JPH1192789A - 洗浄剤 - Google Patents

洗浄剤

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JPH1192789A
JPH1192789A JP27510597A JP27510597A JPH1192789A JP H1192789 A JPH1192789 A JP H1192789A JP 27510597 A JP27510597 A JP 27510597A JP 27510597 A JP27510597 A JP 27510597A JP H1192789 A JPH1192789 A JP H1192789A
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cleaning agent
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salt
ion
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Fumitake Sato
文武 佐藤
Yoshio Matsumoto
嘉夫 松本
Noriyuki Yanagihara
紀之 柳原
Tatsuya Naito
達也 内藤
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ONODERA NAOHITO
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    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D7/00Compositions of detergents based essentially on non-surface-active compounds
    • C11D7/02Inorganic compounds
    • C11D7/04Water-soluble compounds
    • C11D7/10Salts

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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境汚染物質を一切含まない簡単な成分の洗浄
剤を提供する。 【解決手段】ナトリウムイオン、カリウムイオンおよび
ルビジウムイオンからなる陽イオン群から選ばれる陽イ
オンと、水酸イオン、炭酸イオンおよびシュウ酸イオン
からなる陰イオン群から選ばれる陰イオンとが組み合わ
された塩を主成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯や清掃などの
各種洗浄に用いられる洗浄剤に関し、合成界面活性剤、
隣化合物あるいは長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩などを一
切含まず、簡単な無機成分からなる洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の洗浄剤としては、従来より、合
成界面活性剤、ポリ燐酸などの各種の隣化合物、あるい
は石鹸に代表される長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、合成界
面活性剤にあっては、洗浄時の排水を分離したり浄化し
たりする処理が著しく困難であるという問題を有してお
り、また隣化合物は、その排水によって河川、湖沼また
は海などの環境水が過富養化するという問題があり、何
れも環境汚染の重要問題を抱えている。
【0004】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、環境汚染物質を一切含まな
い簡単な成分の洗浄剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、理論的考
察とそれに対する洗浄実験とに基づいて上記目的のため
に洗浄剤として選ばれるべきかを知得するための理論的
基範を開明し、この基範によって選ばれた洗浄剤の有効
性を実証した。
【0006】すなわち、現在行われている洗浄機構に関
する一般的論理に基づき、イオン、分子、コロイド粒子
などの微視的粒子の行動の観点からは、これらの粒子の
分散と凝集の状態推移を考察する一方で、巨視的な観点
からは、平衡理論によって分散と凝集の状態推移を考察
し、さらにこれらそれぞれの考察に対応する白化度の実
験を行って洗浄効果を実際に確認することで下記の結論
を得た。この結論に立脚して本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、上記目的を達成するために、請
求項1記載の洗浄剤は、ナトリウムイオン、カリウムイ
オンおよびルビジウムイオンからなる陽イオン群から選
ばれる陽イオンと、水酸化物イオン、炭酸イオンおよび
シュウ酸イオンからなる陰イオン群から選ばれる陰イオ
ンとが組み合わされた塩を主成分とすることを特徴とす
る。
【0008】また、請求項2記載の洗浄剤は、前記塩が
炭酸カリウムであることを特徴とする。
【0009】さらに、請求項3記載の洗浄剤は、pHが
10以上、好ましくは10〜12であることを特徴とす
る。
【0010】また、請求項4記載の洗浄剤は、前記塩の
濃度が1×10-4モル濃度以上であることを特徴とす
る。
【0011】上記目的を達成するために、請求項5記載
の洗浄剤は、1×10-4モル濃度以上の硫酸カリウム溶
液と水酸化カリウムとを主成分とし、pHが9以上であ
ることを特徴とする。
【0012】上記目的を達成するために、請求項6記載
の洗浄剤は、炭酸カリウムと水酸化カリウムとを主成分
とすることを特徴とする。
【0013】また、請求項7記載の洗浄剤は、請求項1
記載の洗浄剤に、EDTA・4Na塩を添加したことを
特徴とする。
【0014】請求項8記載の洗浄剤は、請求項1記載の
洗浄剤に、EDTA・4Na塩と水酸化カリウムとを
1:2のモル比で添加したことを特徴とする。
【0015】請求項9記載の洗浄剤は、請求項1記載の
洗浄剤に、クエン酸・3Na塩を添加したことを特徴と
する。
【0016】請求項10記載の洗浄剤は、請求項1記載
の洗浄剤に、クエン酸と水酸化カリウムとを1:3より
水酸化カリウムが多い割合のモル比で添加したことを特
徴とする。
【0017】本発明の塩としては、アルカリ性水溶液を
生じる塩であることが必要である。
【0018】また、本発明の陽イオンとして、成分の陽
イオンは、水和イオン半径乃至ストークス半径が小さい
ほど望ましい。水溶液中での運動に対する抵抗が小さい
ほど目標物に大きな速度で大きな頻度で衝突し得、かつ
凝集している粒子と粒子との間隙に入って行き易いから
である。
【0019】陽イオンがアルカリ金属のように電子親和
性が小、換言すればイオン化電位が小であることが必要
である。凝集体の負電荷に遭っても電子をもらって放電
することがないからである。
【0020】陽イオンがアルカリ金属のように配位結合
性が小であり、またアルカリ性水溶液で沈殿しない陽イ
オンであることが必要である。汚染凝集体表面の負帯電
場所または凝集している粒子(イオン、分子、コロイド
粒子)の負電荷性原子またはイオンにその陽イオンが配
位結合性の結合をしてしまう陽イオンは洗浄剤には適さ
ない。またアルカリ性水溶液で沈殿しやすい陽イオンも
不適である。遷移金属イオンは一般に陰性原子に配位結
合性であり、多くはアルカリ性溶液で沈殿するため不適
である。またカルシウムイオンCa2+のようなアルカリ
土金属イオンも配位結合性とアルカリ性による沈殿性と
によって、たとえ水和イオンの無限希釈当量電導度がK
+ ,Na+ イオンとほぼ同等であっても洗浄剤として望
ましくない性質がある。
【0021】以上の条件から、陽イオンはアルカリ金属
が望ましい。そして、水溶液中の易動度(この場合当量
電導度で較べても支障ない)から考えると、Rb+ ,K
+ >Na+ の順で望ましい。周期律表においてRbより
下位のアルカリ金属イオンは重金属で、環境上および価
格の点で望まれない。
【0022】本発明の陰イオンは、上記陽イオンと対に
なってアルカリ性水溶液を生じるものであることが必要
である。陰イオンは、その電価と水和イオン半径とのバ
ランス(電荷/水和イオン半径の値で表すことが可能
で、また無限希釈当量電導率で表すこともできる。)
が、対をなす陽イオンにおける上記バランスに匹敵する
ことが望ましい。凝集体の表面近くや凝集している微粒
子同士の間隙に対陽イオンについてまわって活発に侵入
し運動する必要があるからである。
【0023】したがって、CO3 2- およびC24 2-イオ
ンはK+ の対イオンとして最適である。25℃における
CO3 2- イオンの水溶液中の極限当量電導度は69.3
ohm- 1・cm2 /グラム当量、C24 2-イオンは74.2o
hm-1・cm2 /グラム当量、K+ イオンは73.5ohm-1
・cm2 /グラム当量である。
【0024】
【作用】本発明の洗浄剤として炭酸カリウムK2 CO3
を用いたときの洗浄メカニズムを図1に示す簡易モデル
を用いて説明する。
【0025】同図に示すように、汚れの凝集体Aが付着
した板状の基質Bから、当該汚れの凝集体Aを基質Bか
ら引き離し、溶媒(水)C中に分散させることが、いわ
ゆる洗浄である。
【0026】水中に汚れの凝集体Aおよび基質Bを浸漬
すると、多くの場合、凝集体Aも基質Bも電気的にはマ
イナス(−)に帯電する。溶媒Cのアルカリ性が強いほ
ど帯電するマイナスの電荷は大きくなる。これは、OH
- イオンは、H+ イオンと同様に、当量イオン電導度が
他のイオンに比べて著しく大きいため、液中の基質Bや
凝集体Aの表面に即座に付着するからである。
【0027】したがって、炭酸カリウムの濃度が高いほ
どアルカリ性が強いので、凝集体Aや基質Bのマイナス
帯電の電荷が大きくなり、これにより液中のK+ 水和イ
オンは、凝集体Aおよび基質Bのそれぞれの表面に向か
って電気的に引かれることになる。
【0028】ここで、汚れの凝集体Aは、種々の分子A
1,A2,A3,…の凝集体あるいは堆積体として捉え
ることができる。そして、その分子同士の凝集力は、分
子間引力であり、より詳しくは、ある分子の極性場所と
隣接する分子の反対極性場所とが引き合って接合してい
たり、または極性が無視されるほどの分子の場合には単
に分子間引力によって凝集していると考えられる。
【0029】したがって、上述したK+ 水和イオンは、
分子同士の接合面の端部にも電気的に吸引されるが、こ
のK+ 水和イオンのプラス(+)電荷は凝集体Aの分子
のマイナス電荷と相殺しない。アルカリ金属イオンは電
子をもらって放電することはない。K+ 水和イオンは対
イオンであるCO3 2- イオンも伴っており、当該CO3
2- イオンの熱運動量が凝集分子表面のマイナス電荷の
反発力より大きくなることもあって、こうなると当該C
3 2- イオンが凝集分子に接触することとなり、その表
面に存在する水分子またはOH基などからH+ を取得
し、その結果、凝集分子の表面にはマイナス電荷が生じ
てマイナスリッチとなるからである。
【0030】より一般的にいって、これらの水和イオン
半径が小である陽イオン程、同量の負電気量を有する対
イオンを帯同しながら、凝集体負電荷との引力および熱
運動のエネルギーによって凝集体表面の凝集微粒子(分
子、イオン、コロイド粒子何れの場合もある。)同士の
接触点または境界面の端に衝突してゆく速度および頻度
が大であるために、接触点の間隙または境界面に入って
ゆこうとする性質が強い。その陽イオンが対の負イオン
を伴って境界面または接触点間隙に入ってゆく結果、凝
集し合っている両微粒子間の引力(イオン同士または分
子の分極δ+ 、δ- 同士の静電力またはファンデルワー
ルスも含めて一般に静電力)は低下することが明らかで
ある。したがって、凝集分子の剥離が促される。
【0031】前半は斥力の増大の観点、後半は引力の低
下による剥離分散の観点から述べたが、凝集分子同士は
お互いの引力作用場所同士がなるべく接近するような配
置で凝集しているのであるから、引力の低下効果を考え
る方がより一般的である。
【0032】陽イオンについてみれば、対イオンをでき
るだけ近傍に帯同しながら凝集し合っている微粒子の境
界面または接触点間隙に侵入しうることが要諦である。
【0033】このような傾向をアルカリ金属イオンLi
+ ,Na+ ,K+ ,Rb+ で比較すると、イオンそのも
のの大きさは、Li+ <Na+ <K+ <Rb+ である
が、これらのイオンは水溶液中においては必ず水和イオ
ンの状態で存在することから、水和イオンの大きさで比
べると、Liaq + >Naq + >Kaq + >Rbaq + となる。
分子量の軽いイオンだけで比べると、Kaq + が最も小さ
く、したがって水溶液中における熱運動速度が最も速
く、凝集体に衝突する頻度も最も大きい。
【0034】この種の特性を有するKaq + が、凝集分子
の凝集面の端部x1,x2,x3,…から凝集面の奥に
侵入するとき、必ずCO3 2- イオンも伴う。当該CO3
2- イオンのストークス半径は小さいので、当該イオン
も分子同士の凝集面に端部x1,x2,x3,…から侵
入することになり、こうしてイオンによって凝集面内に
伴われたイオンは、そこに存在する水分子またはOH基
と反応してOH- やO-などのマイナスイオンを生じ
る。
【0035】こうした反応により凝集分子および基質の
表面にはマイナス電荷が蓄積され、これにより分子同士
および分子と基質との斥力が大きくなり、その結果、汚
れの凝集体が基質から引き離されて溶媒に分散すること
になる。
【0036】以上が本発明の洗浄メカニズムであるが、
本発明ではかかる知見に基づいて、水和イオン半径が小
さく、当量電導度が大きいNa+ ,K+ ,Rb+ が少な
くとも含まれているので、基質と汚れの凝集体との間
や、汚れの凝集体の分子同士の接合面の端部からこれら
の陽イオンが容易に侵入でき、この侵入時にOH- ,C
3 2--OOC−COO- の対イオンを伴ってこれらの
陰イオンも汚れの界面に侵入することになる。これらの
陰イオンは界面で水やOH基と反応して負電荷を生じる
ので、その結果、界面における斥力が大きくなり、これ
が汚れの剥がれ力となって現れる。これら陰イオンの当
量電導度はだいたい同程度であるから、凝集体内部で陽
イオンに伴って陰イオンが行動するのが容易と思われ
る。
【0037】本発明に係る陽イオン群は、イオンそのも
のの半径が小さく、電荷が+1で、水和イオン半径も小
さく、したがって当量イオン電導度が大きいものである
が、別の観点、すなわち陽イオンは酸であることから考
察すると、本発明に係る陽イオン群は、いわゆる「かた
い」酸である。そして、これらは「かたい」塩基である
2O ,R2O ,ROH,NH3 ,RNH2 ,OH-
OR- ,Cl- ,ClO4 -,NO3 -,CH3COO-,S
4 2- ,CO3 2- ,PO4 3- などの塩基との親和性が強
いという特性を有する。
【0038】本発明の洗浄対象としては、繊維素、タン
パク質、脂肪、多糖類、金属酸化物コロイド、金属水酸
化物コロイドなど(何れもO,N,Clをもつ化合物ま
たは基)、何れも「かたい」塩基と称される化合物の凝
集体であるか、または「かたい」塩基の基を表面に持つ
分子の凝集体であるため、上述した「かたい」酸を含む
ことで親和性が強く、したがって汚れの凝集体界面への
侵入の勢いが強いことになって、汚れが良く落ちること
になる。
【0039】洗浄対象物のなかでもタンパク質による汚
れが特に重要となる。この種のタンパク質はその種類に
応じた等電点を有しており、等電点においてはそのタン
パク質の凝集を解くことが困難となる。すなわち、等電
点の洗浄剤を用いてもそのタンパク質の汚れは除去でき
ない。ただし、殆どのタンパク質の等電点は中性乃至酸
性であることから、本発明の洗浄剤のように強アルカリ
性の溶液ではこのような問題はない。タンパク質の代表
例としてのヘモグロビン(等電点=pH6.8)をpH
11、3.3モル濃度のK2CO3を用いて洗浄したとこ
ろ、その痕跡を残さずきれいに洗浄できた。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。実施例1 炭酸カリウム水溶液に水酸化カリウムを添加し、炭酸カ
リウムが7.25×10-3モル濃度、水酸化カリウムが
5×10-3重量%、pH=11.0の洗浄剤を調製し
た。
【0041】この洗浄剤を用いて、生地が木綿であるサ
ンプルに、オイルグラファイト(鉱物性油)、血液、カ
カオ(動植物性油)、血液とミルクと墨汁との混合汚
れ、および赤ワインをそれぞれ付着させ、これらの汚染
布を家庭用二槽式洗濯機を用いて5分間洗濯した。
【0042】またこれと同時に、単なる漂白綿、原綿、
および染料を付着した布も洗濯槽に入れて洗濯した。漂
白綿は、洗浄時の逆汚染度を、原綿は生成りの漂白度
を、染料を付着した布は染料の脱色度をそれぞれ確認す
るためのものである。
【0043】評価方法としては、ミノルタ社製CR−3
00色彩色差計を用いて洗浄前後の汚染布の反射率を測
定し、洗浄率を下記のように定義し、それぞれのサンプ
ルについてこの洗浄率を算出した。この結果を表1に示
す。
【0044】
【式1】洗浄率%=(洗浄後の反射率−洗浄前の反射
率)÷(原白布の反射率−洗浄前の反射率)×100比較例1 市販の洗濯用合成洗剤を用いて実施例1と同じ汚染布を
洗濯した。この結果を表1に示す。
【0045】
【表1】 これらの結果から、本発明の洗浄剤は従来の合成洗剤と
同等もしくはそれ以上の洗浄効果を有することが確認さ
れた。特に血液の汚れに関しては著しく向上する。ま
た、逆汚染、生成りの漂白度および染料の脱色度につい
ても特に問題がないことが確認された。
【0046】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、合成
界面活性剤、隣化合物あるいは長鎖脂肪酸などの環境汚
染物質を一切含ず、簡単な無機成分からなる洗浄剤を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄メカニズムを説明するための図で
ある。
【符号の説明】
A…汚れの凝集体 A1,A2,A3,A4,A5…汚れの分子 B…基質 C…溶媒 x1,x2,x3…凝集分子の端部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年2月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 洗浄剤
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯や清掃などの
各種洗浄に用いられる洗浄剤に関し、合成界面活性剤、
隣化合物あるいは長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩などを一
切含まず、簡単な無機成分からなる洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の洗浄剤としては、従来より、合
成界面活性剤、ポリ燐酸などの各種の隣化合物、あるい
は石鹸に代表される長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、合成界
面活性剤にあっては、洗浄時の排水を分離したり浄化し
たりする処理が著しく困難であるという問題を有してお
り、また隣化合物は、その排水によって河川、湖沼また
は海などの環境水が過富養化するという問題があり、何
れも環境汚染の重要問題を抱えている。
【0004】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、環境汚染物質を一切含まな
い簡単な成分の洗浄剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、理論的考
察とそれに対する洗浄実験とに基づいて上記目的のため
に洗浄剤として如何なる物質が選ばれるべきかを知得す
るための理論的基範を開明し、この基範によって選ばれ
た洗浄剤の有効性を実証した。
【0006】すなわち、現在行われている洗浄機構に関
する一般的論理を更に進展させ、イオン、分子、コロイ
ド粒子などの微視的粒子の行動の観点からは、これらの
粒子の分散と凝集の状態推移を考察する一方で、巨視的
な観点からは、平衡理論によって分散と凝集の状態推移
を考察し、さらにこれらそれぞれの考察に対応する白化
度の実験を行って洗浄効果を実際に確認することで下記
の結論的基範を得た。この基範に立脚して本発明を完成
するに至った。
【0007】
【発明のための理論的考察及び検証実験によって知得さ
れた結論的基範】以下、(イ)(ロ)(ハ)…の項を設
けて箇条的に記述する。
【0008】(イ)本発明の目的に適う洗浄剤の塩とし
ては、アルカリ性水溶液を生じる塩であることが必要で
ある。
【0009】(ロ)また、本発明の目的に適う洗浄剤の
成分の陽イオンとしては、水和イオン半径乃至ストーク
ス半径が小さいほど望ましい。水溶液中での運動に対す
る抵抗が小さいほど目標物に大きな速度で大きな頻度で
衝突し得、かつ凝集している粒子と粒子との間隙に入っ
て行き易いからである。
【0010】陽イオンがアルカリ金属のように電子親和
性が小、換言すればイオン化電位が小であることが必要
である。凝集体の負電荷に遭っても電子をもらって放電
することがないからである。
【0011】陽イオンがアルカリ金属のように配位結合
性が小であり、またアルカリ性水溶液で沈殿しない陽イ
オンであることが必要である。汚染凝集体表面の負帯電
場所または凝集している粒子(イオン、分子、コロイド
粒子)の負電荷性原子またはイオンにその陽イオンが配
位結合性の結合をしてしまう陽イオンは洗浄剤には適さ
ない。またアルカリ性水溶液で沈殿しやすい陽イオンも
不適である。遷移金属イオンは一般に陰性原子に配位結
合性であり、多くはアルカリ性溶液で沈殿するため不適
である。またカルシウムイオンCa2+のようなアルカ
リ土金属イオンも配位結合性とアルカリ性液中での沈殿
性とによって、たとえ水和イオンの無限希釈当量電導度
がK,Naイオンとほぼ同等であっても洗浄剤とし
て望ましくない性質がある。
【0012】以上の条件から、陽イオンはアルカリ金属
が望ましい。そして、水溶液中の易動度(この場合当量
電導度で較べても支障ない)から考えると、Rb,K
>Naの順で望ましい。周期律表においてRbより
下位のアルカリ金属イオンは重金属で、環境上および価
格の点で望まれない。
【0013】(ハ)本発明の目的の洗浄剤の物質の成分
陰イオンは、上記陽イオンと対になってアルカリ性水溶
液を生じるものであることが必要である。陰イオンは、
その電価と水和イオン半径とのバランス(電荷/水和イ
オン半径の値で表すことが可能で、また無限希釈当量電
導率で表すこともできる。)が、対をなす陽イオンにお
ける上記バランスに匹敵することが望ましい。凝集体の
表面近くや凝集している微粒子同士の間隙に対陽イオン
についてまわって(溶液の電気的中性の法則)活発に侵
入し運動する必要があるからである。
【0014】したがって、上記のバランスの度合いを無
限希釈当量電導率の値で代表させて検討すると、CO
2−およびC 2−イオンは請求範囲に指定したア
ルカリ金属イオンの対イオンとして最適である。25℃
におけるCO 2−イオンの水溶液中の極限当量電導度
は69.3ohm−1・cm/グラム当量、C
2−イオンは74.2ohm−1・cm/グラム当
量、Kイオンは73.5ohm−1・cm/グラム
当量、Rbイオンは77.8ohm−1・cm/グラ
ム当量、Naイオンは50.1ohm−1・cm/グ
ラム当量である。
【0015】(ニ)本発明のために役立った発明の詳細
な説明
【0007】項以下記載の基範は、特許請求項1記載の
洗浄剤が、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよびル
ビジウムイオンからなる陽イオン群から選ばれる陽イオ
ンと、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびシュウ酸イオ
ンからなる陰イオン群から選ばれる陰イオンとが組み合
わされた塩を主成分とすることを特徴とするという物質
群又は組み合わせに関する結論が導かれる理由をわかり
易くするために用いられた筋道や、理屈や法則などを示
したものであって、本発明の範囲を限定するためのもの
ではない。
【0016】さらに、請求項2記載の洗浄剤は、pHが
9.0以上、好ましくは10〜12であることを特徴と
する。
【0017】また、請求項3記載の洗浄剤は、前記塩の
濃度が1×10−5モル濃度以上であることを特徴とす
る請求項1〜3記載の洗浄剤。
【0018】上記目的を達成するために、請求項4記載
の洗浄剤は、1×10−5モル濃度以上のアルカリ金属
炭酸塩溶液とアルカリ金属水酸化物溶液とを主成分と
し、pHが9以上であることを特徴とする。
【0019】また、請求項6記載の洗浄剤は、請求項1
記載の洗浄剤に、EDTA・4Na塩を添加したことを
特徴とする。これは洗浄剤の陰イオンとしてシュウ酸イ
オンを用いる場合に特に重要である。汚染擬集体中の多
価陽イオン(Ca2+、遷移金属イオンなど)のシュウ
酸塩(不溶性)生成による擬集体分散化不能を避けるの
に有効である。
【0020】請求項7記載の洗浄剤は、請求項1記載の
洗浄剤に、EDTA・4Na塩と水酸化カリウムとを
1:2のモル比で添加したことを特徴とする。
【0021】請求項8記載の洗浄剤は、請求項1記載の
洗浄剤に、クエン酸・3Na塩を添加したことを特徴と
する。これも洗浄剤の陰イオンとしてシュウ酸イオンを
用いる場合に特に重要である。汚染擬集体中のCa2+
など多価陽イオンがシュウ酸と不溶性塩を生じて解擬集
を妨げるのを防ぐのに有効である。
【0022】請求項9記載の洗浄剤は、請求項1記載の
洗浄剤に、クエン酸と水酸化カリウムとを1:3より水
酸化カリウムが多い割合のモル比で添加したことを特徴
とする。
【0023】
【作用】本発明の洗浄理論を説明するための一例として
アルカリ金属の炭酸塩を用いたときの洗浄メカニズムを
図1に示す簡易モデルを用いて説明する。
【0024】同図に示すように、汚れの凝集体Aが付着
した板状の基質Bから、当該汚れの凝集体Aを基質Bか
ら引き離し、溶媒(水)C中に分散させることが、いわ
ゆる洗浄である。
【0025】水中に汚れの凝集体Aおよび基質Bを浸漬
すると、多くの場合、凝集体Aも基質Bも電気的にはマ
イナス(−)に帯電する。溶媒Cのアルカリ性が強いほ
ど帯電するマイナスの電荷は大きくなる。これは、OH
イオンは、Hイオンと同様に、当量イオン電導度が
他のイオンに比べて著しく大きいため(Gotthau
ssの電導機構)、液中の基質Bや凝集体Aの表面に即
座に付着するからである。
【0026】したがって、アルカリ金属炭酸塩の濃度が
高いほどアルカリ性が強いので、凝集体Aや基質Bのマ
イナス帯電の電荷が大きくなり、これにより液中のアル
カリ金属水和イオンは、凝集体Aおよび基質Bのそれぞ
れの表面に向かって電気的に引かれることになる。
【0027】ここで、汚れの凝集体Aは、種々の分子A
1,A2,A3,…の凝集体あるいは堆積体として捉え
ることができる。そして、その分子同士の凝集力は、分
子間引力であり、より詳しくは、ある分子の極性場所と
隣接する分子の反対極性場所とが引き合って分子同士が
接合していたり、または永久的極性が無視されるほどの
無極性分子の場合には単に瞬間的双極子に基づくいわゆ
るファンデルワールス力によって凝集していると考えら
れる。
【0028】したがって、上述したアルカリ金属水和イ
オンは、分子同士の接合面の端部にも電気的に吸引され
るが、このアルカリ金属水和イオンのプラス(+)電荷
は凝集体Aの分子のマイナス電荷と相殺しない。アルカ
リ金属イオンは電子をもらって放電することはない。ア
ルカリ金属水和イオンは対イオンであるCO 2−イオ
ンも伴っており(溶液の電気的中性の法則)、当該Co
2−イオンの熱運動量が凝集分子表面のマイナス電荷
の反発力より大きくなることもあって、こうなると当該
CO 2−イオンが凝集分子に接触することとなり、そ
の表面に存在する水分子またはOH基などからHを取
得し、その結果、凝集分子の表面にはマイナス電荷が生
じてマイナスリッチとなるからである。
【0029】更に基本的にいって、これらの水和イオン
半径が小である陽イオン程、同量の負電気量を有する対
イオンを帯同しながら、凝集体負電荷との引力および熱
運動のエネルギーによって凝集体表面の凝集微粒子(分
子、イオン、コロイド粒子何れの場合もある。)同士の
接触点または境界面の端に衝突してゆく速度および頻度
が大であるために、接触点の間隙または境界面に入って
ゆこうとする性質が強い。その陽イオンが対の負イオン
を伴って境界面または接触点間隙に入ってゆく結果、凝
集し合っている両微粒子間の引力(イオン同士または分
子の分極δ、δ同士の静電力またはファンデルワー
ルスも含めて一般に静電力)は低下することが明らかで
ある。一搬に異符号電気を帯びて並列する帯電体間に働
く静電引力は両帯電体間の空間に異符号イオン対が多量
に存在する程、又は誘電率の大きな媒質が存在する程、
両帯電体間に働く引力は小となる。したがって、凝集分
子の剥離が促される。
【0030】前半
【0028】は斥力の増大の観点、後半
【0029】は引力の低下による剥離分散の観点から述
べたが、凝集分子同士はお互いの引力作用場所同士がな
るべく接近するような配置で凝集しているのであるか
ら、引力の低下効果を考える方がより総合的である。
【0031】陽イオンについてみれば、対イオンをでき
るだけ近傍に帯同しながら凝集し合っている微粒子の境
界面または接触点間隙に侵入しうることが要諦である。
【0032】このような傾向をアルカリ金属イオンLi
,Na,K,Rbで比較すると、イオンそのも
のの大きさは、Li<Na<K<Rbである
が、これらのイオンは水溶液中においては必ず水和イオ
ンの状態で存在することから、水和イオンの大きさで比
べると、Liaq >Naq >Kaq >Rbaq
となる。分子量の軽いイオンだけで比べると、Kaq
が最も小さく、したがって水溶液中における熱運動速度
が最も速く、凝集体に衝突する頻度も最も大きい。
【0033】この種の特性を有するアルカリ金属水和イ
オンが、凝集分子の凝集面の端部x1,x2,x3,…
から凝集面の奥に侵入するとき、必ずCO 2−イオン
も伴う。当該CO 2−イオンのストークス半径は小さ
いので、当該イオンも分子同士の凝集面に端部x1,x
2,x3,…から侵入することになり、こうして陽イオ
ンによって凝集面内に伴われた陰イオンは、イオン対を
形成して、汚染擬集体と基質との接点又は間隙、或いは
擬集体中で擬集している粒子間の接点又は間隙に入り込
んで
【0029】項に述べたように、擬集体中で互いに相い
接している分子、イオン又はコロイド微粒子の相い対面
する(+)と(−)の部位又は(δ+)と(δ−)の部
位同士の引力を著しく低下させ、従って相い接する分
子、イオン又はコロイド微粒子同士の引力を著しく低下
させる。また陰電荷同士の斥力という点から見れば
【0028】の項に記したように、陰イオンはそこに存
在する水分子またはOH基と反応してOHやOなど
の(−)荷電を生じ、擬集分子および基質の表面にはマ
イナス電荷が蓄積され、分子同士および分子と基質との
斥力が大きくなる結果も生じる。このような理由から擬
集粒子同士および擬集粒子と基質との引力が減り、斥力
が増し、結果として汚れの擬集体が基質から引き離され
て溶媒に分散されることになる。
【0034】以上が本発明の洗浄メカニズムであるが、
本発明ではかかる知見に基づいて、水和イオン半径が小
さく、当量電導度が大きいNa,K,Rbが含ま
れているので、基質と汚れの凝集体との間や、汚れの凝
集体の分子同士の接合面の端部からこれらの陽イオンが
容易に侵入でき、この侵入時にOH,CO 2−、−
OOC−COO−の対イオンを伴ってこれらの陰イオン
も汚れの界面に侵入することになりこれらの陰イオンは
陽イオンとイオン対をつくって、擬集体中で擬集し合っ
ている分子同士の接点又は間隙で活動する事により擬集
分子同士の引力を減少させ、斥力を増大させ、汚れの剥
がれ力となって現れるが、それら陰イオンの活動性の目
安となる当量電導を較べると指定の陰イオンのそれらは
だいたい同程度で且つ本発明で指定の陽イオンのそれら
とも同程度であるから凝集体内部で陽イオンに伴って陰
イオンが行動するのが容易と思われる。
【0035】本発明において重要な役割を果たす陽イオ
ンの群は、イオンそのものの半径が小で、荷電が+1荷
で、水和イオン半径が少で、従って当量イオン電導度が
大であるなどの理由で重要な役割を果たせるのである
が、別の記述様式に従って陽イオンを酸であると見る際
に、本発明に於いて指定しているアルカリ金属イオン類
は、「かたい酸」であり、それらは「かたい塩基」即ち
O,RO,ROH,NH,RNH,OH
OR,Cl,ClO ,NO ,CHCOO
,SO 2−,CO 2−,PO 3−などの塩基と
の親和性が強いという概括的法則に徴するとき、我々の
洗浄の対象となる繊維素、蛋白質、脂肪、多糖類、金属
酸化物コロイド、金属水酸化物コロイド等(いずれも
O、N、Clをもつ化合物又は基)、いずれも「かたい
塩基」と言われるべき化合物の擬集体であるか又はかた
い塩基の基を表面に持つ分子の擬集体であるから本発明
の洗浄剤の代表例として指定されたアルカリ金属水和イ
オンの(対陰イオンを伴っての)擬集体表面及び擬集体
分子同士の接着面への侵入の勢いの強さが考察される。
【0036】蛋白質は洗浄の対象になる物質(擬集体)
の中で重要なものであるが、個々の蛋白質で夫々れの等
電点を持っていて等電点の状態ではその蛋白質は最も擬
集状態を解かれ難いのであって、或る蛋白質の擬集体を
その等電点の状態で洗浄し去る事は困難に違いない。大
低の蛋白質の等電点は中性以下であり、本発明の洗浄剤
は、かなり強いアルカリ性の溶液(pH9以。pH10
〜11辺りが最適)で使用されるので、大抵の蛋白質の
等電状態からはづれる。例えば、最適例はRbCO
CO 3.3モル濃度の水溶液(pH=11でヘ
モグロビン(等電点6.8)を洗浄)。
【0039】本発明は蛋白質の中でも重要な汚染体源で
ある血液を主とする汚染体の洗浄剤として在来の洗浄剤
を圧倒的に凌駕する最優秀の洗浄剤である。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。実施例1 炭酸カリウム水溶液に水酸化カリウムを添加し、炭酸カ
リウムが7.25×10−3モル濃度、水酸化カリウム
が5×10−3重量%、pH=11.0の洗浄剤を調製
した。
【0041】この洗浄剤を用いて、生地が木綿であるサ
ンプルに、オイルグラファイト(鉱物性油)、血液、カ
カオ(動植物性油)、血液とミルクと墨汁との混合汚
れ、および赤ワインをそれぞれ付着させ、これらの汚染
布を家庭用二槽式洗濯機を用いて5分間洗濯した。
【0042】またこれと同時に、単なる漂白綿、原綿、
および染料を付着した布も洗濯槽に入れて洗濯した。漂
白綿は、洗浄時の逆汚染度を、原綿は生成りの漂白度
を、染料を付着した布は染料の脱色度をそれぞれ確認す
るためのものである。
【0043】評価方法としては、ミノルタ社製CR−3
00色彩色差計を用いて洗浄前後の汚染布の反射率を測
定し、洗浄率を下記のように定義し、それぞれのサンプ
ルについてこの洗浄率を算出した。この結果を表1に示
す。
【0044】
【式1】洗浄率%=(洗浄後の反射率−洗浄前の反射
率)÷(原白布の反射率−洗浄前の反射率)×100比較例1 市販の洗濯用合成洗剤を用いて実施例1と同じ汚染布を
洗濯した。この結果を表1に示す。
【0045】
【表1】 これらの結果から、本発明の洗浄剤は従来の合成洗剤と
同等もしくはそれ以上の洗浄効果を有することが確認さ
れた。特に血液の汚れに関しては異常と云える程目覚ま
しい洗浄効果が確認され、血色素に特別に有効な洗浄剤
として特筆される性質を有する、著しく向上する。ま
た、逆汚染、生成りの漂白度および染料の脱色度につい
ても特に問題がないことが確認された。
【0046】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、合成
界面活性剤、隣化合物あるいは長鎖脂肪酸などの環境汚
染物質を一切含ず、簡単な無機成分からなる洗浄剤を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄メカニズムを説明するための図で
ある。
【符号の説明】 A…汚れの凝集体 A1,A2,A3,A4,A5…汚れの分子 B…基質 C…溶媒 x1,x2,x3…凝集分子の端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 達也 神奈川県藤沢市善行一丁目16番5号 ミズ 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナトリウムイオン、カリウムイオンおよび
    ルビジウムイオンからなる陽イオン群から選ばれる陽イ
    オンと、水酸化物イオン、炭酸イオンおよびシュウ酸イ
    オンからなる陰イオン群から選ばれる陰イオンとが組み
    合わされた塩を主成分とすることを特徴とする洗浄剤。
  2. 【請求項2】前記塩が炭酸カリウムであることを特徴と
    する請求項1記載の洗浄剤。
  3. 【請求項3】pHが10以上であることを特徴とする請
    求項1または2記載の洗浄剤。
  4. 【請求項4】前記塩の濃度が1×10-4モル濃度以上で
    あることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の洗
    浄剤。
  5. 【請求項5】1×10-4モル濃度以上の硫酸カリウム溶
    液と水酸化カリウムとを主成分とし、pHが9以上であ
    ることを特徴とする洗浄剤。
  6. 【請求項6】炭酸カリウムと水酸化カリウムとを主成分
    とすることを特徴とする洗浄剤。
  7. 【請求項7】請求項1記載の洗浄剤に、EDTA・4N
    a塩を添加したことを特徴とする洗浄剤。
  8. 【請求項8】請求項1記載の洗浄剤に、EDTA・4N
    a塩と水酸化カリウムとを1:2のモル比で添加したこ
    とを特徴とする洗浄剤。
  9. 【請求項9】請求項1記載の洗浄剤に、クエン酸・3N
    a塩を添加したことを特徴とする洗浄剤。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の洗浄剤に、クエン酸と
    水酸化カリウムとを1:3より水酸化カリウムが多い割
    合のモル比で添加したことを特徴とする洗浄剤。
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