JPH1191562A - 鉄道車両用軌間可変台車 - Google Patents

鉄道車両用軌間可変台車

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JPH1191562A
JPH1191562A JP25369097A JP25369097A JPH1191562A JP H1191562 A JPH1191562 A JP H1191562A JP 25369097 A JP25369097 A JP 25369097A JP 25369097 A JP25369097 A JP 25369097A JP H1191562 A JPH1191562 A JP H1191562A
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outer cylinder
rail
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box
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Noriaki Tokuda
田 憲 曉 徳
Makoto Ishige
毛 真 石
Toru Sato
藤 徹 佐
Yukio Minowa
輪 行 雄 箕
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Subaru Corp
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Railway Technical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車軸を回転駆動することにより左右一対の車
輪を一体に回転させる構造の鉄道車両用軌間可変台車を
提供する。 【解決手段】 駆動モータ1によって回転駆動される車
軸6上をスライド変位する車軸外筒40は、車軸アダプ
タ30により車軸6と一体に回転する。車軸外筒40に
はそれぞれ外嵌された左右一対の車輪60は、車軸外筒
40すなわち車軸6と一体に回転する。車軸外筒40に
はテーパローラベアリング45を介してロッキングブロ
ック50が取り付けられる。ロッキングブロック50は
標準軌対応位置と狭軌対応位置とにおいて軸箱20と係
合し、車軸外筒40すなわち車軸6を回転自在に支持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば新幹線と在
来線のように軌間寸法が異なるレール上を連続して走行
するために、車輪間隔を変化させることができる鉄道車
両用軌間可変台車に関し、より詳しくは車軸を回転駆動
することにより左右一対の車輪を回転させる形式の鉄道
車両用軌間可変台車に関する。
【0002】日本の鉄道においては、例えば新幹線等に
使用されている軌間寸法1435mmの標準軌と、在来
線等に使用されている軌間寸法1067mmの狭軌とが
併用されているが、軌間の異なるこれらの軌道上を連続
して走行し得る鉄道車両を開発すれば、乗客の利便性や
到達時間の短縮、鉄道建設費の低減等、そのメリットは
極めて大きい。そこで、本願の出願人は種々の鉄道車両
用軌間可変台車を開発し先に出願している。(特開平8
−253147号、特開平8−332950号、特開平
8−332951号、特願平9−93834号他)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した先
願に係る軌間可変台車はいずれもその車軸が回転しない
構造となっているため、在来電車の駆動装置とは異なる
形式の駆動装置を用いて左右一対の車輪を一体に回転駆
動するようになっている。したがって、車軸を回転駆動
することにより左右一対の車輪を一体に回転させる形式
の軌間可変台車を開発し、駆動モータにより車軸を回転
駆動する駆動装置を在来電車のそれと共用することがで
きれば、構造が簡単でばね下重量を軽減することができ
るとともに、信頼性および保守性が高く、かつ製造コス
トを低減させることができる新たな鉄道車両用軌間可変
台車を提供することができる。
【0004】しかしながら、車軸が回転する構造の軌間
可変台車においては、 回転する車軸を軸受で支持しつつ、どのようにして軌
間可変機構をコンパクトに成立させて車両限界内に収め
るか? 回転する車軸に伝達された駆動モータの回転駆動力
を、軌間が変化する車輪にどのように伝達するか? 軌間が変化する車輪に回転駆動力を伝達するために車
軸にスプラインを刻設した場合、車軸の疲労強度の低下
や、スプラインに生じるフレッティングコロージョン等
の問題点をどのように解決するか? 回転する車軸に作用する軸力をどのようにして軸箱に
伝達し、車軸をその軸線方向に支持するか? 等の解決すべき課題が存在する。
【0005】そこで、本発明の目的は、これらの種々の
技術的課題を解決し、車軸を回転駆動することにより左
右一対の車輪を一体に回転させる形式とされ、かつ駆動
モータにより車軸を回転駆動する駆動装置を在来電車の
それと共用することができる鉄道車両用軌間可変台車を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の鉄道車両用軌間可変台車は、鉄道車両の車
体を支持する台車枠に取り付けられた駆動モータと、こ
の駆動モータが出力する回転駆動力を減速して車軸を回
転駆動する減速機と、前記車軸に嵌装されて軸線方向に
スライド変位可能とされた車軸外筒と、この車軸外筒と
一体に回転しかつスライド変位する車輪と、前記車軸外
筒のスライド変位を許容しつつ前記車軸外筒を前記車軸
と一体に回転させる、前記車軸外筒と前記車軸との間に
介装された車軸外筒駆動手段と、前記車軸外筒に回転軸
受を介して取り付けられて前記車軸外筒と一体にスライ
ド変位するロッキングブロックと、前記台車枠に軸ばね
を介して支持された軸箱とを備える。そして、前記ロッ
キングブロックは、前記車輪が標準軌に対応する位置と
狭軌に対応する位置とにおいてそれぞれ前記軸箱に係止
可能とされ、かつ前記軸箱に係止された状態で前記軸受
を介して前記車軸外筒を回転自在に支持する。
【0007】好ましくは、前記車軸外筒駆動手段は、前
記車軸に外嵌される筒状部材とされ、その内周面に刻設
された雌スプラインが前記車軸の外周面に刻設された雄
スプラインと噛み合い、かつその外周面に刻設された雄
スプラインには前記車軸外筒の内周面に刻設された雌ス
プラインが前記車軸の軸線方向のスライド変位が可能に
噛み合う。また、前記車軸の外周面に形成された雄スプ
ラインおよび前記車軸外筒の内周面に形成された雌スプ
ラインを、前記車輪よりも前記車軸の軸端側に配置す
る。また、前記車軸の軸端に第2の軸受を介して取り付
けられるとともに、前記軸箱に対して前記車軸の軸線方
向に係合する軸端梁をさらに設ける。さらに、前記車軸
外筒は、前記車軸外筒と前記車軸との間に介装された樹
脂部材を介して前記車軸上をスライド変位する。
【0008】すなわち、本発明の鉄道車両用軌間可変台
車は、車軸を回転させることにより左右一対の車輪を回
転駆動する形式であるから、車軸を回転不能に固定する
とともに他の種類の駆動装置を用いて車輪を回転駆動す
る形式の軌間可変台車に比較して、そのばね下重量を低
減することができる。そして、駆動モータにより車軸を
回転させる駆動装置を在来電車のそれと共用することが
できるから、駆動装置の信頼性を在来電車と同レベルに
維持することができるとともに駆動装置の製造コストを
低減させることができる。また、一本の車軸を介して左
右一対の車輪を一体に回転させるので、車輪の踏面の勾
配に基づく自己操舵機能を活用することができる。
【0009】一方、車軸上をスライド変位する車軸外筒
に車輪を取り付けることにより、広軌に対応する位置と
狭軌に対応する位置との間で車輪を変位させ、軌間を変
更することができる。そして、車軸外筒駆動手段により
車軸外筒を車軸と一体に回転させるので、車軸外筒に取
り付けた車輪を車軸と一体に回転させることができる。
また、ロッキングブロックと車軸外筒との間に軸受を介
装するので、ロッキングブロックを車軸外筒と一体にス
ライド変位させながら、軸箱と係合するロッキングブロ
ックによって車軸外筒、すなわち車軸を回転自在に支持
することができる。
【0010】さらに、車軸の端部に第2の軸受を介して
取り付けた軸端梁が軸箱と係合することにより、車軸を
回転自在としながら軸箱に対してその軸線方向に変位不
能に固定することができる。また、車軸の外周面に形成
した雄スプラインに車軸外筒の雌スプラインを直接噛み
合わせるのではなく、車軸外筒駆動手段を介在させる構
造としたので、車軸の外周面に形成する雄スプラインお
よび車軸外筒の内周面に形成する雌スプラインを、車輪
よりも車軸の軸端側に設けることができる。これによ
り、両スプラインへの応力集中を防止して車軸および車
軸外筒の疲労強度を向上させることができるとともに、
両スプラインにフレッティングコロージョンが発生する
ことを防止することができる。また、車軸外筒は、車軸
外筒と車軸との間に介装された樹脂部材を介して車軸上
をスライド変位するので、車軸外筒を滑らかにスライド
変位させることができるとともに、車軸と車軸外筒との
固着を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明による鉄道車両用軌
間可変台車の一実施形態を、図1乃至図4を参照して詳
細に説明する。ここで、図1は車輪が標準軌に対応した
状態を右半分に、かつ車輪が狭軌に対応した状態を左半
分に示した、本発明に係る鉄道車両用軌間可変台車の要
部破断正面図、図2は図1の要部を拡大して示した断面
図、図3は図1に示した鉄道車両用軌間可変台車の要部
破断側面図、図4は車軸の曲げモーメント線図である。
なお、軌間可変台車においては左右一対の車輪回りの構
造はそれぞれ同一であるので、左右いずれかの部分につ
いて説明する。また、左右の部品を区別する際には左側
の部品を示す符号にLを付すとともに、右側の部品を示
す符号にRを付す。
【0012】図1に示した本実施形態の鉄道車両用軌間
可変台車100においては、駆動モータ1は図示されな
い台車枠に取り付けられている。そして、前記駆動モー
タ1が出力する回転駆動力は、たわみ継手2を介して減
速ギヤ3に入力し、互いに噛み合う小歯車4と大歯車5
の減速作用によって減速された後、車軸6に伝達されて
車軸6を回転させる。また、減速ギヤ3のギヤケース7
は、車軸6に嵌着されたギヤケース軸受8によって支持
されている。なお、駆動モータ1とたわみ継手2および
減速ギヤ3は、在来電車のものをそのまま共用すること
ができる。これにより、本実施形態の軌間可変台車10
0においては、駆動モータ1によって車軸6を回転駆動
する駆動装置の信頼性を在来電車と同レベルに維持する
ことができるばかりでなく、その製造コストを低減させ
ることができる。
【0013】前記車軸6の端部に形成された雄ねじ6a
部分に螺合する軸ナット9は、軸端梁10を車軸6の端
部に取り付ける第2の軸受としてのスラストベアリング
11を車軸6に固定している。前記軸端梁10は、図3
に示したように、軌間可変台車100の前後方向(図示
左右方向)にそれぞれ延びる一対の支持腕12を有して
いる。前記支持腕12の先端にそれぞれ螺着された一対
のガイドピン13は、上方(図示上方向)に向かって突
出し、軸箱20に凹設されたガイドホール21と上下方
向にスライド可能に嵌合している。なお、前述した先願
に記載したように軌間変更時に車軸6を軸箱20に対し
て下方に変位させても、前記軸端梁10のガイドピン1
3と軸箱20のガイドホール21との係合は解除されな
い。これにより、通常走行時および軌間変更時のいずれ
においても、車軸6は軸箱20に支持されて軸線方向に
相対変位せず、車軸6を回転駆動する減速ギヤ3に無理
な力が負荷されることはない。
【0014】前記車軸6には、図2に拡大して示したよ
うに車軸外筒駆動手段としての車軸アダプタ30が取り
付けられている。この車軸アダプタ30は金属製の段付
き円筒部材とされている。そして、その軸端側内周面3
1に形成された雌スプラインが車軸6の外周面に形成さ
れた雄スプライン6cと噛み合うことにより、この車軸
アダプタ30は車軸6と一体に回転する。また、この車
軸アダプタ30の車輪側内周面32は、車軸6の平滑部
6dに外嵌している。また、この車軸アダプタ30の外
周面には、個々の歯が車軸6の軸線方向に延びる雄スプ
ライン33が形成されている。一方、この車軸アダプタ
30は、その車輪側端部34が車軸6の段付き部6eに
当接するとともに、その軸端側端部35には車軸6の平
滑部6bに外嵌して保持された環状のスペーサ36が当
接している。これにより、この車軸アダプタ30は、ス
ラストベアリング11の内輪およびスペーサ36を介し
て軸ナット9によって車輪側に押圧され、前記段付き部
6eに当接した状態で車軸6に対してその軸線方向に変
位不能に固定されている。
【0015】図1に示したように、車軸6には円筒状の
車軸外筒40がスライド自在に外嵌されている。そし
て、この車軸外筒40の車輪側に形成された本体部分4
1の内周面には、自己潤滑性を有する例えばテフロン等
の樹脂材料から製造された、薄板状の精密樹脂プレート
42が嵌装されている。これにより、車軸外筒40は前
記精密樹脂プレート42を介して車軸6の平滑面6f上
を滑らかにスライドすることができ、かつ両者が互いに
固着することが防止される。なお、前記本体部分41と
車軸6との接触面積は、車軸6に負荷される重量を十分
に負担できるように設定されるとともに、前記精密樹脂
プレート42を、ガラス繊維若しくは炭素繊維等により
補強された複合材とすることもできる。
【0016】また、前記車軸外筒40の軸端側部分43
の内周面に形成された雌スプライン44は、前記車軸ア
ダプタ30の外周面に形成された雄スプライン33と、
車軸6の軸線方向にスライド可能に噛み合っている。そ
して、前記雌スプライン44の内径は車軸6の前記平滑
面6fの外径よりも大きく設定されており、車軸外筒4
0は車軸6と一体に回転しつつ車軸6上を往復スライド
できるようにされている。さらに、前記軸端側部分43
の外周面に取り付けられたテーパローラベアリング45
は、車軸外筒40の段付き部分46に係合するスペーサ
47と軸端側端部に螺合するナット48とにより、この
車軸外筒40に対して軸線方向に変位不能に固定されて
いる。
【0017】図2に示したように、前記車軸外筒40に
は、前記テーパローラベアリング45によってロッキン
グブロック50が取り付けられている。このロッキング
ブロック50の上面には、車軸6の軸線方向に所定の間
隔を開けて配置された一対の係合突起51,52が突設
されている。これらの係合突起51,52は、前述した
先願に詳述されているように、軸箱20の係合孔24に
防振ユニット25を介して係合可能とされている。そし
て、図1の左端側に示した狭軌対応状態では、ロッキン
グブロック50の軸端側の係合突起51が軸箱20と係
合する。これに対して、図1の右端側に示した標準軌対
応状態では、ロッキングブロック50の車輪側の係合突
起52が軸箱20と係合するとともに、軸端側の係合突
起51は軸箱20に貫設された逃げ孔26内に遊嵌され
る。
【0018】また、図2に示したように、車軸外筒40
の前記本体部分41には車輪60が外嵌されている。こ
れにより、車輪60は車軸外筒40と一体に回転すると
ともに、標準軌に対応する位置と狭軌に対応する位置と
の間で車軸外筒40と一体に車軸6上をスライド変位可
能とされている。
【0019】ところで、本実施形態の軌間可変台車10
0においては、鉄道車両の車体側から負荷される重量
は、軸箱20、ロッキングブロック50、テーパローラ
ベアリング45、車軸外筒40を介して車軸6に負荷さ
れる。このとき、本実施形態の軌間可変台車100にお
いては、車軸アダプタ30を介して車軸6から車軸外筒
40に回転駆動力を伝達する構造とされている。これに
より、車軸6の軸端に形成された前記雄スプライン6c
と車軸外筒40の雌スプライン44を、図1に示したよ
うに、車輪60もより車軸6の軸端側に位置するように
配置するとともに、車軸6の車輪直下部分6f部分を平
滑とすることができる。一方、図4に示した車軸6の曲
げモーメント線図から明らかなように、車軸6に負荷さ
れる曲げモーメントは、車輪60から車軸6の軸端側に
近づけば近づくほど小さくなる。これにより、車軸6の
雄スプライン6cと車軸外筒40の雌スプライン44と
に負荷される曲げモーメントを減少させ、両スプライン
6c,44における応力集中を防止するとともに、車軸
6および車軸外筒40の疲労強度の低下を抑制すること
ができる。
【0020】次に、上述した本実施形態の軌間可変台車
100の作動について説明する。車輪60が走行レール
R上を転動する通常走行時には、車軸6は駆動モータ1
によって駆動されて回転する。そして、左右一対の車輪
60L,60Rは、左右一対の車軸外筒40L,40R
と左右一対の車軸アダプタ30L,30Rとを介して、
車軸6と一体に回転する。これにより、車輪60の踏面
の勾配に基づく自己操舵機能を活用することができる。
【0021】一方、回転する車軸6は、軸箱20に係合
するロッキングブロック50と、テーパローラベアリン
グ45および車軸外筒40を介して、軸箱20により回
転自在に支持される。そして、軸箱20に作用する外力
は、ロッキングブロック50,テーパローラベアリング
45,車軸外筒40を介して車輪60に伝達される。
【0022】軌間変更時には、軸箱20の下端部に取り
付けられた車体支持ローラ27が車体支持レール28上
を転動することにより、車体は前記車体支持レール28
によって支持される。そして、この状態において、車軸
6は、車軸外筒40とテーパローラベアリング45およ
びロッキングブロック50と一体に、軸箱20に対して
下方に変位する。しかしながら、この状態においても軸
端梁10のガイドピン13と軸箱20のガイドホール2
1との係合は解除されず、車軸6は軸箱20に対してそ
の車軸方向に位置決めされている。これにより、前述し
た先願(特開平8−332951号)に記載されたよう
に車輪60が車軸6の軸線方向に変位させられても、車
軸6がその軸線方向に変位することはない。
【0023】そして、車輪60の軌間変更操作が終了す
ると、車軸6は車軸外筒40とテーパローラベアリング
45およびロッキングブロック50と一体に、軸箱20
に向かって上方に変位させられる。このとき、ロッキン
グブロック50は、テーパローラベアリング45の作用
により、車軸外筒40の回りに傾動した状態で上方に変
位させられる場合がある。しかしながら、ロッキングブ
ロック50は、図3に示したようにその前後(図示左右
方向)の側面53,54が上にいくほど互いの間隔が狭
まるテーパ状に形成され、軸箱20と上下方向にテーパ
嵌合するようにされている。これにより、軌間変更終了
時にロッキングブロック50が傾動した状態で上方に変
位させられても、ロッキングブロック50は軸箱20に
よってその姿勢が正されるので、係合突起51,52を
確実に軸箱20の係合孔24に係合させることができ
る。なお、ロッキングブロック50と軸箱20とがテー
パ嵌合する部分には、緩衝材55が取り付けられ、両者
の衝接により異音が生じることはない。
【0024】すなわち、本実施形態の軌間可変台車10
0は、車軸6を回転駆動することにより左右一対の車輪
60L,60Rを回転させる構造とされているので、車
軸を回転不能に固定するとともに他の駆動装置を用いて
車輪を回転駆動する形式の軌間可変台車に比較して、そ
のばね下重量を低減することができる。そして、駆動モ
ータ1により車軸6を回転させる駆動装置を在来電車の
それと共用することができるから、駆動装置の信頼性を
在来電車と同レベルに維持することができるとともに駆
動装置の製造コストを低減させることができる。また、
一本の車軸6を介して左右一対の車輪60L,60Rを
一体に回転させるので、車輪の踏面の勾配に基づく自己
操舵機能を利用することができる。また、車軸外筒40
とロッキングブロック50との間にテーパローラベアリ
ング45を介装する構造とされているので、車軸6を回
転自在に支持する機構と左右一対の車輪60L,60R
を軌間変更可能に支持する機構とを、極めてコンパクト
にまとめることができ、車両限界の内側に容易に収める
ことができる。また、車軸の外周面に形成した雄スプラ
インに車軸外筒の雌スプラインを直接噛み合わせるので
はなく、車軸6と車軸外筒40との間に車軸アダプタ3
0を介在させる構造としたので、車軸6の外周面に形成
した雄スプライン6cおよび車軸外筒40の内周面に形
成した雌スプライン44を、車輪60よりも車軸6の軸
端側に設けることができる。これにより、両スプライン
6c,44への応力集中を防止して車軸6および車軸外
筒40の疲労強度の低下を抑制することができるととも
に、両スプライン6c,44におけるフレッティングコ
ロージョンの発生を防止することができる。また、車軸
外筒40は、車軸外筒40と車軸6との間に介装された
精密樹脂プレート42(樹脂部材)上をスライド変位す
るので、車軸と車軸外筒との固着を防止して車軸外筒を
滑らかにスライド変位させることができる。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の鉄道車両用軌間可変台車は、車軸を回転させることに
より左右一対の車輪を回転駆動する形式であるから、車
軸を回転不能に固定するとともに他の駆動装置を用いて
車輪を回転駆動する形式の軌間可変台車に比較し、その
ばね下重量を低減することができる。また、左右一対の
車輪を駆動するための駆動装置が、駆動モータと車軸と
の間の隙間内には配置されないので、駆動モータをより
大型化して出力を向上させることができる。そして、駆
動モータにより車軸を回転させる駆動装置を在来電車の
それと共用することができるから、駆動装置の信頼性を
在来電車と同レベルに維持することができるとともに駆
動装置の製造コストを低減させることができる。また、
一本の車軸を介して左右一対の車輪を一体に回転させる
ので、車輪の踏面の勾配に基づく自己操舵機能を利用す
ることができる。また、車軸外筒とロッキングブロック
との間に軸受を介装し、軸箱に係合するロッキングブロ
ックにより車軸外筒すなわち車軸を回転自在に支持する
構造としたので、車軸を回転自在に支持する機構と車輪
を軌間変更可能に支持する機構とを極めてコンパクトに
まとめることができ、車両限界の内側に容易に収めるこ
とができる。また、車軸と車軸外筒との間に車軸外筒駆
動手段を介装したことにより、車軸の外周面に形成する
雄スプラインおよび軸外筒の内周面に形成する雌スプラ
インを、車輪よりも車軸の軸端側に配置することができ
る。これにより、これらのスプライン部分への応力集中
を防止して車軸および車軸外筒の疲労強度の低下を抑制
することができるとともに、これらのスプラインにフレ
ッティングコロージョンが発生することを防止すること
ができる。また、車軸外筒は、車軸外筒と車軸との間に
介装された樹脂部材を介して車軸上を滑らかにスライド
変位するので、軌間変更を滑らかに行うことができると
ともに、車軸と車軸外筒との固着を確実に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車輪が標準軌に対応した状態を右半分に、かつ
車輪が狭軌に対応した状態を左半分に示した、本発明に
係る鉄道車両用軌間可変台車の要部破断正面図。
【図2】図1の要部を拡大して示した断面図。
【図3】図1に示した鉄道車両用軌間可変台車の要部破
断側面図。
【図4】車軸の曲げモーメント線図。
【符号の説明】
B ブラケット C 揺動軸 D 台車枠 L 車両限界 R 走行レール S ショックアブソーバ 1 駆動モータ 2 たわみ継手 3 減速ギヤ 4 小歯車 5 大歯車 6 車軸 7 ギヤケース 8 ギヤケース軸受 9 軸ナット 10 軸端梁 11 スラストベアリング 12 支持腕 13 ガイドピン 20 軸箱 21 ガイドホール 22 軸はり 23 軸ばね 24 係合孔 25 防振ユニット 26 逃げ孔 27 車体支持ローラ 28 車体支持レール 30 車軸アダプタ 31 内周面(雌スプライン) 32 内周面 33 雄スプライン 34 車輪側端部 35 軸端側端部 36 スペーサ 40 車軸外筒 41 本体部分 42 精密樹脂プレート 43 軸端側部分 44 雌スプライン 45 テーパローラベアリング 46 段付き部分 47 スペーサ 48 ナット 50 ロッキングブロック 51,52 係合突起 53,54 側面 55 緩衝材 60 車輪 100 本発明による鉄道車両用軌間可変台車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐 藤 徹 東京都三鷹市大沢三丁目9番6号 株式会 社スバル研究所内 (72)発明者 箕 輪 行 雄 東京都三鷹市大沢三丁目9番6号 株式会 社スバル研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄道車両の車体を支持する台車枠に取り付
    けられた駆動モータと、この駆動モータが出力する回転
    駆動力を減速して車軸を回転駆動する減速機と、前記車
    軸に嵌装されて軸線方向にスライド変位可能とされた車
    軸外筒と、この車軸外筒と一体に回転しかつスライド変
    位する車輪と、前記車軸外筒のスライド変位を許容しつ
    つ前記車軸外筒を前記車軸と一体に回転させる、前記車
    軸外筒と前記車軸との間に介装された車軸外筒駆動手段
    と、前記車軸外筒に回転軸受を介して取り付けられて前
    記車軸外筒と一体にスライド変位するロッキングブロッ
    クと、前記台車枠に軸ばねを介して支持された軸箱とを
    備え、 前記ロッキングブロックは、前記車輪が標準軌に対応す
    る位置と狭軌に対応する位置とにおいてそれぞれ前記軸
    箱に係止可能とされ、かつ前記軸箱に係止された状態で
    前記軸受を介して前記車軸外筒を回転自在に支持するこ
    とを特徴とする鉄道車両用軌間可変台車。
  2. 【請求項2】前記車軸外筒駆動手段は、前記車軸に外嵌
    される筒状部材とされ、その内周面に刻設された雌スプ
    ラインが前記車軸の外周面に刻設された雄スプラインと
    噛み合い、かつその外周面に刻設された雄スプラインに
    は前記車軸外筒の内周面に刻設された雌スプラインが前
    記車軸の軸線方向のスライド変位が可能に噛み合うこと
    を特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用軌間可変台
    車。
  3. 【請求項3】前記車軸の外周面に形成された雄スプライ
    ンおよび前記車軸外筒の内周面に形成された雌スプライ
    ンを、前記車輪よりも前記車軸の軸端側に配置したこと
    を特徴とする請求項2に記載の鉄道車両用軌間可変台
    車。
  4. 【請求項4】前記車軸の軸端に第2の軸受を介して取り
    付けられるとともに、前記軸箱に対して前記車軸の軸線
    方向に係合する軸端梁をさらに備えることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の鉄道車両用軌間可変
    台車。
  5. 【請求項5】前記車軸外筒は、前記車軸外筒と前記車軸
    との間に介装された樹脂部材を介して前記車軸上をスラ
    イド変位することを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の鉄道車両用軌間可変台車。
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