JPH1190111A - 凝集剤およびその製造方法 - Google Patents

凝集剤およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝集剤のゲル化時間が長いため保存性が良
く、凝集剤製造中に、シリカのゲル化トラブルが発生し
ない凝集剤を提供すること。水ガラス酸性化槽、モノマ
ーシリカの重合槽が不要、重合シリカの粘度測定が不要
で、製造工程も著しく簡単である凝集剤製造方法を提供
する。 【解決手段】 水溶液中の鉄濃度が1〜8%、シリカ濃
度が2〜6%の範囲にあり、pHが0.5〜1.5の範
囲にあることを特徴とする酸性水溶液状第二鉄系凝集
剤。酸性の第二鉄塩水溶液とシリカ濃度が2〜13の範
囲のアルカリ性珪酸ナトリウム水溶液とを混合すること
によってpHが0.5〜1.5の範囲にある酸性のシリ
カ含有第二鉄塩水溶液を製造することを特徴とする凝集
剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種用排水の凝集
処理に使用する凝集剤およびその製造方法に関するもの
であり、特に上水処理に好適な新規な鉄系無機凝集剤お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種用排水の懸濁質、溶存有機物、リン
酸イオンなどを除去するために広く凝集処理が行われて
いる。これらの凝集処理においては、凝集剤として、硫
酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第二鉄、
ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄などアルミニウム系もしく
は鉄系の無機金属塩凝集剤が利用されている。これらの
無機凝集剤は、単独使用では十分大きなフロックが形成
されないため、凝集沈殿工程や砂ろ過工程での固液分離
速度が小さいという欠点がある。また、凝集分離工程か
ら排出された汚泥の沈降濃縮脱水性が悪いという欠点も
あった。
【0003】このため、従来より各種合成高分子凝集剤
がフロック形成を促進するために多用されている。しか
し、上水処理においては合成有機高分子凝集剤の安全性
に心配があるため、その使用は認可されていない。ま
た、上水処理では従来PAC、硫酸バンドのみが使用さ
れてきたが、最近飲料水中のアルミニウムイオンがアル
ツハイマ症の一原因になる可能性が指摘されているた
め、鉄系凝集剤に変更できないかとの検討がなされはじ
めている。また、上水処理の原水の富栄養化が進み、ミ
クロキスチスなどの藻類が多量に含まれる原水ではPA
Cまたは硫酸バンドでは極めて沈降性の悪いフロックし
か形成されず、フロックが浮上してしまうこともあり藻
類の効果的除去ができなくなるという問題点もあった。
【0004】上水処理分野では、安全性の高い凝集助剤
として、日本では昭和30年代に、米国のBaylis
氏が見出した活性シリカの使用が検討されたが、活性シ
リカ製造時にゲル化トラブルが頻発し、安定して活性シ
リカを製造することが非常に難しいため我が国では実用
化されなかった。Baylis法は、「水ガラスを水で
希釈してシリカ濃度1.5%の水溶液とし、これに硫酸
を加えてpH8.5に調整し、室温において2時間攪拌
し、シリカモノマーを重合させ重合シリカすなわち活性
シリカを得る」という方法である。
【0005】しかし、最近活性シリカを再評価しようと
する動きが出ており、例えば、発明の名称が「水処理方
法および水処理用凝集剤」である特公平4−75796
号公報には、「シリカモノマーの極限粘度の約2倍以上
の極限粘度を有する重合シリカと、水中で水酸化物を形
成し得る金属の可溶性塩を、該金属に対する珪素のモル
比が2以上となる比率で混合した物を処理対象水中に注
入攪拌する」という重合シリカ(活性シリカの別称)と
金属塩の混合凝集剤を利用する凝集処理法が開示されて
いる。この技術による凝集剤製造方法を図1に示す。従
来法は、図1に示すように、希釈された強アルカリ性の
水ガラス水溶液と鉱酸を混合しpHを2以下に調整する
酸性化槽、さらにシリカモノマをpH4で2〜6時間重
合させる大容量の重合槽、および重合槽から流出する重
合シリカ(活性シリカ)水溶液に鉄塩またはアルミニウ
ム塩を混合する槽が不可欠である。
【0006】しかし本発明者が前記技術を詳細に検討し
たところ、以下に示すような問題点があり、さらに優れ
た技術を開発する必要があることが認められた。 (1)シリカモノマーを重合させて所要極限粘度の重合
シリカを調製するのに必要な時間は2時間から6時間で
ある。従って、活性シリカの作製には長時間を要する
他、重合タンクとして大きな容量のタンクが必要であ
る。 (2)シリカ濃度、水温、攪拌強度、pHなどの微妙な
ズレによって所要重合時間が大きく変化してしまうた
め、重合時間の設定が非常に難しく、重合時間の設定を
誤ると重合中にシリカのゲル化トラブルを引き起こし
(シリカ濃度4%以上に高めるとゲル化トラブルが極め
て起き易くなる)、凝集剤として使用不能となる。ま
た、重合時間が不足すると凝集効果が悪いものしか得ら
れない。また、極限粘度の測定には熟練者でも1時間以
上かかるので、現場において極限粘度を測定しながら重
合時間を制御するという方法は実際には不可能である。
【0007】(3)製造した凝集剤のゲル化が短時間で
起き易い。従ってゲル化時間を長くするため、重合シリ
カ(活性シリカ)濃度を2〜3%以下、鉄濃度が1%以
下と希薄にしなければならないため、凝集剤の有効成
分、特に鉄の濃度が薄い。従って凝集剤製造工場からユ
ーザーまでの凝集剤輸送コストおよび保管コストが高く
なる。 (4)珪素/金属イオンのモル比が2以上と大きいた
め、必然的にシリカの注入率が多量になり、薬注コスト
が高くなる他、添加したシリカがSSに変わるため汚泥
発生量が増加する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
欠点を解決したシリカを利用する凝集剤の開発およびそ
の凝集剤の製造方法を確立することを目的とするもので
あり、具体的には、以下に示すような特徴をもつシリカ
含有第二鉄系凝集剤および該シリカ含有第二鉄系凝集剤
の製造方法を確立しようとするものである。シリカ含有
第二鉄系凝集剤は、酸性シリカ含有第二鉄塩水溶液であ
ることが多く、以下では酸性シリカ含有第二鉄塩水溶液
と記載することもある。
【0009】すなわち、本発明の課題とするところは次
に示す通りである。 凝集剤製造中にシリカのゲル化トラブルが発生しな
い新規なシリカ含有鉄系凝集剤およびその凝集剤の製造
方法の提供。 製造した凝集剤のゲル化時間が、前記図1に示した
従来法よりも長く、保存性が良く、また凝集剤中の有効
成分濃度が従来のものより高濃度にできる凝集剤の提
供。 水ガラス酸性化槽、モノマーシリカの重合槽が不要
な凝集剤の製造方法の提供。 重合シリカの粘度測定が不要で、製造工程も従来法
より著しく簡単である凝集剤の製造方法の提供。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、従来の凝集剤より著しく優れた性能の凝集剤を従
来の製造方法における問題点を解決した方法で得る製造
方法を見いだした。すなわち、本発明は、下記の手段に
より前記の課題を解決した。 (1)水溶液中の鉄濃度が1〜8%、シリカ濃度が2〜
6%の範囲にあり、pHが0.5〜1.5の範囲にある
ことを特徴とする酸性水溶液状第二鉄系凝集剤。 (2)酸性の第二鉄塩水溶液とシリカ濃度が2〜13%
の範囲のアルカリ性珪酸アルカリ金属水溶液とを混合す
ることによってpHが0.5〜1.5の範囲にある酸性
のシリカ含有第二鉄塩水溶液を製造することを特徴とす
る凝集剤の製造方法。 (3)前記珪酸アルカリ金属水溶液のシリカ濃度が7%
以上であって、酸性の第二鉄塩水溶液を攪拌しながら前
記珪酸アルカリ金属水溶液を徐々に添加することを特徴
とする前記(2)記載の凝集剤の製造方法。 (4)前記酸性の第二鉄塩水溶液が第二鉄塩水溶液に予
め鉱酸を添加したものであることを特徴とする前記
(2)または(3)記載の凝集剤の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の凝集剤の製造方法の1例
を図2に示す。図2に示すように、槽1中の酸性第二鉄
塩水溶液2を攪拌機4を用いて攪拌しながら、所定濃度
のアルカリ性珪酸ソーダ水溶液3(水ガラス水溶液)を
混合するという極めて簡単な操作で、凝集効果の大きい
シリカ含有鉄系凝集剤が製造できることが見出された。
本発明では、図1に示した前記従来技術における水ガラ
ス酸性化槽、重合槽は不要である。その凝集剤の製造に
用いる珪酸アルカリ金属としては、珪酸ナトリウム、珪
酸カリウムなどが挙げられるが、実用上では珪酸ナトリ
ウムが主として用いられるので、以下の説明では珪酸ナ
トリウムを用いる場合について述べる。珪酸カリウムの
場合はそれと同様である。
【0012】本発明の実施において留意すべき点を以下
に挙げる。 (a)pH1以下の強酸性第二鉄塩(塩化第二鉄、硫酸
第二鉄、硝酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄など)の水溶液を
攪拌しながら、珪酸ソーダ水溶液を添加・混合すること
によって、凝集効果が大きく、ゲル化時間が長い保存性
の良好な凝集剤を容易に製造できる。 (b)珪酸ソーダ水溶液のシリカ濃度が7%以上の高濃
度の場合、珪酸ソーダ水溶液に対し第二鉄塩水溶液を添
加すると、シリカが瞬間的にゲル化するpH中性領域を
通過するため、シリカがゲル化してしまうので好ましく
ない。従って、酸性第二鉄塩水溶液に対し珪酸ソーダ水
溶液を添加する必要がある。シリカ濃度が6%以下の場
合は添加順序はどちらでも良い。 (c)pHが1以上の第二鉄塩水溶液に珪酸ソーダ水溶
液を添加すると、添加後の液のpHが1.5以上と高く
なり過ぎ、シリカのゲル化トラブルまたは水酸化鉄の析
出トラブルを引き起こす。
【0013】(d)強酸性第二鉄水溶液と珪酸ソーダ水
溶液を混合した時点でのシリカ濃度およびpHの設定が
重要であり、シリカ濃度を2〜6%、最も好ましくは3
〜5%に設定すること、かつ珪酸ソーダ添加後のpHを
0.5〜1.5、最も好ましくはpHを0.7〜1.2
に調整することが重要である。このような適正pHにす
るためには、予め第二鉄塩水溶液に硫酸、塩酸などの鉱
酸を所要量添加した後、珪酸ソーダ水溶液を添加すると
良い。 (e)この条件範囲を外れると、製造したシリカ含有第
二鉄凝集剤の保存中に短時間でゲル化が起きたり(作成
した凝集剤のシリカ濃度が6%を超えると、凝集剤保存
中にゲル化が室温保存で1日か2日で発生してしま
う)、凝集効果が高い凝集剤が作成できなくなる。ま
た、凝集剤中のシリカ濃度が1%未満であると凝集効果
が著しく劣るものしか製造できない。 (f)製造したシリカ含有鉄系凝集剤のpHが0.5未
満であると凝集剤のゲル化が非常に早くなってしまい、
pHが1.5以上であると凝集剤の鉄イオンの大部分が
数日後に水酸化鉄沈殿に変化してしまい、いずれのケー
スも凝集剤の保存性が悪い。
【0014】(g)添加する珪酸ソーダ水溶液中のシリ
カ濃度が13%を超えると、酸性鉄塩水溶液に珪酸ソー
ダ水溶液を添加・混合する過程で結晶性シリカの沈殿が
多量に析出し、凝集効果が劣る凝集剤しか製造できな
い。 (h)添加する珪酸ソーダ水溶液のシリカ濃度が2%未
満では作成した凝集剤中のシリカ濃度が少なくなり過
ぎ、やはり凝集効果が劣る凝集剤しか製造できない。 (i)珪酸ソーダ水溶液中のシリカ濃度が7%以上の場
合は、攪拌されている第二鉄塩水溶液に珪酸ソーダ水溶
液を少量ずつ時間をかけて添加することが重要である。
一挙に添加すると、珪酸ソーダと酸との中和反応が急速
に進み過ぎるため、多量のシリカ結晶もしくはシリカゲ
ルが析出してしまい、目的とする効果的な凝集剤を製造
できない。なお、シリカ濃度が7%未満の場合は珪酸ソ
ーダ水溶液と第二鉄塩水溶液を一挙に混合しても結晶性
またはゲル状シリカの析出は認められない。
【0015】(j)第二鉄塩水溶液の鉄濃度も重要であ
り、作成した凝集剤中の鉄濃度を1〜8%とするが、
1.5〜8%の範囲になるようにすることが好ましい。
鉄濃度がこの範囲以下では、凝集剤中の鉄濃度が希薄に
なり過ぎ、凝集剤輸送コストが高くなるほか、原水に凝
集剤添加後のpHが低くなり過ぎ、凝集不良になるので
避ける必要がある。また鉄濃度がこの範囲以上では、作
成した凝集剤を原水に添加した場合のシリカ添加量が少
なくなり過ぎ、効果的な凝集が起きにくい。
【0016】以上の知見から、完成された本発明の製造
方法によって、従来のような、水ガラス酸性化槽、モノ
マーシリカの重合槽を設けずに強力なフロック形成促進
作用をもったシリカ含有鉄系凝集剤を容易にかつ確実に
製造することができる。本発明によって、従来技術の図
1に示すような水ガラス酸性化槽およびモノマーシリカ
の重合槽が不要になった理由は、以下のように考えられ
る。酸性第二鉄塩水溶液を攪拌しながら、珪酸ナトリウ
ム水溶液を添加すると、アルカリ性のモノマー状シリカ
分子が鉄塩水溶液内に拡散する過程で、pH中性領域を
通過してから最終的に酸性になるので、pH中性領域を
通過する過程でシリカモノマーの重合が速やかに進行し
(モノマー状シリカの重合はpH中性領域で極めて急速
に進むことが判っている)、鉄塩溶液に均一に混合され
た時点で重合シリカの状態で存在するためと考えられ
る。つまり、酸性第二鉄塩水溶液と珪酸ソーダ水溶液を
混合する工程が、水ガラス酸性化槽、シリカモノマーの
重合槽を兼ねている。凝集処理を行う原水に、本発明凝
集剤を注入し、攪拌槽で攪拌すると速やかに非常に大き
なフロックが形成され、沈殿槽などで高速度で固液分離
できる。また、本発明の凝集剤はその中にアルツハイマ
症の一因の恐れのあるアルミニウムを含まないので上水
処理に特に好適である。上水処理の場合、本発明の凝集
剤の適正注入率は鉄として1〜10mg/リットル程度
になる場合が多い。
【0017】
【実施例】以下に本発明の凝集剤の製造例を示すが本発
明は以下の例に制限されるものではない。
【0018】実施例1 (本発明凝集剤の製造例)3号水ガラス原液(シリカ濃
度30%)を水道水で希釈し、シリカ濃度が3、4、
5、6、7、8、9、10、11および12%の水溶液
を作成した。塩化第二鉄の濃度20%の酸性水溶液10
0gに濃硫酸を微量添加した液を攪拌しながら、前記各
シリカ濃度の珪酸ソーダ水溶液100gを徐々に添加
し、添加終了後にpHを1.0に調整した。
【0019】実施例2 (凝集試験および凝集剤保存性調査)カオリンを水道水
に添加し、SS100mg/リットルの懸濁液を作製
し、実施例1で作製した各種凝集剤を添加し、ジャーテ
ストを行った。ジャーテストの条件は、(攪拌回転数1
50rpm、90秒)および(攪拌回転数50rpm、
90秒)である。凝集剤注入後のpHを6(一定)とし
た。水温は24℃であった。凝集剤の注入率は鉄として
8mg/リットルである。ジャーテスト時のフロック生
成時間と緩速攪拌中60秒後のフロック粒径を測定し
た。また、各条件で作製した凝集剤の保存性を評価する
ため室温におけるゲル化日数を測定した。これらの結果
を第1表に示す。表中、フロック粒径は次の基準によっ
て表示した。 E:0.2mm以下、D:0.2〜0.5mm、C:
0.5〜2mm、B:2〜5mm 、A:5mm以上
【0020】
【表1】
【0021】第1表における凝集剤の鉄濃度は塩化第二
鉄として10%(鉄として3.45%)で一定である。
また、第1表の第1欄のシリカ濃度は作製した凝集剤中
のシリカ濃度である。シリカ濃度がゼロの欄は塩化第二
鉄を原水に添加した場合を意味する。塩化第二鉄のみを
注入した場合に比較し、シリカ濃度2%以上で明確に凝
集促進効果が現れ、シリカ濃度3〜5%では極めて大き
なフロックが形成され、緩速攪拌中にフロックが底に沈
降し、転がりながらペレット状に変化することが認めら
れた。しかし、シリカ濃度が6%以上ではむしろ凝集効
果が悪化した。この原因は、シリカ濃度が高過ぎると凝
集剤製造過程で結晶性シリカが析出し、作製した凝集剤
の有効シリカ濃度が減少するためであることがわかっ
た。
【0022】ゲル化時間すなわち、凝集剤の保存性に関
しては、シリカ濃度が少ないほど長く、シリカ濃度6%
を超えるとゲル化時間が短か過ぎ実用性が無いことが認
められた。(シリカ濃度7%では、ゲル化日数が2日で
あった。) 凝集効果、ゲル化日数の両面から評価すると、実用的な
凝集剤中のシリカ濃度は2〜6%の範囲、最適範囲は3
〜5%の範囲である。なお、本発明の凝集剤のSi/F
eモル比は、シリカ濃度5%、塩化第二鉄濃度10%の
場合に1であり、従来技術のようにSi/Feモル比を
2以上にしなくても優れた凝集効果を示す。
【0023】
【発明の効果】
(1)従来のシリカ含有鉄系凝集剤の製造に必要であっ
た、水ガラス酸性化槽、シリカ重合槽が不要になり、ま
た、重合シリカの極限粘度の測定も不要になり、凝集剤
製造工程が著しく単純化できる。 (2)凝集剤製造中のシリカゲル化トラブルがない。 (3)従来よりも、凝集剤中のシリカ濃度、鉄濃度を高
くでき、凝集剤中の有効成分の濃度を増加できる。従っ
て、凝集剤輸送コスト、保管コストが減少する。 (4)凝集剤のゲル化時間が長く、保存性が良い。 (5)凝集剤のSi/Feモル比は2未満であるので、
シリカに起因する凝集汚泥の発生量が少ない。 (6)凝集剤製造中にアルカリ剤を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の凝集剤製造方法の典型例のフローシート
を示す図である。
【図2】本発明凝集剤製造方法の1例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 槽 2 酸性第二鉄塩水溶液 3 アルカリ性珪酸ソーダ水溶液 4 攪拌機

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶液中の鉄濃度が1〜8%、シリカ濃
    度が2〜6%の範囲にあり、pHが0.5〜1.5の範
    囲にあることを特徴とする酸性水溶液状第二鉄系凝集
    剤。
  2. 【請求項2】 酸性の第二鉄塩水溶液とシリカ濃度が2
    〜13%の範囲のアルカリ性珪酸アルカリ金属水溶液と
    を混合することによってpHが0.5〜1.5の範囲に
    ある酸性のシリカ含有第二鉄塩水溶液を製造することを
    特徴とする凝集剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記珪酸アルカリ金属水溶液のシリカ濃
    度が7%以上であって、酸性の第二鉄塩水溶液を攪拌し
    ながら前記珪酸アルカリ金属水溶液を徐々に添加するこ
    とを特徴とする請求項2記載の凝集剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酸性の第二鉄塩水溶液が第二鉄塩水
    溶液に予め鉱酸を添加したものであることを特徴とする
    請求項2または請求項3記載の凝集剤の製造方法。
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