JP2008125792A - 加熱調理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極間に電流を流すときに生じる抵抗によって発熱するジュール加熱において、具材を崩さずに加熱むらを解消して調理物の均一加熱を実現する。
【解決手段】容器4の壁面に攪拌手段5と、この攪拌手段5を覆う保護手段11を設けて、ジュール加熱の際に攪拌手段5で容器4内の液体と固体の混合食材を攪拌する構成によって、攪拌手段5が回転しても保護手11段が備わっているので容器内の固形物を崩すことなく、調理物に対流をおこして加熱むらを解消することができる。
【選択図】図1
【解決手段】容器4の壁面に攪拌手段5と、この攪拌手段5を覆う保護手段11を設けて、ジュール加熱の際に攪拌手段5で容器4内の液体と固体の混合食材を攪拌する構成によって、攪拌手段5が回転しても保護手11段が備わっているので容器内の固形物を崩すことなく、調理物に対流をおこして加熱むらを解消することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ジュール加熱技術を利用した加熱調理装置に関するものである。
従来、加熱調理を行う際には食品の特性に応じて、煮る、焼く、炒める、蒸すなどが行われてきた。これらはすべて伝熱加熱であり、熱源に近い食品表面ほど熱が伝わりやすく、加熱むらや焦げが生じやすいなどの欠点を有していた。
伝熱加熱とは異なり、食品内部から加熱されるものにマイクロ波加熱やジュール加熱がある。
マイクロ波加熱は食品に吸収された電磁波によって食品中の分子が振動し、この分子運動が摩擦熱となって食品自体が発熱することができる。しかし、マイクロ波加熱は定在波によって加熱されない部分が生じるので、やはり加熱むらが発生するという問題が生じた。
一方、ジュール加熱は食品に交流電流を直接流し、その電気抵抗によって食品を発熱させるものであり、加熱むらの少ない加熱法とされていた。しかし、粘性が高く導電率の異なる食品が混在している場合、食品によって電気抵抗に差が生じて電流が均一に流れなくなり、ジュール加熱にいても加熱むらという問題が生じた。このことに対する解決方法として加熱攪拌装置が提案されており、その一例を図4に示す。
加熱攪拌装置には容器21が備えられ、流動性食品材料を収容する。前記容器21の上面側は開放されていて、その上方から一対の攪拌電極22A、22Bが挿入されている。
これらの一対の攪拌電極22A、22Bは平板状に作られており、相互に平行となるように垂直に挿入されている。また、これらの攪拌電極22A、22Bは支持アーム23で連結して、回転給電部24を介して回転軸25に接続されている。
回転軸25はモータや減速機などからなる回転駆動源26によって軸中心に回転するようになっている。また、回転給電部24は電源装置27に電気的に接続されていて攪拌電極22A、22B間にジュール加熱のための電圧を加えると同時に回転駆動源26を作動させて攪拌電極22A、22Bを連続的に旋回させる。
この旋回によって、容器内の流動性材料に旋回流を生じさせて攪拌することができる。また、攪拌電極を複数設けて攪拌しながらジュール加熱を行うことで加熱むらを解消している(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−206575号公報
しかしながら、ジュール加熱のための電極を回転させて食品材料の攪拌する従来の方法では、ジャムのような流動性食材には適しているが、同じく流動性があり具材が入っているようなカレーやシチューおよび煮物には、攪拌手段である電極が軟らかくなりはじめた具材を崩してしまう課題を有した。
さらに、攪拌のための電極を複数設け、かつその電極を回転させる構成では具材がある
ことで電極が回転しにくく、加熱むらも解消されないという問題が生じ、具材のあるメニューには不向きであった。
ことで電極が回転しにくく、加熱むらも解消されないという問題が生じ、具材のあるメニューには不向きであった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、容器壁面に攪拌手段を設ける構成にすることで具材の多いメニューにおいてもジュール加熱の加熱むらを解消できる加熱調理装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理装置は、被加熱物を収納する容器と、前記容器壁面の少なくとも一面以上に着脱可能に配置した攪拌手段と、前記容器内に所定距離をおいて配設された複数本の電極と、前記相互の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記攪拌手段を覆う保護手段を具備し、前記電極に電圧を印加しながら、前記攪拌手段を作動するようにしたもので、攪拌手段で容器内の液体と固体の混合食材を攪拌しながらジュール加熱を行うものである。
本発明の加熱調理装置は固形食材を崩すことなく、加熱むらを解消しながらジュール加熱を行うことができる。
第1の発明は被加熱物を収納する容器と、前記容器壁面の少なくとも一面以上に設けた着脱可能な攪拌手段と、前記容器内に互いに一定距離を保持するように配設された2本以上の電極と、前記相互の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記攪拌手段を覆う保護手段とからなり、前記相互の電極に電圧を印加しながら、前記攪拌手段を少なくとも一つ以上作動することにより、固形食材を崩すことないとともに、容器内の調理物が攪拌されて加熱むらをが解消することができる。
第2の発明は、前記保護手段を攪拌手段が備えられている壁面と対向する位置に着脱自在に設けたものである。
第3の発明は前記保護手段に複数個の流通口を有する構成とし、攪拌手段によって起こる対流を保護手段で遮ることを防止できる。
第4の発明は前記攪拌手段を前記電極が相互に配設されている面とは異なる前記容器壁面に設けることにより、攪拌手段の作動で起こった対流が板状電極に遮られることなく、容器内の液体食材の温度むらを解消することができる。
第5の発明は前記攪拌手段が回転、あるいは180度の範囲で回転する構成とし、容器内の調理物の深さに応じた範囲で攪拌することができる。
第6の発明は前記容器内の温度をすくなくとも一箇所以上検知する温度検知手段と、前記電極間印加手段と前記攪拌手段の動作を制御する制御手段を設け、前記制御手段は前記温度検知手段の信号をもとに前記攪拌手段の作動を制御する構成とし、一箇所以上の温度を検知することで温度むらを把握でき、その温度むらの程度によって攪拌手段の作動と停止を行うので加熱むらが解消できるとともに攪拌手段の作動の無駄を省くことができる。さらにメニューに応じた最適温度で電極間の電圧印加を停止することができる。
以下本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1において、本体1は蓋2と筐体3からなり、前記筐体3には容器4が設置されている。
図1において、本体1は蓋2と筐体3からなり、前記筐体3には容器4が設置されている。
前記容器4の材質はフッ素樹脂やアクリル樹脂などの絶縁性のものを用いるか、絶縁性の皮膜で覆うようにしてもよい。
前記容器4の底面中央には攪拌手段5が設けられ、挿入部6と羽部7からなる。前記攪拌手段5は前記容器4底面を貫通して設けられている回転軸8に連結し、この回転軸8はさらにモータからなる駆動手段9に連結している。駆動手段9は駆動電源10から電力が供給される。
前記攪拌手段5の挿入部6を回転軸8に差し込む構成とし、容器底面の切り込みに前記挿入部6が嵌合することで、容器4底面と回転軸9との隙間は閉じられ、容器4内の調理物が漏れ出でないような構成になっている。
また、容器4底面には攪拌手段5の動作範囲を網羅するような保護手段11を設置する溝12が設けられている。すなわち、溝12に保護手段11を嵌合するようにしている。また、前記保護手段11は図2および図3に示すように網目11a、あるいはスリット11bが設けられている。
なお、前記攪拌手段5と保護手段11は容器4と同様な絶縁性材質で皮膜処理されている。
さらに、前記容器4の攪拌手段5が設けられていない対面する壁面に一対の電極13A、13Bが対極に配設されている。これら一対の電極13A、13Bは前記容器4の壁面に添うように板状に構成されていて、チタンなどの金属からなる。
前記電極13A、13Bは前記容器4から着脱自在であり、前記容器4自体も本体1から取り外すことがきる。
前記蓋2には前記電極13A、13Bを差し込んで固定できる電極固定部14が設けられており、さらに電極接触部15を介して電圧印加手段16に電気的に接続される。
電圧印加手段16は電極13A、13B間に電圧を加えるものであり、電極13A、13B間に配置された調理物に電流を流すものである。調理物は電流が流れる時に発生する電気抵抗によって発熱し加熱される。
また、前記容器4の壁面外部と底面外部の2箇所に温度検知手段17を設ける。特に容器4の壁面外部の温度検知手段17は、調理物2から4人分相当の一般的な分量を容器に入れた場合を想定して調理物の深さを設定し、その深さ以内に設置する。
容器4の深さ方向に2箇所設けられたこれらの温度検知手段17によって容器4内の調理物の上下温度を検知する。
前記温度検知手段17の検知信号は制御手段18に送られて、その信号を基に電圧印加手段16のオン、オフ制御が行われる。制御手段18には、調理メニューに応じた温度制御プログラムが記録されている。
次に、上記構成における具体的な動作について説明する。
容器4に調理物を入れた後、蓋2をする。蓋2をすることによって、電極13A、13Bは蓋2の電極固定部14に差し込まれ、電極固定部14に設けられている電極接触部15と電極13A、13Bが接触した状態となる。蓋2を閉めた場合にのみ電圧印加手段16と電極13A、13Bが電気的に接続された状態になり、蓋2を開けた状態では電気的な接続は断ち切られ、電極13A、13Bが印加されない構成としている。
使用者がスタートボタン(図示なし)を押すと、制御手段18により電圧印加手段16が作動して電極13A、13Bに電圧が印加される。電圧印加により電極間の調理物に電流が流れ、その時の電気的抵抗により調理物は発熱し加熱される。
また、電圧印加手段16の作動と同時に容器底面外部と容器壁面外部の温度検知手段17の検知信号も制御手段18に送られる。
一般的に溶液などを加熱すると自然対流によって、溶液の上方が高温で下方は低温になりやすいという容器内の上下方向(深さ方向)に加熱むらが生じる。よって容器底面と容器側面上部の2箇所の温度検知手段17で温度を測定することで、容器4内の上下温度むらを把握することができる。
そして、上下方向2箇所の温度検知手段17で検知された温度差があらかじめ設定している温度差よりも大きくなると、制御手段18は駆動電源10をオンにして駆動手段9が作動し、攪拌手段5が回転し始める。
攪拌手段5の羽部7が回転しても、羽部7の可動範囲は保護手段11で覆われているので、調理物の特に固形食材に接触することなく、溶液を対流させて上下の温度むらを解消することができる。
上下方向の温度差が一定以下になれば、制御手段18は駆動電源10をオフして駆動手段9が停止して攪拌手段5の回転も止まる。その後、2箇所の温度検知手段17での温度差があらかじめ設定している温度差よりも大きくなる場合があれば、再度攪拌手段5が回転するように駆動電源10がオンされて駆動手段9が作動する。
攪拌手段5の作動は制御手段18にあらかじめ設定されている一定温度に到達するまで継続される。
そして、あらかじめ設定されている一定温度に到達後、メニューの種類に応じてプログラムされている時間、その温度で保持した後に制御手段18は電圧印加手段16をオフして電極間に電流が流れるのを停止する。
このように、ジュール加熱時でも自然対流による上下方向の温度むらは生じており、この温度むらを検知してジュール加熱中に攪拌手段で対流を起こすことで、容器内の調理物、特に、溶液の上下方向の温度差を解消することができる。
また、溶液の温度が均一になることでその中の固形物があった場合、固形物自体も均一に加熱することができる。
さらに、攪拌手段が作動しても保護手段で覆われているので、調理物の固形食材が攪拌手段に崩されることがない。また、保護手段自体が網目状やスリットが設けられた構成なので、攪拌手段によって起こる対流を妨げることもない。
なお、このような効果が得られる代表的な調理メニューとして茶碗蒸しや卵豆腐など、加熱前は溶液で加熱が進むに従い凝固していくものがある。また、粘性を持つ溶液で固形の具材がゴロゴロと入っているものでシチューやカレーの類のメニューにも効果が得られる。前者の茶碗蒸しや卵豆腐は温度上昇に従いタンパク質成分が凝固して固まるが、液体の状態のときに加熱むらが生じると凝固する部位にむらができる。
よって、液体の状態から温度むらをなくしておけば、ジュール加熱による凝固を均一に起こすことができる。また、後者のシチューやカレーなどは溶液が粘性を持つために、攪拌しないと電極に近いところほど加熱されやすくて過加熱になりがちだが、保護手段で覆われた攪拌手段で攪拌することによって、具材を崩すことなく加熱むらを解消することができる。
なお、本実施の形態での電極の形は板状が好ましいが、板状のみに限定されるものではなく、棒状でも良い。また、容器内の対極する壁面すべてに電極を配設する構成であっても良く、電極の数に応じて蓋に電極固定部および電極接触部を設ければよい。
また、攪拌手段については電極が棒状の場合、攪拌手段を電極の設置位置に関わらず、容器壁面のどの面に設けても、複数であってもよい。
電極が板状で容器壁面に添うように設置されている場合、電極のない壁面であれば複数設ける構成でもよい。
さらに、攪拌手段が容器側面に位置していて、調理物の深さが浅い場合などは攪拌手段を左右に往復させて振り子のように動かすようにしてもよい。
以上のように、本発明にかかる加熱調理装置は、一対の電極とその電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、攪拌手段および攪拌手段の可動範囲を保護する保護手段を備え、攪拌手段が動作しても固形物を崩すことなく攪拌でき、加熱むらを解消することができる。よって、従来焦げ付きやすい具材のあるシチューの類や温度による変化がデリケートな卵料理などの加熱むらを防ぐので、家庭用の加熱調理装置として利用することができる。
1 本体
2 蓋
3 筐体
4 容器
5 攪拌手段
6 挿入部
7 羽部
8 回転軸
9 駆動手段
10 駆動電源
11 保護手段
12 溝
13A 電極
13B 電極
14 電極固定部
15 電極接触部
16 電圧印加手段
17 温度検知手段
18 制御手段
2 蓋
3 筐体
4 容器
5 攪拌手段
6 挿入部
7 羽部
8 回転軸
9 駆動手段
10 駆動電源
11 保護手段
12 溝
13A 電極
13B 電極
14 電極固定部
15 電極接触部
16 電圧印加手段
17 温度検知手段
18 制御手段
Claims (6)
- 被加熱物を収納する容器と、前記容器壁面の少なくとも一面以上に着脱可能に配置した攪拌手段と、前記容器内に所定距離をおいて配設された複数本の電極と、前記相互の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記攪拌手段を覆う保護手段と具備し、前記電極に電圧を印加しながら、前記攪拌手段を作動するようにした特徴とした加熱調理装置。
- 前記攪拌手段が備えられている壁面と対向する位置に着脱自在の保護手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理装置。
- 前記保護手段は複数個の流通口を有することを特徴とした請求項2記載の加熱調理装置。
- 前記攪拌手段は電極が相互に配設されている面とは異なる前記容器壁面に設けたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理装置。
- 前記攪拌手段は回転するように設定した請求項1記載の加熱調理装置。
- 前記容器内の温度を検知する温度検知手段と、前記電極間印加手段と前記攪拌手段の動作を制御する制御手段を設け、前記制御手段は前記温度検知手段の信号をもとに前記攪拌手段の作動を制御することを特徴とした請求項1記載の加熱調理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006313784A JP2008125792A (ja) | 2006-11-21 | 2006-11-21 | 加熱調理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006313784A JP2008125792A (ja) | 2006-11-21 | 2006-11-21 | 加熱調理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008125792A true JP2008125792A (ja) | 2008-06-05 |
Family
ID=39552218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006313784A Pending JP2008125792A (ja) | 2006-11-21 | 2006-11-21 | 加熱調理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008125792A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011071292A2 (ko) * | 2009-12-07 | 2011-06-16 | Jang Seung Ryong | 자가교반용기 |
JP2013079947A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-05-02 | Mettler-Toledo Ag | 含水量の重量測定のための測定機器 |
CN113576233A (zh) * | 2020-04-30 | 2021-11-02 | 佛山市顺德区美的电热电器制造有限公司 | 一种烹饪设备及方法、装置、存储介质 |
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-
2006
- 2006-11-21 JP JP2006313784A patent/JP2008125792A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011071292A2 (ko) * | 2009-12-07 | 2011-06-16 | Jang Seung Ryong | 자가교반용기 |
WO2011071292A3 (ko) * | 2009-12-07 | 2011-11-17 | Jang Seung Ryong | 자가교반용기 |
JP2013079947A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-05-02 | Mettler-Toledo Ag | 含水量の重量測定のための測定機器 |
CN113576233A (zh) * | 2020-04-30 | 2021-11-02 | 佛山市顺德区美的电热电器制造有限公司 | 一种烹饪设备及方法、装置、存储介质 |
CN113576234A (zh) * | 2020-04-30 | 2021-11-02 | 佛山市顺德区美的电热电器制造有限公司 | 一种烹饪设备及方法、装置、存储介质 |
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