JPH1192377A - 免疫調節用医薬組成物 - Google Patents

免疫調節用医薬組成物

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JPH1192377A
JPH1192377A JP25302897A JP25302897A JPH1192377A JP H1192377 A JPH1192377 A JP H1192377A JP 25302897 A JP25302897 A JP 25302897A JP 25302897 A JP25302897 A JP 25302897A JP H1192377 A JPH1192377 A JP H1192377A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベンズイミダゾール類を含有する免疫調節用
医薬組成物の提供。 【解決手段】 下記一般式(I)で表されるベンズイミ
ダゾール、それらの3H互変異性体、光学活性対掌体又
は医薬的に許容される酸付加塩を含有する免疫調節用医
薬組成物。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシフ
ェニル又はメトキシフェニル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベンズイミダゾー
ル類、3H互変異性体、光学活性対掌体又は医薬的に許
容される酸付加塩を含有する免疫調節用医薬組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】欧州特許第0 008 391 号公告公報は、特
に、以下の式で表される5−(5−メチル−3−オキソ
−4,5−ジヒドロ−2H−6−ピリダジニル)−ベン
ズイミダゾールを2位で置換したもの、3H−互変異性
体、光学活性対掌体及び医薬的に許容できる酸付加塩を
開示している。
【0003】
【化2】
【0004】式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、ヒ
ドロキシフェニル又はメトキシフェニル基を表す。これ
らの化合物は有用な薬理学的性質を有し、特に、抗ウイ
ルス活性、インターフェロン産生活性及び潰瘍抑制活性
に加えて、心臓血管系に対する活性すなわち強心活性、
降圧活性及び/又は抗トロンビン活性を示す。用語“心
臓血管系に対する活性”は、定義により、心臓及び血管
に影響を与える活性を示すが、この場合、抗トロンビン
活性及び強心活性並びに血圧に与える影響により報告さ
れている。これらの薬理学的性質を照らし合わせると、
欧州特許第0 008 391 号公告公報の化合物、それらの3
H互変異性体及び光学活性対掌体並びに無機又は有機酸
による医薬的に許容できるそれらの塩は、慢性心不全又
は狭心症の治療及び/又は動脈性血栓塞栓症及び動脈性
閉塞性疾患の予防、並びに潰瘍の治療及びウイルス及び
ウイルス性疾患の撲滅に適している。それ故、慢性心不
全にこれらの化合物を治療薬として使用するのは、これ
らの化合物が強心活性を有するためであり、動脈性血栓
塞栓症及び動脈性閉塞性疾患に使用するのは、これらの
化合物が抗トロンビン活性、特に血小板活性を有するた
めである。さらに、欧州特許第0,330,052 号公開公報は
特に、上述した、心臓への抗虚血効果を示す一般式Iの
ベンズイミダゾールを含有する治療薬について開示して
いる。欧州特許第0,387,762 号公開公報は、β遮断薬の
筋変力作用陰性作用を相殺するばかりでなく、身体的ス
トレス下での心機能の改善をもたらしもする式Iのベン
ズイミダゾールとβ遮断薬との併用を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ベンズイミ
ダゾール類を含有する免疫調節用医薬組成物を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(I)で表されるベンズイミダゾール、3H互変異
性体、光学活性対掌体又は医薬的に許容される酸付加塩
を含有することを特徴とする免疫調節用医薬組成物が提
供される。
【化3】 式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシフェ
ニル又はメトキシフェニル基を表す。
【0007】
【発明の実施の形態】驚くべきことに、一般式Iのベン
ズイミダゾールは、健康成人において正常と考えられて
いるCRP値が0.3 mg/dl以下であるところ、異常
に高いCRP値を下げる効果により免疫調節効果を示し
(Robey Frank A. et al: J. Biol. Chem. 262: 7053-70
57 (1987) 及び Kottgen Eckart et al: J. Immunol. 1
49: 445-453 (1992)を参照のこと) 、それ故、リウマ
チ、炎症、アレルギー、アテローム性動脈硬化症、コラ
ーゲン疾患、肝炎、膵炎、炎症性腸疾患、糸球体腎炎、
トキシック・ショック症候群、散在性腸管内凝固症候
群、移植片対宿主疾患、腫瘍及び免疫不全疾患等のサイ
トカイン関連疾患の治療に適していることが見出され
た。これらのサイトカイン関連疾患の治療には、一般的
に、免疫調節作用を有する薬物が効果を発揮する可能性
があることが知られている。本明細書において、CRP
とは、C反応性タンパク質のことであり、人血清中にあ
って、肺炎双球菌菌体多糖類と反応するタンパク質をい
い、正常人血清中には認められず、炎症あるいは組織崩
壊が起こると速やかに流血中に現れてくる。各種の感染
症では感染後数時間で大量に現れ、その回復とともに減
少、消失する。また、リウマチ熱、慢性関節リウマチ、
心筋梗塞及び悪性腫瘍等、組織変性疾患で陽性率が高
い。CRP値を測定することにより、症状の変化の有
無、重症度を判定できる。式Iの好ましいベンズイミダ
ゾールは、式中、Rがメチル、2−ペンチル、4−メト
キシフェニル又は4−ヒドロキシフェニル基であり、特
に、式中、Rが4−メトキシフェニル又は4−ヒドロキ
シフェニル基、特に4−メトキシフェニル基であるのが
好ましい。また、これらの3H互変異性体、光学活性対
掌体及び医薬的に許容される酸付加塩もまた好ましい。
Rが4−ヒドロキシフェニル又は4−メトキシフェニル
基である一般式(I)の化合物の急性毒性は、文献等か
ら公知である。本発明の活性を得るために、一般式
(I)の化合物を成人に投与する1回当たりの量は、1
日当たり1回又は2回で、0.1 〜5.0 mg、好ましくは
1.0 〜2.5mg、特に、1日2回1.25mgずつである。
しかしながら投与量は、治療すべき患者の症状や体重、
投与すべき化合物の選択及び投与ルートの選択等を含む
状況を考慮して医師により決定されるものであり、それ
故、上述の投与範囲は本発明の範囲を限定するものでは
ない。医薬的に使用するため、上述した活性物質を1種
以上の不活性な従来の担体及び/又は希釈剤、例えば、
コーンスターチ、ラクトース、グルコース、微晶質セル
ロース、マグネシウムステアレート、ポリビニルピロリ
ドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グ
リセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、セチルステアリルアル
コール、カルボキシメチルセルロース又は硬化油のよう
な脂肪物質と配合して、素錠剤もしくは被覆錠剤、カプ
セル剤、散剤、懸濁液、ドロップ剤、アンプル剤、シロ
ップ剤又は坐剤等の従来のガレン製剤を製造することが
できる。本発明の組成物は、例えば、経口もしくは直腸
経由で、例えば、注射又は吸入など局所もしくは非経口
的に種々の経路により投与できる。
【0008】これらの組成物の効果は、次のようにして
測定した。2−(4−メトキシフェニル)−5−(5−
メチル−3−オキソ−4,5−ジヒドロ−2H−6−ピ
リダジニル)−ベンズイミダゾール(以後、ピモベンダ
ンとする)を、心不全と悪性関節リウマチとを併発して
いる患者に経口投与し、CRP値を経日的に測定した。
CRP値は、Claus David R. et al: J. Lab. Clin. Me
d. 87: 120-128 (1976) に記載された方法と同様にし
て、Senju Osamu et al: J. Clin. Lab. Immunol. 19:
99-103 (1986) に記載されたラテックス凝集アッセイに
より測定した。ピモベンダンを投与する前のCRP値
は、4.7 mg/dlであった。ピモベンダンを1.25mg
投与したところCRP値が低下したので、次の日(投与
開始日とする)から投与量を1日2回1.25mgずつに増
加した。心臓エコー検査により、心機能が改善したこと
が分かったため、ピモベンダンの投与を止めた。その
後、ピモベンダンによるCRP値低下作用を確認するた
め1日2回1.25mgずつ再投与したところ、再びCRP
値が低下し、かつ悪性関節リウマチの炎症が改善され
た。以下の表は、上述した期間中のCRPの測定値の一
部を示す。
【0009】
【表1】 表1 ────────────────────────── 投与開始からの日数 CRP値(mg/dl) ────────────────────────── 12 1.7 28 6.1 61 3.0 71 3.3 (89 5.0 ) (90 2.7 ) (97 2.4 ) (105 3.6 ) (113 3.2 ) (119 2.9 ) 126 3.0 127 4.3 130 3.8 132 2.1 137 1.3 ────────────────────────── 注;( )内はピモベンダンを投与しなかった日を示す。
【0010】表1の結果は、臨床的に満足できるCRP
値の適切な降下を明らかに示している。この新規な知見
から、本発明の組成物、特にピモベンダンはサイトカイ
ン関連疾患の治療に適している。
【発明の効果】本発明によれば、異常に高いCRP値を
下げることにより免疫調節効果を示す医薬組成物が提供
される。本発明を具体的に説明するために以下の実施例
を提供するが、これらに限定されるものではない。
【0011】
【実施例】
実施例1 2−(4−メトキシフェニル)−5−(5−メチル−3
−オキソ−4,5−ジヒドロ−2H−6−ピリダジニ
ル)−ベンズイミダゾールを0.5 mg含有する錠剤 調合:(01)〜(03)の物質を混合し、(04)の
エタノール溶液とともに粒状にし、乾燥、ふるい分け
し、(05)及び(06)と混合し、圧縮して錠剤化し
た。 実施例2 2−(4−メトキシフェニル)−5−(5−メチル−3
−オキソ−4,5−ジヒドロ−2H−6−ピリダジニ
ル)−ベンズイミダゾールを1.25mg含有する錠剤 調合:(01)〜(03)の物質を混合し、(04)の
エタノール溶液とともに粒状にし、乾燥、ふるい分け
し、(05)及び(06)と混合し、圧縮して錠剤化し
た。
【0012】実施例3 2−(4−メトキシフェニル)−5−(5−メチル−3
−オキソ−4,5−ジヒドロ−2H−6−ピリダジニ
ル)−ベンズイミダゾールを2.00mg含有するカプセル 組成: (01)活性物質 2.00mg (02)ラクトース 95.00mg (03)コーンスターチ 40.00mg (04)エアロシル 2.00mg (05)マグネシウムステアレート 1.00mg 140.00mg 調合:(01)〜(05)の物質を混合し、サイズ4の
カプセルに充填した。 実施例4 2−(4−メトキシフェニル)−5−(5−メチル−3
−オキソ−4,5−ジヒドロ−2H−6−ピリダジニ
ル)−ベンズイミダゾールを2.50mg含有する錠剤 調合:(01)〜(03)の物質を混合し、(04)の
エタノール溶液とともに粒状にし、乾燥、ふるい分け
し、(05)及び(06)と混合し、圧縮して直径7m
mの錠剤にした。
【0013】実施例5 2−(4−メトキシフェニル)−5−(5−メチル−3
−オキソ−4,5−ジヒドロ−2H−6−ピリダジニ
ル)−ベンズイミダゾールを1.00mg含有する細かくす
るための切り込みのある被覆錠剤 調合:(01)〜(03)の物質を混合し、(04)の
エタノール溶液とともに粒状にし、乾燥、ふるい分け
し、(05)及び(06)と混合し、圧縮して直径7m
mのコアを形成した。次に、そのコアを従来の方法によ
りコーティング剤で被覆した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/50 ABG A61K 31/50 ABG ABX ABX ACJ ACJ ACS ACS ACV ACV ADU ADU AGZ AGZ // C07D 403/04 235 C07D 403/04 235 C07M 7:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるベンズイミ
    ダゾール、3H互変異性体、光学活性対掌体又は医薬的
    に許容される酸付加塩を含有することを特徴とする免疫
    調節用医薬組成物。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシフ
    ェニル又はメトキシフェニル基を表す。)
  2. 【請求項2】 Rがメチル、2−ペンチル、4−メトキ
    シフェニル又は4−ヒドロキシフェニル基である請求項
    1記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 Rが4−メトキシフェニル又は4−ヒド
    ロキシフェニル基である請求項1記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 Rが4−メトキシフェニル基である請求
    項1記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 サイトカイン関連疾患の治療用である請
    求項1〜4のいずれか1項記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 サイトカイン関連疾患が、リウマチ、炎
    症、アレルギー、アテローム性動脈硬化症、コラーゲン
    疾患、肝炎、膵炎、炎症性腸疾患、糸球体腎炎、トキシ
    ック・ショック症候群、散在性腸管内凝固症候群、移植
    片対宿主疾患、腫瘍及び免疫不全疾患からなる群から選
    ばれる請求項5記載の医薬組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1123703A1 (en) * 1998-10-23 2001-08-16 Akira Matsumori Immunomodulatory drug composition
WO2002080973A1 (fr) * 2001-04-03 2002-10-17 Nihon University School Juridical Person Composition pouvant etre utilisee pour le traitement d'un tissu dur de mammifere et methode therapeutique correspondante

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