JPH11874A - ネジ締め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 目視によってネジの締め付け状態を簡単に検
査できるように、ネジの締め付けに関連して、ネジ又は
ネジの周辺にネジが完全に締め付けられていることを表
すマーキング部を形成できるネジ締め装置を提供するこ
と。 【解決手段】 本体内にモータ２，モータ２に連結した
減速機３，減速機の出力軸先端に結合したチャック４，
チャックに装着したドライバー体５を含む電動ドライバ
ー装置１と、電動ドライバー装置によるネジの締め付け
に関連してレーザービーム１０を発生させるマーキング
装置７とを具備し、前記電動ドライバー装置にマーキン
グ装置を付設すると共に、マーキング装置からのレーザ
ービームが、締め付け完了したネジ又はその周辺を照射
し、照射部分に痕跡などのマーキング部を形成するよう
に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はネジ締め装置に関
し、特に第１の部材と第２の部材とを複数のネジによっ
て固定する際に用いる電動ドライバー装置を含むネジ締
め装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種ネジ締め装置としては、図
５に示すような電動ドライバー装置１が広く利用されて
いる。この電動ドライバー装置１は、例えば本体内に配
置されたモータ２と、本体内に配置され、かつモータ２
の軸に連結された減速機３と、本体より露呈し、かつ減
速機３の出力軸先端に結合されたチャック４と、チャッ
クに装着されたドライバー体５と、本体内に位置する減
速機３の出力軸部分に配置されたトルクセンサ６とから
構成されている。

【０００３】この電動ドライバー装置１を用いたネジの
締め付けは、例えば図６〜図７に示すように行われる。
尚、固定対象となる第１の部材Ａは、例えば金属部材に
てケース様に構成されており、その１壁面には内側にネ
ジ部を有する複数のバーリング部Ａａが形成されてい
る。又、第２の部材Ｂは、例えば板状に構成されてお
り、その端部には第１の部材Ａのバーリング部Ａａに対
応する取付孔が形成されている。

【０００４】まず、第１の部材Ａの１壁面に第２の部材
Ｂを、バーリング部Ａａと取付孔とが合致するように重
ね合わせる。この状態で、一方の取付孔部分に座金Ｄ，
スプリングワッシャＥを積層して配置すると共に、ネジ
Ｃをそれぞれの孔を介してバーリング部Ａａに螺入する
（図７の状態）。引き続き、他方についても同様にバー
リング部ＡａにネジＣを螺入する。次に、一方のネジＣ
の頭部に電動ドライバー装置１におけるドライバー体５
の先端を押し当てて係合する。この状態で、図示しない
スイッチをＯＮすることにより、ドライバー体５が回転
し、ネジＣはさらに螺入され、完全に締め付けられる直
前（トルクセンサ６が作動しない状態）でスイッチをＯ
ＦＦする。

【０００５】次に、他方のネジＣの頭部に電動ドライバ
ー装置１におけるドライバー体５の先端を押し当てて係
合する。この状態でスイッチをＯＮすることにより、ド
ライバー体５が回転し、ネジＣは螺入されて完全に締め
付けられる。この状態でトルクセンサ６が作動し、それ
以上は締め付けられなくなる。その後、一方のネジＣに
電動ドライバー装置１におけるドライバー体５の先端を
係合し、トルクセンサ６が作動するまで回転・螺入させ
ることにより、ネジＣはバーリング部Ａａに完全に締め
付けられる。これにより、第１の部材Ａと第２の部材Ｂ
との固定が完了する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に第１の部材Ａと第２の部材Ｂとの固定に複数のネジＣ
を用いる場合には、すべてのネジＣをすべてのバーリン
グ部Ａａのネジ部に仮止めした状態になし、その後、第
１の部材Ａと第２の部材Ｂとの位置合わせなどを行いな
がら、順次に完全な締め付けが行われているために、第
１の部材Ａと第２の部材Ｂとを所望の位置精度でもって
確実に固定することができる。

【０００７】しかしながら、量産工程では、その作業イ
ンデックスが短く設定されることが多いために、最初に
仮止めしたネジＣの本締め付けを忘れてしまうことがあ
る。従って、第１の部材Ａと第２の部材Ｂとの組み立て
終了後に、組み立て構体の全数について作業者が目視に
よって締め付け忘れがないかどうかを検査しているもの
の、締め付けが完全か不完全かの識別が難しいのみなら
ず、その良否判断に多大の工数と手間を要するという問
題がある。

【０００８】それ故に、本発明の目的は、目視によって
ネジの締め付け状態を簡単に検査できるように、ネジの
締め付けに関連して、ネジ又はネジの周辺にネジが完全
に締め付けられていることを表すマーキング部を形成で
きるネジ締め装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上述
の目的を達成するために、本体内にモータ，モータに連
結した減速機，減速機の出力軸先端に結合したチャッ
ク，チャックに装着したドライバー体を含む電動ドライ
バー装置と、電動ドライバー装置によるネジの締め付け
に関連してレーザービームを発生させるマーキング装置
とを具備し、前記電動ドライバー装置にマーキング装置
を付設したことを特徴とする。

【００１０】又、本発明の第２の発明は、前記電動ドラ
イバー装置における減速機の出力軸にトルクセンサを設
け、ネジの締め付け完了に伴うトルクセンサからの出力
に基づいてマーキング装置からレーザービームを放出さ
せることを特徴とし、さらに、第３の発明は、前記マー
キング装置からのレーザービームを、締め付け完了した
ネジ又はその周辺に照射し、照射部分に痕跡などのマー
キング部を形成することを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるネジ締め装
置について図１〜図３を参照して説明する。尚、図５〜
図７に示す従来例と同一部分には同一参照符号を付し、
その詳細な説明は省略する。この実施例における特徴部
分は電動ドライバー装置１の本体１ａに、ネジの締め付
けに関連してレーザービームを放出するマーキング装置
７を付設したことである。このマーキング装置７は、例
えばケース体７ａに電源部を含む制御部８と、制御部８
からの信号に基づいてレーザービーム１０を放出するレ
ーザー発光部９とから構成されており、制御部８はトル
クセンサ６からの信号に基づいて動作するように構成さ
れている。尚、レーザー発光部９から放出されるレーザ
ービーム１０はネジ締めの対象となるネジの頭部に照射
されるように調整されている。

【００１２】次に、このネジ締め装置によるネジの締め
付け方法について図３〜図４を参照して説明する。尚、
第１の部材Ａと第２の部材Ｂとは互いに重ね合わされて
おり、すべてのネジＣがすべての取付孔からバーリング
部Ａａのネジ部に仮止めされた状態になっているものと
する。まず、図４（ａ）に示すように、電動ドライバー
装置１におけるドライバー体５の先端をネジＣの頭部に
押し当てて係合する。この状態でモータ２を回転させる
と、ドライバー体５も回転し、ネジＣはバーリング部Ａ
ａに螺入される。そして、減速機３の出力軸に配置され
ているトルクセンサ６が、予め設定されたトルクに到達
しネジＣが完全に締め付けられたことを検出すると、図
３に示すように、その検出信号が制御部８に出力され
る。この信号に基づいて制御部８が制御され、レーザー
発光部９が作動してレーザービーム１０を放出する。こ
のレーザービーム１０は締め付け対象のネジＣの頭部に
照射され、その頭部には、図４（ｂ）に示すように、照
射による痕跡などのマーキング部Ｐが形成される。以
下、同様にしてそれぞれのネジを締め付けることによっ
てネジの頭部にはマーキング部Ｐが形成され、第１の部
材Ａと第２の部材Ｂとの固定が完了する。

【００１３】この実施例によれば、締め付け対象のネジ
Ｃが完全に締め付けられると、その締め付けに関連して
マーキング装置７からレーザービーム１０が放出され、
ネジＣの頭部に照射されると同時に、その頭部にマーキ
ング部Ｐが形成される。従って、第１の部材Ａと第２の
部材Ｂとの組み立て完了後におけるネジの締め付け状態
の目視による検査は、ネジＣの頭部にマーキング部Ｐが
形成されているか否かによって締め付けが完全か不完全
かを瞬時に識別でき、かつ良否の判定を確実に行うこと
ができる。

【００１４】特に、マーキング装置７からのレーザービ
ーム１０はトルクセンサ６からの締め付けが完了したと
の信号に基づいて放出されるために、ネジＣの頭部にマ
ーキング部Ｐが形成されておれば、そのネジＣは確実に
締め付けられていると判断することができ、上述のよう
に締め付け状態の識別・判断を容易に行うことができる
ようになる。

【００１５】尚、本発明は何ら上記実施例にのみ制約さ
れることなく、例えば電動ドライバー装置によるネジの
締め付け状態の検出はトルクセンサの他、モータの駆動
電流を利用したり、回転角度を利用したりすることもで
きる。又、ドライバー体の先端形状は締め付け対象のネ
ジの頭部の形態に応じて適宜に変更できる。マーキング
装置によるマーキング部の形成は締め付け対象のネジの
頭部の他、そのネジの周辺部分に形成させることもでき
る。さらにはマーキング装置は電動ドライバー装置の本
体側部に付設する他、本体内に付設し、レーザービーム
が所望部分に照射可能なるように構成することもでき
る。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、締め付
け対象のネジが完全に締め付けられると、その締め付け
に関連してマーキング装置からレーザービームが放出さ
れ、ネジの頭部又はその周辺に照射されると同時に、そ
の頭部又はその周辺にマーキング部が形成される。従っ
て、複数の部材の組み立て完了後におけるネジの締め付
け状態の目視による検査は、ネジの頭部又はその周辺に
マーキング部が形成されているか否かによって締め付け
が完全か不完全かを瞬時に識別でき、かつ良否の判定を
確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるネジ締め装置の正面図である。

【図２】図１の概略構成図である。

【図３】制御系のブロック構成図である。

【図４】ネジの締め付け方法を説明するための図であっ
て、同図（ａ）はネジの締め付け完了に伴ってマーキン
グ装置からレーザービームが放出されている状態を示す
一部断面の正面図、同図（ｂ）は同図（ａ）のネジ部分
の平面図である。

【図５】従来のネジ締め装置を示す概略構成図である。

【図６】ネジの締め付け状態を示す平面図である。

【図７】図６の要部断面図である。

【符号の説明】

１ 電動ドライバー装置 １ａ 本体 ２ モータ ３ 減速機 ４ チャック ５ ドライバー体 ６ トルクセンサ ７ マーキング装置 ７ａ ケース体 ８ 制御部 ９ レーザー発光部 １０ レーザービーム Ａ 第１の部材 Ａａ バーリング部 Ｂ 第２の部材 Ｃ ネジ Ｐ マーキング部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体内にモータ，モータに連結した減速
   機，減速機の出力軸先端に結合したチャック，チャック
   に装着したドライバー体を含む電動ドライバー装置と、
   電動ドライバー装置によるネジの締め付けに関連してレ
   ーザービームを発生させるマーキング装置とを具備し、
   前記電動ドライバー装置にマーキング装置を付設したこ
   とを特徴とするネジ締め装置。
2. 【請求項２】 前記電動ドライバー装置における減速機
   の出力軸にトルクセンサを設け、ネジの締め付け完了に
   伴うトルクセンサからの出力に基づいてマーキング装置
   からレーザービームを放出させることを特徴とする請求
   項１記載のネジ締め装置。
3. 【請求項３】 前記マーキング装置からのレーザービー
   ムを、締め付け完了したネジ又はその周辺に照射し、照
   射部分に痕跡などのマーキング部を形成することを特徴
   とする請求項１記載のネジ締め装置。