JPH1189522A - 流動性食品材料の連続加熱装置 - Google Patents

流動性食品材料の連続加熱装置

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JPH1189522A
JPH1189522A JP9272000A JP27200097A JPH1189522A JP H1189522 A JPH1189522 A JP H1189522A JP 9272000 A JP9272000 A JP 9272000A JP 27200097 A JP27200097 A JP 27200097A JP H1189522 A JPH1189522 A JP H1189522A
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JP
Japan
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food material
pipeline
fluid food
continuous heating
conduit
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JP9272000A
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Inventor
Hiroshi Hoshino
弘 星野
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Frontier Engineering Co Ltd
Original Assignee
Frontier Engineering Co Ltd
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Publication date
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  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通電加熱により流動性食品材料を管路内で連
続的に加熱するにあたり、局部的な過加熱や加熱不足が
生じることなく、食品材料全体を均一に加熱する。 【解決手段】 通電加熱用電極の相互の間において管路
内を流れる食品材料を、管路の横断方向へ撹拌するため
の撹拌手段を管路内に設けた。またその撹拌手段として
管路の軸線を中心として回転する回転撹拌体を設けた。
さらにその回転撹拌体を、管路の長さ方向に伸長しかつ
横断方向に偏平な長片形状とし、かつその長片形状の回
転撹拌体の幅方向縁部に切込部を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パイプ内で連続
的に流動搬送可能な程度の流動性を有する食品材料、例
えば液状食品材料、固体−液体混合食品材料、ゲル状食
品材料などについて、殺菌や調理などのためにパイプ内
(管路内)で連続的に流動搬送させながら連続加熱する
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】流動性を有する食品材料を殺菌や調理等
のために加熱する方法の一つとしては、その流動性食品
を、ポンプ等の圧力によってパイプ内を連続的に流動搬
送させつつ、そのパイプ内で連続的に加熱する方法があ
る。このようにパイプ内を連続的に流動搬送させつつ流
動性食品材料を連続加熱する方法によれば、パイプ内で
連続的に加熱された食品材料をそのまま連続的に容器に
充填することができるため、加熱から充填までの作業を
完全連続化することができる。
【0003】従来前述のようにパイプ内を連続的に流動
搬送させる食品材料を加熱するための方法としては、パ
イプの外側から温水や蒸気、電熱等により加熱する方法
が適用されていたが、これらの方法ではパイプを通して
の伝熱加熱となるため、パイプ内を流れる食品材料を殺
菌や調理等のために必要な温度まで均一に加熱するため
には長時間を要し、そのため加熱する部分のパイプの長
さを著しく長くするかまたはパイプ内の食品材料の流速
を著しく遅くせざるを得ず、そのため設備が大型化して
設備コストが高くなるかまたは処理能率が低くならざる
を得ないという問題があり、またエネルギ効率も低く、
ランニングコストが高くならざるを得ないという問題も
あった。
【0004】一方最近では、食品材料の有する電気抵抗
を利用して、食品材料に直接通電して発熱させる通電加
熱(ジュール加熱)を利用して殺菌や調理のために食品
材料を加熱する方法が実用化されている。そしてこのよ
うな通電加熱を適用してパイプ内を連続的に流れる流動
性食品材料を連続的に加熱する装置としても、既に特公
平5−33024号において提案されている。
【0005】上記提案の装置では、管路の上流側から下
流側へ向けて所定間隔を置いて少なくとも2以上の部分
に、管路の少なくとも内面に相当する部分を導電材料に
よって構成して、これらの部分を通電加熱用の電極とし
ている。したがって前記提案の装置では、管路内を流れ
る食品材料に対しては管路の上流側の電極と下流側の電
極との間で電流が流れ、通電加熱されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記提案のような流動
性食品材料の通電加熱装置を実用化するための研究、開
発を進めたところ、均一加熱の点で未だ問題があること
が判明した。
【0007】すなわち、本来通電加熱は、食品材料をそ
れ自体の内部から発熱させるところから、食品材料を均
一に加熱することができるというメリットがあるが、前
述のような装置を用いて管路内を流れる流動性食品材料
を加熱する場合、管路の中心軸線位置付近の部分では食
品材料が充分に加熱されないのに対し、管路の内周面近
くの部分では逆に過加熱されてしまうという問題があ
る。このような問題が生じる原因は、管路内の食品材料
に対して電流が不均一に流れることに由来すると考えら
れる。この点について、図20を参照して説明する。
【0008】図20において、流動性食品材料が流動搬
送される管路1には、その上流側(図20の下側)から
下流側(図20の上側)に向かう方向に所定間隔を置い
て短い中空円筒状をなす導電材料からなる電極3A,3
Bが配設されており、その電極3A,3Bの間の管路は
絶縁材料からなる中空円筒状のスペーサ管体5によって
形成され、また電極3Aよりも上流側の管路および電極
3Bよりも下流側の管路は、それぞれスペーサ管体5と
同様に絶縁材料からなる絶縁管体7A,7Bによって形
成されている。なお絶縁管体7A,7B、スペーサ管体
5と各電極3A,3Bとは、それぞれの内周面の間で実
質的に段差がないように接している。
【0009】ここで、管路1に食品材料を流通させた状
態で電極3A,3B間に通電加熱のための電圧を加えれ
ば、電流Iは最も電気抵抗が小さくなるような経路を通
って流れる傾向を示す。したがって電流Iは電極3A,
3B間においてスペーサ管体5の内周面に近い部分を通
って流れる傾向を示す。そのため図20の下段に示して
いるように、食品材料が流れる管路1の内面近くの部分
では電流密度が大きくなる一方、管路1の中心軸線Oの
付近では電流密度が極端に小さくなってしまい、その結
果管路1の内周面近くでは食品材料が過加熱されやすく
なるのに対し、中心軸線Oの近くでは食品材料が加熱さ
れにくくなる事態が生じやすい。
【0010】さらに通電加熱に特有の現象として、流動
性食品材料は一般にその温度が高くなるほど電流が流れ
やすくなることから、前述のように管路1の内周面近く
で過加熱されて温度上昇した食品材料には電流が一層集
中して流れ、その結果管路の内周面近くを流れる食品材
料は、急激に温度上昇して、中央部付近を流れる食品材
料との温度差が大きくなってしまう。
【0011】なお以上のところでは電極3A,3Bが管
路1の長さ方向、すなわち流動性食品材料の流れ方向に
所定間隔を置いて配設されている場合について説明した
が、図21あるいは図22に示すように、管路1の横断
方向(直径方向)に電極3A,3Bが対向している場合
にも電流密度の不均一が生じ、前記同様な現象が生じ
る。
【0012】すなわち図21の装置では、電極3A,3
Bはそれぞれ円弧状に作られて、管路1における直径方
向の一方側および他方側に管路1の内面に沿うように配
設されている。この場合には相互に対向する電極3A,
3Bの両端部3Aa,3Ab;3Ba,3Bbの間の距
離l1 が電極3A,3Bの各中央部3Ao;3Boの間
の距離l2 (管路1の内径に等しい)と比較して短くな
るため、その両端部3Aa,3Ab;3Ba,3Bbの
間の電流密度が大きくなる一方、中央部3Ao;3Bo
間の電流密度が小さくなって、電極両端部3Aa,3A
b;3Ba,3Bb間で食品材料が過加熱されやすくな
り、前述の場合と同様な問題が生じる。
【0013】また図22に示すように、電極3A,3B
が平行面で対向するように構成することも考えられてい
る。この場合は電極3A,3B間の距離l3 自体は電極
3A,3B間のいずれの部分でも等しいが、管路1内に
おける電極3A,3Bの間の両脇部分に相当する管路内
面付近の位置4A,4Bは、電極3A,3Bの対向面間
から外れるため、電流密度が小さくなって、その位置で
は食品材料が加熱されにくくなる事態も発生する。
【0014】前述のように食品材料が過加熱された場
合、殺菌は充分に行なえても、食品の食感や風味が損な
われたり、変色が生じたり、さらには栄養成分の破壊が
生じたりするおそれがあるから、優れた品質の食品を得
るためには、過加熱を避ける必要がある。一方食品材料
が充分に加熱されない場合には、充分に殺菌されずに食
品衛生上の問題が生じたり、また調理が充分に行なわれ
ないなどの問題が生じる。したがって食品材料全体を目
的とする処理に応じた適切な温度に加熱することが食品
加熱装置では重要であるが、既に述べたように従来提案
されている流動性食品材料の連続通電加熱装置では、食
品材料を均一に適切な温度に加熱することが困難であ
り、そのため実用化は未だためらわれているのが実情で
ある。
【0015】さらに前述のように管路1の内周面近くを
流れる流動性食品材料が過加熱されれば、管路1の内面
に食品材料が焦げ付くことがあり、その場合には食品材
料の風味が損なわれるばかりでなく、焦げ付き部分の炭
化によって局部的に大電流が流れたり、スパークが発生
したりして、管路を構成している絶縁材料が局部的に溶
融もしくは損傷したりしてしまうこともある。したがっ
て管路の内面への食品材料の焦げ付き防止も重要な課題
となっている。
【0016】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、流動性を有する食品材料を管路内で通電加熱
により連続加熱するにあたり、管路内を流れる食品材料
を均一に加熱し得るようにし、さらには管路内面への食
品材料の焦げ付きを未然に防止し得るようにした装置を
提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、この発明は、基本的には請求項1において規
定しているように、流動性を有する食品材料について管
路内をその一方側から他方側へ向けて連続的に搬送流動
させながら、その管路内において食品材料を通電加熱に
よって連続的に加熱するための装置において、管路内に
少なくとも一対以上の通電加熱用電極が設けられてお
り、かつ前記通電加熱用電極の相互の間において管路内
を流れる食品材料を、管路内の半径方向へ撹拌するため
の撹拌手段が管路内に設けられていることを特徴とする
ものである。
【0018】このように管路内の半径方向へ食品材料を
撹拌するための撹拌手段を設けておくことによって、管
路内中心付近と管路内周面付近との間で食品材料が混
合、撹拌されることから、管路内を流れる食品材料全体
を均一に加熱することができる。すなわち、前述のよう
に管路の内面近くの部分と管路の中心軸線付近の部分と
の間で電流密度に差が生じても、食品材料は管路内面付
近の部分のみを流れたりあるいは中心軸線付近の部分の
みを流れたりすることがなく、それらの部分を交互に流
れることになるため、トータル的に見れば加熱の程度は
均一になり、所望の温度に必要な時間均一に加熱できる
ことになる。またこのように管路内を流れる食品材料を
撹拌することによって、管路の内面に食品材料の焦げ付
きが生じることを未然に防止できる。
【0019】ここで、撹拌手段としては、請求項2で規
定しているように、管路の中心軸線を中心として回転す
る回転撹拌体によって構成することが望ましい。このよ
うに管路の中心軸線を中心として回転する回転撹拌体を
用いれば、その回転撹拌体の最外縁部分が管路の内面に
近接するように構成しておくことにより、単に管路内の
流動性食品材料が撹拌されるばかりでなく、回転撹拌体
の回転によって管路内面に付着した食品材料を掻き落と
すことができる。特に通電加熱用電極の表面では食品材
料が過加熱されて電極表面で焦げ付いた状態となりやす
いが、回転撹拌体の最外縁部分が通電加熱用電極の表面
に近接するように構成しておけば、電極表面での食品材
料の焦げ付きの発生を防止することができる。
【0020】撹拌手段を回転撹拌体によって構成する場
合、回転撹拌体の形状としては、請求項3において規定
しているように、管路の長さ方向に沿って伸長し、かつ
管路の横断方向に対応する横断面が管路の直径方向に沿
う偏平状をなす長片状の形状に作るのが代表的である。
【0021】そしてこのように回転撹拌体を長片状に作
る場合、請求項4において規定するように、その幅方向
の表面が、管路の半径方向に対し傾斜した面をなすよう
に作ることが望ましい。このように回転撹拌体の幅方向
の表面を、管体の半径方向に対し傾斜した面としておく
ことにより、管路の軸線を中心として回転撹拌体を回転
させた際に、管路内を流れる食品材料を内側から外側
へ、または外側から内側へ押しやることができ、そのた
め管路の半径方向への食品材料の撹拌を効果的に行なう
ことができる。
【0022】さらに回転撹拌体を前述のように長片状に
作る場合、請求項5において規定しているように、その
幅方向両縁部を、管路内面に対向する鋭角状をなすよう
に作ることが望ましい。このように幅方向縁部を鋭角状
に作っておけば、その回転撹拌体の幅方向縁部を管路内
周面に近接させておくことにより、回転撹拌体の回転時
に、管路内面に付着している食品材料を効果的に掻き落
とすことができる。
【0023】さらに前述の如く回転撹拌体を長片状に作
る場合、その長片状の回転撹拌体には、請求項6におい
て規定しているように、その幅方向の一方の側および他
方の側からそれぞれ中央部へ向って切込まれた切込部
を、それぞれ回転撹拌体の長さ方向に所定間隔を置いて
形成しておくことが望ましい。この場合、切込部が形成
されていない部分では回転撹拌体の回転によって食品材
料が接線方向に押される一方、切込部では回転撹拌体の
回転時に食品材料が押圧されないから、食品材料がその
切込部を通って逃げることができる。したがって食品材
料の流れは、切込部の空間へ絞り込まれ、また切込部の
空間から放出される流れが生じ、乱流化が促進され、食
品材料が充分に撹拌される状態となる。
【0024】ここで、通電加熱用電極を、管路の上流側
から下流側へ向けて所定間隔を置いて少なくとも2以上
の部分に、管路の少なくとも内面に相当する部分を導電
材料によって形成した構成とし、かつ前述のように切込
部を長片状回転撹拌体に形成しておく場合、請求項7に
おいて規定しているように、切込部が形成されていない
部分が通電加熱用電極に対向するように切込部の形成位
置を定めておくことが望ましい。この場合、通電加熱用
電極の内周面付近の食品材料は、回転撹拌体における切
込部を形成していない部分によって掻き落とされるた
め、電極内周面に食品材料が付着して焦げ付くことを有
効に防止できる。
【0025】さらに前述のように切込部を長片状回転撹
拌体に形成しておく場合、請求項8において規定してい
るように、回転撹拌体における一方の側の切込部と、他
方の側の切込部とを、長片状回転撹拌体の長さ方向に交
互に形成することが望ましい。この場合、管路の内周面
近くのある位置を考えれば、回転撹拌体が回転する間
に、回転撹拌体の切込部が形成されている部分と、切込
部が形成されていない部分とが交互に通過することにな
る。したがってその位置では、食品材料が回転撹拌体に
よって押される状態と、切込部を通って逃げる状態とが
交互に生じ、そのため食品材料の撹拌をより一層効率良
く行なうことができる。
【0026】一方、回転撹拌体を長片状に形成する場
合、請求項9において規定するように、その長片状の回
転撹拌体の厚み方向に貫通する複数の貫通孔を形成して
おいても良い。この場合、回転撹拌体が回転する際に
は、食品材料が前記貫通孔を通って逃げることができ、
そのため食品材料の流れに乱流を生じさせて撹拌効果を
高めることができる。なおこのような貫通孔の形成と、
前述の請求項6〜請求項8のいずれかに規定するような
切込部とを併用しても良いことは勿論である。
【0027】また回転撹拌体を長片状に形成する場合、
請求項10において規定しているように、その長片状の
回転撹拌体の厚み方向に貫通しかつ長さ方向に延びるス
リット状の長孔を形成しても良く、この場合も請求項9
の貫通孔と同様に、食品材料がその長孔を通って逃げる
ことにより乱流を発生させ、撹拌効果を高めることがで
きる。
【0028】一方回転撹拌体としては、請求項3で規定
するような長片状のものに限らず、請求項11において
規定しているように、管路の軸線方向に沿いかつそれぞ
れ相互に間隔を置いて設けた複数本の軸部材によって構
成し、かつその複数本の軸部材を、それぞれ管路の中心
軸線位置からの距離が異なるように配設した構成として
も良い。この場合、回転撹拌体を構成する各軸部材の位
置(管路の中心軸線位置からの距離)が異なるため、管
路内の横断面における異なる位置で各軸部材が回転する
ことになり、そのため管路内を流れる食品材料の全体を
充分に撹拌することができる。
【0029】さらに回転撹拌体の形状としては、請求項
12において規定するように管路の長さ方向に対して蛇
行する棒状部材によって構成しても良い。この場合棒状
部材の外面は、いずれの部分も管路の中心軸線に対し傾
斜し、しかもその傾斜方向が変化しているため、管路の
長さ方向に流れる食品材料に対して撹拌作用を与えるこ
とができる。
【0030】管路内を流れる食品材料を撹拌するための
撹拌手段としては、回転型のものに限らず、請求項13
において規定しているように固定型のものを用いても良
い。すなわち撹拌手段を管路内において固定された固定
撹拌体で構成し、かつその固定撹拌体を、管路軸線方向
に対し異なる方向へ傾斜する2以上の傾斜面を有する構
成としても良い。このように傾斜方向が異なる2以上の
傾斜面を持つ固定撹拌体を用いることにより、管路内を
流れる食品材料が、軸線に対し交互に異なる傾斜方向へ
押しやられるため、管路の横断方向への撹拌作用を得る
ことができる。
【0031】なお通電加熱用電極の形態としては、請求
項14において規定しているように、管路の上流側から
下流側へ向けて所定間隔を置いて少なくとも2以上の部
分に管路少なくとも内面に相当する部分を導電材料によ
って形成した構成としても、あるいは請求項15におい
て規定しているように、管路の直径方向に対向するよう
に設けた構成としても良い。
【0032】
【発明の実施の形態】
【0033】
【実施例】図1にこの発明の連続加熱装置の全体構成の
一例を示す。
【0034】図1において、液体状食品材料あるいは固
体−液体混合食品材料などの流動性を有する食品材料
は、予め供給側容器11に収容されている。この供給側
容器11の下端には供給開閉弁13が設けられており、
さらにこの供給開閉弁13の下端からは、管路15が延
長されている。管路15における供給開閉弁13近くの
位置には、流動性食品材料について管路15内を流動搬
送させるための圧送手段として、ポンプ17が設けられ
ている。管路15におけるポンプ17よりも下流側に
は、上方へ垂直に立上がる垂直立上り部分15Aが存在
し、この管路垂直立上り部分15Aには、この発明で特
徴とする撹拌手段を備えた通電加熱装置19が形成され
ている。さらに管路15における垂直立上り部分15A
の上端は水平方向へ折り曲げられて水平方向へ伸長さ
れ、その部分(すなわち通電加熱装置19の下流側に相
当する部分)には冷却装置21が配設され、その冷却装
置21の下流側には排出側容器23が設けられている。
【0035】ここで、図1の例では圧送手段として管路
15の途中にポンプ17を設けた構成としているが、場
合によっては供給側容器11内に圧力を加える加圧手段
を設けて、供給側容器11内の食品材料を加圧して管路
15内を流動搬送させる構成としても良い。また冷却装
置21は、例えば管路15の外周面上を冷却水が循環す
るように構成すれば良いが、場合によってはこの冷却装
置21は省くことも可能である。
【0036】図2には、前記通電加熱装置19を含む管
路15の垂直立上り部分15Aの一例を示す。
【0037】図2において、管路15の垂直立上り部分
15Aには、下方から第1アース電極23A、通電加熱
用電極25A〜25F、第2アース電極23Bが間隔を
置いてその順に配設されている。各アース電極23A,
23Bおよび各通電加熱用電極25A〜25Fは、チタ
ン、チタン合金、あいるはステンレス鋼などの導電材料
からなるものであって、それぞれ環状に作られて、管路
15の一部を構成している。また各電極23A,23
B;25A〜25Fの間の管路部分は、それぞれ円筒状
をなす絶縁性管体27によって構成されている。そして
各通電加熱用電極25A〜25Fは、交互に通電加熱用
電源29の一方の端子29A、他方の端子29Bに電気
的に接続され、両側のアース電極23A,23Bはそれ
ぞれ電気的に接地されている。そしてこれらの電極23
A,23B;25A〜25F、通電加熱用電源29によ
って通電加熱装置19が構成されている。なお通電加熱
用電源29としては、通常は高周波電源あるいは商用交
流電源が用いられる。
【0038】さらに上述のように通電加熱装置19を設
けた管路立上り部分15Aには、その上端部15Bから
鉛直に撹拌手段としての回転撹拌体31が挿入されてい
る。この回転撹拌体31は、管路立上り部分15Aの中
心軸線Oを中心として回転するものであってモータや減
速機などからなる回転駆動手段32の回転軸32Aに取
付けられている。なお図2においては回転撹拌体31の
下端は自由端とされて特に機械的に支持されていない
が、場合によっては回転撹拌体31の下端を軸受によっ
て回転可能に支持しても良い。回転撹拌体31の詳細を
図3、図4に示す。
【0039】図3、図4に示す回転撹拌体31は、回転
軸32Aの下端部に取付けられて、全体として管路15
の長さ方向に沿って下方へ長く伸びる長片状の形状に作
られ、かつ横断面形状が管路の直径方向に沿う偏平な菱
形をなすように作られており、またその回転撹拌体31
の幅(管路15の直径方向に沿った幅)は、管路15の
内径よりわずかに小さい幅とされている。上述のように
回転撹拌体31は横断面が偏平な菱形であるところか
ら、その幅方向両縁部31A,31Bは管路15の内面
に向う鋭角状をなしていることになり、また回転撹拌体
31の表面31C〜31Fは管路15の半径方向に対し
て小角度だけ傾斜した面をなしていることになる。さら
にその回転撹拌体31の幅方向の一方の縁部側には、中
央部へ向って凹湾曲状に切込まれた複数の切込部33A
〜33Cが所定間隔を置いて形成されており、また幅方
向の他方の縁部側にも、中央部へ向って凹湾曲状に切込
まれた複数の切込部35A〜35Dが所定間隔を置いて
形成されている。
【0040】ここで、回転撹拌体31の一方の縁部側に
おける切込部33A〜33Cと、他方の縁部側における
切込部35A〜35Dとは、回転撹拌体31の長さ方向
(したがって管路15の長さ方向)に同じ位置に位置し
ないように交互に形成されている。そしてまた、各切込
部33A〜33C;35A〜35Dの位置は、各電極2
5A〜25F;23A,23Bに対向しないように定め
られている。換言すれば回転撹拌体31の幅方向縁部に
おける切込部の間の部分、すなわち切込部を形成してい
ない部分が各電極25A〜25F;23A,23Bに対
向するように、各切込部33A〜33C;35A〜35
Dの位置が定められている。
【0041】以上のような実施例の連続加熱装置におい
て、供給開閉弁13を開いてポンプ17を作動させれ
ば、供給側容器11から流動性食品材料が管路15内を
図1の左方から右方へ流れる。そして流動性食品材料
は、管路15の垂直立上がり部分15Aにおいて撹拌手
段を備えた通電加熱装置19を通過して、管路15内に
おいて撹拌されつつ通電加熱されて温度上昇し、殺菌や
調理等の加熱処理がなされ、さらに冷却装置21を通過
することにより冷却されてから、排出側容器23に至
る。
【0042】ここで、管路垂直立上がり部分15Aにお
ける流動性食品材料に対する通電加熱作用および撹拌作
用についてさらに具体的に説明する。
【0043】管路垂直立上がり部分15Aにおいて流動
性食品材料は、第1アース電極23A、各通電加熱用電
極25A〜25F、第2アース電極23Bのそれぞれの
内側の位置を順次通過する。ここで、通電加熱用電極2
5A〜25Fは、交互に通電加熱用電極29の一方の端
子29A、他方の端子29Bに接続されているから、各
通電加熱用電極間において流動性食品材料を通って電流
が流れ、その流動性食品材料の有する電気抵抗によって
流動性食品材料が発熱し、通電加熱がなされる。また両
端の第1および第2アース電極23A,23Bはそれぞ
れ接地されているから、第1アース電極23Aよりも上
流側もしくは第2アース電極23Bよりも下流側へ流動
性食品材料を介して漏れ電流が流れて感電事故等を起こ
すことを有効に防止できる。
【0044】上述のように流動性食品材料が通電加熱さ
れる間に、撹拌手段としての回転撹拌体31を管路立上
がり部分15Aの軸線Oを中心として回転させれば、管
路内を下方から上方へ向って流れる流動性食品材料は、
回転撹拌体31の表面により押されて流動せしめられ
る。このとき、回転撹拌体31はその断面が偏平な菱形
をなすように作られていて、その表面が管路15の半径
方向に対して小角度だけ傾斜した面となっているから、
回転撹拌体31の回転時には、流動性食品材料は管路1
5の円周方向よりも小角度傾斜した方向へ押されること
になる。これは、管路15の中心付近を流れる食品材料
が外側へ押しやられるかまたは逆に管路15の内面近く
を流れる流動性食品材料が管路15の中心へ向って押し
やられることを意味する。したがって管路15内を流れ
る食品材料は管路15の半径方向へ撹拌されることにな
る。さらに、回転撹拌体31の縁部に形成された切込部
33A〜33C,35A〜35Dの空間においては、流
動性食品材料は回転撹拌体31の表面によって押され
ず、その部分で逃げることになる。すなわち、管路15
内の流動性食品材料には、切込部33A〜33C,35
A〜35Dの空間へ絞り込まれ、さらにその切込部33
A〜33C,35A〜35Dの空間から解放される乱流
が生じ、このような乱流には管路15の半径方向の成分
の流れが含まれるため、食品材料には管路15の半径方
向へ充分な撹拌力が与えられる。
【0045】したがって以上の撹拌作用が相俟って、流
動性食品材料のある部分が各通電加熱用電極25A〜2
5Fに近接した状態で定常的に流れてしまうことが防止
される。すなわちこのような管路15の横断方向への撹
拌を連続的に行なうことによって、流動性食品材料のい
ずれの部分も管路15の内周面付近の位置と中心軸線O
付近の位置との間で繰返し移動することになる。したが
って流動性食品材料は全体的に均一に加熱され、特に通
電加熱用電極25A〜25Fの近傍で過加熱されたり、
逆に中心軸線O付近で加熱不足が生じてしまうような事
態の発生を防止することができる。
【0046】ここで、図2〜図4に示す回転撹拌体31
においては、一方の側の切込部33A〜33Cと他方の
側の切込部35A〜35Dとが交互に形成されているか
ら、管路15内のある位置を取出してみれば、回転撹拌
体31が一回転する間に、回転撹拌体31の切込部を形
成していない部分によって食品材料が押される状態と、
切込部を通って食品材料が逃げる状態とが交互に出現す
ることになり、そのため食品材料の流れもより一層乱れ
て、大きな撹拌効果を得ることができる。
【0047】また回転撹拌体31における各通電加熱用
電極25A〜25Fに対応する部分には切込部が形成さ
れていないから、回転撹拌体31の回転時にはその鋭角
状の縁部(切込部を形成していない部分)が各通電加熱
用電極25A〜25Fの内面に近接した状態で通過する
ことになる。そのため回転撹拌体31の鋭角状縁部が通
電加熱用電極25A〜25Fの内周面に付着した食品材
料を掻き落す作用をもたらし、電極内周面で食品材料が
焦げ付いてしまうような事態の発生を有効に防止でき
る。
【0048】なお図2〜図4の例では、長片状をなす回
転撹拌体31の横断面が偏平な菱形をなすものとして説
明したが、回転撹拌体31の横断面形状は菱形に限ら
ず、例えば図5に示すように、滑らかな凸湾曲状の弧面
を組合せたような形状としても良い。この場合も回転撹
拌体31の表面は、管路15の半径方向に対して傾斜し
た面となるから、前述のような内外方向への撹拌効果を
得ることができる。
【0049】図6〜図8にはこの発明の装置に使用され
る撹拌手段としての回転撹拌体31の他の例を示す。
【0050】図6、図7に示される回転撹拌体31にお
いては、全体として長片状をなしかつ横断面が偏平な菱
形をなしている点は図2〜図4に示す回転撹拌体31と
同様である。そして図6、図7に示される回転撹拌体3
1では、幅方向の一方の側の切込部33A,33Bと他
方の側の切込部35A,35Bとが互いに対応する位置
に形成されている。すなわち、図2〜図4の場合には、
一方の側の切込部33A〜33Cと他方の側の切込部3
5A〜35Dとが、回転撹拌体31の長さ方向に交互に
形成されていたが、図6、図7の例の場合は、一方の側
の切込部33A,33Bと他方の側の切込部35A,3
5Bとが、回転撹拌体31の長さ方向の同じ位置で両側
から切込まれることによって形成されている。なお通電
加熱用電極25A〜25Fに対応する部分について、回
転撹拌体31の幅方向両縁部に切込部が形成されていな
いことは、図2〜図4の例と同様である。但し、各切込
部33A,33B;35A,35Bは、各通電加熱用電
極25A〜25Fの相互間の全ての部分に対応して形成
されてはおらず、各通電加熱用電極25A〜25Fの相
互間の部分の一つ置きに対応するように形成されてい
る。
【0051】さらに図6、図7に示される回転撹拌体3
1では、切込部33A,33B;35A,35Bが形成
されていない部分における縁部近傍の位置には、厚み方
向に貫通する複数の貫通孔41が形成されている。これ
らの貫通孔41は、図8に詳細に示すように、その貫通
方向が回転撹拌体31の長さ方向(したがって管路15
の軸線方向)に対して所定角度傾斜するように形成され
ている。
【0052】図6〜図8に示されるような回転撹拌体3
1を用いた場合、横断面を偏平な菱形にしたことによる
傾斜面の作用および縁部が鋭角状に形成されていること
による作用は、図2〜図4の回転撹拌体と同様である。
一方、切込部33A,33B;35A,35Bによる作
用については、両側の切込部を長さ方向に同じ位置に形
成しているため、図2〜図4の回転撹拌体と比べて若干
撹拌効果が低くなるが、その分が貫通孔41によって補
われている。すなわち貫通孔41は、回転撹拌体31を
軸中心に回転させる際に、その表面によって押される流
動性食品材料の逃げ場となり、そのため流動性食品材料
の流れが貫通孔41へ向って絞られるとともに、貫通孔
41からその周囲へ拡散状に放出され、これによって流
動性食品材料の流れに乱流を引起こすことができる。そ
してまた、図8に詳細に示しているように貫通孔41は
その貫通方向が管路15内を流れる流動性食品材料の流
れの方向に対し小角度傾斜しているため、乱流効果を一
層高めることができる。
【0053】なお図6〜図8に示される回転撹拌体31
の場合も、横断面形状を偏平な菱形とする代りに、図5
に示したと同様に凸湾曲面(円弧面)を組合せた形状と
しても良い。
【0054】図9、図10には撹拌手段としての回転撹
拌体31のさらに他の例を示す。
【0055】図9、図10の例の回転撹拌体31が、全
体として長片状をなしかつ横断面が偏平な菱形をなして
いる点は図3、図4に示す回転撹拌体と同様である。そ
して図9、図10の例の場合は、回転撹拌体31にはそ
の中心軸線位置Oの両側に、厚み方向に貫通しかつ長さ
方向に沿って(したがって管路15の軸線方向と平行な
方向に沿って)延びるスリット状の長孔43A,43B
が形成されている。なおこれらの長孔43A,43Bの
貫通方向は、図10に示しているように管路15の半径
方向に対して所定角度傾斜するようになっている。
【0056】このような図9、図10に示される回転撹
拌体31の場合、横断面が偏平な菱形をなしていること
による傾斜面および縁部鋭角による作用は前述の各例と
同様である。そして特に図9、図10の例の場合、回転
撹拌体31の回転時には、スリット状の長孔43A,4
3Bは、回転撹拌体31の表面によって押しやられる流
動性食品材料の逃げ場となる。このとき、スリット状の
長孔43A,43Bはその貫通方向が管路15の半径方
向に対して傾斜しているため、長孔43A,43Bを通
る流動性食品材料は、管路15内の中心側から外側へ、
あるいは逆に外側から中心側へ向って流動することにな
り、そのため既に述べたと同様に管路15の横断方向へ
の撹拌作用を効果的に得ることができる。
【0057】さらに図11、図12には撹拌手段として
の回転撹拌体31の別の例を示す。
【0058】図11、図12に示される回転撹拌体31
は、管路15の中心軸線Oの位置において管路15の長
さ方向に沿う支軸61の両側に、板面が管路15の半径
方向および長さ方向に沿う一対の羽根状板部材63A,
63Bを固定した構成とされ、かつその羽根状板部材6
3A,63Bには、その厚さ方向に貫通する複数の貫通
孔65が形成されている。なお支軸61の下端は、管路
垂直立上がり部分15Aの下端部に設けた軸受67によ
って回転可能に支持されている。
【0059】図11、図12に示される回転撹拌体31
を管路15の軸線Oを中心として回転させれば、管路1
5内を流れる流動性食品材料は、羽根状板部材63A,
63Bによって押しやられると同時に、貫通孔65の部
分ではその空間を通って逃げる。そしてこのように貫通
孔65の空間を通って流動性食品材料が逃げる際に、管
路15の半径方向への流れ成分を含む乱流が生じ、管路
15の半径方向への撹拌作用が与えられる。
【0060】なお図11、図12の例では、一対の羽根
状板部材63A,63Bを180°間隔で設けた構成と
しているが、3枚の羽根状部材を120°間隔で設けた
り、あるいは4枚の羽根状部材を90°間隔で設けた構
成としても良いことはもちろんである。また羽根状板部
材63A,63Bに形成する貫通孔65は図8に示され
る貫通孔41と同様に管路1の軸線方向に対して所定角
度傾斜するように形成したり、あるいは図10に示す長
孔43A,43Bと同様に管路15の半径方向に対し所
定角度傾斜するように形成しても良い。
【0061】図13、図14には撹拌手段としての回転
撹拌体31のさらに別の例を示す。
【0062】図13、図14に示される回転撹拌体31
は、管路15の長さ方向に沿う複数本の軸部材45A〜
45Eからなり、これらの複数本の軸部材45A〜45
Eの両端を連結片47A,47Bにて連結した構成とさ
れている。ここで、各軸部材45A〜45Eは、相互に
間隔を置いて配設されており、かつ各軸部材45A〜4
5Eの位置は、管路15の中心軸線位置Oからの距離が
異なるように定められている。なお軸部材45A〜45
Eのうち、45Aは管路15の内周面に極く近接するよ
うにその位置が定められている。
【0063】図13、図14に示すような回転撹拌体3
1を管路15の軸線Oを中心として回転させれば、管路
15内の流動性食品材料は順次各軸部材45A〜45E
により管路15内の中心方向もしくは外側へ押しやら
れ、管路15の横断方向への撹拌が行なわれる。ここ
で、各軸部材45A〜45Eはそれぞれ管路15の中心
軸線Oからの距離が異なるため、管路15内の半径方向
のいずれの部分を流通する流動性食品材料に対しても満
遍なく撹拌を与えることができる。また最も外側の軸部
材45Aは管路15の内周面(したがって通電加熱用電
極25A〜25Fの内周面)に近接するように設けられ
ているから、回転撹拌体31の回転時にはその軸部材4
5Aが通電加熱用電極25A〜25Fの内周面に付着し
た食品材料を掻き落とすことができ、そのため通電加熱
用電極25A〜25Fの内周面で食品材料が焦げ付いて
しまう事態の発生を有効に防止することができる。
【0064】なお図13、図14に示す回転撹拌体31
は、流動性食品材料の流れ(管路15の長さ方向の流
れ)に対する抵抗が比較的少ないことから、粘性の高い
流動性食品材料、あるいは固形物を比較的多量に含むよ
うな固−液混合食品材料などの場合に有効である。
【0065】図15、図16には、撹拌手段としての回
転撹拌体31のさらに他の例を示す。
【0066】図15、図16において、回転撹拌体31
は管路15の長さ方向に対して蛇行する棒状部材48に
よって構成されている。この場合棒状部材48からなる
回転撹拌体31の蛇行の周期は、各電極の中心間距離の
2倍に相当するように定められ、最も外側に張出した部
分48Aが各通電加熱用電極25A〜25Fの内周面に
近接するように配設されている。
【0067】図15、図16に示されるような蛇行する
棒状部材48からなる回転撹拌体31を管路15の軸線
Oを中心として回転させれば、棒状部材48の各部分は
それぞれ管路15の長さ方向に対して傾斜しており、し
かもその傾斜方向が変化しているため、管路15内を流
れる流動性食品材料は、棒状部材48の各部分の表面に
よって管路15の中心軸線へ向う方向もしくは外側へ押
しやられ、管路15の半径方向への撹拌作用を得ること
ができる。なお前述のように蛇行する棒状部材48の最
も外側へ張り出した部分48Aは通電加熱用電極25A
〜25Fに近接しているため、通電加熱用電極25A〜
25Fの表面に付着した食品材料を掻き落とすことがで
きる。
【0068】以上の各実施例においては、撹拌手段とし
て回転型の撹拌体を用いているが、場合によっては管路
15内において固定された撹拌体、すなわちスタティッ
クタイプの撹拌体を用いることもできる。その場合の例
を図17〜図19に示す。
【0069】図17〜図19において、固定撹拌体51
は、板状の部材を右ネジ方向へ180°捻った複数の右
捻り片51Aと、板状部材を左ネジ方向へ180°捻っ
た複数の左捻り片51Bとからなり、これらの右捻り片
51Aと左捻り片51Bとを管路15内に交互に固定し
て設けた構成とされている。ここで右捻り片51Aと左
捻り片51Bとの突き合せ部分では、それぞれの端部が
90°の位相差をもって接するように位置決めされてい
る。なお図18、図19中の各破線矢印は、それぞれ右
捻り片51A、左捻り片51Bの捻り方向を示してい
る。
【0070】図17〜図19に示すような固定撹拌体5
1を用いた場合、管路15内を流れる流動性食品材料
は、右捻り片51A、左捻り片51Bによって交互に逆
方向へ旋回せしめられる。そしてまた右捻り片51Aと
左捻り片51Bとの突き合せ部分では両者の位相が90
°異なっているため、食品材料の流れが分割され、かつ
その突き合せ部分が複数個所に存在するところから、流
れの分割が多重に行なわれることになる。そしてこれら
の作用が相俟って管路15の横断方向へも食品材料が撹
拌されることになる。すなわち、各捻り片51A,51
Bの表面に流動性食品材料が当接したときに食品材料に
与えられる旋回力の方向は、管路15の接線方向となっ
ているから、管路15の内周面へ近接する方向へ食品材
料が押しやられることになり、しかも前述のような隣り
合う捻り片51A,51Bの突き合せ部分での流れの分
割により乱流が生じ、これらの総合的な結果として管路
15の半径方向への撹拌作用を充分に得ることができ
る。
【0071】なお図17では、各通電加熱用電極25A
〜25Fの内周面に対応する部分にも右捻り片51A
(もしくは左捻り片51B)が存在するものとしたが、
場合によっては通電加熱用電極25A〜25Fの内周面
の部分を外した位置に各捻り片51A,51Bを配設し
ても良い。
【0072】ここで、固定撹拌体51の形状は、図17
〜図19に示すような形状に限らず、要は管路の軸線方
向に対して異なる方向へ傾斜する2以上の傾斜面を備え
たものであれば、異なる2以上の方向への旋回力を流動
性食品材料に与えて、管路横断方向へ食品材料を撹拌す
ることができる。
【0073】以上の各例においては、各通電加熱用電極
は管路15の長さ方向(食品材料の流れる方向)に所定
間隔を置いて配設した構成としているが、図21あるい
は図22に示したように通電加熱用電極を管路の長径方
向(横断方向)に対向するように配設した場合にも適用
できることはもちろんである。例えば図21に示される
一対の通電加熱用電極3A,3Bの間に撹拌手段として
例えば前述の各例のうちのいずれかの回転撹拌体31を
配置することもできる。
【0074】さらに以上の説明では、管路15の垂直立
上り部分15Aに通電加熱用電極を設けて通電加熱装置
を形成し、その部分に撹拌手段として例えば回転撹拌体
31を挿入した構成としているが、垂直立上り部分に限
らず、管路の水平部分あるいは傾斜部分に通電加熱用電
極を設けて通電加熱装置を形成し、その部分に撹拌手段
として例えば回転撹拌体31を挿入した構成とすること
もできる。
【0075】
【発明の効果】この発明の流動性食品材料の連続加熱装
置によれば、管路の一方側から他方側へ向けて流動性食
品材料を連続的に搬送流動させながら、その管路内にお
いて流動性食品材料を連続的に通電加熱するにあたっ
て、管路内を流れる流動性食品材料全体を均一に加熱す
ることができる。すなわち、管路の内面近くの部分と管
路の中心軸線付近との間で電流密度の差が生じても、管
路内を流れる食品材料は通電加熱中に管路の半径方向へ
撹拌されるため、食品材料全体を均一に加熱し、所望の
温度に必要な時間だけ均一に加熱することができる。ま
た流動性食品材料として、卵白の如く物性が不均一な食
品材料を対象としている場合でも、通電加熱を行ないな
がら食品材料を撹拌することによって、その食品材料を
均一に加熱することができる。したがってこの発明の連
続加熱装置によれば、食品材料の一部に過加熱が生じて
食品材料の品質の劣化等が生じることがないと同時に、
逆に食品材料の一部に加熱不足が生じて殺菌や調理が不
充分となったりする事態の発生を有効に防止することが
できる。また撹拌手段として特に回転撹拌体を用いた場
合には、管路の内面に付着した食品材料を掻き落とすこ
とができるため、管路内面、特に通電加熱用電極の表面
で食品材料が焦げ付いてしまう事態の発生を有効に防止
でき、そのため焦げ付きによる食品材料の風味の低下を
防止できるだけではなく、スパークや局部的大電流の発
生を防止して装置寿命を大幅に延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の流動性食品材料の連続加熱装置の全
体構成の一例を示す略解図である。
【図2】この発明の流動性食品材料の連続加熱装置に用
いられる通電加熱装置の部分の一例を示す略解的な縦断
面図である。
【図3】図2に示される通電加熱装置に用いられる回転
撹拌手段としての回転撹拌体の一例を示す正面図がであ
る。
【図4】図3のIV−IV線における回転撹拌体の横断
平面図である。
【図5】図3に示される回転撹拌体の他の横断面形状を
示す横断平面図である。
【図6】撹拌手段としての回転撹拌体の他の例を示す正
面図である。
【図7】図6のVII−VII線における横断平面図で
ある。
【図8】図6のVIII−VIII線における縦断面図
である。
【図9】撹拌手段としての回転撹拌体のさらに他の例を
示す正面図である。
【図10】図9のX−X線における横断平面図である。
【図11】撹拌手段として他の回転撹拌体を用いた通電
加熱装置の一例を示す縦断面図である。
【図12】図11のXII−XII線における横断平面
図である。
【図13】撹拌手段としての回転撹拌体のさらに他の例
を示す正面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線における横断平面
図である。
【図15】撹拌手段としての回転撹拌体の別の例を示す
正面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線における横断平面
図である。
【図17】撹拌手段としての固定撹拌体の一例を示す正
面図である。
【図18】図15のXVIII−XVIII線における
横断平面図である。
【図19】図15のXIX−XIX線における横断平面
図である。
【図20】従来提案されている通電加熱による流動性食
品材料の連続加熱装置の作用を説明するための略解図で
ある。
【図21】従来提案されている連続加熱装置の他の例に
おける作用を説明するための略解的な断面図である。
【図22】従来提案されている連続加熱装置のさらに他
の例における作用を説明するための略解的な断面図であ
る。
【符号の説明】
15 管路 15A 垂直立上がり部分 19 通電加熱装置 25A〜25F 通電加熱用電極 31 撹拌手段としての回転撹拌体 32 回転駆動手段 33A〜33C 切込部 35A〜35D 切込部 41 貫通孔 43A,43B 長孔 45A〜45E 軸部材 48 棒状部材 51 固定撹拌体

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動性を有する食品材料について管路内
    をその一方側から他方側へ向けて連続的に搬送流動させ
    ながら、その管路内において食品材料を通電加熱によっ
    て連続的に加熱するための装置において、 管路内に少なくとも一対以上の通電加熱用電極が設けら
    れており、かつ前記通電加熱用電極の相互の間において
    管路内を流れる食品材料を、管路内の半径方向へ撹拌す
    るための撹拌手段が管路内に設けられていることを特徴
    とする、流動性食品材料の連続加熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の流動性食品材料の連続
    加熱装置において、 前記撹拌手段が、管路の中心軸線を中心として回転する
    回転撹拌体によって構成されている、流動性食品材料の
    連続加熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の流動性食品材料の連続
    加熱装置において、 前記回転撹拌体が、管路の長さ方向に沿って伸長されか
    つ管路の横断方向に対応する横断面が管路の直径方向に
    沿う偏平状をなす長片状の形状に作られている、流動性
    食品材料の連続加熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の流動性食品材料の連続
    加熱装置において、 前記長片状の回転撹拌体の幅方向の表面が、管路の半径
    方向に対して傾斜する面をなすように作られている、流
    動性食品材料の連続加熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の流動性食品材料の連続
    加熱装置において、 前記長片状の回転撹拌体の幅方向両縁部が、管路内面に
    対向する鋭角状をなすように作られている、流動性食品
    材料の連続加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の流動性食品材料の連続
    加熱装置において、 前記長片状の回転撹拌体に、その幅方向の一方の側およ
    び他方の側からそれぞれ中央部へ向って切込まれた切込
    部が、それぞれ回転撹拌体の長さ方向に所定間隔を置い
    て形成されている、流動性食品材料の連続加熱装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の流動性食品材料の連続
    加熱装置において、 前記通電加熱用電極が、管路の上流側から下流側へ向け
    て所定間隔を置いて少なくとも2以上の部分に、管路の
    少なくとも内面に相当する部分を導電材料によって形成
    してなり、かつ前記回転撹拌体における切込部が形成さ
    れていない部分が通電加熱用電極に対向するように構成
    された、流動性食品材料の連続加熱装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の流動性食品材料の連続
    加熱装置において、 前記回転撹拌体における一方の側の切込部と他方の側の
    切込部が、回転撹拌体の長さ方向に交互に形成されてい
    る、流動性食品材料の連続加熱装置。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の流動性食品材料の連続
    加熱装置において、 前記長片状の回転撹拌体に、その厚み方向に貫通する複
    数の貫通孔が形成されている、流動性食品材料の連続加
    熱装置。
  10. 【請求項10】 請求項3に記載の流動性食品材料の連
    続加熱装置において、 前記長片状の回転撹拌体に、その厚み方向に貫通しかつ
    長さ方向に延びるスリット状の長孔が形成されている、
    流動性食品材料の連続加熱装置。
  11. 【請求項11】 請求項2に記載の流動性食品材料の連
    続加熱装置において、 前記回転撹拌体が、管路の軸線方向に沿いかつそれぞれ
    相互に間隔を置いて設けた複数本の軸部材からなり、か
    つその複数本の軸部材は、それぞれ管路の中心軸線位置
    からの距離が異なるように配設されている、流動性食品
    材料の連続加熱装置。
  12. 【請求項12】 請求項2に記載の流動性食品材料の連
    続加熱装置において、 前記回転撹拌体が、管路の長さ方向に対して蛇行する棒
    状部材によって構成されている、流動性食品材料の連続
    加熱装置。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の流動性食品材料の連
    続加熱装置において、 前記撹拌手段が、管路内において固定された固定撹拌体
    で構成されており、この固定撹拌体は、管路の軸線方向
    に対し異なる方向へ傾斜する2以上の傾斜面を有するこ
    とを特徴とする、流動性食品材料の連続加熱装置。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の流動性食品材料の連
    続加熱装置において、 通電加熱用電極が、管路の上流側から下流側へ向けて所
    定間隔を置いて少なくとも2以上の部分に、管路の少な
    くとも内面に相当する部分を導電材料によって形成して
    なる、流動性食品材料の連続加熱装置。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の流動性食品材料の連
    続加熱装置において、 通電加熱用電極が管路の直径方向に対向するように設け
    られている、流動性食品材料の連続加熱装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010049740A (ko) * 1999-07-08 2001-06-15 무라카미슨스케 유동성식료품을 가열 및 살균하는 가열살균장치
JP2002238523A (ja) * 2001-02-22 2002-08-27 Frontier Engineering:Kk 流動性食品材料の連続通電加熱装置
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