JPH1192450A - 3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸エステル及びその製造法 - Google Patents

3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸エステル及びその製造法

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JPH1192450A
JPH1192450A JP25892297A JP25892297A JPH1192450A JP H1192450 A JPH1192450 A JP H1192450A JP 25892297 A JP25892297 A JP 25892297A JP 25892297 A JP25892297 A JP 25892297A JP H1192450 A JPH1192450 A JP H1192450A
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ester
amino
diphenylmethylazetidin
acid
alkoxyacrylic
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JP25892297A
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Hiroshi Yoshida
浩 吉田
Hiroyuki Miyata
博之 宮田
Teruhiko Inoue
輝比古 井上
Takashi Furubayashi
隆司 古林
Shigeyoshi Nishino
繁栄 西野
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、降圧薬の製造中間体として有用な3
−アミノ−3−アルコキシアクリル酸エステルおよびそ
の製造法を提供することを課題とする。 【解決手段】本発明の課題は、3−アミノ−3−アルコ
キシアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3
−イル)エステル、塩化水素をシアノ酢酸(1−ジフェ
ニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル1モルに対
して4モル以上使用し、−10℃〜5℃の温度範囲で反
応させること、及び得られた反応溶液より、アンモニア
ガスによる中和で生成した塩化アンモニウムをアンモニ
ア水で除去することより、3−アミノ−3−アルコキシ
アクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イ
ル)エステルを高収率で製造する製造方法で解決され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な3−アミノ
−3−アルコキシアクリル酸エステルおよびその製造法
に関する。3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸エス
テルは、高血圧症、狭心症等の循環系疾病を治療する医
薬として有用なジヒドロピリジン誘導体の合成中間体と
して有用である(例えば、特開昭63−253082号
公報参照)。
【0002】
【従来の技術】従来の特開昭63−253082号公報
の参考例10には、シアノ酢酸(1−ジフェニルメチル
アゼチジン−3−イル)エステルよりアミジノ酢酸(1
−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル酢
酸塩を製造する製造例が記載されている。しかしなが
ら、反応中間体として推定される本発明の目的化合物の
一つである3−アミノ−3−エトキシアクリル酸(1−
ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステルにつ
いては、単離・同定の記載がない。また該公報の参考例
の製造法は、塩化水素の使用量、反応温度等については
不十分な記載しかない。更に、反応溶液の処理方法にお
いても、3−アミノ−3−エトキシアクリル酸(1−ジ
フェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステルは水に
不安定な化合物であると考えられるため、非水の状態を
維持しながら、残留した塩化水素をアンモニアガスで中
和し、生成した塩化アンモニウムを濾過により除く方法
が採用されている点で工業的製造法としては、満足する
方法ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のような技術背景
に鑑み、本発明は、文献に未記載の3−アミノ−3−ア
ルコキシアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン
−3−イル)エステルを単離・同定すること、及び該化
合物の工業的製造法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】本発明者らは、3−アミノ−3−アルコキ
シアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−
イル)エステルを単離・同定し、前記の公知の製法にお
ける問題点を改良すべく、鋭意検討した結果、塩化水素
をシアノ酢酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−
イル)エステル1モルに対して4モル以上使用し、−1
0℃〜5℃の温度範囲で反応させること、及び得られた
反応溶液より、アンモニアガスによる中和で生成した塩
化アンモニウムをアンモニア水で除去することより、3
−アミノ−3−アルコキシアクリル酸(1−ジフェニル
メチルアゼチジン−3−イル)エステルを高収率で製造
することによって達成される。
【0006】本発明の特徴を以下に更に詳しく説明す
る。特開昭63−253082号公報の参考例10に
は、以下に示すように原料ニトリル(1)からアミジン(3)
が製造されており、その中間体は原料ニトリル(1)に対
応するイミダート(2)と一般的には推定される(反応式
I)。
【0007】
【化3】
【0008】しかし、本発明者らは、単離した化合物の
スペクトルデータの解析から、(2),(3)の構造ではな
く、それぞれエノール型構造を取った次に示すような
(4),(5)であると同定した(反応式II)。
【0009】
【化4】
【0010】本発明者らは、シアノ酢酸(1−ジフェニ
ルメチルアゼチジン−3−イル)エステルをハロゲン化
炭化水素溶媒、及び塩化水素存在下、アルコールと反応
させる方法では、副反応であるアルコールによる原料、
及び目的生成物のエステル交換反応が、反応収率を低下
させていると考えた。(1−ジフェニルメチルアゼチジ
ン−3−オールの副生を確認)。そこで、エステル交換
反応を抑制し、目的の3−アミノ−3−アルコキシアク
リル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)
エステルへの反応を、いかに早く選択的に進行させるか
について、鋭意検討した結果、塩化水素使用量と反応温
度を制御することによって、高収率で目的物が得られる
ことを見い出した。
【0011】さらに、本発明者らは、目的物の取得につ
いて検討した結果、反応終了後、アンモニアガスによる
中和で生成した塩化アンモニウムを含むスラリー液に、
アンモニア水を加えハロゲン化炭化水素溶媒との二層系
で、水層側に塩化アンモニウムを除去することにより、
3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸(1−ジフェニ
ルメチルアゼチジン−3−イル)エステルを安定に取り
出せることを見い出した。この方法は、非水の状態を維
持しながら濾過性の悪い塩化アンモニウムを濾過しなけ
ればならない既知の方法に比べて、工業的には優れたも
のといえる。
【0012】本発明の目的化合物は、一般式(1)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を
示す。)で表される3−アミノ−3−アルコキシアクリ
ル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エ
ステルに関し、本発明の製造法(1)は、シアノ酢酸
(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステ
ルをハロゲン化炭化水素溶媒、及び塩化水素存在下、一
般式(2)
【0015】
【化6】
【0016】(式中、Rは前記と同じ意味を示す。)で
表されるアルコールと反応させて、一般式(1)で表さ
れる3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸(1−ジフ
ェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステルを製造す
る方法において、塩化水素をシアノ酢酸(1−ジフェニ
ルメチルアゼチジン−3−イル)エステル1モルに対し
て4モル以上使用し、−10℃〜5℃の温度範囲で反応
させることを特徴とする、3−アミノ−3−アルコキシ
アクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イ
ル)エステルの製造法に関し、
【0017】本発明の製造法(2)は、特許請求の範囲
第2項記載の3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸
(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステ
ルの製造法において、得られた反応溶液より、アンモニ
アガスによる中和で生成した塩化アンモニウムをアンモ
ニア水で除去することを特徴とする3−アミノ−3−ア
ルコキシアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン
−3−イル)エステルの製造法に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
【0019】本発明の目的化合物である一般式(1)で
表される3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸(1−
ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル(以
下化合物1ともいう)におけるRは、例えばメチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブ
チル基のような直鎖状または分枝状の炭素原子数1〜4
のアルキル基を挙げることができる。
【0020】このようなRをもつ化合物1の具体例とし
ては、例えば3−アミノ−3−メトキシアクリル酸(1
−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル、
3−アミノ−3−エトキシアクリル酸(1−ジフェニル
メチルアゼチジン−3−イル)エステル、3−アミノ−
3−n−プロポキシアクリル酸(1−ジフェニルメチル
アゼチジン−3−イル)エステル、3−アミノ−3−イ
ソプロポキシアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチ
ジン−3−イル)エステル、3−アミノ−3−n−ブト
キシアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3
−イル)エステル、3−アミノ−3−sec−ブトキシ
アクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イ
ル)エステル、3−アミノ−3−イソブトキシアクリル
酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エス
テル、3−アミノ−3−tert−ブトキシアクリル酸
(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステ
ルを挙げることができる。
【0021】本発明の製法1において使用するシアノ酢
酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エス
テルは、例えば特開昭63−253082号公報の参考
例5に示される方法で合成される。
【0022】本発明の製法1において使用する一般式
(2)で表されるアルコ−ルにおけるRとしては、例え
ば化合物1で定義したアルキル基と同じ意味を示す。こ
のような置換基Rを持つアルコ−ルとしては、具体的に
はメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イ
ソブタノール、tert−ブタノールを挙げることがで
きる。これらのアルコールは、シアノ酢酸(1−ジフェ
ニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル1モルに対
して、通常1.0〜1.15倍モル、好ましくは1.0
5〜1.1倍モルの割合で使用する。
【0023】本発明の製法1において使用するハロゲン
化炭化水素溶媒としては、塩化メチレン、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン等が挙げられる。溶媒は、
シアノ酢酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イ
ル)エステル1モルに対して、通常2〜5L、好ましく
は2.2〜4Lの量で使用する。
【0024】本発明の製法1において使用する塩化水素
は、シアノ酢酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3
−イル)エステル1モルに対して、通常4倍モル以上、
好ましくは5倍モル以上の割合で使用する。塩化水素の
量が4倍モルより少ないと反応速度が非常に低下する。
反応速度が遅くなると競争反応であるエステル交換反応
が進行し、選択率が低下する一方、反応原料であるアル
コールが消費されるため、さらに目的物への反応速度が
低下するという悪循環が起こるからである。塩化水素
は、反応の初期に4倍モル以上導入すればよいが、反応
の途中でさらに追加してもよく、反応中連続して供給し
てもよい。
【0025】本発明の製法1における反応温度は、通常
−10℃〜5℃、好ましくは初期の塩化水素導入時は−
10℃〜0℃、反応中は−5℃〜5℃の温度範囲が有利
である。反応温度の上限値を超えると反応は早く完結す
るが、エステル交換反応が進み収率が低下する。下限値
より低い温度では、エステル交換反応はほとんど起こら
ないが、長時間かけても反応が完結しない。
【0026】本発明の製法1における反応時間は、塩化
水素量、反応温度、溶媒量により適宜選択することがで
きるが、一般的に15〜48時間の範囲で選ぶことがで
きる。
【0027】次に、反応終了後の3−アミノ−3−アル
コキシアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−
3−イル)エステルの取得(製法2)について説明す
る。アンモニアガスによる中和では、反応液中に存在す
る、3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸(1−ジフ
ェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステルの塩酸塩
と過剰の塩化水素を、完全に中和する必要がある。これ
は、次のアンモニア水抽出において生成した塩化アンモ
ニウムを溶解してもなお、水相のpHがアルカリ性でな
ければ、3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸(1−
ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステルが加
水分解するからである。
【0028】中和に必要なアンモニアガスを少なくする
ため、中和に先立ちチッソガス等を吹き込み、過剰の塩
化水素を系外に除くことは適宜選択しても良い。生成し
た塩化アンモニウムを除去するためのアンモニア水とし
ては、5〜30wt%水溶液の使用が好ましい。アンモ
ニア水は、シアノ酢酸(1−ジフェニルメチルアゼチジ
ン−3−イル)エステル1モルに対して、通常0.5〜
2L、好ましくは0.6〜1.5Lの量で使用する。こ
の量は、上述したように、生成した塩化アンモニウムを
溶解抽出した水層のpHがアルカリ性を維持できる量で
ある。下限値より少ない量では、3−アミノ−3−アル
コキシアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−
3−イル)エステルの加水分解が起こる。上限値より多
い量を使用することもできるが、それによる利点はな
い。
【0029】このようにして得られた3−アミノ−3−
アルコキシアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジ
ン−3−イル)エステルのハロゲン化炭化水素溶液は、
目的に応じて次の反応に、そのまま使用することもでき
るが、これ以降の3−アミノ−3−アルコキシアクリル
酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エス
テルの単離・精製は、公知の方法に従って、例えば、乾
燥、濾過、濃縮、再結晶等により容易に行うことができ
る。
【0030】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるもので
はない。
【0031】実施例1 シアノ酢酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イ
ル)エステル30.6g(0.1モル)とエタノール
4.83g(0.105モル)とを塩化メチレン240
mLに溶かし、−10℃まで冷却後、撹拌下−10℃〜
0℃に保ちながら塩化水素を21.9g(0.6モル)
導入した。塩化水素の導入終了後、0℃まで昇温し、同
温度で24時間撹拌して反応させた。反応終了後、得ら
れた反応溶液を、撹拌下、0℃〜10℃に保ちながらチ
ッソガスを吹き込み、系内の過剰の塩化水素を除去した
後、10℃〜20℃に保ちながらアンモニアガスを1
0.2g(0.6モル)吹き込み中和した。次に、塩化
アンモニウムが析出したスラリー液に撹拌下、25wt
%アンモニア水100mLを加え、溶解確認後、塩化メ
チレン層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸
マグネシウムを濾過し、濾過した硫酸マグネシウムを塩
化メチレンで洗浄した。濾液と洗液を合わせて、塩化メ
チレンを減圧濃縮した後、アセトニトリル120mLを
加え、60℃以下で溶解した。次に、5℃以下に冷却
し、2時間撹拌後、析出した結晶を濾取し冷アセトニト
リルで洗浄後、真空乾燥し白色結晶17.2gを得た
〔シアノ酢酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−
イル)エステルに対する収率49%〕。
【0032】生成物の融点、元素分析値及び各種スペク
トルデータは次の通りである。 融点 :69〜74℃ 1H−NMR[δ,CDCl3 ]:1.30(t,J=
6.6Hz,3H),3.03(m,2H,),3.6
0(m,2H),3.92(q,J=6.6Hz,2
H),4.19(s,1H),4.38(s,1H),
5.08(m,1H),6.20(bt,2H),7.
1−7.5(m,10H). MS[CI(i−C410),m/z]: 353(M
+ ),167. IR[KBr,cm-1]:3380,3258,166
6,1614,1551. 以上のデータから生成物は、3−アミノ−3−エトキシ
アクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イ
ル)エステルであることを確認した。
【0033】実施例2〜5、比較例1〜2 シアノ酢酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イ
ル)エステル30.6g(0.1モル)とエタノール
5.06g(0.11モル)を塩化メチレン300mL
に溶かし、−10℃まで冷却後、撹拌下−10℃〜0℃
に保ちながら塩化水素を約320mL/minで所定量
導入した。塩化水素の導入終了後、所定の温度に設定
し、同温度で所定の時間撹拌して反応させた。反応終了
後、得られた反応溶液を、撹拌下、0℃〜10℃に保ち
ながらチッソガスを吹き込み、系内の過剰の塩化水素を
除去した後、10℃〜20℃に保ちながらアンモニアガ
スを導入した塩化水素量と同じ等量数吹き込み中和し
た。次に、塩化アンモニウムが析出したスラリー液に撹
拌下、5wt%アンモニア水150mLを加え、溶解確
認後、塩化メチレン層を分離し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。硫酸マグネシウムを濾過し、濾過した硫酸マグ
ネシウムを塩化メチレンで洗浄した。濾液と洗液を合わ
せた塩化メチレン溶液中の、3−アミノ−3−エトキシ
アクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イ
ル)エステルと1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−
オールを、内部標準法により液体クロマトグラフィーで
定量した。結果を表1
【0034】
【化7】
【0035】〔表1中の略称は以下の通りである。 AAE:3−アミノ−3−エトキシアクリル酸(1−ジ
フェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル AL :1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−オール AAE及びALの収率はシアノ酢酸(1−ジフェニルメ
チルアゼチジン−3−イル)エステルに対する収率であ
る。なお、実施例4は−10℃で30時間、その後−2
℃で10時間反応させた。〕に示す。
【0036】参考例1 3−アミノ−3−エトキシアクリル酸(1−ジフェニル
メチルアゼチジン−3−イル)エステルからの3,3−
ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン
−3−イル)エステル酢酸塩の合成 実施例1と同様にして得られた、3−アミノ−3−エト
キシアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3
−イル)エステル42.3g(0.12モル)にアセト
ニトリル240mLと塩化メチレン24mLを加え、撹
拌下50℃に昇温、溶解した後、酢酸アンモニウム8.
79g(0.114モル)を加え、同温度で4時間反応
した。反応終了後、冷却し、10℃以下で1時間撹拌
後、析出した結晶を濾取しアセトニトリルで洗浄後、真
空乾燥し白色結晶39.6gを得た(酢酸アンモニウム
に対する収率91%)。
【0037】生成物の融点、元素分析値及び各種スペク
トルデータは次の通りである。 融点 :128〜138℃(分解) 1H−NMR[δ,CDCl3 ]:1.89(s,3
H),2.83(dd,J=7.2Hz,J=5.6H
z,2H),3.40(dd,J=8.0Hz,J=
5.6Hz,2H),3.7−4.0(br,1H),
4.43(s,1H),4.85(t,J=5.6H
z,1H),5.8−6.2(br,2H),7.16
(t,J=7.2Hz,2H),7.26(dd,J=
7.2Hz,J=8.0Hz,4H),7.40(d,
J=8.0Hz,4H). MS[CI(i−C410),m/z]:323(MH
+ ),167. IR[KBr,cm-1]:1748,1545,141
2. 以上のデータから生成物は、3,3−ジアミノアクリル
酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エス
テル酢酸塩であることを確認した。なお、濾液中には、
3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルア
ゼチジン−3−イル)エステル酢酸塩が、内部標準法に
より液体クロマトグラフィ−で定量したところ2.7g
含まれていた。(酢酸アンモニウムに対する収率6.2
%)
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、医薬等の合成中間体と
して有用な新規化合物を提供することおよびその製法を
提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 古林 隆司 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 西野 繁栄 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表
    される3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸(1−ジ
    フェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル。
  2. 【請求項2】 シアノ酢酸(1−ジフェニルメチルアゼ
    チジン−3−イル)エステルをハロゲン化炭化水素溶
    媒、及び塩化水素存在下、一般式(2) 【化2】 (式中、Rは前記と同じ意味を示す。)で表されるアル
    コールと反応させて、一般式(1)で表される3−アミ
    ノ−3−アルコキシアクリル酸(1−ジフェニルメチル
    アゼチジン−3−イル)エステルを製造する方法におい
    て、塩化水素をシアノ酢酸(1−ジフェニルメチルアゼ
    チジン−3−イル)エステル1モルに対して4モル以上
    使用し、−10℃〜5℃の温度範囲で反応させることを
    特徴とする、3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸
    (1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステ
    ルの製造法
  3. 【請求項3】 特許請求の範囲第2項記載の3−アミノ
    −3−アルコキシアクリル酸(1−ジフェニルメチルア
    ゼチジン−3−イル)エステルの製造法において、得ら
    れた反応溶液より、アンモニアガスによる中和で生成し
    た塩化アンモニウムをアンモニア水で除去することを特
    徴とする3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸(1−
    ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステルの製
    造法
JP25892297A 1997-09-24 1997-09-24 3−アミノ−3−アルコキシアクリル酸エステル及びその製造法 Pending JPH1192450A (ja)

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JP (1) JPH1192450A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011201804A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Tokuyama Corp 3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル酢酸塩の製造方法

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