
酸化物が十分に還元されずに緻密化され、焼結体の内部
に酸素が残存するため、磁気特性、特に初透磁率が劣化
してしまうという問題点がある。
【0041】この問題点は成形体の密度を制御する事に
より解決できる。成形体密度が4.5g/cm3よりも小さい場
合には、成形体は焼結後の縮率が大きく、成形体強度が
十分で無く、かつハンドリングの際に割れや欠けを生じ
易い。また、6.5g/cm3よりも大きい場合には焼結時の還
元反応が不十分になり、初透磁率の劣化を招く。
【0042】以上より、成形体の密度は4.5〜6.5g/cm3
が好ましく、成形圧力を調整する方法または成形物を密
閉容器に入れ、液体により等方圧縮を行う方法(静水圧
成形)等の最終物形状に適した方法により得られる。
【0043】
【実施例】
[実施例1]原料として、還元Ni粉、電解Mn粉、還元Cu
粉およびカーボニールFe粉を用い、合金組成が表1〜4
に示す組成(重量%)になるように配合、混合した後、1
軸加圧成形し、外径15.5mm、内径10.5mmおよび厚さ約6m
mのトロイダル形状の成形体を得た。
【0044】この成形体を水素気流中、1250〜1350℃で
4時間保持した後、5℃/分の冷却速度で室温まで冷却し
て焼結体合金を得た。これらの焼結体の磁気特性、焼結
体密度および平均結晶粒径を表1〜4に示す。なお、磁
気特性は理研電子製のB−Hトレーサを用て測定し、保
磁力(A/m)および飽和磁化(mT)の場合は印加磁界796A/
m、初透磁率(μi)の場合は印加磁界398mA/mの時の磁化
の値から算出した。また、焼結体の密度(ρ)はアルキメ
デス法によって、平均結晶粒径は焼結体断面の組織観察
から切片法により求めた。
【0045】また、表中の実験番号の*印は本発明の効
果を明らかにするための比較例であり、また、表中のMn
比は重量%で算出した(Mn/(Mn+Cu))の値を示している。
【0046】
【表1】
【0047】表1はNiの含有量に着目したもので、Niの
含有量が60〜71%の場合(実験番号2〜7)は目的とし
た磁性合金が得られた。しかし、Ni量が60%未満の場合
(実験番号1)、極端に初透磁率が低下し、実用的でな
い。
【0048】
【表2】
【0049】表2は(Mn+Cu)の含有量に着目したもの
で、(Mn+Cu)の含有量が23〜30%の場合(実験番号5お
よび8〜11)は目的とした磁性合金が得られたが、(M
n+Cu)の含有量が23%未満(実験番号12)または30%
を超えたところ(実験番号13)で初透磁率が低下し、
実用的でない。
【0050】
【表3】
【0051】表3はMnの(Mn+Cu)に対する比に着目した
ので、比が0.4〜0.6の範囲において(実験番号5、15
および16)高い初透磁率が得られるが、比が0.4未満
(実験番号14)または0.6を超えた場合(実験番号1
7)、初透磁率が低下し、実用的でない。
【0052】
【表4】
【0053】表4はFeの含有量に着目したもので、Feの
含有量が4%を超えた場合(実験番号2、4および5)
は十分な飽和磁化が得られるが、4%以下の場合(実験
番号18)は飽和磁化が極端に低下し、実用的でない。
【0054】本発明の合金はは実質的にNi、Mn、Cu、Fe
の4成分から成るため、Feの含有量が4%を超えた場合
を言い換えれば、(Ni+Mn+Cu)の含有量が96%以下のこと
であり、(Ni+Mn+Cu)の含有量は96%以下が好ましい。
【0055】以上の結果より、Ni量が60%以上、(Mn+C
u)量が23〜30%、不可避な不純物および残量がFeで、
かつ(Ni+Mn+Cu)が96%以下で、Mnの(Mn+Cu)に対する比
が0.4〜0.6である合金組成で目的とした高い初透磁率を
有する合金が得られる。
【0056】[実施例2]実施例1と同様の原料、試料
作成方法を用い、合金組成がNiが66%、Mnが14%、Cuが
14%、不可避な不純物および残部がFeとなるように調合
し、成形体とした。この成形体を焼結した後の熱処理条
件、および焼結した後の冷却速度による磁気特性の関係
について調べた結果を表5に示す。なお焼結は1275℃、
4時間保持で行った。また相の均一化のための熱処理時
間は4時間とした。
【0057】
【表5】
【0058】表5より、焼成温度と熱処理温度の差が20
〜200℃(実験番号19〜21)の場合、目的とした透
磁率の合金が得られたが、差が20℃未満の場合(実験番
号22)、初透磁率が低下し、実用的でない。
【0059】また、熱処理を行わなくても、焼結後の冷
却速度を10℃/分未満(実験番号24〜26)にするこ
とによって高い初透磁率の合金が得られたが、冷却速度
が10℃/分(実験番号23)では初透磁率が低下し、実
用的でない。
【0060】[実施例3]実施例1と同様の原料、試料
作成方法を用い、合金組成をNiが68%、Mnが13%%、Cu
が12.5%、不可避な不純物および残部がFeとなるように
調合し、成形体とした。この成形体を2段の焼結工程と
均一化の熱処理工程を通し、得られた合金の磁気特性を
測定した。
【0061】
【表6】
【0062】この合金組成における液相生成温度(Ta)及
び融点(Tm)を調べた結果、Ta=1300℃、Tm=1350℃であっ
た。
【0063】これらの結果より、1段目の焼結温度を(T
a+10)〜(Tm-30)℃、2段目の焼結温度を(Tm-25)〜(Tm-1
0)℃とし、熱処理温度を(Ta-10)〜(Ta-100)℃とするこ
と(実験番号27〜31)によって、焼結後の形状変形
を起こすことなく、極めて高い初透磁率の合金が得られ
ることが分かる。
【0064】一方、1段目の焼結温度が高い場合(実験
番号32)や低い場合(実験番号33)、得られた合金
は変形または一部変形し、実用的でない。また、2段目
の焼結温度が高い場合(実験番号34)も合金の変形を
もたらす。また、2段目の焼結工程が無いの場合(実験
番号35)、および熱処理工程の温度が高い場合(実験
番号36)は目的とした初透磁率の合金が得られない。
【0065】[実施例4]実施例1と同様の原料、試料
作成方法を用い、合金組成をNiが66%、Mnが14.5%、Cu
が14.5%、不可避な不純物および残部がFeとなるように
調合し、成形体密度を変えたサンプルを作成した。この
成形体を1230℃で4時間保持後、1250℃で更に2時間保持
し、1150℃で4時間均一化処理を行った後、5℃/分で冷
却した。得られた合金の磁気特性、縮率、結晶粒径およ
び残留酸素量を測定し、表7にまとめた。
【0066】
【表7】
【0067】成形体密度は焼結体密度と同様のアルキメ
デス法により、焼結体の縮率はマイクロメータを用い、
実寸法を測定することにより求めた。
【0068】表7より、焼結前の密度(成形体密度)を変
えても焼結体密度はほとんど変化しないが、成形体の密
度を4.5g/cm3〜6.5g/cm3にすること(実験番号38〜4
1)により、目的とした初透磁率を有する合金が得られ
る。しかし、成形体密度を低くすること(実験番号3
7)により焼結後に合金は変形し、実用的でない。ま
た、成形体密度を高くする(実験番号42)すると焼成
中に十分な還元反応が進まず、合金中の酸素量が増大
し、目的とした初透磁率を有する合金が得られない。
【0069】以上の実施例全体を通じ、初透磁率は十分
満足できる値を示しており、同時に保磁力および飽和磁
化はともに所望の値が得られていることは明らかであ
る。
【0070】
【発明の効果】本発明は従来のPCパーマロイに含有さ
れるような高価なMoを含まず、高価なNiの使用を低減し
たことにより、原料価格の低減が可能となるのみなら
ず、 熱間加工工程、圧延工程が省略でき、打ち抜き
等、最終形状化加工による原材料のロスがない、という
工程費用の低減ができる。
【0071】また圧延工程を必要としないため、冷間圧
延に伴う特性劣化が回避でき、より高い初透磁率の任意
形状の磁性合金を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 660 C22F 1/00 691B 691 1/10 B 1/10 B22F 3/10 F H01F 1/147 H01F 1/14 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でNiが60〜71%、(Mn+Cu)が23〜3
    0%、不可避の不純物及び残部がFeでかつ、(Ni+Mn+C
    u)が96%以下、Mn/(Mn+Cu)が0.4〜0.6である組成物を成
    形体とし、これを焼結したことを特徴とする磁性合金。
  2. 【請求項2】 前記成形体を焼結した後、焼結温度より
    20〜200℃低い温度で熱処理を行うことを特徴とする請
    求項1記載の磁性合金の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記成形体を焼結した後、3℃/分以上、
    10℃/分未満の冷却速度で室温まで、冷却することを特
    徴とする請求事項1記載の磁性合金の製造方法。
  4. 【請求項4】 焼結温度が1000〜1350℃である事を特徴
    とする請求事項1〜3記載の磁性合金の製造方法。
  5. 【請求項5】 合金の融点をTm(℃)、液相生成温度をTa
    (℃)とした場合、1段目の焼結を(Ta+10) 〜(Tm-30) ℃
    で行った後、2段目の焼結を(Tm-25)〜(Tm-10)℃で行
    い、更に(Ta-10)〜(Ta-100)℃で熱処理を行うことを特
    徴とする請求項1または2記載の磁性合金の製造方法
  6. 【請求項6】 密度が4.5g/cm3〜6.5g/cm3である成形体
    を用いることを特徴とする請求項1〜5記載の磁性合金
    の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105568060A (zh) * 2015-12-28 2016-05-11 钢铁研究总院 一种低成本高磁导率高磁屏蔽高锰软磁合金及其制备方法

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