JPH1189425A - キノコ栽培容器及びキノコ栽培方法 - Google Patents

キノコ栽培容器及びキノコ栽培方法

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JPH1189425A
JPH1189425A JP9273609A JP27360997A JPH1189425A JP H1189425 A JPH1189425 A JP H1189425A JP 9273609 A JP9273609 A JP 9273609A JP 27360997 A JP27360997 A JP 27360997A JP H1189425 A JPH1189425 A JP H1189425A
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mushroom
cultivation container
mushroom cultivation
container
oxygen
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JP9273609A
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Etsuo Kobayashi
悦雄 小林
Itsuo Kawamura
逸夫 川村
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Abstract

(57)【要約】 【解決すべき課題】栽培容器内に充満する代謝ガスを速
やかに栽培容器外に放出すると共に、酸素と湿分とに富
む新鮮な外気を取り入れて、菌糸の呼吸作用を活発にす
ることができるキノコ栽培方法を開示する。 【課題の解決手段】上面に被蓋可能な広口開口1aを有
するキノコ栽培ビン1の底面2に通気開口3を有するキ
ノコ栽培ビン中にキノコ培養基を形成し、通気開口3を
囲んで、カップ体6を設け、その中に空気中の水分と反
応して酸素を放出する酸素発生剤9を載置して、キノコ
栽培室において、栽培することにより、外気導入口7か
ら入った空気が、発生した酸素を伴って、通気開口3か
ら培養基中に進入することにより、代謝ガスの蓋70か
らの排出と菌糸への酸素の供給効果により、良質のキノ
コを増産できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エノキダケ、本シ
メジ、ヒラタケ等に代表されるキノコの容器栽培に用い
るキノコ栽培容器の改良とその容器を用いた栽培方法と
に関するものである。
【0002】
【従来技術】エノキダケ等の木材腐朽菌に属する食用キ
ノコ(子嚢菌類や担子菌類の子実体中食用に適したも
の)の人工栽培は、おが屑やコーンコブ(トウモロコシ
の穂軸)の粉砕物などの、草、木質素材の粉粒物と米糠
やふすまなどの精穀時の副生物やおからや海草粉末など
のような食品製造における廃棄物をキノコの栄養剤とし
て混合し、これを800〜1000cc程度の耐熱プラ
スチック製広口容器に詰めて高温殺菌処理を施した後に
放冷し、種菌を植え付けてから、キノコ栽培室におい
て、所定の温度湿度環境で、菌糸の培養工程(菌糸を培
養基に蔓延させる工程)、発芽(子実体分化)工程、生
育工程(子実体を成長させる工程)を経て、エノキダケ
ならば、植菌から、およそ55日前後で収穫を行う。
【0003】このようなキノコ容器栽培は、年々規模が
拡大し、1回の栽培に使用される容器の数は、数十万本
規模になっており、栽培容器一本当たりの収穫量と品質
の向上とが、採算を決定する最大の要因として、改良が
行われている。本発明者は、キノコ栽培に用いられた
後、容器から掻き出されて野積み状態で放置されている
廃培養基には、繰り返してキノコを収穫できるほどの成
分が残存している事実にに着目し、栽培容器中における
菌糸培養条件やキノコ生育工程における培養基の状態を
検討した結果、特に、これら菌糸や子実体の成長時にお
いて、栽培容器内が、炭酸ガスを主体とする代謝ガスで
充満してしまい、菌糸の呼吸作用を妨げ、その生育を阻
んでいる事実と、代謝熱による水分の蒸発によって培養
基が次第に乾燥して水分不足を招いている事実を見いだ
し、この原因を除去することを目的として試行錯誤を重
ねた末に本発明を完成したものである。
【0004】
【解決すべき課題】本発明の第1の目的は、菌糸の発育
が良好で、培養基の単位重量当たりのキノコ収穫量が大
きいキノコ栽培容器を開示することにある。本発明の第
2の目的は、菌糸の生育が活発に行われ、培養基成分の
菌糸による利用率が高くなるキノコ栽培容器を開示する
ことにある。本発明の第3の目的は、栽培容器内に充満
する代謝ガスを速やかに栽培容器外に放出すると共に、
酸素に富み高湿の新鮮な外気を取り入れて、菌糸の呼吸
作用を活発にすることができるキノコ栽培容器を開示す
ることにある。本発明の第4の目的は、培養基の単位重
量当たりのキノコ収穫量が多く、且つ、品質のよいキノ
コが栽培できる、キノコ栽培方法を開示することにあ
る。
【0005】
【課題の解決手段】本発明の第一の要旨は、上面に被蓋
可能な開口を有する広口容器から成るキノコ栽培容器に
おいて、該栽培容器の底面に通気開口が形成されいるこ
とを特徴とするキノコ栽培容器にある。
【0006】上記第一要旨に係るキノコ栽培容器の典型
例は、耐熱性プラスチックによって、広口ビン型に成形
された容器の底部に1以上の通気開口を設けた構成であ
る。通気開口は、おが屑等の培養基が、通過できない大
きさの複数の小孔でもよく、これよりも、より大きな開
口の場合は、該通気開口に網目布や不織布、或いは、連
続気泡を持つプラスチック発泡体などで、覆ったり、蓋
をしたものなどを挙げることができる。通気開口の位置
は、底面全域に分散配置してもよいし、底面周囲に偏在
させてもよいが、中央寄りに設けるのが、進入気流の分
散が平均化するので好ましい。
【0007】培養基に植え付けられた菌糸は、その生育
過程において、炭酸ガス等の代謝ガスや分解ガスを発生
すると共に、発熱する。最も生産量の多いエノキダケに
例をとると、培養基温度を15℃に保って栽培した場合
とそれより温度を高くした場合との品質の比較(水キノ
コの発生率の比較)をすれば、温度を高く保つほど、品
質の低下が著しくなる。品種によっては、15℃の場合
と21℃の場合で6倍以上の水キノコ(水分率が異常に
高い不良品)発生率の差が生じる。菌糸培養の工程で
は、キノコ栽培容器は、広口ビンの上部開口に、雑菌の
侵入を防止するための蓋を被せて、培養を行う。培養基
内に発生した代謝ガスや水蒸気は、蓋の外周縁下部にわ
ずかに開口するスリット状の通気孔から、蓋内面に設け
られたポリウレタン発泡体製の円盤型フィルターを通し
て排出される。外気も同様の通路を反対方向に流れて供
給される。
【0008】したがって、栽培容器内には、新鮮な酸素
に富む外気の進入が阻まれており、また、蓋を通して培
養基上空に進入した外気も、発熱して上昇する水蒸気や
代謝ガス、或いは、混在する栄養剤の分解ガス等と置き
換わるのに時間がかかり、菌糸の生育を阻んでいた。そ
れに対して、本願キノコ栽培容器は、菌糸の生育に伴う
発熱により、昇温して上昇する炭酸ガス等の代謝ガスや
水蒸気等によって、減圧状態になっている中心部に向け
て、容器下部に設けられた通気開口から、新鮮で且つ湿
度の高い(一般に栽培室内雰囲気は95%RH前後に湿
度調整されている)空気が速やかに供給されるので、熱
がこもって温度上昇しやすい培養基中心部と栽培容器外
周に近い部分との温度差が緩和されると共に、高湿で酸
素に富む新鮮な空気の供給により、菌糸の発育が盛んに
なる。
【0009】本発明の第二の要旨は、上記第一要旨によ
って規定されるキノコ栽培容器において、通気開口が、
キノコ栽培容器底面に形成した凹部若しくは凸部に、抗
菌エアフィルターを介して開口していることを特徴とす
るキノコ栽培容器にある。
【0010】キノコ菌とその生育を阻む雑菌との至適生
育条件は、極めて近似しており、湿度条件ならば、1〜
2%RHの差である。従って、通気開口は、また雑菌の
侵入口でもあり、更には、キノコ発生(子実体分化)の
ための開口ともなりかねない。従って、開口部の汚染や
開放は、開口の大きさによっては、キノコ栽培に悪影響
を及ぼす虞れがある。栽培容器に形成した容器内方に凹
む凹部は、通気開口が、キノコ栽培容器を運搬、収納、
管理作業を施すために用いる箱形のコンテナ底面や作業
台に直接触れて、雑菌侵入の原因となるのを防止する。
更に、通気開口を外側から覆う抗菌エアフィルタは、浮
遊細菌の容器内への侵入を阻止する。エアフィルタに担
持される抗菌剤は、公知のものが使用できるが、例え
ば、不織布などにカテキン、ヒノキチオール、銀、銅或
いはこれらの金属塩を含む抗菌剤などを含浸させ、或い
は、担持させたものは、抗菌効果が高い。
【0011】本発明の第三の要旨は、前記第一要旨又は
第二要旨によって規定されるキノコ栽培容器において、
通気開口が、キノコ栽培容器に嵌脱自在なカバー手段に
よって囲まれており、前記通気開口は、該カバー手段に
形成された外気導入口を通してキノコ栽培容器外と連通
するように構成されていることを特徴とするキノコ栽培
容器にある。
【0012】上記第三要旨に係る栽培容器において、カ
バー手段は、キノコ栽培容器の夫々に、設けられている
ものでもよいし、複数の栽培容器に対して、1個のカバ
ー手段を設けたものでもよい。カバー手段は、通気開口
部の雑菌による汚染を防止すると共に、栽培過程で一般
に用いられているキノコ栽培用コンテナなどの底面によ
って、通気開口が塞がれてしまうのを防止する。更に、
後記するように、カバー手段と栽培容器との間に形成さ
れる空間の雰囲気を、富酸素化したり、富水蒸気化した
りして、必要に応じて、栽培容器内のキノコ培養基に酸
素や水分を供給することにも用いられる。
【0013】本発明の第四の要旨は、上記第三要旨によ
って規定されるキノコ栽培容器において、カバー手段
が、キノコ栽培容器の底面を囲むように、キノコ栽培容
器の下部外周面に着脱自在に外嵌するカップ状体から成
り、該カップ状体の側面には、1以上の外気導入口が開
口していることを特徴とするキノコ栽培容器にある。
【0014】上記第四要旨に係る栽培容器は、第三要旨
に規定される栽培容器の一例で、現在、一般に使用され
ている既存のキノコ栽培ビンの底部に、通気開口を設け
ると共に、そのキノコ栽培ビンの下端外周に嵌合可能な
カップ状体を組み合わせることにより、既存のキノコ栽
培ビンは、本願キノコ栽培容器として、使用可能にな
る。
【0015】本発明の第五の要旨は、前記第三要旨又は
第四要旨によって規定されるキノコ栽培容器において、
外気導入開口から通気開口に至る空間に酸素発生剤が挿
入されていることを特徴とするキノコ栽培容器にある。
【0016】上記第五要旨に係るキノコ栽培容器におい
て用いられる酸素発生剤としては、キノコ栽培環境中の
空気に含まれる水分と反応して、酸素を発生する酸素発
生剤が、酸素発生の持続性を持つことと、発生量の調節
が容易であることにより、好都合である。このようなも
のとしては、過酸化物系のものが、一般に市販されてお
り、例えば、過酸化カルシウム等の過酸化塩に賦形剤を
加えて、錠剤化したものなどが用いられる。
【0017】菌糸の発育に伴って、培養基内は代謝熱に
よって昇温し、水蒸気や炭酸ガスなどの代謝ガスが栽培
容器内を上昇し、培養工程であれば、蓋に設けられた開
口から容器外に抜けて行く。それに伴って、容器底部の
通気開口から酸素や湿分(水蒸気分)に富む気流が培養
基に供給されるので、菌糸や子実体の生育は盛んにな
り、代謝ガスの滞留や水分不足に伴う生育遅滞現象が解
消される。この成長促進作用は、培養基の菌糸による利
用率を向上せしめ、菌糸の活力を高めることによる雑菌
の排除、キノコ収量の増大、キノコ品質の向上等の結果
をもたらす。
【0018】本発明の第六の要旨は、上面に被蓋可能な
開口を有する広口容器から成るキノコ栽培容器の底面に
通気開口を有するキノコ栽培容器中にキノコ培養基を形
成してキノコを栽培するキノコ栽培方法において、少な
くとも、菌糸培養工程、及び/又は、キノコ生育工程に
おいて、前記通気開口の外傍を酸素、及び/又は、湿分
(水蒸気分)に富む雰囲気によって取り囲むことによ
り、前記通気開口からキノコ培養基中に、酸素、及び/
又は、水分を、供給することを特徴とするキノコ栽培方
法にある。
【0019】上記第六要旨において、通気開口を囲む、
酸素に富む雰囲気や高湿雰囲気は、前記第五要旨に規定
されたような構成による場合もあるし、所定数のキノコ
栽培容器を単位として、その単位毎に、それらの通気開
口を一括して囲むカバー体を設けて、その中を酸素や水
蒸気に富む雰囲気で満たしてもよい。更には、キノコ栽
培容器を囲む栽培環境全体を酸素ボンベや加湿器等によ
り富酸素状態や高湿状態に保ってもよい。酸素や湿分に
富む空気の培養基中への供給効果は、前述の場合と同じ
である。
【0020】
【発明の実施形態】図1は、本発明に係るキノコ栽培容
器Vの第1実施態様を示すものである。図1において、
ポリプロピレンなどのような耐熱性樹脂によって、広口
ビン型にブロー成形された栽培ビン1は、上面に広口開
口1aが設けられており、これに、蓋70を被せると、
該開口1aは、蓋70の外周縁下面に数箇所設けた通気
孔71、71、…、と、連続気泡を持つポリウレタン発
泡体から成るエアフィルタ72を通して、蓋の外部と連
通することになる。
【0021】栽培ビンの底面2は、栽培ビンに強度を持
たせる役割も兼ねて、容器内上方に向かって凹んでいる
凹部4が形成されており、この凹部4に、複数の通気開
口3、3、…が穿設されている。通気開口3、…を栽培
容器外側か覆うように、不織布や、連続気泡を持つプラ
スチック発泡体片等から成る抗菌エアフィルタ5が、接
着剤等により栽培ビン1に一体的に設けられている。エ
アフィルタ5には、抗菌剤として、茶葉から抽出された
カテキンを含浸させることにより担持させてある。キト
サンやヒノキチオールなどでもよい。
【0022】このような栽培ビン1の構成は、従来のキ
ノコ栽培ビンの底部に通気開口を穿設してエアフィルタ
を接着一体化すれば、容易に出来上がる。栽培ビンの通
気開口3を囲むカバー手段として、上端周縁6aが、栽
培ビンの下部外周面に、気密に外嵌可能な偏平カップ体
6が、栽培ビンの底面側から着脱自在に設けられてい
る。カップ体6の側面には、外気導入口7、7、…が、
穿設されている。この外気導入口7の夫々も、雑菌等の
侵入を防止するエアフィルタ8によって、覆われてい
る。エアフィルタ8は必ずしも必須のものではないが、
抗菌エアフィルタを用いれば雑菌の培養基への侵入は、
更に困難になる。6b、6b、…は、カップ体底面から
上方に突設した突起で、栽培ビンの底面を支持する。こ
れも必須のものではない。
【0023】このような構成から成る本願キノコ栽培容
器Vは、栽培ビンを従来の栽培ビンと同様に使用して、
内部に培養基組成物を充填し、殺菌釜中で殺菌処理した
後放冷し、植菌して被蓋する。次いで、栽培ビンの底部
にカップ体6を嵌着する。そのとき、カップ体6中に、
過酸化カルシウム錠剤から成る酸素発生剤9を収納して
おく。このようにして、図1に示すような、カップ体6
とキノコ培養基を内蔵した栽培ビンとが結合したキノコ
栽培容器Vが、得られる。これが、必要に応じて、所定
数づつコンテナに収容されて、夫々の栽培工程に付され
る。
【0024】上記酸素発生剤は、95%前後に湿度調整
されたキノコ栽培室の空気が、外気導入口7からカップ
体6と栽培ビン1の底面との間の空間に入ると、空気中
の水分と反応して、酸素を発生する。栽培すべきキノコ
の種類や栽培容器の大きさによっても異なるが、例え
ば、賦形剤中に過酸化カルシウムを30重量%含む酸素
発生剤2〜20グラムを、カップ体中に投入しておけ
ば、エノキダケ生育期間である55日間に、総量でおよ
そ100〜900mlの酸素を、接触した空気中の湿分
量に応じて持続的に発生させることができる。キノコ栽
培容器は、従来のものと異なり、容器の上下に気流が通
過できる開口を持っているので、代謝熱により昇温して
上昇する代謝ガスは、容易に栽培ビン1外に放出され、
代わりに、外気導入口7から入った高湿に調整された栽
培室内の空気が、酸素発生剤9に接触して、酸素と湿分
とに富む空気となって、通気開口3から、キノコ栽培ビ
ン中に入り、培養基中に拡散する。
【0025】かくして、菌糸は、酸素と水分とを連続的
に補給されて、菌糸の生育は盛んになり、培養基は菌糸
によってより多く分解され、エノキダケの単位培養基重
量当たりの発生量は、増大する。又、菌糸の旺盛な生育
は、雑菌による汚染を押え、その面でも、収量に貢献す
る。更に、品質面でも、A級の製品の割合が高くなる。
本発明者らの実験によれば、800ccの栽培ビンを用
いて、エノキダケを50日間栽培した結果は、本願キノ
コ栽培容器Vを用いた場合(大同酸素株式会社製酸素発
生剤を6グラム使用)と、同形同容積の従来の栽培ビン
を用いた場合の平均収量は、本願の場合の方が、約35
%増収した。又、品質面でも、水キノコの発生は皆無
で、すべてA級であった。
【0026】図1に示す第1実施態様では、カバー手段
は、栽培ビン1の底面全体を覆う場合を示したが、図2
の第2実施態様において示すように、通気開口13が穿
設されている栽培ビン11の底面に設けた凹部14に、
図1で示したような蓋70と同様の構成を持つカバー手
段16を着脱自在に嵌合させてもよい。カバー手段16
は、プラスチック製の中空円盤状で、内部にポリウレタ
ン製エアフィルタを内蔵し、円盤外周縁16aのやや内
側から、上方に突出する突縁16bが凹部14の内周面
に嵌合して、嵌着している。気流は、鍔状外周縁16c
付近の上面に設けた外気導入口17から、エアフィルタ
18を通過し、更に、通気開口13から、栽培ビン11
内に入る。19は、酸素発生剤である。15は、通気開
口を覆う抗菌エアフィルタである。作用効果は、第1実
施態様の場合と同じである。
【0027】上記第2実施態様では、栽培ビン11の底
部に、凹部14を設けたが、図3に示す第3実施態様で
は、栽培ビン11aの底面に、栽培ビン11aの上部開
口11bと同径に、円形に突出する開口14aを形成
し、これに、上部開口11bに、着脱自在に嵌着した上
蓋70aと同様の下蓋70bを、着脱自在に嵌着するこ
とにより、通気開口73a、…と、この通気開口を塞ぐ
フィルター72aと、外気導入口71a、…とを備えた
ことを特徴とする、栽培ビン下面に設けた凸部に通気開
口を持つキノコ栽培容器が形成される。蓋70a,bの
構成は、前記蓋70と、全く同じ構成である。
【0028】この第3実施態様の容器を用いて、更に酸
素発生剤を適用するには、図3に示すように、第1実施
態様とほぼ同様の構成のカップ状体60を用いて、下蓋
70bを囲んで、栽培ビン11aとカップ状体下面との
間の空間に、酸素発生剤を収納すればよい。実施態様3
の栽培ビンは、湿分と酸素との補給効果の他に、菌糸に
よって堅く固まって廃おが屑の取り出しや内部の洗浄等
が極めて容易になる。
【0029】図4は、本発明の第4実施態様を示すもの
である。第1〜3実施態様においては、カバー手段は、
栽培容器の夫々に、一つづつ設けられていたが、この場
合は、キノコ栽培に汎用されているコンテナへの収納単
位で、カバー手段を設けたものである。キノコ栽培用コ
ンテナ80は、上面が開放されたプラスチック製の平面
視形状が略正方形の箱形容器で、この中に、キノコ栽培
ビンが16本隙間なく収納できる。従って、コンテナ
は、運搬だけでなく、所定数の栽培ビンの位置決め手段
でもある。
【0030】カバー手段26は、コンテナ80の底面
に、出し入れ自在に、隙間なく載置可能な略正方形の偏
平箱体から成り、その上面には、収納されるべき栽培容
器21、21、…の中央部付近に対応する位置に、通気
穴26a、26a、…(図では、16カ所)が、設けら
れている。栽培ビン21の底面22の中央よりに穿設さ
れている通気開口23、…は、この通気穴26aに対面
している。通気穴26aの周囲は、栽培ビン21が載置
されたとき、底面によって閉塞される。カバー手段26
内に、酸素発生剤29、…を適当量収納すれば、発生し
た酸素は、カバー手段に導入される外気と共に、栽培容
器21内のキノコ培養基中に拡散進入する。27は、カ
バー手段26の上面の栽培ビンに塞がれない位置に、前
述の実施態様と同様の構成で設けた外気導入口で、これ
は又、カバー手段の側面のコンテナ開口部81等に面し
た部分に設けてもよい。23は通気開口を覆う抗菌フィ
ルタである。
【0031】このようなカバー手段26は、必要に応じ
て、酸素に富む気流自体を導入することも可能であり、
第1、第2実施態様の場合と異なり、カバー手段の着脱
の手間が省ける。通気穴26aは、その径を拡大して、
図6に第5実施態様として示すように、栽培容器31の
底部外周のテーパー部31aが、嵌合して、通気開口3
3が囲まれると共に、正確に位置決めされるようにして
もよい。この場合、キノコ栽培用の各種自動機器が、コ
ンテナ収納状態で処理する場合が多いので、その適用を
より一層容易にする。酸素に富む気流の効果は、前述の
場合とほぼ同じである。又、図6のカバー手段36にお
いて、その底面40は、省略する事ができる。特に、こ
のカバー手段36を収納すべき、コンテナ80の底面
が、多孔板や網目板等の開口部を持つように構成されて
いる場合は、底板40を省略し、酸素発生剤を直接に、
コンテナ底面に置くことも可能である。勿論、そのよう
な場合には、外気導入口37は、不要である。
【0032】
【効果】上記実施態様に示した本願キノコ栽培容器、及
び、それを用いたキノコ栽培方法は、従来のキノコ栽培
機械が、そのまま使用でき、しかも、本願キノコ栽培容
器は、安価に製造できる上に、従来のキノコ栽培ビンに
も、簡単な加工を施すことにより、実現が可能である。
上記実施態様では、酸素を供給するベスト態様を示した
が、酸素発生剤を用いない場合においても、本願の代謝
ガス交換の容易性や、高湿空気の供給によるキノコ培養
基の水分保持が維持されることから、その効果は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキノコ栽培容器の第1実施態様を
示す断面説明図である。
【図2】本発明に係るキノコ栽培容器の第2実施態様の
要部を示す断面説明図である。
【図3】本発明に係るキノコ栽培容器の第3実施態様を
使用状態において示す部分断面説明図である。
【図4】本発明に係るキノコ栽培容器の第4実施態様を
使用状態において示す説明図である。
【図5】図4に示したカバー手段26を平面方向から見
た説明図である。
【図6】本発明に係るキノコ栽培容器の第5実施態様の
要部を示す説明図である。
【符号の説明】
V キノコ栽培容器 1、11、21、31 栽培ビン 1a 広口開口 2、12、22、32 底面 3、13、23、33 通気開口 4、14 凹部 5、15 抗菌エアフィルタ 6 カップ体 16、26 カバー手段 16a、26a、36a 通気穴 7、17、37 外気導入口 8、18、38 エアフィルタ 9、19、29、39 酸素発生剤 70 蓋

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面に被蓋可能な開口を有する広口容器か
    ら成るキノコ栽培容器において、該栽培容器の底面に通
    気開口が形成されいることを特徴とするキノコ栽培容
    器。
  2. 【請求項2】通気開口が、キノコ栽培容器底面に形成し
    た凹部若しくは凸部に、抗菌エアフィルターを介して開
    口している請求項1のキノコ栽培容器。
  3. 【請求項3】通気開口が、キノコ栽培容器に嵌脱自在な
    カバー手段によって囲まれており、前記通気開口は、該
    カバー手段に形成された外気導入口を通してキノコ栽培
    容器外と連通するように構成されている請求項1又は2
    のキノコ栽培容器。
  4. 【請求項4】カバー手段が、キノコ栽培容器の底面を囲
    むように、キノコ栽培容器の下部外周面に着脱自在に外
    嵌するカップ状体から成り、該カップ状体の側面には、
    1以上の外気導入口が開口している請求項3のキノコ栽
    培容器。
  5. 【請求項5】外気導入開口から通気開口に至る空間に酸
    素発生剤が挿入されている請求項3又は4のキノコ栽培
    容器。
  6. 【請求項6】上面に被蓋可能な開口を有する広口容器か
    ら成るキノコ栽培容器の底面に通気開口を有するキノコ
    栽培容器中にキノコ培養基を形成してキノコを栽培する
    キノコ栽培方法において、少なくとも、菌糸培養工程、
    及び/又は、キノコ生育工程において、前記通気開口の
    外傍を、酸素、及び/又は、湿分に富む雰囲気によって
    取り囲むことにより、前記通気開口からキノコ培養基中
    に、酸素、及び/又は、水分を供給することを特徴とす
    るキノコ栽培方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010090448A3 (ko) * 2009-02-04 2010-11-25 Lee Jin Woo 버섯 재배 용기
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KR20160097455A (ko) * 2015-02-06 2016-08-18 인지전기공업 주식회사 꽃송이버섯 재배 장치
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CN109168998A (zh) * 2018-09-28 2019-01-11 天津绿圣蓬源农业科技开发有限公司 一种可方便菌渣清理的蟹味菇栽培瓶

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