JPH1191620A - パワープラントのマウント構造 - Google Patents

パワープラントのマウント構造

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JPH1191620A
JPH1191620A JP26173497A JP26173497A JPH1191620A JP H1191620 A JPH1191620 A JP H1191620A JP 26173497 A JP26173497 A JP 26173497A JP 26173497 A JP26173497 A JP 26173497A JP H1191620 A JPH1191620 A JP H1191620A
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和夫 上本
Akihiro Nakao
章裕 中尾
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Hirotsugu Kakimoto
洋嗣 柿本
Haruo Fujita
春男 藤田
Satoshi Mizoguchi
聡 溝口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両の通常時においてはパワープラントの固定
支持が確実かつ適切に行えるようにするとともに、車両
前方から大荷重の負荷入力があったときにはパワープラ
ントの車両後方への移動に原因してステアリングホイー
ルなどが車両後方へ大きく後退するようなことを良好に
防止できるようにする。 【解決手段】車両のフロント部に配されたパワープラン
ト2が、車体フレーム1のマウントサポート部4にブラ
ケット3を介して支持されているパワープラントのマウ
ント構造であって、ブラケット3には、マウントサポー
ト部4に略水平状に取付けられる軸体5によってこのブ
ラケット3がマウントサポート部4に支持されるように
軸体5が挿通する孔部31が設けられているとともに、
孔部31の周縁の車両前方部分には、軸体5に対向する
脆弱部32が設けられており、孔部31の車両前方部分
には、脆弱部32が破壊してブラケット3が車両後方へ
移動するときにブラケット3を下降させるように軸体5
と当接可能な前上がり傾斜状のガイド面34が設けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、エンジンやトランスミション
などによって構成されるパワープラントを、乗用車など
の所望の車両のフロント部に適切にマウントするための
パワープラントのマウント構造に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、この種のパワープラント
のマウント構造としては、全体の構造が簡易であること
や、パワープラントの組み付け作業が容易に行えること
が要求されるが、その前提して、車両の通常走行時など
においてパワープラントの確実な固定保持がなされるこ
とが第1に要求される。その一方、いわゆるエンジン前
置き型の車両においては、車両の前方衝突時において、
その衝撃力を緩和する機能も要求される。また、パワー
プラントが車両前方からの負荷入力によって車両後方へ
大きく移動したのでは、このパワープラントがダッシュ
パネルやステアリングホイールを車両後方へ後退させる
といった事態を招く。したがって、このような事態もで
きる限り生じないようにすることも要求される。
【0003】そこで、従来では、たとえば特開平6−1
66379号公報に記載されたエンジンのマウント構造
がある。同公報に記載されたエンジンのマウント構造
は、車両の前方衝突時に車体フレームが所定の変形を生
じることによって、エンジンを固定するボルトが車体フ
レームから離脱し、車体フレームに対するエンジンの固
定状態が解除されるようにした構造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のマウント構造では、車両の衝突時にエンジンの固定
状態を解除することにより、その衝撃力をある程度は緩
和することはできるものの、エンジンを積極的に下降さ
せることはできない。したがって、従来では、車両の前
方衝突時にエンジンの固定状態が解除されたとしても、
依然としてこのエンジンが車両後方に水平移動する結
果、ダッシュパネルやステアリングホイールがエンジン
によって押圧されて車両後方に大きく後退する場合があ
った。
【0005】また、上記従来のマウント構造では、車体
フレームがあらかじめ予測された所定の変形を生じた場
合にのみエンジンの固定状態が解除されるに過ぎない。
その一方、車体フレームは常に一定のパターンで変形す
るわけではなく、車両の衝突パターンに応じて車体フレ
ームの変形パターンは種々相違する。したがって、従来
では、車両の衝突条件如何では、車体フレームがあらか
じめ予測された所定の変形を生じず、エンジンの固定状
態を解除することができない場合があり、エンジンの固
定状態を解除させる上で、その確実性に劣るという不具
合もあった。
【0006】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、車両の通常時においてはパワー
プラントの固定支持が確実かつ適切に行えるようにする
とともに、車両前方から大荷重の負荷入力があったとき
にはパワープラントの車両後方への移動に原因してステ
アリングホイールなどの他の部材や機器が車両後方へ大
きく後退するようなことを良好に防止できるようにする
ことをその課題としている。
【0007】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0008】本願発明は、車両のフロント部に配された
パワープラントにブラケットが連結されており、かつ上
記パワープラントは、車体フレームのマウントサポート
部に上記ブラケットを介して支持されている、パワープ
ラントのマウント構造であって、上記ブラケットには、
上記マウントサポート部に略水平状に取付けられる軸体
によってこのブラケットが上記マウントサポート部に支
持されるように上記軸体が挿通する孔部が設けられてい
るとともに、上記孔部の周縁の車両前方部分には、上記
軸体に対向する脆弱部が設けられており、かつ上記孔部
の車両前方部分には、上記脆弱部が破壊して上記ブラケ
ットが車両後方へ移動するときに上記ブラケットを下降
させるように上記軸体と当接可能な前上がり傾斜状のガ
イド面が設けられていることを特徴としている。
【0009】本願発明においては、マウントサポート部
に略水平状に取付けられた軸体がパワープラントに連結
されたブラケットの孔部に挿通することにより、このブ
ラケットが上記軸体を介してマウントサポート部に支持
されており、これによって上記パワープラントがブラケ
ットを介してマウントサポート部に支持された構造とな
っている。また、上記ブラケットの孔部の周縁の車両前
方部分には、上記軸体に対向する脆弱部が設けられてい
るために、車両の通常状態において上記パワープラント
やブラケットに車両後方へ移動する力を生じても、その
力は車両の前方衝突時に生じる荷重と比較すると格段に
小さいために、上記脆弱部を上記軸体に当接するストッ
パーとして機能させることによって、上記孔部から軸体
が離脱するようなことを適切に防止することができる。
したがって、車両の通常状態においては、車体フレーム
のマウントサポート部にブラケットを適切に連結し、上
記パワープラントの固定保持を適切に図ることができ
る。
【0010】一方、車両が前方衝突を起こし、上記パワ
ープラントにその前方から大荷重の負荷入力があった場
合には、上記ブラケットの脆弱部を上記軸体との当接力
によって破壊することができ、上記パワープラントの固
定状態を解除することができる。したがって、このパワ
ープラントの固定解除作用により、車両衝突時における
衝撃力を緩和することができる。また、上記脆弱部が破
壊して上記パワープラントやブラケットが車両後方に移
動するときには、上記ブラケットに設けられている前上
がり傾斜状のガイド面が上記軸体と当接することによ
り、上記ブラケットは積極的に下降するようにガイドさ
れる。そして、これに伴ってパワープラントについても
積極的に下降させることができる。このようにしてパワ
ープラントを積極的に下降させれば、その分だけパワー
プラントが車両後方へ水平移動し難くできるとともに、
パワープラントによってその後方に位置する機器や部材
が直接押圧される虞れを少なくすることができ、ダッシ
ュパネルやステアリングホイールなどの部材や機器が車
両後方へ後退する事態を防止する上で、好ましいものと
なる。
【0011】さらに、重要な効果として、本願発明で
は、車体フレームの所定の変形によってパワープラント
の固定状態を解除させていた従来の手段とは異なり、車
体フレームの変形のパターンには関係なく、パワープラ
ントに車両後方へ移動する大荷重の負荷入力があれば、
これに基づいて脆弱部を破壊し、パワープラントを積極
的に下降させることができる。したがって、本願発明で
は、車両の前方衝突時においてその衝撃力を緩和するこ
と、およびパワープラントが車両後方へ大きく移動する
ことを、従来よりも確実に防止することができる。
【0012】本願発明の好ましい実施の形態では、上記
パワープラントは、エンジンとトランスミッションとを
組み合わせたものであり、かつこれらエンジンとトラン
スミッションとは、上記ブラケットによって互いに連結
されている構成とすることができる。
【0013】このような構成によれば、パワープラント
に連結されたブラケットは、上記パワープラントをマウ
ントサポート部に支持する役割を果たすだけではなく、
上記パワープラントを構成するエンジンとトランスミッ
ションとを互いに連結し、これらエンジンとトランスミ
ッションとの連結強度を高めるという役割をも果たすこ
ととなる。すなわち、エンジンとトランスミッションと
は、いずれもその重量が大きく、これらを剛結する必要
があるが、上記ブラケットはそのような必要性に合致す
る機能を兼備することとなり、合理的である。また、ブ
ラケットによってエンジンとトランスミッションとの連
結強度を高めることができる結果、エンジンとトランス
ミッションどうしのボルト止め箇所を少なくすることが
できるという利点も得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0015】図1は、本願発明が適用されたパワープラ
ントのマウント構造の一例を示す要部平面図である。図
2は、図1の側面断面図である。図3は、図2のIII −
III断面図である。図4は、図3のIV−IV要部断面図で
ある。図5は、図1に示すパワープラントのマウント構
造の要部分解斜視図である。図1以降の各図において、
矢印Frは車両前方を示し、矢印Upは車両高さ方向上
方を示し、矢印Wは車幅方向を示す。
【0016】本実施形態のパワープラントのマウント構
造は、図1および図2によく表れているように、平面視
の概略形状が中空矩形状に形成された車体フレーム1
に、パワープラント2をマウントした構造とされてい
る。このパワープラント2は、エンジン20とトランス
ミッション21とを連結したものである。
【0017】上記車体フレーム1は、サブフレームと称
される車体フレームであり、幅方向両サイドにフランジ
部10,10をそれぞれ備えたアッパ部材1aとロア部
材1bとを互いに接合した中空断面形状を有している。
この車体フレーム1は、車両のフロント部を構成するメ
インの車体フレーム(図示略)の下面部に組み付けられ
るものである。具体的には、車両のフロント部には、た
とえばその車幅方向両サイドに位置する2本のサイドメ
ンバや、これら2本のサイドメンバどうしを互いにつな
ぐクロスメンバなどのメインの車体フレームが設けられ
るが、上記車体フレーム1はこのようなメインの車体フ
レームの下面部にボルトなどを用いて剛結されるもので
ある。この車体フレーム1には、上記パワープラント2
に加え、前輪を支持するフロントサスペンションや、前
輪操舵を行うためのギアボックスなども取付けられる。
【0018】上記車体フレーム1の上面部には、リヤマ
ウントサポート部4、フロントマウントサポート部4
a、およびサイドマウントサポート部4bが設けられて
おり、上記パワープラント2はこれら複数のサポート部
に支持されている。上記パワープラント2の後部は、ブ
ラケット3を介して上記リヤマウントサポート部4に支
持されており、この部分に本願発明が適用されている。
【0019】なお、上記フロントマウントサポート部4
aは、上記パワープラント2の前部を支持するための部
分であり、上記パワープラント2の前部に取付けられた
一対のブラケット片29,29が上記フロントマウント
サポート部4aの上端部に取付けられている防振用イン
シュレータとしてのゴムブッシュ(図示略)に対してボ
ルト90を介して締結されている。上記サイドマウント
サポート部4bは、上記パワープラント2の車幅方向一
側部をインシュレータを介して支持する部分である。上
記パワープラント2の重量の多くは、フロントマウント
サポート部4aとリヤマウントサポート部4とによって
支持されている。したがって、上記サイドマウントサポ
ート部4bにおけるパワープラントの支持強度は、上記
2つのサポート部4a,4における支持強度と比較する
とかなり小さいものとされている。
【0020】上記リヤマウントサポート部4は、上記車
体フレーム1の後部上面に起立状態に設けられたサポー
ト部材44の上部に、ゴムブッシュ40を保持させた構
造である。上記ゴムブッシュ40は、図3によく表れて
いるように、金属製の円筒状にそれぞれ形成された内筒
41と外筒42との間に弾性部材としてのゴム43を介
装したものである。
【0021】上記ブラケット3は、たとえばアルミダイ
カスト製であり、車両前方側に配置される一端部には、
エンジン20の後面部に対向させるための第1側壁部3
5aが設けられている。また、上記ブラケット3の車幅
方向一側部には、トランスミッション21の外面部に対
向する第2側壁部35bと第3側壁部35cとが設けら
れている。これらの側壁部35a〜35cには、複数の
ボルト挿通孔39が形成されており、これら複数のボル
ト挿通孔39に挿通するボルト91が上記エンジン20
やトランスミッション21のそれぞれに設けられたネジ
孔に螺合することにより、上記ブラケット3の一端部お
よび側面部分は、上記エンジン20とトランスミッショ
ン21とに連結されている。このような構成にすれば、
エンジン20とトランスミッション21とが上記ブラケ
ット3を介して互いに連結されることとなり、これらエ
ンジン20とトランスミッション21との連結強度を高
めることができる。
【0022】図5によく表れているように、上記ブラケ
ット3は、車両後方側に配置される他端部に、車幅方向
に間隔を隔てた二股分岐状の対向壁部30,30を有す
る構成とされている。これらの対向壁部30,30に
は、上面開口状の一対の切欠き部33,33が設けられ
ている。これらの切欠き部33,33はそれらの底部が
一定寸法だけ車両後方側へ延びる形状に形成されてお
り、これらの切欠き部33,33の車両後方終端部分
が、所定のボルト5を一連に挿通するための孔部31,
31とされている。したがって、これらの各孔部31
は、その周縁部のうち車両前方側が一部開口した形状と
なっている。
【0023】上記孔部31,31のそれぞれの周縁の車
両前方部分には、下向き突起状の脆弱部32,32が設
けられている。これらの各脆弱部32は、上記各孔部3
1内にボルト5を挿通したときにこのボルト5の外周面
に対向するように形成されているが、後述するように、
車両の前方衝突に原因して上記各脆弱部32とボルト5
との当接圧力が非常に大きくなって所定の値を越える
と、破断するように構成されている。上記各脆弱部32
は、その厚みや幅寸法が比較的大きく形成されているこ
とに原因し、所定の負荷入力によって破断しにくい場合
には、この脆弱部32にスリットが設けられるなどし
て、所定の負荷入力によって適切に破断するように設定
される。むろん、上記各脆弱部32は、車両の前方衝突
などに原因しない車両の通常時において発生するボルト
5との当接圧力では破断しない充分な強度を有してい
る。
【0024】上記孔部31,31のそれぞれの車両前方
位置には、前上がり傾斜状のガイド面34,34が設け
られている。これらのガイド面34,34は、後述する
ように、上記ボルト5との当接によって上記ブラケット
3およびパワープラント2の後部を下降させるようにガ
イドする役割を果たす部分であり、上記切欠き部33,
33に対面している。
【0025】上記ブラケット3の孔部31,31の上方
には、上記対向壁部30,30の各内側面よりもそれら
の内側方向に突出した一対の段部38,38が設けられ
ている。これらの段部38,38は、上記ブラケット3
を上記リヤマウントサポート部4のゴムブッシュ40に
掛止させるのに利用される部分である。すなわち、上記
パワープラント2を車体フレーム1上にマウントする場
合には、上記ブラケット3の前部をフロントマウントサ
ポート部4aに支持させた後に、上記ブラケット3の孔
部をリヤマウントサポート部4に支持させる手順を踏む
が、その際図6の矢印N1に示すように、上記対向壁部
30,30の内側面から適当な寸法Lだけ突出した上記
段部38,38を上記ゴムブッシュ40の内筒41の長
手方向両端部の上面部分41a,41aに掛止させるこ
とができる。このようにすれば、上記ブラケット3をボ
ルト5を用いてゴムブッシュ40に締結する場合に、上
記パワープラント2の後部を他の手段によって支持する
必要を無くすことができ、便利となる。
【0026】図3によく表れているように、上記ブラケ
ット3は、その対向壁部30,30に設けられた孔部3
1,31と上記ゴムブッシュ40の内筒41の内部とに
ボルト5が一連に挿通されることにより、上記ボルト5
とこれに螺合するナット5aによってリヤマウントサポ
ート部4に締結されている。上記ブラケット3の上面部
には、ネジ孔37,37などが設けられているが、これ
らのネジ孔37,37は、車両のフロント部に組み付け
られる他の適当な車体装備機器などを取付けるのに適宜
利用することができる。
【0027】次に、上記パワープラントのマウント構造
の作用について説明する。
【0028】まず、上記構造では、パワープラント2に
対して強固に連結されたブラケット3が、リヤマウント
サポート部4に対してボルト5およびナット5aを用い
て適切に固定されている。図4によく表れているよう
に、上記ボルト5が挿通する孔部31の車両前方部分に
は、所定の強度を有する突起状の脆弱部32が設けられ
ているために、上記ボルト5が上記孔部31内において
大きく位置ずれするようなことも適切に防止される。し
たがって、上記構造では、車両の通常時におけるパワー
プラント2の固定保持を確実なものとすることができ
る。
【0029】一方、車両が前方衝突するなどして、この
車両のフロント部に対して大荷重の負荷Fが入力した場
合には、図7に示すように、上記パワープラント2の後
部のマウント状態が解除され、パワープラント2の後部
が下降することとなる。すなわち、上記負荷Fの入力が
あったときには、図8に示すように、パワープラント2
やブラケット3を車両後方へ大きな力で移動させる力が
発生するために、上記ブラケット3の脆弱部32はボル
ト5との非常に大きな当接力によって剪断するなどして
破壊される。すると、リヤマウントサポート部4におけ
るブラケット3の固定状態が解除され、これにより車両
衝突時の衝撃力が緩和される。
【0030】次いで、上記パワープラント2やブラケッ
ト3が上記固定状態の解除によって車両後方へ移動を開
始すると、図9に示すように、ブラケット3の各ガイド
面34がボルト5の外周面に当接することとなる。とこ
ろが、このガイド面34は、前上がり傾斜状であるため
に、上記ブラケット3はこのガイド面34とボルト5と
の当接ガイド作用によって強制的に下降するようにガイ
ドされることとなる。したがって、パワープラント2
は、上記ブラケット3と同様に、上記負荷入力によって
車両後方に大きく水平移動するのではなく、積極的に下
降することとなる。上記パワープラント2の下降動作
は、たとえばフロントマウントサポート部4aの連結部
を中心として行われる。また、上記パワープラント2の
後部の下降寸法は、少なくとも上記各ガイド面34の高
さ寸法Hと略同等寸法以上とすることができる。このよ
うにして、パワープラント2を積極的に下降させれば、
パワープラント2の車両後方への水平移動を抑止し、パ
ワープラント2がその後方に位置するダッシュパネルを
そのまま車両後方へ押圧したり、あるいはステアリング
ギヤボックスを車両後方に押動して、車室内のステアリ
ングホイールを車両後方へ大きく突出させるといったこ
とを抑制することができることとなる。
【0031】図10および図11は、本願発明の他の実
施形態を示す要部断面図である。
【0032】図10に示す構成では、ブラケット3のボ
ルト5が挿通する孔部31の車両前方部分に、上記孔部
31の一側部を全閉状態とする断面略円弧状の脆弱部3
2aが設けられている。この脆弱部32aは、ボルト5
との当接力が一定値を超えると破壊されるように薄肉と
されている。図11に示す構成では、ボルト5が挿通す
る孔部31の車両前方部分に、山形状または三角状に隆
起した断面形状の一対の脆弱部32b,32bを上下に
対向配置させて設けている。これらの脆弱部32b,3
2bも、ボルト5との当接力が一定値を超えると破壊さ
れるよう構成されている。このように、本願発明では、
脆弱部の具体的な構造としては、種々の構造に構成する
ことが可能であり、その具体的な構成はとくに限定され
るものではない。
【0033】その他、本願発明に係るパワープラントの
マウント構造の各部の具体的な構成は、上記実施形態に
限定されず、種々に設計変更自在である。本願発明でい
うガイド面は、要はパワープラントに連結されている所
定のブラケットが車両後方へ移動可能となったときにそ
のブラケットを積極的に下降ガイドできるように前上が
り傾斜状に形成されていればよく、その具体的な傾斜角
度や長さ寸法などは限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明が適用されたパワープラントのマウン
ト構造の一例を示す要部平面図である。
【図2】図1の側面断面図である。
【図3】図2のIII −III 断面図である。
【図4】図3のIV−IV要部断面図である。
【図5】図1に示すパワープラントのマウント構造の要
部分解斜視図である。
【図6】図1に示すパワープラントのマウント構造の要
部分解断面図である。
【図7】図1に示すパワープラントのマウント構造にお
いて車両前方から大荷重の負荷入力があった場合の状態
を示す側面断面図である。
【図8】大過重の負荷入力があった場合に脆弱部が破壊
される状態を示す要部断面図である。
【図9】ブラケットが下降ガイドされる状態を示す要部
断面図である。
【図10】本願発明の他の実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図11】本願発明の他の実施形態を示す要部断面図で
ある。
【符号の説明】
1 車体フレーム 2 パワープラント 3 ブラケット 4 リヤマウントサポート部 5 ボルト(軸体) 20 エンジン 21 トランスミッション 31 孔部 32 脆弱部 34 ガイド面
フロントページの続き (72)発明者 柿本 洋嗣 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 藤田 春男 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 溝口 聡 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のフロント部に配されたパワープラ
    ントにブラケットが連結されており、かつ上記パワープ
    ラントは、車体フレームのマウントサポート部に上記ブ
    ラケットを介して支持されている、パワープラントのマ
    ウント構造であって、 上記ブラケットには、上記マウントサポート部に略水平
    状に取付けられる軸体によってこのブラケットが上記マ
    ウントサポート部に支持されるように上記軸体が挿通す
    る孔部が設けられているとともに、上記孔部の周縁の車
    両前方部分には、上記軸体に対向する脆弱部が設けられ
    ており、かつ、 上記孔部の車両前方部分には、上記脆弱部が破壊して上
    記ブラケットが車両後方へ移動するときに上記ブラケッ
    トを下降させるように上記軸体と当接可能な前上がり傾
    斜状のガイド面が設けられていることを特徴とする、パ
    ワープラントのマウント構造。
  2. 【請求項2】 上記パワープラントは、エンジンとトラ
    ンスミッションとを組み合わせたものであり、かつこれ
    らエンジンとトランスミッションとは、上記ブラケット
    によって互いに連結されている、請求項1に記載のパワ
    ープラントのマウント構造。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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