JPH119122A - 排水桝及び該排水桝を使用した排水施設の施工方法 - Google Patents
排水桝及び該排水桝を使用した排水施設の施工方法Info
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- JPH119122A JPH119122A JP16222697A JP16222697A JPH119122A JP H119122 A JPH119122 A JP H119122A JP 16222697 A JP16222697 A JP 16222697A JP 16222697 A JP16222697 A JP 16222697A JP H119122 A JPH119122 A JP H119122A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】水田から流れる沈澱物や浮遊物を排水桝に残留
した段階で沈澱物や浮遊物の除去を可能とし、管路の排
水管や排水路に通水障害を生じさせない。 【解決手段】底板23と相互に対向する側壁21及び側
壁22とにより有底箱状体に形成し、水田1の排出口1
8に配置される一方側壁21aの一端部に、中干敷13
の高さに位置決めされる水平な落水ゲート25を有する
落水口24を形成し、該一方側壁21aの内側で落水ゲ
ート25よりやや下に水平に受部31を設けると共に、
対向する他方側壁21bの内側で前記受部31と対応す
る位置に受部31を設け、該受部31、31間に除塵体
3を掛け渡して載置し、前記底板23には落水口24か
ら遠く、流速が減勢される位置に排水口26を設け、該
排水口26に落水ゲート25よりやや低い高さの越流筒
5を立設した。
した段階で沈澱物や浮遊物の除去を可能とし、管路の排
水管や排水路に通水障害を生じさせない。 【解決手段】底板23と相互に対向する側壁21及び側
壁22とにより有底箱状体に形成し、水田1の排出口1
8に配置される一方側壁21aの一端部に、中干敷13
の高さに位置決めされる水平な落水ゲート25を有する
落水口24を形成し、該一方側壁21aの内側で落水ゲ
ート25よりやや下に水平に受部31を設けると共に、
対向する他方側壁21bの内側で前記受部31と対応す
る位置に受部31を設け、該受部31、31間に除塵体
3を掛け渡して載置し、前記底板23には落水口24か
ら遠く、流速が減勢される位置に排水口26を設け、該
排水口26に落水ゲート25よりやや低い高さの越流筒
5を立設した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水田の水の流出
口に当たる畦畔等に設置して、田面や稲刈り時に中干敷
から流れる土砂等の沈澱物や藁屑等の浮遊物を流入させ
る排水桝及び該排水桝を使用した排水施設の施工方法に
関する。
口に当たる畦畔等に設置して、田面や稲刈り時に中干敷
から流れる土砂等の沈澱物や藁屑等の浮遊物を流入させ
る排水桝及び該排水桝を使用した排水施設の施工方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】図19〜24において、水田fにおいて
稲刈り時には田面f2を乾燥させるために、図19のよ
うに稲f4列の両側に深さほぼ10〜15cm程度の中
干敷f3を堀り、該中干敷f3の水の排出口に当たる畦
畔に桝aを設置し、該桝aに流入した水田fの水は取付
管a1を介して排水路gに排出する構成にしている。前
記桝aは、図21〜図22のように、ほぼ長方形の底板
eと4方を側壁b、b1、b2で囲成して箱体に形成さ
れ、対向する側壁の一方側壁b1には落水口cを設け、
他方側壁b2には排水口dを設け、排水口dは底板eの
高さとほぼ同一高さとしている。また、図23、24の
ように排水口dを高い位置に形成した排水桝aもある。
稲刈り時には田面f2を乾燥させるために、図19のよ
うに稲f4列の両側に深さほぼ10〜15cm程度の中
干敷f3を堀り、該中干敷f3の水の排出口に当たる畦
畔に桝aを設置し、該桝aに流入した水田fの水は取付
管a1を介して排水路gに排出する構成にしている。前
記桝aは、図21〜図22のように、ほぼ長方形の底板
eと4方を側壁b、b1、b2で囲成して箱体に形成さ
れ、対向する側壁の一方側壁b1には落水口cを設け、
他方側壁b2には排水口dを設け、排水口dは底板eの
高さとほぼ同一高さとしている。また、図23、24の
ように排水口dを高い位置に形成した排水桝aもある。
【0003】
(1)対向側面b1、b2にそれぞれ落水口cと排出口
dを設けた桝aでは流入水は落水口cからと排出口dへ
ほとんど直線的に流れる。その結果、落水口cから排水
桝a内に流入する土砂等の沈澱物や藁屑等の浮遊物は、
桝a内に溜る時間もなく直接桝aの排水口dから取出管
a1及び排水路gに流出して沈滞するため、排水路等の
施設の維持管理費の増嵩や環境悪化の原因になるという
問題点がある。 (2)従来の管水路及び暗渠等の管路設計の際は、管路
内の流速を一定以上に設定し、管路内に流入した総ての
沈澱物や浮遊物を流去させる手段を採用せざるを得な
い。その結果、地形上緩い勾配の水田の圃場整備の際
に、管路を地下に埋設した場合には管路内の流速を大き
くとれないため、管路の排水路が出来ないという問題が
あった。他方、排水路を管路で形成した場合は、圃場内
の小排水路に分散沈滞していた土砂等の沈澱物や藁屑等
の浮遊物は総て排水路に流出し、排水路に土砂等の沈澱
物や藁屑等の浮遊物が局部堆積し排水の流れを阻害する
という問題点がある。 (3)従来の排水口dを高い位置に設けた桝a(図2
3、24)は、桝a内に石ころ等を溜めようとしたもの
で、理論的根拠に基づくものではない。仮に土砂等の沈
澱物や藁屑等の浮遊物が沈滞しても、沈澱物や浮遊物の
除去が容易に出来ないという問題があった。 そこで、発明が解決しようとする課題は、水田から流れ
る土砂等の沈澱物や藁屑等の浮遊物を排水桝内に残留さ
せ、該排水桝に残留した段階で沈澱物や浮遊物の除去を
可能とし、沈殿物や浮遊物で管路の排水管や排水路に通
水障害を生じさせない排水桝を使用した排水施設の施工
方法の提供を目的としている。
dを設けた桝aでは流入水は落水口cからと排出口dへ
ほとんど直線的に流れる。その結果、落水口cから排水
桝a内に流入する土砂等の沈澱物や藁屑等の浮遊物は、
桝a内に溜る時間もなく直接桝aの排水口dから取出管
a1及び排水路gに流出して沈滞するため、排水路等の
施設の維持管理費の増嵩や環境悪化の原因になるという
問題点がある。 (2)従来の管水路及び暗渠等の管路設計の際は、管路
内の流速を一定以上に設定し、管路内に流入した総ての
沈澱物や浮遊物を流去させる手段を採用せざるを得な
い。その結果、地形上緩い勾配の水田の圃場整備の際
に、管路を地下に埋設した場合には管路内の流速を大き
くとれないため、管路の排水路が出来ないという問題が
あった。他方、排水路を管路で形成した場合は、圃場内
の小排水路に分散沈滞していた土砂等の沈澱物や藁屑等
の浮遊物は総て排水路に流出し、排水路に土砂等の沈澱
物や藁屑等の浮遊物が局部堆積し排水の流れを阻害する
という問題点がある。 (3)従来の排水口dを高い位置に設けた桝a(図2
3、24)は、桝a内に石ころ等を溜めようとしたもの
で、理論的根拠に基づくものではない。仮に土砂等の沈
澱物や藁屑等の浮遊物が沈滞しても、沈澱物や浮遊物の
除去が容易に出来ないという問題があった。 そこで、発明が解決しようとする課題は、水田から流れ
る土砂等の沈澱物や藁屑等の浮遊物を排水桝内に残留さ
せ、該排水桝に残留した段階で沈澱物や浮遊物の除去を
可能とし、沈殿物や浮遊物で管路の排水管や排水路に通
水障害を生じさせない排水桝を使用した排水施設の施工
方法の提供を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】課題を解決する手段とし
て、一定流量に対する排水桝の大きさと流速の関係・流
速が及ぼす土砂の粒径と沈澱の関係及び浮遊物の残留方
法について実験を行った結果、次の解決手段を発明し
た。第1の発明の排水桝では、底板23と相互に対向す
る側壁21及び側壁22とにより有底箱状体に形成し、
水田1の排出口18に配置される一方側壁21aの一端
部に、中干敷13の高さに位置決めされる水平な落水ゲ
ート25を有する落水口24を形成し、該一方側壁21
aの内側で落水ゲート25よりやや下に水平に受部31
を設けると共に、対向する他方側壁21bの内側で前記
受部31と対応する位置に受部31を設け、該受部3
1、31間に除塵体3を掛け渡して載置し、前記底板2
3には落水口24から遠く、流速が減勢される位置に排
水口26を設け、該排水口26に落水ゲート25よりや
や低い高さの越流筒5を立設したことを特徴としてい
る。前記越流筒5には、その下部に水切用の孔51を設
けてもよい。また、排水桝2内の底板23上に、該底板
23よりやや幅狭で越流筒5の位置に該越流筒5よりや
や大きい径の筒体45を立設し底板43の3辺に水切用
の小孔42を設けた側壁41をコ字状に立設し、対向側
壁41に引き上げ用把手44を設けた泥受4を載置して
もよい。更に、前記越流筒5の上部に、スリットを設け
た除塵筒3aを設置してもよい。
て、一定流量に対する排水桝の大きさと流速の関係・流
速が及ぼす土砂の粒径と沈澱の関係及び浮遊物の残留方
法について実験を行った結果、次の解決手段を発明し
た。第1の発明の排水桝では、底板23と相互に対向す
る側壁21及び側壁22とにより有底箱状体に形成し、
水田1の排出口18に配置される一方側壁21aの一端
部に、中干敷13の高さに位置決めされる水平な落水ゲ
ート25を有する落水口24を形成し、該一方側壁21
aの内側で落水ゲート25よりやや下に水平に受部31
を設けると共に、対向する他方側壁21bの内側で前記
受部31と対応する位置に受部31を設け、該受部3
1、31間に除塵体3を掛け渡して載置し、前記底板2
3には落水口24から遠く、流速が減勢される位置に排
水口26を設け、該排水口26に落水ゲート25よりや
や低い高さの越流筒5を立設したことを特徴としてい
る。前記越流筒5には、その下部に水切用の孔51を設
けてもよい。また、排水桝2内の底板23上に、該底板
23よりやや幅狭で越流筒5の位置に該越流筒5よりや
や大きい径の筒体45を立設し底板43の3辺に水切用
の小孔42を設けた側壁41をコ字状に立設し、対向側
壁41に引き上げ用把手44を設けた泥受4を載置して
もよい。更に、前記越流筒5の上部に、スリットを設け
た除塵筒3aを設置してもよい。
【0005】第2の発明の排水桝では、底板23と相互
に対向する側壁21及び側壁22とにより有底箱状体に
形成し、水田1の排出口18に配置される一方側壁21
aの一端部に、中干敷13の高さに位置決めされる水平
な落水ゲート25を有する落水口24を形成し、該一方
側壁21aの内側で落水ゲート25よりやや下に水平に
受部31を設けると共に、対向する他方側壁21bの内
側で前記受部31と対応する位置に受部31を設け、該
受部31、31間に除塵体3を掛け渡して載置し、前記
底板23には落水口24から遠く、流速が減勢される位
置に排水口26を設け、該排水口26近傍に落水ゲート
25よりやや低い高さの越流板5aを排水桝2a内を仕
切るように立設したことを特徴としている。前記水切用
の小孔42を穿設した側壁41をコ字状に立設し、対向
側壁41に引き上げ用把手44を設けた泥受4aを越流
板5aを境にして落水口24寄りの排水桝2a内の底板
23上に載置してもよい。また、前記越流板5aの下部
に水切用の小孔51を設けるのがよい。更に、前記越流
板5aの上部に除塵格子体3bを一体設してもよい。
に対向する側壁21及び側壁22とにより有底箱状体に
形成し、水田1の排出口18に配置される一方側壁21
aの一端部に、中干敷13の高さに位置決めされる水平
な落水ゲート25を有する落水口24を形成し、該一方
側壁21aの内側で落水ゲート25よりやや下に水平に
受部31を設けると共に、対向する他方側壁21bの内
側で前記受部31と対応する位置に受部31を設け、該
受部31、31間に除塵体3を掛け渡して載置し、前記
底板23には落水口24から遠く、流速が減勢される位
置に排水口26を設け、該排水口26近傍に落水ゲート
25よりやや低い高さの越流板5aを排水桝2a内を仕
切るように立設したことを特徴としている。前記水切用
の小孔42を穿設した側壁41をコ字状に立設し、対向
側壁41に引き上げ用把手44を設けた泥受4aを越流
板5aを境にして落水口24寄りの排水桝2a内の底板
23上に載置してもよい。また、前記越流板5aの下部
に水切用の小孔51を設けるのがよい。更に、前記越流
板5aの上部に除塵格子体3bを一体設してもよい。
【0006】第3の発明の排水桝では、底板23と相互
に対向する側壁21及び側壁22とにより有底箱状体に
形成し、水田1の排出口18に配置される一方側壁21
aのほぼ中央に、中干敷13の高さに位置決めされる水
平な落水ゲート25を有する落水口24を形成し、前記
底板23にはほぼ中央に排水口26を設けた桝本体2b
内に、落水ゲート25よりやや低い高さの側壁61と底
板23より幅狭の底板63とで箱状体に形成し、該底板
63の四隅に脚66を設けた籠体6を側壁21、22と
は一定隙間をもって配置することを特徴としている。前
記落水口24の内側位置で、籠体6の側壁64上に除塵
体3を配置してもよい。又前記籠体6は、一方側壁21
a側を除く3側壁61の上部にスリット65aを設けた
除塵部65を形成してもよい。また、前記籠体6の側壁
61には、その下部に水抜用の小孔67を穿設するのが
よい。更に、上述の排水桝2、2a、2bの一方側壁2
1aの落水口24の対向面には堰板ガイド溝27を設
け、該堰板ガイド溝27に水稲生育時の水位を調整する
堰板Sを配置してもよい。
に対向する側壁21及び側壁22とにより有底箱状体に
形成し、水田1の排出口18に配置される一方側壁21
aのほぼ中央に、中干敷13の高さに位置決めされる水
平な落水ゲート25を有する落水口24を形成し、前記
底板23にはほぼ中央に排水口26を設けた桝本体2b
内に、落水ゲート25よりやや低い高さの側壁61と底
板23より幅狭の底板63とで箱状体に形成し、該底板
63の四隅に脚66を設けた籠体6を側壁21、22と
は一定隙間をもって配置することを特徴としている。前
記落水口24の内側位置で、籠体6の側壁64上に除塵
体3を配置してもよい。又前記籠体6は、一方側壁21
a側を除く3側壁61の上部にスリット65aを設けた
除塵部65を形成してもよい。また、前記籠体6の側壁
61には、その下部に水抜用の小孔67を穿設するのが
よい。更に、上述の排水桝2、2a、2bの一方側壁2
1aの落水口24の対向面には堰板ガイド溝27を設
け、該堰板ガイド溝27に水稲生育時の水位を調整する
堰板Sを配置してもよい。
【0007】第4の発明の排水桝を使用した排水施設の
施工方法では、上述の排水桝2、2a、2bは、その落
水ゲート25を水田1の水の排出口18であって、中干
敷13の高さ位置に位置合わせして設置し、該排水桝
2、2a、2bの底板23の排水口26に取付管16の
一方端を取り付けると共に、該取付管16の他方端の下
流側に排水管17を取り付けている。
施工方法では、上述の排水桝2、2a、2bは、その落
水ゲート25を水田1の水の排出口18であって、中干
敷13の高さ位置に位置合わせして設置し、該排水桝
2、2a、2bの底板23の排水口26に取付管16の
一方端を取り付けると共に、該取付管16の他方端の下
流側に排水管17を取り付けている。
【0008】降雨時や稲作の排水管理時に、土砂等の沈
澱物や藁屑等の浮遊物が混入した水田1の水Wが落水口
24から流入し、除塵体3を通過して湛水の後、越流筒
5を越流して排水口26から排水桝2外へ流出させる。
除塵体3上に残留した浮遊物等は、受部31から除塵体
3を外し、排水桝2の外へ捨てる。その後除塵体3は受
部31に載置して戻す。
澱物や藁屑等の浮遊物が混入した水田1の水Wが落水口
24から流入し、除塵体3を通過して湛水の後、越流筒
5を越流して排水口26から排水桝2外へ流出させる。
除塵体3上に残留した浮遊物等は、受部31から除塵体
3を外し、排水桝2の外へ捨てる。その後除塵体3は受
部31に載置して戻す。
【0009】
【発明の実施の態様】本発明のうちの第1の発明の排水
桝を図4、5、6で説明すると、排水桝2は、長さが1
000〜1500mm、幅400〜600mm、高さが
1000〜1500mm程度の大きさの桝で、長方形状
の底板23と、相互に対向する側壁21及び側壁22と
により有底箱状体に形成されていて、水田1の排出口1
8に配置される一方側壁21aの後側端部には、中干敷
13の高さに位置決めされる水平な落水ゲート25を有
する落水口24が形成されている。前記側壁21、22
の上部は水田1の最大水位より高く形成されている。な
お、中干敷13は稲刈り時に田面12を乾燥させるため
に田面12に掘る排水溝をいう。また、一方側壁21a
の内側で落水ゲート25よりやや下には、水平に受部3
1が設けられ、又対向する他方側壁21bの内側で前記
受部31と対応する位置に受部31が設けられていて、
該受部31、31間には流入水で圧力がかかっても動か
ないように除塵体3が掛け渡して載置されている。この
除塵体3は、水田1から水Wと一緒に流入する藁屑等の
浮遊物を残留させ、浮遊物が排水桝2内に入らないよう
に、スロットという目皿、所定の隙間で格子状に形成し
たもの、網状の除塵体が用いられる。前記除塵体3に溜
った雑物時には、除塵体3を受部31から外して排水桝
2外へ捨てて処理する。更に、排水桝2の底板23には
落水口24から遠く、流速が減勢される位置、例えば図
示のように落水口24側とは反対側の前側に排水口26
が設けられ、該排水口26には落水ゲート25よりやや
低い高さの、円形又は方形の薄板から形成される越流筒
5が立設されている。この越流筒5及び後述する越流板
5aは、落水口24から流入してきた土砂等の沈澱物を
排水桝2の底板23に沈澱させるために落水ゲート25
よりやや低い高さに形成し、排水桝2内おける流入水の
流速を減勢させている。前記越流筒5には、その下部に
1mm程度の径の水切用の孔51が設け、排水桝2内の
沈澱物の水分を除去して取り扱いを容易にし、かつ高温
下での長期湛水による水質悪化等による環境悪化を防止
している。沈澱物は排水桝2の底板23に直接沈澱させ
てスコップ等で外部に排出してもよいが、排水桝2内の
底板23上に、沈澱物等の残留物を溜める泥受4を乗載
してもよい。この泥受4は、排水桝2内の上下動が可能
に、底板43は底板23よりやや幅狭に形成し、越流筒
5の位置に該越流筒5よりやや大きい径の筒体45を立
設し、該底板43の3辺に水切用の小孔42を設けた側
壁41をコ字状に立設し、対向側壁41に引き上げ用把
手44が設けられている。前記側壁41の高さは、雑物
の沈積厚さを想定して寸法を決める。また、図13のよ
うに、越流筒5の上部に、スリットを設けた除塵筒3a
を設置してもよい。藁屑等の浮遊物は除塵体3を配置し
ないくても除塵筒3aで受け止めることができる。ま
た、除塵体3と併用することによって除塵体3を通過し
た浮遊物等を除塵筒3aで受け止めることができる。
桝を図4、5、6で説明すると、排水桝2は、長さが1
000〜1500mm、幅400〜600mm、高さが
1000〜1500mm程度の大きさの桝で、長方形状
の底板23と、相互に対向する側壁21及び側壁22と
により有底箱状体に形成されていて、水田1の排出口1
8に配置される一方側壁21aの後側端部には、中干敷
13の高さに位置決めされる水平な落水ゲート25を有
する落水口24が形成されている。前記側壁21、22
の上部は水田1の最大水位より高く形成されている。な
お、中干敷13は稲刈り時に田面12を乾燥させるため
に田面12に掘る排水溝をいう。また、一方側壁21a
の内側で落水ゲート25よりやや下には、水平に受部3
1が設けられ、又対向する他方側壁21bの内側で前記
受部31と対応する位置に受部31が設けられていて、
該受部31、31間には流入水で圧力がかかっても動か
ないように除塵体3が掛け渡して載置されている。この
除塵体3は、水田1から水Wと一緒に流入する藁屑等の
浮遊物を残留させ、浮遊物が排水桝2内に入らないよう
に、スロットという目皿、所定の隙間で格子状に形成し
たもの、網状の除塵体が用いられる。前記除塵体3に溜
った雑物時には、除塵体3を受部31から外して排水桝
2外へ捨てて処理する。更に、排水桝2の底板23には
落水口24から遠く、流速が減勢される位置、例えば図
示のように落水口24側とは反対側の前側に排水口26
が設けられ、該排水口26には落水ゲート25よりやや
低い高さの、円形又は方形の薄板から形成される越流筒
5が立設されている。この越流筒5及び後述する越流板
5aは、落水口24から流入してきた土砂等の沈澱物を
排水桝2の底板23に沈澱させるために落水ゲート25
よりやや低い高さに形成し、排水桝2内おける流入水の
流速を減勢させている。前記越流筒5には、その下部に
1mm程度の径の水切用の孔51が設け、排水桝2内の
沈澱物の水分を除去して取り扱いを容易にし、かつ高温
下での長期湛水による水質悪化等による環境悪化を防止
している。沈澱物は排水桝2の底板23に直接沈澱させ
てスコップ等で外部に排出してもよいが、排水桝2内の
底板23上に、沈澱物等の残留物を溜める泥受4を乗載
してもよい。この泥受4は、排水桝2内の上下動が可能
に、底板43は底板23よりやや幅狭に形成し、越流筒
5の位置に該越流筒5よりやや大きい径の筒体45を立
設し、該底板43の3辺に水切用の小孔42を設けた側
壁41をコ字状に立設し、対向側壁41に引き上げ用把
手44が設けられている。前記側壁41の高さは、雑物
の沈積厚さを想定して寸法を決める。また、図13のよ
うに、越流筒5の上部に、スリットを設けた除塵筒3a
を設置してもよい。藁屑等の浮遊物は除塵体3を配置し
ないくても除塵筒3aで受け止めることができる。ま
た、除塵体3と併用することによって除塵体3を通過し
た浮遊物等を除塵筒3aで受け止めることができる。
【0010】第2の発明の排水桝を図7〜9により説明
する。排水桝2aは、第1の発明の越流筒5の代わりに
越流板5aを設けたものである。この越流板5aは、落
水ゲート25よりやや低い高さに形成し、排水口26の
近傍に排水桝2a内を仕切る態様で底板23上に立設さ
れている。また、泥受4aは、前述の泥受4とほぼ同様
な構成であり、該泥受4aは越流板5aを境にして落水
口24寄りの排水桝2a内の底板23上に載置されてい
る。前記越流板5aの下部にはその下部に1mm程度の
径の水切用の孔51を設け、排水桝2内の沈澱物の水分
を除去して取り扱いを容易にし、かつ高温下での長期湛
水による水質悪化等による環境悪化を防止している。ま
た、図14のように、越流板5aの上部に除塵格子体3
bを一体設し、除塵体3と併用することによって除塵体
3を通過した浮遊物等を除塵格子体3bで受け止めるこ
とができる。また、藁屑等の浮遊物は除塵体3を配置し
なくても除塵格子体3bで受け止めることができる。
する。排水桝2aは、第1の発明の越流筒5の代わりに
越流板5aを設けたものである。この越流板5aは、落
水ゲート25よりやや低い高さに形成し、排水口26の
近傍に排水桝2a内を仕切る態様で底板23上に立設さ
れている。また、泥受4aは、前述の泥受4とほぼ同様
な構成であり、該泥受4aは越流板5aを境にして落水
口24寄りの排水桝2a内の底板23上に載置されてい
る。前記越流板5aの下部にはその下部に1mm程度の
径の水切用の孔51を設け、排水桝2内の沈澱物の水分
を除去して取り扱いを容易にし、かつ高温下での長期湛
水による水質悪化等による環境悪化を防止している。ま
た、図14のように、越流板5aの上部に除塵格子体3
bを一体設し、除塵体3と併用することによって除塵体
3を通過した浮遊物等を除塵格子体3bで受け止めるこ
とができる。また、藁屑等の浮遊物は除塵体3を配置し
なくても除塵格子体3bで受け止めることができる。
【0011】更に、第3の発明の排水桝を図15、16
により説明する。排水桝は、桝本体2bと、この桝本体
2bに収納される籠体6から構成されている。桝本体2
bは、底板23と相互に対向する側壁21及び側壁22
とにより有底箱状体に形成し、水田1の排出口18に配
置される一方側壁21aのほぼ中央に、中干敷13の高
さに位置決めされる水平な落水ゲート25を有する落水
口24を形成し、前記底板23にはほぼ中央に排水口2
6が設けられている。また、桝本体2b内には、落水ゲ
ート25よりやや低い高さの側壁61と底板23より幅
狭の底板63とで箱状体に形成し、該底板63の四隅に
脚66を設けた籠体6が配置され、該籠体6は側壁2
1、22とは一定隙間をもって配置されている。また、
図17、18のように、落水口24の内側位置で、籠体
6の側壁64上に除塵体3が配置され、落水口24から
流入した土砂等の沈澱物や藁屑等の浮遊物はこの除塵体
3で受け止める。更に、図10〜12のように、籠体6
は、一方側壁21a側を除く3側壁61の上部にスリッ
ト65aを設けた除塵部65を形成し、該籠体6内に藁
屑等の浮遊物が侵入しないようにされている。落水口2
4から流入した水は籠体6内に一旦流入し、側壁61に
達するまで流速が減勢されるため土砂が当籠体6内に沈
降する。側壁61をオーバーフローした水は、隙間を通
って排水口26より排水される。また、籠体6の側壁6
1には、その下部に水抜用の小孔67を穿設し、籠体6
内に沈澱した沈澱物の水分を切り、籠体6内のたん水が
長期に渡った場合の水のくされの発生を防止している。
更に、図1〜3のように、一方側壁21aの落水口24
の対向面には堰板ガイド溝27を設け、該堰板ガイド溝
27に水稲生育時の水位を調整する堰板Sを配置されて
いる。なお、田面12は、通常稲作管理においては、図
1のように水田に水を張るために堰上げてある。
により説明する。排水桝は、桝本体2bと、この桝本体
2bに収納される籠体6から構成されている。桝本体2
bは、底板23と相互に対向する側壁21及び側壁22
とにより有底箱状体に形成し、水田1の排出口18に配
置される一方側壁21aのほぼ中央に、中干敷13の高
さに位置決めされる水平な落水ゲート25を有する落水
口24を形成し、前記底板23にはほぼ中央に排水口2
6が設けられている。また、桝本体2b内には、落水ゲ
ート25よりやや低い高さの側壁61と底板23より幅
狭の底板63とで箱状体に形成し、該底板63の四隅に
脚66を設けた籠体6が配置され、該籠体6は側壁2
1、22とは一定隙間をもって配置されている。また、
図17、18のように、落水口24の内側位置で、籠体
6の側壁64上に除塵体3が配置され、落水口24から
流入した土砂等の沈澱物や藁屑等の浮遊物はこの除塵体
3で受け止める。更に、図10〜12のように、籠体6
は、一方側壁21a側を除く3側壁61の上部にスリッ
ト65aを設けた除塵部65を形成し、該籠体6内に藁
屑等の浮遊物が侵入しないようにされている。落水口2
4から流入した水は籠体6内に一旦流入し、側壁61に
達するまで流速が減勢されるため土砂が当籠体6内に沈
降する。側壁61をオーバーフローした水は、隙間を通
って排水口26より排水される。また、籠体6の側壁6
1には、その下部に水抜用の小孔67を穿設し、籠体6
内に沈澱した沈澱物の水分を切り、籠体6内のたん水が
長期に渡った場合の水のくされの発生を防止している。
更に、図1〜3のように、一方側壁21aの落水口24
の対向面には堰板ガイド溝27を設け、該堰板ガイド溝
27に水稲生育時の水位を調整する堰板Sを配置されて
いる。なお、田面12は、通常稲作管理においては、図
1のように水田に水を張るために堰上げてある。
【0012】最後の排水桝を使用した排水施設の施工方
法は、上述の排水桝2、2a、2bは、落水ゲート25
を水田1の水の排出口18であって、中干敷13の高さ
位置に位置合わせして設置し、該排水桝2、2a、2b
の底板23の排水口26に取付管16の一方端を取り付
けると共に、該取付管16の他方端の下流側に排水管1
7を取り付けている。
法は、上述の排水桝2、2a、2bは、落水ゲート25
を水田1の水の排出口18であって、中干敷13の高さ
位置に位置合わせして設置し、該排水桝2、2a、2b
の底板23の排水口26に取付管16の一方端を取り付
けると共に、該取付管16の他方端の下流側に排水管1
7を取り付けている。
【0013】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。 (1) 除塵体は落水口の内側で、落水ゲートよりやや低い
位置に配置するように構成したことにより、水田からの
流入水は全て除塵体を通って排水桝内に流入する。従っ
て、水田の水と一緒に流入した藁屑等の浮遊物は除塵体
によって除去でき、浮遊物が排水管に流入して通水障害
を起こすことも防止できる。 (2) 落水口の周囲は側壁で囲まれ、排水口は落水口から
遠く、流速が減勢される位置に配置したことにより、落
水口から流入した水は、対向する他方側壁や別の側壁に
何度も衝突した後、排水桝内の水のクッション効果で流
速が減勢され、又流入水は越流筒の高さまで排水桝内に
溜まり、流入水に含まれる土粒子は排水桝の底板上に沈
殿させることができる。この沈殿した土は、そのまま該
桝内に残置し、水の巻き上げ等によって再び浮き上がる
こともない。 (3) 越流筒の高さは、田面よりやや低い中干敷の高さに
形成したことにより、排水桝内に溜まる水は水田側に逆
流することがなく越流筒の上端部から排除される。 (4) 落水口の落水ゲートをほぼ中干敷の高さとしたこと
により、水田から流出する水は全て落水口から排水桝内
に流入し、水田内の水を取り入れることができる。 (5) 水田から排水桝内に流入する土を含んだ水は、該桝
内で土粒子と水とに分離されるため、各水田から排出さ
れた水は河川に導く排水路に流出することがなく、排水
路に沈積する土砂を取り除く作業は不要となる。特に、
排水路が管路の場合は管内に沈積する土砂を強制的に掃
流させるフラッシュ設備等が必要となるが、このような
設備は不要となる。その結果、管路の管理維持が経済的
となり、農家の労力を軽減する効果が得られる。また、
水田から流出する土は河川に流れ込まないため、綺麗な
水環境を作りだすことが可能となり、環境浄化の効果も
得ることができる。 (6) 水田から水が排水されない時期、例えば雨の少ない
夏の頃には、新鮮な水が次々と桝内に流入しないため、
越流筒の高さ迄溜まった水は水腐れを起こすが、本発明
では越流筒の下部に水切用の孔を穿設してあるため、排
水桝内の水は徐々に排水されて、水が長期期間排水桝内
に溜まることがなくなり、排水桝内に於ける水腐れの発
生が防止できる。また、排水桝内に沈積した土粒子を引
き上げる際も、土粒子の水分は該孔から排出されるため
土砂上げ作業が容易となる。
施され、以下に記載されるような効果を奏する。 (1) 除塵体は落水口の内側で、落水ゲートよりやや低い
位置に配置するように構成したことにより、水田からの
流入水は全て除塵体を通って排水桝内に流入する。従っ
て、水田の水と一緒に流入した藁屑等の浮遊物は除塵体
によって除去でき、浮遊物が排水管に流入して通水障害
を起こすことも防止できる。 (2) 落水口の周囲は側壁で囲まれ、排水口は落水口から
遠く、流速が減勢される位置に配置したことにより、落
水口から流入した水は、対向する他方側壁や別の側壁に
何度も衝突した後、排水桝内の水のクッション効果で流
速が減勢され、又流入水は越流筒の高さまで排水桝内に
溜まり、流入水に含まれる土粒子は排水桝の底板上に沈
殿させることができる。この沈殿した土は、そのまま該
桝内に残置し、水の巻き上げ等によって再び浮き上がる
こともない。 (3) 越流筒の高さは、田面よりやや低い中干敷の高さに
形成したことにより、排水桝内に溜まる水は水田側に逆
流することがなく越流筒の上端部から排除される。 (4) 落水口の落水ゲートをほぼ中干敷の高さとしたこと
により、水田から流出する水は全て落水口から排水桝内
に流入し、水田内の水を取り入れることができる。 (5) 水田から排水桝内に流入する土を含んだ水は、該桝
内で土粒子と水とに分離されるため、各水田から排出さ
れた水は河川に導く排水路に流出することがなく、排水
路に沈積する土砂を取り除く作業は不要となる。特に、
排水路が管路の場合は管内に沈積する土砂を強制的に掃
流させるフラッシュ設備等が必要となるが、このような
設備は不要となる。その結果、管路の管理維持が経済的
となり、農家の労力を軽減する効果が得られる。また、
水田から流出する土は河川に流れ込まないため、綺麗な
水環境を作りだすことが可能となり、環境浄化の効果も
得ることができる。 (6) 水田から水が排水されない時期、例えば雨の少ない
夏の頃には、新鮮な水が次々と桝内に流入しないため、
越流筒の高さ迄溜まった水は水腐れを起こすが、本発明
では越流筒の下部に水切用の孔を穿設してあるため、排
水桝内の水は徐々に排水されて、水が長期期間排水桝内
に溜まることがなくなり、排水桝内に於ける水腐れの発
生が防止できる。また、排水桝内に沈積した土粒子を引
き上げる際も、土粒子の水分は該孔から排出されるため
土砂上げ作業が容易となる。
【0014】(7) 排水桝内の底板上に泥受けを配置した
場合は、該桝内の土砂等の沈澱物は泥受に堆積するの
で、泥受を引き上げて土砂等沈澱物を捨てることがで
き、作業の軽減化が図れる。また、泥受の側壁の下部に
は水切用の孔を穿設したことにより、水は孔より排出で
きる。 (8) 越流筒の上部に除塵筒を設置したことにより、水田
から水と一緒に流入してくる藁屑等の浮遊物はこの除塵
筒で受け止められ除去できる。 (9) 排水口と落水口との間に越流板を設けた排水桝で
は、桝内に流入した水は越流板の高さ迄溜まり、桝内に
流入した水は桝内にある水のクッション効果によって流
速が減勢され、水と一緒に流入した土粒子は桝内の底板
上に沈殿する。また、越流板の高さは中干敷よりやや低
い高さにしたことにより、桝内に溜まる水は水田側に逆
流することなく、越流筒と同様に水田から排出される土
及び藁屑等の浮遊物は桝内で分離除去でき、農家の労力
の負担の軽減と水環境の浄化を実現できる。更に、越流
板は越流筒に比べ加工が少ないためその分安価な製品を
提供できる。
場合は、該桝内の土砂等の沈澱物は泥受に堆積するの
で、泥受を引き上げて土砂等沈澱物を捨てることがで
き、作業の軽減化が図れる。また、泥受の側壁の下部に
は水切用の孔を穿設したことにより、水は孔より排出で
きる。 (8) 越流筒の上部に除塵筒を設置したことにより、水田
から水と一緒に流入してくる藁屑等の浮遊物はこの除塵
筒で受け止められ除去できる。 (9) 排水口と落水口との間に越流板を設けた排水桝で
は、桝内に流入した水は越流板の高さ迄溜まり、桝内に
流入した水は桝内にある水のクッション効果によって流
速が減勢され、水と一緒に流入した土粒子は桝内の底板
上に沈殿する。また、越流板の高さは中干敷よりやや低
い高さにしたことにより、桝内に溜まる水は水田側に逆
流することなく、越流筒と同様に水田から排出される土
及び藁屑等の浮遊物は桝内で分離除去でき、農家の労力
の負担の軽減と水環境の浄化を実現できる。更に、越流
板は越流筒に比べ加工が少ないためその分安価な製品を
提供できる。
【0015】(10)桝本体内に籠体を配置した排水桝で
は、排水口は籠体の下の底板に設けたことにより、落水
口からの流入水は直接排水口より流出せず、籠体内に流
入した後、籠体と桝本体の隙間を通って排水口に到達す
る。又流入水は籠体の側壁の一定高さに到達する迄籠体
内に溜まり、新たな流入水は籠体内溜まったこの水のク
ッション効果によって流速が減勢され、土砂(土粒子)
は籠体の底板上に沈殿し、土砂(土粒子)は直接桝本体
外には流出しない。なお、籠体の側壁の高さを落水ゲー
トより低く形成したことにより、籠体内に溜まる水は水
田側に逆流しない。また、流入水の流速が減勢されるた
め、籠体内に沈殿した土は水の巻き上げ等によって再び
浮き上がることなく、そのまま籠体内に残留する。そし
て、籠体内に堆積した土砂は、籠体を上方に引き上げた
後、排水桝外に取出して籠体内に溜まった残留物を捨て
ればよい。 (11)落水口位置の籠体上部に除塵体を配置したことによ
り、籠体内への流入水は全て除塵体を通過して籠体、桝
本体内に流入するので、水と一緒に流入した藁屑等の浮
遊物は除塵体によって除去できる。 (12)籠体の側壁の上部に除塵部を形成したことにより、
水田から流出した藁屑等の浮遊物はこの除塵部で除去で
きる。 (13)籠体の側壁下部に孔を穿設したことにより、籠体内
の水は排水されるので、籠体内で水が腐るのを防止でき
る。また、籠体の引き上げ作業が容易にできる。 (14)落水口に堰板用ガイド溝を設け堰板が上下動できる
構造を採用することにより、該堰板で水田の水位の調整
ができ、稲の成長に応じた水位の調整ができる。
は、排水口は籠体の下の底板に設けたことにより、落水
口からの流入水は直接排水口より流出せず、籠体内に流
入した後、籠体と桝本体の隙間を通って排水口に到達す
る。又流入水は籠体の側壁の一定高さに到達する迄籠体
内に溜まり、新たな流入水は籠体内溜まったこの水のク
ッション効果によって流速が減勢され、土砂(土粒子)
は籠体の底板上に沈殿し、土砂(土粒子)は直接桝本体
外には流出しない。なお、籠体の側壁の高さを落水ゲー
トより低く形成したことにより、籠体内に溜まる水は水
田側に逆流しない。また、流入水の流速が減勢されるた
め、籠体内に沈殿した土は水の巻き上げ等によって再び
浮き上がることなく、そのまま籠体内に残留する。そし
て、籠体内に堆積した土砂は、籠体を上方に引き上げた
後、排水桝外に取出して籠体内に溜まった残留物を捨て
ればよい。 (11)落水口位置の籠体上部に除塵体を配置したことによ
り、籠体内への流入水は全て除塵体を通過して籠体、桝
本体内に流入するので、水と一緒に流入した藁屑等の浮
遊物は除塵体によって除去できる。 (12)籠体の側壁の上部に除塵部を形成したことにより、
水田から流出した藁屑等の浮遊物はこの除塵部で除去で
きる。 (13)籠体の側壁下部に孔を穿設したことにより、籠体内
の水は排水されるので、籠体内で水が腐るのを防止でき
る。また、籠体の引き上げ作業が容易にできる。 (14)落水口に堰板用ガイド溝を設け堰板が上下動できる
構造を採用することにより、該堰板で水田の水位の調整
ができ、稲の成長に応じた水位の調整ができる。
【0016】(15)排水桝を使用した排水施設の施工方法
を採用することにより、水田の田面から流出する土砂等
の沈澱物や藁屑等の浮遊物を排水桝内に残留させて除去
でき、これらの沈殿物、浮遊物が排水管に流出するのを
阻止でき、掃除も容易にできる。従って、管路において
通水障害が発生しないため、勾配が緩い地域の排水路の
管路化ができる。そして、管路化によって管路上は農
道、通行道にできるため、除草剤の使用量の節減がで
き、排水路等の草刈作業や江渫作業の省力ができ、更に
は農作業の利便性の向上や効率化、水腐れ等による環境
悪化の軽減、管路化による土地の有効利用を図ることが
できる。
を採用することにより、水田の田面から流出する土砂等
の沈澱物や藁屑等の浮遊物を排水桝内に残留させて除去
でき、これらの沈殿物、浮遊物が排水管に流出するのを
阻止でき、掃除も容易にできる。従って、管路において
通水障害が発生しないため、勾配が緩い地域の排水路の
管路化ができる。そして、管路化によって管路上は農
道、通行道にできるため、除草剤の使用量の節減がで
き、排水路等の草刈作業や江渫作業の省力ができ、更に
は農作業の利便性の向上や効率化、水腐れ等による環境
悪化の軽減、管路化による土地の有効利用を図ることが
できる。
【図1】本発明の施工状態の平面図である。
【図2】稲刈り時の使用状態の断面図である。
【図3】田植え時の使用状態の断面図である。
【図4】本発明の第1の発明の実施例の一部切欠斜視図
である。
である。
【図5】本発明の第1の発明の実施例の中央縦断面図で
ある。
ある。
【図6】本発明の第1の発明の実施例の平面図である。
【図7】本発明の第2の発明の実施例の一部切欠斜視図
である。
である。
【図8】本発明の第2の発明の実施例の中央縦断面図で
ある。
ある。
【図9】本発明の第2の発明の実施例の平面図である。
【図10】本発明の第3の発明の実施例の一部切欠斜視
図である。
図である。
【図11】本発明の第3の発明の実施例の中央縦断面図
である。
である。
【図12】本発明の第3の発明の実施例の平面図であ
る。
る。
【図13】本発明の第1の発明の別実施例の斜視図であ
る。
る。
【図14】本発明の第2の発明の別実施例の斜視図であ
る。
る。
【図15】本発明の第3の発明の実施例の斜視図であ
る。
る。
【図16】図15の縦中央断面図である。
【図17】本発明の第3の発明の斜視図である。
【図18】図17の縦中央断面図である。
【図19】従来の稲刈り時における排水桝の使用状態の
平面図である。
平面図である。
【図20】図19のCーC断面図である。
【図21】従来の排水桝の斜視図である。
【図22】AーA断面図である。
【図23】従来の排水桝の斜視図である。
【図24】BーB断面図である。
1 水田 13 中干敷 16 取付管 17 排水管 18 流出口 2、2a、2b 排水桝 21 側壁 22 側壁 23 底板 24 落水口 25 落水ゲート 26 排水口 27 堰板ガイド溝 S 堰板 3、3a 除塵体 3b 除塵格子体 31 受部 4、4a 泥受 41 側壁 42、51、64 水切用の小孔 43 底板 44 引上把手 45 筒体 5 越流筒 5a 越流板 6 籠体 61 側壁 62 スリット 63 底板 65 除塵部 66 脚
Claims (14)
- 【請求項1】底板と相互に対向する側壁及び側壁とによ
り有底箱状体に形成し、水田の排出口に配置される一方
側壁の一端部に、中干敷の高さに位置決めされる水平な
落水ゲートを有する落水口を形成し、該一方側壁の内側
で落水ゲートよりやや下に水平に受部を設けると共に、
対向する他方側壁の内側で前記受部と対応する位置に受
部を設け、該受部間に除塵体を掛け渡して載置し、前記
底板には落水口から遠く、流速が減勢される位置に排水
口を設け、該排水口に落水ゲートよりやや低い高さの越
流筒を立設したことを特徴とする排水桝。 - 【請求項2】越流筒には、その下部に水切用の孔を設け
たことを特徴とする請求項1に記載の排水桝。 - 【請求項3】排水桝内の底板上に、該底板よりやや幅狭
で越流筒の位置に該越流筒よりやや大きい径の筒体を立
設し底板の3辺に水切用の小孔を設けた側壁をコ字状に
立設し、対向側壁に引き上げ用把手を設けた泥受を載置
することを特徴とする請求項1又は2に記載の排水桝。 - 【請求項4】越流筒の上部に、スリットを設けた除塵筒
を設置したことを特徴とする請求項1に記載の排水桝。 - 【請求項5】底板と相互に対向する側壁及び側壁とによ
り有底箱状体に形成し、水田の排出口に配置される一方
側壁の一端部に、中干敷の高さに位置決めされる水平な
落水ゲートを有する落水口を形成し、該一方側壁の内側
で落水ゲートよりやや下に水平に受部を設けると共に、
対向する他方側壁の内側で前記受部と対応する位置に受
部を設け、該受部間に除塵体を掛け渡して載置し、前記
底板には落水口から遠く、流速が減勢される位置に排水
口を設け、該排水口近傍に落水ゲートよりやや低い高さ
の越流板を排水桝内を仕切るように立設したことを特徴
とする排水桝。 - 【請求項6】水切用の小孔を穿設した側壁をコ字状に立
設し、対向側壁に引き上げ用把手を設けた泥受を越流板
を境にして落水口寄りの排水桝内の底板上に載置するこ
とを特徴とする請求項5に記載の排水桝。 - 【請求項7】越流板の下部に水切用の小孔を設けたこと
を特徴とする請求項5に記載の排水桝。 - 【請求項8】越流板の上部に除塵格子体を一体設したこ
とを特徴とする請求項5に記載の排水桝。 - 【請求項9】底板と相互に対向する側壁及び側壁とによ
り有底箱状体に形成し、水田の排出口に配置される一方
側壁のほぼ中央に、中干敷の高さに位置決めされる水平
な落水ゲートを有する落水口を形成し、前記底板にはほ
ぼ中央に排水口を設けた桝本体内に、落水ゲートよりや
や低い高さの側壁と底板より幅狭の底板とで箱状体に形
成し、該底板の四隅に脚を設けた籠体を側壁とは一定隙
間をもって配置されることを特徴とする排水桝。 - 【請求項10】落水口の内側位置で、籠体の側壁上に除
塵体を配置したことを特徴とする請求項9に記載の排水
桝。 - 【請求項11】籠体は、一方側壁側を除く3側壁の上部
にスリットを設けた除塵部を形成したことを特徴とする
請求項9に記載の排水桝。 - 【請求項12】籠体の側壁には、その下部に水抜用の小
孔を穿設したことを特徴とする請求項9に記載の排水
桝。 - 【請求項13】一方側壁の落水口の対向面には堰板ガイ
ド溝を設け、該堰板ガイド溝に水稲生育時の水位を調整
する堰板を配置したことを特徴とする請求項1、5又は
9いずれかに記載の排水桝。 - 【請求項14】請求項1、5又は9に記載の排水桝は、
その落水ゲートを水田の水の排出口であって、中干敷の
高さ位置に位置合わせして設置し、該排水桝の底板の排
水口に取付管の一方端を取り付けると共に、該取付管の
他方端の下流側に排水管を取り付けてなる排水桝を使用
した排水施設の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16222697A JPH119122A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 排水桝及び該排水桝を使用した排水施設の施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16222697A JPH119122A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 排水桝及び該排水桝を使用した排水施設の施工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH119122A true JPH119122A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15750375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16222697A Withdrawn JPH119122A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 排水桝及び該排水桝を使用した排水施設の施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH119122A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003064760A (ja) * | 2001-08-24 | 2003-03-05 | Maezawa Ind Inc | 昇降式越流堰 |
JP2009254356A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-11-05 | Kubota-Ci Co | 農業用水路用異物除去装置および農業用水路用異物除去フィルタ |
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- 1997-06-19 JP JP16222697A patent/JPH119122A/ja not_active Withdrawn
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