JPH119269A - 破骨細胞系細胞 - Google Patents

破骨細胞系細胞

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JPH119269A
JPH119269A JP9180540A JP18054097A JPH119269A JP H119269 A JPH119269 A JP H119269A JP 9180540 A JP9180540 A JP 9180540A JP 18054097 A JP18054097 A JP 18054097A JP H119269 A JPH119269 A JP H119269A
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differentiation
cell
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osteoclast precursor
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JP9180540A
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Tarou Tsurugai
太郎 鶴飼
Katsumi Nogimori
克己 野木森
Makoto Tamura
誠 田村
Yoshiyuki Hiyama
良之 肥山
Tatsuo Suda
立雄 須田
Naoyuki Takahashi
直之 高橋
Ichiro Nakamura
一郎 仲村
Eijiro Jimi
英治郎 自見
Nobuyuki Udagawa
信之 宇田川
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Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な破骨細胞前駆細胞、並びに該破骨細胞
前駆細胞を用いた破骨細胞系細胞に対する分化促進因子
の検出法およびスクリーニング法を提供することを課題
とする。 【解決手段】 マウス骨髄細胞をM−CSFの存在下でマウ
ス頭蓋骨由来のストローマ細胞と共存培養することによ
り、新規な破骨細胞前駆細胞を調製することに成功し
た。調製した高純度の破骨細胞前駆細胞を用いることに
より、破骨細胞系細胞に対する分化促進因子を検出し、
スクリーニングすることが可能であることを見いだし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な破骨細胞前
駆細胞、および該細胞を用いた破骨細胞系細胞の分化促
進因子の検出方法およびスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マウス骨髄細胞はマウス骨髄由来のスト
ローマ細胞上で造血発生し、リンパ球系細胞、顆粒球系
細胞、赤芽球等の細胞を試験管内で形成させることが可
能である。その際、分化誘導するそれぞれの細胞系譜に
より添加するサイトカインや造血因子は異なるが、基本
的にストローマ細胞の造血支持活性が必要である。一
方、マウスにおける破骨細胞形成は、マウス頭蓋骨由来
のストローマ細胞、または、マウス骨髄由来のストロー
マ細胞とマウス骨髄細胞を骨吸収因子(1α,25(OH)2D
3、副甲状腺ホルモン、プロスタグランジンE2、IL−6や
IL−11などのgp130を介したシグナルを伝達するサイト
カイン)の存在下で共存培養すると試験管内で観察でき
る。しかし、破骨細胞が形成される過程は未だ殆ど解明
されておらず、また、破骨細胞に分化する前駆細胞の細
胞系譜に関しては様々な論争がある。
【0003】宇田川らは、肺胞マクロファージが非常に
高い確率でストローマ細胞との共存培養により破骨細胞
に分化することを示し、マクロファージが破骨細胞の前
駆細胞であることを主張したが、この細胞は破骨細胞に
分化するのに10日間を要し、破骨細胞に分化す能力を保
持しているが、生理的な破骨細胞前駆細胞であるとは考
えがたい(N.Udagawa et al. Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 87,7260−7264(1990)、N.Takahashi et a
l. J.B.M.R 6,977−985(1991))。Chambersら
は、破骨細胞前駆細胞はCFU-MOというマクロファージと
破骨細胞に分化するメチルセルロース中でのコロニー形
成細胞の存在を仮定しているが、この細胞は増殖期にあ
り、プロジェニター(増殖能を保持した前駆細胞)であ
る可能性は高いが、増殖を介さずに分化する破骨細胞前
駆細胞とは異なると考えられる(G.Hattersley et a
l. Endocrinology 128,259−262(1991)、S.Tanaka
et al.J.Clin.Invest 91,257−263(1993)、T.
J. Chambers et al. Proc.Natl.Acad.Sci.USA 9
0,5578−5582(1993))。高橋らは、共存培養におい
て破骨細胞前駆細胞の存在を示唆する実験を行っている
が、直接の証明はされておらず、共存培養系からの破骨
細胞前駆細胞の純化に関する記載も無い(N.Takahashi
et al. Developmental Biology 163,212−221(199
4))。さらに藤川らは、ヒトの末梢単核細胞をヒト型
のM−CSF存在下でマウス由来のストローマ細胞と共存培
養すると、1α,25(OH)2D3 の添加により破骨細胞が誘
導される事を示した(S.Hayashi et al. J.Cell.Ph
ysiol 170,241−247(1997))。また最近、西川ら
は、骨髄細胞内の造血系細胞をフローサイトメトリーに
よりソーティングし、c−kit 陽性、c−fms 陰性の細胞
が破骨細胞前駆細胞を多く含む画分であることを証明し
たが、この細胞群の破骨細胞への分化には6日間のスト
ローマ細胞との共存培養を要し、これもやはりプロジェ
ニターであると考えられる(Y. Fujikawa et al. End
ocinology 137,4058−4060(1996))。このように、
これまでに共存培養系において短時間で破骨細胞へ分化
しうる破骨細胞前駆細胞を単離した報告例は皆無であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、新
規な破骨細胞前駆細胞を提供することを課題とする。さ
らに、本発明は、該破骨細胞前駆細胞を用いた破骨細胞
系細胞に対する分化促進因子の検出法およびスクリーニ
ング法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、マウス骨髄細胞を
M−CSFの存在下でマウス頭蓋骨由来のストローマ細胞と
共存培養することにより、新規な破骨細胞前駆細胞を調
製することに成功した。さらに、本発明者らは、調製し
た高純度の破骨細胞前駆細胞を用いることにより、破骨
細胞系細胞に対する分化促進因子を検出し、スクリーニ
ングすることが可能であることを見いだした。
【0006】即ち、本発明は、(1) M−CSF及び
頭蓋骨由来のストローマ細胞の存在下で、造血前駆細胞
を培養することを特徴とする、カルシトニン受容体陰
性、酒石酸抵抗性酸フォスファタ−ゼ陰性の破骨細胞前
駆細胞の調製方法、(2) M−CSF及び頭蓋骨由来
のストローマ細胞の存在下で、造血前駆細胞を培養する
ことにより得ることができる、カルシトニン受容体陰
性、酒石酸抵抗性酸フォスファタ−ゼ陰性の破骨細胞前
駆細胞、(3) 骨吸収因子の存在下で、48時間以内
に前破骨細胞に分化することができる、破骨細胞前駆細
胞、(4) 骨吸収因子が1α,25(OH)2D3、
副甲状腺ホルモン、またはプロスタグランジンE2であ
る、(3)の破骨細胞前駆細胞、(5) 細胞表面マー
カーが、Gr−1陽性、Mac−1陽性、Mac−2陽
性、F4/80陰性である、(2)〜(4)のいずれか
に記載の破骨細胞前駆細胞、(6) 造血前駆細胞から
(2)もしくは(3)に記載の破骨細胞前駆細胞への分
化、(2)もしくは(3)に記載の破骨細胞前駆細胞か
ら前破骨細胞への分化、または造血前駆細胞から前破骨
細胞への分化を、被験蛋白質及びM−CSFの存在下で
観察する工程を含む、破骨細胞系細胞に対する分化促進
因子の検出方法、(7) 造血前駆細胞から(2)もし
くは(3)に記載の破骨細胞前駆細胞への分化、(2)
もしくは(3)に記載の破骨細胞前駆細胞から前破骨細
胞への分化、または造血前駆細胞から前破骨細胞への分
化を、被験蛋白質及びM−CSFの存在下で観察し、分
化能を有する蛋白質を選択する工程を含む、破骨細胞系
細胞に対する分化促進因子のスクリーニング方法、
(8) 造血前駆細胞から(2)もしくは(3)に記載
の破骨細胞前駆細胞への分化、(2)もしくは(3)に
記載の破骨細胞前駆細胞から前破骨細胞への分化、また
は造血前駆細胞から前破骨細胞への分化を、被験遺伝子
が発現可能に導入された細胞およびM−CSFの存在下
で観察する工程を含む、破骨細胞系細胞に対する分化促
進因子をコードする遺伝子の検出方法、(9) 造血前
駆細胞から(2)もしくは(3)に記載の破骨細胞前駆
細胞への分化、(2)もしくは(3)に記載の破骨細胞
前駆細胞から前破骨細胞への分化、または造血前駆細胞
から前破骨細胞への分化を、被験遺伝子が発現可能に導
入された細胞およびM−CSFの存在下で観察し、分化
能を有する遺伝子を選択する工程を含む、破骨細胞系細
胞に対する分化促進因子をコードする遺伝子のスクリー
ニング方法、(10) M−CSF遺伝子を発現するベ
クターを導入した細胞と分化を観察する細胞とを共培養
することにより、M−CSF遺伝子を発現するベクター
導入した細胞から分化を観察する細胞にM−CSFを供
給することを特徴とする、(6)〜(9)のいずれかに
記載の方法、(11) (7)の方法によって選択され
た、破骨細胞系細胞に対する分化促進因子、(12)
(9)の方法によって選択された、破骨細胞系細胞に対
する分化促進因子をコードする遺伝子、に関する。
【0007】なお、本発明において「造血前駆細胞」と
は、多能性幹細胞または造血幹細胞から発生する細胞
で、主として顆粒球−マクロファージ系の細胞に分化す
る細胞を指す。本発明において「ストローマ細胞」と
は、様々な分化系譜の未分化な前駆細胞の増殖や分化を
指示する活性を有する細胞を指す。また、本発明におい
て「骨吸収因子」とは、生体内で血中カルシウムイオン
濃度を維持するために働く局所因子、ホルモン、サイト
カインなどを指す。本発明において「前破骨細胞」と
は、単独で骨吸収活性を有する細胞であって、カルシト
ニン受容体陽性、酒石酸抵抗性酸フォスファタ−ゼ陽性
の細胞を指す。さらに、本発明において「破骨細胞系細
胞」とは、破骨細胞に分化する細胞、または破骨細胞を
指す。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の破骨細胞前駆細胞(Mouse
Calvarial cells Initiating Osteoclast Precursors
; MC-IOPs)は、造血前駆細胞由来マクロファージや骨
髄細胞に含まれる造血系細胞とも分化段階が異なる細胞
群であり、ストローマ細胞との共存培養系で極めて短時
間内に破骨細胞の形質を有する細胞(酒石酸抵抗性酸フ
ォスファタ−ゼ(以下、単に「TRAP」と称する)陽性細
胞)に分化する。破骨細胞への分化過程においてこのよ
うな細胞の存在は報告されておらず、本発明者等により
初めて見いだされた細胞である。本発明の破骨細胞前駆
細胞は具体的には、以下のような特性を有する。
【0009】即ち、まず、カルシトニン受容体陰性、TR
AP陰性の特徴を有し、骨吸収因子の存在下で、48時間以
内にカルシトニン受容体陽性、TRAP陽性である前破骨細
胞(Experimental Cell Research (1995) 219,p679-68
6)に分化することができる。また、細胞表面マーカー
が、Gr−1陽性、Mac−1陽性、Mac−2陽性、F4/80陰性
であるという特徴を有し、細胞表面マーカーが、Gr−1
陰性、Mac−1陰性、Mac−2陽性、F4/80陰性である前破
骨細胞と相違する。なお、カルシトニン受容体の存在
は、例えば、125I-カルシトニンを用いたオートラジオ
グラフィーにより検出することが可能であり、TRAPの存
在は、実施例2(3)に記載のTRAP染色液による染色により
検出することが可能である。また、細胞表面マーカー
は、FACScaliverを用いたフローサイトメトリーにより
検出することが可能である。
【0010】また、本発明の破骨細胞前駆細胞は、M−C
SF及び頭蓋骨由来のストローマ細胞の存在下で、造血前
駆細胞を培養することにより調製することが可能であ
る。「M−CSF及び頭蓋骨由来のストローマ細胞の存在
下」とは何らかの形で両者が存在すれば足り、例えば、
M−CSFを産生する頭蓋骨由来のストローマ細胞の存在下
である。但し、M−CSFを産生しない頭蓋骨由来のストロ
ーマ細胞、例えば、OP/OPマウス(M-CSF欠損変異マウ
ス)の頭蓋骨由来のストローマ細胞を用いる場合には、
別途M−CSFを添加する。用いるストローマ細胞量は、通
常、サブコンフルエントになる程度である。なお、用い
る頭蓋骨由来のストローマ細胞としては、初代培養より
調製した頭蓋骨細胞が好ましい。頭蓋骨由来のストロー
マ細胞の調製は、例えば、実施例1に記載の方法に従っ
て行うことが可能である。
【0011】頭蓋骨由来のストローマ細胞と造血前駆細
胞との共存培養は、例えば、牛胎児血清を含むa-MEM培
地にて、5% CO2、37℃、湿度100%の条件で行い、形成さ
れる破骨細胞前駆細胞は、共存培養後3〜7日目に採取し
うる。なお、高純度の破骨細胞前駆細胞を調製するため
には、例えば、培養後の細胞群に対しSephadex G−10な
どを用いると好ましい。
【0012】また、本発明の破骨細胞前駆細胞を、M−C
SF及び骨吸収因子で処理した頭蓋骨由来のストローマ細
胞の存在下で培養することにより、前破骨細胞を調製す
ることが可能である。前破骨細胞の調製に用いるM−CSF
は、上記した本発明の破骨細胞前駆細胞の調製と同様、
頭蓋骨細胞により生産されていてもよく、また別途添加
してもよい。
【0013】頭蓋骨由来のストローマ細胞は、破骨細胞
への分化を促進する因子を発現させるために、骨吸収因
子による処理を行う。用いられる骨吸収因子としては、
破骨細胞前駆細胞の破骨細胞への分化を促進する因子を
頭蓋骨細胞に発現させるものであれば特に制限はない
が、例えば、1α,25(OH)2D3、副甲状腺ホルモン、プ
ロスタグランジンE2、インターロイキン1、インターロ
イキン6+可溶性インターロイキン6受容体などが好まし
く、特に1α,25(OH)2D3が好ましい。頭蓋骨細胞の処理
に用いる骨吸収因子量は、骨吸収因子の種類により変動
しうるが、例えば、骨吸収因子として1α,25(OH)2D3や
副甲状腺ホルモンを用いる場合には、通常、10-8M〜10
-7M程度、骨吸収因子としてプロスタグランジンE2を用
いる場合には、通常10-7〜10-6程度である。破骨細胞前
駆細胞との共培養に用いる頭蓋骨細胞量は、通常、サブ
コンフルエントになる程度である。用いる頭蓋骨細胞と
しては、上記した本発明の破骨細胞前駆細胞の調製方法
と同様に初代培養より調製した頭蓋骨細胞が好ましい。
【0014】本発明の破骨細胞前駆細胞とストローマ細
胞との共存培養は、例えば、牛胎児血清を含むa-MEM培
地にて、5% CO2、37℃、湿度100%の条件で行う。この共
培養により、本発明の破骨細胞前駆細胞を、48時間以内
に前破骨細胞(TRAP陽性細胞)へ分化させることができ
る。
【0015】本発明の応用として、上記の破骨細胞への
分化系を用いた、破骨細胞系細胞に対する分化促進因子
の検出およびスクリーニングが考えられる。
【0016】上記破骨細胞への分化系における造血前駆
細胞から本発明の破骨細胞前駆細胞への分化、および本
発明の破骨細胞前駆細胞から前破骨細胞への分化には、
M-CSFの存在以外にストローマ細胞との共培養を要する
ため、該ストローマ細胞は破骨細胞系細胞に対する分化
促進因子を発現しているといえる。従って、M−CSFと被
検タンパク質の存在下で造血前駆細胞を培養し、造血前
駆細胞の本発明の破骨細胞前駆細胞への分化を観察する
ことにより、被検タンパク質が造血前駆細胞から本発明
の破骨細胞前駆細胞への分化の促進因子であるか否かを
検出することが可能である。同様に、M−CSFと被検タン
パク質の存在下で本発明の破骨細胞前駆細胞を培養し、
本発明の破骨細胞前駆細胞から前破骨細胞への分化を観
察することにより、被検タンパク質が本発明の破骨細胞
前駆細胞から前破骨細胞への分化の促進因子であるか否
かを検出することが可能である。さらには、M−CSFと被
検タンパク質の存在下で造血前駆細胞を培養し、造血前
駆細胞から前破骨細胞への分化を観察することにより、
被検タンパク質が造血前駆細胞から前破骨細胞への分化
の促進因子であるか否かを検出することが可能である。
本発明の破骨細胞前駆細胞や前破骨細胞への分化は、TR
AP染色後、顕微鏡下で観察することにより検出すること
が可能である。また、被検タンパク質の中から分化能が
検出された蛋白質を選択することにより、破骨細胞系細
胞に対する分化促進因子をスクリーニングすることも可
能である。
【0017】一方、造血前駆細胞から本発明の破骨細胞
前駆細胞への分化、本発明の破骨細胞前駆細胞から前破
骨細胞への分化または造血前駆細胞から前破骨細胞への
分化を、被験遺伝子が発現可能に導入された細胞および
M−CSFの存在下で観察することにより、被検遺伝子が破
骨細胞系細胞に対する分化促進因子をコードするか否か
を検出することも可能である。
【0018】被検遺伝子を導入する細胞としては、例え
ば、COS-7細胞、CHO細胞、MOP細胞、COP細胞、繊維芽細
胞、上皮細胞、ES細胞、間葉系細胞などが挙げられる。
被検遺伝子は、適当なベクターに組み込んで細胞へ導入
することも可能である。好適なベクターとしては、例え
ば、pAP3neo(TAKARA社製)、pCDNA3.1(Invitrogen社
製)、pCDM8(Invitrogen社製)、pCD(ATCC 53149)、
pMX(ATCC 67092)などが挙げられる。細胞への被検遺
伝子の導入は、当業者に公知の方法、例えば、リン酸カ
ルシウム法、リポフェクション法、DEAE-デキストラン
法、エレクトロポレーション法、レトロウイルスやアデ
ノウイルスによる感染法、マイクロインジェクション法
などにより行うことが可能である。
【0019】また、例えば、遺伝子のライブラリーを用
い、分化能を有する遺伝子を選択することにより、破骨
細胞系細胞に対する分化促進因子をコードする遺伝子を
スクリーニングすることも可能である。遺伝子ライブラ
リーは、例えば、リンカープライマー法(実験医学別冊
バイオマニュアルシリーズ 2.p79-94)に従い、1α,25
(OH)2D3で処理した頭蓋骨由来のストローマ細胞から調
製することが可能である。また、骨芽細胞系のストロー
マ細胞を用いることも可能である。遺伝子ライブラリー
から目的の遺伝子をスクリーニングする方法としては、
例えば、COS-7細胞に上記ライブラリーを導入して発現
クローニングする方法(Sibling法:実験医学別冊バイ
オマニュアルシリーズ 3.p118-130)が挙げられる。
【0020】上記の検出またはスクリーニングに用いら
れるM−CSFは、直接培養液に添加されていてもよく、ま
たM-CSF遺伝子を発現するベクターを導入した細胞を共
培養することにより供給されてもよい。M-CSFを発現さ
せるための細胞としては、例えば、L929細胞やCOS細胞
を好適に用いることができる。該細胞へ導入する、M-CS
F遺伝子を発現させるためのベクターとしては、例え
ば、M-CSF遺伝子が挿入されているpCCSF-17(ATCC 5314
9、Science 230:291-296(1985))やp3ACSF-69(ATCC 67
092、Science 235:1504-1508(1987))を用いることが可
能である、また、例えば、pCDNA3.1Zeo(Invitrogen社
製)にM-CSF遺伝子を挿入して用いることも可能であ
る。
【0021】スクリーニングされた、破骨細胞系細胞に
対する分化促進因子またはその遺伝子は、例えば、骨粗
鬆症などの骨量減少症の改善、リウマチや変形性関節症
などの骨代謝異常症などの改善、大理石病などの骨量増
加症の改善、多発性骨髄腫や癌の骨転移などの骨代謝異
常疾患の治療および改善などに用いることが考えられ、
またこれらの疾患の免疫学的診断を確立するための抗原
の探索に利用することも考えられる。
【0022】
【実施例】
[実施例1] (1) マウス頭蓋骨由来のストローマ細胞(Mouse Cal
varial cells ; 以下、単に「MCs」と称する)の調製 A) ddyマウス哺乳1日齢を5腹分をと殺し、70%アルコー
ルに浸けて滅菌した。前頭骨と頭頂骨を採取した後、a-
MEM培地(大日本製薬社)により1回洗浄した。酵素液
(0.1%コラゲナーゼ(和光純薬社)、0.2%ディスパーゼ
(合同酒精社))を含むa-MEM培地 10ml を加えて37℃
で5分間振とうした後、1000xgで遠心して上清を廃棄し
た。さらに、ペッレットに酵素液10mlを加えて37℃で10
分間振とうし、細胞浮遊液を回収した。この操作をさら
に3回繰り返して細胞を回収した。細胞をa-MEMで1回洗
った後、10%の牛胎児血清(JRH バイオサイエンス社)
を含むa-MEM培地に懸濁させ、10cmのカルチャーディッ
シュ(コーニング社)5枚に播種して 5% CO2、37℃、湿
度100%にて培養した。サブコンフルエントになったとこ
ろでトリプシン-EDTA(ギブコBRL社)処理により細胞を
回収し、ディッシュ1枚からディッシュ5枚に継代した。
さらに、サブコンフルエントになったところで細胞を回
収し、1x106 cells/mlにセルバンカー(ダイアトロン
社)に調製した後、1mlずつ凍結用チューブ(ファルコ
ン社)に入れて-80℃で凍結保存した。
【0023】B) OP/OPマウス哺乳1日齢をと殺し、70%
アルコールに浸けて滅菌した。前頭骨と頭頂骨を採取し
た後、a-MEM培地により1回洗浄し、ナイフを用いてミン
スした。骨片をセルバンカーに浮遊させた後、-80℃で
凍結保存した。
【0024】(2) マウス骨髄細胞(Mouse Bone Marr
ow cells ; 以下、単に「BMs」と称する)の調製 ddyマウス(6から8週齢、雄(清水実験材料社))から
脛骨をクリーンベンチ内で無菌的に採取し、ペニシリン
注射針を用いてa-MEM培地で押し出して調製した。な
お、調製した骨髄細胞中には、造血前駆細胞が含まれ、
この細胞が本発明の破骨細胞前駆細胞(Mouse Calvarial
cells Initiating Osteoclast Precursors ; 以下、単
に「MC-IOPs」と称する)に分化しうる。
【0025】(3) 共存培養 10cmのカルチャーディッシュに、(1)で調製した「MC
s」1x106 cells と、(2)で調製した脛骨2本分の「BM
s」を10%の牛胎児血清を含む a-MEM培地10mlに懸濁させ
て播種し、5% CO2、37℃、湿度100%にて培養した。培養
後2日目と5日目に培地を全量廃棄し、10%の牛胎児血清
を含むa-MEM培地10mlを加えて7日間培養した。
【0026】(4) 「MC-IOPs」の調製 (3)で生成した全細胞をセルスクレイパー(ヌンク
社)を用いて回収し、先端の口径が大きなガラスピペッ
トを用いて細胞を十分にピペッティングした。さらに、
40μm のメッシュ(ファルコン社)に通し、1000xgで遠
心した後上清を廃棄し、ペッレットをカルチャーディッ
シュ1枚から回収された細胞に対して10%の牛胎児血清を
含む a-MEM培地 1ml を用いて懸濁した。次に、上記方
法により調製した細胞懸濁液 1 ml を、Sephadex G-10
カラム(PBSで十分に洗浄した後 PBSに対して60% のス
ラリーとして懸濁し、 110℃、20分間オートクレーブし
て滅菌したSephadex G-10 担体(ファルマシア社)2ml
を、0.7 cm x 5 cm のエコノカラム(バイオラッド社)
に充填した後、10%の牛胎児血清を含むa-MEM培地 5 ml
により平衡化した)に添加した。 細胞懸濁液が担体の
上部まで浸潤した後、10%の牛胎児血清を含むa-MEM培地
5 ml により洗浄し、素通り細胞を回収した。1000 x g
で5分間遠心した後上清を廃棄し、10%の牛胎児血清を含
むa-MEM培地に懸濁して 「MC-IOPs」として実験に供し
た。
【0027】[実施例2] (1) 「MCs」と「BMs」の共存培養における、「MC-IO
Ps」生成過程の観察 実施例1(3)の方法により生成した造血系細胞を、培養
後2日目、4日目、7日目にそれぞれセルスクレイパーを
用いて回収し、先端の口径が大きなガラスピペットを用
いて細胞を十分にピペッティングした。さらに、40μm
のメッシュに通し、1000xgで遠心した後上清を廃棄し、
PBSに懸濁した。7日目の細胞は、さらに実施例1(4)の
方法に従い調製した。回収した 細胞をPBSを用いて 1x1
05 cells/ml に調製し、その 1ml をサイトスピンを用
いて500回転、1分間遠心してスライドガラス(マツナミ
社)に固定した。室温で風乾した後、Wright-Giemsa染
色液(シグマ社)1ml をスライドガラスに添加し、30秒
間静置した。染色液を廃棄した後、イオン交換水 1ml
を添加してさらに 5分間静置した。スライドガラスを細
胞が剥がれないように水道水で洗浄した後、風乾して検
鏡に供した。
【0028】この結果、培養2日目と4日目には顆粒球系
の細胞が多く観察されたが、7日目にはマクロファージ
系の細胞が多く観察された。また、Sephadex G-10カラ
ムを通すことによりマクロファージ系の細胞が除かれる
のが観察された(図1)。なお、図中(A)は共培養後3日
目の細胞、(B)は5日目の細胞、(C)は7日目の細胞、(D)
はSephadex G-10カラムにて精製した7日目の細胞(MC-I
OPs)である。
【0029】(2) 「MC-IOPs」のメチルセルロース中
でのコロニー形成能の解析 実施例1(4)の方法に従い調製した「MC-IOPs」と、
「MCs」の代わりにST2細胞株(造血支持能があり、in v
itroで造血前駆細胞を維持できる)とOP9細胞株(ST2細
胞と同様の活性を有するが、M-CSFを産生しないために
マクロファージ系の細胞は生成されない)を用いて実施
例1(4)の方法に従い調製した造血系細胞、さらに実施
例1(2)の方法により調製した骨髄細胞を、1x105 cell
s/ml となるようにa-MEM培地に懸濁した。次に、2.2%
メチルセルロース(メチルセルロース4000Cp (和光純
薬社)11g と蒸留水 250 ml をそれぞれ120℃、20分間
オートクレーブした後混合し、ホットプレート上で1時
間攪拌した。37℃まで冷却した後、37℃に保温しておい
た 2 x a-MEM培地 250 mlを混合し、室温で1時間攪拌し
た。次に、氷冷しながら1時間混合して調製した) 4 m
l、a-MEM培地 3 ml、牛胎児血清 1 ml、5x10-2M 2-merc
aptoethanol 20μl、細胞懸濁液 2 mlを混合した後、ボ
ルテックスミキサーを用いて十分に懸濁した。細胞懸濁
液を10mlのディスポーザブルシリンジと18G の注射針を
用いて採取した後、12穴のカルチャープレート(コーニ
ング社)に 2ml ずつ添加した。各種サイトカインに対
する反応性は、PBSに対して1μg/ml に調製した rmG-CS
F (R&D社)を 10μl、1μg/mlに調製した rmGM-CSF(R
&D社)10μl、10μg/ml に調製した rhM-CSF(森永乳業
社)10μlをそれぞれ添加して、5% CO2、37℃、湿度100
%にて 6日間培養した。各種支持細胞により支持された
造血系細胞のコロニー形成能を表1に示す。
【0030】
【表1】 ────────────────────────────────── コロニーの型 ────────────────────────── 細胞 CFU-G CFU-GM CFU-M ────────────────────────────────── ST2細胞株 13.7±2.1 57.3±7.8 62.0±3.0 OP9細胞株 21.0±2.0 122.0±7.6 106.7±4.5 MC-IOPs 4.7±2.1 13.0±2.7 8.7±1.5 ────────────────────────────────── ST2細胞株とOP9細胞株により支持された造血細胞は、各
種CSFによりコロニーを形成する造血前駆細胞が維持さ
れていたが、「MCs」により支持された「MC-IOPs」は、
いずれのCSFによってもコロニーを形成しなかった。こ
のことから「MCs」により支持された「MC-IOPs」が増殖
能を失っていることが判明した。
【0031】(3) 「MC-IOPs」の分化過程の解析 :
「MCs」を用いたアッセイ法 A) 実施例1(1)の方法により調製した「MCs」を 4x10
4 cells ずつ 400μlの10%の牛胎児血清を含む a-MEM培
地に懸濁した後、48ウェルカルチャープレート(コーニ
ング社)に播種し、5% CO2、37℃、湿度100%にて2日間
培養した。培地を廃棄した後、実施例1(4)の方法に従
い調製した「MC-IOPs」 2x103 cellsを400μl の 10%の
牛胎児血清を含む a-MEM培地に懸濁して播種し、1x10-7
M の1α,25(OH)2D3を4μlずつ添加して、5% CO2、37
℃、湿度100%にて培養した。経時的に培地を廃棄した
後、10%ホルマリン(和光純薬社)/PBS溶液にて室温で5
分間固定し、さらにエタノール/アセトン(1:1)溶液に
て室温で1分間固定した。風乾後、酸性フォスファター
ゼ染色液(Naphthol AS-MX phosphate (シグマ社)5 m
g をN,N-dimethyl folmamide(和光純薬社)100μlに溶
解した後、 Fast red violet LB salt(シグマ社) 30
mg を添加してTRAP緩衝液(0.1M Acetate buffer(pH5.
0)、50mM Sodium Tartrate(和光純薬)) 50 mlで溶解
したもの)を用いて細胞を染色し、水道水で洗浄して検
鏡に供した。この結果、「MC-IOPs」(図中の黒丸)
は、24時間目からTRAP陽性細胞(前破骨細胞)に分化す
るのが観察され、48時間までTRAP陽性細胞数は増加し
た。また、「BMs」(図中の白丸)は、培養 72時間後か
らTRAP陽性細胞に分化するのが観察された(図2A)。
【0032】B) A) の方法により調製した48ウェルカ
ルチャープレート の各ウェルに、実施例1(4)の方法に
従い調製した「MC-IOPs」 を1x102 cells から1x104 ce
lls まで細胞数を変えて400μl の 10%の牛胎児血清を
含む a-MEM培地に懸濁して播種した後、1x10-7M の1α,
25(OH)2D3を 4μlずつ添加して、5% CO2、37℃、湿度10
0%にて48 時間培養した。培養終了後、実施例2(3)A)
の方法に従いTRAP染色を施した後、検鏡に供した。この
結果、「MC-IOPs」(図中の黒丸)は、はん種した細胞
数に比例してTRAP陽性細胞に分化した(図2B)。
【0033】(4) 「MC-IOPs」の細胞系譜の解析 造血前駆細胞由来のマクロファージは、実施例1(2)の
方法により調製した骨髄細胞から実施例2(2)の方法に
従いメチルセルロース中で rhCSF-1 により生成させた
マクロファージコロニーを、先端の口径が大きなガラス
ピペットを用いて細胞を十分にピペッティングして細胞
を回収し、a-MEM培地で1回洗浄した細胞を用いた。実施
例1(4)の方法に従い調製した「MC-IOPs」と、実施例1
(2)の方法により調製した骨髄細胞、さらに造血前駆
細胞由来のマクロファージをそれぞれ 2x103 cells ず
つ 400μl の 10%の牛胎児血清を含む a-MEM培地に懸濁
し、実施例2(3)A) の方法により調製したカルチャー
プレート に播種した後、1x10-7M の1α,25(OH)2D3を4
μlずつ添加して、5% CO2、37℃、湿度100%にて48時間
培養した。培養終了後、実施例2(3)A) の方法に従いT
RAP染色を施し、検鏡に供した。
【0034】各種細胞の貪食能の解析は、FITCで蛍光標
識された粒子経約0.75μmのラテックスビーズ(ポリサ
イエンス社)を用いて解析した。15 mlの遠心チューブ
に 10%の牛胎児血清を含む a-MEM培地で100倍に希釈し
たラテックスビーズ 1.5 ml と、細胞懸濁液 0.4 ml を
混合して 37℃で振とうしながら1時間保温した。細胞を
1000xgで遠心後、上清を廃棄して a-MEM培地で2回洗浄
し、10%の牛胎児血清を含む a-MEM培地に懸濁した。さ
らに、実施例2(3)A) の方法により調製した48ウェル
カルチャープレート に播種した後、1x10-7M の1α,25
(OH)2D3を 4μlずつ添加して、5% CO2、37℃、湿度100%
にて48 時間培養した。培養終了後、実施例2(3)A) の
方法に従いTRAP染色を施し、蛍光顕微鏡下で検鏡に供し
た。この結果、「MC-IOPs」は、48時間以内にTRAP陽性
細胞に分化したが、その他の破骨細胞前駆細胞は、48時
間以内に分化しなかった(図3)。
【0035】(5) 「MC-IOPs」のFACSによる解析 A) 実施例1(2)の方法により調製した骨髄細胞と、実
施例1(4)の方法により調製した「MC-IOPs」をPBSに懸
濁した後、35μmのメッシュ付きチューブ(ファルコン
社)に通し、1.5 ml のマイクロチューブ(トレフ社)
に分注した。細胞懸濁液を2,500rpmで5分間遠心した
後、約50μlを残して上清を吸引廃棄した。10倍希釈し
た抗Mac-2抗体 (ベーリンガー社)を 20μl添加した
後、細胞をタッピングにより懸濁して氷上で 30 分間静
置した。氷冷したPBSを1ml加え、3秒間ボルテックスミ
キサーにより懸濁した後、2,500rpmで5分間遠心した。
約50μlを残して上清を吸引廃棄した後、100倍希釈した
FITC標識された抗ラットIgG抗体(ジャクソン社、生化
学工業)を 20μl添加した後、細胞をタッピングにより
懸濁して氷上で 30 分間静置した。氷冷したPBSを1ml加
え、3秒間ボルテックスミキサーにより懸濁した後、2,5
00rpmで5分間遠心した。約50μlを残して上清を吸引廃
棄した後、10μg/ml のラットIgG(ジャクソン社、生化
学工業)を10μl添加し、細胞をタッピングにより懸濁
して氷上で 10分間静置した。さらに、100倍希釈したビ
オチン標識された抗Ly-6G(Gr-1)抗体(ファーミンジェ
ン社)を 20μl添加して細胞を懸濁した後、氷上で 30
分間静置した。氷冷したPBSを1ml加え、3秒間ボルテッ
クスミキサーにより懸濁した後、2,500rpmで5分間遠心
した。約50μlを残して上清を吸引廃棄した後、10倍希
釈したPE標識したストレプトアビジン(ベクター社、フ
ナコシ)を 20μl 添加して細胞を懸濁した後、氷上で3
0分間静置した。氷冷したPBSを1ml加え、3秒間ボルテッ
クスミキサーにより懸濁した後、2,500rpmで5分間遠心
した。上清を吸引廃棄した後、PBS 1 ml に懸濁してFAC
Scaliver(ベクトン-ディッキンソン社)を用いて2カラ
ーで解析した(図4A)。
【0036】B) 実施例1(2)の方法により調製した骨
髄細胞と、実施例1(4)の方法により調製した「MC-IOP
s」をPBSに懸濁した後、35μmのメッシュ付きチューブ
に通し、1.5 ml のマイクロチューブに分注した。細胞
懸濁液を2,500rpmで5分間遠心した後、約50μlを残して
上清を吸引廃棄した。10倍希釈した抗F4/80抗体(セロ
テック社)、抗Mac-1抗体(セロテック社)、ビオチン
標識された抗B220抗体(ファーミンジェン社)、ビオチ
ン標識された抗CD3e抗体(ファーミンジェン社)をそれ
ぞれ 20μl 添加した後、細胞をタッピングにより懸濁
して氷上で 30分間静置した。氷冷したPBSを1ml加え、3
秒間ボルテックスミキサーにより懸濁した後、2,500rpm
で5分間遠心した。約50μlを残して上清を吸引廃棄した
後、抗F4/80抗体と抗Mac-1抗体に対しては、100倍希釈
したFITC標識された抗ラットIgG抗体を 20μl添加し、
また、ビオチン標識された抗B220抗体とビオチン標識さ
れた抗CD3e抗体に対しては、10倍希釈したPE標識したス
トレプトアビジンを 10μl 添加した後、細胞をタッピ
ングにより懸濁して氷上で30分間静置した。氷冷したPB
Sを1ml加え、3秒間ボルテックスミキサーにより懸濁し
た後、2,500rpmで5分間遠心した。上清を吸引廃棄した
後、PBS 1ml に懸濁して FACScaliverを用いて1カラー
で解析した(図4B)。
【0037】以上、A)およびB)の結果、「MC-IOPs」
は、抗Mac-2, Mac-1, Gr-1抗体陽性で、抗F4/80, B22
0, CD3e抗体陰性であった。
【0038】なお、Mac-2は破骨細胞およびマクロファ
ージに発現しているマーカー、Mac-1は顆粒球、マクロ
ファージに発現しているマーカー、Gr-1は顆粒球に発現
しているマーカー、F4/80は成熟マクロファージに発現
しているマーカー、B220はB細胞に発現しているマーカ
ー、CD3eはT細胞に発現しているマーカーである。
【0039】[実施例3] (1) OP/OPマウスの頭蓋骨細胞を用いた「MC-IOPs」
の生成過程の解析 A) 実施例1(1)B)により調製したOP/OPの「MCs」を凍
結融解し、25Tフラスコ(ファルコン社)に播種してサ
ブコンフルエントになるまで培養した。細胞をトリプシ
ン-EDTAにより回収した後、OP/OPの「MCs」 1x106 cell
s と、実施例1(2)で調製した脛骨2本分の「BMs」を10
%の牛胎児血清を含む a-MEM培地 20mlに懸濁させ、10 c
m のカルチャーディッシュに播種した後、10μg/ml rhC
SF-1を200μl 添加して、5% CO2、37℃、湿度100%にて
培養した。培養後2日目と5日目に培地を全量廃棄し、10
0 ng/ml の rhCSF-1及び 10%の牛胎児血清を含む a-MEM
培地20mlを加えて7日間培養した。さらに、実施例1
(4)の方法により細胞を調製し、実施例2(5)A) の方
法に従い抗Mac-2抗体と抗Gr-1抗体を用いて2重染色し、
FACScaliver により解析した。
【0040】B) A) ので調製した細胞を用いて、実施例
2(3)A) 同様の方法でアッセイを行った。
【0041】以上の結果、op/op マウスの「MCs」によ
って支持された造血細胞は抗Mac-2抗体陰性であった
が、CSF-1存在下で抗Mac-2抗体陽性の細胞に分化した
(図5A)。
【0042】また、破骨細胞への分化誘導アッセイにお
いてop/opマウスの「MCs」と共存培養して得られた細胞
はTRAP陽性細胞に分化できなかったが、CSF-1(100ng/m
l)存在下でop/opマウスの「MCs」と共存培養した細胞
は、TRAP陽性細胞に分化した(図5B)。なお、図中の白
抜きの棒グラフは、1α,25(OH)2D3の代わりにベヒクル
を用いた対照である。
【0043】(2) ストローマ細胞株を用いた「MC-IO
Ps」の生成過程の解析 実施例1(4)の方法に従い調製した「MC-IOPs」と、「M
Cs」の代わりにST2細胞株とOP9細胞株を用いて実施例1
(4)の方法により細胞を調製し、実施例2(5)A) の方
法に従い抗Mac-2抗体と抗Gr-1抗体を用いて2重染色し、
FACScaliverにより解析した。この結果、ST2細胞株とOP
9細胞株を用いた場合には、Mac-2陽性とGr-1陽性の「MC
-IOPs」は形成されなかった(図6)。また、ST2細胞株
とOP9細胞株を用いて生成した細胞を用いて 実施例2
(3)A) 同様の方法でアッセイを行ったが、いずれの48
時間までにTRAP陽性細胞へは分化しなかった。なお、図
中のAは、ST2細胞株を用いたもの、BはOP9細胞株を用い
たもの、CはOP9細胞株を用いM-CSFを100ng/ml添加した
ものである。
【0044】[実施例4] (1)「MC-IOPs」の分化に必要な「MCs」の骨吸収因子
(1α,25(OH)2D3、副甲状腺ホルモン, プロスタグラン
ジンE2)による処理条件と細胞の形状の解析「MCs」 を1
α,25(OH)2D3 で前処理する場合には、実施例2(3)A)
の方法で「MCs」を 48ウェルカルチャープレートに用意
し、10%の牛胎児血清を含む a-MEM培地を400 μl 及び
10-6 M の 1α,25(OH)2D3 を4μl 添加して、2日間培養
した後、a-MEM培地 で 2回洗浄した。さらに、「MCs」
と 「MC-IOPs」を接触させてアッセイを行う場合には、
実施例1(4)の方法に従い調製した「MC-IOPs」 2x103
cells を400μl の 10%の牛胎児血清を含む a-MEM培地
に懸濁して播種し 、5% CO2、37℃、湿度100%で2 時間
培養した。培地を廃棄した後、 10%牛胎児血清を含む0.
08 % コラーゲンゲル(新田ゼラチン社)200μl をゆっ
くりと重層した後、10%の牛胎児血清を含む a-MEM培地
200μl を添加して、5% CO2、37℃、湿度100%にて48 時
間培養した。「MCs」 と 「MC-IOPs」 の接触を阻止す
る場合には、「MCs」 の単層に10%牛胎児血清を含む 0.
08 % コラーゲンゲル200μl をゆっくりと重層し、実施
例1(4)の方法に従い調製した「MC-IOPs」 2x103 cell
sを200μl の 10%の牛胎児血清を含む a-MEM培地に懸濁
して播種し 、5% CO2、37℃、湿度100%にて48 時間培養
した。
【0045】「MCs」 を1α,25(OH)2D3 で後処理する場
合には、実施例2(3)A) の方法で「MCs」を48ウェルカ
ルチャープレートに用意し、10%の牛胎児血清を含む a-
MEM培地を添加して 2 日間培養し、「MCs」 を a-MEM培
地 で 2回洗浄した。さらに、「MCs」 と 「MC-IOPs」
を接触させてアッセイを行う場合には、実施例1(4)の
方法に従い調製した「MC-IOPs」 2x103 cellsを400μl
の 10%の牛胎児血清を含む a-MEM培地に懸濁して播種
し 、5% CO2、37℃、湿度100%にて2時間培養した。培地
を廃棄した後、 10%牛胎児血清を含む 0.08 % コラーゲ
ンゲル200μlをゆっくりと重層した後、10%の牛胎児血
清を含む a-MEM培地 200μl を添加し、さらに 10-6M
の 1α,25(OH)2D3 を 4μl 添加して、5% CO2、37℃、
湿度100%で48 時間培養した。「MCs」 と 「MC-IOPs」
の接触を阻止する場合には、「MCs」 の単層に10%牛胎
児血清を含む 0.1 % コラーゲンゲル200μl をゆっくり
と重層し、実施例1(4)の方法に従い調製した「MC-IOP
s」 2x103 cells を200μlの 10%の牛胎児血清を含む a
-MEM培地に懸濁して播種し 、さらに 10-6 M の 1α,25
(OH)2D3 を 4μl 添加して、5% CO2、37℃、湿度100%で
48 時間培養した。培養終了後、実施例2(3)A) の方法
に従いTRAP染色を施した後検鏡に供した。この結果、
「MC-IOPs」は、1α,25(OH)2D3 で前処理した「MCs」
上でも接触を介してTRAP陽性細胞に分化した(図7)。
【0046】(2) 「MC-IOPs」 の分化に必要な「MC
s」の形状の解析 実施例4(1)A) の方法に従い「MCs」を1α,25(OH)2D3
と副甲状腺ホルモンにより前処理した後、「MCs」をa-M
EM培地で2回洗浄した。a-MEM培地 400μl を添加した
後、-80℃のディープフリーザーで完全に凍結した。さ
らに、37℃のインキュベーター内で融解した。同様の操
作をさらに1回繰り返した後、a-MEM培地を廃棄して、a-
MEM培地で1回リンスした。さらに、10%の牛胎児血清を
含む a-MEM培地を添加して、5% CO2、37℃、湿度100%で
48時間培養した。培養終了後、実施例2(3)A) の方法
に従いTRAP染色を施した後検鏡に供した。
【0047】また、 カルシトニン受容体を確認するた
めに、24ウェルカルチャープレートに静置したセルディ
スク(住友ベークライト社)上で実施例4(1)B) の方
法に従い実験を行った後、a-MEM培地で1回洗浄し、0.2
nM の125I標識したヒトカルシトニンを200μl 添加して
室温で 1 時間静置した。氷冷した a-MEM培地で5回洗浄
した後、2% ホルマリン/ 2% グルタールアルデヒド溶液
(0.1 M のカコジレート緩衝液(0.2 M cacodyrate 50
ml(和光純薬社)、0.1M HCl 4.15 ml を蒸留水を用い
て 100 ml に調製した)で希釈しで 10 分間固定し、カ
コジレート緩衝液で2回洗浄した後、実施例2(3)に従
いTRAP染色を施した。風乾後、セルディスクをユーキッ
トを用いてスライドガラスに固定し、乳剤(アマシャム
社)で包埋しで 4 ℃で2週間露光させた。現像後、検鏡
に供した。1α,25(OH)2D3で前処理した「MCs」の結果を
図8に示す。Aはコントロール「MCs」(phase contras
t)、Bはコントロール「MCs」(light field)、Cは凍
結融解により細胞膜を固定した「MCs」(phase contras
t)、Dは凍結融解により細胞膜を固定した「MCs」(lig
ht field)である。この結果、凍結融解した細胞膜上で
も「MC-IOPs」はカルシトニン受容体陽性の前破骨細胞
へ分化した。
【0048】また、骨吸収因子として1α,25(OH)2D3、
副甲状腺ホルモン、プロスタグランジンE2を用いてTRAP
染色を行った結果、プロスタグランジンE2を用いた場合
には、凍結融解した細胞膜上ではTRAP陽性細胞へ分化し
なかった(表2)。
【0049】
【表2】 ────────────────────────────────── TRAP陽性細胞数/ウェル ─────────────────── 前処理(48時間) 対照 凍結融解 ────────────────────────────────── ベヒクル 0 0 1α,25(OH)2D3(1x10-8M) 290.6±39.2 100.3±20.9 副甲状腺ホルモン(1x10-8M) 246.6±67.7 53.3±9.2 プロスタグランジンE2(1x10-6M) 150.3±37.6 0 ────────────────────────────────── (3) OP/OPマウスの頭蓋骨細胞を用いた「MC-IOPs」
の分化過程の解析 実施例1(1)B)により調製したOP/OP マウスと+/?
(ヘテロ体)マウスの「MCs」を凍結融解し、25Tフラス
コに播種してサブコンフルエントになるまで培養した。
細胞をトリプシン−EDTAにより回収した後、実施例2
(3)A) の方法に従い 48ウェルプレートに細胞を調製
した。実施例1(4)の方法に従い調製した「MC-IOPs」
2x103 cells を 10%の牛胎児血清を含む a−MEM培地
400μl に懸濁して播種し 、 10μg/ml のrhCSF−14μ
l を OP/OPマウスの 「MCs」 に添加して、 5% CO2
37℃、湿度100%にて 48時間培養した。培養終了後、実
施例2(3)A)の方法に従いTRAP染色を施した後検鏡に
供した。この結果、op/opマウスの「MCs」上では、1
α,25(OH)2D3 存在下においてもTRAP陽性細胞に分化せ
ず、CSF−1を添加したときのみ1α,25(OH)2D3 存在下
でTRAP陽性細胞に分化した(図9)。なお、図中の白抜
きの棒グラフは、1α,25(OH)2D3の代わりにベヒクルを
用いた対照である。
【0050】
【発明の効果】本発明により骨細胞への分化過程におい
て生ずる破骨細胞前駆細胞が提供された。本発明の破骨
細胞への分化系を用いれば、破骨細胞系細胞の分化を決
定する因子を検出し、単離することが可能であり、ま
た、単離される分化促進因子またはその遺伝子は、例え
ば、骨粗鬆症などの骨量減少症の改善、リウマチや変形
性関節症などの骨代謝異常症などの改善、大理石病など
の骨量増加症の改善、多発性骨髄腫や癌の骨転移などの
骨代謝異常疾患の治療および改善などに用いられること
が考えられ、さらにこれらの疾患の免疫学的診断を確立
するための抗原の探索への利用も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、「BMs」と「MCs」の共存培養におけ
る、造血系細胞の分化による経時的な形態変化をライト
-ギムザ染色により示す。
【図2】第2図Aは、「MC-IOPs」と「BMs」の「MCs」
上での破骨細胞への分化過程を経時的に解析した結果を
示す。第2図Bは、はん種した「MC-IOPs」と「BMs」の
細胞数とTRAP陽性細胞へ分化した細胞数との相関を示
す。
【図3】弟3図は、「MC-IOPs」と各種破骨細胞前駆細
胞との分化段階を比較した結果を示す。
【図4】第4図は、「MC-IOPs」の形状を表面抗原に対
する抗体を用いてFACScaliverで解析した結果を示す。
【図5】第5図は、「MC-IOPs」 の生成における「MC
s」の産生するCSF-1の役割を、op/opマウスの「MCs」と
骨髄細胞との共存培養を用いて解析した結果を示す。
【図6】第6図は、ストローマ細胞株を用いた「MC-IOP
s」の生成の解析を示す。
【図7】第7図 は、「MC-IOPs」の分化に必要な、1α,
25(OH)2D3 の処理条件とそれによる「MCs」の形状を検
討した結果を示す。
【図8】第8図は、1α,25(OH)2D3 で前処理した後、凍
結融解した「MCs」上でTRAP陽性細胞に分化した「MC-IO
Ps」 のカルシトニン受容体を125I標識したヒトカルシ
トニンの結合により検出した像を示す。
【図9】第9図は、「MC-IOPs」 の分化に必要な「MC
s」の形質を、 op/opマウスの「MCs」を用いて検討した
結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 肥山 良之 京都府京都市山科区四ノ宮南河原町14 科 研製薬株式会社総合研究所内 (72)発明者 須田 立雄 東京都品川区旗の台1−5−8 昭和大学 歯学部生化学教室内 (72)発明者 高橋 直之 東京都品川区旗の台1−5−8 昭和大学 歯学部生化学教室内 (72)発明者 仲村 一郎 東京都品川区旗の台1−5−8 昭和大学 歯学部生化学教室内 (72)発明者 自見 英治郎 東京都品川区旗の台1−5−8 昭和大学 歯学部生化学教室内 (72)発明者 宇田川 信之 東京都品川区旗の台1−5−8 昭和大学 歯学部生化学教室内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 M−CSF及び頭蓋骨由来のストローマ
    細胞の存在下で、造血前駆細胞を培養することを特徴と
    する、カルシトニン受容体陰性、酒石酸抵抗性酸フォス
    ファタ−ゼ陰性の破骨細胞前駆細胞の調製方法。
  2. 【請求項2】 M−CSF及び頭蓋骨由来のストローマ
    細胞の存在下で、造血前駆細胞を培養することにより得
    ることができる、カルシトニン受容体陰性、酒石酸抵抗
    性酸フォスファタ−ゼ陰性の破骨細胞前駆細胞。
  3. 【請求項3】 骨吸収因子の存在下で、48時間以内に
    前破骨細胞に分化することができる、破骨細胞前駆細
    胞。
  4. 【請求項4】 骨吸収因子が1α,25(OH)2
    3、副甲状腺ホルモン、またはプロスタグランジンE2
    である、請求項3の破骨細胞前駆細胞。
  5. 【請求項5】 細胞表面マーカーが、Gr−1陽性、M
    ac−1陽性、Mac−2陽性、F4/80陰性であ
    る、請求項2〜4のいずれかに記載の破骨細胞前駆細
    胞。
  6. 【請求項6】 造血前駆細胞から請求項2もしくは3に
    記載の破骨細胞前駆細胞への分化、請求項2もしくは3
    に記載の破骨細胞前駆細胞から前破骨細胞への分化、ま
    たは造血前駆細胞から前破骨細胞への分化を、被験蛋白
    質及びM−CSFの存在下で観察する工程を含む、破骨
    細胞系細胞に対する分化促進因子の検出方法。
  7. 【請求項7】 造血前駆細胞から請求項2もしくは3に
    記載の破骨細胞前駆細胞への分化、請求項2もしくは3
    に記載の破骨細胞前駆細胞から前破骨細胞への分化、ま
    たは造血前駆細胞から前破骨細胞への分化を、被験蛋白
    質及びM−CSFの存在下で観察し、分化能を有する蛋
    白質を選択する工程を含む、破骨細胞系細胞に対する分
    化促進因子のスクリーニング方法。
  8. 【請求項8】 造血前駆細胞から請求項2もしくは3に
    記載の破骨細胞前駆細胞への分化、請求項2もしくは3
    に記載の破骨細胞前駆細胞から前破骨細胞への分化、ま
    たは造血前駆細胞から前破骨細胞への分化を、被験遺伝
    子が発現可能に導入された細胞およびM−CSFの存在
    下で観察する工程を含む、破骨細胞系細胞に対する分化
    促進因子をコードする遺伝子の検出方法。
  9. 【請求項9】 造血前駆細胞から請求項2もしくは3に
    記載の破骨細胞前駆細胞への分化、請求項2もしくは3
    に記載の破骨細胞前駆細胞から前破骨細胞への分化、ま
    たは造血前駆細胞から前破骨細胞への分化を、被験遺伝
    子が発現可能に導入された細胞およびM−CSFの存在
    下で観察し、分化能を有する遺伝子を選択する工程を含
    む、破骨細胞系細胞に対する分化促進因子をコードする
    遺伝子のスクリーニング方法。
  10. 【請求項10】 M−CSF遺伝子を発現するベクター
    導入した細胞と分化を観察する細胞とを共培養すること
    により、M−CSF遺伝子を発現するベクターを導入し
    た細胞から分化を観察する細胞にM−CSFを供給する
    ことを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項7の方法によって選択された、
    破骨細胞系細胞に対する分化促進因子。
  12. 【請求項12】 請求項9の方法によって選択された、
    破骨細胞系細胞に対する分化促進因子をコードする遺伝
    子。
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